JP2001137994A - 転造ダイス - Google Patents

転造ダイス

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JP2001137994A
JP2001137994A JP32624199A JP32624199A JP2001137994A JP 2001137994 A JP2001137994 A JP 2001137994A JP 32624199 A JP32624199 A JP 32624199A JP 32624199 A JP32624199 A JP 32624199A JP 2001137994 A JP2001137994 A JP 2001137994A
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Yoshiro Sato
義朗 佐藤
Yoshitaka Watanabe
儀高 渡辺
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OSG Corp
Sato Rashi Corp
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OSG Corp
Sato Rashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被転造素材の軸方向に沿って溝や切欠等が設
けられた被転造素材の外周面におねじ等を転造すること
ができる転造ダイスを提供すること。 【解決手段】 一方の転造平ダイス1の移動に伴って、
ライナ部材3の食付き面3aの始端側とライナ部材5の
平坦面5aの始端側とによって、ワーク20の段付き部
21bが挟持される。転造平ダイス1の移動が続行され
ると、段付き部21bが食付き面3a及び平坦面5a間
で転動され、この転動によりワーク20の被転造部21
aがダイス2,2の傾斜部2b,2b間で回転される。
この回転に伴って、被転造部21aの外周面が徐々に塑
性変形される。その後、ライナ部材3,5の平坦面3
b,5aがワーク20に到達し、かかる平坦面3b,5
aにより段付き部21bが挟持されつつ転動され、被転
造部21aの外周面におねじ部31が仕上げられて、溝
付ねじ部品30が製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、被転造素材の外
周面におねじ等を転造する転造ねじ面を備えた転造ダイ
スに関し、特に、被転造素材の軸方向に沿って溝や切欠
等が設けられた被転造素材の外周面におねじ等を転造す
ることができる転造ダイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】 溝付ねじ部品は、油や水や圧縮空気等
の流体を収容する容器と、めがね継手とを接続するのに
使用され、液体はねじの溝部を介して連通する。
【0003】このような溝付ねじ部品を製造する場合に
は、まず、軸状素材であるワークの外周面に溝を予め凹
設した後、その溝が凹設された軸部の外周面を一対の転
造ダイスで転造することによっておねじが加工される。
次に、ドリル加工によって、凹設された溝と直交する貫
通孔が直角方向に施されて、溝付ねじ部品が製造され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記
の溝付ねじ部品では、ワークの軸部外周面に予め溝が凹
設されるため、軸部の軸方向と直交する断面形状が非円
形状となってしまう。このため、溝付ねじ部品を転造に
より製造する場合には、一対の転造ダイス間でワークの
軸部がガタつくため、ワーク軸部を円滑に転動させてお
ねじを転造することができないという問題点があった。
そこで、ワークの外周面をバイト等の切削工具により切
削加工しておねじを成形することもできるが、切削加工
は転造加工に比べて加工時間を要し且つ作業コストがか
かるため、その分、溝付ねじ部品の製造コストが増加し
てしまうという問題点があった。
【0005】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、被転造素材の軸方向に沿って溝
や切欠等が設けられた被転造素材の外周面におねじ等を
