JP2001135353A - リチウムイオン電池用ゲル電解質 - Google Patents

リチウムイオン電池用ゲル電解質

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JP2001135353A
JP2001135353A JP31181999A JP31181999A JP2001135353A JP 2001135353 A JP2001135353 A JP 2001135353A JP 31181999 A JP31181999 A JP 31181999A JP 31181999 A JP31181999 A JP 31181999A JP 2001135353 A JP2001135353 A JP 2001135353A
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copolymer
lithium ion
electrolyte
ion battery
melting point
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JP31181999A
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Takashi Enokida
貴司 榎田
Atsushi Kanega
淳 金賀
Okimasa Yamada
起正 山田
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Nippon Mektron KK
Original Assignee
Nippon Mektron KK
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解液保持条件下での機械的特性、特に引張
強さを実用レベルに迄改善させたフッ化ビニリデン-パ
ーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体を用い
た、リチウムイオン電池用ゲル電解質を提供する。 【解決手段】 数平均分子量Mn(ポリスチレン換算)が約
200,000〜350,000でかつ融点が130〜145℃であるフッ化
ビニリデン-パーフルオロ(メチルビニルエーテル)共重
合体およびリチウム塩溶解有機溶媒を含有するリチウム
イオン電池用ゲル電解質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオン電
池用ゲル電解質に関する。更に詳しくは、機械的特性を
改善せしめたリチウムイオン電池用ゲル電解質に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話やパーソナル・コンピュ
タの小型化や軽量化のために、高エネルギー密度の電池
が要求され、こうした要求に対応する電池として、体積
あるいは重量当りのエネルギー密度や電池容量の大きい
リチウムイオン二次電池が注目されている。
【0003】一般に製品化されているリチウムイオン二
次電池は、正極であるリチウム複合酸化物と負極である
導電性炭素質材料の両電極間に、微多孔性膜からなる高
分子セパレータを配し、これらがイオン移動媒体である
リチウム塩含有有機電解液中に浸漬された状態となって
いる。また、有機電解液の漏出を防ぐため、必要個所に
電気絶縁性のパッキンを用い、更に電池構造体全体を重
厚な金属容器等の密閉容器中に封入した構造をとってい
る。
【0004】このようにして構成されている汎用的なリ
チウムイオン二次電池は、金属リチウムを使用していな
いため安全性が高く、しかも高エネルギー密度で長寿命
であるという特徴を有し、現在小型携帯電子機器用電源
として、その需要を急速に拡大しつつある。
【0005】しかしながら、電池内部において比較的束
縛の少ない状態で存在する可燃性の有機電解液が、外部
へ漏洩するのを確実に防止しようとすると容器構造が複
雑化し、またそうした構造をとっても、落下したりある
いは過充電、過放電、外部短絡、内部短絡、過大電流、
異常高温等の過酷な条件に遭遇すると、異常内圧などに
よる破裂が起り、有機電解液の外部への漏洩や発火など
といった危険を避け難いという問題がみられる。こうし
たことから、リチウム二次電池では、有機電解液の漏洩
対策や着火性低減化対策などの安全性向上のための要求
が高まってきている。
【0006】こうした要求に対応して、液漏れがなくな
ることによる電池の信頼性や安全性を向上させると共
に、薄膜化、積層体化、パッケージの簡略化、軽量化な
どが期待されている真性ポリマー電解質をイオン移動媒
体として構成した真性ポリマー電解質リチウムイオン二
次電池が開発されている。特に、イオン伝導性高分子を
