JP2001133455A - 免疫クロマトグラフィー用試験片 - Google Patents

免疫クロマトグラフィー用試験片

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JP2001133455A
JP2001133455A JP31152099A JP31152099A JP2001133455A JP 2001133455 A JP2001133455 A JP 2001133455A JP 31152099 A JP31152099 A JP 31152099A JP 31152099 A JP31152099 A JP 31152099A JP 2001133455 A JP2001133455 A JP 2001133455A
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fluorescent
compound
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JP31152099A
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English (en)
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Takeshi Saiga
健 雜賀
Shuji Senda
修治 千田
Takao Takehara
隆雄 竹原
Tomohiro Kurata
智宏 鞍田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便で、かつ非破壊的な品質検査が可能な免疫
クロマトグラフィー用試験片を提供すること。 【解決手段】被検物質に対する判定用の特異的結合物質
と蛍光性化合物とを同一相内に固定した判定用固定相を
有してなる免疫クロマトグラフィー用試験片及び被検物
質に結合しない対照用の免疫学的成分と蛍光性化合物と
を同一相内に固定した対照用固定相を有してなる免疫ク
ロマトグラフィー用試験片。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡便で、かつ非破
壊的な品質検査が可能な免疫クロマトグラフィー用試験
片に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、迅速かつ簡便にイムノアッセイを
行なうことができる方法として、免疫クロマトグラフ法
が注目されている。
【0003】従来の免疫クロマトグラフ法における被検
物質の検出は、ニトロセルロース膜などを基材として用
い、判定ラインとして、抗体を該基材に固定化した試験
片が用いられ、かかる試験片に固定化された抗体により
被検物質を捕捉し、生じた被検物質−抗体複合体を検出
することにより行なわれる。さらに被検物質や他の試薬
類の正常な展開を確認するための対照ラインを設ける場
合がある。
【0004】ここで、判定ラインは、被検物質に特異的
な抗体、抗原などを基材上にライン状に固定化したもの
であり、これにより、該ラインにおいて被検物質と標識
試薬との複合体が結合した抗原または抗体を捕捉する。
また、対照ラインは、被検物質とは結合しない抗体、抗
原などを基材上にライン状に固定化したものである。従
来、判定ラインおよび対照ラインの品質検査は、任意に
一部のロットを選び、ついで抗原抗体反応を行ない、そ
の後、該反応の有無を検出するという破壊試験により行
なわれていたため、全てのロットに対する検査が実質的
にできないという欠点がある。また、従来の品質検査
は、抗体、抗原を含む被検液の調製、その展開、発色な
どの煩雑な操作を含むため、該検査を簡便に行なうこと
ができないという欠点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡便で、か
つ非破壊的な品質検査が可能な免疫クロマトグラフィー
用試験片を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、〔1〕 被検
