JP2001137575A - スプレッダー天秤の糸案内装置 - Google Patents

スプレッダー天秤の糸案内装置

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JP2001137575A
JP2001137575A JP32625399A JP32625399A JP2001137575A JP 2001137575 A JP2001137575 A JP 2001137575A JP 32625399 A JP32625399 A JP 32625399A JP 32625399 A JP32625399 A JP 32625399A JP 2001137575 A JP2001137575 A JP 2001137575A
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spreader
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upper decorative
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Hozumi Nakajima
穂純 中島
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Juki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上死点から下死点に向う途中、スプレッダー
6の爪6aから上飾り糸32が抜けやすいように上飾り
糸32をたるませることができ、安定した縫目形成が得
られるスプレッダー天秤の糸案内装置を提供する。 【解決手段】主軸に連動して上下動する針棒8と、針棒
に取付けられこの針棒と共に上下動するスプレッダー天
秤14と、スプレッダー天秤を挟んで配置される2つの
糸案内18a,20aと、を備えるスプレッダー天秤の
糸案内装置において、2つの糸案内の上下位置を互いに
ずらして配置し、スプレッダー天秤へ糸穴14aを形成
し、2つの糸案内の間の上飾り縫い糸32aをスプレッ
ダー天秤の糸穴へ通した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は飾り縫いにおける上
飾り糸の糸取り制御を行う天秤(スプレッダー天秤)の
糸案内装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】飾り縫いを行うことができるミシンとし
て例えば偏平縫いミシンが知られている。図16にこの
ような偏平縫いミシンへ、従来例によるスプレッダー天
秤の糸案内装置を組み込んだ斜視図を示す。図17は図
16の糸案内装置の拡大斜視図である。この偏平縫いミ
シン2は、ミシン主軸(不図示)の回転に連動して上下
動する複数本の縫針4と、ミシン主軸の回転に連動して
被縫製布裏面側で揺動するルーパ(不図示)と、ミシン
主軸の回転に連動して被縫製布表面側で縫製方向と直交
する方向に揺動するスプレッダー6とにより飾り縫いを
行う。
【0003】回転するミシン主軸に連動して上下動する
針棒8の上端には針糸に作用して糸取り動作を行う針棒
天秤12が固定され、針棒8の下端には複数本の縫針4
が固定されている。針棒8には更に上飾り糸32用のス
プレッダー天秤14が固定されており、ミシンアーム部
10にはこのスプレッダー天秤14を挟み込むようにし
てスプレッダー糸案内部材16が取付けられている。各
針糸24は糸調子28より、糸案内30、糸案内31、
針棒天秤12等を経て対応する縫針4に通されている。
また、上飾り糸32は、糸巻き26より、糸調子28、
スプレッダー糸案内部材16、糸調子34等を経て、ス
プレッダー6に至る。スプレッダー6は図示しない機構
により、針棒8が上昇する時に図の左方向へ移動し、針
棒8が下降するときに図の右方向へ移動するように構成
されている。また、スプレッダー6が左方向へ移動する
途中でその先端に形成された爪6aによって上飾り糸3
2を捕捉して最左方へ移動する。捕捉された上飾り糸3
2は、スプレッダー6が右方向へ移動する途中で爪6a
から外れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来例による