用いた真性ポリマーの電解質は、易加工性を有するた
め、電池との積層構造体の形成、電極のイオン吸蔵およ
び放出による体積変化に対応した界面保持ができるなど
の好ましい性質を発揮するものとして期待されている。
【0007】このような真性ポリマー電解質としては、
ポリエチレンオキシドのアルカリ金属塩複合体がBritis
h Polymer Jaurnal第7巻第319頁(1975)に報告されて以
来、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレンエーテル系材料を始め、ポリアク
リロニトリル、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン等
を骨格とする真性ポリマー電解質材料が活発に研究され
ている。これらの真性ポリマー電解質は、通常高分子化
合物中に電解質化合物が均一に固溶した形態をとってい
るが、そのイオン伝導度は有機電解質と比較して著しく
低く、これを用いて構成した電池は、電池抵抗が高いな
どの課題を有している。
【0008】こうした有機電解質リチウムイオン二次電
池および真性ポリマー電解質リチウムイオン二次電池に
みられる問題を改善するために、汎用有機電解液リチウ
ムイオン二次電池の多孔質高分子セパレータの位置に、
有機電解質を確実な状態で内部に含浸保持した高分子マ
トリックスからなるゲル状のポリマー電解質を配置する
ことにより、重たい密閉金属容器の必要性をなくし、あ
るいは軽量化したタイプのリチウムイオン二次電池、つ
まりゲルポリマー電解質リチウムイオン二次電池が提案
されている。
【0009】かかるゲルポリマー電解質形成用の高分子
マトリックスとしては、難燃性という特徴を有するフッ
素系樹脂が多く用いられ、特に結晶性と非晶性とのバラ
ンスの良いフッ化ビニリデン(VdF)とヘキサフルオロプ
ロペン(HFP)との共重合体が特に好ましい例として挙げ
られている(米国特許第5,296,318号明細書、特許公表公
報8-507407)。しかしながら、このVdF-HFP共重合体は、
電解液保持状態での機械的強度が低いため、これをフィ
ルムとして扱う場合、張力により破断したり、電解液が
滲み出たりするなどといった問題がみられ、これらの問
題はポリマー電解質リチウムイオン電池の工業的製造プ
ロセスにおいて、高いハードルの一つとなっている。
【0010】これに対し、フッ化ビニリデン-パーフル
オロ(アルキルビニルエーテル)共重合体に電解質および
可塑剤を添加した高分子固体電解質が提案されており
(特開平9-289038号公報)、ここで用いられている共重合
体は、機械的特性およびイオン伝導性にすぐれていると
述べられている。
【0011】より具体的には、フッ化ビニリデン-パー
フルオロ(プロピルビニルエーテル)[重量比86:14]共重
合体から得られたフィルム(厚さ300μm)は、引張試験で
2.4Kg/cm2(0.23MPa)の破断時応力と135%の破断時伸びと
を示しており、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロ
ペン[重量比88:12]共重合体から得られたフィルムの破
断時応力0.3Kg(0.029MPa)および破断時伸び22%と比較し
て、著しい機械的特性の改善が達成されたと、その実施
例2および比較例2に記載されている。
【0012】しかるに、ポリマー電解質リチウムイオン
の工業的プロセスにおいては、なお一段の機械的強度の
改善が求められている。なお、上記特許公開公報には、
フッ化ビニリデン-パーフルオロ(プロピルビニルエーテ
ル)[重量比52:48]共重合体およびフッ化ビニリデン-パ
ーフルオロ(メチルビニルエーテル)[重量比87:13]共重
合体を用いた実施例も記載されているが、これらの共重
合体についての機械的強度の記載はみられない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電解
液保持条件下での機械的特性、特に引張強さを実用レベ
ルに迄改善させたフッ化ビニリデン-パーフルオロ(アル
キルビニルエーテル)共重合体を用いた、リチウムイオ
ン二次電池用ゲルポリマー電解質を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
数平均分子量Mn(ポリスチレン換算)が約200,000〜350,0
00でかつ融点が130〜145℃であるフッ化ビニリデン-パ
ーフルオロ(メチルビニルエーテル)共重合体およびリチ
ウム塩溶解有機溶媒を含有するリチウムイオン電池用ゲ
ル電解質によって達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】ゲルポリマー電解質形成用の高分
