JP2001058973A - α−アシルオキシメチルアクリル酸エステル類の製造方法 - Google Patents

α−アシルオキシメチルアクリル酸エステル類の製造方法

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JP2001058973A
JP2001058973A JP11328155A JP32815599A JP2001058973A JP 2001058973 A JP2001058973 A JP 2001058973A JP 11328155 A JP11328155 A JP 11328155A JP 32815599 A JP32815599 A JP 32815599A JP 2001058973 A JP2001058973 A JP 2001058973A
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reaction
oxygen
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aliphatic carboxylic
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JP11328155A
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English (en)
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Keiji Yurugi
啓嗣 万木
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 α−アシルオキシメチルアクリル酸エステル
類を経済的に生産性良く製造する方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1): 【化1】 (式中、R1は水素原子または有機残基を表す)で表さ
れるメタクリル酸エステル類と脂肪族カルボン酸と酸素
とを、液相で反応させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α−アシルオキシ
メチルアクリル酸エステル類の製造方法に関するもので
ある。さらに詳しくは、メタクリル酸エステル類をアシ
ルオキシ化反応させることによるα−アシルオキシメチ
ルアクリル酸エステル類の製造方法に関するものであ
る。
【0002】α−アシルオキシメチルアクリル酸エステ
ル類は、香料や医農薬原料として、有機合成中間体とし
て、さらに重合性材料として広範囲に用いられる有用な
化合物である。
【0003】
【従来の技術】メタクリル酸エステル類、脂肪族カルボ
ン酸および酸素からα−アシルオキシメチルアクリル酸
エステル類を製造する方法として、特公昭46−381
32号公告にメタクリル酸エステル類、酢酸および酸素
から、パラジウム触媒の存在下に気相反応によりα−ア
セトキシメチルアクリル酸エステル類を製造する方法が
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法は気相反応であるため、メタクリル酸エス
テル類の種類が限定されてしまうこと、また、メタクリ
ル酸エステル類の約10%が原料として回収不可能な二
酸化炭素まで酸化されてしまうこと等の問題点を有して
いる。
【0005】本発明は上記のごとき状況に鑑みてなされ
たものであり、α−アシルオキシメチルアクリル酸エス
テル類を経済的に効率よく製造する方法を提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、α−アシ
ルオキシメチルアクリル酸エステル類を経済的に製造す
る方法を提供するため、鋭意検討を重ねた結果、メタク
リル酸エステル類、脂肪族カルボン酸および酸素を液相
状態で反応させることによって、経済的にα−アシルオ
キシメチルアクリル酸エステル類を製造することができ
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、本発明は、下記一般式(1):
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R1は水素原子または有機残基を
表す)で表されるメタクリル酸エステル類と、下記一般
式(2):
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R2はアルキル基を表す)で表わ
される脂肪族カルボン酸と、酸素とを、液相で反応させ
ることを特徴とする下記一般式(3):
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R1は水素原子または有機残基を
表し、 R2はアルキル基を表す)で表されるα−アシル
オキシメチルアクリル酸エステル類の製造方法に関す
る。
【0014】前記反応は、元素周期表の第3周期から第
6周期の金属元素を含む触媒の存在下で行うことが好ま
しいものである。
【0015】また前記反応は、重合禁止剤の存在下に行
うことが好ましいものある。
【0016】また前記反応に用いる酸素は、分子状酸素
であることが好ましいものある。
【0017】また前記反応は、塩基性化合物の存在下に
行うことが好ましいものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の一形態につ
いて詳しく説明する。
【0019】本発明において原料として用いられる一般
式(1)で表されるメタクリル酸エステル類は、式中の
1で示される置換基が水素原子または有機残基で構成
される化合物であれば、特に限定されるものではない。
【0020】R1で表される有機残基とは、例えば炭素
数1〜18の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基、
炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜20
のアルコキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化
(例えば塩素化、臭素化またはフッ素化)アルキル基、
またはアリール基である。これらのうち、炭素数1〜8
のアルキル基が好適に用いられる。
【0021】前記一般式(1)で表されるメタクリル酸
