JPH09104487A - エアゾール製品 - Google Patents

エアゾール製品

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JPH09104487A
JPH09104487A JP8204620A JP20462096A JPH09104487A JP H09104487 A JPH09104487 A JP H09104487A JP 8204620 A JP8204620 A JP 8204620A JP 20462096 A JP20462096 A JP 20462096A JP H09104487 A JPH09104487 A JP H09104487A
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gas
piston
aerosol product
outer container
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Satoshi Mekata
聡 目加多
Shigekazu Mitsuma
重和 三間
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Osaka Shipbuilding Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアゾール製品内に充填された内容液から内
圧を上昇させるガスが発生したばあいであっても、かか
るガスを有効に吸収し、エアゾール製品の内圧の上昇を
抑制すること、および充填した内容物に酸素などのガス
が接触することを防止すること。 【解決手段】 外部容器が耐圧性容器であり、内部容器
がガス透過性樹脂容器であり、前記外部容器と前記内部
容器との間にガス吸収剤が設けられた多室容器型エアゾ
ール製品、外部容器が耐圧性容器であり、ピストンがガ
ス透過性樹脂製ピストンであり、上部室に内容液が充填
され、下部室にガス吸収剤が設けられ、ピストンを1ま
たは2以上有するエアゾール製品、前記多室容器とピス
トン型容器とからなるエアゾール製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアゾール製品に
関する。さらに詳しくは、エアゾール製品内に充填され
た内容液からガスが発生したばあいであっても、該ガス
の発生による内圧の上昇を抑制しうるエアゾール製品に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、過酸化水素などのように分解して
酸素を発生するような化合物が含有された内容物が充填
されたエアゾール製品は、経時とともに前記化合物が分
解し、内圧が上昇し、爆発するというおそれがあるた
め、前記化合物ができるだけ含まれない組成でエアゾー
ル製品を作製しなければならなかった。
【0003】こうした問題を解決するエアゾール製品と
しては、エアゾール容器内に過酸化水素を含有するエア
ゾール組成物を充填し、前記エアゾール容器内の気相部
に接するように酸素吸収剤が配置されたエアゾール製品
が提案されている(実開平2−53153号公報)。
【0004】前記エアゾール製品は、確かにエアゾール
容器内の気相部に接する酸素吸収剤により、過酸化水素
の分解によって発生した酸素が吸収されるため、該エア
ゾール製品の内圧の上昇を防止することができるという
点で、利用価値がある。しかしながら、前記エアゾール
製品は、傾けたり、横転させたり、倒立状態にさせるこ
となく、常に常態、すなわち正立状態で使用されるとい
うことはありえず、このようにエアゾール製品を転倒な
どさせたばあいには、本来、気相部に存在すべき酸素吸
収剤に、エアゾール製品内に充填されたエアゾール組成
物が付着し、該酸素吸収剤が酸素を有効に吸収しなくな
り、その結果として、過酸化水素が分解して発生した酸
素により、エアゾール製品の内圧が高くなってしまうこ
とがあった。
【0005】また、内容物として嫌気性の物質が用いら
れたものが充填された、従来の二重容器式エアゾール製
品およびピストン式エアゾール製品にあっては、前記二
重容器式エアゾール製品の内部容器と外部容器との空間
や、前記ピストン式エアゾール製品の下部室の空間に残
存している酸素が経時とともに前記内容物と接触するよ
うになり、前記内容物に用いられた嫌気性の物質が変質
することがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、エアゾール製品内に充
填された内容液から内圧を上昇させるガスが発生したば
あいであっても、かかるガスを有効に吸収し、エアゾー
ル製品の内圧の上昇を抑制することができるエアゾール
製品を提供することを第1の目的とする。
【0007】また、本発明は、充填された内容物に、酸
素などのガスが接触することを防止することができるエ
アゾール製品を提供することを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、 筒状の外部容器、前記外部容器内に設けられ、内容液
が充填された内部容器および前記内部容器の開口端に噴
射バルブが取りつけられた多室容器型エアゾール製品で
あって、前記外部容器が耐圧性容器であり、前記内部容
器がガス透過性樹脂容器であり、前記外部容器と前記内
部容器とのあいだに前記内部容器の内容液と非接触の状
態でガス吸収剤が設けられていることを特徴とする多室
容器型エアゾール製品(以下、第1発明という)、 筒状の外部容器、前記外部容器内に複数の内部容器が
設けられた多室容器からなり、前記内部容器の少なくと
も1つに内容液が充填され、前記内部容器の各開口端に
噴射バルブが取り付けられた多室容器型エアゾール製品
であって、前記外部容器と前記内部容器とのあいだの空
間が一室を形成するようにそれぞれ接続され、前記外部
容器が耐圧性容器であり、前記内部容器がガス透過性樹
脂容器であり、前記外部容器と前記内部容器とのあいだ
に前記内部容器の内容液と非接触の状態でガス吸収剤が
設けられていることを特徴とする多室容器型エアゾール
