JP2023095871A - 生分解性カプセルの調製方法と得られるカプセル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、以下の工程を含む、固体マイクロカプセルの調製方法を提供委する。【解決手段】a)攪拌下で、組成物C1をポリマー組成物C2に添加し、組成物C2中に分散した組成物C1の液滴を含むエマルジョン(E1)を得る工程であって、組成物C2は、少なくとも1つの脂肪族もしくは芳香族のエステル又はポリエステルを含み、更にアクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、カルボキシレート官能基、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する上記工程;b)攪拌下で、エマルション(E1)を組成物C3に添加し、組成物C3中に分散した液滴を含む2重エマルション(E2)を得る工程;c)エマルジョン(E2)に剪断力を加え、組成物C3中に分散した制御されたサイズの液滴を含む2重エマルジョン(E3)を得る工程;そしてd)組成物C2を重合し、組成物C3中に分散した固体マイクロカプセルを得る工程。【選択図】 なし

Description

本発明の主題は、生分解性カプセルを調製する方法である。更なる主題は、得られるカプセルとそれを含む組成物に関する。
活性成分と呼ばれる多数の化合物が配合製品に添加されて、その製品に有利な用途の特性を付与するか又はその性能を高めている。
しかし、多くの場合、これらの物質は配合製品の他の成分と不都合に反応し、安定性に有害な結果をもたらし性能を低下させる。
活性成分のカプセル化は、それを含む配合製品の限定された性能又は安定性を克服するための非常に有利な手段を提供し、一方でその配合製品の使用時に活性成分の効果から利益を得る。
それにもかかわらず、マイクロカプセルが内容物を放出した後は、環境に蓄積する可能性が高い廃棄物となるため、マイクロカプセルの将来の処理は大きな懸念事項のままである。このため、生分解性であることのできるマイクロカプセルの開発は非常に重要である。
配合製品中の活性成分を分離するために、多数のカプセルが開発されている。これらのカプセルは、特に噴霧乾燥、界面重合、界面沈殿、又は溶媒蒸発などの多くの生産プロセスから得られる。
これらのマイクロカプセルの幾つかは、ヒドロゲルや熱可塑性ポリマーなどの非架橋材料で形成されたシェルを有する。このヒドロゲル又はこの熱可塑性ポリマーが生分解性であることが知られている材料で形成されている場合、この材料で形成されたマイクロカプセルのシェルは生分解性であると見なされる。これらのタイプのカプセルに使用される主要な生分解性材料は、ポリエステル群、特にポリヒドロキシアルカン酸塩(例:ポリ乳酸又はポリグリコール酸)、又は多糖類(例:アルギン酸塩、デンプン、又はデキストラン)に属する。しかし、このタイプのカプセルのシェルを横切る拡散は比較的速いため、その性能が制限される。カプセル化された化合物は、カプセルの外側にすばやく逃げるか、逆にカプセル化された化合物を分解する化学種が、カプセル内にすばやく入る可能性がある。
他のマイクロカプセルは、互いに化学的に相互作用し架橋した材料を形成するモノマーの反応から生じるシェルを有するため、そこを通過する拡散がはるかに遅くなり、こうしてカプセルの性能が改善される。この範疇では、尿素とホルムアルデヒドで形成されたカプセルが挙げられ、これは広く使用されているが、残念ながら生分解性ではない。
従って、生分解性でありかつその中に含まれる活性成分に対して非常に良好な保持特性と保護特性を有する、架橋シェルから形成されたカプセルを形成する技術が必要である。
従って本発明の目的は、前記の活性成分の漏れの問題を回避しながら、活性成分をカプセル化できる方法を提供し、この方法を使用してカプセルを得ることにある。
本発明の更なる目的は、少なくとも1種の活性成分を含み、優れた生分解特性を有するカプセルを提供することである。
従って本発明は、以下の工程を含む固体マイクロカプセルの調製方法に関する:
a)攪拌下で、少なくとも1種の活性成分を含む組成物C1をポリマー組成物C2に添加し、組成物C1とC2は互いに混和性ではなく、
組成物C2の粘度は、25℃で500mPa.s~100,000mPa.sであり、好ましくは組成物C1の粘度より高く、
組成物C2は、
- 脂肪族もしくは芳香族のエステル又はポリエステル、無水物又はポリ無水物、糖類又は多糖類、エーテル又はポリエーテル、アミド又はポリアミド、ならびにカーボネート又はポリカーボネートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマー又はポリマーであって、更にアクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、カルボキシレート官能基、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する、上記少なくとも1種のモノマー又はポリマーと、
- 少なくとも1種の架橋剤と、
- 随意選択的に、少なくとも1種の光開始剤又は架橋触媒を含み、
その後に、組成物C2中に分散した組成物C1の液滴を含むエマルジョン(E1)が得られる、工程;
b)攪拌下で、エマルション(E1)を組成物C3に添加し、組成物C2とC3は互いに混和性ではなく、
組成物C3の粘度は、25℃で500mPa.s~100,000mPa.sであり、好ましくはエマルジョン(E1)の粘度より高く、
その後に、組成物C3中に分散した液滴を含む2重エマルション(E2)が得られる工程;
c)エマルジョン(E2)に剪断力を加え、
その後に、組成物C3中に分散した制御されたサイズの液滴を含む2重エマルジョン(E3)が得られる工程;そして
d)組成物C2を重合し、その後に、組成物C3中に分散した固体マイクロカプセルを得る工程。
本出願において、用語「マイクロカプセル」と「カプセル」は区別なく使用される。
従って、本発明の方法を用いて、コアとコアをその周囲で完全にカプセル化する固体シェルとを有する固体マイクロカプセルを調製することが可能であり、コアは、少なくとも1種の活性成分を含む組成物C1である。
好ましくは、本発明の方法で得られる固体マイクロカプセルは、少なくとも1種の活性成分(組成物C1)を含むコアと、前記コアをその周囲で完全にカプセル化する固体シェル(組成物C2から得られる)とから形成される。
保持及び保護の点で良好な性能を有するマイクロカプセルの探究において、本発明者らは、驚くべきことにかつ予想外に、特定の条件下で非生分解性材料から生分解性マイクロカプセルを得ることができることを見出した。
すなわち、本発明の方法で得られるマイクロカプセルは、組成物C2中の特定のモノマー及びポリマーの選択を考慮することにより、生分解性であることが可能である。
本明細書において生分解性は、OECD基準で定義されるような天然媒体中で分解する能力として定義される:OECD301(容易な生分解性)、すなわちOECD301A(溶解した有機炭素(DOC)が消滅)、OECD301B(CO発生)、OECD301C(修正MITI(I)試験)、OECD301D(クローズドボトル試験)、OECD301E(修正OECDスクリーニング)、OECD301F(検圧による呼吸測定試験)、又はさらにOECD304A(土壌中で固有の生分解性)、OECD306(海水中で生分解性)、及びOECD310(容易な生分解性-密閉容器中のCO)。
本発明の方法は更に、カプセル外への活性成分の制御されない放出を促進し導く可能性があり、及び/又はカプセルが組み込まれる予定の配合製品の成分と反応する可能性がある、界面活性剤や乳化剤の使用を必要としないという利点を有する。
本発明において、架橋可能な液相に囲まれた、少なくとも1種の活性成分を含む液滴から構成される2重エマルジョンが生成される。次に、これらの2重液滴は、架橋又は重合を介して剛性カプセルに変換される前に、サイズを単分散にされる。この調製は、以下で詳細に説明される4つの工程を含む。
工程a)
本発明の方法の工程a)で、第1のエマルジョン(E1)が調製される。
第1のエマルジョンは、攪拌下でC1をC2に滴下することにより生成される、C1と非混和性のポリマー組成物C2中の組成物C1(少なくとも1種の活性成分を含む)の液滴の分散液から構成される。
工程a)において、組成物C1は架橋性ポリマー組成物C2に加えられ、この工程は撹拌下で行われ、これは、組成物C1を加えながら、組成物C2を典型的には機械的撹拌下に保って、組成物C1とC2の混合物を乳化することを意味する
組成物C1の組成物C2への添加は、典型的には滴下により行われる。
