JP2001132435A - 内燃機関の触媒劣化判断装置 - Google Patents

内燃機関の触媒劣化判断装置

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JP2001132435A
JP2001132435A JP31245799A JP31245799A JP2001132435A JP 2001132435 A JP2001132435 A JP 2001132435A JP 31245799 A JP31245799 A JP 31245799A JP 31245799 A JP31245799 A JP 31245799A JP 2001132435 A JP2001132435 A JP 2001132435A
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catalyst
reducing agent
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NOX 吸蔵還元触媒の劣化度合いを正確に判
断する。 【解決手段】 燃焼室3内における空燃比がリーンとな
るようにした内燃機関の排気通路内に、流入排気の空燃
比がリーンのときに流入排気中のNOX を蓄え、流入排
気中の酸素濃度が低下すると蓄えているNOX を放出し
て還元するNOX吸蔵還元触媒19を配置する。NOX
吸蔵還元触媒19からNOX を放出すべきときには燃焼
室3内で燃焼せしめられる混合気の空燃比を一時的にリ
ッチにする。NOX 吸蔵還元触媒19への流入排気の空
燃比がリーンでなくなってから、NOX 吸蔵還元触媒1
9からの流出排気の空燃比がリッチになるまでの経過時
間を検出する。流入排気の空燃比がリッチになるときの
NOX 吸蔵還元触媒温度、吸入空気量、NOX 貯蔵量な
どに基づいて経過時間を補正し、補正後の経過時間と基
準値とを比較することによりNOX 吸蔵還元触媒19の
劣化度合いを判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の触媒劣化
判断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】機関排気通路内の或る位置よりも上流の
排気通路、燃焼室、及び吸気通路内に供給された燃料量
及び還元剤量に対する、その位置よりも上流の排気通
路、燃焼室、及び吸気通路内に供給された空気量の比を
その位置における排気の空燃比と称すると、従来より、
燃焼室内における空燃比がリーンとなるようにした内燃
機関の排気通路内に、流入排気の空燃比がリーンのとき
に流入排気中のNOX を蓄え、流入排気中の酸素濃度が
低下すると蓄えているNOX を放出して還元するNOX
吸蔵還元触媒を配置し、NOX 吸蔵還元触媒からNOX
を放出すべきときにはNOX 吸蔵還元触媒への流入排気
の空燃比がリッチとなるように還元剤供給装置からNO
X 吸蔵還元触媒に還元剤を供給するようにした内燃機関
が公知である。
【0003】NOX 吸蔵還元触媒への流入排気の空燃比
がリッチにされたとしても、NOX吸蔵還元触媒のNO
X 放出・還元作用が行われている間はNOX 吸蔵還元触
媒からの流出排気の空燃比はほぼ理論空燃比に維持さ
れ、次いでNOX 吸蔵還元触媒のNOX 放出・還元作用
が完了すると流出排気の空燃比がリッチに切り替わるこ
とが確認されている。従って、還元剤供給装置による還
元剤供給作用を開始した後NOX 吸蔵還元触媒への流入
排気の空燃比がリーンでなくなってから、NOX吸蔵還
元触媒からの流出排気の空燃比がリッチになるまでの経
過時間はNOX 吸蔵還元触媒のNOX 貯蔵能力を表して
おり、逆に言うとNOX 吸蔵還元触媒の劣化度合いを表
していることになる。
【0004】そこで、この経過時間を検出し、経過時間
と予め定められた基準値とを比較することによりNOX
吸蔵還元触媒の劣化度合いを判断するようにした内燃機
関の触媒劣化判断装置が公知である(特開平10−29
9469号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、経過時
間は還元剤供給装置による還元剤供給作用時又は還元剤
供給作用開始時における機関運転状態又はNOX 吸蔵還
元触媒の状態に応じて変動しうる。即ち、例えば還元剤
供給装置による還元剤供給作用開始時におけるNOX
蔵還元触媒のNOX 貯蔵量が少ないときには多いときに
比べて経過時間は短くなる。ところが、単に経過時間が
短いということでNOX 吸蔵還元触媒の劣化度合いが大
きくなったと判断すると誤判断することになる。
【0006】従って、本発明の目的はNOX 吸蔵還元触
媒の劣化度合いを正確に判断することができる内燃機関
の触媒劣化判断装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に1番目の発明によれば、燃焼室内における空燃比がリ
ーンとなるようにした内燃機関の排気通路内に、流入排
気の空燃比がリーンのときに流入排気中のNOX を蓄
え、流入排気中の酸素濃度が低下すると蓄えているNO
X を放出して還元するNOX 吸蔵還元触媒を配置し、N
X 吸蔵還元触媒からNOX を放出すべきときにはNO
X 吸蔵還元触媒への流入排気の空燃比がリッチとなるよ
うに還元剤供給装置からNOX 吸蔵還元触媒に還元剤を
供給し、還元剤供給装置による還元剤供給作用を開始し
た後NOX 吸蔵還元触媒への流入排気の空燃比がリーン
でなくなってから、NOX 吸蔵還元触媒からの流出排気
の空燃比がリッチになるまでの経過時間を検出し、該経