製品(以下、第2発明という)、 筒状の外部容器、前記外部容器内に、前記外部容器の
内面と摺動可能に設けられたピストン、前記外部容器内
で前記ピストンによって仕切られて形成された上部室お
よび下部室を有し、前記外部容器の開口端に噴射バルブ
が取りつけられたピストン型エアゾール製品であって、
前記外部容器が耐圧性容器であり、前記ピストンがガス
透過性樹脂製ピストンであり、前記上部室に内容液が充
填され、前記下部室に前記上部室の内容液と非接触の状
態でガス吸収剤が設けられていることを特徴とするピス
トン型エアゾール製品(以下、第3発明という)、 筒状の外部容器、前記外部容器内に、前記外部容器の
内面と摺動可能に設けられたピストン、前記外部容器内
で前記ピストンによって仕切られて形成された上部室お
よび下部室を有し、前記外部容器の開口端に噴射バルブ
が取りつけられたピストン型エアゾール製品であって、
前記ピストンが複数用いられ、前記外部容器が耐圧性容
器であり、前記ピストンがガス透過性樹脂製ピストンで
あり、前記上部室に内容液が充填され、前記下部室に前
記上部室の内容液と非接触の状態でガス吸収剤が設けら
れていることを特徴とするピストン型エアゾール製品
(以下、第4発明という)、ならびに 筒状の外部容器、前記外部容器内に設けられ、内容液
が充填された内部容器および前記外部容器の内面と摺動
可能に設けられたピストン、前記外部容器内で前記ピス
トンによって仕切られて形成された上部室および下部室
を有し、前記外部容器の開口端に噴射バルブが取りつけ
られた多室容器−ピストン複合型エアゾール製品であっ
て、前記外部容器内で内部容器とピストンとのあいだで
空間が形成され、外部容器および内部容器がそれぞれ耐
圧性容器であり、前記内部容器がガス透過性樹脂容器で
あり、前記ピストンがガス透過性樹脂ピストンであり、
前記内部容器に内容液が充填され、上部室および下部室
の空間の少なくとも一方の空間に前記内部容器の内容液
と非接触の状態でガス吸収剤が設けられていることを特
徴とする多室容器−ピストン複合型エアゾール製品(以
下、第5発明という)に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】第1発明の多室容器型エアゾール
製品は、前記したように、筒状の外部容器、前記外部容
器内に設けられ、内容液が充填された内部容器および前
記内部容器の開口端に噴射バルブが取りつけられてお
り、前記外部容器が耐圧性容器であり、前記内部容器が
ガス透過性樹脂容器であり、前記外部容器と前記内部容
器とのあいだに前記内部容器の内容物と非接触の状態で
ガス吸収剤が設けられたものである。
【0010】また、第2発明の多室容器型エアゾール製
品は、第1発明の多室容器型エアゾール製品に用いられ
ている内部容器が複数用いられ、外部容器と内部容器と
のあいだの空間が一室を形成するようにそれぞれ接続さ
れ、前記外部容器と前記内部容器とのあいだに前記内部
容器の内容液と非接触の状態でガス吸収剤が設けられた
ものである。
【0011】第3発明のピストン型エアゾール製品は、
前記したように、筒状の外部容器、前記外部容器内に、
前記外部容器の内面と摺動可能に設けられたピストン、
前記外部容器内で前記ピストンによって仕切られて形成
された上部室および下部室を有し、前記外部容器の開口
端に噴射バルブが取りつけられ、前記ピストンがガス透
過性樹脂製ピストンであり、前記上部室に内容液が充填
され、前記下部室に前記上部室の内容液と非接触の状態
でガス吸収剤が設けられたものである。
【0012】また、第4発明のピストン型エアゾール製
品は、第3発明のピストン式エアゾール製品に用いられ
ているピストンが複数用いられ、前記外部容器が耐圧性
容器であり、前記ピストンがガス透過性樹脂製ピストン
であり、前記上部室に内部液が充填され、前記下部室に
前記上部室の内容液と非接触の状態でガス吸収剤が設け
られたものである。
【0013】また第5発明の多室容器−ピストン複合型
エアゾール製品は、第1発明の多室容器型エアゾール製
品に用いられている容器と、第3発明に用いられている
ピストン型容器とを組合せたものであり、前記外部容器
内で内部容器とピストンとのあいだで空間が形成され、
前記外部容器および内部容器がそれぞれ耐圧性容器であ
り、前記内部容器がガス透過性樹脂容器であり、前記ピ
ストンがガス透過性樹脂ピストンであり、前記内部容器
に内容液が充填され、上部室および下部室の空間の少な
くとも一方の空間に前記内部容器の内容液と非接触の状
態でガス吸収剤が設けられたものである。
【0014】第1発明、第2発明および第3発明のエア
ゾール製品においては、ガス吸収剤は、内容液が充填さ
れた内部容器内に設けられるのではなく、外部容器と内
部容器とのあいだに内部容器の内容液と非接触の状態で
設けられており、しかも前記内部容器は、ガス透過性を
有するので、前記ガス吸収剤が、内部容器内に充填され
た内容液と直接接触することがなく、また前記内部容器
内で発生したガスは、前記内部容器を透過し、前記外部
容器と前記内部容器とのあいだで前記ガス吸収剤によっ
て吸収されるため、前記ガス吸収剤のガス吸収性を充分
に有効に活用することができる。
【0015】ここで、内部容器の内容液がガス吸収剤と
非接触の状態で設けられた態様としては、たとえば内容
液が充填された内部容器と酸素吸収剤とのあいだに空間
を形成させて隔絶させた態様、内容液が充填された内部
容器とガス透過性樹脂シートで覆われたガス吸収剤とが
接触されている態様、内容液が充填された内部容器とガ
ス透過性樹脂シートで覆われたガス吸収剤とのあいだに
空間を形成させて隔絶させた態様などがあげられる。
【0016】また、前記内部容器内に嫌気性の物質が用
いられた内容液が充填されたばあいには、外部容器と内
部容器とのあいだの空間に設けられたガス吸収剤によ
り、酸素などのガスが吸収されるので、前記空間に含有
されていた酸素などのガスが内部容器内に入り込み、嫌
気牲の物質を変質させることを防止することができる。
【0017】また、第3発明、第4発明および第5発明
のエアゾール製品においては、上部室内に内容液が充填
