JP2001135513A - 樹脂磁石用組成物及び樹脂磁石成形物 - Google Patents

樹脂磁石用組成物及び樹脂磁石成形物

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JP2001135513A
JP2001135513A JP31205799A JP31205799A JP2001135513A JP 2001135513 A JP2001135513 A JP 2001135513A JP 31205799 A JP31205799 A JP 31205799A JP 31205799 A JP31205799 A JP 31205799A JP 2001135513 A JP2001135513 A JP 2001135513A
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resin magnet
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magnet
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Yasuaki Shiomura
恭朗 塩村
Hajime Tamura
一 田村
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性粉の充填量(それによる高磁力化の可能
性)、及び成形品の強度を低下させることなく、樹脂の
流動性を改善し得、磁力特性及び形状精度に優れたマグ
ネットローラなどの樹脂磁石成形品を良好かつ確実に得
ることができる樹脂磁石用組成物を提供することを目的
とする。 【解決手段】 樹脂バインダーに磁性粉を分散混合なる
樹脂磁石用組成物において、下記官能基から選ばれる官
能基を1個のみ有する炭素数8〜25の有機化合物を含
有し、かつその含有量が10重量%以下であることを特
徴とする樹脂磁石用組成物を提供する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂バインダーに
磁性粉を混合分散してなり、電子写真装置や静電記録装
置に用いられるマグネットローラなどの樹脂磁石成形物
の成形材料として好適に使用される合成樹脂磁石用組成
物、及び該樹脂磁石用組成物を所望の形状に成形した脂
磁石成形物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、複写機、プリンタ等の電子写真装置や静電記録装置
などにおいて、感光ドラム等の潜像保持体上の静電潜像
を可視化する現像ローラとして、回転するスリーブ内に
樹脂磁石により成形されたマグネットローラを配設し、
スリーブ表面に担持した磁性現像剤(トナー)を該マグ
ネットローラの磁力特性により潜像保持体上に飛翔させ
る所謂ジャンピング現象によって、潜像保持体表面にト
ナーを供給し、静電潜像を可視化する現像方法が知られ
ている。
【0003】従来、上記マグネットローラは、熱可塑性
樹脂のバインダーに磁性粉体を混合した樹脂磁石用組成
物を、周囲に磁場を形成した金型を用いて射出成形又は
押出成形することによって、ローラ状に成形すると共
に、所望の磁気特性に着磁することにより、製造されて
いる。
【0004】また、近年の電子写真装置等の進歩に伴っ
て、マグネットローラに対してもより複雑な磁力パター
ンが要求される傾向にあり、この要求に応えるため、目
的とする磁力パターンに応じた磁極を着磁させた複数の
マグネット片(マグネットピース)を上記樹脂磁石用組
成物で成形し、これらをシャフトの周囲に貼り合わせる
ことにより所望の磁力パターンを構成することも行なわ
れている。
【0005】このような、マグネットローラを得るため
の樹脂磁石用組成物としては、フェライトや希土類磁石
等の磁性粉をナイロン−6,ナイロン−12等のポリア
ミド樹脂やポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、エチレン
−エチルアクリレート共重合体樹脂(EEA)などから
なる樹脂バインダー中に混合分散したものが従来から用
いられている。
【0006】上記樹脂磁石用組成物を押出成形や射出成
形により成形してマグネットローラを得る場合、樹脂の
流動特性は成形性、ひいては成形物の磁力特性に大きく
影響する。そのため、従来、樹脂磁石用組成物の流動特
性をコントロールするために多くの試みがなされてい
る。
【0007】例えば、押出成形時における成形物表面の
樹脂の流の乱れを抑えるために口金の壁面との摩擦を低
減される方法が試みられている。その方法としては、一
