JP2001131249A - 有機ゲル複合化球形無機多孔質粒子およびその製造方法 - Google Patents

有機ゲル複合化球形無機多孔質粒子およびその製造方法

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JP2001131249A JP35490499A JP35490499A JP2001131249A JP 2001131249 A JP2001131249 A JP 2001131249A JP 35490499 A JP35490499 A JP 35490499A JP 35490499 A JP35490499 A JP 35490499A JP 2001131249 A JP2001131249 A JP 2001131249A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機化合物と無機化合物の複合体の破壊強度を
向上させるために、有機化合物中に無機化合物が入った
複合体ではなく、無機化合物中に有機化合物が存在する
複合体を合成することであり、さらに、球形にすること
で、液体クロマトグラフ等の充填剤としての使用あるい
は粉体の傘比重の低下による輸送および貯蔵の効率化が
考えられる複合体を合成することである。 【手段】これらの課題を解決するために鋭意検討を行っ
た結果、球形無機多孔質粒子に単量体と架橋剤を含む溶
液を含浸し、外部からの熱、放射線等で重合することで
容易に球形無機多孔質粒子の細孔内部に有機ゲルを合成
することを見いだし、本発明に至った。さらに、複合化
する有機ゲルに温度やpHに応答する刺激応答性高分子
を用いれば、包含物の放出量を制御する放出制御担体と
なる有機ゲル複合化球形無機多孔質粒子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ゲル複合化球
形無機多孔質粒子および刺激応答性ゲル複合化球形無機
多孔質粒子に関し、さらに詳細には、無機材料による有
機ゲルの耐圧性強化材料および刺激応答による放出制御
材料等に用いる複合材料である。球形の複合材料である
ことから良好な充填性、及び流動性を有するため、高速
液体クロマトグラフ用及びガスクロマトグラフ用等の充
填剤や磁気テープ並びに触媒等で優れた性能が期待され
る。またその他液晶用スペーサとしても使用できる。さ
らに、徐放性マイクロカプセル壁材として、芳香剤、染
料、殺菌剤、殺虫剤、虫獣類の忌避剤、ビタミン、食
品、栄養剤、医薬品、消臭剤、液晶、抗菌性物質、香
料、水中生物付着防止剤、農薬等の機能性物質を包含
し、多くの分野に幅広く利用可能であり、外部刺激によ
り徐放量を制御することも可能な複合粒子である。更に
化粧料、塗料、プラスチック、インキ、及びフィルム等
の付着防止剤等の分野に利用できる。
【0002】
【従来技術】従来、有機・無機複合体は、特開平9−2
35412においては有機化合物の中に、多数の細孔を
有する無機多孔体からなる粒子を分散させた有機・無機
複合体があり、これは、有機化合物の中に無機粒子が分
散されているものであるため、破壊強度は無機物に比べ
ると劣っていた。または、特開平3−212451、特
開平5−858610、特開平5−310413におい
てはテトラアルコキシシランなどの加水分解重合性金属
酸化物を加水分解重合してゲル化させた金属酸化物、あ
るいはゾルーゲル法によるシリカ又はアルミナなどの金
属酸化物などの3次元ネットワーク構造体中に水素結合
を介して、アミド結合や尿素結合等を有するポリマーセ
グメントが均一分散された有機・無機複合透明均質体が
知られているが、これは、無機物表面と有機物を水素結
合などにより相互作用させる必要があるため、使用でき
る有機物が限られていた。さらに、これらは膜状あるい
は塊状であり、粉砕することにより粉体は得られるが、
球形の有機無機複合体粒子は得られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、破壊強度を
向上させるために、有機化合物中に無機化合物が入った
複合体ではなく、無機化合物中に有機化合物が存在する
複合体を合成することであり、有機化合物の性能を保つ
ために、無機表面との化学結合を介さずに有機化合物と
無機化合物が3次元的な絡み合いの構造で合成された複
合体であり、さらに、球形にすることで、液体クロマト
グラフ等の充填剤としての使用あるいは粉体の流動性の
向上、及び傘比重の低下による輸送および貯蔵の効率化
が考えられる複合体を合成することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するために鋭意検討を行った結果、球形無機
多孔質粒子に単量体と架橋剤を含む溶液を含浸し、外部
からの熱、光、放射線等で重合することで容易に球形無
機多孔質粒子の細孔内部に有機ゲルを合成することを見
いだし、本発明をするに至った。すなわち、球形無機多
孔質粒子の細孔内で有機化合物を3次元架橋させること
により、無機化合物と有機ゲルがそれぞれ3次元的に絡
み合う構造となる。つまり、球形無機多孔質粒子内で有
機ゲルと無機化合物が相互貫入編目構造であることを特
徴とした有機ゲル複合化球形無機多孔質粒子であり、有
機ゲルは無機表面との相互作用を介さずに単独で合成さ
れているため、有機ゲルの性能を失わずに合成された複
合粒子であり、さらに、複合化する有機ゲルに温度やp
Hに応答する刺激応答性高分子を用いれば、包含物の放
出量を制御する放出制御担体となる有機ゲル複合化球形
無機多孔質粒子である。