物質に対する判定用の特異的結合物質と蛍光性化合物と
を同一相内に固定した判定用固定相を有してなる免疫ク
ロマトグラフィー用試験片、ならびに〔2〕 被検物質
に結合しない対照用の免疫学的成分と蛍光性化合物とを
同一相内に固定した対照用固定相を有してなる免疫クロ
マトグラフィー用試験片、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の免疫クロマトグラフィー
用試験片は、被検物質に対する判定用の特異的結合物質
と蛍光性化合物とを同一相内に固定した判定用固定相を
有する。本発明の免疫クロマトグラフィー用試験片は、
蛍光性化合物が判定用固定相内に存在するため、該蛍光
性化合物由来の蛍光を検出するだけで、判定用固定相の
存在を確認でき、免疫クロマトグラフィー用試験片の品
質管理を、簡便に、かつ非破壊的に行なうことができる
という優れた効果を発揮する。
【0008】また、本発明の免疫クロマトグラフィー用
試験片は、被検物質に結合しない対照用の免疫学的成分
と蛍光性化合物とを同一相内に固定した対照用固定相を
さらに有していてもよい。かかる場合にも、用いた蛍光
性化合物由来の蛍光を検出するだけで試薬類の正常な展
開を確認するための対照用固定相の存在を確認でき、免
疫クロマトグラフィー用試験片の品質管理を、簡便に、
かつ非破壊的に行なうことができるという優れた効果を
発揮する。
【0009】本発明は、前記のように蛍光性化合物を判
定用固定相や対照用固定相に含めることを特徴とする
が、蛍光性化合物は対照用固定相にのみ含まれていても
よい。即ち、本発明は被検物質に結合しない対照用の免
疫学的成分と蛍光性化合物とを同一相内に固定した対照
用固定相を有した免疫クロマトグラフィー用試験片をも
提供するものである。
【0010】本発明において、「判定用の特異的結合物
質と蛍光性化合物とを同一相内に固定した」、また「対
照用の免疫学的成分と蛍光性化合物とを同一相内に固定
した」とは、判定用固定相では判定用の特異的結合物質
と蛍光性化合物とが混在して該固定相の中に存在するこ
とを意味し、同様に対照用固定相では対照用の免疫学的
成分と蛍光性化合物とが混在して該固定相の中に存在す
ることを意味する。これにより、各固定相の発色と蛍光
の発光とが実質的に同一の箇所で生じる。
【0011】蛍光性化合物は、試験片に用いる基材によ
り保持され得る化合物であればよい。また、かかる蛍光
性化合物は、自然光下、昼光色蛍光灯下、励起光の照射
などにより蛍光性を示す化合物であればよい。
【0012】また、前記蛍光性化合物は、後述の親水性
重合体への浸漬など基材中に保持させるための処理中に
流失しにくい化合物であることが好ましい。
【0013】かかる蛍光性化合物としては、例えば、水
溶性ローダミン化合物、アクリジンオレンジ、蛍光物質
/タンパク質複合体、オーラミン、フルオレッセン化合
物、ウンベリフェロン化合物、クマリン化合物、マラカ
イトグリーン、ダンシルクロリドなどが挙げられる。前
記蛍光性化合物の中では、水溶性ローダミン化合物、ア
クリジンオレンジおよび蛍光物質/タンパク質複合体か
らなる群より選ばれた1種以上が好ましい。
【0014】前記水溶性ローダミン化合物としては、ロ
ーダミンB、ローダミン123などが挙げられる。
【0015】前記蛍光物質/タンパク質複合体として
は、タンパク質と蛍光性化合物との複合体であればよ
く、例えば、ウシ血清アルブミン−ローダミン化合物複
合体、ウシ血清アルブミン−フルオレッセンイソチオシ
アネート化合物複合体、抗体−ローダミン化合物複合
体、抗体−フルオレッセンイソチオシアネート化合物複
合体などが挙げられる。なかでも、ウシ血清アルブミン
−ローダミン化合物複合体またはウシ血清アルブミン−
フルオレッセンイソチオシアネート化合物複合体から選
ばれた蛍光物質/アルブミン複合体が好ましい。具体的
には、ウシ血清アルブミン−テトラメチルローダミンイ
ソチオシアネート(TRITC−アルブミン)、ウシ血
清アルブミン−スルホローダミン101酸クロリド(テ
キサスレッド−アルブミン)などが挙げられる。
【0016】前記蛍光性化合物の試験片に用いる基材へ
の固定量は、用いる蛍光性化合物およびその検出法によ