され、下部室内に設けられたガス吸収剤が上部室の内容
液と非接触の状態で設けられており、しかも上部室と下
部室とを仕切っているピストンは、ガス透過性を有する
ので、前記ガス吸収剤が、上部室内に充填された内容液
と直接接触することがなく、また前記上部室内で発生し
たガスは、前記ピストンを透過し、前記下部容器内のガ
ス吸収剤によって吸収されるため、前記ガス吸収剤のガ
ス吸収性を充分に有効に活用することができる。
【0018】また、嫌気性の物質が用いられた内容液が
上部室内に充填されたばあいには、下部室内に上部室と
非接触の状態で設けられたガス吸収剤により、酸素など
のガスが吸収されるので、上部室内に酸素などのガスが
入り込み、嫌気性の物質を変質させることを防止するこ
とができる。
【0019】前記嫌気性の物質としては、たとえ嫌気性
酵素、ビタミン類、不飽和脂肪酸、タンニン、色素、香
料などをはじめ、化粧品、医薬部外部、コンタクトレン
ズ用品、医薬品、食品などの無添加内容物などがあげら
れる。
【0020】前記内容液は、いわゆる乳化液や粉末の懸
濁液などの分散液であってもよく、また通常の溶液であ
ってもよく、さらにはゲル状物であってもよく、その形
態にはとくに限定がない。
【0021】また、エアゾール製品から吐出させる際の
形態についてもとくに限定がなく、たとえばゲル、フォ
ーム、ミストなどがあげられる。
【0022】つぎに、本発明のエアゾール製品の実施態
様を図面にもとづいて説明する。
【0023】図1〜3は、それぞれ第1発明の多室容器
型エアゾール製品の代表的な態様である二重容器型エア
ゾール製品の一実施態様を示す概略断面図である。
【0024】図1〜3において、1は外部容器、2は内
部容器、3は内部容器2の開口端に取りつけられた噴射
バルブ、4は外部容器1と内部容器2とのあいだに内部
容器2の内容液と非接触の状態で設けられたガス吸収剤
である。
【0025】第1発明においては、外部容器1として、
耐圧性容器が用いられる。耐圧性容器の代表例として
は、たとえばアルミニウム製容器、鋼製容器などの金属
製容器、ポリエステル製容器などの樹脂製容器などがあ
げられる。
【0026】外部容器1が金属製容器であるばあい、そ
の内面には内部容器2からの透過成分による外部容器1
自体の腐食を防止するために、樹脂皮膜が設けられてい
ることが好ましい。かかる樹脂皮膜の代表例としては、
たとえばエポキシ−フェノール樹脂、エポキシ−ユリア
樹脂、ポリアミドイミドなどの塗料を塗布して形成され
た皮膜、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ナイロンフィルムやそれらのラミネートフィルムな
どがあげられる。前記樹脂皮膜の厚さは、とくに限定が
ないが、外部容器1の防食および成形性の点から、通
常、5〜150μm程度であることが好ましい。
【0027】また、内部容器2としては、ガス透過性樹
脂容器が用いられる。
【0028】第1発明においては、内部容器2として、
このようにガス透過性樹脂容器が用いられている点に、
1つの大きな特徴がある。前記内部容器2がガス透過性
樹脂容器であることから、前記内部容器2に充填された
内容液4から発生したガスを前記内部容器2を介して外
部容器1と内部容器2とのあいだに逃散させることがで
きるので、内部容器2の内圧上昇を抑制することができ
る。
【0029】前記内部容器2に用いられるガス透過性樹
脂としては、ガス透過性にすぐれ、容易に変形させるこ
とができるものであれば、とくに限定なく用いることが
できる。前記ガス透過性樹脂の代表例としては、たとえ
ばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、塩化
ビニル樹脂、ナイロンで代表されるポリアミドなどがあ
げられる。これらのガス透過性樹脂は、単独でまたは積
層体として用いることができる。
【0030】前記内部容器2は、たとえばブロー成形法
によって成形された容器であってもよく、また射出成形
法によって成形された容器であってもよい。また、前記
内部容器2の形状についてもとくに限定がないが、その
代表的なものとしては、たとえば円筒形状があげられ
る。前記内部容器2の肉厚は、かかる内部容器2を構成
しているガス透過性樹脂の種類によって異なるので一概
には決定することができないが、通常、0.2〜1.5
mm程度であることが好ましい。
【0031】前記内部容器2内に充填される内容液は、
本発明の目的や用途などに応じて適宜調製すればよく、
とくに限定がないが、本発明が内容液から発生したガス
による内圧の上昇を抑制することを目的としたものであ
るため、製品状態にしたのちに内圧を高めるガスを発生
する成分を含有していることが必要となる。
【0032】前記内圧を高めるガスを発生する成分とし
ては、たとえば脱色剤や染毛剤などに使用される過酸化
水素(酸素を発生)、消臭剤、殺菌剤などに使用される
次亜塩素酸ナトリウム(酸素を発生)、酸性染毛剤など
に使用される炭酸プロピレン(二酸化炭素を発生)など
があげられるが、本発明はかかる例示のみに限定される
ものではない。
【0033】なお、前記内部容器2内には、必要によ
り、たとえばイソペンタン、n−ペンタン、液化石油ガ
ス、ジメチルエーテルなどの液化ガス、チッ素ガス、炭
酸ガスなどの圧縮ガスなどの噴射剤が単独でまたは混合
して充填されていてもよい。
【0034】なお、前記噴射剤を用いる際には、前記噴
射剤として、前記ガス吸収剤4に対して不活性なもの、
すなわち、前記ガス吸収剤4に吸収されないものを用い
ることが前記ガス吸収剤4が有するガス吸収性を充分に
活用するうえで好ましい。
【0035】前記外部容器1と前記内部容器2とのあい
だには、ガス吸収剤4が設けられる。
【0036】第1発明においては、このように、外部容
器1と内部容器2とのあいだに内部容器2の内容物と非
接触の状態でガス吸収剤4が設けられている点にも、1
つの大きな特徴がある。内容液から発生したガスは、内
部容器2がガス透過性を有するので、該内部容器2を介
して、外部容器1と内部容器2との間隙に逸散し、前記
ガス吸収剤4によって吸収されるため、内圧上昇が抑制