スプレッダー天秤の糸案内装置は、スプレッダー天秤1
4が上死点側にあるとき、上飾り糸32の糸引き出しを
全く行わない。このため、後述するような問題点が生じ
る。
【0005】図18は従来例による糸案内装置を示し、
(A)は上死点における正面図、(B)は下死点におけ
る正面図である。(A)に示すように、スプレッダー天
秤14が糸穴18a,20aよりも上方にあるときはこ
れら両糸穴18a,20a間の上飾り糸32aの長さは
一定となり、両糸穴18a,20a間の距離dに等し
い。(B)に示すように、スプレッダー天秤14が糸穴
18a,20aよりも下方にあるときはこれら両糸穴1
8a,20a間の上飾り糸32aの長さは両糸穴18
a,20a間の距離dより長い。
【0006】図19は上記従来技術におけるスプレッダ
ー天秤14の糸取り曲線を示すグラフであり、横軸は主
軸の回転角、縦軸は糸穴18a,20a間の上飾り糸3
2aの長さから糸穴18a,20a間の距離dを差し引
いた長さLxである。このLxが増加するとスプレッダ
ー天秤14による糸引き締め及び糸引き出し作用が行わ
れ、減少すると糸たるみ或いは糸緩め作用が行われる。
【0007】図16において、スプレッダー6の先端の
爪6aによって捕捉された上飾り糸32は、主軸回転角
が0度となって縫針4が最上方に移動した時、ほぼ左端
側に移動する。その後縫針4が下方に移動するとスプレ
ッダー6は右側に移動し、スプレッダー6の先端の爪6
aから上飾り糸32が外れることによって飾り縫いが形
成されるようになっている。この時、上飾り糸32に張
力が掛かっている状態では、スプレッダー6の先端の爪
6aから外れにくい。図19からも明らかなように従来
のスプレッダー天秤は上死点側にあるとき、上飾り糸3
2の糸引き出しを全く行わない。このため、上死点から
下死点に向う途中、スプレッダー天秤14による糸緩め
作用が行われず、爪6aから上飾り糸32が抜けにくく
なり、このために安定した縫目形成が得られない。
【0008】また、仮に上記従来技術において、スプレ
ッダー天秤14へ糸穴14aを形成し、上飾り糸32を
この糸穴14aに通した場合でも、次の理由により適正
な縫目形成が行えない。図20は糸穴14aへ上飾り糸
32を通した場合の糸案内装置の正面図であり、(A)
は上死点における糸案内装置の正面図、(B)は下死点
における糸案内装置の正面図である。図21はこの場合
におけるスプレッダー天秤14の糸取り曲線を示すグラ
フである。スプレッダー天秤14の上下運動量は針棒8
と同じ上下運動量であるため、図21に示すようにスプ
レッダー天秤14が上方及び下方に位置するとき上飾り
糸32が強く引き締められ、その他の位置では上飾り糸
32がたるみ過ぎてしまい、このため適正な縫目形成が
行えないのである。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、上死点から下死点に向う
途中、スプレッダー6の爪6aから上飾り糸32が抜け
やすいように上飾り糸32をたるませることができ、安
定した縫目形成が得られるスプレッダー天秤の糸案内装
置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明によれば、主軸に連動して上下動する針棒と、
前記針棒に取付けられこの針棒と共に上下動して上飾り
糸の糸取り制御を行うスプレッダー天秤と、前記スプレ
ッダー天秤を挟んで配置される2つの糸案内と、を備え
るスプレッダー天秤の糸案内装置において、前記2つの
糸案内の糸穴を上下にずらして配置し、前記スプレッダ
ー天秤に糸穴を形成し、前記2つの糸案内間の上飾り糸
を前記スプレッダー天秤の糸穴へ通したことを特徴とす
るスプレッダー天秤の糸案内装置が提供される。2つの
糸案内の糸穴を上下にずらして配置することにより、上
死点から下降する際にスプレッダー天秤により上飾り糸
へ適度の糸たるみが与えられる。
【0011】前記2つの糸案内は、例えば、単一の糸案
内部材よりなる。単一の糸案内部材によれば、糸の特性
に応じた糸取り量の調整がより容易である。この糸案内
部材には前記2つの糸穴に加え、該2つの糸穴とは上下
位置の異なる糸穴を1つ又は2つ以上形成することがで
きる。この場合、上飾り糸を案内する糸穴を適宜選択す
ることにより、使用する糸の特性に応じた糸取り曲線を
得ることができる。