過時間と予め定められた基準値とを比較することにより
NOX 吸蔵還元触媒の劣化度合いを判断するようにした
内燃機関の触媒劣化判断装置において、還元剤供給装置
による還元剤供給作用時又は還元剤供給作用開始時にお
ける機関運転状態又はNOX 吸蔵還元触媒の状態に基づ
いて経過時間と基準値とのうち少なくとも一方を補正
し、補正後の経過時間と基準値とを比較することにより
NOX 吸蔵還元触媒の劣化度合いを判断するようにして
いる。即ち1番目の発明では、還元剤供給作用時又は還
元剤供給作用開始時における機関運転状態又はNOX
蔵還元触媒の状態に関わらず、NO X 吸蔵還元触媒の劣
化度合いが正確に判断される。
【0008】また、2番目の発明によれば1番目の発明
において、還元剤供給装置による還元剤供給作用開始時
におけるNOX 吸蔵還元触媒の温度に基づいて経過時間
又は基準値を補正するようにしている。即ち2番目の発
明では、還元剤供給作用開始時におけるNOX 吸蔵還元
触媒の温度に関わらず、NOX 吸蔵還元触媒の劣化度合
いが正確に判断される。
【0009】また、3番目の発明によれば1番目の発明
において、還元剤供給装置による還元剤供給作用開始時
におけるNOX 吸蔵還元触媒のNOX 貯蔵量に基づいて
経過時間又は基準値を補正するようにしている。即ち3
番目の発明では、還元剤供給作用開始時におけるNOX
吸蔵還元触媒のNOX 貯蔵量に関わらず、NOX 吸蔵還
元触媒の劣化度合いが正確に判断される。
【0010】また、4番目の発明によれば1番目の発明
において、還元剤供給装置による還元剤供給作用時にN
X 吸蔵還元触媒への流入排気の空燃比が予め定められ
た設定空燃比となるように還元剤供給量が制御されてお
り、該設定空燃比に基づいて経過時間又は基準値を補正
するようにしている。即ち4番目の発明では、還元剤供
給作用時におけるNOX 吸蔵還元触媒への流入排気の空
燃比に関わらず、NO X 吸蔵還元触媒の劣化度合いが正
確に判断される。
【0011】また、上記課題を解決するために5番目の
発明によれば、燃焼室内における空燃比がリーンとなる
ようにした内燃機関の排気通路内に、流入排気の空燃比
がリーンのときに流入排気中のNOX を蓄え、流入排気
中の酸素濃度が低下すると蓄えているNOX を放出して
還元するNOX 吸蔵還元触媒を配置し、NOX 吸蔵還元
触媒からNOX を放出すべきときにはNOX 吸蔵還元触
媒への流入排気の空燃比がリッチとなるように還元剤供
給装置からNOX 吸蔵還元触媒に還元剤を供給し、還元
剤供給装置による還元剤供給作用を開始した後NOX
蔵還元触媒への流入排気の空燃比がリーンでなくなって
から、NOX 吸蔵還元触媒からの流出排気の空燃比がリ
ッチになるまでの経過時間を検出し、該経過時間と予め
定められた基準値とを比較することによりNOX 吸蔵還
元触媒の劣化度合いを判断するようにした内燃機関の触
媒劣化判断装置において、還元剤供給装置による還元剤
供給作用時又は還元剤供給作用開始時における機関運転
状態又はNOX 吸蔵還元触媒の状態が予め定められた設
定状態であるか否かを判断し、該状態が設定状態である
ときの経過時間と基準値とを比較することによりNOX
吸蔵還元触媒の劣化度合いを判断するようにしている。
即ち5番目の発明では、機関運転状態又はNOX 吸蔵還
元触媒の状態が設定状態でなければNOX 吸蔵還元触媒
の劣化度合いの判断が禁止されるので、NOX 吸蔵還元
触媒の劣化度合いが正確に判断される。
【0012】
【発明の実施の形態】図1を参照すると、1は機関本
体、2はピストン、3は燃焼室、4は吸気ポート、5は
吸気弁、6は排気ポート、7は排気弁、8は点火栓を夫
々示す。吸気ポート4は対応する吸気枝管9を介してサ
ージタンク10に接続され、サージタンク10は吸気ダ
クト11を介してエアクリーナ12に接続される。吸気
枝管9内には燃料噴射弁13が配置され、吸気ダクト1
1内にはスロットル弁14が配置される。一方、排気ポ
ート6は排気マニホルド15を介して始動時用触媒16
を収容したケーシング17に接続され、ケーシング17
は排気管18を介してNO X 吸蔵還元触媒19を収容し
たケーシング20に接続される。さらに、ケーシング2
0には排気管21が接続される。
【0013】電子制御ユニット(ECU)30はデジタ
ルコンピュータからなり、双方向性バス31を介して相
互に接続されたROM(リードオンリメモリ)32、R
AM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイク
ロプロセッサ)34、常時電源に接続されているB−R
AM(バックアップRAM)35、入力ポート36、及
び出力ポート37を具備する。吸気ダクト11内には吸
入空気の質量流量を検出するための吸入空気量センサ3
8が配置される。排気管18にはNOX 吸蔵還元触媒1
9への流入排気の温度に比例した出力電圧を発生する温
度センサ39が取り付けられる。この排気温度はNOX
吸蔵還元触媒19の温度を表しており、以下、触媒温度
TCと称する。また、排気管18にはNOX 吸蔵還元触
媒19への流入排気の空燃比AFIを表す出力電圧を発
生する空燃比センサ40が取り付けられ、排気管21に
はNOX 吸蔵還元触媒19からの流出排気の空燃比AF
Oを表す出力電圧を発生する空燃比センサ41が取り付
けられる。これらセンサ38,39,40,41の出力
電圧はそれぞれ対応するAD変換器42を介して入力ポ
ート36に入力される。さらに、入力ポート36には機
関回転数を表す出力パルスを発生する回転数センサ43
が接続される。一方、出力ポート37はそれぞれ対応す
る駆動回路44を介して各点火栓8、各燃料噴射弁1