転造することができる転造ダイスを提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
めに請求項1記載の転造ダイスは、被転造素材の外周面
に当接され、その外周面を塑性変形させておねじ等を転
造する転造ねじ面を備え、前記転造ねじ面が設けられる
ダイス本体と、そのダイス本体と別体に形成され、その
ダイス本体の前記転造ねじ面に沿って並設されるライナ
部材と、そのライナ部材に設けられ、被転造素材の外周
面における前記転造ねじ面との非当接部分を挟持する挟
持面とを備えている。
【0007】この請求項1記載の転造ダイスによれば、
ダイス本体の転造ねじ面により被転造素材の外周面にお
ねじ等が転造される場合には、ライナ部材の挟持面によ
って、被転造素材の外周面における転造ねじ面との非当
接部分が挟持されて、被転造素材が転動される。
【0008】請求項2記載の転造ダイスは、請求項1記
載の転造ダイスにおいて、前記挟持面には滑り止め加工
が施されている。
【0009】請求項3記載の転造ダイスは、請求項2記
載の転造ダイスにおいて、前記挟持面の滑り止め加工
は、放電加工等によって、その挟持面の表面粗さが前記
転造ねじ面の表面粗さに比べて大きくされることにより
施されている。
【0010】請求項4記載の転造ダイスは、請求項1か
ら3のいずれかに記載の転造ダイスにおいて、前記ダイ
ス本体には、前記転造ねじ面の長手方向両端側に所定の
傾斜角で傾斜された傾斜部がそれぞれ設けられ、その傾
斜部の傾斜角はそれぞれ略等しくされている。
【0011】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例
について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発
明の一実施例である転造平ダイスの外観斜視図である。
転造平ダイス1は、軸状素材の軸方向に沿って溝や切欠
等が設けられた部分における外周面におねじを転造する
工具であり、図2(a),(b)に示すワーク20の軸
部21における被転造部21aの外周面を塑性変形させ
て、その外周面におねじ部31を転造して図2(c)に
示す溝付ねじ部品30を製造することができる工具であ
る。
【0012】転造平ダイス1は、主に、ダイス本体2
と、ライナ部材3と、スペーサ4とを備えている。ダイ
ス本体2は、転造に適した合金工具鋼又は高速度工具鋼
等の金属材料で略直方体状に形成されている。ダイス本
体2の上面には、ワーク20の被転造部21a(図2
(a)参照)におねじ部31(図2(c)参照)の転造
を行うねじ面2aが設けられており、このねじ面2aに
は、ダイス本体2の長手方向一端側(図1左側)に傾斜
部2bが設けられている。また、ねじ面2aには、傾斜
部2bの終端にその傾斜部2bと連続して平坦部2cが
設けられており、この平坦部2cの終端であって、ダイ
ス本体2の長手方向他端側(図1右側)には、平坦部2
cと連続して傾斜部2dが設けられている。これらの傾
斜部2b,2d及び平坦部2cで構成されたねじ面2a
には、複数のねじ山2eが刻設されている。
【0013】ここで、図2を参照して、転造平ダイス1
により転造されるワーク20、及び、そのワーク20か
ら製造される溝付ねじ部品30について説明する。図2
(a)は、転造前のワーク20の正面図であり、図2
(b)は、その側面図であり、図2(c)は、転造後の
溝付ねじ部品30の正面図である。
【0014】図2(a)に示すように、溝付ねじ部品3
0の素材であるワーク20は、主に、軸部21と、頭部
22とを備えており、軸部21の先端側、即ち、軸部2
1の非頭部22側(図2(a)右側)には転造平ダイス
1によりおねじ部31が転造される被転造部21aが設
けられている。
【0015】被転造部21aと頭部22との間には、被
転造部21aの外径(直径)より外径が若干大きくされ
た略円柱状の段付き部21bが設けられ、被転造部21
aの外周面には先端側(図2(a)右側)から段付き部
21b側(図2(a)左側)へと連続した溝21cが凹
設されている。この溝21cは、図2(b)に示すよう
に、側面視(断面視)略円弧状に形成されており、被転
造部21aの外周面における左右両面にそれぞれ凹設さ
れている。この各溝21c,21cにより被転造部21