工程a)を通して、組成物C1は、0℃~100℃、好ましくは10℃~80℃、より好ましくは15℃~60℃の温度である。工程a)を通して、組成物C2は、0℃~100℃、好ましくは10℃~80℃、より好ましくは15℃~60℃の温度である。
工程a)における添加の条件下では、組成物C1とC2は互いに混和性ではなく、これは、C2中に可溶化できる組成物C1の量(質量)が、組成物C2の総質量に対して5%以下、好ましくは1%未満、より好ましくは0.5%未満であり、そして組成物C1中に可溶化できる組成物C2の量(質量)が、組成物C1の総質量に対して5%以下、好ましくは1%未満、より好ましくは0.5%未満であることを意味する。
従って、攪拌下で組成物C1がC2と接触すると、組成物C1は、単一液滴と呼ばれる液滴の形態で分散する。
組成物C1とC2との非混和性はまた、組成物C1の活性成分の組成物C2に向かった移動を防ぐことを可能にさせる。
組成物C2は撹拌されて、組成物C2中に分散された組成物C1の液滴を含むエマルジョンが形成される。このエマルジョンは、また「単一エマルジョン」又はC2中C1(C1-イン-C2)エマルジョンとも呼ばれる。
工程a)を実施するために、エマルジョンの形成に通常使用されるいずれかのタイプのミキサー、例えば機械式ブレードミキサー、静的乳化機、超音波ホモジナイザー、膜ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、コロイドミキサー、高剪断分散機、又は高速ホモジナイザーを使用することができる。
組成物C1
組成物C1は、少なくとも1種の活性成分Aを含む。この組成物C1は、本発明の方法中に形成される液滴内で、及び得られる固体カプセル内で、本発明の方法における活性成分Aの担体として作用する。
本発明の方法の第1の態様において、組成物C1は単相であり、すなわち、これは活性成分Aのみであるか、又は可溶化形態の活性成分Aを含む溶液である。
1つの実施態様において、活性成分は組成物C1中に可溶化される。
この態様において、組成物C1は典型的には、水溶液又は有機溶媒、又は有機溶媒の混合物中の活性成分Aの溶液で構成され、活性成分Aは、組成物C1の総質量に対して1%~99%の質量含有量で含まれる。活性成分Aは、組成物C1の総質量に対して5%~95%、10%~90%、20%~80%、30%~70%、又は40%~60%の質量含有量で含有することができる。
1つの実施態様において、組成物C1は活性成分Aからなる。
本発明の別の実施態様において、組成物C1は二相性組成物であり、これは、活性成分が液体形態又は固体形態で組成物C1中に分散されていて、組成物C1中では完全には可溶化されていないことを意味する。
1つの実施態様において、活性成分は、組成物C1中に固体粒子の形態で分散されている。
この実施態様において、組成物C1は、有機溶媒又は有機溶媒の混合物中の活性成分の固体粒子の分散液から構成され得る。
この実施態様において、組成物C1は、水及び場合により親水性有機溶媒を含む水相中の活性成分の固体粒子の分散液から構成され得る。
例えば、使用される活性成分は以下のとおりである。
- ポリマー、エラストマー、ゴム、塗料、接着剤、シーラント、モルタル、ワニス、又はコーティングの配合物を重合するために使用される、架橋剤、硬化剤、有機又は金属触媒(例えば、白金、パラジウム、チタン、モリブデン、銅、亜鉛の有機金属又は無機金属錯体);
- エラストマー、塗料、コーティング、接着剤、シーラント、モルタル、又は紙の配合物用の着色剤又は顔料;
- 洗浄用製品、ホームクリーニング用製品などの洗浄剤、化粧品及び個人衛生製品、繊維製品、塗料、コーティング用の芳香剤(国際香粧品香料協会(IFRA)によって作成され、そしてウェブサイトwww.ifraorg.orgで入手可能な、分子のリストの意味において);
- 食品成分及び動物飼料用の香料、ビタミン、アミノ酸、タンパク質、脂質、プロバイオティクス、酸化防止剤、pH補正剤、保存剤;
- 柔軟剤、洗剤用コンディショナー、洗浄製品、化粧品、個人衛生製品。この点で、使用できる活性成分は、例えば米国特許第6335315号明細書及び米国特許第5877145号明細書に列挙されている;
- 洗剤、洗浄製品、家庭用クリーニング製品用の退色防止剤(例えば、アンモニウムの誘導体)、消泡剤(例えば、アルコールエトキシレート、アルキルベンゼンスルホネート、ポリエチレンエトキシレート、アルキルエトキシ硫酸塩、又はアルキル硫酸塩);
- 洗剤、洗浄製品、化粧品、及び個人衛生製品用の色活性剤とも呼ばれる蛍光増白剤(例えば、スチルベン誘導体、クマリン誘導体、ピラゾリン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、又はナフタルイミド誘導体);
- 化粧品及び個人衛生製品、繊維製品用の酵素、ビタミン、タンパク質、植物抽出物、皮膚軟化剤、殺菌剤、抗菌剤、抗UV剤、医薬品などの生物活性化合物。これらの生物活性化合物には、ビタミンA、B、C、DおよびE、パラアミノ安息香酸、アルファヒドロキシル化酸(例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、又はクエン酸)、樟脳、セラミド、ポリフェノール(例えば、フラボノイド、フェノール酸、エラグ酸、トコフェロール、ユビキノール)、ヒドロキノン、ヒアルロン酸、イソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オキシベンゾン、パンテノール、プロリン、レチノール、パルミチン酸レチニル、サリチル酸、ソルビン酸、ソルビトール、トリクロサン、チロシンが挙げられる;
- 塗料及びコーティング用の殺菌剤、抗菌剤、抗紫外線剤。
- 農薬製品用の肥料、除草剤、殺虫剤、駆除剤、防カビ剤、防虫又は殺菌製品。
- プラスチック材料、コーティング、塗料、及び繊維製品用の難燃剤(テトラブロモビスフェノールAなどの臭素化ポリオール、ハロゲン化又は非ハロゲン化有機リン化合物、塩素化化合物、アルミニウム三水和物、酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、赤リン、メラミン、あるいはニ水酸化マグネシウム);
- 湾曲した、および可撓性のスクリーンを形成する塗料、コーティング、ポリマー材料用のフォトニック結晶又は光学発色団;
- 相変化を受けると熱を吸収又は放出することができる、相変化材料(PCM)という名前で当業者に知られている、エネルギー貯蔵を目的とする製品。PCMとそれらの用途の例が、「A review on phase change energy storage: materials and applications」、Faridら、Energy Conversion and Management、2004、45(9-10)、p.1597-1615に記載されている。PCMの例としては、リン酸アルミニウム溶融塩、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸セシウム、硫酸セシウム、クエン酸カルシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、サッカリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸セリウム、リン酸鉄、炭酸リチウム、硫酸リチウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸カリウム、炭酸カリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、炭酸ルビジウム、硫酸ルビジウム、四ホウ酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、硝酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、亜セレン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、テルル酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、リン酸水素ストロンチウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、チオ硫酸ナトリウム、炭化水素パラフィンワックス、ポリエチレングリコールが挙げられる。
組成物C2
組成物C2は、マイクロカプセルの将来の固体シェルを形成することを目的としている。
C2内のC1の体積分率は、本方法の完了時に得られるカプセルのシェルの厚さを制御するために、0.1から0.6まで変化することができる。
1つの実施態様において、組成物C1の体積と組成物C2の体積との間の比は、1:10~10:1の間で変化する。好ましくは、この比は1:3~5:1の間、より好ましくは1:3~3:1の間である。