3、及び表示装置45にそれぞれ接続される。
【0014】表示装置45はNOX 吸蔵還元触媒19の
劣化度合いが予め定められた設定度合いよりも大きくな
ったことを表示するためのものであり、例えばランプか
らなる。図2は気筒から排出される排気中の代表的な成
分の濃度を概略的に示している。図2からわかるよう
に、気筒から排出される排気中の未燃HC,COの量は
燃焼室3内で燃料せしめられる混合気の空燃比がリッチ
になるほど増大し、気筒から排出される排気中の酸素O
2 の量は燃焼室3内で燃料せしめられる混合気の空燃比
がリーンになるほど増大する。なお、NOX 吸蔵還元触
媒19上流の排気通路内に還元剤又は空気が2次的に供
給されない場合には、NOX 吸蔵還元触媒19への流入
排気の空燃比は燃焼室3内で燃焼せしめられる混合気の
空燃比に一致する。
【0015】始動時触媒17はNOX 吸蔵還元触媒19
が活性化していない機関始動時に排気を浄化するための
ものであり、例えばアルミナ担体上に白金Ptのような
貴金属が担持された三元触媒から形成される。NOX
蔵還元触媒19は例えばアルミナを担体とし、この担体
上に例えばカリウムK,ナトリウムNa,リチウムL
i,セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムB
a,カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンL
a,イットリウムYのような希土類から選ばれた少なく
とも一つと、白金Pt、パラジウムPd、ロジウムR
h、イリジウムIrのような貴金属とが担持されてい
る。このNOX 吸蔵還元触媒19は流入排気の空燃比が
リーンのときにはNOX を蓄え、流入排気中の酸素濃度
が低下すると蓄えているNOX を放出して還元するNO
X吸放出・還元作用を行う。ここで、NOX 吸蔵還元触
媒19は吸収によりNOXを蓄えると考えられている。
【0016】上述のNOX 吸蔵還元触媒19を機関排気
通路内に配置すればこのNOX 吸蔵還元触媒19は実際
にNOX 吸放出・還元作用を行うがこのNOX 吸放出・
還元作用の詳細なメカニズムについては明らかでない部
分もある。しかしながらこのNOX 吸放出・還元作用は
図3(A),3(B)に示すようなメカニズムで行われ
ているものと考えられる。次にこのメカニズムについて
担体上に白金Pt及びバリウムBaを担持させた場合を
例にとって説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アル
カリ土類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0017】即ち、流入排気がかなりリーンになると流
入排気中の酸素濃度が大巾に増大し、図3(A)に示さ
れるようにこれら酸素O2 がO2 - 又はO2-の形で白金
Ptの表面に付着する。一方、流入排気中のNOは白金
Ptの表面上でO2 - 又はO 2-と反応し、NO2 となる
(2NO+O2 →2NO2 )。次いで生成されたNO 2
の一部は白金Pt上でさらにに酸化されつつ吸収剤内に
吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、図3
(A)に示されるように硝酸イオンNO3 - の形で吸収
剤内に拡散する。このようにしてNOX がNOX 吸蔵還
元触媒19内に吸収される。
【0018】流入する排気中の酸素濃度が高い限り白金
Ptの表面でNO2 が生成され、吸収剤のNOX 吸収能
力が飽和しない限りNO2 が吸収剤内に吸収されて硝酸
イオンNO3 - が生成される。これに対して流入する排
気中の酸素濃度が低下してNO2 の生成量が低下すると
反応が逆方向(NO3 - →NO2 )に進み、斯くして吸
収剤内の硝酸イオンNO3 - がNO2 の形で吸収剤から
放出される。即ち、流入排気中の酸素濃度が低下すると
NOX 吸蔵還元触媒19からNOX が放出されることに
なる。流入排気のリーンの度合が低くなれば流入排気中
の酸素濃度が低下し、従って流入排気のリーンの度合を
低くすればNOX 吸蔵還元触媒19からNOX が放出さ
れることになる。
【0019】一方、このときNOX 吸蔵還元触媒19へ
の流入排気の空燃比をリッチ又は理論空燃比にすると、
この排気中には図2からわかるように多量のHC,CO
が含まれ、この多量のHC,COは白金Pt上の酸素O
2 - 又はO2-と反応して酸化せしめられる。また、流入
排気の空燃比をリッチ又は理論空燃比にすると流入排気
中の酸素濃度が低下するために吸収剤からNO2 が放出
され、このNO2 は図3(B)に示されるようにHC,
COと反応して還元せしめられる。このようにして白金
Ptの表面上にNO2 が存在しなくなると吸収剤から次
から次へとNO 2 が放出され、還元される。
【0020】図1の内燃機関では次式に基づいて燃料噴
射時間TAUが算出される。 TAU=TB・KK・(AFS/AFT) ここでTBは基本燃料噴射時間、KKは補正係数、AF
Sは理論空燃比(=14.6)、AFTは目標空燃比を
それぞれ表している。基本燃料噴射時間TBは燃焼室3
内で燃焼せしめられる混合気の空燃比を理論空燃比にす
るのに必要な燃料噴射時間であって予め実験により求め
られている。この基本燃料噴射時間TBは機関運転状態
例えば機関負荷を表す吸入空気量Ga及び機関回転数N
の関数として予めROM32内に記憶されている。
【0021】補正係数KKは暖機運転時増量補正係数、
加速時増量補正係数、学習補正係数などを一まとめにし
て表したものであり、補正する必要がないときには1.