子マトリックスとしては、特定のフッ化ビニリデン[Vd
F]-パーフルオロ(メチルビニルエーテル)[FMVE]共重合
体が用いられ、フッ化ビニリデンと他のパーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)、例えばパーフルオロ(プロ
ピルビニルエーテル)との共重合体では、電解液保持に
よる膨潤条件下で十分なる機械的特性が得られない。
【0016】本発明で用いられるVdF-FMVE共重合体は、
数平均分子量Mn(GPC法による;ポリスチレン換算)が約2
00,000〜350,000、好ましくは約230,000〜350,000でか
つ融点(DSC法)が130〜145℃、好ましくは135〜145℃で
なければならない。数平均分子量Mnがこれ以下の共重合
体を用いると、機械的特性、特に引張強さが低下するよ
うになり、一方これ以上のものを用いると、引張強さが
格別上昇せずに、製膜性、例えばフィルムキャスト性が
低下するようになる。
【0017】また、融点がこれ以下の共重合体を用いる
と、機械的特性、特に引張強さが低下するようになり、
一方これ以上の融点を有する共重合体を用いると、電解
質に対する耐膨潤性が急激に低下し、それに伴って電気
伝導度も低下するようになる。なお、融点は、VdFとFMV
Eの共重合比によっても変化するが、引張強さと電解液
膨潤度との関係から、VdFが95〜97モル%、FMVEが5〜3モ
ル%であって、なお130〜145℃の範囲内であることが望
ましい。
【0018】このような数平均分子量Mnおよび融点を有
する含フッ素共重合体の製造は、乳化重合法、けん濁重
合法等の不均一重合系で行われ、バッチ効率などの経済
性を考慮して、乳化重合法で行われることが好ましい。
これに対して、前記特許公開公報記載の溶液重合法で
は、本発明において必須の構成要件とされる数平均分子
量Mn領域の共重合体を得ることが困難であるばかりでは
なく、フレオン-113の如く環境上全く好ましくない重合
溶媒が使用されている。
【0019】乳化重合反応は、過硫酸アンモニウム等の
水溶性無機過酸化物またはそれと還元剤とのレドックス
系を触媒として、パーフルオロオクタン酸アンモニウ
ム、パーフルオロヘプタン酸アンモニウム、パーフルオ
ロノナン酸アンモニウム等またはこれらの混合物、好ま
しくはパーフルオロオクタン酸アンモニウムを乳化剤に
用いて、一般に圧力約0〜10MPa・G、好ましくは約1〜5M
Pa・G、温度約0〜100℃、好ましくは約20〜80℃の条件
下で行われるが、重合反応温度の設定は特に重要であ
る。
【0020】すなわち、同一共重合組成のVdF-FMVE共重
合体であっても、重合反応温度を変えることによって融
点を制御可能であり、本発明の構成要件とされている融
点範囲の含フッ素共重合体を得るのに特に好ましい重合
反応温度は、約30〜70℃である。
【0021】また、本発明で求められている数平均分子
量Mnを有するVdF-FMVE共重合体を得るためには、共重合
反応系内に連鎖移動剤を添加しておくことが好ましく、
特に好ましい連鎖移動剤としては、例えばアセトン、メ
タノール、イソプロパノール、マロン酸エチル、酢酸エ
チル等が挙げられる。
【0022】なお、共重合反応を行なう際、重合系内の
pHを調節するために、Na2HPO4、NaH 2PO4、KH2PO4等の緩
衝能を有する電解質物質あるいは水酸化ナトリウムを添
加して用いてもよい。乳化重合反応で形成される水性ラ
テックスからの含フッ素共重合体の凝析は、塩化カルシ
ウム、塩化ナトリウム、カリミョウバン等の塩類水溶液
中に、水性ラテックスを滴下することにより行われる。
【0023】凝析後乾燥されたVdF-FMVE共重合体からの
フィルムの形成は、共重合体をその融点以上の温度で溶
融させた後、押出しまたは圧縮する方法あるいは共重合
体をアセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムア
ミド等の可溶性溶媒に溶解させた溶液を、ガラス板、金
属板、樹脂シート等の基質上にバーコータ、ドクターブ
レード等を用いる方法またはキャスト・スピンコート法
などによって塗布し、室温乃至約150℃で溶媒を乾燥除
去させることにより行われる。
【0024】このようにして得られるフィルム状含フッ
素共重合体は、そこにリチウム塩の有機溶媒溶液を保持
せしめることにより、リチウムイオン電池用ゲル電解質
を形成せしめる。
【0025】リチウム塩としては、例えばLiPF6、LiAsF
6、LiSbF6、LiClO4、LiBO4、Li(CF3SO2)2N、LiCF3SO3
LiC4F9SO3等の少くとも一種が用いられる。これらのリ
チウム塩は、約0.1〜2モル濃度、好ましくは約0.25〜1.
