JP2001139520A - α−アシルオキシメチルアクリル酸エステル類の製造法 - Google Patents

α−アシルオキシメチルアクリル酸エステル類の製造法

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JP2001139520A
JP2001139520A JP32816299A JP32816299A JP2001139520A JP 2001139520 A JP2001139520 A JP 2001139520A JP 32816299 A JP32816299 A JP 32816299A JP 32816299 A JP32816299 A JP 32816299A JP 2001139520 A JP2001139520 A JP 2001139520A
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acid
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mol
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JP32816299A
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English (en)
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Keiji Yurugi
啓嗣 万木
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 α−アシルオキシメチルアクリル酸エステル
類を、高転化率および高選択率で生産性良く製造する方
法を提供する。 【解決手段】 メタクリル酸エステル類と脂肪族カルボ
ン酸と酸素とを、窒素含有化合物および/またはリン含
有化合物の存在下に反応させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α−アシルオキシ
メチルアクリル酸エステル類の製造方法に関するもので
ある。さらに詳しくは、メタクリル酸エステル類をアシ
ルオキシ化反応させることによるα−アシルオキシメチ
ルアクリル酸エステル類の製造方法に関するものであ
る。
【0002】α−アシルオキシメチルアクリル酸エステ
ル類は、香料や医農薬原料として、有機合成中間体とし
て、さらに重合性材料として広範囲に用いられる有用な
化合物である。
【0003】
【従来の技術】メタクリル酸エステル類、脂肪族カルボ
ン酸および酸素からα−アシルオキシメチルアクリル酸
エステル類を製造する方法として、特公昭46−381
32号公報に、メタクリル酸エステル類、酢酸および酸
素から、パラジウム触媒の存在下に気相反応によりα−
アセトキシメチルアクリル酸エステル類を製造する方法
が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法は、メタクリル酸エステル類の約10%が
二酸化炭素まで酸化されてしまい、原料として回収不可
能となるため、原料コストがかかってしまう、また総合
的な収率が低い等の工業的生産においては、種々の問題
点を有している。
【0005】本発明は上記のごとき状況に鑑みてなされ
たものであり、α−アシルオキシメチルアクリル酸エス
テル類を安価に高転化率で高選択率に製造する方法を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、α−アシ
ルオキシメチルアクリル酸エステル類を安価に効率良く
製造する方法を提供するため、鋭意検討を重ねた結果、
メタクリル酸エステル類、脂肪族カルボン酸および酸素
を、窒素含有化合物および/またはリン含有化合物の存
在下で反応させることにより、α−アシルオキシメチル
アクリル酸エステル類を製造することができることを見
出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、本発明は、下記一般式(1):
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R1は水素原子または有機残基を
表す)で表されるメタクリル酸エステル類と、下記一般
式(2):
【0010】
【化5】
【0011】(式中、 R2はアルキル基を表す)で表わ
される脂肪族カルボン酸と酸素とを、窒素含有化合物お
よび/またはリン含有化合物の存在下で反応させること
を特徴とする下記一般式(3):
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R1は水素原子または有機残基を
表し、 R2はアルキル基を表す)で表されるα−アシル
オキシメチルアクリル酸エステル類の製造方法に関す
る。
【0014】前記反応を、元素周期表の第3周期から第
6周期の金属元素を含む触媒の存在下で行うことが好ま
しいものである。
【0015】また前記反応は、重合禁止剤の存在下に行
うことが好ましいものある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の一形態につ
いて詳しく説明する。
【0017】本発明において原料として用いられる前記
一般式(1)で表されるメタクリル酸エステル類は、式
中のR1で示される置換基が水素原子または有機残基で
構成される化合物であれば、特に限定されるものではな
い。
【0018】R1で表される有機残基とは、例えば炭素
数1〜18の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基、
炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜20
のアルコキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化
(例えば塩素化、臭素化またはフッ素化)アルキル基、
またはアリール基である。これらのうち、炭素数1〜8
のアルキル基が好適に用いられる。
【0019】前記一般式(1)で表されるメタクリル酸
エステル類の代表例としては、特に限定されるものでは