【0005】本発明の第二は球形無機多孔質粒子の細孔
内で有機化合物を3次元架橋させることを特徴とした有
機ゲル複合化球形無機多孔質粒子の製造方法であり、例
えば、球形無機多孔質粒子に単量体と架橋剤を含む溶液
を含浸し、外部からの熱、光、放射線等で重合すること
で容易に無機と有機の複合体を合成する製造方法であ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において核物質として用い
られる多孔質粒子は、無機質の多孔性の微細な球形の物
質であり、真球でなくてもほぼ球形であればよい。
【0007】この球形無機多孔質微粒子を形成する無機
化合物としては、アルカリ土類金属の炭酸塩、珪酸塩、
燐酸塩、硫酸塩や金属酸化物、金属水酸化物、その他の
金属珪酸塩、あるいはその他の金属炭酸塩等が例示でき
る。具体的には、アルカリ土類金属の炭酸塩としては炭
酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネウム等が、ア
ルカリ土類金属の珪酸塩としては珪酸カルシウム、珪酸
バリウム、珪酸マグネシウム等が、またアルカリ土類金
属の燐酸塩としては燐酸カルシウム、燐酸バリウム、燐
酸マグネシウム等が、そしてまたアルカリ土類金属の硫
酸塩としては硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグ
ネシウム等がそれぞれ例示できる。さらに金属酸化物と
してはシリカ、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸
化亜鉛、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化アルミニウ
ム等が、金属水酸化物としては水酸化鉄、水酸化ニッケ
ル、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化ク
ロム等がそれぞれ例示できる。そしてその他の金属珪酸
塩としては珪酸亜鉛、珪酸アルミニウム等が、その他の
金属炭酸塩としては炭酸亜鉛、塩基性炭酸銅等がそれぞ
れ例示できる。天然物ではシラスバルーン、パーライト
等を例示できる。好ましくは特開昭57−55454、
特開昭61−2227913、特開昭63−25864
2に開示されている球形無機多孔質粒子あるいは球形中
空無機多孔質粒子を例示することができる。また、破壊
強度を上げるには特開平7−216256に開示されて
いる無機無孔質粒子を無機多孔質材料層で被包した粒子
等を用いることが可能である。
【0008】これらの多孔性物質の多孔度は、細孔容積
0.02〜3.0ml/gであればよく、好ましくは
0.5〜2.0ml/g程度のものである。これは細孔
容積が小さすぎると有機ゲルが形成しにくくなるためで
あり、細孔容積が大きくなりすぎると破壊強度が小さく
なりすぎてしまうためである。また、細孔直径は0.1
nm以上であればよく、好ましくは5nm〜50nm程
度のものである。これは細孔直径が小さすぎると有機ゲ
ルが形成しにくくなるためであり、細孔直径が大きくな
りすぎると破壊強度が小さくなりすぎてしまうためであ
る。更に、この多孔性粒子のサイズは特に限定しないが
5nm以上あればよく、好ましくは1μm〜4mm程度
のものである。
【0009】本発明の複合化の方法は、単量体、開始
剤、架橋剤等を適当な溶剤または水に溶解し、その溶液
を球形無機多孔質粒子に含浸させ、外部からの熱、光、
放射線等で重合することで容易に無機化合物と有機ゲル
の複合体を合成する。
【0010】複合化を行う有機ゲルについては特に限定
されるものではなく、架橋する物質であればいずれでも
良く、液体として球形無機多孔質粒子に含浸した状態か
らゲル化を起こすことが可能なものであれば特に問わな
い。さらに詳しくは、架橋の方法が共有結合、イオン結
合、分子間力結合のいずれでもよく、あるいは、絡み合
いによるゲル化を起こす物質でもよい。
【0011】共有結合による架橋は単量体と架橋剤、開
始剤等を用いてゲルを形成させるが、その際に用いる単
量体としては、通常のラジカル重合を行なうものであれ
ば良く特に限定されない。例えば、アクリルアミド,メ
タクリルアミド,N−ビニルピロドン,N−ビニルアセ
トアミド,N−ビニルフォルムアミド,アクリル酸,メ
タクリル酸,スチレン,P−スチレンスルホン酸,ビニ
ルスルホン酸,2−メタアクリロイルオキシエチルスル
ホン酸,3−メタアクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ
プロピルスルホン酸,アリルスルホン酸,メタクリルス
ルホン酸,並びにこれらの酸のアンモニウム塩,及びア
ルカリ金属塩,ジメチルアミノエチルアクリレート,ジ
メチルアミノエチルメタクリレート,2ビニルピリジン
及び4ビニルピリジンの塩酸,硝酸,ジメチル硫酸,ジ
エチル硫酸又は塩化エチルの4級化物、2ヒドロキシエ
チルメタクリレート,2ヒドロキシエチルアクリレー
ト,2アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、またはこれらの共重合体が例示できる。
【0012】重合性官能基を2個以上有する架橋剤とし
ては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキ
シエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコー
ル、ポリグリセリン、N,N′−メチレンビスアクリル