0に維持される。目標空燃比AFTは燃焼室3内で燃焼
せしめられる混合気の空燃比の目標値であり、従ってN
X 吸蔵還元触媒19への流入排気の空燃比の目標値を
表している。AFT>AFSのときにはNOX 吸蔵還元
触媒19への流入排気の空燃比がリーンになり、AFT
<AFSのときにはNOX 吸蔵還元触媒19への流入排
気の空燃比がリッチになる。
【0022】図1の内燃機関では通常運転時、目標空燃
比AFTが例えば機関運転状態に応じて定められるリー
ン空燃比AFL(>AFS)に維持される。従って、機
関1から排出されるNOX がNOX 吸蔵還元触媒19内
に蓄えられることになる。ところが、NOX 吸蔵還元触
媒19のNOX 貯蔵能力には限界があるのでNO X 吸蔵
還元触媒19のNOX 貯蔵能力が飽和する前にNOX
蔵還元触媒19からNOX を放出させる必要がある。そ
こで本実施態様では、NOX 吸蔵還元触媒19に貯蔵さ
れているNOX 量を求め、このNOX 貯蔵量が予め定め
られた設定値よりも多くなったときにNOX 吸蔵還元触
媒19への流入排気の空燃比を一時的にリッチに切り換
え、それによりNOX 吸蔵還元触媒19内に蓄えられて
いるNOX 放出して還元するようにしている。即ち、N
X 吸蔵還元触媒19内のNOX を放出、還元すべきと
きには目標空燃比AFTが一時的にリーン空燃比AFL
からリッチ空燃比AFRに切り換えられる。
【0023】図4は目標空燃比AFTをリッチに切り換
えたときのNOX 吸蔵還元触媒19への流入排気の空燃
比AFI及び流出排気の空燃比AFOの変化を概略的に
示す実験結果である。図4の時間aにおいてNOX 吸蔵
還元触媒19のNOX 放出、還元作用を開始すべきであ
ると判断されると、目標空燃比AFTがリッチ空燃比A
FRに向けて徐々に低下せしめられ、その結果流入排気
空燃比AFI及び流出排気空燃比AFOが低下する。
【0024】次いで、時間bとなると流入排気空燃比A
FIが理論空燃比になり、次いでリッチになる。即ち、
リーンでなくなる。一方、このとき流出排気空燃比AF
Oはほぼ理論空燃比AFTに維持される。これは流入排
気空燃比AFIがリーンでなくなるとNOX 吸蔵還元触
媒19のNOX 放出、還元作用が実質的に始まり、NO
X 吸蔵還元触媒19内においてHC,COとNOX ,O
2 とがほぼバランスするためであると考えられている。
なお、このとき流出排気空燃比AFOがわずかばかりリ
ッチに維持されることもある。
【0025】次いで、時間cとなると流出排気空燃比A
FOがリッチになり、次いでリッチ空燃比AFRに一致
するまで低下する。これはNOX 吸蔵還元触媒19内に
NO X ,O2 がほとんどなくなったためにHC,COが
過剰となるからであると考えられている。従って、時間
cはNOX 放出、還元作用が完了した時間と見ることが
できる。
【0026】そこで、流出排気空燃比AFOがリッチに
なったときには目標空燃比AFTを直ちにリーン空燃比
AFLに戻すようにしている。なお、図4は流出排気空
燃比AFOがリッチになった後にも目標空燃比AFTを
リッチ空燃比AFRに維持した場合を示しており、本実
施態様の空燃比制御とは異なっている。従って、流入排
気空燃比AFIがリーンでなくなってから流出排気空燃
比がリッチになるまでの経過時間ETにおいて、NOX
吸蔵還元触媒19のNOX 放出、還元作用が実質的に行
われていると考えることができる。
【0027】一方、NOX 吸蔵還元触媒19のNOX
蔵量を直接求めることはできない。しかしながら、NO
X 吸蔵還元触媒19に流入するNOX 量の積算値はNO
X 貯蔵量を表している。そこで本実施態様では、NOX
吸蔵還元触媒19に単位時間当たり流入するNOX 量Q
Nを求め、このNOX 量QNの積算値SQNが予め定め
られた設定値よりも大きくなったときにNOX 吸蔵還元
触媒19のNOX 放出、還元作用を開始するようにして
いる。
【0028】ところで、NOX 吸蔵還元触媒19を使用
するにつれてNOX 吸蔵還元触媒19が劣化し、その結
果NOX 吸蔵還元触媒19のNOX 貯蔵作用が低下す
る。一方、NOX 吸蔵還元触媒19内のNOX 貯蔵量が
少なくなるにつれてNOX 放出、還元作用に必要な時間
が短くなる。従って、上述の経過時間ETが予め定めら
れた基準値REFよりも短くなったときにはNOX 吸蔵
還元触媒19の劣化度合いが予め定められた設定度合い
よりも大きくなったと判断することができる。
【0029】ところが、冒頭で述べたように経過時間E
TはNOX 吸蔵還元触媒19のNO X 放出、還元作用時
又はNOX 放出、還元作用開始時における機関運転状態
又はNOX 吸蔵還元触媒19の状態に応じて変動しう
る。このことについて図5及び図6を参照して詳細に説
明する。NOX 吸蔵還元触媒19のNOX 放出、還元作
用を行うべく目標空燃比AFTのリッチ空燃比AFRへ
の変更作用が開始されたときのNOX 吸蔵還元触媒19
のNOX 貯蔵量、並びに三元触媒16及びNOX 吸蔵還
元触媒19の酸素貯蔵量をそれぞれSQNR,SQOX
Rとし、NOX 吸蔵還元触媒19への流入排気の空燃比
AFIがリーンの状態からリーンでない状態に切り替わ
ったときの触媒温度及び吸入空気量をそれぞれTCR,
GaRとし、NOX 放出、還元作用時におけるリッチ空
燃比をAFTRとすると、図5(A)はTCRと経過時
間ETとの関係を、図5(B)はSQNRと経過時間E
Tとの関係を、図5(C)はAFRRと経過時間ETと
の関係を、図6(A)はGaRと経過時間ETとの関係
を、図6(B)はSQOXRと経過時間ETとの関係を
それぞれ示している。
【0030】図5(A)からわかるように、経過時間E
Tは触媒温度TCRが低いときにはTCRが低くなるつ
れて短くなり、触媒温度TCRが高いときにはTCRが
高くなるつれて短くなる。これはNOX 吸蔵還元触媒1
9のNOX 吸蔵能力が触媒温度に依存しており、NOX
吸蔵能力が低くなると放出、還元すべきNOX 量が少な
くなるために経過時間ETが短くなるためであると考え
られている。
【0031】また、図5(B)からわかるように、経過