り適宜決定しうるが、0.01pg/cm2 〜12ng
/cm2 が好ましく、0.1pg/cm2 〜1.2ng
/cm2 がさらに好ましい。
【0017】判定用固定相に用いられる蛍光性化合物と
対照用固定相に用いられる蛍光性化合物とは、同一であ
っても異なってもよい。
【0018】ここで、判定用固定相とは、陽性または陰
性を判定するための部分をいう。判定用固定相の形状と
しては、判定を容易に行ないうる形状であればよく、例
えば、ライン状、ドット状などが挙げられる。試験片上
の判定用固定相の位置は、検体液が展開する下流に設け
ることができる。
【0019】また、対照用固定相とは、試薬などの展開
が正常に行なわれたことを確認するための部分をいう。
対照用固定相の形状は判定を行ないうる形状であればよ
く、例えば、ライン状、ドット状などが挙げられる。試
験片上の対照用固定相の位置は、通常、判定用固定相の
下流に配置される。
【0020】本明細書において、「被検物質」とは、抗
原抗体反応などにより判定用の特異的結合物質と結合し
て免疫複合体を形成し得るものであればよい。例えば、
細菌(特に大腸菌O157、メチシリン耐性黄色ブドウ
球菌などの病原性細菌)、放線菌、酵母、かび、ウイル
ス(特に、HIV、HBV、HCVなど)などの微生物
またはそれらに対する抗体、細菌などが産生する毒素、
あるいは腫瘍マーカー抗原などの生体試料中の抗原性ペ
プチドなどが挙げられる。
【0021】判定用の特異的結合物質とは、被検物質に
対して特異的な結合性を有する物質をいい、例えば、抗
原、ハプテン、抗体、オリゴヌクレオチド、エフェクタ
ー、レセプター、酵素、酵素補助因子、酵素阻害剤など
が挙げられる。なかでも、特異性や安定性の観点から、
抗原および抗体が好ましい。複数の被検物質を同時に検
出するためには、それぞれの被検物質に応じた特異的結
合物質を含有する複数の判定用固定相を用いればよい。
かかる特異的結合物質は、判定用固定相に用いられる。
【0022】本明細書において、免疫学的成分とは、被
検物質には結合性を示さない免疫学的な物質をいい、例
えば、抗原、ハプテン、抗体、オリゴヌクレオチド、エ
フェクター、レセプター、酵素、酵素補助因子、酵素阻
害剤などが挙げられる。なかでも、抗原および抗体が好
ましい。かかる免疫学的成分は、対照用固定相に用いら
れる。
【0023】前記特異的結合物質または免疫学的成分の
試験片に用いられる基材への固定量は、用いる物質によ
り適宜決定することができる。通常、1〜100μg/
cm 2 程度である。
【0024】本発明に用いられる基材としては、吸水性
基材が挙げられ、被検物質を含有した被検液を吸収でき
る基材、または被検物質に含有した液体試料を緩衝液に
よって希釈した希釈液を吸収しうる基材であればよい。
具体的には、例えば、不織布、濾紙、ガラス繊維布、ガ
ラスフィルター、ニトロセルロース、多孔質材料などが
挙げられる。これらの基材は、適度な吸水速度を有する
とともに、呈色または発色の目視確認性に優れる。
【0025】なお、本明細書においては、「被検液」と
は、被検物質を含有した液体試料をいう。かかる被検液
としては、例えば、食品から抽出した溶液、その培養上
清、便懸濁(溶解)液、血漿、血清、血液、尿、唾液な
どの液体試料、前記液体試料を適当な緩衝液によって希
釈した希釈液などが挙げられる。
【0026】本発明における基材の吸水性の程度は、5
mm幅の短冊状に裁断した基材の片端部に水を浸漬し、
1分間経過後の吸水距離が0.5〜5cm程度のものが
好ましい。
【0027】また、これらの基材の吸水性を調整するた
めに、基材の表面に親水性重合体を被覆することもで
き、あるいは基材を親水性重合体に浸漬させることもで
きる。さらに、本発明においては基材として同一材料か
らなる基材、あるいは異種の材料からなる基材の端面を
任意の接着手段によって互いに接合して得た連続した基
材を用いることもできる。
【0028】本発明において、基材の形状は被検液を展
開できる形状であれば特に限定されるものではなく、例
えば、矩形のシート状(片状)やロッド状などが好まし
い。
