JP2003146334A - 発泡アルコール飲料用ポリエステル樹脂製容器 - Google Patents

発泡アルコール飲料用ポリエステル樹脂製容器

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JP2003146334A JP2001346427A JP2001346427A JP2003146334A JP 2003146334 A JP2003146334 A JP 2003146334A JP 2001346427 A JP2001346427 A JP 2001346427A JP 2001346427 A JP2001346427 A JP 2001346427A JP 2003146334 A JP2003146334 A JP 2003146334A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れたリサイクル性、内容物保存性を備える発
泡アルコール飲料用ポリエステル樹脂製容器を提供す
る。 【解決手段】口部3と、口部3下方に連なる胴部4と、
胴部4下方に連なる底部5とからなる。容器1の内面側
にアモルファス炭素を含む被膜を備え、外面側に遮光フ
ィルム8を備える。該被膜は、厚さが200〜800オ
ングストローム、Δb*値が2〜7の範囲にある。遮光
フィルム8は、波長320〜400nmの紫外線と、波
長400〜500nmの可視光線とを80%以上遮断す
る。前記被膜は、エチレンまたはアセチレンを主成分と
する出発原料に対し、マイクロ波を用いるプラズマCV
Dにより形成されている。遮光フィルム8は、実質的に
胴部4の全面と、底部5の50%以上とを被覆する。口
部3にガスバリヤ性を備えるキャップ9が装着されてい
る。前記キャップは合成樹脂製で内面側にガスバリヤ材
を備え、さらに酸素吸収剤を備えてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビール、発泡酒等
の発泡アルコール飲料用ポリエステル樹脂製容器に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、飲料、食品、エアゾール、化粧品
容器等の分野では、ポリエチレンテレフタレート樹脂製
容器(以下、PET容器と略記することがある)に代表
されるポリエステル樹脂製容器が一般に用いられてい
る。このようなPET容器は、取り扱いが容易であり、
ファッション性にも優れていることから、ビール、発泡
酒等の発泡アルコール飲料用容器として使用することが
検討されている。ところが、前記PET容器は、金属容
器やガラス容器に比べて酸素、炭酸ガス等の気体や光線
を透過しやすいため、発泡アルコール飲料用容器として
使用した場合に、炭酸ガスの透過により、ビール、発泡
酒等に含まれるガスボリュームが低減したり、酸素、光
線の透過によりアルコール飲料としての風味が変化する
等の問題がある。
【0003】前記問題を解決するために、内面にアモル
ファス炭素等を含む被膜を形成したPET容器が提案さ
れている。前記被膜は、例えば、中空の処理室に前記P
ET容器を配置し、該PET容器口部から該PET容器
内部に原料ガス導入管を挿入して、該処理室及びPET
容器内部を真空に排気した後、原料ガスを供給すると共
に高周波またはマイクロ波電圧を印加することによって
プラズマを発生させる方法により形成することができ
る。前記PET容器は、内面に前記被膜を形成すること
により、酸素や炭酸ガス等に対するガスバリヤ性、遮光
性が高くなり、前記発泡アルコール飲料に適した内容物
保存性が得られるものと考えられる。
【0004】しかしながら、前記PET容器は前記アモ
ルファス炭素等を含む被膜により透明褐色に着色するの
で、消費者に好まれない場合があるとの不都合がある。
また、前記被膜が形成されたPET容器を使用後に回収
し、再生ポリエステル樹脂としてリサイクルに供する際
に、再生ポリエステル樹脂に前記着色が残るため、再生
されたポリエステル樹脂の用途が限定されるとの不都合
がある。
【0005】前記着色は前記被膜の膜厚を低減すれば淡
くなるが、単純に前記被膜の膜厚を低減したのでは、ガ
スバリヤ性、遮光性が低くなり、前記発泡アルコール飲
料に適した内容物保存性が得られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる不都
合を解消して、優れたリサイクル性と、ビール、発泡酒
等の発泡アルコール飲料に適した内容物保存性とを備え
る発泡アルコール飲料用ポリエステル樹脂製容器を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】ポリエステル樹脂製容器
の内面にアモルファス炭素を含む被膜を形成したとき
に、前記被膜の着色の程度は、該容器側壁に対し色差計
により垂直に光を通過させたときのb*値を、前記被膜
を形成する前後で比較し、両者の差として算出されるΔ
*値により表すことができる。前記b*値とは、国際照
明委員会(CIE)で規格化されたL***表色系
(JIS Z 8729)で黄色方向の彩度を示す値で
あり、一般的には、前記Δb*値は前記アモルファス炭
素を含む被膜の厚さが厚くなるほど大になる。
【0008】本発明者らは、前記被膜の厚さと、前記Δ
*値との関係について検討したところ、前記Δb*値は