アミド、N,N−メチレン−ビス−Nビニルアセトアミ
ド、N,N−ブチレン−ビス−Nビニルアセトアミド、
トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、アリル化デンプン、アリル化セルロース、ジア
リルフタレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリ
ストールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパン
トリアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエ
ーテル、トリアリルトリメリテート等が例示できる。
【0013】開始剤としては特に限定されるものではな
く、ゲル化にあった開始剤を選択すればよいが、その例
としては過酸化水素、過硫酸塩、例えば過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等、アゾ系
開始剤、例えば2,2′−アゾビス(2−アミジノプロ
パン)2塩酸塩、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメ
チレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2′−アゾ
ビス{2−メチル−N−〔1,1,−ビス(ヒドロキシ
メチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミ
ド}、2,2′−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−
2−イル)プロパン〕2塩酸塩、4,4′−アゾビス
(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2′−アゾビス(2,4′−ジメチルバ
レロニトリル)等が例示できる。また、過酸化水素ある
いは過硫酸塩は、例えば亜硫酸塩、L−アスコルビン酸
等の還元性物質やアミン塩等を組み合わせてレドックス
系の開始剤としても使用することができる。
【0014】イオン結合による架橋は、例えば、アンモ
ニウム塩やカルボキシル基のようなカチオンやアニオン
を持つ高分子電解質をカルシウムのような多価イオン物
質でイオン結合で架橋させてゲル化させた物質などであ
る。分子間力による架橋は天然高分子などに多く、例え
ば、デンプン、ガラクトマンナン、ニトロセルロース、
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ペクチン酸、アルギン酸、寒天、カラギーナン、プ
ロテクオグリカン、グリコプロテイン、ゼラチン、アク
チン、チューブリン、ヘモグロビンS、インスリン、フ
ィブリン、卵白アルブミン、血清アルブミン、ミオシ
ン、コラーゲン、ポリペプチド等が挙げられる。合成高
分子ではポリビニルアルコール等が例示できる。
【0015】外部刺激に応答する高分子としては温度、
pH等に応答する高分子があり、温度応答性高分子とし
ては、例えば、ポリビニルメチルエーテル、メチルセル
ロース、ポリエチレンオキシド、ポリビニルオキサゾリ
ディノンの1種又は2種以上からなる熱応答性を有する
高分子、又は特開平7−62038,7−82320,
8−143631,10−17622,10−3106
14で公開されているポリ(N−ビニルイソブチルアミ
ド)等のポリ(N−ビニル酸アミド)の熱応答性を有す
る高分子、N−ビニルフォルムアミド等のN−ビニルア
ルキルアミドと酢酸ビニル等の疎水性モノマーの共重合
体で熱応答性を有する高分子が例示できる。pH応答性
高分子は、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン等が例示で
きる。外部刺激により包含物の放出量を制御する機構に
ついては温度応答性高分子のポリ(N−ビニルイソブチ
ルアミド)を例に取れば、水中で38℃付近で相転移挙
動を示し、ゲルにおいては低温側では膨潤し、高温側で
は収縮するという機能を有しており、刺激応答性ゲル複
合化球形無機多孔質粒子においては低温側ではゲルが膨
潤して無機多孔質粒子の細孔を満たすことにより包含物
の放出を抑え、高温側ではゲルが収縮するために無機表
面とゲルの間に隙間ができるため、包含物が放出されや
すくなるという挙動を示す。pHにより包含物の放出量
を制御する機構についてはポリメタクリル酸を例に取れ
ば、中性からアルカリ性側では膨潤、酸性側では収縮と
いう挙動を示すため、前記の刺激応答性ゲル複合化球形
無機多孔質粒子と同様にpHの変化により放出を制御す
る機能を有する。
【0016】ゲル化に用いる溶媒としては特に限定され
るものではなく、ゲル化にあった溶媒を選択すればよい
が、例えば、水、アルコール、アセトン、テトラヒドロ
フラン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、n
−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ン等、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等を例示できる。
【0017】球形無機多孔質粒子中で有機ゲルを合成す
るには単量体の濃度は0.1重量%〜99.9重量%、
架橋剤濃度は0.001重量%〜50重量%であればよ
い。また、開始剤濃度や重合方法などはそれぞれのゲル
作成方法にあったものを選べばよく、例えば、開始剤と
してよく知られているアゾビスイソブチロニトリル(A