エステル類の代表例としては、特に限定されるものでは
ないが、具体的には、メタクリル酸、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルお
よびメタクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
【0022】本発明において原料として用いられる一般
式(2)で表される脂肪族カルボン酸は、式中のR2
示される基がアルキル基で構成される化合物であれば、
特に限定されるものではない。
【0023】R2で表されるアルキル基としては、例え
ば炭素数1〜18の直鎖状、分枝状または環状のアルキ
ル基、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基、炭素数2
〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアセ
トキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化(例えば
塩素化、臭素化またはフッ素化)アルキル基等が挙げら
れる。これらのうち、炭素数1〜3のアルキル基が好適
に用いられる。
【0024】前記一般式(2)で表される脂肪族カルボ
ン酸の代表例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉
草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチ
ル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アセト酢酸、ヒド
ロキシプロピオン酸、イソブタン酸、ヒドロキシイソブ
タン酸、t−ブチル酢酸等が挙げられ、好ましくは、酢
酸、プロピオン酸、酪酸である。
【0025】前記一般式(1)で表されるメタクリル酸
エステル類と前記一般式(2)で表わされる脂肪族カル
ボン酸の反応初期におけるモル比は、特に限定されるも
のではないが、5/1〜1/5の範囲内であればよい。
上記範囲内でも4/1〜1/4の範囲内が好ましく、3
/1〜1/3の範囲内がより好ましく、2/1〜1/2
の範囲内が特に好ましい。前記一般式(1)で表される
メタクリル酸エステル類または前記一般式(2)で表わ
される脂肪族カルボン酸のどちらかを上記範囲内よりも
過剰に添加しても、収率の向上および反応時間の短縮等
の効果は望められず、過剰な原料の回収工程が長くな
り、経済的に不利となる。
【0026】本発明に使用される酸素は、原子状および
/または分子状酸素であり、好ましくは分子状酸素であ
る。また、分子状酸素は反応系の気相部の酸素濃度が爆
発範囲をはずれる様に窒素、アルゴン、二酸化炭素等の
不活性な気体との混合気体として使用するのが好まし
い。
【0027】本発明は、元素周期律表の第3周期から第
6周期の金属元素を含む触媒の存在下で行うのが、収率
の点で好ましい。前記触媒に含まれる金属元素として
は、例えばナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、
カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジ
ウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ルビジウム、スト
ロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モ
リブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラ
ジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモ
ン、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタル、タン
グステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、
金、水銀、タリウム、鉛、ビスマス等の元素が挙げら
れ、これらのうち、バナジウム、クロム、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデ
ン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、タングステ
ン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水
銀、タリウム、鉛およびビスマスがより好ましく、ルテ
ニウム、パラジウム、ロジウム、白金、金、ビスマス、
アンチモン、モルブデン、タングステンおよびニオブが
さらに好ましい。前記触媒は金属単独、金属化合物ある
いは複数の金属化合物の組み合わせの形態でもよく、ま
た触媒に含まれる前記元素は1種類でも良いし、2種類
以上を適宜組み合わせて使用しても良い。
【0028】前記触媒としては、特に限定されるもので
はないが、具体例としては、元素周期律表の第3周期か
ら第6周期の金属元素の、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン
酸塩等のカルボン酸塩;塩化物、臭化物、ヨウ化物等の
ハロゲン化物;酸化物;硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の
鉱酸塩;金属錯体等が挙げられ、また前記金属元素が、
シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の金属酸化
物、炭素、木炭、活性炭、アスベスト、シリカ−アルミ
ナ、ゼオライト、オルガノゾルゲル、イオン交換樹脂、
クレー、炭酸塩、炭酸塩等の担体に担持された担持型触
媒であってもよい。
【0029】該担持型触媒の調整方法は、特に限定され
るものではなく、公知の方法で担持することができる。
具体的には例えば、含浸法、イオン交換法、共沈法、沈
着法、混練法で調整することができる。
【0030】前記触媒の使用量は、用いる前記一般式
(1)で表されるメタクリル酸エステル類や一般式
(2)で表される脂肪族カルボン酸の種類や組み合わせ
にもよるが、元素周期律表の第3周期から第6周期の金
属元素が該メタクリル酸エステル類1モルに対して0.
00001〜1モル、好ましくは0.00005〜0.