前記被膜の厚さや被膜構造、製造条件等によって変化す
ることを見出した。
【0009】本発明者らは、前記知見に基づいてさらに
検討を進めた結果、前記被膜の厚さが200〜800オ
ングストロームの範囲では、前記Δb*値を所定の範囲
とすることにより、前記ポリエステル樹脂製容器の着色
を抑制しつつ、酸素や炭酸ガス等に対するガスバリヤ性
の指標とされる酸素透過率が所定の値以下で、前記発泡
アルコール飲料に適した内容物保存性を備えるポリエス
テル樹脂製容器を得ることができることを見出し、本発
明に到達した。
【0010】そこで、本発明の発泡アルコール飲料用ポ
リエステル樹脂製容器は、前記目的を達成するために、
口部と、該口部下方に連なる胴部と、該胴部下方に連な
る底部とからなるポリエステル樹脂製容器であって、該
容器の内面側に設けられたアモルファス炭素を含む被膜
と、該容器の外面側に設けられた遮光フィルムとを備
え、該被膜は、厚さが200〜800オングストローム
の範囲であり、該被膜を形成する前の容器側壁に対し色
差計により垂直に光を通過させたときのb*値と、該被
膜を形成した後の容器側壁に対し色差計により垂直に光
を通過させたときのb*値との差として算出されるΔb*
値が2〜7の範囲にあり、該遮光フィルムは、波長32
0〜400nmの紫外線と、波長400〜500nmの
可視光線との透過を80%以上遮断することを特徴とす
る。
【0011】本発明のポリエステル樹脂製容器は、前記
容器内面に前記アモルファス炭素を含む被膜を備えると
共に、前記容器外面に前記遮光フィルムを備えているこ
とにより、ガスバリヤ性、遮光性を高くすることがで
き、前記発泡アルコール飲料に適した内容物保存性を得
ることができる。
【0012】このとき、前記アモルファス炭素を含む被
膜は、厚さが200〜800オングストロームの範囲で
あり、かつ、前記Δb*値が2〜7の範囲であることに
より、前記発泡アルコール飲料に適したガスバリヤ性を
得ることができると共に、着色が抑制され優れたリサイ
クル性を得ることができる。
【0013】前記被膜は、前記厚さが200オングスト
ローム未満では、着色は抑制されるものの、十分なガス
バリヤ性を得ることができない。また、前記厚さが80
0オングストロームを超えると、ガスバリヤ性は高いも
のの、着色が濃くなってリサイクル性が低減すると共
に、ポリエステル樹脂製容器に対する被膜の密着性、加
工性が低減する。
【0014】また、前記被膜は、前記厚さが前記範囲内
にあるときに、前記Δb*値が2未満では、着色は抑制
されるものの、十分なガスバリヤ性を得ることができな
い。一方、前記厚さが前記範囲内にあるときに、前記Δ
*値が7を超えると、着色が濃くなって容器の外観品
質が低減すると共に、回収された容器をリサイクルする
際に該容器を粉砕したときに着色したチップが得られ、
再利用の用途が限定される。
【0015】また、前記遮光フィルムは、波長320〜
400nmの紫外線と、波長400〜500nmの可視
光線との透過を80%以上、より好ましくは90%以上
遮断することにより、前記被膜の着色と相俟って、ポリ
エステル樹脂製容器に前記発泡アルコール飲料に適した
遮光性を付与することができる。
【0016】本発明のポリエステル樹脂製容器におい
て、前記アモルファス炭素を含む被膜は、エチレンまた
はアセチレンを主成分とする気体を出発原料として、マ
イクロ波を用いるプラズマCVDにより形成されている
ことを特徴とする。前記プラズマCVDによれば、エチ
レンまたはアセチレンを主成分とする気体を出発原料と
して用いることにより、本発明の特性を有するポリマー
性薄膜をより短時間で形成することができる。
【0017】また、前記遮光フィルムは、実質的に前記
胴部の全面と、前記底部の50%以上とを被覆するよう
に設けられていることにより、前記ポリエステル樹脂製
容器に前記発泡アルコール飲料に適した遮光性を付与す
ることができる。
【0018】本発明のポリエステル樹脂製容器は、前記
構成とすることにより容器本体については前記発泡アル
コール飲料に適したガスバリヤ性を得ることができる
が、さらに前記口部もガスバリヤ性を備えていることが
好ましい。そこで、本発明のポリエステル樹脂製容器
は、前記口部にガスバリヤ性を備えるキャップが装着さ
れていることにより、さらに前記発泡アルコール飲料に
適した内容物保存性を得ることができる。
【0019】前記キャップは、ガスバリヤ性を備えるも
のであれば、金属製であっても、合成樹脂製であっても
よい。前記キャップが合成樹脂製であるときには、該キ
ャップは内面側にガスバリヤ材を備えることにより、該
キャップを透過する酸素、炭酸ガス等を低減することが
できる。また、前記キャップは、さらに内面側に酸素吸
収剤を備えることにより、前記容器に充填される内容物
に溶解した状態で該容器内に持ち込まれたり、該内容物
充填後に該容器内のヘッドスペースに残存する酸素、或
いは容器壁から容器内に僅かに透過して侵入する酸素を
捕捉し、除去することができる。
【0020】本発明のポリエステル樹脂製容器として
は、代表的なものとしてポリエチレンテレフタレート樹
脂からなる容器を挙げることができるが、テレフタル酸
に替えてナフタレンジカルボン酸等の他の芳香族ジカル
ボン酸を用いたポリエステル樹脂、例えばポリエチレン
ナフタレートからなる容器であってもよく、また芳香族