時間ETはNOX 貯蔵量SQNRが大きくなるにつれて
長くなる。これはNOX 吸蔵量が多くなると放出、還元
すべきNOX 量が多くなるために経過時間ETが長くな
るためであると考えられている。さらに、図5(C)か
らわかるように、経過時間ETはリッチ空燃比AFRR
が小さくなるにつれて短くなる。これはリッチ空燃比が
小さくなるにつれてNO X 吸蔵還元触媒19に単位時間
当たりに供給される還元剤即ちHC,COの量が多くな
るからであると考えられている。
【0032】さらに、図6(A)からわかるように、経
過時間ETは吸入空気量GaRが多くなるにつれて短く
なる。これは吸入空気量が多くなるにつれてNOX 吸蔵
還元触媒19に単位時間当たりに供給されるHC,CO
の量が多くなるからであると考えられている。さらに、
図6(B)からわかるように、経過時間ETは酸素貯蔵
量SQOXRが多くなるにつれて長くなる。これは酸素
貯蔵量が多くなるにつれて、NOX 放出、還元作用に使
用されることなく消費されるHC,CO量が増大するた
めであると考えられている。
【0033】このように経過時間は変動しうる。従っ
て、NOX 流入量積算値SQNが設定値よりも大きくな
ったということでNOX 吸蔵還元触媒19のNOX
出、還元作用を開始し、このとき経過時間ETが基準値
REFよりも短くなったということでNOX 吸蔵還元触
媒19の劣化度合いが設定度合いよりも大きくなったと
判断すると、誤判断することになる。
【0034】そこで、上述のTCR,SQNR,AFR
R,GaR,SQOXRに基づき経過時間ETを補正
し、補正後の経過時間CETが基準値REFよりも短く
なったときにNOX 吸蔵還元触媒19の劣化度合いが設
定度合いよりも大きくなったと判断するようにしてい
る。具体的には、補正後の経過時間CETは次式により
算出される。
【0035】 CET=ET・KT・KN・KR・KG・KOX ここでKTは触媒温度補正係数、KNはNOX 吸蔵量補
正係数、KRはリッチ空燃比補正係数、KGは吸入空気
量補正係数、KOXは酸素貯蔵量補正係数をそれぞれ表
している。触媒温度補正係数KTは図7(A)に示され
るように、触媒温度TCRが低いときにはTCRが低く
なるつれて大きくなり、触媒温度TCRが高いときには
TCRが高くなるつれて大きくなる。この補正係数KT
は図7(A)に示すマップの形で予めROM32内に記
憶されている。
【0036】NOX 吸蔵量補正係数KNは図7(B)に
示されるように、NOX 貯蔵量SQNRが大きくなるに
つれて小さくなる。この補正係数KNは図7(B)に示
すマップの形で予めROM32内に記憶されている。リ
ッチ空燃比補正係数KRは図7(C)に示されるよう
に、リッチ空燃比AFRRが小さくなるにつれて大きく
なる。この補正係数KRは図7(C)に示すマップの形
で予めROM32内に記憶されている。
【0037】吸入空気量補正係数KGは図8(A)に示
されるように、吸入空気量GaRが多くなるにつれて大
きくなる。この補正係数KGは図8(A)に示すマップ
の形で予めROM32内に記憶されている。酸素貯蔵量
補正係数KOXは図8(B)に示されるように、酸素貯
蔵量SQOXRが多くなるにつれて小さくなる。この補
正係数KGは図8(B)に示すマップの形で予めROM
32内に記憶されている。
【0038】このように補正後の経過時間CETを用い
ることによりNOX 吸蔵還元触媒19の劣化度合いを正
確に判断することができる。図9及び図10は目標空燃
比AFTの算出ルーチンを示している。このルーチンは
予め定められた設定時間毎の割り込みによって実行され
る。図9及び図10を参照すると、まずステップ50で
はフラグがセットされているか否かが判別される。この
フラグはNOX 吸蔵還元触媒19のNOX 放出、還元作
用を行うべきときにセットされ、それ以外はリセットさ
れるものである。フラグがリセットされているときには
次いでステップ51に進み、リーン空燃比AFLが算出
される。リーン空燃比AFLは例えば機関負荷を表す吸
入空気量Ga、機関回転数N、目標空燃比AFTがリー
ン空燃比AFLに切り換えられてからの時間の関数とし
て予め定められている。続くステップ52ではこのAF
Lが目標空燃比AFTとされる。
【0039】続くステップ53では単位時間当たりにN
X 吸蔵還元触媒19に流入するNOX 量QNが算出さ
れる。単位時間当たりの流入NOX 量QNは吸入空気量
Gaが多くなるにつれて多くなり、機関回転数Nが高く
なるにつれて多くなるので、例えば吸入空気量Ga及び
機関回転数Nに基づいて単位時間当たりの流入NOX
QNを求めることができる。続くステップ54では流入
NOX 量積算値SQNが算出される(SQN=SQN+
QN)。続くステップ55では単位時間当たりに機関1
から排出される酸素量QOXが算出される。単位時間当
たりの排出酸素量QOXは吸入空気量Gaが多くなるに
つれて多くなり、リーン空燃比AFLが大きくなるにつ
れて多くなるので、例えば吸入空気量Ga及びリーン空
燃比AFLに基づいて単位時間当たりの排出酸素量QO
Xを求めることができる。続くステップ56では排出酸
素量積算値SQOXが算出される(SQOX=SQOX
+QOX)。この排出酸素量積算値SQOXは三元触媒
17及びNOX 吸蔵還元触媒19内に貯蔵されている酸
素量を表している。
【0040】続くステップ57では流入NOX 量積算値
SQNが予め定められた設定値S1よりも大きいか否か
が判別される。SQN≦S1のときには処理サイクルを
終了する。これに対しSQN>S1のときには次いでス
テップ58に進み、NOX 吸蔵還元触媒19のNOX
出、還元作用を行うための条件が成立しているか否かが
判別される。例えば、機関始動時、アイドリング運転
時、加速運転時には条件不成立とされ、それ以外は条件
成立とされる。条件不成立のときには処理サイクルを終
了する。条件成立のときには次いでステップ59に進
み、フラグがセットされる。続くステップ60ではリッ
チ空燃比AFRが算出される。リッチ空燃比AFRは例
えば吸入空気量Ga、機関回転数N、補正後の経過時間
CETの関数として予め定められている。続くステップ