1モル、さらに好ましくは0.0001〜0.05重量
%、特に好ましくは0.0005〜0.01モルの範囲
内となるように使用すればよい。触媒の使用量が0.0
0001モルよりも少ない場合には、活性が十分に発揮
されにくく、反応時間が長くなりすぎ、一般式(3)で
表されるα−アシルオキシメチルアクリル酸エステル類
を効率的に製造できなくなる場合がある。また、触媒の
使用量を1モルよりも多くしても、触媒の増加に比例し
た反応時間の短縮等のさらなる向上は望めず、使用した
触媒の一部が無駄になり、経済的に不利となる場合があ
る。
【0031】また本発明において、原料である前記一般
式(1)で表されるメタクリル酸エステル類および生成
物である前記一般式(3)で表されるα−アシルオキシ
メチルアクリル酸エステル類は重合性化合物であり、重
合禁止剤の存在下で反応させることが、これらの化合物
の重合を抑制し、収率の点で好ましい。前記重合禁止剤
としては、特に限定されるものではないが、ヒドロキノ
ン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−ter
t−ブチルカテコール等のキノン系重合禁止剤;2,6
−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−te
rt−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,
6−ジメチルフェノール、2,6―ジ―tert−ブチ
ル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−ter
t−ブチルフェノール等のアルキルフェノール系重合禁
止剤;アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェ
ニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン等のア
ミン系重合禁止剤;ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジ
エチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミ
ン酸銅等のジチオカルバミン酸銅系重合禁止剤等が挙げ
られる。これらは単独でも、あるいは2種以上を適宜組
み合わせて使用することができる。これらのなかでも、
キノン系重合禁止剤、特にヒドロキノン、メトキシヒド
ロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコ
ールおよびフェノチアジンが好適に用いられる。
【0032】上記重合禁止剤の添加量は、用いる前記一
般式(1)で表されるメタクリル酸エステル類の種類に
もよるが、該メタクリル酸エステル類の0.001〜5
重量%、好ましくは0.005〜1重量%、特に好まし
くは0.01〜0.1重量%の範囲内となるように添加
すればよい。重合禁止剤の添加量が0.001%よりも
少ない場合には、前記の重合を十分抑制することができ
なくなる。一方、重合禁止剤の添加量を5重量%よりも
多くしても、重合禁止剤の増加に比例した重合防止効果
のさらなる向上は望めず、添加した重合禁止剤の一部が
無駄になり、経済的に不利となる。
【0033】本発明にかかる反応は、液相で反応を行う
ことを特徴とする。
【0034】反応温度は、液相を維持できる範囲であれ
ば特に限定されるものではないが、50℃〜200℃の
範囲内が好ましく、60℃〜180℃の範囲内がさらに
好ましく、70℃〜150℃の範囲内が特に好ましい。
反応時間は、上記反応が完結するように、メタクリル酸
エステル類、脂肪酸エステル、触媒および有機溶剤の種
類や組み合わせ、使用量等に応じて適宜設定すればよ
い。
【0035】また反応圧力は、前記一般式(1)で表さ
れるメタクリル酸エステル類の種類と反応温度の組み合
わせにもよるが、反応系が液体状態に保たれるならば、
特に限定されるものではなく、常圧(大気圧)、減圧、
加圧の何れであってもよい。
【0036】また、本発明において、反応系中に塩基性
化合物を存在させることが転化率および選択率の点で好
ましい。前記塩基性化合物としては、特に限定されるも
のではないが、具体的には、ギ酸リチウム、ギ酸ナトリ
ウム、ギ酸カリウム、ギ酸マグネシウム、ギ酸カルシウ
ム、ギ酸バリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢
酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸
バリウム、プロピオン酸リチウム、プロピオン酸ナトリ
ウム、プロピオン酸カリウム、プロピオン酸マグネシウ
ム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸バリウム等
のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属カルボ
ン酸塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸
化バリウム等のアルカリ金属および/またはアルカリ土
類金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バ
リウム等のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金
属炭酸塩;リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸
カリウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リ
ン酸バリウム等のアルカリ金属および/またはアルカリ
土類金属炭酸塩;ほう酸リチウム、ほう酸ナトリウム、
ほう酸カリウム、ほう酸マグネシウム、ほう酸カルシウ
ム、ほう酸バリウム等のアルカリ金属および/またはア
ルカリ土類金属ほう酸塩等が挙げられる。これらは単独
でも、あるいは2種以上を適宜組み合わせて使用するこ
とができる。これらの中でも、酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウムが好適に用いられる。特に、酢酸ナト
リウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
がより好適に用いられる。
【0037】上記塩基性化合物の添加量は、用いる一般
式(1)で表されるメタクリル酸エステル類の種類にも
よるが、転化率および選択率、並びに経済性の点から、
該メタクリル酸エステル類1モルに対して、0.001
〜3モル、好ましくは0.01〜2モル、より好ましく
は0.05〜1.8モル、特に好ましくは0.1〜1.
