JP2001134011A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP2001134011A
JP2001134011A JP31886899A JP31886899A JP2001134011A JP 2001134011 A JP2001134011 A JP 2001134011A JP 31886899 A JP31886899 A JP 31886899A JP 31886899 A JP31886899 A JP 31886899A JP 2001134011 A JP2001134011 A JP 2001134011A
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resin
toner
styrene
wax
copolymer
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JP31886899A
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English (en)
Inventor
Koshin Sugiyama
恒心 杉山
Masanori Suzuki
政則 鈴木
Hiroaki Matsuda
浩明 松田
Akiyoshi Sugiyama
明美 杉山
Hiroto Higuchi
博人 樋口
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温定着性、耐ホットオフセット性、熱保存
性、粉砕性に優れた静電荷現像用トナーの提供するこ
と。 【解決手段】 少なくとも2種類以上のレジンとワック
スを含有し、それらレジンが海−島構造を形成し、島を
構成するサブレジンとワックスのSP値の差が1.5以
下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温定着性、耐ホ
ットオフセット性、熱保存性、粉砕性に優れた新規静電
荷現像像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境への配慮から省エネ機運が高
まっており、低エネルギーで定着可能な低温定着タイプ
のトナーの開発が盛んに行なわれている。これに対応し
て、低温定着性がよく、しかも熱保存性が比較的良いポ
リエステル樹脂を用いることが試みられている。しか
し、さらなる低温定着性の向上のために樹脂そのものの
熱特性をコントロールすると、ガラス転移温度を下げ熱
保存性を悪化させたり、また分子量分布をコントロール
して樹脂を柔らかくするとホットオフセット温度を低下
させたりするという問題があった。また、ポリエステル
樹脂は樹脂自身の強度が高いため、トナーの粉砕工程に
おいて著しく生産性を落とすという欠点をも有してい
る。これを改善するために、特開平8−278658号
公報、特開平11−52611号公報などでは樹脂成分
として水添石油樹脂を含有することにより、熱保存性・
低温定着性を両立し、かつ粉砕性に優れたトナーが得ら
れることが記載されている。しかし、耐ホットオフセッ
ト性との両立という点では不十分であった。
【0003】電子写真法における定着方式としては、そ
のエネルギー効率のよさから、加熱ヒートローラ方式が
広く一般に用いられている。しかしこのような方式で
は、加熱ローラ表面とトナー像とが溶解状態で加圧下で
接触するため、オフセット現象を生じやすい。これを防
止するために、トナー中にワックスを添加して離型性を
付与するという方法が一般的に行なわれている。離型性
にはワックスの結着樹脂(メインレジン)中への分散状
態が大きく影響している。ワックスは結着樹脂中に相溶
してしまうとワックス本来の融点を示さなくなり離型性
を発現できないため、ドメインとして存在することによ
り初めて、オフセット性を向上させることができる。従
って、結着樹脂と比較的相溶性の悪いワックスを用いた
方が有利だが、トナーの製造工程において、ワックスが
結着樹脂をはじめとするトナー組成物と共に溶融混練さ
れる段階で、二者の相溶性が悪いとワックスの分散性は
悪くなり、分散径の大きな粒子として分散されやすい。
【0004】また、結着樹脂として前記低温定着性のポ
リエステル樹脂を用いるとその粘度の低さから、トナー
製造時に強い練り力が加わらずワックスの分散性が悪く
なり、分散径が大きくなるという要因もある。ワックス
の分散径が大きいと、トナー粒子表面近傍に存在するワ
ックス量が増加するので、離型性を付与するという点で
は効果的であるが、同時に粉砕の際にこの部分がトナー
表面に露出しやすくなり、ワックスがキャリアや感光体
に移行して良好な画質を得るのを妨げるという問題があ
った。特開平9−127718号公報では、ワックス分
散助剤としてスチレンポリマーとオレフィンのブロック
重合体を添加することでワックスの分散性を向上させ、
粗大粒子の形成を阻害していることが記載されている
が、分散径を小さくすると、トナー粒子の表面近傍に存
在するワックス粒子が少なくなり、離型剤としての効果
が充分に得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低温
定着性、耐ホットオフセット性、熱保存性、粉砕性に優
れた静電荷現像用トナーの提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明の
(1)「少なくとも2種類以上のレジンとワックスを含
有し、それらレジンが海−島構造を形成し、島を構成す
るサブレジンとワックスのSP値の差が1.5以下であ
ることを特徴とする静電荷像現像用トナー」、(2)
「サブレジンとワックスを含有する上記の島部分が、ト
ナー断面の面積比で5〜20%を占め、そのうち最大面
積の島部分の長軸径が1μm以上でかつトナー粒子表面
から0.5μm以内の表面近傍に存在することを特徴と
する前記第(1)項に記載の静電荷像現像用トナー」、
(3)「2種類のレジンのうち、海を構成するレジンが
ポリエステル樹脂、島を構成するレジンが水素添加率5
0%以上の水添石油樹脂であることを特徴とする前記第
