JPH0551600U - ダイカッターロール装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダイカッターロールの刃先摩耗による切断押
え力低下に伴う切れ味不良を容易にカバーすべく、ダイ
カッターロール又はアンビルロールの円筒形ロールの端
部をロール芯方向に縮小せしめロール間の不要な間隙を
取り除いて切断押え力を向上せしめ切れ味を正常に戻す
ことを目的としている。 【構成】 ダイカッターロール又は相対して配置する円
筒形ロール等のロール接面部タイヤー面の両側面にリン
グ状の溝部を配置し、該溝部には該溝部形状に合わせた
複数のテーパーで組み合わせた複数に分割したクサビ状
体を挿入し該クサビ状体を押え板と押え用ボルトで加圧
状態にせしめ該溝部位置のロール外径を直径方向に膨張
状態にせしめるべく構成し、相対して配置されているロ
ール間の不要な間隙を取り除くべく、ロール端部の任意
な位置を適宜に縮小せしめるべく構成されているもので
ある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はダイカッターロール即ち外周面に任意形状の凸状刃を有する円筒形ロ ール刃物装置の改良に関するものであり、詳しくは円筒形ロールの両端に配置す るタイヤー面の任意な位置を膨張状態より順次縮小せしめるべく構成し、相対し て配置されているロール間との不要な間隙を取り除くべく構成して成るダイカッ ターロール装置に関するものである。

【０００２】

【従来技術とその問題点】

ダイカッターロール装置とは、相対して配置した円筒形ロールの一方のロール ダイカッターロールは外周に凸状で任意形状の刃形を形成し、他方のロール、ア ンビルロールは外周の平らな円筒形とすると共に、双方のロール間に不要な間隙 が生じないように配置し、一方の回転方向とは逆方向に他方のロールを回転せし めるべく構成した装置であり、該装置のロール間に連続的に帯状シートを供給す ることにより、該シートの凸状刃形形状に断裁するものであるが、凸状刃形の刃 先部分が横方向に切断する位置にあることもあり、刃先部分が順次に摩耗するこ とから切れ味が悪くなり、また刃先部分の摩耗がロール間に不要な間隙も生じさ せていた。切れ味を良くしロール間の間隙を正常に戻すためには凸状刃形刃先部 分の再生及び相対する側のロール表面の研磨を行わなければならなかったのであ る。ダイカッターロールの凸状刃形の形状が回転方向にたいし横方向に断裁する 方向にあるのは、断裁時に刃先に加わる切断押え力を必要とするものであるが、 従来のダイカッターはロールの表面は刃形に関係なく一定した押え力を持たせた 平行度及び円筒度で研磨仕上げされたものを相対して配置しており、従って刃先 の摩耗により切断押え力が不足した部分への押え力を増加させることはできず、 その結果再生研磨を行わなければならなかった。

【０００３】

【問題点を解決するための手段】

このような問題を解決せんとして出願人は種々テストを重ねてきたがその結果 、相対して配置した円筒形ロール状のダイカッター装置において、双方のロール 間の不要な間隙を取リ除く新たな構造を勘案したものであり、円筒形ロールのロ ール面両側面にリング状の溝部を配置し、該溝部には該溝部に合わせたクサビ状 体を側面より挿入し、該クサビ状体に加圧力を符与せしめ、ロール端部を加圧状 態で該ロール端部のタイヤー面を膨張状態にせしめて、任意な位置を適宜に縮小 せしめるべく構成し、相対して配置されているロール間との不要な間隙を取り除 くべく構成して成るダイカッターロール装置を呈せんとするものである。