【0012】また本発明によれば、主軸に連動して上下
動する針棒と、前記針棒に取付けられこの針棒と共に上
下動して上飾り糸の糸取り制御を行うスプレッダー天秤
と、前記スプレッダー天秤を挟んで配置される2つの糸
案内と、を備えるスプレッダー天秤の糸案内装置におい
て、前記2つの糸案内を、それぞれの糸案内と前記スプ
レッダー天秤との間の水平距離が異なるように配置し、
前記スプレッダー天秤へ糸穴を形成し、前記2つの糸案
内間の上飾り糸を前記スプレッダー天秤の糸穴へ通した
ことを特徴とするスプレッダー天秤の糸案内装置が提供
される。それぞれの糸案内と前記スプレッダー天秤との
間の水平距離が異なるように配置することにより、上死
点から下降する際にスプレッダー天秤により上飾り糸へ
適度の糸たるみが与えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明によるスプレッダー
天秤の糸案内装置の第1実施形態が組み込まれた偏平縫
いミシンの斜視図、図2は図1の糸案内装置の拡大斜視
図である。この偏平縫いミシン2は、縫製布支持面3上
に被縫製布(不図示)を載置し、ミシン主軸(不図示)
の回転に連動して上下動する複数本の縫針4と、ミシン
主軸の回転に連動して被縫製布裏面側で揺動するルーパ
(不図示)と、ミシン主軸の回転に連動して被縫製布表
面側で縫製方向と直交する方向に揺動するスプレッダー
6とにより飾り縫いを行うミシンである。
【0014】偏平縫いミシン2にはミシン主軸の回転に
連動して上下動する針棒8がミシンアーム部10の上下
に貫通して設けられている。針棒8の上端には針棒天秤
12が固定され、下端には複数本の縫針4が取付けられ
ている。この縫針4は縫針固定ブロック5を介して針棒
8へ固定されている。針棒8には更に針棒天秤12と縫
針4の間においてスプレッダー天秤14が固定されてい
る。
【0015】スプレッダー6は図示しない機構により、
針棒8が上昇する時に図の左方向へ移動し、針棒8が下
降するときに図の右方向へ移動するように構成されてい
る。また、後述するようにスプレッダー6は左方向へ移
動する途中でその先端に形成された爪6aによって上飾
り糸32を捕捉した後、最左方へと移動する。捕捉され
た上飾り糸32は、スプレッダー6が右方向へ移動する
途中で爪6aから外れる。
【0016】スプレッダー糸案内部材16はスプレッダ
ー天秤14を挟み込むようにして配置される左右の糸案
内片18,20と、この糸案内片18,20と一体的に
形成された固定片22とから構成される。左右の糸案内
片18,20にはそれぞれ糸穴(糸案内)18a,20
aが形成され、固定片22には長穴22aが形成されて
いる。スプレッダー糸案内部材16は、図示しないねじ
を長穴22aへ通すことによりミシンアーム部10へ、
その上下位置を調節可能なように取付けられる。本実施
の形態によるスプレッダー糸案内部材16の左右の糸穴
18a,20aは上下方向にずらして配置されている。
すなわち、右側の糸穴20aが左側の糸穴18aよりも
高い位置に形成されている。また、スプレッダー天秤1
4の先端付近には糸穴14aが形成され、スプレッダー
糸案内部材16の左右の糸穴18a,20a間の上飾り
糸32aはこの糸穴14aへ通されている。
【0017】各針糸24は糸巻き26から糸調子28、
糸案内30、糸案内31、針棒天秤12等を経て対応す
る縫針4に通されている。糸案内31は、針棒天秤12
が上死点位置にあるときの糸案内31から針棒天秤12
に至る針糸経路がほぼ水平となるように配置されてい
る。
【0018】上飾り糸32は、糸巻き26より引き出さ
れ、糸張力を設定する糸調子28を通り、スプレッダー
糸案内部材16により糸経路長さを変えられ且つ糸取り
量を調整された後、糸調子34、縫針固定ブロック5に
取付けられた糸案内36、図示しない部品によりミシン
アーム部10に取り付けられた糸案内38を経てスプレ
ッダー6に至る。スプレッダー天秤14の左右両側に位
置する糸穴18a,20aは、スプレッダー天秤14が
作用する上飾り糸32の糸経路を規定する。
【0019】次に以上の構成を有するスプレッダー天秤
の糸案内装置の動作を説明する。図3は本実施の形態の
糸案内装置を示し、(A)は上死点における正面図、
(B)は下死点における正面図である。スプレッダー天
秤14が糸穴18a,20aを結ぶ直線L上に位置する