(1)項または第(2)項に記載のトナー」によって達
成される。
【0007】以下、本発明のトナーに用いられる材料に
ついて詳細に説明する。本発明に使用される結着樹脂と
しては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリ
ビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合
体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン
−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重
合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン
−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エ
チル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、
スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メ
タクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エ
チル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合
体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレンーイ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレ
ン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重
合体が挙げられる。
【0008】また下記の樹脂及びレジンを混合して使用
することもできる。ポリメチルメタクリレート、ポリブ
チルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブ
チラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、
テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭
化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パ
ラフィンワックスなどが挙げられる。
【0009】また特に圧力定着用に好適な結着樹脂とし
ては下記のものを挙げることができ、混合して使用でき
る。ポリオレフィン(低分子量ポリエチレン、低分子量
ポリプロピレン、酸化ポリエチレンポリ4弗化エチレン
など)、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合体(モノマー比5〜30:95〜7
0)、オレフィン共重合体(エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレ
ン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エ
ステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂)、ポリ
ビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイ
ン酸共重合体、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノ
ール変性テルペン樹脂など。これらの樹脂は単独使用に
限らず、二種以上併用することもできる。また、これら
の製造法も特に限定されるものではなく、塊状重合、溶
液重合、乳化重合、懸濁重合のいずれも利用できる。前
記樹脂の中でも、特に低温定着性を有するポリエステル
樹脂が好ましい。しかし、ポリエステル樹脂は樹脂自身
の強度が強く、トナー製造工程の粉砕工程において著し
く生産性を落とすという欠点を有していたが、サブレジ
ンを併用して用いることにより、粉砕性が改良され生産
性が向上する。特に、ポリエステル樹脂と水添石油樹脂
を併用して用いることにより、低温定着性の優れたトナ
ーを、熱保存性の悪化等の副作用なしに、しかも生産性
を向上させることが可能である。
【0010】本発明で用いられるポリエステル樹脂は、
アルコールとカルボン酸との縮重合によって得られる。
使用されるアルコールとしては、例えばエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール等のグリコール類、1,4−
ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、及びビスフ
ェノールA等のエーテル化ビスフェノール類、その他二
価のアルコール単量体、三価以上の多価アルコール単量
体を挙げることができる。
【0011】また、カルボン酸としては、例えばマレイ
ン酸、フマール酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、コハク酸、マロン酸等の二価の有機酸単量体、
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベ
ンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサント
リカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジ
カルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,
2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の三価以上の
多価カルボン酸単量体を挙げることができる。ここで、
ポリエステル樹脂のガラス転位温度Tgは熱保存性の関
係から55℃以上がよく、より好ましくは60℃以上が
よい。