61ではこのときの流入NOX 量積算値SQNがNOX
貯蔵量SQNRとして記憶され、排出酸素量積算値SQ
OXが酸素貯蔵量SQOXRとして記憶される。続くス
テップ62ではSQN及びSQOXがクリアされる。次
いで処理サイクルを終了する。
【0041】フラグがセットされたときにはステップ5
0からステップ63に進み、目標空燃比AFTが一定値
aだけ減少される(AFT=AFT−a)。続くステッ
プ64では目標空燃比AFTがリッチ空燃比AFRより
も小さいか否かが判別される。AFT≧AFRのときに
は処理サイクルを終了する。AFT<AFRのときには
次いでステップ65に進み、AFTがAFRに一致せし
められる。従って、フラグがセットされると目標空燃比
AFTがAFLから徐々に減少せしめられ、次いでAF
Rに維持される。フラグがリセットされると目標空燃比
AFTがAFLに戻される。
【0042】なお、本実施態様では、NOX 吸蔵還元触
媒19のNOX 還元、放出作用を行うためにNOX 吸蔵
還元触媒19に還元剤を供給しているという見方もでき
る。この場合、目標空燃比AFTがリーン空燃比AFL
から減少され始めてから、再びリーン空燃比AFLに戻
されるまでが還元剤供給作用時ということになる。図1
1は経過時間ETの算出ルーチンを示している。このル
ーチンは予め定められた設定時間毎の割り込みによって
実行される。
【0043】図11を参照すると、まずステップ70で
は上述のフラグがセットされているか否かが判別され
る。フラグがリセットされているときには処理サイクル
を終了する。フラグがセットされているときには次いで
ステップ71に進み、流入排気空燃比AFIがリーンで
あるか否かが判別される。例えば、AFI>14.8の
ときにリーンと判断され、AFI≦14.8のときにリ
ーンでないと判断される。AFIがリーンのときには処
理サイクルを終了する。AFIがリーンでないときには
次いでステップ72に進み、前回の処理サイクルにおい
て流入排気空燃比AFIがリーンであるか否かが判別さ
れる。前回の処理サイクルにおいてAFIがリーンのと
き、即ちAFIがリーンの状態からからリーンでない状
態に切り替わったときには次いでステップ73に進み、
このときの触媒温度TCがTCRとして、吸入空気量G
aがGaRとして記憶される。次いでステップ74に進
む。これに対し、前回の処理サイクルにおいてAFIが
リーンでないときにはステップ74にジャンプする。
【0044】ステップ74では経過時間ETが1だけイ
ンクリメントされる。続くステップ75では流出排気空
燃比AFOがリッチであるか否かが判別される。例え
ば、AFO<14.4のときにリッチと判断され、AF
O≧14.4のときにリッチでないと判断される。AF
Oがリッチでないときには次いで処理サイクルを終了す
る。これに対し、AFOがリッチのときには次いでステ
ップ76に進み、このときのリッチ空燃比AFRがAF
RRとして記憶される。続くステップ77ではフラグが
リセットされ、続くステップ78では劣化判断ルーチン
が実行される。この劣化判断ルーチンは図12に示され
ている。
【0045】図12を参照すると、まずステップ80で
は図7(A)のマップから触媒温度補正係数KTが算出
される。続くステップ81では図7(B)のマップから
NO X 貯蔵量補正係数KNが算出され、続くステップ8
2では図8(B)のマップから酸素貯蔵量補正係数KO
Xが算出される。続くステップ83では図7(C)のマ
ップからリッチ空燃比補正係数KRが算出され、続くス
テップ84では図8(A)のマップから吸入空気量補正
係数KGが算出される。続くステップ85では補正され
た経過時間CETが算出される(CET=ET・KT・
KN・KOX・KR・KG)。続くステップ86では補
正された経過時間CETが基準値REFよりも小さいか
否かが判別される。CET<REFのときには次いでス
テップ87に進み、表示装置45が作動せしめられる。
これに対しCET≧REFのときには次いでステップ8
8に進み、表示装置45が停止せしめられる。
【0046】再び図11を参照すると、続くステップ7
9では経過時間ETがクリアされる。図13は燃料噴射
時間TAUの算出ルーチンを示している。このルーチン
は予め定められた設定時間毎の割り込みによって実行さ
れる。図13を参照すると、まずステップ90では基本
燃料噴射時間TBが算出される。続くステップ91では
補正係数KKが算出される。続くステップ92では燃料
噴射時間TAUが算出される(TAU=TB・KK・A
FS/AFT)。上述の実施態様では、TCR,SQN
R,AFRR,GaR,SQOXRに基づき経過時間E
Tを補正している。しかしながら、TCR,SQNR,
AFRR,GaR,SQOXRに基づき基準値REFを
補正し、経過時間ETが補正後の基準値よりも短くなっ
たときにNOX 吸蔵還元触媒19の劣化度合いが設定度
合いよりも大きくなったと判断することもできる。当
然、両方を補正してもよい。
【0047】図14に別の実施態様を示す。図14の内
燃機関はNOX 吸蔵還元触媒19上流の排気管18に空
燃比センサ40が取り付けられていない点で図1の内燃
機関と構成を異にしている。流入排気空燃比AFIがリ
ーンの状態からリーンでない状態に切り替わったときに
は、流出排気空燃比AFOもリーンの状態からリーンで
ない状態に切り替わる。即ち、流入排気空燃比AFIの
変化は流出排気空燃比AFOを検出することにより知る
ことができる。そこで本実施態様ではNOX 吸蔵還元触
媒19上流の空燃比センサを省略し、NOX 吸蔵還元触
媒19下流の空燃比センサ41により流入排気空燃比A
FIがリーンの状態からリーンでない状態に切り替った
か否かを判断するようにしている。
【0048】一方、上述したように、機関運転状態又は
NOX 吸蔵還元触媒19の状態に応じて経過時間ETは
変動しうるので、異なる状態における経過時間ETを比
較することは無意味ということになる。従って、同じ状
態における経過時間ETを比較すればNOX 吸蔵還元触
媒19の劣化度合いを正確に判断できることになる。そ
こで本実施態様では、機関運転状態又はNOX 吸蔵還元