ときは両糸穴18a,20a間の上飾り糸32aの長さ
は最短となり、両糸穴18a,20a間の直線距離L1
に等しい。
【0020】図4は本実施の形態におけるスプレッダー
天秤14の糸取り曲線を示すグラフであり、横軸は主軸
の回転角、縦軸は糸穴18a,20a間の上飾り糸32
aの長さから糸穴18a,20a間の直線距離L1を差
し引いた長さLxである。このLxの値が増加するとス
プレッダー天秤14により上飾り糸32が引締められ、
減少するとたるむ。
【0021】図5及び図6は縫針4の上下動とスプレッ
ダー6の動きを示す斜視図であり、図5(A)、図5
(B)、図6(A)、図6(B)の各図はそれぞれ図4
に参照符号5A〜6Bで示す主軸回転角における状態を
示す。即ち、図5(A)は主軸回転角が180度を少し
超え、縫針4が下死点から上昇を始めた時点の状態であ
り、図5(B)は主軸回転角が360度の少し手前で縫
針4が上死点の直前の位置まで上昇した時点の状態であ
り、図6(A)は縫針4が上死点と下死点のほぼ中間の
位置まで下降した時点の状態であり、図6(B)は縫針
4が下死点の直前まで下降した時点の状態である。な
お、縫製布支持面、各針糸、被縫製物は図示を省略して
ある。
【0022】図5(A)(B)に示すように、縫針4が
上方に移動する時、スプレッダー6は左側に移動し、上
飾り糸32はこの移動の途中でスプレッダー6の先端の
爪6aによって捕捉され、左側に移動する。このように
縫針4が上方に移動する時、図3(A)に示すようにス
プレッダー天秤14も上方に移動し、上飾り糸32は糸
巻き26より引き出される。また、図5(A)に示す状
態でスプレッダー6の爪6aにより上飾り糸32が捕捉
されるが、この時に上飾り糸32に適度な張力が付与さ
れていなければスプレッダー6は上飾り糸32を捕捉で
きずに通過してしまうことがある。しかしながら図4に
示されるように上死点付近ではLxが増加しているので
上飾り糸32を引締めることができる。従って、スプレ
ッダー6の先端の爪6aに上飾り糸32を確実にセット
することができる。
【0023】図6(A)(B)に示すように、縫針4が
下方に移動する時、スプレッダー6は右側に移動する。
この時図3(B)に示すように、スプレッダー天秤14
は下方に移動する。スプレッダー糸案内部材16の糸穴
18a,20aが上下にずれているため、図4から明ら
かなように、スプレッダー天秤14が上死点付近に位置
しているときはLxが増加しているので上飾り糸32を
適度に締め上げおり、スプレッダー天秤14が上死点か
ら下降するに従ってLxが減少してゆくので上飾り糸3
2に適正なたるみを与えることができる。従って、スプ
レッダー6の先端の爪6aから上飾り糸32が外れやす
くなる。
【0024】以上のように、本実施の形態によるスプレ
ッダー天秤の糸案内装置は、針棒8が上方のときと下方
のときに上飾り糸32を適度に締め上げ、その他の状態
は、適度にたるませた状態となり、安定した上飾りの縫
目が得られる。
【0025】次に図7〜図10に基づいて本発明による
スプレッダー天秤の糸案内装置の第2実施形態を説明す
る。図7は本実施の形態の斜視図である。この実施の形
態は、スプレッダー糸案内部材16の穴を3個以上形成
するものであり、図示した例では、糸巻き26側に1つ
の糸穴20a、スプレッダー6側に2つの糸穴18a,
18bを形成している。
【0026】図8及び図9は本実施形態の糸案内装置の
正面図である。第1の実施の形態の場合と同様に、スプ
レッダー天秤14の先端付近には糸穴14aが形成さ
れ、スプレッダー糸案内部材16の左右の糸穴18a,
20aの間(図9の場合は糸穴18b,20aの間)の
上飾り糸32aはこの糸穴14aへ通されている。図8
はスプレッダー側に形成された2つの糸穴18a,18
bのうちの下方の糸穴18aを用いた例を示し、(A)
は上死点における正面図、(B)は下死点における正面
図である。スプレッダー天秤14が糸穴18a,20a
を結ぶ直線L上に位置するときは両糸穴18a,20a
間の上飾り糸32aの長さは最短となり、両糸穴18
a,20a間の直線距離L2に等しい。
【0027】図9はスプレッダー側に形成された2つの
糸穴18a,18bのうちの上方の糸穴18bを用いた
例を示し、(A)は上死点における正面図、(B)は下
死点における正面図である。スプレッダー天秤14が糸