ジカルボン酸に替えて脂肪族ジカルボン酸を用いたポリ
エステル樹脂からなる容器であってもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、添付の図面を参照しながら
本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図
1は本実施形態のポリエステル樹脂製容器の構成を示す
説明的断面図であり、図2は前記ポリエステル樹脂製容
器の製造方法を示す説明的断面図である。
【0022】図1に示すように、本実施形態のポリエス
テル樹脂製容器1は、ビール、発泡酒等の発泡アルコー
ル飲料Dの容器として用いられるものであり、外面にね
じ部2を備える口部3と、口部3に連なる胴部4と、胴
部4に連なる底部5とからなる。底部5は発泡アルコー
ル飲料Dに含まれる炭酸ガスに対する耐圧性を付与する
ために外側に凸の球面6を備えており、該球面6から外
方に突出する複数の脚部7により自立性が付与されてい
る。
【0023】ポリエステル樹脂製容器1は、内面側にア
モルファス炭素を含む被膜(図示せず)を備え、外面側
に遮光性フィルム8を備えると共に、口部3には合成樹
脂製キャップ9がねじ部2に螺着されて装着されてい
る。
【0024】前記アモルファス炭素を含む被膜はポリマ
ー性薄膜であり、厚さが200〜800オングストロー
ムの範囲にある。また、前記被膜を形成する前の容器側
壁に対し色差計により垂直に光を通過させたときのb*
値と、該被膜を形成した後の容器側壁に対し色差計によ
り垂直に光を通過させたときのb*値との差として算出
されるΔb*値が2〜7の範囲にある。
【0025】前記被膜は、例えば、図2示のプラズマC
VD装置11により、ポリエステル樹脂製容器1の内面
側に形成することができる。
【0026】図2において、プラズマCVD装置11
は、パイレックスガラス(登録商標)で形成された側壁
12と、昇降自在の底板13とにより画成された処理室
14を備え、側壁12に臨む位置にマイクロ波発生装置
15を備える。処理室14の上方には、側壁16と上壁
17とにより画成された排気室18が備えられ、処理室
14との間には隔壁19が設けられている。
【0027】底板13は、ポリエステル樹脂製容器1を
配置して上昇移動することにより、ポリエステル樹脂製
容器1を処理室14内に収納する。このようにして収納
されたポリエステル樹脂製容器1は、口部保持具20を
介して容器内部が隔壁19に設けられた排気孔21と連
通するように配置される。口部保持具20は上部突出部
22が排気孔21に密に挿入され、口部保持部23がポ
リエステル樹脂製容器1の口部3に所定の間隔を存して
挿入される。
【0028】処理室14と排気室18とは隔壁19に設
けられた通気口24のバルブ25を介して連通してお
り、排気室18の側壁16に形成された開口26は図示
しない真空装置に接続されている。排気室18の上壁1
7にはシール27を介してガス導入管28が支持されて
おり、ガス導入管28は上壁17と口部保持具20とを
貫通して、ポリエステル樹脂製容器1内に挿入される。
【0029】図2示のプラズマCVD装置11では、ま
ず、ポリエステル樹脂製容器1を載置した底板13を上
昇移動せしめ、処理室14内にポリエステル樹脂製容器
1を収納する。次に、図示しない真空装置を作動して、
排気室17内を排気し、これにより排気孔21及び通気
口24を介して処理室14及びポリエステル樹脂製容器
1の内部を1〜50Paの真空度に減圧する。
【0030】次に、ガス導入管28からポリエステル樹
脂製容器1内に、ガス状の出発原料(以下、原料ガスと
略記する)を供給する。前記プラズマCVD装置11に
よれば、前記原料ガスとして、メタン、エタン、プロパ
ン等の脂肪族飽和炭化水素、エチレン、アセチレン等の
脂肪族不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素、含酸素炭化水素類、含窒素炭化水
素類を用いることができる。前記原料ガスは、単独で用
いても、必要に応じて2種以上混合して用いてもよく、
被膜改質剤として少量の水素、酸素、有機珪素化合物、
その他の被膜形成性有機化合物を併用してもよい。ま
た、前記原料ガスは、アルゴン、ヘリウム等の希ガスで
希釈して用いるようにしてもよい。ただし、前記原料ガ
スは、前記特性を有するポリマー性薄膜をより短時間で
形成するために、脂肪族不飽和炭化水素を用いることが
好ましく、特に、エチレンまたはアセチレンを主成分と
するガスを用いることが好ましい。
【0031】前記原料ガスの供給量は、対象となるポリ
エステル樹脂製容器1の表面積、形成される被膜の厚さ
に応じて適正な量に設定されるが、内容積200ml〜
2000mlのサイズのポリエステル樹脂製容器1に、
200〜800オングストロームの厚さの前記被膜を形
成するには、容器表面積当たりの前記原料ガスの供給量
を0.1〜0.8sccm/cm2の範囲とすることが
適している。前記出発原料の供給量が0.1sccm/
cm2未満では膜厚が薄くなってガスバリヤ性が低下
し、0.8sccm/cm2を超えると膜厚が厚くなり
すぎ、着色が著しくなる。
【0032】次に、プラズマCVD装置11では、前記
原料ガスが供給されている間、マイクロ波発生装置15
を作動して、例えば2.45GHz、150〜600W
のマイクロ波を、0.3〜2.0秒間、好ましくは0.