IBN)であれば、単量体、架橋剤とともに窒素置換し
た有機溶媒に溶解し、球形無機多孔質粒子に含浸し、必
要あればろ過等により余分な溶液を取り除く。その後、
適当な温度に加熱することで重合を行えばよい。また、
多糖類など物理的架橋を有するものであれば、例えば、
架橋性物質を溶媒に加熱溶解した状態で球形無機多孔質
粒子に含浸し、必要あれば遠心分離により球形無機多孔
質粒子を沈降させたり、ろ過等により余分な溶液を取り
除く。その後、冷却すればよい。
【0018】有機ゲル複合化球形無機多孔質粒子に薬物
を包含するには、薬物を適当な溶媒に溶解し、複合粒子
に含浸させる。あるいは、球形無機多孔質粒子中で有機
ゲルを合成する際の溶媒に薬物を溶解し、ゲル化の際に
包含する方法も可能である。
【0019】本発明に用いられる薬剤としては、特に1
0℃〜100℃で、好ましくは25℃〜50℃の環境下
において揮発しやすい化合物を用いることができる。そ
の具体的な薬剤としては、香料、消臭剤、植物エキス
剤、紫外線遮蔽剤、酸化防止剤、ビタミン剤、制汗剤、
日やけ止め剤等である。また、香料、消臭剤、植物エキ
ス剤、紫外線遮蔽剤、酸化防止剤、ビタミン剤、制汗
剤、冷感剤、温感剤等の中から選ばれた1種または2種
以上のものも用いることができる。
【0020】香料としては、匂いを漂わせる物質であ
り、人体に害をおよぼさないないものである。例えば、
天然香料や合成香料に分けられ、さらに天然香料は植物
性香料、動物性香料に分けられる。そして、この前記香
料を混合して調合香料としたものも本発明に用いること
ができる。また、熱に対して不安定なものも本発明の球
形多孔質微粒子に担持させることができる。
【0021】その天然香料としては、アカシア油、アニ
スシード油、アビエス油、アプシンス油、アルモンドビ
ッター油、アンゲリカ油、アンブレットシード油、イノ
ンド油、イランイラン油、イリス油、ういきょう油、ウ
ィンターグリーン、ウォームウッド油、エストラゴン
油、エレミ油、オークモス油、オコチア油、オニオン
油、オポパナックス油、オランダセリ油、オリス油、オ
リバナム油、オレンジ油、カシア油(桂油、桂皮油)、
カシー油、カナンガ油、カミツレ油、カモミル油、ガヤ
ックウッド油、カヤプテ油、カラシ油、カラムス油、ガ
ーリック油、カルダモン油、ガルバナム油、黄ずいせん
油、キャラウエー油、苦へんとう油、クミン油、クラリ
ーセージ油、グレープフルーツ油、クローブ油、ローレ
ル葉油、コエンドロ油、コスタス油、コランダー油、サ
ンダルウッド油、シダーウッド油、シトロネラ油、ジャ
スミン油、ショウガ油、しょうぶ根油、ジル油、、ジン
ジャー油、ジンジャークラス油、シンナモン油、すいせ
ん油、スターアニス油、スパイク油、スペアミントオイ
ル、セージ油、ゼラニウム油、タイム油、タンジェリン
油、チュベローズ油、テレビン油、ナーシサス油、ナツ
メグ油、ニオガヨモギ油、にくずく油、ネロリ油、パイ
ン油、パセリ油、バジル油、バーチ油、パチュリ油、ハ
ッカ油、バラ油、パルマローザ油、白檀油、ヒヤシンス
油、ベイ油、ベイ葉油、ベチバー油、ペニーロイヤル
油、ヘノポジ油、ペパーミント油、ベリラ油、芳油、芳
しょう葉油、ホップ油、ポライ油、ミモザ油、ミルテ
油、ミルトル油、ミル油、ミント油、メース油、ユーカ
リ油、ライム油、ラバンジン油、ラベンダー油、リセア
キュベバ油、リナロエ油、レモングラス油、レモン油、
ローズウッド油、ローズマリー油、ローズ油、ロベージ
油等が例示できる。そして、この例示された天然香料の
中から選んだ1種または2種以上のものも用いることが
できる。
【0022】また、合成香料としては、α−ピネン、β
−ピネン、カンフェン、d−リモネン、ジペンテン、テ
ルヒノーレン、アロオシメン、オシメン、p−サイメ
ン、β−カリオフィレン、青葉アルコール、3−オクテ
ノール、9−デセノール、リナロール、ゲラニオール、
ネロール、シトネロール、1−シトロネロール、ジメチ
ルオクタノール、ヒドロキシシトロネロール、テトラヒ
ドロリナロール、ラバンジュロール、アロシメロール、
ミルセノール、α−ピネオール、抱水テルピン、1−メ
ントール、ボルネオール、イソプレゴール、ノポール、
ボルニルメトキシシクロヘキサノール、メロリドール、
ファルネソール、サンタロール、イソ・イ・スーパー、
サンダロール、セドロール、ベチベロール、パチュリア
ルコール、ベンジルアルコール、β−フェニルアルコー
ル、γ−フェニルプロピルアルコール、シンナミックア
ルコール、アニスアルコール、α−アミルシンナミック
アルコール、ジメチルベンジルカルビノール、メチルフ
ェニルカルビノール、β−フェニルエチルジメチルカル
ビノール、ジメチルフェニルカルビノール、β−フェニ
ルエチルメチルエチルカルビノール、フェノキシエチル
アルコール、フェニルグリコール、tert−ブチルシ
クロヘキサノール、アニソール、p−アセチルアニソー
ル、ジフェニルオキサイド、ジメチルハイドロキノン、
p−クレゾールメチルエーテル、アネトール、ジヒドロ
アネトール、チモール、カルバクロール、オイゲノー
ル、イソオイゲノール、メチルオイゲノール、メチルイ
ソオイゲノール、ベンジルイソオイゲノール、サフロー
ル、イソサフロール、β−ナフトールメチルエーテル、
β−ナフトールエチルエーテル、バニトロープ、n−ヘ
プチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニ
ルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、n−ウンデシル
アルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、ドデシルアルデ
ヒド、メチルノニルアセトアルデヒド、n−トリデシル
アルデヒド、n−テトラデシルアルデヒド、n−ヘキサ
デシルアルデヒド、ノナジエナール、シトラール、シト
ロネラール、ヒドロキシシトロネラール、ペリラアルデ
ヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、
フェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒ
ド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α−ヘキシル
シンナミックアルデヒド、アニスアルデヒド、クミンア
ルデヒド、ヘリオトロピン、ヘリオナール、サイクラメ
ンアルデヒド、p−tert−α−メチルヒドロシンナ
ミックアルデヒド、サリチルアルデヒド、ヒドロトロパ
アルデヒド、バニリン、エチルバニリン、γ−ウンデカ
ラクトン、メチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ノニ
ルラクトン、p−メチル−β−フェニルグリシド酸エチ
ル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、リラール、
マイラックアルデヒド、シトロネリルオキシアセトアル
デヒド、シトラールジメチルアセタール、シトラールジ
エチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジメチル
アセタール、メチル−n−アミルケトン、エチル−n−
アミルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−
n−ノニルケトン、メチルヘプテン、ジアセチル、1−
カルボン、d−カルボン、メントン、d−プレゴン、ピ
ペリトン、しょう脳、メチルセドリン、アセトフェノ
ン、p−メチルアセトフェノン、p−メトキシアセトフ
ェノン、ベンゾフェノン、ベンジリデンアセトン、メチ
ルナフチルケトン、ヨノン、ダマスコン、ダマセノン、
メチルヨノン、イロン、マルトール、エチルマルトー
ル、ヒドキシフラン、ネロン、ヒドロキシフェニルブタ
ノン、アニシルアセトン、ジャスモン、ヒドロジャスモ
ン、ヌートカトン、ムスコン、ジベトン、シクロペンタ
デカン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリ
ド、アンブレットリド、シクロヘキサデカノリド、エチ
レンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、12
−オキサヘキサデカノリド、11−オキサヘキサデカノ
リド、10−オキサへキサデカノリド、ムスクキシロー
ル、ムスク・ケトン、ムスク・アンブレット、ムスク・
チベテン、モスケン、ファントリド、セレストリド、ト
ラセオライド、ベルサリド、トナリド、ガラクソリド、
ローズオキサイド、オキサイドケトン、3,3,6−ト
リメチル−6−ビニルテトラヒドロピラン、ジヒドロメ
チルペンテニルピラン、リナロールオキサイド、シネオ
ール、ビシクロジヒドロホモファルネシルオキサイド、
フェニルエチルイソアミルエーテル、ギ酸ゲラニル、ギ
酸ベンジル、ギ酸フェニル、酢酸エチル、酢酸イソアミ
ル、酢酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、
酢酸メンチル、酢酸ボルニル、酢酸イソボルニル、酢酸
テルピニル、酢酸ベンジル、酢酸フェニルエチル、酢酸
メチルフェニルカルビニル、酢酸シンナミル、酢酸アニ
シル、酢酸パラクレジル、酢酸イソオイゲノール、酢酸
ミルセニル、酢酸第3級ブチルシクロヘキシル酢酸ジヒ
ドロテルピニル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸イ
ソアミル、プロピオン酸シトロネリル、プロピオン酸リ
ナリル、プロヒオン酸ゲラニル、プロピオン酸テルピニ
ル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸シンナミル、
酪酸エチル、酪酸イソアミル、酪酸ゲラニル、酪酸リナ
リル、イソ酪酸リナリル、酪酸シトロネリル、イソ酪酸
シトロネリル、イソ酪酸ベンジル、イソ吉草酸n−プロ
ピル、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸ゲラニル、イ
ソ吉草酸ベンジル、イソ吉草酸シンナミル、ヘプチンカ
ルボン酸メチル、ヘプチンカルボン酸イソアミル、ヘプ
チンカルボン酸エチル、ピルビン酸イソアミル、オクチ
ンカルボン酸メチル、アセト酢酸エチル、レブリン酸エ
チル、β−メチルメルカプトプロピオン酸メチル、安息
香酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸イソブチル、安
息香酸イソアミル、安息香酸ゲラニル、安息香酸リナリ
ル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル
酢酸エチル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸イ
ソアミル、フェニル酢酸ゲラニル、フェニル酢酸ベンジ
ル、桂皮酸エチル、桂皮酸ベンジル、桂皮酸シンナミ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、サリチル酸
メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸イソブチル、サ
リチル酸イソアミル、サリチル酸アリル、サリチル酸ベ
ンジル、サリチル酸フェニルエチル、アニス酸メチル、
アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、メチルアンス
ラニル酸メチル、アンスラニル酸エチル、ジヒドロジャ
スモン酸メチル、ジャスモン酸メチル、合成オークモ
ス、安息香酸、桂皮酸、フェニル酢酸、ヒドロ桂皮酸、
クマリン、インドール、スカトール、2−メチルテトラ
ヒドロキノリン、6−メチルキノリン、6−メチルテト
ラヒドロキノリン、7−メチルキノリン、イソブチルキ
ノリン、6−イソプロピルキノリン、テトラメチルピラ
ジン、アセチルピロール、ゲラニルトリル、ブロムスチ
ール、酢酸トリクロルメチルフェニルカルビニル、フル
フリルメルカプタン等が例示できる。そして、この例示
された合成香料の中から選んだ1種または2種以上のも
のも用いることができる。
【0023】その消臭剤としては、不快な臭いを芳香
性、マスキング、中和してその臭いの原因を消すもので
ある。そのような消臭剤の具体的な例の芳香性よる消臭
剤としては、ローズ油、スズラン油、キンモクセイ油、
ジャスミン油、レモン油、クチナシ油、ミント油、バイ
オレット油等の香料を用いることができる。またマスキ
ングには前記香料の中でもシンナミックアルデヒド、バ
ニリン、ヘリオトロピン、クマリン、カルボン、カナフ
ァー、ボネオール等が例示できる。さらに中和して消臭
する消臭剤としては、テレピン油、丁子油、桂皮油、シ
ダー油、オレンジ油、レモン油、橙皮油等が例示でき
る。また、その他にフラボノイド等も用いることができ
る。そして、この例示された消臭剤の中から選んだ1種
または2種以上のものも用いることができる。
【0024】その植物エキス剤としては、各種の薬効を
もつものがあり、例えば、アロエエキス、カモミラエキ
ス、オレンジエキス、海藻エキス、オランダカラシエキ
ス、オドリコソウエキス、オトギリソウエキス、オウバ
クエキス、オウレンエキス、アンズエキス、キイチゴエ
キス、キズタエキス、キナエキス、クチナシエキス、ク
ワエキス、ゲンノショウコエキス、ゴボウエキス、混合
果実抽出液、混合植物抽出液、コンフリーエキス、シャ
クヤクエキス等が例示できる。そして、この例示された
稙物エキス剤の中から選ばれた1種または2種以上のも
のも用いることができる。
【0025】その紫外線遮蔽剤としては、200〜40
0nmの波長の紫外線を吸収して、人体や香粧品に対す
る有害な作用を防止し、さらにその遮蔽剤により皮膚の
日焼け、香粧品の劣化等の現象の発生を防止する目的で
使用されるものである。その具体的な例としては、2−
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノ
ン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,
4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−オキシ−5−メト
キシアセトフェノン等のベンゾフェノン系が例示でき
る。エチル−p−グルコシルイミドベンゾエート、グル
コシル−p−アミノベンゾエート、サリシレートエステ
ル、p−オクチルフェニルサリシエート、フェニルサリ
シアート等の安息香酸エステル系が例示できる。そし
て、この例示された紫外線遮蔽剤の中から選ばれた1種
または2種以上のものも用いることができる。
【0026】その酸化防止剤としては、物質が酸素によ
る酸化変質するのを防ぐ薬剤である。その酸化防止剤の
具体的なものとしては、ノルジヒドログアヤレチン酸、
グアヤク脂、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニ
ゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、α−トコフェロ
ール(ビタミンE)等が例示できる。また、亜硫酸ナト
リウム、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、イソ
アスコルビン酸、チオソルビトール、塩酸システイン、
チオグリコール酸、チオ硫酸ナトリウム等の水溶性酸化
防止剤が例示できる。そして、この例示された酸化防止
剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いる
ことができる。
【0027】そのビタミン剤としては、人体に栄養とし
て供給されるものであり、水溶性または脂溶性のビタミ
ンを用いることができる。そのビタミンの具体的なもの
としては、水溶性ビタミンでは、ビタミンB1、ビタミ
ンB2、ビタミンB6、ビタミンB12のビタミンB群
や、ビタミンC等が例示できる。さらに脂溶性ビタミン
としてはビタミンA、ビタミンE、ビタミンD等が例示
できる。そして、この例示されたビタミン剤の中から選
ばれた1種または2種以上のものも用いることができ
る。
【0028】その制汗剤としては、発汗を抑制する作用
のあるものであり、具体的には、塩化アルミニウム、ア
ラントイン、クロルヒドロキシアルミニウム、硫酸アル
ミニウム、ミョウバン、アルミニウムクロロハイドロオ
キシド等が例示できる。そして、この例示されたビタミ
ン剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用い