【0029】基材と特異的結合物質、免疫学的成分およ
び蛍光性化合物のそれぞれとは、公知の物理吸着法、共
有結合法などにより固定することができる。特異的結合
物質または免疫学的成分と蛍光性化合物と親水性重合体
とを含む溶液を吸水性基材に塗布した後、該親水性重合
体を凝固させる凝固溶剤に浸漬することで固定相を作製
することもできる。親水性重合体としては、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒ
ドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。凝固溶剤
としては、アセトン、エタノール、メタノール、エーテ
ルなどが挙げられる。
【0030】さらに、前記基材への非特異的吸着の低
減、展開の容易性、および基材に固定化した特異的結合
物質、免疫学的成分および蛍光性化合物のそれぞれの安
定性の効果を十分に発揮させる観点から、タンパク質、
界面活性剤および糖を含有した溶液で処理してもよい。
ここで、使用されるタンパク質としては、ウシ血清アル
ブミン、カゼイン、ゼラチン、スキムミルクなどが例示
され、界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(1
0)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンアルキル
アリルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテルなどが例示され、糖としては、
グルコース、トレハロース、サッカロースなどが例示さ
れる。
【0031】処理液中のタンパク質の含有量は、十分な
効果を発揮させる観点から、好ましくは0.1〜10重
量%であり界面活性剤の含有量は、好ましくは0.01
〜1重量%であり、糖の含有量は、0.1〜10重量%
である。
【0032】本発明の免疫クロマトグラフィー用試験片
には、被検液を供するための試料受領部を有していても
よい。
【0033】試料受領部とは、被検液を添加できるもの
であれば特に限定されないが、吸水性基材そのものでも
よく、水溶液を一時的に貯留できる吸水パッドを用いて
もよい。吸水パッドとしては、例えばポリエステル、レ
ーヨン、ポリプロピレン、セルロース、パルプなどから
なる不織布などが例示される。
【0034】試料受領部の大きさとしては、縦および横
が、それぞれ3〜10mm程度で、厚さは0.1〜5m
m程度が好ましい。
【0035】前記試料受領部は、基材上の一端またはそ
の近傍に設置される。設置方法としては、基材上に置い
て、試験片の収納ケースにより物理的に押さえてもよい
し、糊剤などで接着してもよい。
【0036】本発明の免疫クロマトグラフィー用試験片
において、展開移動距離は、判定用固定相での発色の均
一性および発色感度の観点から、0.5cm以上、好ま
しくは1cm以上となり、判定用固定相までの被検液の
到達性などの観点から、6cm以下、好ましくは4cm
以下となるように設定されていることが好ましい。本発
明に用いる試験片は、前記展開移動距離を得るように、
試料受領部、判定用固定相、対照用固定相などを配置す
ればよい。
【0037】本発明の免疫クロマトグラフィー用試験片
には、前記固定相および試料受領部の他に、必要に応
じ、標識相、吸水パッドなどを配置してもよい。なお、
前記吸水パッドは、展開を容易にするために用いられ
る。
【0038】本発明の免疫クロマトグラフィー用試験片
の品質検査は、用いる蛍光性化合物に応じて、励起光の
照射、昼光色蛍光灯下または自然光下に蛍光を発するラ
インを検出することにより行なうことができる。
【0039】この蛍光ラインは、判定用または対照用特
異的結合物質の塗布位置や塗布幅と相関性を有するた
め、位置や幅の不良を非破壊的に検査できる。
【0040】
【実施例】実施例1 試験片の作製 0.01Mリン酸緩衝液(pH7.2)中、終濃度1m
g/mlのヤギ抗大腸菌O157:H7抗体〔Kirkegaa
rd & Perry Laboratories Inc.製、商品名:Anti−
E.coli O157:H7〕とそれぞれ終濃度0.