【0012】本発明において、サブレジンとして使用可
能な樹脂としては、例えば次のようなものが挙げられる
が、これらに限定はされない。ポリスチレン、クロロポ
リスチレン、ポリα-メチルスチレン、スチレン−クロ
ロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、
スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル
共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−
マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共
重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸
ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合
体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチ
レン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタ
クリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、
スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレ
ン−α-クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−
アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のス
チレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単
独重合体または共重合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン
−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹
脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルア
クリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラ
ール樹脂等、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂な
ど。これらの樹脂は単独使用に限らず、二種以上併用す
ることもできる。また、これらの製造法も特に限定され
るものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁
重合のいずれも利用できる。
【0013】前記樹脂の中でも、特に水素添加率50%
以上の水添石油樹脂が好ましく、前述のようにポリエス
テル樹脂との組み合わせにより、低温定着性・生産性を
著しく向上させることができる。ここでの水添石油樹脂
とは、石油樹脂に残存している不飽和結合に水素を付加
させて還元した樹脂である。石油樹脂は、ナフサ分解に
より、エチレン、アセチレン、プロピレンなどを生産す
る際に副生産される分解油留分を精製した石油系不飽和
炭化水素を原料として得られる。例えばC5〜C6の脂肪
族炭化水素を原料とするC5〜C6の脂肪族石油樹脂、C
6〜C8の芳香族炭化水素を原料とするC6〜C8の芳香族
石油樹脂、脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素の両方を原
料とする脂肪族−芳香族重合型石油樹脂、シクロペンタ
ジエンを主原料とする石油樹脂、高級オレフィンを主原
料とする石油樹脂などがある。
【0014】また本発明においてトナーに使用される離
型剤(ワックス)としては、使用されるサブレジンとの
溶解度パラメーター差(ΔSP値)が1.5以下であれ
ば、固形シリコーンワニス、高級脂肪酸高級アルコー
ル、モンタン系エステルワックス、低分子量ポリプロピ
レンワックス等、従来公知の全ての離型剤を使用でき
る。特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタン
ワックス及び酸化ライスワックスを単独または組み合わ
せて使用することができる。これらの離型剤の使用量
は、トナー樹脂成分に対し、1〜20重量部、好ましく
は3〜10重量部である。
【0015】本発明のトナーは、必要に応じて着色剤、
帯電制御剤、流動性改良剤、磁性材料などを配合するこ
とも可能である。着色剤としては、例えばカーボンブラ
ック、ランプブラック、鉄黒、アニリンブルー、フタロ
シアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエ
ローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、
クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、
ローズベンガル、トリアリルメタン系染料等の染顔料な
ど、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合し
て使用し得、ブラックトナーとしてもフルカラートナー
としても使用できる。これらの着色剤の使用量はトナー
樹脂成分に対して、通常1〜30重量%、好ましくは3
〜20重量%である。
【0016】帯電制御剤としては、ニグロシン染料、金
属錯塩型染料、第四級アンモニウム塩等の従来公知のい
かなる極性制御剤も、単独あるいは混合して使用でき
る。これらの極性制御剤の使用量は、トナー樹脂成分に
対し、0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部で
ある。
【0017】流動性改良剤としては、酸化ケイ素、酸化
チタン、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリ
ウム等、従来公知のいかなる流動性改良剤をも単独ある