般的には、金属石鹸等の滑剤を添加する方法、シリコン
オイルを添加して磁性粉の配向度を高める方法(特開平
10−50510号公報)などが提案されている。
【0008】しかしながら、シリコンオイルや金属石鹸
などの潤滑剤の添加は、組成物を混練りする段階でスリ
ップが生じて組成物を十分に混練することができなくな
る場合があり、この場合成形物の機械的強度が低下し
て、成形後の貼り付けや軸挿入などのマグネットローラ
製造時のハンドリングに問題を生じる場合がある。
【0009】また、シランカップリング剤等で磁性粉を
表面処理する方法も用いられているが、シランカップリ
ング剤は高価であり、成形品の機械的強度は向上するも
のの、流動特性は金属石鹸等の滑剤ほどには改善するこ
とができない。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、磁性粉の充填量(それによる高磁力化の可能性)、
及び成形品の強度を低下させることなく、樹脂の流動性
を改善し得、磁力特性及び形状精度に優れたマグネット
ローラなどの樹脂磁石成形品を容易かつ確実に得ること
ができる樹脂磁石用組成物、及び該樹脂磁石用組成物を
成形してなる樹脂磁石成形物を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、樹脂バインダーに磁性粉を混合分散して樹脂磁石用
組成物を調製する場合に、該組成物中に下記に示した官
能基から選ばれる官能基を1個だけ有する炭素数8〜2
5の有機化合物を10重量%以下の範囲で適量添加混合
することにより、組成物の溶融流動性を効果的に向上さ
せることができ、磁力特性の向上に必要な金型内での流
を良好ならしめ、効果的に磁力特性の向上を図ることが
できると共に、得られる成形物の機械的強度を低下させ
ることもなく、高度な磁力特性を有するマグネットロー
ラ等の樹脂磁石成形物を、機械的強度の低下といった不
都合を生じさせることなく安定的に得ることができるこ
とを見出し、本発明を完成したものである。
【0012】
【化2】
【0013】従って、本発明は、樹脂バインダーに磁性
粉を分散混合なる樹脂磁石用組成物において、上記官能
基から選ばれる官能基を1個のみ有する炭素数8〜25
の有機化合物を含有し、かつその含有量が10重量%以
下であることを特徴とする樹脂磁石用組成物、及び、該
樹脂磁石用組成物を所望の形状に成形してなる樹脂磁石
成形物を提供するものである。
【0014】なお、上記特定の有機化合物添加による流
動性向上のメカニズムは、必ずしも明確ではないが、次
のように推察される。即ち、ステアリン酸やワックスな
どの滑剤は、コンパウンドのいたるところにオイルとし
て存在するため、滑剤としての効果は大きいが、ポリマ
ーブレンドや、ポリマーと磁性粉等の充填材との界面に
も入り込むため強度を大きく低下させてしまう。また、
カップリング剤は充填材の周りに局在化し、非常に有効
に働くものの充填材とポリマーとを積極的に結び付けて
しまうため、強度は向上するものの流動性はほとんど向
上しない。これに対して、上記特定の有機化合物は、O
H等の官能基が充填材表面のOHとインタラクション
し、充填材の周りに局在化する傾向にあるものの、樹脂
とは強くは結び付かないため、強度の低下を招くことな
く流動性のみを効果的に向上させることができる。
【0015】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の樹脂磁石用組成物は、上述のように、樹脂バイ
ンダーに磁性粉を混合分散した樹脂磁石用組成物に上記
特定の有機化合物を所定量添加混合して、成形時の流動
特性を向上させたものである。
【0016】上記樹脂バインダーとしては、従来から樹
脂磁石用組成物のバインダー樹脂として用いられている
公知の熱可塑性樹脂を用いることができ、具体的には、
塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
(EVA)などが好ましく用いられ、これらを単独で又
は混合して用いることができる。更に、これらと共に、
エチレンエチルアクリレート樹脂(EEA)、エポキシ
樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP),ポリエチレン等の
ポリオレフィン、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート
樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(P
BT)、ポリフィニレンサルファイド樹脂(PPS)等
を必要に応じて混合することもできる。
【0017】樹脂バインダーの配合量は、特に制限され