4〜1.5秒間照射することにより、前記原料ガスを電
磁励起してプラズマを発生せしめ、ポリエステル樹脂製
容器1の内面に前記被膜を形成する。尚、前記マイクロ
波の周波数としては、工業規格周波数として一般に用い
られている2.45GHzが適しているが、これに限定
されることはない。
【0033】このとき、プラズマCVD装置11では、
プラズマが発生した状態で、前記原料ガスから前記被膜
が形成される過程で1〜50Paの範囲の真空度が必要
とされる。そこで、プラズマCVD装置11では、前記
原料ガスを連続的に供給すると共に、前記真空装置によ
り連続的に排気し、処理室14及びポリエステル樹脂製
容器1の内部を前記1〜50Paの真空度に保持する。
前記真空度が1Pa未満では前記被膜の形成に長時間を
要し、前記真空度が50Paを超えると、形成された被
膜のポリエステル樹脂製容器1に対する密着性、加工性
が低くなる。プラズマCVD装置11では、好ましく
は、処理室14及びポリエステル樹脂製容器1の内部を
2〜30Paの真空度に保持する。
【0034】前記マイクロ波の照射時間は、0.3秒未
満ではプラズマの生成が困難で、前記被膜の膜厚が薄く
なるために所望の膜厚が得られないことがあり、2.0
秒を超えると前記被膜の膜厚が大になり、着色が濃くな
ることがある。
【0035】前記マイクロ波のエネルギーは、被膜構
造、着色、ガスバリヤ性と密接に関係し、150W未満
では、前記アモルファス炭素を含む被膜中の炭素−炭素
間において共役二重結合を形成するsp2結合の割合が
多くなって、着色が濃くなり、酸素透過率が大の被膜が
形成される。また、前記マイクロ波のエネルギーが60
0Wを超えると、被膜中の炭素−炭素間において正四面
体配置の単結合を形成するsp3結合の割合が多くなっ
て、着色は淡くなるが、酸素透過率はやはり大となる。
【0036】次に、前記原料ガスの供給が終了したなら
ば、マイクロ波発生装置15を停止すると共に、処理室
14及びプラスチック容器1内を大気圧に戻し、底板1
3を降下させてポリエステル樹脂製容器1を取り出すこ
とにより、処理を終了する。マイクロ波発生装置15
は、前記原料ガスの供給が終了と同時に停止してもよい
が、短時間延長して照射するようにしてもよい。このよ
うにすることにより、容器中に残存している原料ガス成
分を完全に被膜化することができる。
【0037】プラズマCVD装置11によれば、前記原
料ガスの供給量と前記マイクロ波の照射時間を前記範囲
とすると共に、前記マイクロ波のエネルギーを前記範囲
で調整することにより、前記被膜の厚さを200〜80
0オングストロームの範囲とし、かつ、Δb*値を2〜
7の範囲とすることができる。前記被膜を形成したポリ
エステル樹脂製容器1は、該被膜を形成しないポリエス
テル樹脂製容器1に比較して酸素透過性が低くなってい
るが、本実施形態では、発泡アルコール飲料Dに対する
内容物保存性を高くするために、さらに前記被膜の厚さ
とΔb*値とを調整して、ポリエステル樹脂製容器1の
酸素透過率を0.015cc/日以下とすることが望ま
しい。
【0038】また、本実施形態で形成される前記被膜
は、酸素や炭酸ガス等に対するガスバリヤ性に優れてい
ると共に、ポリエステル樹脂製容器1の内面に対する密
着性に優れ、ポリエステル樹脂製容器1が変形しても剥
離しにくいので、ポリエステル樹脂製容器1の加工性を
高くすることができる。
【0039】次に、遮光フィルム8は、波長320〜4
00nmの紫外線と、波長400〜500nmの可視光
線との透過を80%以上、より好ましくは90%以上遮
断するものであって、口部3から下の胴部4の全面と、
底部5の50%以上とを被覆するように設けられてい
る。
【0040】遮光フィルム8は、前記波長範囲の紫外線
と可視光線との透過を95%以上遮断するために、ポリ
スチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネ
ート、ポリ塩化ビニリデン等の公知の樹脂フィルムに、
着色顔料等による印刷を施したもの、着色顔料または紫
外線吸収剤等を配合したもの等を用いることができる。
前記紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系等、
それ自体公知の紫外線吸収剤を1種または2種以上ブレ
ンドして用いることができる。
【0041】また、遮光フィルム8をポリエステル樹脂
製容器1の外面に取着する方法としては、ポリエステル
樹脂製容器1を前記樹脂フィルムで被覆した後、該樹脂
フィルムを加熱収縮させるシュリンク包装による方法、
接着またはインモールドによる方法等を採用することが
できる。しかし、ポリエステル樹脂製容器1をリサイク
ルに供する際に、遮光フィルム8の取り外しが容易であ
ることから、前記シュリンク包装による方法が適してい
る。
【0042】次に、キャップ9は、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル等の合成樹脂からなり、内面