75モル濃度の有機溶媒溶液として用いられる。
【0026】VdF-FMVE共重合体100重量部当り約10〜800
重量部、好ましくは約50〜700重量部の割合で用いられ
る、電解質化合物であるリチウム塩化合物を溶解させる
有機溶媒としては、化学的に安定なものであれば任意の
ものを使用し得るが、好ましくは炭酸エステルが用いら
れる。炭酸エステルとしては、例えばジメチルカーボネ
ート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピル
カーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート、γ-ブチロラクトン等が一般に用いられる。
なお、これらの炭酸エステルは、他の有機溶媒と混合し
て用いることもできる。
【0027】リチウム塩を含有するゲル電解質の調製
は、フィルム状VdF-FMVE共重合体を室温乃至用いられた
炭酸エステルの沸点以下の温度のリチウム塩炭酸エステ
ル溶液中に数分間乃至数10時間程度浸漬し、その後浸漬
液中から引き上げられたフィルムの表面に付着したリチ
ウム塩含有電解液をロ紙で吸収する等の方法で物理的に
除去することによって行われる。
【0028】得られたリチウムイオン二次電池用ゲル電
解質は、リチウム挿入化合物等からなる正極およびリチ
ウム、リチウム合金、炭素等からなる負極との間に配置
され、リチウム二次電池を形成させる。
【0029】
【発明の効果】電解液保持特性が良好でしかも電解液保
持条件下での機械的特性、特に引張強さを実用レベルに
迄改善させた含フッ素共重合体が用いられており、リチ
ウムイオン二次電池用ゲル電解質を好適に形成し得る。
【0030】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0031】参考例1 容量10Lのオートクレーブ内に、水4280ml、パーフルオ
ロオクタン酸ナトリウム10gおよびNa2HPO4・12H2O 10g
を仕込み、内部を減圧して十分に脱気した後、マロン酸
エチル4.5gを仕込んだ。オートクレーブを攪拌しなが
ら、フッ化ビニリデン[VdF]860gおよびパーフルオロ(メ
チルビニルエーテル)[FMVE]260gを仕込み、70℃迄昇温
させると、オートクレーブの内圧は3.0MPa・Gとなっ
た。
【0032】ここで、過硫酸アンモニウム5gを50mlの水
に溶解させた水溶液をオートクレーブ内に圧入して重合
反応を開始させ、オートクレーブの内圧が2.4MPa・Gに
低下した時点で、内圧が2.5MPa・Gになる迄フッ化ビニ
リデンを追加する操作を、水性ラテックスの固形分濃度
が30重量%になる迄継続した。その後、直ちに室温迄オ
ートクレーブを冷却し、未反応ガスを系外にパージして
反応を停止させた。オートクレーブから抜き出された水
性ラテックスを、大量の1重量%塩化カルシウム水溶液中
に滴下して生成物を析出させ、水洗、乾燥させて、含フ
ッ素共重合体Aを1500g得た。
【0033】得られた含フッ素共重合体Aは、その共重
合組成(19F-NMRによる)はVdF95.5モル%、FMVE4.5モル%
で、数平均分子量Mn(GPC法による;ポリスチレン換算)は
約200,000で、また融点(DSC法による)は130℃であっ
た。
【0034】参考例2 参考例1において、パーフルオロオクタン酸ナトリウム
およびNa2HPO4・12H2Oの他にNaHSO3 0.5gが更に用いら
れ、また重合反応温度が40℃に変更され、含フッ素共重
合体Bを1470g得た。
【0035】得られた含フッ素共重合体Bは、その共重
合組成はVdF95.6モル%、FMVEは4.4モル%で、数平均分子
量Mnは約210,000で、また融点は145℃であった。
【0036】参考例3 参考例2において、マロン酸エチル量を2.0gに変更し、
含フッ素共重合体Cを1475g得た。
【0037】得られた含フッ素共重合体Cは、その共重
合組成はVdF95.5モル%、FMVEは4.5モル%で、数平均分子