好ましくは、25℃での組成物C2の粘度は、1,000mPa.s~50,000mPa.s、より好ましくは2,000mPa.s~25、000mPa.s、例えば、3,000mPa.s~15000mPa.sである。
好ましくは、組成物C2の粘度は組成物C1の粘度よりも高い。
粘度は、2度の角度を持つ直径60mmのコーンと25°Cに設定された温度制御セルとを備えたHaake Rheostress(商標)600 レオメーターを使用して測定される。粘度の値は、10s-1の剪断速度で読み取られる。
この実施態様において、エマルジョン(E1)の液滴の不安定化の速度は著しく遅く、エマルジョンが不安定になる前に、工程d)でマイクロカプセルのシェルが重合されることを可能にする。重合が完了すると、次いで熱力学的安定化がもたらされる。従って、組成物C2の比較的高い粘度は、工程a)の後に得られるエマルジョン(E1)の安定性を確実にする。
好ましくは、組成物C1とC2との間の界面張力は低い。典型的にはこれらの界面張力は、0mN/m~50mN/m、より好ましくは0mN/m~20mN/mで変化する。
組成物C1とC2との間の低い界面張力はまた、有利には、工程a)の後に得られるエマルジョン(E1)の確実な安定性を可能にする。
組成物C2は、以下に規定されるような少なくとも1種のモノマーもしくはポリマー、少なくとも1種の架橋剤、及び随意選択的に少なくとも1種の光開始剤もしくは架橋触媒を含み、この組成物を架橋可能にする。
1つの実施態様において、組成物C2は、組成物C2の総質量に対して50質量%~99質量%の、以下に規定されるようなモノマー又はポリマー、あるいは以下に規定されるようなモノマー及びポリマーの混合物を含む。
1つの実施態様において、組成物C2は、組成物C2の総質量に対して1質量%~20質量%の架橋剤又は架橋剤の混合物を含む。
1つの実施態様において、組成物C2は、組成物C2の総質量に対して0.1質量%~5質量%の光開始剤又は光開始剤の混合物を含む。
1つの実施態様において、組成物C2は、前記組成物C2の質量に対して0.001質量%~20質量%の架橋剤を含む。
本発明において、用語「モノマー」又は「ポリマー」は、単独で又は他のモノマー若しくはポリマーと組み合わせて、重合による固体材料の形成に適合されるいずれかの基本単位を指す。「ポリマー」という用語にはオリゴマーも含まれる。
これらのモノマーは、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、及びカルボキシレート官能基によって形成される群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を含むモノマーから選択される。
組成物C2で使用されるモノマー又はポリマーは、脂肪族もしくは芳香族のエステル又はポリエステル、無水物又はポリ無水物、糖類又は多糖類、エーテル又はポリエーテル、アミド又はポリアミド、ならびにカーボネート又はポリカーボネートの中から選択され、前記ポリマーはさらに、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、及びカルボキシレート官能基によって形成される群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する。
好ましくは、組成物C2で使用されるモノマー又はポリマーは、脂肪族もしくは芳香族のエステル又はポリエステル、無水物又はポリ無水物、糖類又は多糖類、エーテル又はポリエーテル、アミド又はポリアミド、ならびにカーボネート又はポリカーボネートから選択され、前記ポリマーはさらに、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、及びカルボキシレート官能基によって形成される群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有し、前記モノマー又はポリマーは、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、及びカルボキシレート官能基とは異なるいずれかの他の反応性官能基を持たない。
1つの実施態様において、組成物C2で使用されるモノマー又はポリマーは、ウレタン官能基を持たない。
好ましくは、組成物C2で使用されるモノマー又はポリマーは、脂肪族もしくは芳香族のエステル又はポリエステル、無水物又はポリ無水物、糖類又は多糖類、エーテル又はポリエーテル、アミド又はポリアミド、ならびにカーボネート又はポリカーボネートから選択され、前記ポリマーはさらに、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、及びカルボキシレート官能基によって形成される群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有し、前記モノマー又はポリマーは、ウレタン官能基を持たない。
好ましくは、組成物C2で使用されるモノマー又はポリマーは、脂肪族もしくは芳香族のエステル又はポリエステル、無水物又はポリ無水物、糖類又は多糖類、エーテル又はポリエーテル、アミド又はポリアミド、ならびにカーボネート又はポリカーボネートから選択され、前記ポリマーはさらに、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、及びカルボキシレート官能基によって形成される群から選択される単一の反応性官能基を有する。従ってこの実施態様において、組成物C2のモノマー又はポリマーは、上に挙げたもの以外の官能基を持たず、従って特にウレタン官能基を持たない。
このようなモノマー又はポリマーの例としては、限定するものではないが、以下の化合物及びそれらの混合物を挙げることができる:
- 特には、ポリグリコリド(PGA)、ポリラクチド(PLA)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA)、ポリ(オルトエステル)、例えばポリカプロラクトン(PCL)、ポリジオキサノン、ポリ(コハク酸エチレン)、ポリ(コハク酸ブチレン)(PBS)、ポリ(アジピン酸エチレン)、ポリ(アジピン酸ブチレン)、ポリ(セバシン酸エチレン)、ポリ(セバシン酸ブチレン)、ポリ(バレロラクトン)(PVL)、ポリ(デカラクトン)、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリ(ベータ-リンゴ酸)、ポリ-3-ヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリ-3-ヒドロキシ酪酸-コ-3-ヒドロキシ吉草酸(P-3HB-3HV)、ポリ-3-ヒドロキシ酪酸-コ-4-ヒドロキシ酪酸(P-3HB-4HB)、ポリ-3-ヒドロキシ酪酸-コ-3-ヒドロキシ吉草酸-コ-4-ヒドロキシ酪酸(P-3HB-3HV-4HB)、ポリ(3-ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3-ヒドロキシプロピオン酸)、ポリ(3-ヒドロキシカプロン酸)、ポリ(3-ヒドロキシオクタン酸)、ポリ(3-ヒドロキシデカン酸)、ポリ(3-ヒドロキシウンデカン酸)、ポリ(3-ヒドロキシドデカン酸)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-コ-3-ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-コ-3-ヒドロキシデカン酸)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-コ-3-ヒドロキシプロピオン酸)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-コ-3-ヒドロキシオクタン酸)、ポリ(3-ヒドロキシヘプタン酸)、ポリ(3-ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(2-ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-コ-4-ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-コ-3-ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-コ-3-ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(4-ヒドロキシ酪酸)、ポリ(4-ヒドロキシ酪酸-コ-2-ヒドロキシ酪酸)、ポリ(4-ヒドロキシプロピオン酸)、ポリ(4-ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