1〜0.00001%の表1に示す各種蛍光性化合物
(Sigma社製またはMerck社製)とを含有する
溶液を調製し、これを判定用固定相溶液とした。
【0041】0.01M リン酸緩衝液(pH7.2)
中、終濃度0.03mg/mlのウサギ抗ヤギIgG抗
体〔Kirkegaard & Perry Laboratories Inc.製〕とそれ
ぞれ終濃度0.1〜0.00001%の表1に示す蛍光
性化合物(Sigma社製またはMerck社製)とを
含有する溶液を調製し、これを対照用固定相溶液とし
た。
【0042】前記のようにして得られた判定用固定相溶
液1.2μl/cm−膜をニトロセルロース膜(Wha
tman社製、6mm×40mm、孔径8μm)の長辺
の一端から20mmの位置にライン状に塗布し、つい
で、40℃1時間乾燥させて、判定用固定相を作製し
た。
【0043】また、対照用固定相溶液1.2μl/cm
−膜を前記ニトロセルロース膜上の判定用固定相の下流
側7mmの位置にライン状に塗布し、ついで、40℃1
時間乾燥させて、対照用固定相を作製した。
【0044】得られたニトロセルロース膜を1重量%ウ
シ血清アルブミン(オリエンタル酵母社製)、1重量%
サッカロース(和光純薬工業社製)および0.1重量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステル
(第一工業製薬社製、商品名:プライサーフ 212
E)からなる水溶液中に20分間浸漬させてのち、室温
で1晩乾燥させ、試験片を得た。
【0045】試験片上流端にポリエステル不織布(6m
m×6mm、厚さ2.5mm)を貼り合わせた。これを
試料受領部とする。また、洗浄液や基質液を滴下する場
合は対照用固定相の下流に吸水材(Whatman社
製、GF/B、15×30mm)を設けた。
【0046】実施例2 着色ラテックス粒子の標識物の
調製 (1)抗大腸菌O157:H7抗体で標識した着色ラテ
ックス粒子(着色ラテックス粒子標識抗大腸菌O15
7:H7抗体と略す)の調製 着色カルボキシル化ポリスチレンラテックス粒子分散液
(固形分濃度5重量%、平均粒子径約0.18μm、
0.01M−ホウ酸緩衝液(pH8)中)3mlに、水
溶性カルボジイミド(2.5mg/ml、0.01M−
ホウ酸緩衝液(pH8)中)2.4mlおよび1mg/
mlヤギ抗大腸菌O157:H7ポリクロナール抗体
〔Kirkegaard & Perry Laboratories Inc.製、0.01
M−ホウ酸緩衝液(pH8)中〕2.1mlを加えて1
0℃で17時間反応させた。ついで、得られた反応混合
物に10重量%リジン水溶液〔0.01M−ホウ酸緩衝
液(pH8)中〕2.5mlを添加し、10℃で1時間
反応させた。ついで、得られた混合物を、洗浄液として
0.01M−ホウ酸緩衝液(pH8)を用いて遠心分離
洗浄し、着色ラテックス粒子標識抗大腸菌O157:H
7抗体を得た。得られた着色ラテックス粒子標識抗大腸
菌O157:H7抗体は、0.01M−ホウ酸緩衝液
(pH8)に、固形分濃度5重量%となるように懸濁し
た。
【0047】(2)ペルオキシダーゼと抗大腸菌O15
7:H7抗体で標識した着色ラテックス粒子(着色ラテ
ックス粒子標識ペルオキシダーゼ・抗大腸菌O157:
H7抗体と略す)の調製 前記(1)で得られた着色ラテックス粒子標識抗大腸菌
O157:H7抗体(固形分濃度5重量%)1.5ml
に、水溶性カルボジイミド(2.5mg/ml、0.0
1M−ホウ酸緩衝液(pH8)中)1.2mlと西洋ワ
サビ由来ペルオキシダーゼ〔和光純薬社製、450ユニ
ット/ml、0.01M−ホウ酸緩衝液(pH8)〕
1.05mlを添加し、10℃で17時間反応させた。
ついで、得られた反応混合物に10重量%リジン水溶液
〔0.01M−ホウ酸緩衝液(pH8)中〕1.25m
lを添加し、10℃で1時間反応させた。ついで、得ら
れた混合物を、洗浄液として0.01M−ホウ酸緩衝液
(pH8)を用いて遠心分離洗浄し、着色ラテックス粒
子標識ペルオキシダーゼ・抗大腸菌O157:H7抗体
を得た。得られた着色ラテックス粒子標識ペルオキシダ
ーゼ・抗大腸菌O157:H7抗体は、0.01M−ホ
ウ酸緩衝液(pH8)に、固形分濃度5重量%となるよ
うに懸濁した。
【0048】試験例1 実施例1で作製した各試験片について、365nmの励
起光を照射した場合および昼光色蛍光灯下における判定
用固定相および対照用固定相を目視観察した。結果を表
1および表2に示す。なお、表中、固定相観察の結果
は、「365nm光励起下での観察結果/昼光色蛍光灯