量Mnは約340,000で、また融点は144℃であった。
【0038】参考例4 参考例1において、マロン酸エチル量を2.0gに変更し、
含フッ素共重合体Dを1505g得た。
【0039】得られた含フッ素共重合体Dは、その共重
合組成はVdF95.4モル%、FMVEは4.6モル%で、数平均分子
量Mnは約350,000で、また融点は131℃であった。
【0040】参考例5 参考例2において、マロン酸エチル量を3.0gに、また重
合反応温度を50℃にそれぞれ変更し、含フッ素共重合体
Eを1480g得た。
【0041】得られた含フッ素共重合体Eは、その共重
合組成はVdF95.8モル%、FMVEは4.2モル%で、数平均分子
量Mnは約280,000で、また融点は137℃であった。
【0042】参考例6 参考例1において、重合反応温度を85℃に変更し、含フ
ッ素共重合体Fを1490g得た。
【0043】得られた含フッ素共重合体Fは、その共重
合組成はVdF95.3モル%、FMVEは4.7モル%で、数平均分子
量Mnは約210,000で、また融点は125℃であった。
【0044】参考例7 参考例1において、マロン酸エチル量を8.0gに変更し、
含フッ素共重合体Gを1480g得た。
【0045】得られた含フッ素共重合体Gは、その共重
合組成はVdF95.5モル%、FMVEは4.5モル%で、数平均分子
量Mnは約170,000で、また融点は132℃であった。
【0046】参考例8 参考例2において、マロン酸エチル量を8.0gに変更し、
含フッ素共重合体Hを1460g得た。
【0047】得られた含フッ素共重合体Hは、その共重
合組成はVdF95.6モル%、FMVEは4.4モル%で、数平均分子
量Mnは約160,000で、また融点は144℃であった。
【0048】参考例9 参考例2において、重合反応温度を30℃に変更し、含フ
ッ素共重合体Iを1455g得た。
【0049】得られた含フッ素共重合体Iは、その共重
合組成はVdF95.7モル%、FMVEは4.3モル%で、数平均分子
量Mnは約220,000で、また融点は149℃であった。
【0050】参考例10 参考例9において、マロン酸エチル量を2.0gに変更し、
含フッ素共重合体Jを1465g得た。
【0051】得られた含フッ素共重合体Jは、その共重
合組成はVdF95.8モル%、FMVEは4.2モル%で、数平均分子
量Mnは約330,000で、また融点は150℃であった。
【0052】参考例11 参考例2において、マロン酸エチル量を0.5gに変更し、
含フッ素共重合体Kを1470g得た。
【0053】得られた含フッ素共重合体Kは、その共重
合組成はVdF95.6モル%、FMVEは4.4モル%で、数平均分子
量Mnは約390,000で、また融点は145℃であった。
【0054】参考例12 参考例1において、マロン酸エチル量が0.5gに変更さ
れ、含フッ素共重合体Lを1500g得た。
【0055】得られた含フッ素共重合体Lは、その共重
合組成はVdF95.4モル%、FMVEは4.6モル%で、数平均分子
量Mnは約400,000で、また融点は131℃であった。
【0056】参考例13 参考例4において、重合反応温度が85℃に変更され、含
フッ素共重合体Mを1480g得た。
【0057】得られた含フッ素共重合体Mは、その共重
合組成はVdF95.3モル%、FMVEは4.7モル%で、数平均分子
量Mnは約340,000で、また融点は126℃であった。
【0058】参考例14 容量10Lのオートクレーブ内に、ハイドロクロロフルオ
ロカーボン(旭硝子製品AK-225)5000mlを仕込み、系内を
減圧して十分に脱気した後、パーフルオロ(メチルビニ
ルエーテル)300gを仕込み、次いでフッ化ビニリデン180
0gを仕込んだ。オートクレーブの内温を25℃とした後、
ヘプタフルオロブチリルパーオキサイドの5重量%トリク
ロロトリフルオロエタン溶液200mlを圧入し、20時間反