(5-ヒドロキシ酪酸)、ポリ(5-ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(6-ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(アルカン酸アルキレン)、ポリ(ジカルボン酸アルキレン)、ポリ(アジピン酸ブチレン)、ポリ(アジピン酸ブチレン-コ-テレフタル酸)、ポリ(炭酸ブチレン)、ポリ(ピメル酸ブチレン)、ポリ(コハク酸ブチレン)、ポリ(コハク酸ブチレン-コ-アジピン酸)、ポリ(コハク酸ブチレン-コ-炭酸)、ポリ(セバシン酸ブチレン)、ポリ(セバシン酸ブチレン-コ-テレフタル酸)、ポリ(コハク酸ブチレン-コ-テレフタル酸)、ポリ(コハク酸ブチレン-コ-乳酸)、ポリ(炭酸シクロヘキセン)、ポリジアキサノン、ポリ(アゼライン酸エチレン)、ポリ(炭酸エチレン)、ポリ(エチレンデカメチラート)、ポリ(エチレンフラノエート)、ポリ(シュウ酸エチレン)、ポリ(コハク酸エチレン)、ポリ(エチレンコハク酸-コ-アジピン酸)、ポリ(セバシン酸エチレン)、ポリ(エチレンコハク酸-コ-テレフタル酸)、ポリ(エチレンスベラート)、ポリ(セバシン酸ヘキサメチレン)、ポリ(グリコリド-コ-カプロラクトン)、ポリ(ラクチド-コ-イプシロン-カプロラクトン)、ポリマンデリド、ポリ(B-リンゴ酸)、ポリ(b-プロピオラクトン)、ポリ(コハク酸プロピレン)、ポリ(アジピン酸テトラメチレン-コ-テレフタル酸)、ポリ(炭酸テトラメチレン)、ポリ(炭酸トリメチレン)、ポリ(コハク酸テトラメチレン)-コ-(炭酸テトラメチレン)、ポリ(アジピン酸トリメチレン)、ポリ(アジピン酸メチレン-コ-テレフタル酸)、ポリ(アジピン酸テトラメチレン)、ポリ(テトラメチルグリコリド)、ポリ(コハク酸ブチレン)、ポリ(バレロラクトン)を含み、更にはアクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、及びカルボキシレート官能基によって形成される群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する、脂肪族もしくは芳香族エステル及びポリエステルの群;
- 例えばポリ(セバシン酸)、ポリ(アジピン酸)、ポリテレフタル酸、ポリ(ビス(p-カルボキシフェノキシ)アルカン酸、又はより一般的には例えばAdvanced Drug Delivery Reviews 54 (2002) 889-910に記載されているポリ無水物から得られ、更にはアクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、及びカルボキシレート官能基によって形成される群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する、無水物又はポリ無水物の群;
- 特にカラゲニン、デキストラン、シクロデキストリン、例えばヒアルロン酸、アガロース、キトサン、キチン、アルギン酸塩、デンプン、セルロース及びその誘導体、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、又はメチルヒドロキシプロピルセルロースを含み、更にはアクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、及びカルボキシレート官能基によって形成される群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する、糖類及び多糖類の群;
- 特にポリエチレングリコールを含み、更にはアクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、及びカルボキシレート官能基によって形成される群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する、エーテル及びポリエーテルの群;そして
- 特にポリ(エステルアミド)又はポリフタルアミドを含み、更にはアクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、及びカルボキシレート官能基によって形成される群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する、アミド及びポリアミドの群。
好ましくは、組成物C2に使用されるモノマー又はポリマーは、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、及びカルボキシレート官能基によって形成される群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を更に有する、脂肪族もしくは芳香族エステル又はポリエステルから選択され、前記モノマー又はポリマーはウレタン官能基を持たない。
好ましくは、組成物C2で使用されるモノマー又はポリマーは、少なくとも1種のウレタン官能基を有する脂肪族もしくは芳香族エステル又はポリエステルではない。
「架橋剤」とは、重合時に、モノマー又はポリマー、あるいはモノマー又はポリマーの混合物を架橋することができる、少なくとも2つの反応性官能基を有する化合物を意味する。
架橋剤は、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、及びカルボキシレート官能基によって形成される群から選択される少なくとも2つの同じか又は異なる官能基を有する分子の中から選択することができる。
架橋剤としては、特に以下を挙げることができる:
- ジアクリレート、例えばジアクリル酸1,6-ヘキサンジオール、ジメタクリル酸1,6-ヘキサンジオール、ジアクリル酸ポリエチレングリコール、ジメタクリル酸ポリエチレングリコール、ジメタクリル酸1,9-ノナンジオール、ジメタクリル酸1,4-ブタンジオール、ジメタクリル酸1,3-ブタンジオール、ジメタクリル酸1,10-デカンジオール、ビス(2-メタクリルオキシエチル)N,N’-1,9-ノニレンビスカルバメート、ジアクリル酸1,4-ブタンジオール、ジメタクリル酸1,5-ペンタンジオール、メタクリル酸アリル、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン、ジアクリル酸テトラエチレングリコール、ジアクリル酸ジエチレングリコール、ジアクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、N,N-ジアリルアクリルアミド、又はメタクリル酸グリシジル;
- 多官能性アクリレート、例えばペンタアクリル酸ジペンタエリスリトール、トリアクリル酸1,1,1-トリメチロールプロパン、トリメタクリル酸1,1,1-トリメチロールプロパン、テトラメタアクリル酸エチレンジアミン、トリアクリル酸ペンタエリスリトール、又はテトラアクリル酸ペンタエリスリトール;そして
- 別の反応性官能基も有するアクリレート、例えばメタクリル酸プロパルギル、N-アクリルオキシスクシンイミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N-(t-BOC-アミノプロピル)メタクリルアミド、リン酸モノアクリルオキシエチル、アクリル酸無水物、メタクリル酸2-(tert-ブチルアミノ)エチル、N,N-ジアリルアクリルアミド、又はメタクリル酸グリシジル。
1つの実施態様において、組成物C2は、組成物の総質量に対して0.001~20質量%の架橋剤を含む。
「光開始剤」とは、光照射の影響下で分解できる化合物を意味する。
本発明で使用できる光開始剤は当技術分野で知られており、例えば「Les photoinitiateurs dans la reticulation des revetements」(コーティングの架橋における光開始剤)、G. Li Bassi、Double Liaison-Chimie des Peintures、N°361、November 1985、p.34-41;「Applications industrielles de la polymerisation photoinduite」(光誘導性重合の工業的応用)、Henri Strub、L'Actualite Chimique、February 2000、p.5-13;および「Photopolymeres : considerations theoriques et reaction de prise」(光ポリマー:理論的考察と硬化反応)、Marc, J.M. Abadie、Double Liaison-Chimie des Peintures、N°435-436、1992、p.28-34に記載されている。
これらの光開始剤には以下が含まれる。