aの断面形状は非円形状に形成されている。
【0016】図2(c)に示すように、溝付ねじ部品3
0は、フランジ付六角ボルトの一種である。この溝付ね
じ部品30は、転造平ダイス1によって、ワーク20の
被転造部21aの外周面におねじ部31が転造されたも
のであり、被転造部21aにおけるおねじ部31と段付
き部21bとの間部分には、おねじが転造されていない
非ねじ部32が設けられている。
【0017】図1に戻って説明する。図1に示すよう
に、ダイス本体2の傾斜部2bは、ダイス本体2のねじ
面2aをワーク20における被転造部21aの外周面に
食い付かせるための部位であって、いわゆる食付き部と
して用いられる。傾斜部2bは、平坦部2cに対して、
傾斜部2bの始端(図1左側)から終端(図1右側)へ
向けて所定の傾斜角κで上昇傾斜されている。このよう
に傾斜角κで傾斜部2bを傾斜させることによって、か
かる傾斜部2bに刻設される複数のねじ山2eをワーク
20の被転造部21aの外周面に徐々に食い付かせるこ
とができるのである。
【0018】平坦部2cは、傾斜部2bによりワークW
の被転造部21aに転造されたおねじを仕上げておねじ
部31を成形する部位であり、ダイス本体2の下端面に
対して略平行に形成されている。この平坦部2cの終端
には、平坦部2cにより仕上げられた溝付ねじ部品30
をダイス本体2のねじ面2aから排出する部位であっ
て、いわゆる逃げ部として用いられる傾斜部2dが設け
られている。この傾斜部2dは、平坦部2cに対して、
その平坦部2cの終端からダイス本体2の長手方向他端
(図1右側)へ向けて所定の傾斜角κで下降傾斜されて
いる。
【0019】ここで、ダイス本体2では、その長手方向
(図1の左右方向)両端側に設けられる各傾斜部2b,
2dの傾斜角κが略等しくされている。このため、ダイ
ス本体2は、図1に示す状態からその長手方向(図1の
左右方向)に対して略180°回転させて、傾斜部2
b,2dの位置を入れ替えることによって、食付き部と
して用いられていた傾斜部2bを逃げ部として用いる一
方、逃げ部として用いられていた傾斜部2dを食付き部
として用いることができるのである。即ち、ダイス本体
2の傾斜部2b,2dはいずれも食付き部および逃げ部
として共用することができるのである。
【0020】複数のねじ山2eは、それぞれ傾斜部2b
の始端(ダイス本体2の長手方向一端)から傾斜部2d
の終端(ダイス本体2の長手方向他端)へ向けて連続し
て形成されている。このねじ面2aに刻設される複数の
ねじ山2eは、その表面が研削加工等により滑らかに形
成されており、例えば、かかる各ねじ山2eの表面粗さ
は略3.2μm以下にされている。また、複数のねじ山
2eは、ダイス本体2の幅方向両端面2f,2gに対し
てリード角βで傾斜部2bの始端から傾斜部2dの終端
へ傾斜して刻設されている。リード角βは、転造平ダイ
ス1により転造される溝付ねじ部品30のおねじ部31
(図2(c)参照)のリード角と略等しくされており、
例えば、ねじの呼びがM10×1.5のおねじ部31を
転造する場合、リード角βは略2.734°とされる。
【0021】ライナ部材3は、ダイス本体2によって溝
付ねじ部品30のおねじ部31が転造される場合に、ワ
ーク20の段付き部21bを挟持して、ワーク20を転
動させるための部材である。ライナ部材3は、合金工具
鋼又は高速度工具鋼等の金属材料で略直方体状に形成さ
れており、ダイス本体2と別体に形成されている。ま
た、ライナ部材3は、ダイス本体2の長手方向と略同一
方向に沿って連続して形成されている。このライナ部材
3の長手方向一端側(図1左側)における上面には食付
き面3aが設けられ、この食付き面3aの終端には食付
き面3aと連続して平坦面3bが設けられている。食付
き面3aは、ワーク20の段付き部21bを平坦面3b
へ案内するための部位であり、平坦面3bに対して、食
付き面3aの始端(図1左側)から終端(図1右側)へ
向けて所定の傾斜角θで上昇傾斜されている。
【0022】平坦面3bは、ダイス本体2によって溝付
ねじ部品30のおねじ部31が転造される場合に、ワー
ク20の段付き部21bを挟持して転動させる部位であ
り、ダイス本体2の平坦部2c、及び、ライナ部材3の
下端面に対して略平行な略平坦状に形成されている。こ
の平坦面3bの表面にはワーク20の段付き部21bを