触媒19の状態が予め定められた設定状態であるときの
経過時間ETに基づいてNOX 吸蔵還元触媒19の劣化
度合いを判断するようにしている。言い換えると、機関
運転状態又はNOX 吸蔵還元触媒19の状態が設定状態
でないときにはNOX 吸蔵還元触媒19の劣化度合いの
判断を禁止しているということになる。
【0049】具体的には、触媒温度TCRが予め定めら
れた設定範囲内にあり、かつNOX貯蔵量SQNRが予
め定められた設定範囲内にあり、かつリッチ空燃比AF
RRが予め定められた設定範囲内にあり、かつ吸入空気
量GaRが予め定められた設定範囲内にあり、かつ酸素
貯蔵量SQOXRが予め定められた設定範囲内にあると
きには、NOX 吸蔵還元触媒19の劣化度合いが判断さ
れる。いずれか一つが設定範囲外のときにはNOX 吸蔵
還元触媒19の劣化度合いの判断は行われない。
【0050】図15は本実施態様における経過時間ET
の算出ルーチンを示している。このルーチンは予め定め
られた設定時間毎の割り込みによって実行される。な
お、本実施態様においても図9及び図10に示される目
標空燃比AFTの算出ルーチンと、図13に示される燃
料噴射時間TAUの算出ルーチンとが実行される。図1
5を参照すると、まずステップ170では上述のフラグ
がセットされているか否かが判別される。フラグがリセ
ットされているときには処理サイクルを終了する。フラ
グがセットされているときには次いでステップ171に
進み、流入排気空燃比AFIがリーンであるか否かが判
別される。例えば、流出排気空燃比AFO>14.8の
ときにリーンと判断され、AFO≦14.8のときにリ
ーンでないと判断される。AFIがリーンのときには処
理サイクルを終了する。AFIがリーンでないときには
次いでステップ172に進み、前回の処理サイクルにお
いて流入排気空燃比AFIがリーンであるか否かが判別
される。前回の処理サイクルにおいてAFIがリーンの
ときには次いでステップ173に進み、このときの触媒
温度TCがTCRとして、吸入空気量GaがGaRとし
て記憶される。次いでステップ174に進む。前回の処
理サイクルにおいてAFIがリーンでないときにはステ
ップ174にジャンプする。
【0051】ステップ174では経過時間ETが1だけ
インクリメントされ、続くステップ175では流出排気
空燃比AFOがリッチであるか否かが判別される。例え
ば、AFO<14.4のときにリッチと判断され、AF
O≧14.4のときにリッチでないと判断される。AF
Oがリッチでないときには次いで処理サイクルを終了す
る。これに対し、AFOがリッチのときには次いでステ
ップ176に進み、このときのリッチ空燃比AFRがA
FRRとして記憶される。続くステップ177ではフラ
グがリセットされ、続くステップ178では図16に示
される劣化判断ルーチンが実行される。
【0052】図16を参照すると、まずステップ180
では触媒温度TCRが設定範囲内にあるか否かが判別さ
れる。TCRが設定範囲内にあるときには次いでステッ
プ181に進み、NOX 貯蔵量SQNRが設定範囲内に
あるか否かが判別される。SQNRが設定範囲内にある
ときには次いでステップ182に進み、酸素貯蔵量SQ
OXRが設定範囲内にあるか否かが判別される。SQO
XRが設定範囲内にあるときには次いでステップ183
に進み、リッチ空燃比AFRRが設定範囲内にあるか否
かが判別される。AFRRが設定範囲内にあるときには
次いでステップ184に進み、吸入空気量GaRが設定
範囲内にあるか否かが判別される。GaRが設定範囲内
にあるときには次いでステップ185に進み、経過時間
ETが基準値REFよりも小さいか否かが判別される。
ET<REFのときには次いでステップ186に進み、
表示装置45が作動せしめられる。これに対しET≧R
EFのときには次いでステップ187に進み、表示装置
45が停止せしめられる。一方、TCR,SQNR,S
QOXR,AFRR,GaRのうちいずれか一つが設定
範囲外にあるときにもステップ187に進む。
【0053】再び図15を参照すると、続くステップ1
79では経過時間ETがクリアされる。これまで述べて
きた実施態様では、燃焼室3内で燃焼せしめられる混合
気の空燃比をリッチにすることにより、NOX 吸蔵還元
触媒19への流入排気の空燃比がリッチになるようにし
ている。しかしながら、機関膨張行程又は排気行程に2
回目の燃料噴射を行うことにより流入排気空燃比がリッ
チになるようにすることもできる。或いは、排気管18
に還元剤供給装置を設け、この還元剤供給装置から還元
剤を供給することにより流入排気空燃比がリッチになる
ようにしてもよい。この場合、還元剤として例えばガソ
リン、イソオクタン、ヘキサン、ヘプタン、軽油、灯
油、ブタン、プロパンのような炭化水素、水素、アンモ
ニア、尿素などを用いることができる。
【0054】また、これまで述べてきた実施態様では、
NOX 吸蔵還元触媒19への流入排気の空燃比AFIが
リーンの状態からリーンでない状態に切り替わったとき
を経過時間ETの開始時間としている。しかしながら、
流入排気空燃比AFIがリッチでない状態からリッチの
状態に切り替わったときを経過時間ETの開始時間とす
ることもできる。この場合、例えば、AFI<14.4
のときにリッチと判断され、AFI≧14.4のときに
リッチでないと判断される。
【0055】
【発明の効果】NOX 吸蔵還元触媒の劣化度合いを正確
に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】燃焼室から排出される排気中の代表的な成分の
濃度を概略的に示す図である。
【図3】NOX 吸蔵還元触媒のNOX 吸放出・還元作用
を説明する図である。
【図4】流入排気空燃比AFI及び流出排気空燃比AF
Oを示す線図である。
【図5】経過時間ETの変化を示す線図である。
【図6】経過時間ETの変化を示す線図である。
【図7】補正係数を示す線図である。
【図8】補正係数を示す線図である。
【図9】目標空燃比AFTの算出ルーチンを示すフロー
チャートである。