される。
【0037】前記ガス吸収剤4は、充填された内容液か
ら発生するガスの種類に応じて適宜選択して用いられ
る。たとえば内容液から酸素ガスが発生するばあいに
は、ガス吸収剤4として、たとえば活性酸化鉄、亜硫酸
水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナト
リウム、アスコルビン酸、システイン、チオグリコー
ル、ピロガロール、次亜硫酸ナトリウム、塩化第一クロ
ム、没食子酸、活性炭などの酸素吸収剤を用いることが
できる。これらの酸素吸収剤のなかでは、活性酸化鉄
は、安全性にすぐれたものであるので、本発明において
好適に使用しうるものである。また、たとえば内容液か
ら塩素ガスが発生するばあいには、ガス吸収剤4とし
て、たとえばヨウ化カリウムなどの塩素吸収剤を用いる
ことができる。また、たとえば内容液から炭酸ガスが発
生するばあいには、ガス吸収剤4として、たとえば水酸
化カリウムなどの炭酸ガス吸収剤を用いることができ
る。
【0038】前記ガス吸収剤4の使用量は、その種類な
どによって異なるので一概には決定することができな
い。通常、前記ガス吸収剤4の使用量は、前記ガス吸収
剤4が有するガス吸収能力ならびに内容液に含有された
内圧を高めるガスを発生する成分の種類およびその量に
応じてあらかじめ必要量を求めておくことによって決定
することができる。
【0039】前記ガス吸収剤4は、内部容器2と直に接
触したばあい、内部容器2内に充填された内容液とガス
吸収剤4とが直接反応するおそれがあることがある。こ
のようなばあいには、内部容器2とガス吸収剤4とが直
接接触しないようにするために、たとえば透水性は有し
ないが、ガス透過性を有する樹脂シートでガス吸収剤4
を被覆したり、内部容器2と非接触の状態で外部容器1
の内面に固定すればよい。前記ガス吸収剤4が固形状物
であるばあい、ガス透過性シートからなる袋体などの中
に入れたのち、たとえば接着剤などを用いて外部容器1
の内面に接着、固定すればよく、また粉体あるいは粒状
物であるばあい、ガス透過性シートからなる袋体などの
中に入れたのち、前記と同様に、たとえば接着剤など用
いて外部容器1の内面に接着、固定すればよい。また、
前記ガス吸収剤4が液状物であるばあい、該液状物をゲ
ル化させたのち、あるいは液状のままで、ガス透過性を
有するが、通水性を有しないシートからなる袋体などの
中に入れたのち、たとえば接着剤などを用いて外部容器
1の内面に接着、固定すればよい。前記ガス透過性シー
トとしては、たとえば紙、不織布、ガス透過性プラスチ
ックフィルムなどがあげられる。
【0040】第1発明においては、内部容器1内に充填
された内容液を噴射バルブ3を介して外部に噴射させる
ために、前記外部容器1と前記内部容器2との間隙に噴
射剤が充填されていることが好ましい。このばあい、前
記外部容器1と前記内部容器2との間隙に形成された空
間部分の圧力は、通常2〜6kg/cm2・G(25
℃)であることが好ましい。
【0041】前記噴射剤の代表例としては、たとえばイ
ソペンタン、n−ペンタン、液化石油ガス、ジメチルエ
ーテルなどの液化ガス、チッ素ガス、炭酸ガスなどの圧
縮ガスなどがあげられ、これらは、通常、単独でまたは
2種以上を混合して用いられる。
【0042】なお、前記噴射剤を用いる際には、前記噴
射剤として、前記ガス吸収剤4に対して不活性なもの、
すなわち前記ガス吸収剤4に吸収されないものを用いる
ことが前記ガス吸収剤4が有するガス吸収性を充分に活
用するうえで好ましい。
【0043】前記内部容器2の開口端には、噴射バルブ
3が取りつけられている。この噴射バルブ3の内部構造
は、基本的に通常の噴射バルブと同様であればよい。
【0044】第1発明の多室容器型エアゾール製品は、
前記したように、内部容器2内に充填された内容液から
内圧を高めるガスが発生したばあい、該ガスは、内部容
器2を透過し、外部容器1と内部容器2との間隙に設け
られたガス吸収剤4によって吸収されるので、内圧の上
昇が抑制される。
【0045】また、前記ガス吸収剤4は、前記内部容器
2によって内容液と隔絶されているため、前記内容液が
前記ガス吸収剤4に付着するようなことがなく、前記ガ
ス吸収剤4のガス吸収性の有効利用を図ることができ
る。
【0046】図3に示されたエアゾール製品において
は、内部容器2の下面に底ゴム栓5aが設けられてお
り、たとえば内部容器2内に噴射バルブ3を介して噴射
剤を圧入したときには、孔5bから噴射剤が噴出し、底
ゴム栓5aを押し上げて外部容器1と内部容器2との空
間に入り、かかる空間に噴射剤による圧力を付与するこ
とができる。
【0047】図4〜6は、それぞれ第2発明の多室容器
型エアゾール製品の一実施態様を示す概略断面図であ
る。
【0048】図4〜6に示された多室容器型エアゾール
製品は、外部容器内に2つの内部容器が設けられた多室
容器からなり、前記内部容器の1つに内容液が充填され
ており、外部容器1と内部容器2とのあいだに内部容器
2の内容液と非接触の状態でガス吸収剤4が設けられて
いる。
【0049】なお、図5〜6に示された多室容器型エア
ゾール製品には、内部容器2の下面に底ゴム栓5aが内
部容器2を介して内部容器2と外部容器1との空間に噴
射剤を充填するために設けられている。
【0050】図7〜8は、第3発明のピストン型エアゾ
ール製品の一実施態様を示す概略断面図である。
【0051】図7〜8において、1は外部容器、3は外
部容器1の開口端に取りつけられた噴射バルブ、6は外
部容器1の内面と摺動可能に設けられたピストン、7お
よび8はそれぞれピストン6によって仕切られて形成さ
れた上部室および下部室であり、4は下部室8に上部室
7と非接触の状態で設けられたガス吸収剤である。
【0052】第3発明においては、多室容器型エアゾー
ル製品と同様に、外部容器1として、耐圧性容器が用い
られる。耐圧性容器の代表例としては、たとえばアルミ
ニウム製容器、鋼製容器などの金属製容器、ポリエステ
ル性容器などの樹脂製容器などがあげられる。
【0053】外部容器1が金属製容器であるばあいに
は、その内面にはピストン6からの透過成分による外部