5モルの範囲内となるように添加すればよい。
【0038】本発明では特に溶剤を使用する必要は無い
が、有機溶剤を使用することもできる。有機溶剤は、特
に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン等の芳
香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;クロロホ
ルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロベンゼン
等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
【0039】上記有機溶剤の使用量は、用いる前記一般
式(1)で表されるメタクリル酸エステル類および脂肪
族カルボン酸の組み合わせにもよるが、該メタクリル酸
エステル類および脂肪族カルボン酸を合わせた総量の0
〜200重量%、好ましくは0〜100重量%、さらに
好ましくは0〜80重量%、特に好ましくは0〜70重
量%の範囲内となるように使用すればよい。有機溶剤の
使用量が200重量%よりも多い場合には、一般式
(3)で表されるα−アシルオキシメチルアクリル酸エ
ステル類を効率的に製造できなくなる場合がある。
【0040】本発明により製造されるα−アシルオキシ
メチルアクリル酸エステル類は、前記一般式(3)で表
され、式中のR1およびR2は。各々前記一般式(1)お
よび(2)の定義と同様である。
【0041】本発明にしたがって製造されたα−アシル
オキシメチルアクリル酸エステル類は、触媒を使用した
場合はその触媒を分離した後、反応溶液を精製すること
によって得ることができる。上記精製手段は特に限定さ
れるものではないが、蒸留法、抽出法およびカラムクロ
マト法等によって分離・精製することができる。これら
の方法は組み合わせて実施してもよい。これらの内、蒸
留法が特に好ましい。
【0042】上記精製工程により分離された原料である
メタクリル酸エステル類や脂肪族カルボン酸は、再び反
応に用いることができる。
【0043】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。
【0044】なお、担持型触媒のPd含有量はジメチル
グリオキシム法(JIS K−8154)に準拠し定量
した。
【0045】実施例1 温度計、攪拌装置、圧力計、およびガス導入管を取り付
けた100mlのSUS316製オートクレーブに、メ
タクリル酸エステル類としてのメタクリル酸メチル2
0.0g、脂肪族カルボン酸としての酢酸12.0g、
重合禁止剤としてのフェノチアジン10mg、および触
媒としての活性炭担持パラジウム(Pd含有量:10重
量%)1.0gを添加した後、オートクレーブ内を10
モル%酸素−90モル%窒素混合気体により完全に置換
した。10モル%酸素−90モル%窒素混合気体を50
気圧添加した後、混合攪拌しながら徐々に加熱し、内温
を120℃とした。
【0046】次いで、120℃での圧力が60気圧を維
持するように酸素を添加しながら10時間攪拌すること
により反応を完了させた。
【0047】反応終了後、反応溶液からろ過により触媒
を除去した後、得られたろ液をGC−14B型ガスクロ
マトグラフィー((株)島津製作所製;以下「GC」と
いう)により測定した結果、目的とするα−アセトキシ
メチルアクリル酸メチルの収率は63モル%であった。
【0048】実施例2 重合禁止剤をメトキシハイドロキノン10mgとした以
外は、実施例1と同じ操作を行った。GCにより測定し
た結果、目的とするα−アセトキシメチルアクリル酸メ
チルの収率は62モル%であった。
【0049】実施例3 塩基性化合物としての酢酸カリウム1.0gを添加した
以外は、実施例1と同じ操作を行った。GCにより測定
した結果、目的とするα−アセトキシメチルアクリル酸
メチルの収率は71モル%であり、不純物はほとんど検
知されなかった。
【0050】実施例4 塩基性化合物としての炭酸カリウム1.4gを添加した
以外は、実施例1と同じ操作を行った。GCにより測定
した結果、目的とするα−アセトキシメチルアクリル酸
メチルの収率は69モル%であり、不純物はほとんど検
知されなかった。
【0051】実施例5 メタクリル酸エステル類をメタクリル酸エチル22.8
gとした以外は、実施例1と同じ操作を行った。GCに
より測定した結果、目的とするα−アセトキシメチルア
クリル酸エチルの収率は61モル%であった。
【0052】実施例6 メタクリル酸エステル類をメタクリル酸ブチル28.4
gとした以外は、実施例1と同じ操作を行った。GCに
より測定した結果、目的とするα−アセトキシメチルア
クリル酸ブチルの収率は58モル%であった。