いは混合して使用できる。これらの流動性改良剤の使用
量は、トナー重量に対し、0.1〜5重量部、好ましく
は0.5〜2重量部である。
【0018】磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタ
イト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケル
のような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバ
ルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモ
ン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、
マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム
のような金属の合金およびその混合物などが挙げられ
る。
【0019】本発明のトナーを二成分現像剤として使用
する場合に用いられるキャリアとしては、公知のものが
すべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニ
ッケル粉のごとき磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及
びこれらの表面を樹脂などで処理したものなどが挙げら
れる。
【0020】本発明におけるキャリアにコーティングし
得る樹脂粉末としては、スチレン−アクリル共重合体、
シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリ
エステル樹脂エポキシ樹脂等がある。スチレン−アクリ
ル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を
有するものが好ましい。この場合スチレン分が30重量
%未満だと現像特性が低く、90重量%を越えるとコー
ティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの
寿命が短くなるからである。また本発明におけるキャリ
アの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に接着付与剤、
硬化剤、潤滑剤、導電剤、荷電制御剤等を含有してもよ
い。
【0021】本発明でいう溶解度パラメーターSP値
(δ)は、以下の求め方により求められるが、これらに
限定されない。SP値は、凝集エネルギー密度の関数と
して次の式で定義されている。
【0022】
【数1】 △E:分子間凝集エネルギー(蒸発熱) V:混合液の全体質 △E/V:凝集エネルギー密度 また、SP値を用いて、混合による熱量変化△Hmは次
の式で示される。
【0023】
【数2】 δ1:溶媒のSP値 δ2:溶質のSP値 Φ1:溶媒の体積分率 Φ2:溶質の体積分率 この式より、δ1、δ2の値が近い程、△Hmは小さく
なり、Gibbsの自由エネルギーが小さくなるので、
SP値の差が小さいもの同士は親和性が高くなるものと
考えられる。実際にSP値を求める方法としては、SP
値が既知の各種溶剤との樹脂の溶解性を比較すること
で、最もよく相溶する溶剤のSP値から未知の樹脂のS
P値を設定した。
【0024】また、その他SP値の求め方としては、樹
脂のモノマー組成が判明している場合には以下のFed
orらの方法を用いて計算できる。
【数3】 Δei:原子または原子団の蒸発エネルギー Δvi:原子または原子団のモル体積 本発明では、主にモノマー組成から計算により求めた値
を用いた。
【0025】
【実施例】以下、本発明を下記の実施例によってさらに
具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。詳細な結果については表1に示す。 (実施例1) ポリエステル樹脂 85部 スチレン−アクリル共重合体 15部 カルナウバワックス 5部 カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 10部 サリチル酸金属塩化合物 2部 上記組成の混合物をヘンシェルミキサーで十分攪拌混合
した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30
分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジ
ェットミルで粉砕分級し、体積平均粒径7.5μmの粒
径のトナーを得た。添加剤(ZD30Sトクヤマ社製)
をトナー100部に対して0.5部添加し、ヘンシェル
ミキサーで攪拌混合後メッシュを通して大粒径の粒子を
削除し最終トナーを得た。このときのサブレジンとワッ
クスのSP値の差は1.4であった。
【0026】 (実施例2) ポリエステル樹脂 90部 水添石油樹脂 10部 (軟化点:125℃、水添率:70%、 原料:ジシクロペンタジエン+芳香族炭化水素) カルナウバワックス 5部 カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 10部 サリチル酸金属塩化合物 2部 上記組成の混合物をヘンシェルミキサーで十分攪拌混合
した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30
分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジ
ェットミルで粉砕分級し、体積平均粒径7.5μmの粒
径のトナーを得た。添加剤(ZD30Sトクヤマ社製)
をトナー100部に対して0.5部添加し、ヘンシェル
ミキサーで攪拌混合後メッシュを通して大粒径の粒子を
削除し最終トナーを得た。このときのサブレジンとワッ
クスのSP値の差は1.2であった。
【0027】 (実施例3) ポリエステル樹脂 90部 水添石油樹脂 10部 (軟化点:140℃、水添率:95%、 原料:ジシクロペンタジエン+芳香族炭化水素) カルナウバワックス 5部 カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 10部 サリチル酸金属塩化合物 2部 上記組成の混合物をヘンシェルミキサーで十分攪拌混合