容器1自体の腐食を防止するために、樹脂皮膜が設けら
れていることが好ましい。かかる樹脂皮膜の代表例とし
ては、たとえばエポキシ−フェノール樹脂、エポキシ−
ユリア樹脂、ポリアミドイミドなどの塗料を塗布して形
成された皮膜、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン
フィルム、ナイロンフィルムやそれらのラミネートフィ
ルムなどがあげられる。前記樹脂皮膜の厚さは、とくに
限定がないが、外部容器1の防食および成形性の点か
ら、通常、5〜150μm程度であることが好ましい。
【0054】また、ピストン6には、ガス透過性樹脂が
用いられる。
【0055】第3発明においては、ピストン6に、この
ようにガス透過性樹脂が用いられている点に、1つの大
きな特徴がある。前記ピストン6がガス透過性樹脂から
なることから、上部室7(図7)または下部室8(図
8)内に充填された内容液から発生したガスを前記ピス
トン6を介して下部室8(図7)または上部室(図8)
内に逃散させることができるので、上部室7(図7)ま
たは下部室8(図8)内の内圧上昇を抑制することがで
きる。
【0056】前記ピストン6に用いられるガス透過性樹
脂としては、ガス透過性および耐圧性にすぐれ、摺動性
があれば、とくに限定なく用いることができる。前記ガ
ス透過性樹脂の代表例としては、たとえばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、塩化ビニル樹脂、
ABS樹脂、ナイロンで代表されるポリアミドなどがあ
げられる。これらのガス透過性樹脂は、単独でまたは積
層体として用いることができる。
【0057】前記ピストン6は、たとえばブロー成形法
によって成形された成形品であってもよく、また射出成
形法によって成形された成形品であってもよい。また、
前記ピストン6の形状についてもとくに限定がないが、
その代表的なものとしては、たとえば円筒形状があげら
れる。前記ピストン6の肉厚は、かかるピストン6を構
成しているガス透過性樹脂の種類によって異なるので一
概には決定することができないが、充分な耐圧性および
ガス透過性を付与せしめるためには、0.5〜2mm程
度であることが好ましい。
【0058】前記上部室7(図7)または下部室(図
8)内に充填される内容液は、本発明の目的や用途など
に応じて適宜調製すればよく、とくに限定がないが、本
発明が内容液から発生したガスによる内圧の上昇を抑制
することを目的としたものであるため、製品状態にした
のちに内圧を高めるガスを発生する成分を含有している
ことが必要となる。
【0059】前記内圧を高めるガスを発生する成分とし
ては、たとえば脱色剤や染毛剤などに使用される過酸化
水素(酸素を発生)、消臭剤、殺菌剤などに使用される
次亜塩素酸ナトリウム(酸素を発生)、酸性染毛剤など
に使用される炭酸プロピレン(二酸化炭素を発生)など
があげられるが、本発明はかかる例示のみに限定される
ものではない。
【0060】なお、前記上部室7(図7)または下部室
8(図8)内には、必要により、たとえばイソペンタ
ン、n−ペンタン、液化石油ガス、ジメチルエーテルな
どの液化ガス、チッ素ガス、炭酸ガスなどの圧縮ガスな
どの噴射剤が単独でまたは混合して充填されていてもよ
い。
【0061】なお、前記噴射剤を用いる際には、前記噴
射剤として、前記ガス吸収剤4に対して不活性なもの、
すなわち、前記ガス吸収剤4に吸収されないものを用い
ることが前記ガス吸収剤4が有するガス吸収性を充分に
活用するうえで好ましい。
【0062】下部室8(図7)または上部質7(図8)
内には、ガス吸収剤4が設けられる。
【0063】第3発明においては、このように、下部室
8(図7)または上部室(図8)内にガス吸収剤5が設
けられている点にも、1つの大きな特徴がある。内容液
から発生したガスは、ピストン6がガス透過性を有する
ので、該ピストン6を介して、下部室8(図7)または
上部室(図8)内に逸散し、前記ガス吸収剤4によって
吸収されるため、内圧上昇が抑制される。
【0064】前記ガス吸収剤5は、多室容器型エアゾー
ル製品と同様に、充填された内容液から発生するガスの
種類に応じて適宜選択して用いられる。たとえば内容液
から酸素ガスが発生するばあいには、ガス吸収剤4とし
て、たとえば活性酸化鉄、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ
亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アスコルビン
酸、システイン、チオグリコール、ピロガロール、次亜
硫酸ナトリウム、塩化第一クロム、没食子酸、活性炭な
どの酸素吸収剤を用いることができる。これらの酸素吸
収剤のなかでは、活性酸化鉄は、安全性にすぐれたもの
であるので、本発明において好適に使用しうるものであ
る。また、たとえば内容液から塩素ガスが発生するばあ
いには、ガス吸収剤4して、たとえばヨウ化カリウムな
どの塩素吸収剤を用いることができる。また、たとえば
内容液から炭酸ガスが発生するばあいには、ガス吸収剤
4として、たとえば水酸化カリウムなどの炭酸ガス吸収
剤を用いることができる。
【0065】前記ガス吸収剤4の使用量は、その種類な
どによって異なるので一概には決定することができな
い。通常、前記ガス吸収剤4の使用量は、前記ガス吸収
剤4が有するガス吸収能力ならびに内容液に含有された
内圧を高めるガスを発生する成分の種類およびその量に
応じてあらかじめ必要量を求めておくことによって決定
することができる。
【0066】前記ガス吸収剤4は、ピストン6と直に接
触したばあい、内容液とガス吸収剤4とが直接反応する
おそれがあることがある。このようなばあいには、ピス
トン6とガス吸収剤4とが直接接触しないようにするた
めに、透水性は有しないがガス透過性を有する樹脂シー
トでガス吸収剤4を被覆したり、図7に示されるよう
に、ピストン6に接触させずに下部室8の外部容器1の
内面上にガス吸収剤4を固定させたり、図8に示される
ように、内部に空間が設けられたピストン6を用い、該