ることができる。
【0029】冷感剤としては、薄荷油(1−メントー
ル)、1−メントール誘導体(1−メンチル3ヒドロキ
シブチレート、3−1−メントキシプロパン−1,2ジ
オール)等が例示できる。
【0030】温感剤としては、カプサイシン(トウガラ
シエキス)、多価アルコール(グリセリン、プロピレン
グリコール)、ワニリルエーテル誘導体(プロピル、ア
ミル、イソーアミル、ブテル)等が例示できる。
【0031】
【実施例】次に実施例により、具体的に本発明を説明す
るが、本発明の趣旨はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0032】(実施例1)N−ビニルイソブチルアミド
10g、開始剤AIBN(和光純薬工業製)0.3g、
架橋剤N,N’−メチレンビスアクリルアミド(和光純
薬工業製)0.4gを窒素置換したメタノール5mlに
溶解し、球形多孔質シリカ粒子(平均粒径5μm;鈴木
油脂工業株式会社製、ゴットボールE−16C)1gを
溶液中に入れる。遠心分離によりシリカ粒子を沈降さ
せ、上澄みを分離する。その後60℃で12時間重合
し、刺激応答性ゲル複合化球形無機多孔質粒子を得た。
熱重量測定を行い、シリカに対して熱応答性ポリマーで
あるポリ(N−ビニルイソブチルアミド)ゲルが350
mg/g複合化されていると確認した。
【0033】(実施例2)アクリル酸(和光純薬工業)
6g、開始剤AIBN(和光純薬工業製)0.3g、架
橋剤N,N’−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬
工業製)0.5gを窒素置換したメタノール40mlに
溶解し、球形多孔質シリカ粒子(粒径1.7〜4.0m
m;富士シリシア化学製、Q−15)10gを溶液中に
入れる。上澄みを除いた後60℃で12時間重合し、刺
激応答性ゲル複合化球形無機多孔質粒子を得た。
【0034】(実施例3)N−ビニルイソブチルアミド
10g、開始剤AIBN(和光純薬工業製)0.3g、
架橋剤N,N’−メチレンビスアクリルアミド(和光純
薬工業製)0.4gを窒素置換したメタノール15ml
に溶解し、球形多孔質シリカ粒子(粒径1.7〜4.0
mm;富士シリシア化学製、Q−15)5gを溶液中に
入れる。上澄みを除いた後60℃で12時間重合し、刺
激応答性ゲル複合化球形無機多孔質粒子を得た。
【0035】(実施例4)アガロース(和光純薬工業)
5gを90℃の水100mlに溶解し球形多孔質シリカ
粒子(平均粒径12〜14μm;鈴木油脂工業株式会社
製、ゴットボールB−25C)1gを溶液中に入れる。
遠心分離によりシリカ粒子を沈降させ、上澄みを分離す
る。その後10℃に冷却し、有機ゲル複合化球形無機多
孔質粒子を得た。熱重量測定を行い、シリカに対してア
ガロースゲルが50mg/g複合化されていると確認し
た。
【0036】(実施例5)実施例2により製造した刺激
応答性ゲル複合化球形無機多孔質粒子をBrillia
nt Blue FCF(BBFCF)2%水溶液に1
2時間浸漬し、刺激応答性ゲル複合化球形無機多孔質粒
子からの包含物の放出性をpHを変化させることにより
評価した。その結果を図1に示す。pHを2から2ずつ
段階的に上げ、それぞれの温度での放出量を測定した。
pH応答性ポリマーであるポリアクリル酸が収縮状態で
ある酸性域ではBBFCFの放出量が多く、膨潤状態で
ある中性からアルカリ性域ではBBFCFの放出量が少
なくなった。
【0037】(実施例6)実施例3により製造した刺激
応答性ゲル複合化球形無機多孔質粒子をBBFCF2%
水溶液に12時間浸漬し、刺激応答性ゲル複合化球形無
機多孔質粒子からの包含物の放出性を温度を変化させる
ことにより評価した。その結果を図2に示す。温度を2
5℃から5℃ずつ段階的に上げ、それぞれの温度での放
出量を測定した。熱応答性ポリマーであるポリ(N−ビ
ニルイソブチルアミド)ゲルが膨潤状態である低温では
BBFCFの放出量が少なく、収縮状態である高温では
BBFCFの放出量が多くなった。
【0038】(実施例7)実施例3により製造した有機
ゲル複合化球形無機多孔質粒子とアガロースゲルを液体
クロマトグラフィーのカラムの充填剤に用いた際の圧力
を測定した。その結果を図3に示す。アガロースゲル単
独では高圧には耐えらず、高圧での測定はできなかった
が、本発明の複合粒子は有機ゲルとシリカ粒子の複合体
であるため、高圧での測定を行うことが可能であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で作成した複合粒子のpH変化による
BBFCF放出量測定結果
【図2】実施例3で作成した複合粒子の温度変化による
BBFCF放出量測定結果
【図3】液体クロマトグラフィーの充填剤として用いた
場合の流量と圧力の関係