下での観察結果」として示す。
【0049】判定基準 ++:強い +:よく見える ±+ :やや弱い ±:弱い −+ :わずかに見える − :全く見えない
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】その結果、No.4および5の蛍光性化合
物を用いた試験片を除き、ラインとして塗布位置を確認
することができた。
【0053】また、蛍光性化合物の塗布密度が高い場
合、昼光色蛍光灯下で観察してもライン状の固定相が確
認できることがある。この場合、蛍光性化合物の塗布密
度を調節することにより、昼光色蛍光灯下におけるライ
ン状の固定相の可視化を低減させうることも示された。
【0054】試験例2 大腸菌O157:H7〔Kirkegaard & Perry Laborator
ies Inc.製、商品名:E.coli O157:H7 Positive Control
〕懸濁液(107 細胞/ml)100μlに実施例2
の(1)で得られた着色ラテックス標識抗大腸菌O15
7:H7抗体を固形分濃度が0.025重量%になるよ
うに添加し被検混合液を得た。得られた被検混合液50
μlを実施例1で作製した試験片の試料受領部に滴下
し、展開させ、着色を観察した。その結果、出現した青
色のラインの位置と判定用固定相の各蛍光性化合物由来
の蛍光ラインの位置とが一致した。
【0055】また、前記大腸菌O157:H7懸濁液1
00μlに実施例2の(2)で得られた着色ラテックス
粒子標識ペルオキシダーゼ・抗大腸菌O157:H7抗
体を固形分濃度が0.005重量%になるように添加し
被検混合液を得た。得られた被検混合液50μlを実施
例1で作製した試験片の試料受領部に滴下し、展開し
た。ついで、洗浄液として、0.1M−クエン酸緩衝液
(pH5.0)50μlを展開し、5分後、基質溶液と
して、TMB Membrane Peroxidase Substrate 〔Kirkegaa
rd & Perry Laboratories Inc.社製〕100μlを展開
した。その結果、ペルオキシダーゼ反応により呈色した
位置と判定用固定相の各蛍光性化合物由来の蛍光ライン
の位置とが一致することが示された。
【0056】試験例1および2の結果より、蛍光ライン
の位置を検出するだけで免疫クロマトグラフィー用試験
片の判定用固定相および対照用固定相の存在が確認でき
るので、品質管理が容易に行なうことが可能であること
が示された。
【0057】
【発明の効果】本発明の免疫クロマトグラフィー用試験
片は、試験片上に被検物質に対する特異的結合物質と蛍
光性化合物とが同一相内に固定されているため、また被
検物質に結合しない対照用の免疫学的成分と蛍光性化合
物とが同一相内に固定されているため、非破壊的に、か
つ簡便に該試験片の品質検査を行なうことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹原 隆雄 大阪府茨木市下穂積1−1−2 日東電工 株式会社内 (72)発明者 鞍田 智宏 大阪府茨木市下穂積1−1−2 日東電工 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検物質に対する判定用の特異的結合物
    質と蛍光性化合物とを同一相内に固定した判定用固定相
    を有してなる免疫クロマトグラフィー用試験片。
  2. 【請求項2】 被検物質に結合しない対照用の免疫学的
    成分と蛍光性化合物とを同一相内に固定した対照用固定
    相をさらに有してなる、請求項1記載の試験片。
  3. 【請求項3】 被検物質に結合しない対照用の免疫学的
    成分と蛍光性化合物とを同一相内に固定した対照用固定
    相を有してなる免疫クロマトグラフィー用試験片。
  4. 【請求項4】 蛍光性化合物が、水溶性ローダミン化合
    物、アクリジンオレンジおよび蛍光物質/タンパク質複
    合体からなる群より選ばれた1種以上である、請求項1
    〜3いずれか記載の試験片。
  5. 【請求項5】 水溶性ローダミン化合物がローダミンB
    である、請求項4記載の試験片。
  6. 【請求項6】 蛍光物質/タンパク質複合体が、ウシ血
    清アルブミン−ローダミン化合物複合体またはウシ血清
    アルブミン−フルオレッセンイソチオシアネート化合物
    複合体から選ばれた蛍光物質/アルブミン複合体であ
    る、請求項4記載の試験片。
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