JP2001139075A

JP2001139075A - エアゾール容器

Info

Publication number: JP2001139075A
Application number: JP32433799A
Authority: JP
Inventors: Shunzo Miyazaki; 俊三宮崎; Yuji Yamashita; 裕二山下; Koji Matsushima; 浩二松島
Original assignee: Hokkaican Co Ltd
Current assignee: Hokkaican Co Ltd
Priority date: 1999-11-15
Filing date: 1999-11-15
Publication date: 2001-05-22

Abstract

(57)【要約】【課題】噴射剤として封止される高圧ガスの内圧の低下
を防止することができる合成樹脂製エアゾール容器を提
供する。【解決手段】液状内容物１及び噴射剤としての高圧ガス
２を収容する合成樹脂製容器本体３と、容器本体３に設
けられ上方から押圧されることにより液状内容物１を噴
霧する噴霧装置４とを備える。容器本体３は内壁面１８
にアモルファス炭素、アモルファス珪素薄膜、珪素酸化
物からなる薄膜を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンテレ
フタレート等の合成樹脂からなるエアゾール容器に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、整髪剤、芳香剤、殺虫剤、塗料等
の液状内容物を収容するエアゾール容器に合成樹脂製容
器を使用することが提案されている。この種のエアゾー
ル容器は、容器内部に前記液状内容物と共に噴射剤とし
ての高圧ガスが封止されており、該容器に設けられた噴
霧装置を押圧操作することにより、該噴霧装置の噴霧ノ
ズルから前記液状内容物を噴霧できるようになってい
る。

【０００３】前記エアゾール容器に使用される合成樹脂
としては、ポリエチレンテレフタレート等の各種合成樹
脂を挙げることができ、例えば特開平１０−２９７６８
６号公報にはガラス転移温度が７４〜１００℃の合成樹
脂を用いるエアゾール容器が開示されている。前記公報
記載のエアゾール容器は、炎天下に駐車された自動車内
等に放置されて、容器が前記ガラス転移温度以上に加熱
されたときには膨張して前記液状内容物の噴出を防止す
るためできるように、前記合成樹脂を使用するものであ
る。

【０００４】また、前記エアゾール容器に前記液状内容
物と共に封止される高圧ガスとしては、窒素ガス、炭酸
ガス等の不燃性圧縮ガス、液化石油ガス（ＬＰＧ）、ジ
メチルエーテル等の可燃性液化ガスを挙げることができ
る。前記不燃性圧縮ガスを合成樹脂製エアゾール容器に
封止する場合、法律によりその内圧は１０ＫＧ以下と定
められている。また、前記可燃性液化ガスを合成樹脂製
エアゾール容器に封止する場合、法律により容器の容量
は２００ｃｃ以下、その内圧は８ＫＧ以下と定められて
いる。そこで、合成樹脂製エアゾール容器では、前記高
圧ガスとして炭酸ガスを用いることが多い。

【０００５】しかしながら、合成樹脂は一般に窒素ガ
ス、炭酸ガス等の低分子ガスを透過する性質があり、前
記合成樹脂製エアゾール容器に前記高圧ガスを封止する
と、該高圧ガスが容器壁面を透過し、経時的に内圧が低
下して、前記液状内容物の噴射力が低減するという不都
合がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる不都
合を解消して、噴射剤として封止される高圧ガスの内圧
の低下を防止することができる合成樹脂製エアゾール容
器を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明のエアゾール容器は、液状内容物及び噴射
剤としての高圧ガスを収容する合成樹脂製容器本体と、
該容器本体に設けられ上方から押圧されることにより該
液状内容物を噴霧する噴霧装置とを備えるエアゾール容
器において、該合成樹脂製容器本体は内壁面にアモルフ
ァス炭素、アモルファス珪素または珪素酸化物からなる
薄膜を備えることを特徴とする。

【０００８】本発明のエアゾール容器は内壁面に前記ア
モルファス炭素からなるカーボン薄膜またはアモルファ
ス珪素もしくは珪素酸化物からなる薄膜を備えるので、
該薄膜によりガスの透過が妨げられ、優れたガスバリヤ
性が得られる。従って、本発明のエアゾール容器によれ
ば、液状内容物と共に封止される高圧ガスの透過を防止
して、該高圧ガスの内圧を長期に亘って高度に維持する
ことができる。

【０００９】前記エアゾール容器に使用できる合成樹脂
としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ
アクリレート、ポリスチレン、ポリアミド、アイオノマ
ー、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスルホン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等を
挙げることができるが、エアゾール容器として透明性、
成形性、耐熱性、耐薬品性等に優れていることから特に
ポリエステル樹脂が好ましい。