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 16/12 C08F 16/12 4J026 20/06 20/06 4J100 22/38 22/38 26/02 26/02 26/06 26/06 C08G 65/02 C08G 65/02 C08K 7/24 C08K 7/24 9/04 9/04 (72)発明者 田中 裕子 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業技 術院大阪工業技術研究所内 Fターム(参考) 4C080 AA03 BB02 HH06 HH09 JJ04 KK08 NN01 NN22 NN24 NN28 QQ03 4G065 AA02 AB38X BB01 BB03 CA21 DA02 FA02 4J002 AB031 BE041 BG011 BJ001 CH011 DE086 DE096 DE106 DE116 DE136 DE146 DE236 DG056 DH046 DJ006 DJ016 FA096 GB00 GD02 GH00 GT00 4J005 BC00 4J011 AA05 CA02 CA09 CA10 CC02 CC07 PA04 PA07 PA09 PA10 PA13 PB06 PB07 PB22 PC02 PC07 PC08 4J026 AC00 BA16 BA24 BA39 BA40 BA50 BB01 BB02 DB02 DB03 DB08 DB09 DB12 DB14 DB16 FA02 FA09 GA01 GA02 4J100 AB02P AB07P AE71Q AE77Q AG69Q AG70Q AJ02P AL08P AL09P AM14P AM15P AM24Q AP01P AQ08P AQ12P AU00Q BA03P BA03Q BA31P BA56P BC43Q CA04 CA05 CA23 EA05 FA00 JA00 JA01 JA07 JA15 JA17

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】球形無機多孔質粒子の細孔内で有機化合物
    を3次元架橋させることで、有機ゲルと無機多孔質体と
    が3次元的に絡み合う構造、つまり、相互貫入編目構造
    を有することを特徴とした有機ゲル複合化球形無機多孔
    質粒子。
  2. 【請求項2】請求項1において球形無機多孔質の内部が
    中空であることを特徴とした有機ゲル複合化球形無機多
    孔質粒子。
  3. 【請求項3】請求項1または2において有機ゲルがポリ
    ビニルメチルエーテル、メチルセルロース、ポリエチレ
    ンオキシド、ポリビニルオキサゾリディノン又はポリN
    −ビニルイソブチルアミド等のポリ(N−ビニル酸アミ
    ド)の1種又は2種以上からなる熱応答性を有するゲル
    であることを特徴とした刺激応答性ゲル複合化球形無機
    多孔質粒子。
  4. 【請求項4】請求項1または2において有機ゲルがN−
    ビニルフォルムアミド等のN−ビニル酸アミドと酢酸ビ
    ニル等の疎水性モノマーの共重合体で熱応答性を有する
    ゲルであることを特徴とした刺激応答性ゲル複合化球形
    無機多孔質粒子。
  5. 【請求項5】請求項1または2において有機ゲルがポリ
    アクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアミン、ポ
    リビニルピリジン等のpH応答性を有するゲルであるこ
    とを特徴とした刺激応答性ゲル複合化球形無機多孔質粒
    子。
  6. 【請求項6】請求項3〜5において有機ゲル複合化球形
    無機多孔質粒子に薬物等を包含した際に外部刺激により
    包含物の放出量を制御することを特徴とした刺激応答性
    ゲル複合化球形無機多孔質粒子。
  7. 【請求項7】球形無機多孔質粒子の細孔内で有機化合物
    を3次元架橋させることで、有機ゲルと無機多孔質体と
    が3次元的に絡み合う構造、つまり、相互貫入編目構造
    を有することを特徴とした有機ゲル複合化球形無機多孔
    質粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項7において球形無機多孔質の内部が
    中空であることを特徴とした有機ゲル複合化球形無機多
    孔質粒子の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項7または8において有機ゲルがポリ
    ビニルメチルエーテル、メチルセルロース、ポリエチレ
    ンオキシド、ポリビニルオキサゾリディノン又はポリ
    (N−ビニルイソブチルアミド)等のポリ(N−ビニル
    酸アミド)の1種又は2種以上からなる熱応答性を有す
    るゲルであることを特徴とした刺激応答性ゲル複合化球
    形無機多孔質粒子の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項7または8において有機ゲルがN
    −ビニルフォルムアミド等のN−ビニル酸アミドと酢酸
    ビニル等の疎水性モノマーの共重合体で熱応答性を有す
    るゲルであることを特徴とした刺激応答性ゲル複合化球
    形無機多孔質粒子の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項7または8において有機ゲルがポ
    リアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアミン、
    ポリビニルピリジン等のpH応答性を有するゲルである
    ことを特徴とした刺激応答性ゲル複合化球形無機多孔質
    粒子の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項9〜11において有機ゲル複合化
    球形無機多孔質粒子に薬物等を包含した際に外部刺激に
    より包含物の放出量を制御することを特徴とした刺激応
    答性ゲル複合化球形無機多孔質粒子の製造方法。
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