【0053】実施例7 メタクリル酸エステル類をメタクリル酸17.2gとし
た以外は、実施例1と同じ操作を行った。GCにより測
定した結果、目的とするα−アセトキシメチルアクリル
酸の収率は41モル%であった。
【0054】実施例8 メタクリル酸エステル類をメタクリル酸2−エチルヘキ
シル39.7gとした以外は、実施例1と同じ操作を行
った。GCにより測定した結果、目的とするα−アセト
キシメチルアクリル酸2−エチルヘキシルの収率は50
モル%であった。
【0055】実施例9 触媒をアルミナ担持パラジウム(Pd含有量:5重量
%)2.0gとした以外は、実施例1と同じ操作を行っ
た。GCにより測定した結果、目的とするα−アセトキ
シメチルアクリル酸メチルの収率は61モル%であっ
た。
【0056】実施例10 触媒を活性炭担持パラジウム(Pd含有量:5重量%)
2.0gとした以外は、実施例1と同じ操作を行った。
GCにより測定した結果、目的とするα−アセトキシメ
チルアクリル酸メチルの収率は72モル%であった。
【0057】実施例11 触媒をチタニア担持パラジウム−金(Pd含有量:2重
量%,Au含有量:1重量%)3.0gとした以外は、
実施例1と同じ操作を行った。GCにより測定した結
果、目的とするα−アセトキシメチルアクリル酸メチル
の収率は66モル%であった。
【0058】実施例12 触媒を酢酸パラジウム1.1gとした以外は、実施例1
と同じ操作を行った後、反応系を直接GCにより測定し
た結果、目的とするα−アセトキシメチルアクリル酸メ
チルの収率は31モル%であった。
【0059】実施例13 温度計、攪拌装置、およびガス導入管を取り付けた直径
3cm−高さ60cmのガラス製反応装置に、メタクリ
ル酸エステル類としてのメタクリル酸ブチル28.4
g、酢酸12.0g、重合禁止剤としてのフェノチアジ
ン10mg、および触媒としての活性炭担持パラジウム
(Pd含有量:10重量%)1.0gを添加した後、混
合攪拌しながら徐々に加熱し、内温を120℃とした。
【0060】次いで、ガス導入管より空気を50ml/
分で吹き込みながら10時間攪拌することにより反応を
完了させた。
【0061】そして、反応終了後、反応溶液からろ過に
より触媒を除去した後、得られたろ液をGCにより測定
した結果、目的とするα−アセトキシメチルアクリル酸
ブチルの収率は51モル%であった。
【0062】実施例14 実施例1および2のろ液を合わせた後、エバポレーショ
ンによりメタクリル酸メチル10.0gを回収した。こ
の回収メタクリル酸メチル10.0gに、未使用のメタ
クリル酸メチル10.0gを追加して使用した以外は、
実施例1と同じ操作を行った。GCにより測定した結
果、目的とするα−アセトキシメチルアクリル酸メチル
の収率は62モル%であった。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、α−アシルオキシメチ
ルアクリル酸エステル類を経済的に生産性良く製造する
ことができる。未反応原料のメタクリル酸エステル類や
脂肪族カルボン酸を回収し再び反応に用いることもでき
る。
【0064】本発明により得られるα−アシルオキシメ
チルアクリル酸エステル類は、香料や医農薬原料、有機
合成中間体、さらに重合性材料等に広範囲に用いること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 (式中、R1は水素原子または有機残基を表す)で表さ
    れるメタクリル酸エステル類と、下記一般式(2): 【化2】 (式中、 R2はアルキル基を表す)で表わされる脂肪族
    カルボン酸と、酸素とを、液相で反応させることを特徴
    とする下記一般式(3): 【化3】 (式中、R1は水素原子または有機残基を表し、 R2
    アルキル基を表す)で表されるα−アシルオキシメチル
    アクリル酸エステル類の製造方法。
  2. 【請求項2】 元素周期表の第3周期から第6周期の金
    属元素を含む触媒の存在下で反応させる請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 重合禁止剤の存在下に反応させる請求項
    1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸素が分子状酸素である請求項1、2ま
    たは3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 塩基性化合物の存在下に反応させる請求
    項1、2、3または4記載の製造方法。
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