穴18b,20aを結ぶ直線L上に位置するときは両糸
穴18b,20a間の上飾り糸32aの長さは最短とな
り、両糸穴18b,20a間の直線距離L3に等しい。
【0028】図10は本実施の形態におけるスプレッダ
ー天秤14の糸取り曲線を示すグラフであり、横軸は主
軸の回転角である。また、縦軸は図8の場合は糸穴18
a,20a間の上飾り糸32aの長さから糸穴18a,
20a間の直線距離L2を差し引いた長さLx、図9の
場合は糸穴18b,20a間の上飾り糸32aの長さか
ら糸穴18b,20a間の直線距離L3を差し引いた長
さLxである。図8の場合の糸取り曲線は破線で示さ
れ、図9の場合の糸取り曲線は実線で示される。このよ
うに、上飾り糸32を通すスプレッダー6側の糸穴18
a,18bを替えただけで糸取り曲線を変えることがで
き、糸の特性に応じて糸穴18a,18bを選択するこ
とができる。例えば上飾り糸32が伸縮性に富む場合に
は図10の実線で示される糸取り曲線が、伸縮性の少な
い場合には図10の破線で示される糸取り曲線の方が好
ましい。
【0029】図11は本発明によるスプレッダー天秤の
糸案内装置の第3実施形態を示し、(A)は上死点にお
ける正面図、(B)は下死点における正面図である。こ
の実施の形態は、スプレッダー天秤14に対してスプレ
ッダー糸案内部材16の左右糸穴の振り分けをずらした
ものである。即ち、糸巻き26側の糸穴20aとスプレ
ッダー天秤14との間の距離をl1、スプレッダー側の
糸穴18aとスプレッダー天秤14との間の距離をl2
とすると、図示した例ではl2>l1としている。第1実
施形態の場合と同様に、スプレッダー天秤14の先端付
近には糸穴14aが形成され、スプレッダー糸案内部材
16の左右の糸穴18a,20aの間の上飾り糸32a
はこの糸穴14aへ通されている。
【0030】図12は本実施の形態におけるスプレッダ
ー天秤14の糸取り曲線を示すグラフであり、横軸は主
軸の回転角、縦軸は糸穴18a,20a間の上飾り糸3
2aの長さから糸穴18a,20a間の直線距離L4を
差し引いた長さLxである。なお、同図の破線は第1実
施形態の場合の糸取り曲線を示す。本実施の形態の場合
の糸取り曲線は、下死点側のみが第1の実施の形態の糸
取り曲線よりも上方にずれており、他は同じである。従
って、下死点側においてスプレッダー天秤14による糸
引き締め作用が第1実施形態の場合よりも大きい。
【0031】図13は本発明によるスプレッダー天秤の
糸案内装置における、第4実施形態の正面図であり
(A)は上死点における状態、(B)は下死点における
状態を示す。この例は第3の実施形態の変形例であり、
l2<l1とした例である。第1の実施形態の場合と同様
に、スプレッダー天秤14の先端付近には糸穴14aが
形成され、スプレッダー糸案内部材16の左右の糸穴1
8a,20aの間の上飾り糸32aはこの糸穴14aへ
通されている。
【0032】図14は本実施の形態におけるスプレッダ
ー天秤14の糸取り曲線を示すグラフであり、横軸は主
軸の回転角、縦軸は糸穴18a,20a間の上飾り糸3
2aの長さから糸穴18a,20a間の直線距離L5を
差し引いた長さLxである。なお、同図の破線は第1実
施形態の場合の糸取り曲線を示す。本実施形態の場合の
糸取り曲線は、上死点側のみが第1実施形態の糸取り曲
線よりも上方にずれており、他は同じである。従って、
上死点側においてスプレッダー天秤14による糸引き締
め作用が第1実施形態の場合よりも大きい。
【0033】このようにスプレッダー天秤14に対して
スプレッダー糸案内部材16の左右糸穴の振り分けをず
らすことにより、上死点側又は下死点側のみスプレッダ
ー天秤14による糸引きのタイミングを変化させること
ができ、糸の特性に応じて糸引きを変えることができ
る。
【0034】図15は本発明によるスプレッダー天秤の
糸案内装置における、第5実施形態を示す。この実施の
形態は、第1の実施の形態に対してスプレッダー糸案内
部材16の左右の糸穴20a、18aの上下位置を逆に
して、右側の糸穴20aを左側の糸穴18aよりも低い
位置に形成したものである。第1実施形態の場合と同様
に、スプレッダー天秤14の先端付近には糸穴14aが
形成され、スプレッダー糸案内部材16の左右の糸穴1
8a,20aの間の上飾り糸32aはこの糸穴14aへ