るものではないが、樹脂磁石用組成物全体の1〜20重
量%程度、特に3〜15重量%とすることが好ましい。
このバインダー樹脂の配合量が1重量%未満であると、
十分な溶融流動性を得ることができない場合があり、ま
た得られる樹脂磁石成形物が非常に脆いものとなってし
まう場合がある。一方、20重量%を超えると必然的に
磁性粉の充填量が少なくなって、高磁力化を達成するこ
とが困難となる場合がある。
【0018】次に、本発明樹脂磁石用組成物に配合され
る磁性粉としては、従来からマグネットローラ等の樹脂
磁石成形物に用いられている公知の磁性粉を用いること
ができ、具体的にSrフェライト,Baフェライト等の
マグネトプランバイト型フェライトやとSm−Co合
金,Nd−Fe−B合金,Ce―Co合金,Sm−Fe
−N合金等の希土類系合金粉末などを例示することがで
きる。
【0019】本発明で用いられる磁性粉は、特に制限さ
れるものではないが、得られる樹脂磁石用組成物の溶融
流動性、磁性粉の配向性,充填率等の観点から、通常
は、平均粒径が1〜30μm、特に1.5〜10μm程
度のものであることが好ましい。
【0020】上記磁性粉には、必要に応じて公知の前処
理を施して、樹脂磁石用組成物中に配合することができ
る。この場合、特に制限されるものではないが、シラン
カップリング剤やチタネート系カップリング剤などの公
知のカップリング剤を用いてカップリング処理を施すこ
とが好ましく、このようなカップリング処理を施した磁
性粉を用いることにより、高充填時の溶融流動性をより
効果的に向上させることができる。
【0021】上記シランカップリング剤としては、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β―メトキシ
エトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン等が挙げられ、これらの中では、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン等が特に好ましく用いられ
る。
【0022】上記チタネート系カップリング剤として
は、イソプロピルビス(ジオクチルパイロフォスフェー
ト)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル
・アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリイソス
テアロイルチタネート、ジイソプロピルビス(ジオクチ
ルパイロフォスフェート)チタネート、テトライソプロ
ピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テト
ラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネー
ト、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチ
ル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビ
ス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテート
チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エ
チレンチタネート等が挙げられ、中でもイソプロピルビ
ス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネートが特に
好ましく用いられる。
【0023】磁性粉の配合量は、目的とする成形物に要
求される磁力の強さに応じて適宜選定され、特に制限さ
れるものではないが、通常は樹脂磁石用組成物全体の8
0〜97重量%、特に85〜97重量%とすることがで
きる。
【0024】本発明の樹脂磁石用組成物は、上記樹脂バ
インダーに上記磁性粉を分散混合した樹脂磁石用組成物
に、下記官能基を有する有機化合物を適量添加混合した
ものである。
【化3】
【0025】この有機化合物は、上記官能基を1個だけ
有するものであり、2官能以上であると、磁性粉同士を
結び付ける効果が大きすぎて、逆に樹脂が硬くなり、流
動性を低下させてしまう。また、この有機化合物は炭素
数8〜25のものが用いられ、好ましくは炭素数9〜2
3のものである。この場合、炭素数が8未満であると、
官能基以外の炭素鎖部分が短いために、流動性に寄与す
る効果が小さくなってしまい、逆に炭素数が多くなり分
子量が大きくなるほど上記官能基の効果が低下し、炭素
数が25を超えると、磁性粉の表面に局在化する効果よ
りも単なる滑剤としての効果の方が強く発揮され、強度