【図10】目標空燃比AFTの算出ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図11】経過時間ETの算出ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図12】劣化判断ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図13】燃料噴射時間TAUの算出ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図14】別の実施態様における内燃機関の全体図であ
る。
【図15】別の実施態様における経過時間ETの算出ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図16】別の実施態様における劣化判断ルーチンを示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1…機関本体 3…燃焼室 15…排気マニホルド 19…NOX 吸蔵還元触媒 40,41…空燃比センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/04 305 F02D 41/04 305A 41/14 310 41/14 310K 45/00 368 45/00 368G Fターム(参考) 3G084 AA04 BA13 BA24 CA01 DA27 EA04 EB08 EB12 EB22 FA07 FA13 FA26 FA27 FA30 3G091 AB03 AB06 BA33 CA16 CB02 DB10 DB11 DB13 DB15 DC03 EA01 EA05 EA17 EA18 EA30 EA34 FA01 FB10 FB11 FB12 GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB10X GB17X HA36 HA37 HA42 3G301 HA01 HA15 JB09 KA01 LB01 MA01 MA12 NA06 NA08 NA09 NB12 NC01 NC04 ND02 ND07 NE13 NE14 NE15 PA01Z PB03A PB03Z PD09A PD09Z PD11Z PD12Z PE01Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室内における空燃比がリーンとなる
    ようにした内燃機関の排気通路内に、流入排気の空燃比
    がリーンのときに流入排気中のNOX を蓄え、流入排気
    中の酸素濃度が低下すると蓄えているNOX を放出して
    還元するNO X 吸蔵還元触媒を配置し、NOX 吸蔵還元
    触媒からNOX を放出すべきときにはNOX 吸蔵還元触
    媒への流入排気の空燃比がリッチとなるように還元剤供
    給装置からNOX 吸蔵還元触媒に還元剤を供給し、還元
    剤供給装置による還元剤供給作用を開始した後NOX
    蔵還元触媒への流入排気の空燃比がリーンでなくなって
    から、NOX 吸蔵還元触媒からの流出排気の空燃比がリ
    ッチになるまでの経過時間を検出し、該経過時間と予め
    定められた基準値とを比較することによりNOX吸蔵還
    元触媒の劣化度合いを判断するようにした内燃機関の触
    媒劣化判断装置において、還元剤供給装置による還元剤
    供給作用時又は還元剤供給作用開始時における機関運転
    状態又はNOX 吸蔵還元触媒の状態に基づいて経過時間
    と基準値とのうち少なくとも一方を補正し、補正後の経
    過時間と基準値とを比較することによりNOX 吸蔵還元
    触媒の劣化度合いを判断するようにした内燃機関の触媒
    劣化判断装置。
  2. 【請求項2】 還元剤供給装置による還元剤供給作用開
    始時におけるNOX吸蔵還元触媒の温度に基づいて経過
    時間又は基準値を補正するようにした請求項1に記載の
    内燃機関の触媒劣化判断装置。
  3. 【請求項3】 還元剤供給装置による還元剤供給作用開
    始時におけるNOX吸蔵還元触媒のNOX 貯蔵量に基づ
    いて経過時間又は基準値を補正するようにした請求項1
    に記載の内燃機関の触媒劣化判断装置。
  4. 【請求項4】 還元剤供給装置による還元剤供給作用時
    にNOX 吸蔵還元触媒への流入排気の空燃比が予め定め
    られた設定空燃比となるように還元剤供給量が制御され
    ており、該設定空燃比に基づいて経過時間又は基準値を
    補正するようにした請求項1に記載の内燃機関の触媒劣
    化判断装置。
  5. 【請求項5】 燃焼室内における空燃比がリーンとなる
    ようにした内燃機関の排気通路内に、流入排気の空燃比
    がリーンのときに流入排気中のNOX を蓄え、流入排気
    中の酸素濃度が低下すると蓄えているNOX を放出して
    還元するNO X 吸蔵還元触媒を配置し、NOX 吸蔵還元
    触媒からNOX を放出すべきときにはNOX 吸蔵還元触
    媒への流入排気の空燃比がリッチとなるように還元剤供
    給装置からNOX 吸蔵還元触媒に還元剤を供給し、還元
    剤供給装置による還元剤供給作用を開始した後NOX
    蔵還元触媒への流入排気の空燃比がリーンでなくなって
    から、NOX 吸蔵還元触媒からの流出排気の空燃比がリ
    ッチになるまでの経過時間を検出し、該経過時間と予め
    定められた基準値とを比較することによりNOX吸蔵還
    元触媒の劣化度合いを判断するようにした内燃機関の触
    媒劣化判断装置において、還元剤供給装置による還元剤
    供給作用時又は還元剤供給作用開始時における機関運転
    状態又はNOX 吸蔵還元触媒の状態が予め定められた設
    定状態であるか否かを判断し、該状態が設定状態である
    ときの経過時間と基準値とを比較することによりNOX
    吸蔵還元触媒の劣化度合いを判断するようにした内燃機
    関の触媒劣化判断装置。
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