- α-ヒドロキシケトン、例えば2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン、BASFにより商品名DAROCUR(商標)1173、及び4265、IRGACURE(商標)184、2959、及び500、そしてCYTECによりADDITOL(商標)CPKで販売されている;
- α-アミノケトン、特に2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、BASFにより例えば商品名IRGACURE(商標)907及び369で販売されている;
- 例えばLAMBERTIにより商品名ESACURE(商標)TZTで販売されている芳香族ケトン;又は、例えばLAMBERTIにより商品名ESACURE(商標)ITXで販売されているチオキサントン、及びキノン。これらの芳香族ケトンは、ほとんどの場合、特に3級アミンやアルカノールアミンなどの水素ドナー化合物の存在を必要とする。特にLAMBERTIから販売されている3級アミンESACURE(商標)EDBを挙げることができる。
- BASFにより商品名IRGACURE(商標)651で販売されているベンジルジメチルケタールで最も頻繁に代表されるα-ジカルボニル誘導体。他の商業的に入手可能な製品は、LAMBERTIにより商品名ESACURE(商標)KB1で販売されている;そして
- アシルホスフィンオキシド、例えば、BASFにより商品名IRGACURE(商標)819、1700、及び1800、DAROCUR(商標)4265、LUCIRIN(商標)TPO、及びLUCIRIN(商標)TPO-Lで販売されているビスアシルホスフィンオキシド(BAPO)。
光開始剤としては、芳香族ケトン、例えばベンゾフェノン、フェニルグリオキシレート、例えばフェニルグリオキシル酸のメチルエステル、オキシムエステル、例えば[1-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)ヘプチリデンアミノ]ベンゾエート、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、及びオキシムスルホネートを挙げることができる。
1つの実施態様において、組成物C2はまた、マイクロカプセルのシェルの特性を改善することができ、及び/又はマイクロカプセルのシェルに新たな特性を付与することができる、更なるモノマー又はポリマーを含み得る。
これらの追加のモノマー又はポリマーとしては、pH感受性基、又は温度、UV、若しくはIRに感受性の基を有するモノマー又はポリマーを挙げることができる。
これらの更なるモノマー又はポリマーは、例えばpH、温度、UV、又はIRによる刺激の後に、固体マイクロカプセルの破裂を、続いてその内容物の放出を誘発することができる。
これらの更なるモノマー又はポリマーは、以下の基の少なくとも1種を有するモノマー又はポリマーから選択することができる:
- 1級、2級、又は3級アミン、カルボン酸、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、又は炭酸塩基などのpH感受性基;
- UV感受性又はUV開裂性基(フォトクロミック基)、例えばアゾベンゼン、スピロピラン、2-ジアゾ-1,2-ナフトキノン、o-ニトロベンジル、チオール基、又は6-ニトロ-ベラトロイルオキシカルボニル、例えばポリ(エチレンオキシド)-ブロック-ポリ(2-ニトロベンジルメタクリレート)、及び、例えば、特にLiuら、Polymer Chemistry 2013、4、p.3431-3443に記載されているような他のブロックコポリマー;
- IR感受性又はIR開裂可能な基、例えばo-ニトロベンジル又は2-ジアゾ-1,2-ナフトキノン、例えば、Liuら、Polymer Chemistry 2013、4、p.3431-3443に記載されているポリマー;
- 加水分解感受性基、例えばポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、キトサン、デキストラン、アガロース、セルロース、及びこれらの化合物の誘導体;そして
- 温度感受性基、例えばポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)。
工程b)
本発明の方法の工程b)で、第2のエマルジョン(E2)が調製される。
第2のエマルジョンは、攪拌下でエマルジョン(E1)をC3に滴下することにより生成される、C2と非混和性の組成物C3中の、第1のエマルジョンの液滴の分散液から構成される。
工程b)を通して、エマルジョン(E1)は15℃~60℃の温度である。工程b)を通して、組成物C3は15℃~60℃の温度である。
工程b)での添加の条件下では、組成物C2とC3は互いに混和性ではなく、これは、組成物C3中に可溶化できる組成物C2の量(質量)が、組成物C3の総質量に対して5%以下、好ましくは1%未満、より好ましくは0.5%未満であり、組成物C2中に可溶化できる組成物C3の量(質量)が、組成物C2の総質量に対して5%以下、好ましくは1%未満、より好ましくは0.5%未満であることを意味する。
従って、エマルション(E1)は、攪拌下で組成物C3と接触すると、2重液滴と呼ばれる液滴の形態で分散され、C3連続相中のエマルション(E1)のこれらの液滴の分散液はエマルション(E2)と呼ばれる。
典型的には、工程b)で形成される2重液滴は、単一の液滴を完全にカプセル化する組成物C2のシェルに囲まれた、上記のような組成物C1の単一の液滴に対応する。
工程b)で形成された2重液滴は、組成物C1の少なくとも2つの単一液滴を含むこともでき、これらの単一液滴は、これらの単一液滴を完全にカプセル化する組成物C2のシェルに囲まれている。
従って、前記の2重液滴は、組成物C1の1つもしくは2つ以上の単一液滴で構成されるコアと、前記コアを取り囲む組成物C2の層とを含む。
結果として生じるエマルジョン(E2)は、一般に多分散2重エマルジョン(C3中C2中C1(C1-in C2-インC3)エマルジョン、又はC1/C2/C3エマルジョン)であり、これは、エマルジョン(E2)中で2重液滴が明確なサイズ分布を持たないことを意味する。
組成物C2とC3の間の非混和性により、組成物C2の層と組成物C3との間の混合が防止され、それによりエマルジョン(E2)の安定性が確実にされる。
また、組成物C2とC3の間の非混和性により、C1の水溶性物質が液滴のコアから組成物C3に向かって移動するのを防ぐことができる。
工程b)を実施するために、エマルジョンの形成に通常使用されるいずれかのタイプのミキサー、例えば機械式ブレードミキサー、静的乳化機、超音波ホモジナイザー、膜ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、コロイドミキサー、高剪断分散機、又は高速ホモジナイザーを使用することができる。
組成物C3
1つの実施態様において、25℃での組成物C3の粘度は、25℃でのエマルジョン(E1)の粘度よりも高い。
本発明において、25℃での組成物C3の粘度は、500mPa.s~100,000mPa.sである。
好ましくは、25℃での組成物C3の粘度は、3,000mPa.s~100,000mPa.s、より好ましくは5,000mPa.s~80,000mPa.s、例えば7,000mPa.s~70,000mPa.sである。
この実施態様において、組成物C3によって形成される連続相の非常に高い粘度を考えると、エマルジョン(E2)の2重液滴の不安定化の速度は、本発明の方法の継続時間と比較して著しく遅く、従って、カプセルのシェルの重合が完了するまで、エマルジョン(E2)のそして次に(E3)の動力学的安定化をもたらす。重合されると、カプセルは熱力学的に安定する。
従って、組成物C3の非常に高い粘度は、工程b)の後に得られるエマルジョン(E2)の安定性を確実にする。
C3と第1エマルジョン間の低い表面張力とこの系の高い粘度により、2重エマルジョン(E2)の動力学的安定性が有利に確実にされ、生産時間を通して脱相(dephaser)が防止される。
好ましくは、組成物C2とC3の間の界面張力は低い。組成物C2とC3の間のこの低い界面張力は、工程b)後に得られるエマルジョン(E2)の安定性を確実にすることも有利に可能にする。
C3中の第1エマルジョンの体積分率は、0.05~0.5の間で変化して、まず生産収率を改善し、次にカプセルの平均直径を変化させることができる。この工程が完了すると、第2のエマルジョンのサイズ分布は比較的広くなる。
1つの実施態様において、エマルジョンの体積(E1)と組成物C3の体積との比は、1:10~10:1の間で変化する。好ましくは、この比は1:9~3:1の間、より好ましくは1:9~1:1の間である。