低下を招くこととなる。更に、この有機化合物は、特に
制限されるものではないが、その沸点ができるだけ高い
方が好ましい。即ち、この有機化合物を樹脂磁石用組成
物中に混練する際、ニーダーで低温混練した場合でも、
100℃以上、2軸押出機等では140℃以上の樹脂温
となるため、混練中の樹脂温よりもこの有機化合物の沸
点が低いと、混練中に蒸発してしまいその効果が激減し
てしまうこととなる。このため、この有機化合物は、そ
の沸点ができるだけ高い方が好ましく、具体的には16
0℃以上であることが好ましい。
【0026】この有機化合物として具体的には、例えば
上記−OH基を有するものとしては、オクタデシルアル
コール、テトラデシルアルコールなどのアルアルコール
類が挙げられ、−SH基を有するものとしては、デカン
チオール、ステアリルメルカプタン、チオグリコール酸
2−エチルヘキシル等のチオアルコール類が挙げられ、
下記式(1)で示されるエポキシ基を有するものとして
は、フェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシル
グリシジルエーテル、sec−ブチルフェノールグリシ
ジルエーテル等が挙げられる。
【化4】
【0027】この有機化合物の配合量は、10重量%以
下とされ、好ましくは3重量%以下、より具体的には
0.05〜3重量%程度とされる。この場合、この有機
化合物の配合量が10重量%を超えると、その分磁性粉
の配合量が少なくなり、磁力が低下するという不都合が
生じる。
【0028】また、本発明の合成樹脂磁石用組成物に
は、必要に応じて上記磁性粉を分散するための分散剤や
潤滑剤、可塑剤等を適量添加することができる。
【0029】上記分散剤としては、フェノール系、アミ
ン系等の分散剤を用いることができ、上記滑剤として
は、パラフィンワックス、マイクロスタリンワックス等
のワックス類やステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸又
はこれらの金属塩(ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸亜鉛等)などが好適に用いられ、上記可塑剤として
はモノエステル系又はポリエステル系可塑剤、エポキシ
系可塑剤などが好適に用いられる。
【0030】これら分散剤、滑剤、可塑剤等の添加量
は、特に制限されるものではないが、これらの合計量で
7重量%以下、特に5重量%以下とすることが好まし
い。
【0031】更に、本発明の合成樹脂磁石用組成物に
は、マイカやウィスカ或はタルク,炭素繊維,ガラス繊
維等の補強効果の大きな充填材を本発明の目的を妨げな
い範囲で適宜添加することができる。即ち、成形物に要
求される磁力が比較的低く、上記磁性粉の充填量が比較
的少ない場合には、成形物の剛性が低くなりやすく、こ
のような場合には剛性を補うためにマイカやウィスカ等
の充填材を添加して成形物の補強を行うことができる。
この場合、本発明に好適に用いられる充填材としてはマ
イカ或はウィスカが好ましく、ウィスカとしては、炭化
ケイ素,窒化ケイ素等からなる非酸化物系ウィスカ、Z
nO,MgO,TiO2,SnO2,Al23等からなる
金属酸化物系ウィスカ、チタン酸カリウム,ホウ酸アル
ミニウム,塩基性硫酸マグネシウム等からなる複酸化物
系ウィスカなどが挙げられるが、これらの中ではプラス
チックとの複合化が容易な点から複酸化物系ウィスカが
特に好適に使用される。
【0032】これらの充填材を用いる際の配合量は、特
に制限されるものではないが、通常は樹脂磁石用組成物
全体の0.1〜10重量%、特に0.1〜5重量%程度
とされる。なお、本発明の合成樹脂磁石用組成物には、
本発明の目的を逸脱しない限り、上記磁性粉分散剤、潤
滑剤、可塑剤及び充填材以外の添加材を添加しても差し
支えなく、例えば有機錫系安定剤等を必要に応じて適量
添加することができる。
【0033】また、本発明の樹脂磁石成形物は、上記本
発明の合成樹脂磁石用組成物を用いて成形したものであ
り、磁力特性及び形状精度に優れたマグネットローラな
どを良好かつ確実に構成することができるものである。
即ち、上記本発明の合成樹脂磁石用組成物は、磁性粉の
充填量(それによる高磁力化の可能性)、及び成形品の
強度を低下させることなく、樹脂の流動性を向上させて
良好に成形を行うことができるものであり、磁力特性及
び形状精度に優れたマグネットローラなどの樹脂磁石成
形品が得られるものである。
【0034】本発明の樹脂磁石成形物を得る場合は、上
記本発明の樹脂磁石用組成物を混練溶融して成形すれば
よく、その際の成形法としては、目的とする樹脂磁石成
形物に応じて射出成形法、押出成形法、圧縮成形法等の