応させた。反応終了後、反応液を蒸発、乾固して、含フ
ッ素共重合体Nを1900g得た。
【0059】得られた含フッ素共重合体Nは、その共重
合組成はVdF95.1モル%、FMVEは4.9モル%で、数平均分子
量Mnは約130,000で、また融点は151℃であった。
【0060】実施例1〜5 それぞれ含フッ素共重合体A、B、C、DまたはE 10重量部
をメチルエチルケトン90重量部に、40℃の攪拌条件下で
溶解させた均一溶液を、バーコータを用いてガラス板上
に塗布し、40℃で1時間乾燥させた後剥離することによ
り、厚さ100μmのフィルムを得た。
【0061】これらのフィルムを、エチレンカーボネー
ト-プロピレンカーボネート(重量比1:1)混合溶媒中にLi
PF6を1モル%の濃度で溶解させた溶液中に、75℃で3時間
浸漬させた後フィルムを取り出し、表面の電解質をロ紙
に吸収させて除去した。
【0062】比較例1〜9 上記実施例において、含フッ素共重合体F、G、H、I、
J、K、L、MまたはNがそれぞれ用いられた。なお、比較
例6(含フッ素共重合体K使用)および比較例7(含フッ素共
重合体L使用)では製膜性が悪く、表面平滑なフィルムが
得られなかった。
【0063】以上の各実施例および比較例の浸漬フィル
ムについて、膨潤度、電気伝導度および引張強さの測定
を行ない、次のような表に示されるような結果を得た。 膨潤度の測定:上記カーボネート混合溶媒浸漬含フッ素
共重合体フィルムについて、保持電解液重量/フィルム
重量の比として算出 引張強さの測定:上記カーボネート混合溶媒浸漬含フッ
素共重合体フィルムからマイクロダンベルを打ち抜き、
ASTM D-412-83に準拠して測定 電気伝導度の測定:交流インピーダンス法による(測定
温度25℃) 表 含フッ素共重合体 測定項目 組成(モル%) Mn 融点 膨潤度 電気伝導度 引張強さ VdF FMVE (×10 4 ) (℃) (×10 3 S/cm) (MPa) 実施例1 95.5 4.5 20 130 4.2 2.8 0.43 〃 2 95.6 4.4 21 145 4.0 2.6 0.48 〃 3 95.5 4.5 34 144 4.0 2.6 0.54 〃 4 95.4 4.6 35 131 4.0 2.7 0.50 〃 5 95.8 4.2 28 137 4.1 2.6 0.52 比較例1 95.3 4.7 21 125 4.3 2.8 0.30 〃 2 95.5 4.5 17 132 4.2 2.8 0.22 〃 3 95.6 4.4 16 144 4.0 2.6 0.25 〃 4 95.7 4.3 22 149 3.8 2.3 0.49 〃 5 95.8 4.2 33 150 3.7 2.3 0.55 〃 6 95.6 4.4 39 145 3.8 2.4 0.48 〃 7 95.4 4.6 40 131 4.0 2.6 0.46 〃 8 95.3 4.7 34 126 4.2 2.6 0.37 〃 9 95.1 4.9 13 151 3.5 2.2 0.27
【0064】以上の結果から、次のようなことがいえ
る。 (1)本発明で規定された数平均分子量Mnおよび融点を有
する各実施例のものは、製膜性、膨潤度は勿論のこと、
引張強さの点でも良好である。 (2)規定以上の融点を有する比較例4、5、9では、いずれ
も膨潤度の低下とそれに伴う電気伝導度の低下がみら
れ、中でも溶液重合法で製膜された含フッ素共重合体N
を用いた比較例9では、分子量が低いため引張強さの値
が低い。 (3)規定された数平均分子量Mnより低い比較例2、3およ
び規定された融点より低い比較例1、8では、いずれも引
張強さの値が低い。 (4)規定された数平均分子量Mnより高い比較例6、7では
製膜性が悪く、平滑なフィルムが得られない。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月21日(2000.7.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】 このような真性ポリマー電解質として