ピストン6の内容液と接触していない面にガス吸収剤4
を固定させればよい。前記ガス吸収剤4が固形状物であ
るばあい、ガス透過性シートの袋体などの中に入れたの
ち、たとえば接着剤などを用いて外部容器1の内面に接
着し、固定すればよく、また粉体あるいは粒状物である
ばあい、ガス透過性シートの袋体などの中に入れたの
ち、前記と同様に、たとえば接着剤など用いて外部容器
1の内面に接着し、固定したり(図7)、ピストン6の
内容液と接触していない面に固定(図8)すればよい。
また、前記ガス吸収剤4が液状物であるばあい、該液状
物をゲル化させたのち、あるいは液状のままで、ガス透
過性を有するが、通水性を有しないシートからなる袋体
などの中に入れたのち、たとえば接着剤などを用いて接
着し、固定すればよい。
【0067】第3発明においては、内部容器1内に充填
された内容液4を噴射バルブ3を介して外部に噴射させ
るために、下部室8(図7)または上部室(図8)内に
噴射剤が充填されていることが好ましい。このばあい、
下部室8(図7)または上部室(図8)内の圧力は、通
常2〜6kg/cm2・G(25℃)であることが好ま
しい。
【0068】前記噴射剤の代表例としては、たとえばイ
ソペンタン、n−ペンタン、液化石油ガス、ジメチルエ
ーテルなどの液化ガス、チッ素ガス、炭酸ガスなどの圧
縮ガスなどがあげられ、これらは、通常、単独でまたは
2種以上を混合して用いられる。
【0069】なお、前記噴射剤を用いる際には、前記噴
射剤として、前記ガス吸収剤4に対して不活性なもの、
すなわち前記ガス吸収剤4に吸収されないものを用いる
ことが前記ガス吸収剤4が有するガス吸収性を充分に活
用するうえで好ましい。
【0070】前記外部容器1の開口端には、噴射バルブ
3が取りつけられている。この噴射バルブ3の内部構造
は、基本的に通常の噴射バルブと同様であればよい。
【0071】第3発明のピストン型エアゾール製品は、
前記したように、上部室7(図7)又は下部室8(図
8)内に充填された内容液から内圧を高めるガスが発生
したばあい、該ガスは、前記ピストン6を透過し、下部
室8(図7)または上部室7(図8)内に設けられたガ
ス吸収剤4によって吸収されるので、内圧の上昇が抑制
される。
【0072】また、前記ガス吸収剤4は、前記ピストン
6によって内容液と隔絶されているため、前記内容液が
前記ガス吸収剤4に付着するようなことがなく、前記ガ
ス吸収剤4のガス吸収性の有効利用を図ることができ
る。
【0073】図9は、第4発明のピストン型エアゾール
製品の一実施態様を示す概略説明図である。
【0074】図9に示されたピストン型エアゾール製品
には、第3発明のピストン型エアゾール製品において、
ピストンが2本用いられたものであり、下部室8にはガ
ス吸収剤4が設けられている。
【0075】図10〜11は、それぞれ第5発明の多室
容器−ピストン複合型エアゾール製品の一実施態様を示
す概略断面図である。
【0076】図10〜11に示されたエアゾール製品に
は、第1発明に用いられるのと同様の多室容器と、第3
発明に用いられるのと同様のピストン型容器とが連結さ
れている。
【0077】外部容器1内で内部容器2とピストン6と
のあいだで空間が形成され、内部容器2に内容液が充填
され、上部室7および下部室8の空間の少なくとも一方
の空間に前記内部容器2の内容液と非接触の状態でガス
吸収剤が設けられている。
【0078】なお、図10に示された内部容器2の下面
に底ゴム栓5aが内部容器2を介して内部容器2と外部
容器1との空間に噴射剤を充填するために設けられてい
る。
【0079】なお、第1発明、第2発明および第5発明
においては、外部容器1と内部容器2との間隙には、酸
素などのガスを効率よく吸収させるために、図12に示
されるように、シート形状を有するガス吸収剤4を用い
ることが好ましい。
【0080】また、図1に示されるようなエアゾール製
品において、ガス吸収剤4が直接内部容器1と接触しな
いようにするために、ガス吸収剤4には、図13に示さ
れるように、接触防止用ガード9を設け、外部容器1に
固定させてもよい。
【0081】また、第1発明においては、図1のA−A
部における断面図の一実施態様である図14に示される
ように、内部容器2全体が波打つように成形させたばあ
いには、内部容器2の内圧が高くなり、外部容器1と接
着したとしても、常に内部容器2と外部容器とのあいだ
で、空隙が保たれ、内部容器2と外部容器との空間に存
在する酸素などのガスを有効にガス吸収剤4に吸収させ
ることができるので好ましい。
【0082】また、第1発明においては、図15に示さ
れるように、ガス吸収剤4は、該ガス吸収剤4を固定す
ることができるようにするために、底面に凹部が設けら
れた内部容器2を用いて固定させてもよい。
【0083】
【実施例】つぎに、本発明のエアゾール製品を実施例に
もとづいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実
施例のみに限定されるものではない。
【0084】実施例1 内面にポリアミドフイルムが樹脂皮膜として設けられ
た、アルミニウム製の有底筒状の外部容器(直径40m
m、長さ130mm)の内部に、ポリエチレン製内部容
器(直径38mm、長さ110mm、肉厚1mm)が設
けられ、該内部容器の開口端に噴射バルブが取りつけら
れた図1に示されたタイプの二重容器型エアゾール容器
を用いた。
【0085】なお、前記内部容器内には6%過酸化水素
水溶液85mlを充填し、また前記外部容器の内面に、
ガス吸収剤として活性酸化鉄0.3gをガス通気性の袋
体に入れ、前記内部容器と接触しないようにして接着剤
であらかじめ接着、固定させた。
【0086】また、前記外部容器と内部容器との間隙
に、噴射剤としてチッ素ガスを充填し、製品圧力を6k
g/cm2・G(25℃) に調整した。
【0087】つぎに、えられた二重容器式エアゾール製
品を50℃の雰囲気中に正立で保存し、2日後、14日
後および6カ月後に内圧を測定した。その結果を表1に
示す。
【0088】比較例1 実施例1において、ガス吸収剤を用いなかったほかは、