挟持して転動させる場合に、段付き部21bと平坦面3
bとの接触面間でスリップが発生することを防止するた
めに滑り止め加工が施されている。
【0023】この平坦面3bの滑り止め加工は、例え
ば、平坦面3bの表面を研削加工等により略2μm〜3
μmの表面粗さにした後、その平坦面3bの表面に放電
加工(Electrical discharge machining, EDM)を施
して、平坦面3bの表面粗さを略25μm〜50μmの
範囲とすることにより施されている。このように、ライ
ナ部材3の平坦面3bは、その表面粗さがダイス本体2
の複数のねじ山2eの表面粗さより大きくされるので、
段付き部21bと平坦面3bとの接触面間でスリップが
発生することを防止することができるのである。
【0024】スペーサ4は、ダイス本体2の平坦部2c
とライナ部材3の平坦面3bとの高低差を調節するため
のものであり、ダイス本体2及びライナ部材3とは別体
の略直方体状に形成されている。このスペーサ4は、ラ
イナ部材3の下端面全域に亘って配設されており、所定
の厚さt(図1の上下方向高さ)を有している。転造平
ダイス1では、例えば、図1に示すスペーサ4とは厚さ
tが異なる別のスペーサ4をライナ部材3の下端面に配
設することにより、ライナ部材3の食付き面3a,平坦
面3bの高さ位置をダイス本体2のねじ面2aに対して
変更することができる。その結果、ワーク20の軸部2
1の外径寸法に応じて、ダイス本体2の平坦部2cとラ
イナ部材3の平坦面3bとの高低差が調節されるので、
図3に示すようにライナ部材3,5によりワーク20の
段付き部21bを確実に挟持してワーク20を転造平ダ
イス1,1間で転動させることができる。
【0025】次に、図3及び図4を参照して、上記のよ
うに構成された転造平ダイス1による転造方法について
説明する。図3は、転造平ダイス1の使用態様を示した
側面図であり、図4は、図3のIV−IV線における部
分断面図である。尚、図3では、ワーク20の被転造部
21a及び段付き部21bの外形を2点鎖線で図示して
いる。また、図3中の矢印Xは、転造時における一方の
転造平ダイス1の移動方向(転造方向)を示している。
更に、転造時に移動される転造平ダイス1(図3上側)
は、ワーク20がダイス本体2,2の傾斜部2b,2b
間に位置する状態を2点鎖線で図示する一方、ワーク2
0がダイス本体2,2の平坦部2c,2c間に位置する
状態を実線で図示している。
【0026】まず、一対の転造平ダイス1,1は、互い
のダイス本体2,2のねじ面2a,2aが対向するよう
に転造盤(図示せず)に取り付けられる。ここで、各転
造平ダイス1,1は、ねじ止め又は挟み込み等により転
造盤に固定される。各転造平ダイス1,1の取り付け
後、転造盤が稼動されると、一方の転造平ダイス(以
下、「移動側転造平ダイス」と称す。)1(図3上側)
が他方の転造平ダイス(以下、「固定側転造平ダイス」
と称す。)1(図3下側)に対して図3の矢印X方向へ
等速度で移動される。
【0027】ここで、移動側転造平ダイス1には、ライ
ナ部材3に代替してライナ部材5が使用されている。こ
のライナ部材5には、ライナ部材3の食付き面3a及び
平坦面3bとの対向面全域に亘って、その平坦面3bに
対して略平行且つ平坦な平坦面5aが設けられており、
この平坦面5aには、ライナ部材3の平坦面3bと同様
の滑り止め加工が施されている。
【0028】移動側転造平ダイス1の移動に伴って、移
動側転造平ダイス1の始端が固定側転造平ダイス1の始
端に到達すると、ライナ部材3の食付き面3aの始端側
とライナ部材5の平坦面5aの始端側とによって、ワー
ク20の段付き部21bが挟持される。その後、移動側
転造平ダイス1の移動が続行されると、ワーク20の段
付き部21bがライナ3の食付き面3a及びライナ部材
5の平坦面5a間で転動される一方、この転動によりワ
ーク20の被転造部21aがダイス2,2の傾斜部2
b,2b間で回転される。この回転に伴って、ワーク2
0の被転造部21aの外周面には、ダイス本体2,2の
傾斜部2b,2bに設けられた複数のねじ山2eが徐々
に食付き、かかる食付きにより被転造部21aの外周面
が徐々に塑性変形される。
【0029】移動側転造平ダイス1が更に図3の矢印X
方向へ移動されると、ライナ部材3,5の平坦面3b,