側にガスバリヤ材10を備えている。ガスバリヤ材10
としては、エチレン・ビニルアルコール(エバール)
系、ポリ塩化ビニリデン系等の酸素透過性の低い材料か
らなるライナー、アモルファスシリカを含む被膜、アモ
ルファス炭素を含む被膜等を挙げることができる。ま
た、キャップ9は、内面側に酸素吸収剤を備えていても
よく、前記酸素吸収剤としては、アスコルビン酸・亜硫
酸系酸素吸収剤等、それ自体公知の酸素吸収剤を用いる
ことができる。この酸素吸収剤は、ガスバリヤ材10と
併用することができる。
【0043】本実施形態のポリエステル樹脂製容器1
は、前記アモルファス炭素を含む被膜と、キャップ9と
により、炭酸ガスの透過が妨げられるので、内容物であ
る発泡アルコール飲料Dのガスボリュームの低減を防止
することができる。
【0044】また、ポリエステル樹脂は、本来、紫外線
のうち比較的長波長側のものをある程度吸収することが
できるが、本実施形態のポリエステル樹脂製容器1は、
このポリエステル樹脂本来の性質に加えて、前記アモル
ファス炭素を含む被膜の着色と、遮光フィルム8とによ
り、発泡アルコール飲料Dに適した遮光性を得ることが
できる。従って、ポリエステル樹脂製容器1は、前記ア
モルファス炭素を含む被膜と、キャップ9とにより、酸
素ガスの透過が妨げられる効果と、前記遮光性とによ
り、発泡アルコール飲料Dの風味を長期に亘って保持す
ることができる。
【0045】また、本実施形態のポリエステル樹脂製容
器1は、前記被膜による着色が少ないので、使用後に回
収してリサイクルするときに、前記被膜が形成されてい
ない従来の回収ポリエステル樹脂製容器と同様に扱うこ
とができる。
【0046】尚、本実施形態では、ポリエステル樹脂製
容器1として、球面6から外方に突出する複数の脚部7
により自立性が付与されているものを例として説明して
いるが、底形状は特に図1の形状に限定されるものでは
なく、耐圧性を備える形状であればどのような形状であ
ってもよい。また、ポリエステル樹脂製容器1は、球面
6に取着されたベースカップにより自立性が付与される
ものであってもよい。
【0047】また、本実施形態では、前記アモルファス
炭素を含む被膜を形成するための前記原料ガスを電磁励
起する手段としてマイクロ波発生装置15を用いている
が、処理室14に収容されたポリエステル樹脂製容器1
の内外面に電極を配置し、該電極に高周波を印加するよ
うにしてもよい。但し、ガスバリヤ性に優れると共に、
ポリエステル樹脂製容器1に対する密着性に優れた被膜
を形成するためには、マイクロ波発生装置15を用いる
プラズマCVD装置11が適している。
【0048】また、本実施形態では、ポリエステル樹脂
製容器1の口部3に合成樹脂製キャップ9を装着するよ
うにしているが、合成樹脂製キャップ9に替えて金属製
キャップを用いることもできる。この場合、金属は本
来、ガスバリヤ性を備えているので、ガスバリヤ材9は
設けなくてもよい。また、口部3の外面にはねじ部2を
設けなくてもよい。
【0049】次に、本実施形態の実施例と比較例とにつ
いて説明する。
【0050】
【実施例1】本実施例では、まず、内容積350mlの
PETボトル(ポリエステル樹脂製容器)1を、図2示
のプラズマCVD装置11の処理室4内に収納した。次
に、処理室4及びPETボトル1の内部を減圧すると共
に、PETボトル1内に原料ガスとして容器表面積当た
り0.4sccm/cm2(160ml/分)のアセチ
レンガスを供給し、PETボトル1の内部を10Paの
真空度に維持しつつ、2.45GHz、380Wのマイ
クロ波を、0.6秒間照射することにより、内面にアモ
ルファス炭素被膜が形成されたPETボトル1を製造し
た。前記被膜の厚さは400オングストロームであっ
た。
【0051】次に、前述の方法により、前記被膜が形成
されたペットボトル1のΔb*値と、酸素や炭酸ガス等
に対するガスバリヤ性の指標となる酸素透過率とを測定
したところ、Δb*値は3、酸素透過率は0.003c
c/日であった。前記酸素透過率は、前記被膜を形成し
ていない従来のペットボトル(参考例)の0.03cc
/日に比較して格段に低くなっていることが明らかであ
る。結果を表1に示す。
【0052】次に、前記被膜が形成されたPETボトル
1の外面に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含む
膜厚60μmのポリスチレンフィルムに着色顔料による
印刷が施された遮光フィルム8を、シュリンク包装によ
る方法を用いて取り付けた。前記被膜が形成されたPE
Tボトル1は、遮光フィルム8の取付け前には380n
mの紫外線の透過率が約45%であったが、遮光フィル
ム8の取付け後には前記透過率が5%未満になった。
【0053】次に、前記被膜が形成されたPETボトル
1に、ビールと発泡酒とを充填し、口部3にキャップ9
を螺着して密封した。キャップ9としては、ポリプロピ