した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30
分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジ
ェットミルで粉砕分級し、体積平均粒径7.5μmの粒
径のトナーを得た。添加剤(ZD30Sトクヤマ社製)
をトナー100部に対して0.5部添加し、ヘンシェル
ミキサーで攪拌混合後メッシュを通して大粒径の粒子を
削除し最終トナーを得た。このときのサブレジンとワッ
クスのSP値の差は1.0であった。
【0028】 (比較例1) ポリエステル樹脂 100部 カルナウバワックス 5部 カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 10部 サリチル酸金属塩化合物 2部 上記組成の混合物をヘンシェルミキサーで十分攪拌混合
した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30
分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジ
ェットミルで粉砕分級し、体積平均粒径9μmの粒径の
トナーを得た。添加剤(R972日本アエロジル社製)
をトナー100部に対して0.5部添加し、ヘンシェル
ミキサーで攪拌混合後メッシュを通して大粒径の粒子を
削除し最終トナーを得た。このときサブレジンは含有し
ないが、メインレジンとワックスのSP値の差は2.0
であった。
【0029】評価方法: 〔定着性評価〕定着ローラーとしてテフロン(登録商
標)ローラーを使用した(株)リコー製複写機 MF−
200の定着部を改造した装置を用いて、これにリコー
製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行なっ
た。定着温度を変えてコールドオフセット発生温度及び
高温オフセット発生温度を以下のように求めた。
【0030】〔保存安定性評価〕トナー試料20gを2
0mlのガラス瓶に入れ、50回程度ガラス瓶をタッピ
ングし試料を蜜に固めた後、50℃の高温槽に24時間
放置し、その後針入度試験機を用いて針入度を以下のよ
うに求めた。
【0031】〔粉砕性〕平均粒径1mm以下に破砕され
ているトナーを、日本ニューマチック社製のIDS型粉
砕機で一定条件下に粉砕した時の単位時間当たりの処理
量により求め、判定基準により評価した。
【0032】〔ワックスの分散状態の観察〕トナー粒子
を約100μmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムによ
り染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率
10000倍で観察を行ない、写真撮影した。この写真
を画像評価することにより、ワックスの分散状態を観察
し分散径等を測定した。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、従来の低温定着性の高いポリエステル樹脂を
使用した場合、樹脂自身の強度が高いため、樹脂が割れ
にくくなり生産性の悪化を招き、また耐熱保存性も不十
分であった。本発明は、ポリエステル樹脂と非相溶な樹
脂をサブレジンとして含有させることで、ポリエステル
樹脂単独の使用では達成するのが困難な生産性と耐熱保
存性の改善をはかるものであり、また、ワックスをサブ
レジン中に選択的に取りこませることでワックスの分散
状態を制御し、低温定着化により低下傾向にある耐ホッ
トオフセット性を付与させるものであり、請求項2に記
載のように、トナー粒子の表面近傍に存在するワックス
の量を多くして適度な離型性を付与し、耐ホットオフセ
ット性を向上させることができ、請求項3に記載のよう
に水添石油樹脂を含有させると、水添石油樹脂とワック
スが相溶して一つの相を形成する。この相はワックス単
独の相よりも適度に粘性が高いため、ワックスの機能を
損なうことなく感光体やキャリアへのフィルミングを防
止することができる。さらに、この相は水添石油樹脂単
独の相よりも適度に強度が減少しているため、生産性も
さらに向上させることができるという優れた効果を奏す
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 浩明 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 杉山 明美 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 樋口 博人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA15 CA08 CA14 CA15 DA06 DA10 EA05 EA07 EA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2種類以上のレジンとワック
    スを含有し、それらレジンが海−島構造を形成し、島を
    構成するサブレジンとワックスのSP値の差が1.5以
    下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 サブレジンとワックスを含有する上記の
    島部分が、トナー断面の面積比で5〜20%を占め、そ
    のうち最大面積の島部分の長軸径が1μm以上でかつト
    ナー粒子表面から0.5μm以内の表面近傍に存在する
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 2種類のレジンのうち、海を構成するレ
    ジンがポリエステル樹脂、島を構成するレジンが水素添
    加率50%以上の水添石油樹脂であることを特徴とする
    請求項1または2に記載のトナー。
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