5aがワーク20に到達し(図3中実線)、かかる平坦
面3b,5aにより段付き部21bが挟持されつつ転動
される(図4参照)。その後、移動側転造平ダイス1の
移動が更に続行されると、図4に示すように、ワーク2
0の被転造部21aの外周面には、ダイス本体2,2の
平坦部2c,2cに設けられた複数のねじ山2eが食付
き、おねじ部31が仕上げられる。この仕上げ後、ライ
ナ部材3,5の平坦部3b,5aにより段付き部21b
が挟持されたワーク20は、ダイス本体2,2の傾斜部
2d,2dを経て、一対の転造平ダイス1,1から外れ
る。この結果、ワーク20の被転造部21aにおねじ部
31が転造された溝付ねじ部品30が製造される。
【0030】以上説明したように、本実施例の転造平ダ
イス1では、ライナ部材3,5によりワーク20の軸部
21における段付き部21bが挟持されてワーク20が
転動されるので、ワーク20の被転造部21aの断面形
状が非円形状の場合でも、ワーク20の被転造部21a
をダイス本体2,2のねじ面2a,2a間でガタつかせ
ることなく回転させて、被転造部21aの外周面におね
じ部31を転造することができる。即ち、ワーク20の
被転造部21aに溝21c,21cが凹設されていて
も、かかるワーク20におねじ部31を転造して溝付ね
じ部品30を製造することができるのである。
【0031】また、溝付ねじ部品30のおねじ部31を
転造するダイス本体2,2は、ライナ部材3,5と別体
に形成されるので、ライナ部材3,5に比べて摩耗等の
頻度が高いダイス本体2,2を個別にメンテナンスする
ことができる。即ち、ダイス本体2のねじ面2a、具体
的には、ねじ山2eが摩耗等により損傷した際にダイス
本体2のねじ面2aから損傷したねじ山2eを除去し
て、新たなねじ山2eを再生加工するような場合であっ
ても、摩耗等の頻度が低いライナ部材3,5については
そのまま使い回すことができる。よって、転造平ダイス
1を再生するための加工を施す場合には、ライナ部材
3,5については再生加工を施さずに、ダイス本体2,
2についてのみ再生加工を施せばよいので、かかる転造
平ダイス1の再生に伴う加工コストを低減することがで
きるのである。
【0032】更に、ライナ部材3,5の平坦面3b,5
aには放電加工による滑り止めが施されるので、ワーク
20を挟持したライナ部材3,5の平坦面3b,5a間
でワーク20がスリップすることを防止して、かかるス
リップに伴ってワーク20に転造されるおねじ部31の
破損を防止することができるのである。
【0033】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
【0034】本実施の実施例では、ワーク20の軸部2
1には、被転造部21aより外径が大きな段付き部21
bが設けられ、かかる段付き部21bがライナ部材3,
5により挟持されて転動されたが、かかる段付き部21
bは軸部21に必ずしも設ける必要はなく、例えば、被
転造部と段付き部との段差をなくして面一にしても良
い。かかる場合には、溝付ねじ部品の非おねじ部に対応
するワークの軸部の外径に応じて、ライナ部材の平坦面
とダイス本体のねじ面との高低差をスペーサを用いて適
宜調節することによって、ライナ部材によりワークの軸
部を確実に挟持することができるのである。
【0035】また、本実施例では、溝付ねじ部品30を
転造する転造平ダイス1を例に説明したが、例えば、本
発明を切欠付きねじ部品を転造する転造ダイスに適用す
ることは当然に可能である。更に、本実施例では、溝付
ねじ部品30としてフランジ付六角ボルトを例に説明し
たが、溝付ねじ部品の種類は必ずしもこれに限定される
ものではない。
【0036】また、本実施例では、ライナ部材3に食付
き面3aを設けたが、このような食付き面を他方のライ
ナ部材5に設けても良い。
【0037】更に、本実施例では、ライナ部材3の平坦
面3bにのみ放電加工により滑り止めを施したが、かか
る滑り止めを食付き面3aに施しても良い。
【0038】
【発明の効果】 請求項1記載の転造ダイスによれば、
被転造素材はダイス本体の転造ねじ面との非当接部分が
ライナ部材の挟持面により挟持されて転動されるので、
被転造素材におけるおねじ等の転造部分、即ち、被転造
素材における転造ねじ面との当接部分の断面形状が非円