【０００４】

【実施例】

以下本考案に係る実施例の態様を図面に基づいて詳述すれば、図１は本考案の ダイカッターロール装置の斜視図で、図２、図３、図４は本考案のダイカッター ロール装置の要部断面図で、図６は一実施例のクサビ状体の配置組合せ図である 。１はダイカッターロール、２はアンビルロールである。各ロールは材質をＳＫ Ｈ、又はＳＫＤ等の工具鋼により成形されたダイカッターロール１には、外周に は任意形状で凸状の刃部３を形成している。該刃部３の高さはダイカッターロー ル１の両端部に設けた凸外周のタイヤー面４より段差Ｃが１０〜１５μ突出した 高さとし焼き入れ研磨仕上げ加工を施している。アンビルロール２は円筒形状よ り成り各ロールはＨＲＣ６０前後の硬度に熱処理後研磨仕上げを行っているもの であるが該数値に限定を受けるものではない。円筒形ロールのロール面両側面に リング状の溝部８を配置し、該溝部には図２の該溝部８の外径寸法に合わせ又内 径部にテーパーを付けた円筒形クサビ状体を複数になるような角度に分割したク サビ状体６−Ａと、該溝部８の内径寸法に合わせて外径部に上記６−Ａクサビ状 体テーパー角度と同じ角度にテーパーを付けた円筒形クサビ状体を６−Ａと同じ 角度に分割したクサビ状体６−Ｂを該溝部８に対向組合せ状に側面より挿入し、 該クサビ状体６を加圧入せしめる押え板５をボルト７でネジ止により加圧し、該 クサビ状体６を加圧状態（無加圧状態時のタイヤー部４径に対し加圧状態では５ ０〜６０μ程度半径で膨張している状態）としているものであって、該溝部８に は複数クサビ状体６と押え板５を円周側面上に固着し、各クサビ状体６を加圧状 態で組付け後研磨仕上げを行っている。研磨仕上寸法は刃先３の仕上り高さに対 し刃先３より低いＣ寸法（Ｃ寸法は１０〜１５μ）差の段差Ｃにタイヤー面４を 研磨仕上げしているもので、本実施例の数値に限定を受けるものではないが、タ イヤー面４の外形寸法を１５０φｍｍとし溝部８の溝外径１２４φｍｍで溝内径 １１０φｍｍとしクサビ状体長さが２１ｍｍとしボルト７は１２ｍｍネジを使用 す。椿本チエン発行の数位によると膨張させる加圧力は軸側２０ｋｇｆ／ｍｍ^２ 、ボス側１７．８ｋｇｆ／ｍｍ^２の面圧と成っているもので本考案の加圧状態に するには略上記数位１／３〜１／４程度の加圧で目的に満たすものであり、始期 刃先寸法より５０〜６０μ前後の縮小を可能にしているもので、従って刃部３の 摩耗に合わせ摩耗量を縮小させるべく構成しているものである。又切断部の面積 に対し切断押え力を要するものでたとえば縦方向切断刃３−Ａでの切断には切断 押え力がわずかな小さい力で切断可能であるが、横方向切断刃３−Ｂでの切断に は切断面積が大きい為いかに鋭利な刃先であっても切断押え力が多く要するもの であり、本考案において横方向切断部位に位置するタイヤー面４の外径を縮小さ せることで切断面積に比例した切断押え力を確保されるものである。本考案の実 施例においてはダイカッターロール１のみに溝部８とクサビ状体６と押え板５と ボルト７よりなる外径を膨張状態より任意な位置を適宜縮小せしめるべく構成し ている説明であるが、アンビルロール２側に配置することも又各ロール１．２に 配置することも可能であり限定を受けるものではない。又クサビ状体６の形状に ついてはロール外径を膨張させる手段であってクサビ状体の形状が例えば図３図 に示すごとく球状であっても又図４に示すごとくジャッキネジ等で膨張状態より 適宜縮小せしめるべく構成するも設計上の形状の異なりであり、本考案のクサビ 状体６は形状に限定を受けるものではないものである。又図５、図７は従来品の ダイカッターロール装置図である。

【０００５】

【考案の効果】

以上のように本考案は相対して配置した円筒形ロール状のダイカッター装置に おいて、双方のロール１．２間の不要な間隙を取り除く新たな構造を勘案したも のであり、円筒形ロールのロール面両側面にリング状の溝部８を配置し、該溝部 には該溝部８の外形形状に合わせ又内径側をテーパー形状よりなるクサビ状体６ −Ａと内径を該溝部８の内径形状に合わせ、又外径側を上記のテーパー形状より なるクサビ状体６−Ｂを各テーパー面を対向に組み合わせた複数のクサビ状体６ を該溝部８に側面より挿入し該クサビ状体６に加圧力を符与せしめるべく押え板 ５とロール側面に配置したネジ穴にボルト７で押え板５をネジ止めによる該クサ ビ状体６を加圧状態でロール端部のタイヤー面４を膨張状態にせしめて、任意な 位置を適宜に縮小せしめるべく構成し、相対して配置されているロール１．２間 との不要な間隙を取り除くべく構成して成るダイカッターロール装置であるから 、従来この種の装置にあっては凸状刃形の刃先部分が横方向に切断する位置にあ ることもあり、刃先部分が順次に摩耗しロール間に不要な間隙も生じることから 切断押え力が低下し切れ味が悪くなっていた。このロール間の間隙を正常に戻し て切断押え力を正常に戻し切れ味を良くするためには凸状刃形刃先部分の再生及 び相対する側のロール表面の研磨を行わなければならなかったが、本考案にあっ ては刃部３の摩耗によりロール１．２間に不要な間隙が生じて切断押え力が低下 し切れ味が悪くなった際には、該切断不良部位に配置されたボルト７を刃部３の 摩耗度に適応した寸法にボルト７をゆるめ、タイヤー面４の該当部分が縮小し不 要な間隙を取り除いて切断押え力を正常に戻し切れ味を良くするものである等の 効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のダイカッターロール装置の斜視する実
施例図

【図２】本考案のダイカッターロール装置の要部断面図

【図３】本考案のダイカッターロール装置の要部断面図

【図４】本考案のダイカッターロール装置の要部断面図

【図５】従来品のダイカッターロール装置図

【図６】クサビ状体と押え板を斜視する図

【図７】従来品のダイカッターロール装置の要部断面図

【符号の説明】

１ ダイカッターロール ２ アンビルロール ３ 刃部 ３−Ａ 縦方向切断刃 ３−Ｂ 横方向切断刃 ４ タイヤー面 ５ 押え板 ６ クサビ状体 ７ ボルト ７−Ａ ボルトクサビ状体 ８ 溝部 Ｃ 刃先段差 ９ 球クサビ状体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒形ロールのロール面両側面にリング
   状の溝部を配置し、該溝部には該溝部に合わせたクサビ
   状体を側面より挿入し、該クサビ状体に加圧力を符与せ
   しめ、ロール端部を加圧状態で該ロール端部のタイヤー
   面を膨張状態にせしめて、任意な位置を適宜に縮小せし
   めるべく構成し、相対して配置されているロール間との
   不要な間隙を取り除くべく構成して成るダイカッターロ
   ール装置