【００１０】前記ポリエステル樹脂としては、芳香族ジ
カルボン酸とアルキレングリコールとの縮合重合反応に
より得られるポリエステル樹脂、具体的にはポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が適し
ている。前記ポリエステル樹脂は単独で用いてもよく、
２種以上混合して用いてもよい。また、前記ポリエステ
ル樹脂を他の合成樹脂と混合して用いてもよく、例えば
ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂と混合し
て、耐熱性、耐薬品性を向上させた樹脂として用いても
よい。

【００１１】近年、エアゾール内容物として、エアゾー
ル成分を水に溶解或いは分散させたいわゆる水ベース内
容物が広く使用されている。また、噴射剤としても炭酸
ガスを使用するものが多くなっている。しかし、従来の
金属製容器では、容器内面の耐蝕性の問題があり、プラ
スチック容器の使用が望まれ、検討されているが、前述
のように噴射剤が透過しやすいという問題がある。本発
明のエアゾール容器は、前記腐蝕性の問題及び噴射剤が
透過しやすいとの問題を同時に解消することができるた
め、特に水ベース内容物で炭酸ガスを用いる場合に好適
に使用することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、添付の図面を参照しながら
本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図
１は本実施形態のエアゾール容器の構成を示す説明的断
面図である。

【００１３】本実施態様のエアゾール容器は、図１示の
ように、液状内容物１と高圧ガス２とを収容するポリエ
チレンテレフタレート樹脂製ボトル（以下ペットボトル
と略記する）３の開口部に噴霧装置４を備えている。ペ
ットボトル３は、胴部５の下部に連接する半球状の底部
６から膨出する複数の脚部７を備え、該脚部７により自
立性が付与されているもので、所謂ペタロイドタイプと
呼ばれる容器である。

【００１４】前記液状内容物１としては、整髪剤、化粧
品、医薬品、消臭・芳香剤、殺虫剤、害虫忌避剤、塗
料、自動車ガラス用防曇剤、潤滑防錆剤等を挙げること
ができる。本発明では、前記内容物を水に溶解或いは分
散させた水ベース内容物が適している。

【００１５】また、液状内容物１と共に、ペットボトル
３に収容される高圧ガスとしては、窒素ガス、炭酸ガ
ス、ＬＰＧ、ジメチルエーテル等のガスを挙げることが
できる。前記ガスは、単独で使用しても複数のガスを併
用してもよく、特に、炭酸ガスの如く、前記水ベース内
容物中に一部溶け込み、使用時に内圧が急激に低下しな
いようなガスが適している。

【００１６】噴霧装置４は、ペットボトル３の口部外周
側に形成された環状凸部８の下部にかしめ止めされたバ
ルブマウンティングキャップ９と、バルブマウンティン
グキャップ９の底部に取着されたバルブハウジング１０
とを備える。バルブマウンティングキャップ９の上部に
はステム１１が突出して備えられ、ステム１１の上端に
ノズル１２を備えるヘッド１３が嵌着されている。ノズ
ル１２は、ヘッド１３及びステム１１内に穿設された連
通孔１４を介して、バルブハウジング１０の内部に連通
している。

【００１７】バルブハウジング１０の内部には、ヘッド
１３が押圧されたときにペットボトル３内の液状内容物
２が噴射されるように開く弁１５と、弁１５を閉弁方向
に付勢するスプリング１６とが備えられている。また、
バルブハウジング１０の底部には、ペットボトル３内の
液状内容物２をバルブハウジング１０内に導入するディ
ップチューブ１７が取着されている。

【００１８】そして、ペットボトル３は、その内壁面１
８に、前記アモルファス炭素からなるカーボン薄膜また
はアモルファス珪素もしくは珪素酸化物からなる薄膜等
の薄膜（図示せず）を備えている。前記薄膜は、密度の
高い三次元網目構造を形成しているので、ガスバリア性
が高く、また優れた耐薬品性、耐熱性を示す。

【００１９】本実施形態のペットボトル３は、内壁面１
８に前記薄膜を備えるので、前記高圧ガス２に対して優
れたガスバリヤ性を備え、高圧ガス２の透過を防止し
て、前記範囲の内圧を長期間に亘って保持することがで
きる。前記薄膜は、前記ガスバリヤ性を得るために、３
×１０^-3〜０．５μｍの厚さを備えることが好ましく、
１×１０^-2〜０．２μｍの厚さを備えることがさらに好
ましい。