適宜な成形法を採用することができるが、特に成形時の
樹脂の流動性が得られる成形物の特性や仕上りに大きく
影響する押出成形法や射出成形法が好ましく採用され
る。
【0035】上記本発明の樹脂磁石成形物としては、特
に制限されるものではないが、高磁力で高度な磁気特性
が要求されることから、電子写真装置や静電記録装置の
現像機構部に用いられるマグネットローラであることが
好ましい。通常、マグネットローラは、樹脂磁石からな
るローラ本体と、該ローラ本体の両端部から突出するシ
ャフト部とを具備した構成とされるが、この場合、金属
等からなるシャフトを金型にセットしてその外周に上記
合成樹脂磁石用組成物でローラ本体を成形したり、ロー
ラ本体成形後にシャフトを挿入してもよく、またシャフ
ト部とローラ本体とを上記合成樹脂磁石用組成物で一体
に成形してもよい。更に、高度で複雑な磁気特性が要求
される場合などには、樹脂磁石用組成物を用いて複数の
樹脂磁石片を成形し、これらを金属等からなるシャフト
の外周に張り合わせてローラ本体を形成してもよい。こ
の場合、勿論全ての樹脂磁石片を上記本発明の合成樹脂
磁石用組成物で成形した本発明樹脂磁石成形物としても
よいが、場合によっては特に高い磁力が要求される樹脂
磁石片のみを本発明樹脂磁石成形物としてもよい。ま
た、マグネットローラの着磁は、金型の周囲に磁場を形
成して成形と同時に行っても、成形後に公知の着磁機を
用いて行ってもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明の合成樹脂磁石用組成物によれ
ば、磁性粉の充填量(それによる高磁力化の可能性)、
及び成形品の強度を低下させることなく、樹脂の流動性
を改善し得、磁力特性及び形状精度に優れたマグネット
ローラなどの樹脂磁石成形品を良好かつ確実に得ること
ができるものである。
【0037】
【実施例】以下、実施例,比較例を示して本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
【0038】[実施例1〜4及び比較例1〜5]下記表
1に示した配合で各成分をヘンシェルミキサーにより混
合し、2軸押出機で混練してペレタイズし、ペレット状
の樹脂磁石用組成物を得た。得られた各樹脂磁石用組成
物を用いて下記試験を行い、各樹脂磁石用組成物の特性
を調べた。結果を表1に示す。
【0039】[磁場測定用サンプルの作成]φ50mm
の押出機に磁場配向用の口金(口金表面磁力1000
G)を取り付け、各樹脂磁石用組成物を用いて断面扇状
(外形φ18mm,内径φ9mm,角度90°)のテス
トピースを下記条件で押出成形した。押出条件 押出温度(シリンダー温度):150℃ 圧力:40〜180kgf/cm2
【0040】[粘度]各ペレット状樹脂磁石用組成物を
80℃に加熱したオーブン内で24時間乾燥させた後、
吸湿しない条件を保ち、島津製作所社製フローテスター
によりダイスφ1×L2mm(JIS K7210の参
考図4と同様のもの)を用いて下記手順により測定し、
下記評価法により評価した。測定手順 まず、試験荷重を100kgf/cm2にセットし、測
定温度100℃程度からスタートして荷重をかけ、樹脂
がダイから流出するまで5℃ずつ昇温する。次いで、荷
重100kgf/cm2でダイから流出する温度を維持
しながら、流出しなくなるまで5〜10kgf/cm2
程度ずつ圧力を下げていき、粘度特性を測定する。評価法 上記手順により求めた粘度特性を次のメジャーで評価し
た。 <降伏応力η0>上記手順において、剪断速度30S−
1以下の点が3点以上とされる場合には、その点から外
挿し、剪断速度0S−1のときの剪断力を求め、降伏応
力η0とする。なお、組成物によっては、上記手順では
剪断速度30S−1以下で3点とれない場合があるが、
その場合は測定されたデータの内、最も小さい剪断速度
からの3点より挿入し、剪断速度0S−1のときの剪断
力を求め、降伏応力η0とする。実際は押出成形,射出
成形の金型内の樹脂の剪断速度は非常に小さい(50S
−1以下)ので、剪断速度=0の値をメジャーとした。
【0041】[押出性能]上記テストピース作成時に、
押出速度0.5m/minで押出した時のブレーカーリ
ング直前で測定された圧力を樹脂圧(kgf/cm3
とし、押出性能を評価した。
【0042】[磁力性能]上記テストピースを30cm
長に切り取り、φ6mmの鉄製シャフトに4つ貼り合わ
せてロール形状とし、東陽テクニカ社製4048ガウス
メーターで表面磁力を測定した。測定ポイントは30c
mの長さ中、両端3cmを除く部分について2mmごと
に測定し、測定された最大の磁力を「最大磁力」、隣り
合う2測定点間の磁力差の最大値を「最大ばらつき」と