レンからなり内面側にアスコルビン酸・亜硫酸系酸素吸
収剤を含むガスバリヤ材10を備えている。
【0054】前記ビールと発泡酒とを充填したPETボ
トル1を室温で6か月間保存した後、内容物保存性につ
いて評価した。結果を表1に示す。
【0055】また、参考例として前記被膜を形成してい
ない従来のPETボトル1について、本実施例と全く同
一にして内容物保存性を評価した。結果を併せて表1に
示す。
【0056】次に、前記被膜が形成されたPETボトル
1から遮光フィルム8を取り外した後、該PETボトル
1を粉砕し、押出機を用いてチップ状として、再生ポリ
エチレンテレフタレート樹脂を製造した。前記再生ポリ
エチレンテレフタレート樹脂のチップは着色が極めて淡
く、実用上問題なくポリエチレンテレフタレート繊維の
製造に用いることができ、前記被膜を形成していない従
来の回収PETボトル1を粉砕し、押出機を用いてチッ
プ状とした再生ポリエチレンテレフタレート樹脂と同等
のリサイクル性を備えていることが確認された。
【0057】
【実施例2】本実施例では、前記マイクロ波の照射時間
を0.5秒とし、アセチレンガスの供給量を容器表面積
当たり0.3sccm/cm2とした以外は、実施例1
と全く同一にして、内面に厚さ200オングストローム
のアモルファス炭素被膜を備えるペットボトル1を製造
した。
【0058】次に、前記被膜が形成されたペットボトル
1について、実施例1と全く同一にしてΔb*値と酸素
透過率とを測定したところ、Δb*値は2.5、酸素透
過率は0.008cc/日であった。結果を表1に示
す。
【0059】次に、前記被膜が形成されたPETボトル
1の外面に、実施例1と全く同一の遮光フィルム8を実
施例1と全く同一にして取り付け、ビールと発泡酒とを
充填し、口部3に実施例1と全く同一のキャップ9を螺
着して密封した。前記ビールと発泡酒とを充填したPE
Tボトル1を室温で6か月間保存した後、内容物保存性
について評価した。結果を表1に示す。
【0060】
【比較例1】本比較例では、前記マイクロ波の照射時間
を1.2秒とし、アセチレンガスの供給量を容器表面積
当たり0.3sccm/cm2とした以外は、実施例1
と全く同一にして、内面に厚さ600オングストローム
のアモルファス炭素被膜を備えるペットボトル1を製造
した。
【0061】次に、前記被膜が形成されたペットボトル
1について、実施例1と全く同一にしてΔb*値と酸素
透過率とを測定したところ、Δb*値は6.5、酸素透
過率は0.002cc/日であった。結果を表1に示
す。
【0062】次に、前記被膜が形成されたPETボトル
1の外面に遮光フィルム8を取り付けないこと以外は実
施例1と全く同一にしてビールと発泡酒とを充填し、口
部3に実施例1と全く同一のキャップ9を螺着して密封
した。前記ビールと発泡酒とを充填したPETボトル1
を室温で6か月間保存した後、内容物保存性について評
価した。結果を表1に示す。
【0063】
【比較例2】本比較例では、前記マイクロ波の照射時間
を0.2秒とし、アセチレンガスの供給量を容器表面積
当たり0.3sccm/cm2とした以外は、実施例1
と全く同一にして、内面に厚さ180オングストローム
のアモルファス炭素被膜を備えるペットボトル1を製造
した。
【0064】次に、前記被膜が形成されたペットボトル
1について、実施例1と全く同一にしてΔb*値と酸素
透過率とを測定したところ、Δb*値は1.8、酸素透
過率は0.02cc/日であった。結果を表1に示す。
【0065】次に、前記被膜が形成されたPETボトル
1の外面に、実施例1と全く同一の遮光フィルム8を実
施例1と全く同一にして取り付け、ビールと発泡酒とを
充填し、口部3に実施例1と全く同一のキャップ9を螺
着して密封した。前記ビールと発泡酒とを充填したPE
Tボトル1を室温で6か月間保存した後、内容物保存性
について評価した。結果を表1に示す。
【0066】
【比較例3】本比較例では、前記マイクロ波の照射時間
を2.5秒とし、アセチレンガスの供給量を容器表面積
当たり0.3sccm/cm2とした以外は、実施例1
と全く同一にして、内面に厚さ1500オングストロー
ムのアモルファス炭素被膜を備えるペットボトル1を製
造した。
【0067】次に、前記被膜が形成されたペットボトル
1について、実施例1と全く同一にしてΔb*値と酸素
透過率とを測定したところ、Δb*値は15、酸素透過
率は0.001cc/日であった。結果を表1に示す。
【0068】次に、前記被膜が形成されたPETボトル
1の外面に、実施例1と全く同一の遮光フィルム8を実
施例1と全く同一にして取り付け、ビールと発泡酒とを
充填し、口部3に実施例1と全く同一のキャップ9を螺
着して密封した。前記ビールと発泡酒とを充填したPE
Tボトル1を室温で6か月間保存した後、内容物保存性
について評価した。結果を表1に示す。
【0069】
【比較例4】本比較例では、PETボトル1の内部を1