1つの実施態様において組成物C3はまた、好ましくは5,000g.mol-1より高い分子量を有する少なくとも1種の分岐ポリマー、及び/又は5,000g.mol-1より高い分子量を有する少なくとも1種のポリマー、及び/又はケイ酸塩などの固体粒子を含む。
1つの実施態様において、組成物C3は、好ましくは分子量が5,000g.mol-1より高い、より好ましくは分子量が10,000g.mol-1~500,000g.mol-1、例えば50,000g.mol-1~300,000g.mol-1の少なくとも1種の分岐ポリマーを含む。
「分岐ポリマー」とは、その2つの末端基の間に少なくとも1つの分岐点を持つポリマーを意味し、分岐点は、分岐鎖又はペンダント鎖とも呼ばれる側鎖が結合される鎖上の点である。
分岐ポリマーとしては、グラフト化ポリマー、くし形又は星形ポリマー、又はデンドリマーを挙げることができる。
1つの実施態様において、組成物C3は、5,000g.mol-1より高く、より好ましくは10,000g.mol-1~500,000g.mol-1、例えば50,000g.mol-1~300,000g.mol-1の分子量を有する少なくとも1種のポリマーを含む。
組成物C3で使用できるポリマーとして、以下の化合物が挙げられ、単独で使用されるか又は一緒に混合される:
- セルロースエーテルなどのセルロース誘導体:メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、又はメチルヒドロキシプロピルセルロース;
- ポリアクリレート(カルボマーとも呼ばれる)、例えばポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMAA)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)(pHEMA)、ポリ(N-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート)(pHPMA);
- ポリアクリルアミド、例えばポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM);
- ポリビニルピロリドン(PVP)及びその誘導体;
- ポリビニルアルコール(PVA)及びその誘導体;
- ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)及びその誘導体、例えばポリ(エチレングリコール)アクリレート/メタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート/ジメタクリレート、ポリプロピレンカーボネート;
- 多糖類、例えばカラゲニン、ローカストビーンガム又はタラガム、デキストラン、キサンタンガム、キトサン、アガロース、ヒアルロン酸、ジェランガム、グアーガム、アラビカゴム、トラガカントゴム、ジウタンガム、オート麦ガム、カラヤガム、ガッティガム、カードラン、ペクチン、こんにゃくガム、でんぷん;
- タンパク質誘導体、例えばゼラチン、コラーゲン、フィブリン、ポリリジン、アルブミン、カゼイン;
- シリコーン誘導体、例えばポリジメチルシロキサン(ジメチコーンとも呼ばれる)、アルキルシリコーン、アリールシリコーン、アルキルアリールシリコーン、ポリエチレングリコールジメチコーン、ポリプロピレングリコールジメチコーン;
- ワックス、例えばジエステルワックス(アルカンジオールのジエステル、ヒドロキシル酸のジエステル)、トリエステルワックス(トリアシルグリセロール、アルカン-1,2-ジオールのトリエステル、ω-ヒドロキシ酸と脂肪酸のトリエステル、ヒドロキシマロン酸のエステル、脂肪酸とアルコールのエステル、ヒドロキシル酸のトリエステル、脂肪酸と脂肪アルコールのトリエステル、脂肪酸のトリエステル、ヒドロキシル酸とジオールのトリエステル)、及びポリエステルワックス(脂肪酸のポリエステル)。例えば、本発明でワックスとして使用できる脂肪酸のエステルは、パルミチン酸セチル、オクタン酸セチル、ラウリン酸セチル、乳酸セチル、イソノナン酸セチル、ステアリン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸イソセチル、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、又はパルミチン酸グリセリル及びパルミチン酸セチル;
- ワックスとして使用できる脂肪酸、例えばセロチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ジヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、アラキジン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ペンタデシル酸、マーガリン酸、ノナデシル酸、ヘネイコシル酸、トリコシル酸、ペンタコシル酸、ヘプタコシル酸、モンタン酸、又はノナコシル酸;
- 脂肪酸の塩、特に脂肪酸のアルミニウム塩、例えばステアリン酸アルミニウム、ヒドロキシルアルミニウムビス(2-エチルヘキサノエート);
- 異性化ホホバ油;
- 水素化ヒマワリ種子油;
- 水素化コプラ油;
- 水素化ラノリン油;
- ヒマシ油及びその誘導体、特に変性水素化ヒマシ油、又はヒマシ油と脂肪族アルコールとのエステル化により得られる化合物;
- ポリウレタン及びその誘導体;
- スチレンポリマー、例えばスチレンブタジエン;そして
- ポリオレフィン、例えばポリイソブテン。
1つの実施態様において、組成物C3は、粘土、シリカ、及びケイ酸塩などの固体粒子を含む。
組成物C3で使用できる固体粒子としては、粘土及び特にフィロケイ酸塩の範疇に属するケイ酸塩(シートシリカとも呼ばれる)を挙げることができる。本発明で使用できるケイ酸塩の例として、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ソーコナイト、ノントロナイト、カオリナイト、タルク、セピオライト、チョークを挙げることができる。熱分解合成シリカも使用できる。前述の粘土、ケイ酸塩、及びシリカは、ポリエーテル、エトキシル化アミド、4級アンモニウム塩、長鎖ジアミン、長鎖エステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの有機分子によって有利に修飾することができる。
これらの粒子は、単独で又は混合物として使用することができる。
1つの実施態様において組成物C3は、5,000g.mol-1より大きい分子量を有する少なくとも1種のポリマー、及び固体粒子を含む。前述の化合物のいずれかの混合物を使用することができる。
工程c)
本発明の方法の工程c)では、第2のエマルジョン(E2)の液滴のサイズが精緻化される。
この工程で、制御された均一な剪断力をエマルジョン(E2)に加えることができ、この加えられる剪断速度は、10s-1~100,000s-1である。
1つの実施態様において、工程b)で得られた多分散2重液滴はサイズの精緻化にかけられ、それによりこれらは、これらを制御された均一な直径の新たな2重液滴に断片化できる剪断を受ける。好ましくは、この断片化工程は、欧州特許出願第15306428.2号明細書に記載されている方法に従って、クエット(Couette)型の高剪断セルを使用して実施される。
1つの実施態様において、工程b)後に得られた、連続相中に分散された多分散2重液滴からなる第2のエマルジョン(E2)は、工程c)で、制御された均一な剪断を加えるミキサー中で剪断力を受ける。
従って、この実施態様において、工程c)で、制御された均一な剪断力がエマルジョン(E2)に加えられ、この加えられた剪断速度は1,000s-1~100,000s-1である。
この実施態様において、ミキサー中で、剪断速度は、エマルジョンの点毎に変化し得る所定の瞬間において、それが最大値に達し、それがエマルジョンの全ての部分について同じである場合には、時間の長さに関係なく、制御され均一であると理解される。ミキサーの正確な構成は、エマルジョン全体が、この装置を離れる際に、同じ最大剪断力を受けている限り、本発明において必須ではない。工程c)を実施するのに適したミキサーは、特に米国特許第5938581号明細書に記載されている。
第2のエマルジョンは、
- 2つの同心回転シリンダー(クエット型ミキサーとも呼ばれる);
- 2つの平行回転ディスク;又は
- 2つの平行な振動板
により形成されたセルを通して循環するときに、制御された均一な剪断力を受けることができる。
この実施態様において、第2のエマルションに加えられる剪断速度は、1,000s-1~100,000s-1、好ましくは1,000s-1~50,000s-1、より好ましくは2,000s-1~20,000s-1である。