通される。この実施の形態の場合も第1実施形態の場合
と同様の効果が得られる。
【0035】以上、本発明を図面に示した実施の形態に
基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態には
限定されず特許請求の範囲に記載した事項の範囲内にお
いて種々変更可能である。例えば、図示した例では左右
の糸案内片18,20を一体的に構成したスプレッダー
糸案内部材16を長穴22aを用いてミシンアーム部1
0へ上下位置を調節可能に取り付けるものであるが、左
右の糸案内片18,20を分離して独立させ、それぞれ
の上下位置を調節可能にミシンアーム部10へ取付ける
ことができる。この場合には2つの糸穴18a,20a
を第1、第2および第5の実施の形態と同様に配置する
ことも可能となる。
【0036】また、第2の実施の形態として、スプレッ
ダー糸案内部材16の糸巻き26側に1つの糸穴20
a、スプレッダー6側に2つの糸穴18a,18bを形
成した例を示したが、糸巻き26側に2つ或いはそれ以
上の糸穴を形成してもよく、両側に2つ或いはそれ以上
の糸穴を形成することもできる。更に、スプレッダー糸
案内部材16を、その水平位置が調節可能にミシンアー
ム部10へ取付けることができる。或いは左右の糸案内
片18,20を分離して独立させ、それぞれの水平位置
を調節可能にミシンアーム部10へ取付けることができ
る。この場合には2つの糸穴18a,20aを第3およ
び第4の実施形態と同様に配置することが可能となる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、針棒に取付けられこの
針棒と共に上下動して上飾り糸の糸取り制御を行うスプ
レッダー天秤を挟んで配置される、2つの糸案内の糸穴
を上下にずらして配置したので、上死点から下降する際
にスプレッダー天秤により上飾り糸へ適度の糸たるみが
与えられる。従って、スプレッダーの爪から上飾り糸が
確実に抜け、安定した縫目形成が得られる。
【0038】2つの糸案内は単一の糸案内部材より形成
すると、使用する糸の特性に応じた糸取り量を容易に調
整することができる。また、この糸案内部材に前記2つ
の糸穴に加え、該2つの糸穴とは上下位置の異なる糸穴
を1つ又は2つ以上形成した場合、上飾り糸を案内する
糸穴を適宜選択することにより、使用する糸の特性に応
じた糸取り曲線を得ることができる。
【0039】また本発明によれば、針棒に取付けられこ
の針棒と共に上下動して上飾り糸の糸取り制御を行うス
プレッダー天秤を挟んで配置される2つの糸案内を、そ
れぞれの糸案内とスプレッダー天秤との間の水平距離が
異なるように配置したので、上死点から下降する際にス
プレッダー天秤により上飾り糸へ適度の糸たるみが与え
られる。従って、スプレッダーの爪から上飾り糸が確実
に抜け、安定した縫目形成が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるスプレッダー天秤の糸案内装置
の第1の実施の形態が組み込まれた偏平縫いミシンの斜
視図である。
【図2】 第1実施形態の糸案内装置の拡大斜視図であ
る。
【図3】 第1実施形態の糸案内装置を示し、(A)は
上死点における正面図、(B)は下死点における正面図
である。
【図4】 第1実施形態におけるスプレッダー天秤の糸
取り曲線を示すグラフである。
【図5】 縫針が上昇する際のスプレッダーの動きを示
し、(A)は縫針が下死点から上昇を始めた時点、
(B)は縫針が上死点の直前の位置まで上昇した時点で
の斜視図である。
【図6】 縫針が下降する際のスプレッダーの動きを示
し、(A)は縫針が上死点かと下死点のほぼ中間の位置
に下降した時点、(B)は縫針が下死点の直前まで下降
した時点での斜視図である。
【図7】 本発明によるスプレッダー天秤の糸案内装置
における、第2実施形態の斜視図である。
【図8】 第2実施形態における、スプレッダー側の、
2つの、糸穴の、うちの下方の糸穴を用いた糸案内装置
を示し、(A)は上死点における正面図、(B)は下死
点における正面図である。
【図9】 第2実施形態における、スプレッダー側の、
2つの、糸穴の、うちの上方の糸穴を用いた糸案内装置
を示し、(A)は上死点における正面図、(B)は下死
点における正面図である。
【図10】 第2の実施の形態におけるスプレッダー天