2Paの真空度に維持すると共に、マイクロ波のエネル
ギー140Wとした以外は、実施例1と全く同一にし
て、内面に厚さ400オングストロームのアモルファス
炭素被膜を備えるペットボトル1を製造した。
【0070】次に、前記被膜が形成されたペットボトル
1について、実施例1と全く同一にしてΔb*値と酸素
透過率とを測定したところ、Δb*値は8、酸素透過率
は0.025cc/日であった。結果を表1に示す。
【0071】次に、前記被膜が形成されたPETボトル
1の外面に、実施例1と全く同一の遮光フィルム8を実
施例1と全く同一にして取り付け、ビールと発泡酒とを
充填し、口部3に実施例1と全く同一のキャップ9を螺
着して密封した。前記ビールと発泡酒とを充填したPE
Tボトル1を室温で6か月間保存した後、内容物保存性
について評価した。結果を表1に示す。
【0072】
【比較例5】本比較例では、実施例1と全く同一の構成
を備えるPETボトル1に、ガスバリヤ材10を備えな
い合成樹脂製キャップ9を口部3に螺着した以外は、実
施例1と全く同一にしてビールと発泡酒とを充填して密
封した。前記ビールと発泡酒とを充填したPETボトル
1を室温で6か月間保存した後、内容物保存性について
評価した。結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】表1から、実施例1〜2のペットボトル1
は、容器内面側に厚さが200〜400オングストロー
ムのアモルファス炭素被膜を備え、外面側に遮光フィル
ム8が取着されていると共に、ガスバリヤ材10を備え
る合成樹脂製キャップ9で密封されているので、ビー
ル、発泡酒のガスボリュームの変化と、風味の変化とが
共に極めて小であり、優れた内容物保存性を備えている
ことが明らかである。また、実施例1〜2のペットボト
ル1は、前記アモルファス炭素被膜のΔb*値が2.5
〜3.0の範囲であって着色が小さいので、優れたリサ
イクル性を備えていることが明らかである。
【0075】一方、比較例1のペットボトル1は、容器
内面側に厚さが600オングストローム、Δb*値が
6.5のアモルファス炭素被膜を備え、酸素透過率は
0.002cc/日であって、ビール、発泡酒のガスボ
リュームの変化は極めて小さいが、遮光フィルム8を備
えていないためにビール、発泡酒の風味の変化が大き
く、内容物保存性に劣ることが明らかである。
【0076】また、比較例2のペットボトル1は、容器
内面側に備えられた前記アモルファス炭素被膜の厚さが
180オングストロームと薄いので酸素透過率が0.0
2cc/日と大きく、ビール、発泡酒のガスボリューム
の変化と風味の変化とが共に極めて大きく、内容物保存
性に劣ることが明らかである。
【0077】また、比較例3のペットボトル1は、容器
内面側に備えられた前記アモルファス炭素被膜の厚さが
1500オングストロームと厚く、酸素透過率が0.0
01cc/日と小さいので、ビール、発泡酒のガスボリ
ュームの変化と、風味の変化とが極めて小であり、優れ
た内容物保存性を備えているものの、Δb*値が15で
あって着色が大であるため、リサイクルの際に用途が限
定され、リサイクル性に劣ることが明らかである。
【0078】また、比較例4のペットボトル1は、容器
内面側に前記アモルファス炭素被膜を形成する際の前記
マイクロ波のエネルギーが140Wと小さいため、該被
膜の厚さは400オングストロームであって実施例1〜
2と同等であるにも関わらず、Δb*値が8であって着
色がやや大であり、酸素透過率も0.025cc/日と
大きい。この結果、比較例4のペットボトル1は、ビー
ル、発泡酒のガスボリュームの変化と、風味の変化とが
共に極めて大であり、内容物保存性に劣ると共に、前記
着色によりリサイクルの際に用途が限定されるので、リ
サイクル性にも劣ることが明らかである。
【0079】尚、比較例4のペットボトル1のように、
前記マイクロ波のエネルギーが小さい場合に、前記アモ
ルファス炭素被膜の着色が大であるにも関わらず前記酸
素透過率も大となる現象は、該被膜中の炭素−炭素間結
合において共役二重結合を形成するsp2結合の割合が
多くなっているためと考えられる。
【0080】また、比較例5のペットボトル1は、ガス
バリヤ材10を備えない合成樹脂製キャップ9により密
封されているため、ビール、発泡酒のガスボリュームの
変化と、風味の変化とが共に大であり、内容物保存性に
劣ることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステル樹脂製容器の一構成例を
示す説明的断面図。
【図2】本発明のポリエステル樹脂製容器の製造方法を
示す説明的断面図。
【符号の説明】
1…ポリエステル樹脂製容器、 3…口部、 4…胴
部、 5…底部、 8…遮光フィルム、 9…キャッ
プ、 10…ガスバリヤ材。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月14日(2001.12.