ないが、具体的には、メタクリル酸、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルお
よびメタクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
【0020】本発明において原料として用いられる一般
式(2)で表される脂肪族カルボン酸は、式中のR2
示される基がアルキル基で構成される化合物であれば、
特に限定されるものではない。
【0021】R2で表されるアルキル基としては、例え
ば炭素数1〜18の直鎖状、分枝状または環状のアルキ
ル基、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基、炭素数2
〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアセ
トキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化(例えば
塩素化、臭素化またはフッ素化)アルキル基等が挙げら
れる。これらのうち、炭素数1〜3のアルキル基が好適
に用いられる。
【0022】前記一般式(2)で表される脂肪族カルボ
ン酸の代表例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉
草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチ
ル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アセト酢酸、ヒド
ロキシプロピオン酸、イソブタン酸、ヒドロキシイソブ
タン酸、t−ブチル酢酸等が挙げられ、好ましくは、酢
酸、プロピオン酸、酪酸である。
【0023】前記一般式(1)で表されるメタクリル酸
エステル類と前記一般式(2)で表わされる脂肪族カル
ボン酸の反応初期におけるモル比は、特に限定されるも
のではないが、5/1〜1/5の範囲内であればよい。
上記範囲内でも4/1〜1/4の範囲内が好ましく、3
/1〜1/3の範囲内がより好ましく、2/1〜1/2
の範囲内が特に好ましい。前記一般式(1)で表される
メタクリル酸エステル類または前記一般式(2)で表わ
される脂肪族カルボン酸のどちらかを上記範囲内よりも
過剰に添加しても、収率の向上および反応時間の短縮等
の効果は望められず、過剰な原料の回収工程が長くな
り、経済的に不利となる。
【0024】本発明に使用される酸素は、原子状および
/または分子状酸素であり、好ましくは分子状酸素であ
る。また、分子状酸素は反応系の気相部の酸素濃度が爆
発範囲をはずれる様に窒素、アルゴン、二酸化炭素等の
不活性な気体との混合気体として使用するのが好まし
い。
【0025】本発明は、元素周期律表の第3周期から第
6周期の金属元素を含む触媒の存在下で反応を行うの
が、収率の点で好ましい。前記触媒に含まれる金属元素
としては、例えばナトリウム、マグネシウム、アルミニ
ウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、
バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ルビジウム、
ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオ
ブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、
アンチモン、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタ
ル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウ
ム、白金、金、水銀、タリウム、鉛、ビスマス等の元素
が挙げられ、これらのうち、バナジウム、クロム、マン
ガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モ
リブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラ
ジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、タングス
テン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、
水銀、タリウム、鉛およびビスマスがより好ましく、ル
テニウム、パラジウム、ロジウム、白金、金、ビスマ
ス、アンチモン、モルブデン、タングステンおよびニオ
ブがさらに好ましい。前記触媒は金属単独、金属化合物
あるいは複数の金属化合物の組み合わせの形態でもよ
く、また触媒に含まれる前記元素は1種類でも良いし、
2種類以上を適宜組み合わせて使用しても良い。
【0026】前記触媒としては、特に限定されるもので
はないが、元素周期律表の第3周期から第6周期の金属
元素を含む触媒が好ましい。具体例としては、前記金属
元素のギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩等のカルボン酸
塩;前記金属元素の塩化物、臭化物、ヨウ化物等のハロ
ゲン化物;前記金属元素の酸化物;前記金属元素の硝酸
塩、硫酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩;シリカ、アルミナ、
ジルコニア、チタニア等の金属酸化物、炭素、木炭、活
性炭、アスベスト、シリカ−アルミナ、ゼオライト、オ
ルガノゾルゲル、イオン交換樹脂、クレー、炭酸塩、炭
酸塩等の担体に前記金属元素を担持した担持型触媒;前
記金属元素の錯体等が挙げられる。前記担持型触媒の調
製方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法で
担持することができる。具体的には例えば、含浸法、イ
オン交換法、共沈法、沈着法、混練法で調整することが
できる。
【0027】前記触媒の使用量は、用いる前記一般式
(1)で表されるメタクリル酸エステル類や一般式
(2)で表される脂肪族カルボン酸の種類や組み合わせ
にもよるが、元素周期律表の第3周期から第6周期の金
属元素が該メタクリル酸エステル類1モルに対して0.
00001〜1モル、好ましくは0.00005〜0.