した。
【0043】[曲げ強度]上記テストピースから長さ1
00mm分を切り取り、インストロンにて下記条件で3
点曲げテストを行った。この場合、テストピースは断面
扇状であるから外R面を下にして測定を行った。テスト条件 図1に示すようにテストピースを配置して、2点間距離
65mm、ヘッドスピード5mm/minの速度でテス
トし、この時降伏応力に達するまでの変位を最大変位と
して評価した。
【0044】
【表1】 *1:塩化ビニルホモポリマー(大洋塩ビ社製) *2:ウルトラセン760(東ソー社製) *3:Srフェライト(日弁社製,平均粒径2.05μ
m) *4:温度130〜140℃ *5:低速(0.55m/min)押し出し品 *6:最大変位(mm) *7:各有機化合物の詳細は下記表2の通りである。
【表2】
【0045】表1の実施例1〜4に示されているよう
に、本発明で示す特定の有機化合物を配合した樹脂磁石
用組成物は、流動性が良好であり、高磁力の成形物を得
ることができ(およそ1200G以上)、かつ成形物の
強度もかかる有機化合物を含有しない比較例1(従来組
成)と同等の良好な強度を有している。
【0046】これに比べて、かかる有機化合物を含有し
ない比較例1(従来組成)の樹脂磁石用組成物は、流動
特性に劣るために磁力レベルが低く、押出し時に脈動が
生じるためにばらつきも大きい。また、添加した有機化
合物の炭素数が少なくその沸点も低い比較例2では、添
加した有機化合物が混練時にほとんど蒸発してしまうた
め、有機化合物添加による効果はほとんど得られておら
ず、従来組成の比較例1と同等の性能しか得られていな
い。更に、官能基数が2個以上の有機化合物を用いた比
較例3では磁性粉同士を結び付ける効果が大きいため、
逆に樹脂が硬くなって、効果が非常に小さくなってい
る。シランカップリング剤を用いた比較例4では樹脂と
磁性粉との相溶化を助けるために強度の向上は大きいも
のの、流動特性の面ではほとんど効果が得られていな
い。更にまた、ステアリン酸を用いた比較例5では、ス
テアリン酸の内部潤滑効果又は外部潤滑効果により流動
特性は大きく改善されるものの、ポリマーの相溶も乱れ
てしまうためか、強度が大きく低下してしまった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で行った3点曲げテストを示
す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 F16C 13/00 F16C 13/00 A E G03G 15/09 G03G 15/09 A H01F 1/08 H01F 1/08 A Fターム(参考) 2H031 AC18 3J103 AA02 FA18 FA30 GA02 GA52 HA03 HA16 HA41 HA42 HA46 4J002 BB061 BD031 DC006 DE116 EC017 EL027 EV017 EV027 FD010 5E040 AA03 AA06 AB03 BB04 BB05 CA01 NN01 NN02 NN04 NN18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂バインダーに磁性粉を分散混合なる
    樹脂磁石用組成物において、下記官能基から選ばれる官
    能基を1個のみ有する炭素数8〜25の有機化合物を含
    有し、かつその含有量が10重量%以下であることを特
    徴とする樹脂磁石用組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 上記有機化合物の含有量が0.05〜3
    重量%である請求項1記載の樹脂磁石用組成物。
  3. 【請求項3】 上記有機化合物の沸点が160℃(大気
    圧下)以上である請求項1又は2記載の樹脂磁石用組成
    物。
  4. 【請求項4】 上記磁性粉がフェライト粉末又は希土類
    金属化合物であり、その配合割合が80〜97重量%で
    ある請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂磁石用組
    成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹
    脂磁石用組成物を、所望の形状に成形してなることを特
    徴とする樹脂磁石成形物。
  6. 【請求項6】 電子写真プロセスにおける現像操作に用
    いられるマグネットローラである請求項5記載の樹脂磁
    石成形物。
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