14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】また、ポリエステル樹脂は、本来、紫外線
のうち比較的短波長側のものをある程度吸収することが
できるが、本実施形態のポリエステル樹脂製容器1は、
このポリエステル樹脂本来の性質に加えて、前記アモル
ファス炭素を含む被膜の着色と、遮光フィルム8とによ
り、発泡アルコール飲料Dに適した遮光性を得ることが
できる。従って、ポリエステル樹脂製容器1は、前記ア
モルファス炭素を含む被膜と、キャップ9とにより、酸
素ガスの透過が妨げられる効果と、前記遮光性とによ
り、発泡アルコール飲料Dの風味を長期に亘って保持す
ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 23/08 BSM B65D 23/08 BSMB 4K030 65/16 BSF 65/16 BSF 81/30 81/30 B C08J 7/04 CFD C08J 7/04 CFDP // C23C 16/26 C23C 16/26 C08L 67:02 C08L 67:02 (72)発明者 松島 浩二 埼玉県岩槻市上野4−5−15 北海製罐株 式会社技術本部内 Fターム(参考) 3E062 AA09 AB02 AC02 JA01 JA07 JA08 JB05 JB22 JC02 JD01 JD05 3E067 AA22 AB26 AC01 BA03A BB15A BB26B BB26C BC03A CA04 CA06 CA12 EA32 EB27 EE30 FA01 FC01 GD02 3E086 AB03 AD16 BA02 BA15 BA33 BB03 BB05 BB22 BB23 BB63 BB90 CA12 DA08 4F006 AA35 AB63 AB72 BA05 CA07 DA01 4F100 AA34C AK01B AK12 AK41A BA03 BA10B BA10C DA01 EH66C GB16 GB23 HB31 JA03 JA12C JD09B JD10B JN02B YY00B 4K030 AA09 BA27 BB05 CA07 CA15 FA01 JA01 LA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】口部と、該口部下方に連なる胴部と、該胴
    部下方に連なる底部とからなるポリエステル樹脂製容器
    であって、 該容器の内面側に設けられたアモルファス炭素を含む被
    膜と、該容器の外面側に設けられた遮光フィルムとを備
    え、 該被膜は、厚さが200〜800オングストロームの範
    囲であり、該被膜を形成する前の容器側壁に対し色差計
    により垂直に光を通過させたときのb*値と、該被膜を
    形成した後の容器側壁に対し色差計により垂直に光を通
    過させたときのb*値との差として算出されるΔb*値が
    2〜7の範囲にあり、 該遮光フィルムは、波長320〜400nmの紫外線
    と、波長400〜500nmの可視光線との透過を80
    %以上遮断することを特徴とする発泡アルコール飲料用
    ポリエステル樹脂製容器。
  2. 【請求項2】前記アモルファス炭素を含む被膜は、エチ
    レンまたはアセチレンを主成分とする気体を出発原料と
    して、マイクロ波を用いるプラズマCVDにより形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の発泡アルコー
    ル飲料用ポリエステル樹脂製容器。
  3. 【請求項3】前記遮光フィルムは、実質的に前記胴部の
    全面と、前記底部の50%以上とを被覆するように設け
    られていることを特徴とする請求項1または請求項2記
    載の発泡アルコール飲料用ポリエステル樹脂製容器。
  4. 【請求項4】前記口部にガスバリヤ性を備えるキャップ
    が装着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項
    3のいずれか1項記載の発泡アルコール飲料用ポリエス
    テル樹脂製容器。
  5. 【請求項5】前記キャップは合成樹脂からなり、内面側
    にガスバリヤ材を備えることを特徴とする請求項4記載
    の発泡アルコール飲料用ポリエステル樹脂製容器。
  6. 【請求項6】前記キャップは、内面側に酸素吸収剤を備
    えることを特徴とする請求項4または請求項5記載の発
    泡アルコール飲料用ポリエステル樹脂製容器。
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