1モル、さらに好ましくは0.0001〜0.05重量
%、特に好ましくは0.0005〜0.01モルの範囲
内となるように使用すればよい。触媒の使用量が0.0
0001モルよりも少ない場合には、活性が十分に発揮
されにくく、反応時間が長くなりすぎ、一般式(3)で
表されるα−アシルオキシメチルアクリル酸エステル類
を効率的に製造できなくなる場合がある。また、触媒の
使用量を1モルよりも多くしても、触媒の増加に比例し
た反応時間の短縮等のさらなる向上は望めず、使用した
触媒の一部が無駄になり、経済的に不利となる場合があ
る。
【0028】本発明は、前記反応を、窒素含有化合物お
よび/またはリン含有化合物の存在下で行うことを特徴
とする。前記窒素含有化合物としては、特に限定される
ものではないが、具体的には、気体または水溶液等のア
ンモニア;メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチル
アミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルア
ミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、エチレンジアミン、N,N−ジメチル
エチレンジアミン、N,N,N‘,N’−テトラメチル
エチレンジアミン等の脂肪族アミン;ピリジン、メチル
ピリジン、ビピリジン、ヒドロピリジン、フェナントロ
リン等の複素環アミン;アニリン、ジフェニルアミン、
トリフェニルアミン等の芳香族アミン等が挙げられる。
【0029】また、前記リン含有化合物としては、特に
限定されるものではないが、具体的には、トリメチルホ
スフィン、トリエチルホスフィン等のトリアルキルホス
フィン;トリフェニルホスフィン、トリス(2−メトキ
シフェニル)ホスフィン等のトリアリールホスフィン;
ジフェニルメチルホスフィン、ジフェニルエチルホスフ
ィン等のジアリールアルキルホスフィン等の一座ホスフ
ィン;1,2−ジフェニルホスフィノエタン、1,4−
ビスジフェニルホスフィノブタン等の二座ホスフィン;
トリメチルホスファイトトリエチルホスファイト、トリ
ブチルホスファイト等のトリアルキルホスファイト;ト
リフェニルホスファイト等のトリアリールホスファイト
等が挙げられる。これらは単独でも、あるいは2種以上
を適宜組み合わせて使用することができる。これらの中
でも、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、
トリフェニルホスフィン、トリス(2−メトキシフェニ
ル)ホスフィンが好適に用いられる。特に、トリメチル
ホスフィン、トリフェニルホスフィンがより好適に用い
られる。
【0030】前記窒素含有化合物および/またはリン含
有化合物の添加量は、用いる一般式(1)で表されるメ
タクリル酸エステル類の種類にもよるが、該メタクリル
酸エステル類1モルに対して、0.001〜3モル、好
ましくは0.01〜2モル、より好ましくは0.05〜
1.8モル、特に好ましくは0.1〜1.5モルの範囲
内となるように添加すればよい。窒素含有化合物および
/またはリン含有化合物の添加量がメタクリル酸エステ
ル類1モルに対して0.001モルよりも少ない場合に
は、転化率および選択率の効率的な向上が望めない。一
方、窒素含有化合物および/またはリン含有化合物を含
む助触媒をメタクリル酸エステル類1モルに対して3モ
ルよりも多く添加しても、窒素含有化合物および/また
はリン含有化合物を含む助触媒の増加に比例した転化率
および選択率のさらなる向上は望めず、添加した窒素含
有化合物および/またはリン含有化合物を含む助触媒の
一部が無駄になり、経済的に不利となる。
【0031】前記反応を、窒素含有化合物および/また
はリン含有化合物の存在下で行うことにより、転化率お
よび選択率等が向上する理由については特に明確ではな
いが、触媒または助触媒の様に、反応に関与するのでは
ないかと推察される。
【0032】また本発明において、前記反応を、塩基性
化合物を存在下に行うことが、転化率および選択率の点
で好ましい。前記塩基性化合物としては、特に限定され
るものではないが、具体的には、ギ酸リチウム、ギ酸ナ
トリウム、ギ酸カリウム、ギ酸マグネシウム、ギ酸カル
シウム、ギ酸バリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、プロピオン酸リチウム、プロピオン
酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、プロピオン酸マ
グネシウム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸バ
リウム等のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金
属カルボン酸塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム等のアルカリ金属および/またはア
ルカリ土類金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム等のアルカリ金属および/またはアル
カリ土類金属炭酸塩;リン酸リチウム、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム、リン酸カル
シウム、リン酸バリウム等のアルカリ金属および/また
はアルカリ土類金属炭酸塩;ほう酸リチウム、ほう酸ナ
トリウム、ほう酸カリウム、ほう酸マグネシウム、ほう
酸カルシウム、ほう酸バリウム等のアルカリ金属および
/またはアルカリ土類金属ほう酸塩等が挙げられる。こ
れらは単独でも、あるいは2種以上を適宜組み合わせて
使用することができる。これらの中でも、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオ
ン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウムが好適に用いられる。特
に、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムがより好適に用いら
れる。
【0033】前記塩基性化合物の添加量は、用いる一般
式(1)で表されるメタクリル酸エステル類の種類にも
よるが、転化率および選択率の向上効果の点で、該メタ
クリル酸エステル類1モルに対して、0.001〜3モ
ル、好ましくは0.01〜2モル、より好ましくは0.