形状の場合でも、被転造素材をガタつかせることなく転
動させておねじ等を転造することができるという効果が
ある。よって、例えば、溝や切欠等が設けられた被転造
素材の外周面におねじを転造する場合であっても、被転
造素材をガタつかせずに転動させて、溝や切欠等が設け
られた被転造素材の外周面におねじを転造することがで
きるという効果がある。
【0039】また、ダイス本体はライナ部材と別体に形
成されるので、ライナ部材に比べて摩耗等の頻度が高い
ダイス本体を個別にメンテナンスすることができる。即
ち、ダイス本体の転造ねじ面が摩耗等により損傷した際
に、その損傷した転造ねじ面を除去して、新たな転造ね
じ面を再成形するような場合には、摩耗等の頻度が低い
ライナ部材についてはそのまま使い回すことができる。
よって、転造ダイスに再生加工を施す場合には、ライナ
部材について再生加工を施す必要がなく、ダイス本体に
ついてのみ再生加工を施せばよいので、その分、転造ダ
イスの再生に伴う加工コストを低減することができると
いう効果がある。
【0040】請求項2記載の転造ダイス又は請求項3記
載の転造ダイスによれば、請求項1記載の転造ダイスの
奏する効果に加え、ライナ部材の挟持面には滑り止めが
施されるので、被転造素材を挟持したライナ部材の挟持
面で被転造素材がスリップすることを防止して、かかる
スリップに伴って被転造素材の外周面に転造されたおね
じが破損することを防止できるという効果がある。
【0041】請求項4記載の転造ダイスによれば、請求
項1から3のいずれかに記載の転造ダイスの奏する効果
に加え、被転造素材のおねじ部を転造するダイス本体
は、転造ねじ面の長手方向両端側に所定の傾斜角で傾斜
された傾斜部がそれぞれ設けられ、その両傾斜部の傾斜
角はそれぞれ略等しくされるので、かかる両傾斜部を食
付き部および逃げ部として共用することができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である転造平ダイスの外観
斜視図である。
【図2】 (a)は、転造前のワークの正面図であり、
(b)は、その側面図であり、(c)は、転造後の溝付
ねじ部品の正面図である。
【図3】 転造平ダイスの使用態様を示した側面図であ
る。
【図4】 図3のIV−IV線における部分断面図であ
る。
【符号の説明】
1 転造平ダイス(転造ダイス) 2 ダイス本体 2a ねじ面(転造ねじ部) 2b,2d 傾斜部 3,5 ライナ部材 3a 食付き面(挟持面の一部) 3b,5a 平坦面(挟持面の一部) 20 ワーク(被転造素材) 21 軸部 21b 段付き部(非おねじ部の一部) 30 溝付ねじ部品 31 おねじ部 32 非おねじ部(非おねじ部の一部) κ 傾斜角

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被転造素材の外周面に当接され、その外
    周面を塑性変形させておねじ等を転造する転造ねじ面を
    備えた転造ダイスにおいて、 前記転造ねじ面が設けられるダイス本体と、 そのダイス本体と別体に形成され、そのダイス本体の前
    記転造ねじ面に沿って並設されるライナ部材と、 そのライナ部材に設けられ、被転造素材の外周面におけ
    る前記転造ねじ面との非当接部分を挟持する挟持面とを
    備えていることを特徴とする転造ダイス。
  2. 【請求項2】 前記挟持面には滑り止め加工が施されて
    いることを特徴とする請求項1記載の転造ダイス。
  3. 【請求項3】 前記挟持面の滑り止め加工は、放電加工
    等によって、その挟持面の表面粗さが前記転造ねじ面の
    表面粗さに比べて大きくされることにより施されている
    ことを特徴とする請求項2記載の転造ダイス。
  4. 【請求項4】 前記ダイス本体には、前記転造ねじ面の
    長手方向両端側に所定の傾斜角で傾斜された傾斜部がそ
    れぞれ設けられ、その傾斜部の傾斜角はそれぞれ略等し
    くされていることを特徴とする請求項1から3のいずれ
    かに記載の転造ダイス。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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