この実施態様において、工程c)で、第2のエマルジョンがミキサーに容れられ、剪断力を受けて第3のエマルジョンが形成される。第3のエマルジョン(E3)は第2のエマルジョン(E2)と化学的に同じであるが、しかしながら、エマルジョン(E3)は単分散2重液滴で構成されており、一方で、エマルジョン(E2)は多分散2重液滴で構成されている。第3のエマルジョン(E3)は典型的には、組成物C1の1つもしくは2つ以上の液滴から形成されるコアと前記コアをカプセル化する組成物C2の層とを含む2重液滴の分散物から構成され、前記2重液滴は組成物C3中に分散されている。
第2のエマルジョンと第3のエマルジョンとの間の違いは、2重液滴のサイズの多様性であり、第2エマルジョンの液滴はサイズが多分散であるのに対し、第3のエマルジョンの液滴は上記の断片化メカニズムによって単分散である。
好ましくは、この実施態様において、第2のエマルジョンはミキサーに連続的に添加され、これは、ミキサーに供給される2重エマルジョン(E2)の量がミキサーを出る第3のエマルジョン(E3)の量と同じであることを意味する。
エマルジョン(E3)の液滴のサイズは、基本的には重合後の固体マイクロカプセルの液滴のサイズに相当するために、液滴のサイズの低下と剪断速度の上昇との強い相関関係によって、工程c)で剪断速度を調整することにより、マイクロカプセルのサイズとシェルの厚さを調整することができる。これにより、工程c)で加えられる剪断速度を変えることにより、マイクロカプセルの得られる寸法を調整することができる。
1つの好適な実施態様において、工程c)で使用されるミキサーは、内側半径Rの外側のシリンダーと外側半径Rの内側シリンダーの2つの同心シリンダーを含むクエット型のミキサーであり、外側シリンダーは固定され、内側シリンダーは角速度ωで回転する。
本発明の方法に適用されるクエット型のミキサーは、T.S.R. France により供給され得る。
1つの実施態様において、クエット型ミキサーの回転する内側シリンダーの角速度ωは、30rad.s-1以上である。
例えば、クエット型ミキサーの内側回転シリンダーの角速度ωは、約70rad.s-1である。
クエット型ミキサーの外側の固定シリンダーの寸法は、内側の回転シリンダーと外側の固定シリンダーの間のスペース(d=R-R)を調節するために選択することができる。
1つの実施態様において、クエット型ミキサーの2つの同心シリンダー間のスペース(d=R-R)は、50μm~1,000μm、好ましくは100μm~500μm、例えば200μm~400μmである。
例えば、2つの同心シリンダー間の距離dは100μmである。
この実施態様において、工程c)で、第2のエマルジョンは典型的にはポンプを介してミキサーに供給され、2つの同心シリンダー間のスペースに向けられ、外側シリンダーは固定され、内側シリンダーは角速度ωで回転する。
2重エマルジョンが2つのシリンダー間のスペースに到達すると、そのエマルジョンに加えられる剪断速度は次の式で与えられる:
Figure 2023095871000001
式中:
- ωは内側の回転シリンダーの角速度であり、
- Rは、外側の固定シリンダーの内側半径であり、そして
- Rは、内側の回転シリンダーの外側半径である。
別の実施態様において、組成物C3の粘度が25℃で2,000mPa.sより高い場合には、工程c)で、1,000s-1未満の剪断速度がエマルジョン(E2)に加えられる。
この実施態様において、断片化工程c)は、通常1,000s-1未満の剪断速度でエマルジョンを形成するために使用されるいずれかのタイプのミキサーを使用して実施でき、この場合には、組成物C3の粘度は2,000mPa.sより高く、すなわちフランス特許願第1661787号明細書に記載されているような条件下である。
この工程の完了時に形成される2重液滴の幾何学的特性により、将来のカプセルの幾何学的特性が決まる。
この実施態様において、連続相中に分散された多分散液滴で形成されたエマルジョン(E2)は、工程c)で、例えばミキサー中で、低剪断速度、すなわち1,000s-1未満で剪断力を受ける。
この実施態様において、工程c)で加えられる剪断速度は、例えば10s-1~1,000s-1である。
好ましくは、工程c)で加えられる剪断速度は、厳密に1,000s-1よりも小さい。
この実施態様において、エマルジョン(E2)の液滴は、大きな剪断力が加えられた場合にのみ効率的に断片化されて、エマルジョン(E3)の微細な単分散液滴になり得る。
エマルジョン(E2)の液滴に加えられる剪断応力σは、工程d)で混合されたときにエマルジョンに加えられる巨視的な剪断から生じる、液滴の単位表面積あたりの接線力として規定される。
工程d)で混合されたときにエマルジョン(E2)に加えられる剪断応力σ(Paで表される)、組成物C3の粘度η(Pasで表される)、及び剪断速度γ(s-1で表される)は、以下の式により関連付けられる:
σ=ηγ
従ってこの実施態様において、組成物C3の高粘度は、剪断速度が低くかつ剪断が不均一であっても、ミキサー内のエマルジョン(E2)の液滴に非常に大きな剪断応力を加えることを可能にする。
この実施態様において工程c)を実施するために、エマルジョンの形成に通常使用されるいずれかのタイプのミキサー、例えば機械式ブレードミキサー、静的乳化機、超音波ホモジナイザー、膜ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、コロイドミキサー、高剪断分散機、又は高速ホモジナイザーを使用することが可能である。
1つの好ましい実施態様において、工程c)を実施するために、機械式パドルブレードミキサー又は静的乳化機などの単純な乳化機が使用される。この実施態様は、制御された剪断力又は1,000s-1より大きい剪断力のいずれも必要としないため、それが可能である。
工程d)
本発明の方法の工程d)で、本発明の固体マイクロカプセルのシェルは架橋され、従って形成される。
この工程により、融合や成熟などの不安定化メカニズムを確実に防止することにより、カプセルの保持と確実にされたその熱力学的安定性の両方について、期待される性能レベルに到達することが可能にされる。
1つの実施態様において、組成物C2が光開始剤を含む場合、工程d)は光重合工程であり、それによってエマルション(E3)が、組成物C2の光重合を開始できる光源、特に、好ましくは100nm~400nmの波長範囲で発光するUV光源に、特に15分間未満の時間、曝露される。
この実施態様において、工程d)でエマルジョン(E3)は光重合を受け、これにより組成物C2の光重合が可能になる。この工程により、上記で規定したような水溶性物質をカプセル化したマイクロカプセルを得ることができる。
1つの実施態様において、工程d)で、エマルジョン(E3)は、組成物C2の光重合を開始することができる光源に曝露される。
好ましくは、光源はUV光源である。
1つの実施態様において、UV光源は100nm~400nmの波長範囲で発光する。
1つの実施態様において、エマルジョン(E3)は、15分間未満の時間、好ましくは5~10分間、光源に曝露される。
工程d)において、光架橋性組成物C2からなる上記の2重液滴のシェルは架橋され、それにより、機械的誘因の非存在下で、水溶性物質をカプセル化してその放出から防御する粘弾性ポリマーシェルに変換される。
別の実施態様において、組成物C2が光開始剤を含まない場合、工程d)は光源に曝されない重合工程であり、この重合工程d)の時間の長さは好ましくは8時間~100時間であり、及び/又はこの工程d)は20℃~80℃の温度で実施される。
この実施態様において、重合は、例えば熱への暴露(熱開始)により、又はモノマー、ポリマー、及び架橋剤を、一緒に、又は触媒と、単に接触させることにより、開始される。その場合、重合時間は一般に数時間より長くなる。
好ましくは、組成物C2の重合工程d)は、20℃~80℃の温度で、8時間~100時間実施される。
工程d)後に得られた、組成物C3中に分散された固体マイクロカプセルを含む組成物は直ぐに使用でき、そしてカプセルの追加の後処理工程を必要とせずに使用できる。
このようにして得られたマイクロカプセルのシェルの厚さは、典型的には0.1μm~20μm、好ましくは0.2μm~8μm、より好ましくは0.2μm~5μmである。
1つの実施態様において、工程d)の後に得られた固体マイクロカプセルは界面活性剤を含まない。
本発明の方法は、記載された工程のいずれにおいても界面活性剤を必要としないという利点を有する。従って、本発明の方法により、活性成分の放出後に得られる最終生成物の特性を変更する可能性のある添加剤の存在を低減することが可能である。
本発明は、上記で定義されたような方法で得ることができる一連の(又は1組の)固体マイクロカプセルにも関し、それぞれのマイクロカプセルは、
- 上記で規定したような組成物C1を含むコアと、