【００２０】前記薄膜は、公知のプラズマＣＶＤ法によ
り形成することができる。例えば、前記カーボン薄膜
は、ペットボトル３の外形よりもわずかに大きい空洞部
を備え外部電極となる密封容器内にペットボトル３を収
容して密封すると共に、ペットボトル３内に内部電極を
配設し、該容器内を真空にしてペットボトル３内に原料
ガスを導入しつつ、両電極間に高周波電力を印加するこ
とにより形成することができる。

【００２１】また、別の方法としては、マイクロ波放電
室となる真空容器内にペットボトル３を収容した後、該
容器内を真空にして、ペットボトル３内に原料ガスを導
入しつつ、導波管を用いてマイクロ波を照射することに
より前記カーボン薄膜を形成することができる。

【００２２】前記原料ガスとしては、常温で気体または
液体の脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、含酸素炭
化水素類、含窒素炭化水素類等が使用され、例えば、エ
チレン、アセチレン、メタン，エタン、プロパン、ベン
ゼン、トルエン、ｏ−キシレン、ｍ−キシレン、ｐ−キ
シレン、シクロヘキサン等を挙げることができる。前記
原料ガスは、単独で用いてもよく、２種以上混合して用
いてもよい。また、前記原料ガスは、アルゴン、ヘリウ
ム等の希ガスで希釈して用いてもよい。

【００２３】また、前記アモルファス珪素薄膜、珪素酸
化物からなる薄膜を形成せしめる方法としては、前記カ
ーボン薄膜を形成せしめる方法と同様の方法を用いるこ
とで実施することができる。その際用いる原料ガスとし
ては、前記アモルファス珪素薄膜を形成する場合には、
シラン、ジシラン化合物類を挙げることができる。ま
た、珪素酸化物からなる薄膜を形成する場合には、シラ
ン、ジシラン、テトラアルコキシシラン、トリアルコキ
シシラン、ジアルコキシシラン化合物類を挙げることが
できる。

【００２４】前記薄膜を形成する装置については、特開
平２−７００５９号公報、特開平８−５３１１６号公
報、特開平８−５３１１７号公報、特開平８−１７５５
２８号公報等に詳細な記載がある。

【００２５】尚、本実施形態では、前記エアゾール容器
をポリエチレンテレフタレート樹脂により構成している
が、該エアゾール容器に使用する合成樹脂は、ポリエチ
レンナフタレート樹脂等の他のポリエステル樹脂でもよ
く、ポリエステル以外の他の樹脂であってもよい。前記
ポリエステル樹脂は、単独で用いてもよく、または混合
して用いてもよい。また、前記ポリエステル樹脂と、ポ
リカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂等の樹脂とを
混合して用いてもよい。

【００２６】前記合成樹脂は、単独の樹脂として、ある
いは混合樹脂として、ガラス転移温度が６５℃以上であ
ることが望ましい。ガラス転移温度が低いと、炎天下等
に駐車された自動車内等に放置されたときに変形しやす
くなり、ペットボトル３の環状凸部８とバルブマウンテ
ィングキャップ９との間から、前記高圧ガス等が漏れる
ことがある。

【００２７】また、本実施形態では、液状内容物１と共
に噴射剤の高圧ガス２がペットボトル３に一体として充
填されているタイプについて説明しているが、本発明の
エアゾール容器は液状内容物１と噴射剤の高圧ガス２と
が別々に充填されている所謂二重エアゾール容器として
も使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエアゾール容器の構成を示す説明的断
面図。

【符号の説明】

１…液状内容物、２…高圧ガス、３…合成樹脂製容
器本体、４…噴霧装置、１８…内壁面。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者松島浩二埼玉県岩槻市上野４−５−15 北海製罐株式会社技術開発部内Ｆターム(参考） 3E014 PA01 PB01 PC03 PD01 PF06 4F033 RA02 RA20 RB08 RC01 4F100 AA20B AA37B AB11B AK01A AK42 BA02 DA01 GB16 JA12B JD02 JD05 JM02B

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】液状内容物と噴射剤としての高圧ガスとを
収容する合成樹脂製容器本体と、該容器本体に設けられ
押圧されることにより該液状内容物を噴霧する噴霧装置
とを備えるエアゾール容器において、該合成樹脂製容器本体は内壁面にアモルファス炭素、ア
モルファス珪素または珪素酸化物からなる薄膜を備える
ことを特徴とするエアゾール容器。
【請求項２】前記液状内容物はエアゾール成分を水に溶
解或いは分散させた液体であり、前記高圧ガスは炭酸ガ
スであることを特徴とする請求項１記載のエアゾール容
器。