05〜1.8モル、特に好ましくは0.1〜1.5モル
の範囲内となるように添加すればよい。
【0034】また本発明において、原料である前記一般
式(1)で表されるメタクリル酸エステル類および生成
物である前記一般式(3)で表されるα−アシルオキシ
メチルアクリル酸エステル類は重合性化合物であり、重
合禁止剤の存在下で反応させることが、これらの化合物
の重合を抑制し、収率の点で好ましい。
【0035】前記重合禁止剤としては、特に限定される
ものではないが、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノ
ン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール等
のキノン系重合禁止剤;2,6−ジ−tert−ブチル
フェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノー
ル、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノー
ル、2,6―ジ―tert−ブチル−4−メチルフェノ
ール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール
等のアルキルフェノール系重合禁止剤;アルキル化ジフ
ェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレン
ジアミン、フェノチアジン等のアミン系重合禁止剤;ジ
メチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミ
ン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカル
バミン酸銅系重合禁止剤等が挙げられる。これらは単独
でも、あるいは2種以上を適宜組み合わせて使用するこ
とができる。これらのなかでも、キノン系重合禁止剤、
特にヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノ
ン、p−tert−ブチルカテコールおよびフェノチア
ジンが好適に用いられる。
【0036】前記重合禁止剤の添加量は、用いる前記一
般式(1)で表されるメタクリル酸エステル類の種類に
もよるが、該メタクリル酸エステル類の0.001〜5
重量%、好ましくは0.005〜1重量%、特に好まし
くは0.01〜0.1重量%の範囲内となるように添加
すればよい。重合禁止剤の添加量が0.001%よりも
少ない場合には、前記の重合を十分抑制することができ
なくなる。一方、重合禁止剤の添加量を5重量%よりも
多くしても、重合禁止剤の増加に比例した重合防止効果
のさらなる向上は望めず、添加した重合禁止剤の一部が
無駄になり、経済的に不利となる。
【0037】本発明において、反応温度は、特に限定さ
れるものではないが、50℃〜200℃の範囲内が好ま
しく、60℃〜180℃の範囲内がさらに好ましく、7
0℃〜150℃の範囲内が特に好ましい。反応時間は、
上記反応が完結するように、メタクリル酸エステル類、
脂肪酸エステル、触媒および有機溶剤の種類や組み合わ
せ、使用量等に応じて適宜設定すればよい。
【0038】また本発明において、反応圧力は、前記一
般式(1)で表されるメタクリル酸エステル類の種類と
反応温度の組み合わせにもよるが、特に限定されるもの
ではなく、常圧(大気圧)、減圧、加圧の何れであって
もよい。
【0039】本発明では特に溶剤を使用する必要は無い
が、本発明を液相で行う場合には、有機溶剤を使用する
こともできる。有機溶剤は、特に限定されるものではな
いが、例えば、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;ペンタ
ン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭
化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル
等のエーテル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロ
ロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類等
が挙げられる。
【0040】前記有機溶剤の使用量は、用いる前記一般
式(1)で表されるメタクリル酸エステル類および脂肪
族カルボン酸の組み合わせにもよるが、該メタクリル酸
エステル類および脂肪族カルボン酸を合わせた総量の0
〜200重量%、好ましくは0〜100重量%、さらに
好ましくは0〜80重量%、特に好ましくは0〜70重
量%の範囲内となるように使用すればよい。有機溶剤の
使用量が200重量%よりも多い場合には、一般式
(3)で表されるα−アシルオキシメチルアクリル酸エ
ステル類を効率的に製造できなくなる場合がある。
【0041】本発明により製造されるα−アシルオキシ
メチルアクリル酸エステル類は、前記一般式(3)で表
され、式中のR1およびR2は。各々前記一般式(1)お
よび(2)の定義と同様である。
【0042】本発明にしたがって製造されたα−アシル
オキシメチルアクリル酸エステル類は、触媒を分離した
後、反応溶液を精製することによって得ることができ
る。上記精製手段は特に限定されるものではないが、蒸
留法、抽出法およびカラムクロマト法等によって分離・