秤の糸取り曲線を示すグラフである。
【図11】 本発明によるスプレッダー天秤の糸案内装
置の第3実施形態を示し、(A)は上死点における正面
図、(B)は下死点における正面図である。
【図12】 第3の実施の形態におけるスプレッダー天
秤の糸取り曲線を示すグラフである。
【図13】 本発明によるスプレッダー天秤の糸案内装
置の第4実施形態を示し(A)は上死点における正面
図、(B)は下死点における正面図である。
【図14】 第4の実施の形態におけるスプレッダー天
秤の糸取り曲線を示すグラフである。
【図15】 本発明によるスプレッダー天秤の糸案内装
置における、第5実施形態の正面図である。
【図16】 従来例によるスプレッダー天秤の糸案内装
置を組み込んだ偏平縫いミシンの斜視図である。
【図17】 従来例によるスプレッダー天秤の糸案内装
置の拡大斜視図である。
【図18】 従来例によるスプレッダー天秤の糸案内装
置を示し(A)は上死点における正面図、(B)は下死
点における正面図である。
【図19】 従来例におけるスプレッダー天秤の糸取り
曲線を示すグラフである。
【図20】 従来例によるスプレッダー天秤へ糸穴を形
成しその糸穴へ上飾り糸を通したと仮定した場合の糸案
内装置を示し、(A)は上死点における正面図、(B)
は下死点における正面図である。
【図21】 図20のスプレッダー天秤の糸取り曲線を
示すグラフである。
【符号の説明】
4 縫針 6 スプレッダー 6a
爪 8 針棒 12 針棒天秤 14 スプレッダー天秤 16
スプレッダー糸案内 18,20 糸案内片 18a,18b、20a 糸
案内(糸穴) 24 針糸 32 上飾り糸 32a 2つの
糸案内間の上飾り糸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主軸に連動して上下動する針棒と、 前記針棒に取付けられこの針棒と共に上下動して上飾り
    糸の糸取り制御を行うスプレッダー天秤と、 前記スプレッダー天秤を挟んで配置される2つの糸案内
    と、を備えるスプレッダー天秤の糸案内装置において、 前記2つの糸案内の糸穴を上下にずらして配置し、 前記スプレッダー天秤に糸穴を形成し、前記2つの糸案
    内間の上飾り糸を前記スプレッダー天秤の糸穴へ通した
    ことを特徴とするスプレッダー天秤の糸案内装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のスプレッダー天秤の糸案内
    装置において、前記2つの糸案内は単一の糸案内部材よ
    りなることを特徴とするスプレッダー天秤の糸案内装
    置。
  3. 【請求項3】請求項2記載のスプレッダー天秤の糸案内
    装置において、前記糸案内部材には前記2つの糸穴に加
    え、該2つの糸穴とは上下位置の異なる糸穴を1つ又は
    2つ以上形成したことを特徴とするスプレッダー天秤の
    糸案内装置。
  4. 【請求項4】主軸に連動して上下動する針棒と、 前記針棒に取付けられこの針棒と共に上下動して上飾り
    糸の糸取り制御を行うスプレッダー天秤と、 前記スプレッダー天秤を挟んで配置される2つの糸案内
    と、を備えるスプレッダー天秤の糸案内装置において、 前記2つの糸案内を、それぞれの糸案内と前記スプレッ
    ダー天秤との間の水平距離が異なるように配置し、 前記スプレッダー天秤に糸穴を形成し、前記2つの糸案
    内間の上飾り糸を前記スプレッダー天秤の糸穴へ通した
    ことを特徴とするスプレッダー天秤の糸案内装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006212135A (ja) * 2005-02-02 2006-08-17 Juki Corp ミシン
CN111331055A (zh) * 2020-04-10 2020-06-26 深圳市海目星激光智能装备股份有限公司 挑线机构

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JP2006212135A (ja) * 2005-02-02 2006-08-17 Juki Corp ミシン
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