実施例1と同様にして二重容器式エアゾール製品を作製
した。
【0089】つぎに、えられた二重容器式エアゾール製
品を、実施例1と同様に、50℃の雰囲気中に正立で保
存し、2日後、14日後および6カ月後に内圧を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0090】なお、エアゾール製品を50℃の雰囲気中
に6カ月間保存することは、エアゾール製品を25℃の
雰囲気中に3〜5年間保存することに相当する促進試験
である。
【0091】実施例2 アルミニウム製の有底筒状の外部容器(直径40mm、
長さ130mm)の内部に、ポリエチレン製ピストン
(直径38mm、長さ30mm、肉厚1mm)が設けら
れ、該外部容器の開口端に噴射バルブが取りつけられた
図7に示されたタイプのピストン型エアゾール容器を用
意した。
【0092】つぎに、前記外部容器の上部室内には、以
下の組成からなる第1剤85mlを充填し、また前記外
部容器の下部室内の外部容器の内面に、ガス吸収剤とし
て活性酸化鉄0.3gをガス透過性の袋体に入れ、前記
ピストンと接触しないようにして接着剤であらかじめ接
着し、固定させて、第1剤用エアゾール製品をえた。
【0093】 (第1剤の組成) 重量% パラフェニレンジアミン 3.0 レゾルシン 0.5 オレイン酸 20.0 ポリオキシエチレン(10) オレイルアルコールエーテル 15.0 イソプロピルアルコール 10.0 28%アンモニア水 10.0 精製水 41.5 酸化防止剤、キレート化剤 適量
【0094】また、前記第1剤用エアゾール製品とは別
に、第1剤用エアゾール製品に用いたものと同じ図7に
示されたタイプのピストン型エアゾール容器を用意し
た。
【0095】つぎに、前記外部容器の上部室内には、以
下の組成からなる第2剤85mlを充填し、また前記外
部容器の下部室内の外部容器の内面に、ガス吸収剤とし
て活性酸化鉄0.3gをガス透過性の袋体に入れ、前記
ピストンと接触しないようにして接着剤であらかじめ接
着し、固定させて、第2剤用エアゾール製品をえた。
【0096】 (第2剤の組成) 重量% 30%過酸化水素水 20.0 精製水 80.0 安定化剤 適量
【0097】また、第1剤用エアゾール製品および第2
剤用エアゾール製品のそれぞれ下部室内に、噴射剤とし
てチッ素ガスを充填し、製品圧力を6kg/cm2・G
(25℃)に調整した。
【0098】つぎに、えられたピストン型エアゾール製
品を50℃の雰囲気中に正立で保存し、2日後、14日
後および6カ月後に内圧を測定した。その結果を表1に
示す。
【0099】そののち、第1剤用エアゾール製品および
第2剤用エアゾール製品から、内容物をそれぞれ約5m
lずつ吐出させ、充分に混合して酸化染毛剤を調製した
ところ、染毛剤として充分に機能するものであった。
【0100】比較例2 実施例2において、ガス吸収剤を用いなかったほかは、
実施例2と同様にしてピストン式エアゾール製品を作製
した。
【0101】つぎに、えられたピストン式エアゾール製
品を、実施例2と同様に、50℃の雰囲気中に正立で保
存し、2日後、14日後および6カ月後に内圧を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】表1に示された結果から、実施例1でえら
れた二重容器型エアゾール製品を用いたばあいには、外
部容器と内部容器とのあいだに設けられたガス吸収剤に
より、内容液(6%過酸化水素水)から発生した酸素が
内部容器を透過して吸収されるので、6カ月後において
も比較例1にみられるような内圧の上昇がないことがわ
かる。
【0104】また、実施例2でえられたピストン型エア
ゾール製品を用いたばあいには、下部室内に設けられた
ガス吸収剤により、内容液(30%過酸化水素水)から
発生した酸素がピストンを透過して吸収されるので、6
カ月後においても比較例2にみられるような内圧の上昇
がないことがわかる。
【0105】
【発明の効果】本発明のエアゾール製品は、内部に充填
された内容液から内圧を上昇させるガスが発生したばあ
いであっても、かかるガスを有効に吸収するので、内圧
の上昇を抑制するという効果を奏する。
【0106】また、本発明のエアゾール製品は、充填さ
れた内容物に、酸素などのガスが接触することを防止す
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の多室容器型エアゾール製品の一実施
態様を示す概略断面図である。
【図2】第1発明の多室容器型エアゾール製品の一実施
態様を示す概略断面図である。
【図3】第1発明の多室容器型エアゾール製品の一実施
態様を示す概略断面図である。
【図4】第2発明の多室容器型エアゾール製品の一実施
態様を示す概略断面図である。
【図5】第2発明の多室容器型エアゾール製品の一実施
態様を示す概略断面図である。
【図6】第2発明の多室容器型エアゾール製品の一実施
態様を示す概略断面図である。
【図7】第3発明の多室容器型エアゾール製品の一実施
態様を示す概略断面図である。
【図8】第3発明のピストン型エアゾール製品の一実施
態様を示す概略断面図である。
【図9】第4発明のピストン型エアゾール製品の一実施
態様を示す概略断面図である。
【図10】第5発明の多室容器−ピストン複合型エアゾ
ール製品の一実施態様を示すエアゾール製品の概略断面
図である。
【図11】第5発明の多室容器−ピストン複合型エアゾ
ール製品の一実施態様を示すエアゾール製品の概略断面
図である。
【図12】第1発明、第2発明および第5発明のエアゾ
ール製品に用いられるシート形状を有するガス吸収剤が
設けられたときのエアゾール製品の概略断面図である。
【図13】ガス吸収剤に接触防止用ガードが設けられた
本発明のエアゾール製品の一実施態様の概略断面図であ
る。
【図14】図1に示された第1発明の多室容器型エアゾ
ール製品のA−A部における概略断面図である。
【図15】第1発明の多室容器型エアゾール製品の一実
施態様を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 外部容器 2 内部容器 3 噴射バルブ 4 ガス吸収剤 6 ピストン 7 上部室 8 下部室