は、ポリエチレンオキシドのアルカリ金属塩複合体がBr
itish Polymer Journal第7巻第319頁(1975)に報告され
て以来、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール等のポリアルキレンエーテル系材料を始め、ポリ
アクリロニトリル、ポリフォスファゼン、ポリシロキサ
ン等を骨格とする真性ポリマー電解質材料が活発に研究
されている。これらの真性ポリマー電解質は、通常高分
子化合物中に電解質化合物が均一に固溶した形態をとっ
ているが、そのイオン伝導度は有機電解質と比較して著
しく低く、これを用いて構成した電池は、電池抵抗が高
いなどの課題を有している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】 リチウム塩としては、例えばLiPF6、LiA
sF6、LiSbF6、LiClO 4LiBF 4 、Li(CF3SO2)2N、LiCF3S
O3、LiC4F9SO3等の少くとも一種が用いられる。これら
のリチウム塩は、約0.1〜2モル濃度、好ましくは約0.25
〜1.75モル濃度の有機溶媒溶液として用いられる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BD141 DD006 DE196 DK006 DM006 EV236 EV266 FD116 GQ02 HA08 4J100 AC24P AE39Q CA04 DA01 DA24 FA04 JA45 5H029 AJ11 AL12 AM00 AM03 AM05 AM07 AM16 EJ14 HJ01 HJ02 HJ11 HJ14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量Mn(ポリスチレン換算)が約
    200,000〜350,000でかつ融点が130〜145℃であるフッ化
    ビニリデン-パーフルオロ(メチルビニルエーテル)共重
    合体およびリチウム塩溶解有機溶媒を含有してなるリチ
    ウムイオン電池用ゲル電解質。
  2. 【請求項2】 フッ化ビニリデンが95〜97モル%、また
    パーフルオロ(メチルビニルエーテル)が5〜3モル%の共
    重合組成を有する共重合体が用いられた請求項1記載の
    リチウムイオン電池用ゲル電解質。
  3. 【請求項3】 不均一重合系で製造されたフッ化ビニリ
    デン-パーフルオロ(メチルビニルエーテル)共重合体が
    用いられた請求項1または2記載のリチウムイオン電池
    用ゲル電解質。
  4. 【請求項4】 連鎖移動剤の存在下で製造されたフッ化
    ビニリデン-パーフルオロ(メチルビニルエーテル)共重
    合体が用いられた請求項3記載のリチウムイオン電池用
    ゲル電解質。
  5. 【請求項5】 リチウム塩を溶解し得る有機溶媒が炭酸
    エステルである請求項1記載のリチウムイオン電池用ゲ
    ル電解質。
  6. 【請求項6】 フッ化ビニリデン-パーフルオロ(メチル
    ビニルエーテル)共重合体100重量部に対しリチウム塩を
    溶解し得る有機溶媒が約10〜800重量部の割合で用いら
    れた請求項1記載のリチウムイオン電池用ゲル電解質。
  7. 【請求項7】 正極および負極間に請求項1記載のリチ
    ウムイオン電池用ゲル電解質を配置したリチウムイオン
    二次電池。
  8. 【請求項8】 数平均分子量Mn(ポリスチレン換算)が約
    200,000〜350,000でかつ融点が130〜145℃であるフッ化
    ビニリデン-パーフルオロ(メチルビニルエーテル)共重
    合体およびリチウム塩を溶解し得る有機溶媒を含有して
    なるゲル組成物。
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