精製することができる。これらの方法は組み合わせて実
施してもよい。これらの内、蒸留法が特に好ましい。
【0043】上記精製工程により分離された原料である
メタクリル酸エステル類や脂肪族カルボン酸は、再び反
応に用いることができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。
【0045】なお、実施例中の担持型触媒のPd含有量
はジメチルグリオキシム法(JISK−8154)に準
拠し定量した。
【0046】実施例1 温度計、攪拌装置、圧力計、およびガス導入管を取り付
けた100mlのSUS316製オートクレーブに、メ
タクリル酸エステル類としてのメタクリル酸メチル2
0.0g、脂肪族カルボン酸としての酢酸12.0g、
重合禁止剤としてのフェノチアジン10mg、触媒とし
ての活性炭担持パラジウム(Pd含有量:5重量%)
2.0g、およびリン含有化合物としてのトリフェニル
ホスフィン1.3gを添加した後、オートクレーブ内を
10モル%酸素−90モル%窒素混合気体により完全に
置換した。10モル%酸素−90モル%窒素混合気体を
50気圧添加した後、混合攪拌しながら徐々に加熱し、
内温を120℃とした。
【0047】次いで、120℃での圧力が60気圧を維
持するように酸素を追加しながら8時間攪拌することに
より反応を完了させた。
【0048】反応終了後、反応溶液からろ過により触媒
を除去した後、得られたろ液をGC−14B型ガスクロ
マトグラフィー((株)島津製作所製;以下「GC」と
いう)により測定した結果、目的とするα−アセトキシ
メチルアクリル酸メチルの収率は70モル%であり、不
純物のピークはほとんど検知されなかった。
【0049】実施例2 重合禁止剤をメトキシハイドロキノン10mgとした以
外は、実施例1と同じ操作を行った。GCにより測定し
た結果、目的とするα−アセトキシメチルアクリル酸メ
チルの収率は70モル%であり、不純物のピークはほと
んど検知されなかった。
【0050】実施例3 トリフェニルホスフィンに代えて、トリメチルホスフィ
ン0.5gを添加した以外は、実施例1と同じ操作を行
った。GCにより測定した結果、目的とするα−アセト
キシメチルアクリル酸メチルの収率は69モル%であ
り、不純物のピークははほとんど検知されなかった。
【0051】実施例4 トリフェニルホスフィンに代えて、窒素含有化合物とし
てトリエチルアミン0.5gを添加した以外は、実施例
1と同じ操作を行った。GCにより測定した結果、目的
とするα−アセトキシメチルアクリル酸メチルの収率は
67モル%であり、不純物のピークはほとんど検知され
なかった。
【0052】実施例5 塩基性化合物として酢酸カリウム1.0gを添加した以
外は、実施例1と同じ操作を行った。GCにより測定し
た結果、目的とするα−アセトキシメチルアクリル酸メ
チルの収率は75モル%であり、不純物のピークは検知
されなかった。
【0053】比較例1 トリフェニルホスフィンを添加しなかった以外は、実施
例1と同じ操作を行った。GCにより測定した結果、目
的とするα−アセトキシメチルアクリル酸メチルの収率
は63モル%であり、不純物のピークが検知された。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、α−アシルオキシメチ
ルアクリル酸エステル類を転化率および選択率良く、経
済的に生産性良く製造することができる。
【0055】本発明により得られるα−アシルオキシメ
チルアクリル酸エステル類は、香料や医農薬原料、有機
合成中間体、さらに重合性材料等に広範囲に用いること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/732 C07C 69/732 Z // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 (式中、R1は水素原子または有機残基を表す)で表さ
    れるメタクリル酸エステル類と、下記一般式(2): 【化2】 (式中、 R2はアルキル基を表す)で表わされる脂肪族
    カルボン酸と酸素とを、窒素含有化合物および/または
    リン含有化合物の存在下に反応させることを特徴とする
    下記一般式(3): 【化3】 (式中、R1は水素原子または有機残基を表し、 R2
    アルキル基を表す)α−アシルオキシメチルアクリル酸
    エステル類の製造方法。
  2. 【請求項2】 元素周期表の第3周期から第6周期の金
    属元素を含む触媒の存在下に反応させる請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 重合禁止剤の存在下に反応させる請求項
    1または2に記載の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006342151A (ja) * 2005-05-12 2006-12-21 Nippon Shokubai Co Ltd 水酸基含有アルケンの製造方法
WO2011148903A1 (ja) * 2010-05-24 2011-12-01 株式会社日本触媒 α位置換アクリル酸エステル類及びそれを含む組成物、並びに、それらの製造方法

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