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の外部容器、前記外部容器内に設け
    られ、内容液が充填された内部容器および前記内部容器
    の開口端に噴射バルブが取りつけられた多室容器型エア
    ゾール製品であって、前記外部容器が耐圧性容器であ
    り、前記内部容器がガス透過性樹脂容器であり、前記外
    部容器と前記内部容器とのあいだに前記内部容器の内容
    液と非接触の状態でガス吸収剤が設けられていることを
    特徴とする多室容器型エアゾール製品。
  2. 【請求項2】 筒状の外部容器、前記外部容器内に複数
    の内部容器が設けられた多室容器からなり、前記内部容
    器の少なくとも1つに内容液が充填され、前記内部容器
    の各開口端に噴射バルブが取り付けられた多室容器型エ
    アゾール製品であって、前記外部容器と前記内部容器と
    のあいだの空間が一室を形成するようにそれぞれ接続さ
    れ、前記外部容器が耐圧性容器であり、前記内部容器が
    ガス透過性樹脂容器であり、前記外部容器と前記内部容
    器とのあいだに前記内部容器の内容液と非接触の状態で
    ガス吸収剤が設けられていることを特徴とする多室容器
    型エアゾール製品。
  3. 【請求項3】 筒状の外部容器、前記外部容器内に、前
    記外部容器の内面と摺動可能に設けられたピストン、前
    記外部容器内で前記ピストンによって仕切られて形成さ
    れた上部室および下部室を有し、前記外部容器の開口端
    に噴射バルブが取りつけられたピストン型エアゾール製
    品であって、前記外部容器が耐圧性容器であり、前記ピ
    ストンがガス透過性樹脂製ピストンであり、前記上部室
    に内容液が充填され、前記下部室に前記上部室の内容液
    と非接触の状態でガス吸収剤が設けられていることを特
    徴とするピストン型エアゾール製品。
  4. 【請求項4】 筒状の外部容器、前記外部容器内に、前
    記外部容器の内面と摺動可能に設けられたピストン、前
    記外部容器内で前記ピストンによって仕切られて形成さ
    れた上部室および下部室を有し、前記外部容器の開口端
    に噴射バルブが取りつけられたピストン型エアゾール製
    品であって、前記ピストンが複数用いられ、前記外部容
    器が耐圧性容器であり、前記ピストンがガス透過性樹脂
    製ピストンであり、前記上部室に内容液が充填され、前
    記下部室に前記上部室の内容液と非接触の状態でガス吸
    収剤が設けられていることを特徴とするピストン型エア
    ゾール製品。
  5. 【請求項5】 筒状の外部容器、前記外部容器内に設け
    られ、内容液が充填された内部容器および前記外部容器
    の内面と摺動可能に設けられたピストン、前記外部容器
    内で前記ピストンによって仕切られて形成された上部室
    および下部室を有し、前記外部容器の開口端に噴射バル
    ブが取りつけられた多室容器−ピストン複合型エアゾー
    ル製品であって、前記外部容器内で内部容器とピストン
    とのあいだで空間が形成され、外部容器および内部容器
    がそれぞれ耐圧性容器であり、前記内部容器がガス透過
    性樹脂容器であり、前記ピストンがガス透過性樹脂ピス
    トンであり、前記内部容器に内容液が充填され、上部室
    および下部室の空間の少なくとも一方の空間に前記内部
    容器の内容液と非接触の状態でガス吸収剤が設けられて
    いることを特徴とする多室容器−ピストン複合型エアゾ
    ール製品。
  6. 【請求項6】 前記ガス透過性樹脂容器がポリエチレ
    ン、ポリプロピレン、ポリエステル、塩化ビニル樹脂ま
    たはポリアミドからなる容器である請求項1、2または
    5記載のエアゾール製品。
  7. 【請求項7】 前記ガス吸収剤が酸素吸収剤である請求
    項1、2、3、4または5記載のエアゾール製品。
  8. 【請求項8】 前記酸素吸収剤が活性酸化鉄である請求
    項7記載のエアゾール製品。
  9. 【請求項9】 前記ガス吸収剤が前記内部容器と接触せ
    ずに前記外部容器の内面上に固定されてなる請求項1、
    2または5記載のエアゾール製品。
  10. 【請求項10】 前記外部容器と前記内部容器との間隙
    に噴射剤が充填されてなる請求項1、2または5記載の
    エアゾール製品。
  11. 【請求項11】 前記噴射剤が前記ガス吸収剤に対して
    不活性のものである請求項10記載のエアゾール製品。
  12. 【請求項12】 前記ピストンがポリエチレン、ポリプ
    ロピレン、ポリエステル、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂
    またはポリアミドからなる請求項3、4または5記載の
    エアゾール製品。
  13. 【請求項13】 前記ガス吸収剤が前記ピストンと接触
    せずに前記下部室の外部容器の内面上に固定されてなる
    請求項3、4または5記載のエアゾール製品。
  14. 【請求項14】 前記下部室内に噴射剤が充填されてな
    る請求項3、4または5記載のエアゾール製品。
  15. 【請求項15】 前記噴射剤が前記ガス吸収剤に対して
    不活性のものである請求項14記載のエアゾール製品。
  16. 【請求項16】 前記ガス吸収剤としてシート形状を有
    するガス吸収剤が用いられ、該シート形状を有するガス
    吸収剤が前記外部容器と前記内部容器との間隙に設けら
    れてなる請求項1、2または5記載のエアゾール製品。
  17. 【請求項17】 前記ガス吸収剤の表面上に接触防止用
    ガードが設けられてなる請求項1、2、3、4または5
    記載のエアゾール製品。
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