- コアをその周囲で完全にカプセル化する固体シェルと、を含み、
ここで、前記マイクロカプセルの平均直径は1μm~30μmであり、剛性シェルの厚さは0.1μm~20μm、好ましくは0.2μm~8μm、より好ましくは0.2μm~5μmであり、マイクロカプセルの直径の分布の標準偏差は50%未満、特に25%未満、又は1μm未満である。
好ましくは、本発明の方法で得られる固体マイクロカプセルは、少なくとも1種の活性成分を含むコア(組成物C1)と、コアをその周囲で完全にカプセル化する固体シェル(組成物C2から得られる)とで形成される。
上記のように、本発明の方法により、単分散粒子を得ることが可能である。すなわち上記の一連の固体マイクロカプセルは、単分散サイズの粒子の集団で形成される。例えば、マイクロカプセルの直径の分布の標準偏差は、50%未満、特に25%未満、又は1μm未満である。
固体マイクロカプセルのサイズ分布は、Hydro SV測定用セルを備えたMastersizer 3000装置(Malvern Instruments)を使用して光散乱法で測定することができる。
1つの実施態様において、上記の固体マイクロカプセルは、完全に架橋ポリマー(組成物C2から得られる)で構成された固体シェルを含む。
上記のように、本発明の方法により、固体マイクロカプセルを得ることが可能である。すなわち本発明はまた、コアとコアをその周囲で完全にカプセル化する固体シェルとを含む固体マイクロカプセルに関し、ここでコアは上記で規定したような組成物C1であり、固体シェルは架橋ポリマーで構成される。
前記マイクロカプセルの直径は1μm~30μmであり、剛性シェルの厚さは0.1μm~20μm、好ましくは0.2μm~8μm、より好ましくは0.2μm~5μmである。
本発明はまた、上記で規定したような一連の固体マイクロカプセルを含む組成物に関する。
表現「...と...の間」、「...から...まで」、「...から...までの範囲」は、特に断りがない限り、境界値を含むと解釈すべきである。
以下の例は、本発明の範囲を限定することなく本発明を例示するものである。
例1
本発明による固体生分解性カプセルの製造
分散ブレードタイプの羽根車を備えた機械式撹拌機(Ika Eurostar 20)を全ての混合工程で使用した。
工程a):第1のエマルジョン(E1)の調製
Figure 2023095871000002
組成物C1を、完全に均質化するまで1,000rpmで撹拌し、次に周囲温度で1時間放置した。その後、組成物C1を、組成物C2に3:7の比率で、2,000rpmで撹拌しながら滴下した。これにより、第1のエマルジョン(E1)が得られた。
工程b):第2のエマルジョン(E2)の調製
Figure 2023095871000003
組成物C3を、完全に均質化するまで1,000rpmで攪拌し、次に周囲温度で1時間放置した。その後、第1のエマルジョン(E1)を1,000rpmで攪拌しながら組成物C3に滴下した。これにより、第2のエマルジョン(E2)が得られた。
工程c):第2のエマルジョンのサイズ精緻化
前の工程で得られた多分散の第2エマルジョン(E2)を1,000rpmで10分間攪拌した。その結果、単分散エマルジョン(E3)が得られた。
工程d):カプセルのシェルの架橋
前の工程で得られた単分散の第2のエマルジョン(E3)に、最大光強度0.1W/cmを有するUV光源(Dymax LightBox ECE 2000)で365nmの波長で10分間照射した。
得られたマイクロカプセルは、良好なサイズ分布、すなわち平均サイズ15μmを示し、サイズ分布の標準偏差は6.1μm、すなわち41%であった。
生分解性試験のために、遠心分離-再分散工程を数回実施することによりマイクロカプセルを洗浄して、アルギン酸塩を完全に除去した。土壌試料を採取して精製し、そこから細菌含有物を抽出して、本発明のマイクロカプセルを唯一の炭素源として含む液体培地に容れた。周囲温度での5日間のインキュベーションの後に、マイクロカプセルを光学顕微鏡及び電子走査顕微鏡下で画像化した。マイクロカプセル上にバイオフィルムが観察され、シェルで示される炭素源からの細菌の増殖を示していた。マイクロカプセルのシェル上で侵食と破壊の痕跡が観察され、マイクロカプセルの細菌による分解が確認された。
例2
本発明による生分解性固体ポリエステルカプセルの製造
分散ブレードタイプの羽根車を備えた機械式撹拌機(Ika Eurostar 20)を全ての混合工程で使用した。
工程a):第1のエマルジョン(E1)の調製
Figure 2023095871000004
組成物C1及びC2を、完全に均質化するまで2,000rpmで撹拌した。その後、組成物C1を組成物C2に5:5の比率で、2,000rpmで撹拌しながら滴下した。これにより、第1のエマルジョン(E1)が得られた。
工程b):第2のエマルジョン(E2)の調製
Figure 2023095871000005
組成物C3を、完全に均質化するまで3,500rpmで撹拌し、次に周囲温度で1時間放置した。その後、第1のエマルジョン(E1)を組成物C3に加え、2,000rpmで攪拌した。これにより、第2のエマルジョン(E2)が得られた。
工程c):第2エマルジョンのサイズ精緻化
前の工程の後に得られた第2の多分散エマルジョン(E2)を2,000rpmで3分間撹拌した。その結果、単分散エマルジョン(E3)が得られた。
工程d):カプセルのシェルの架橋
前の工程で得られた第2の単分散エマルジョン(E3)に、最大光強度0.1W/cmを有するUV光源(Dymax LightBox ECE 2000)で365nmの波長で10分間照射した。
得られたマイクロカプセルは、良好なサイズ分布、すなわち平均サイズ5μmを示し、サイズ分布の標準偏差は1μm、すなわち20%であった。
生分解性試験のために、遠心分離-再分散工程を数回実施することによりマイクロカプセルを洗浄して、アルギン酸塩を完全に除去した。
BioDScreen(商標)分析を行って、マイクロカプセルの好気的生分解性を判定した。BioDScreen(商標)(Scanae)法は、蛍光検出を使用するマイクロプレート形式のスクリーニング法である。
BioDScreen(商標)は、細菌の代謝活性に感受性のレサズリン由来のバイオ試薬の使用に基づいており、この試薬は、細菌による試料の分解に比例して蛍光性の形に還元される。
生分解率は、廃水処理ステーションからの種菌を用いて、30°Cで10日間インキュベートした場合のBioDScreen(商標)-A法による生分解性の分析に対応する。
例2では、10日間のインキュベーション後の生分解率は45%で、標準偏差は3%であり、4時間後にプラトーに達した。
例3
本発明による生分解性の固体ポリエポキシカプセルの製造
分散ブレードタイプの羽根車を備えた機械式撹拌機(Ika Eurostar 20)を全ての混合工程で使用した。
工程a):第1のエマルジョン(E1)の調製
Figure 2023095871000006
組成物C1及びC2を、完全に均質化するまで2,000rpmで撹拌した。その後、組成物C1を組成物C2に5:5の比率で、2,000rpmで撹拌しながら滴下した。これにより、第1のエマルジョン(E1)が得られた。
工程b):第2エマルジョン(E2)の調製
Figure 2023095871000007
組成物C3を、完全に均質化するまで3500rpmで撹拌し、次に周囲温度で1時間放置した。その後、第1のエマルジョン(E1)を組成物C3に加え、2,000rpmで攪拌した。これにより、第2のエマルジョン(E2)が得られた。
工程c):第2エマルジョンのサイズ精緻化
前の工程に得られた第2の多分散エマルジョン(E2)を2,000rpmで3分間撹拌した。その結果、単分散エマルジョン(E3)が得られた。
工程d):カプセルのシェルの架橋
前の工程で得られた第2の単分散エマルジョン(E3)に、最大光強度0.1W/cmを有するUV光源(Dymax LightBox ECE 2000)で365nmの波長で10分間照射した。
得られたマイクロカプセルは、良好なサイズ分布、すなわち平均サイズ8μmを示し、サイズ分布は1.4μm、すなわち18%の標準偏差であった。
生分解性試験のために、遠心分離-再分散工程を数回実施することによりマイクロカプセルを洗浄して、アルギン酸塩を完全に除去した。上記の例2の指示に従ってBioDScreen(商標)(Scanae)分析を行って、マイクロカプセルの好気的生分解性を判定した。
10日間のインキュベーション後の生分解率は31%で、標準偏差は3%であった。

Claims (10)

  1. 以下の工程を含む、固体マイクロカプセルの調製方法:
    a)攪拌下で、少なくとも1種の活性成分を含む組成物C1をポリマー組成物C2に添加し、組成物C1とC2は互いに混和性ではなく、
    組成物C2の粘度は、25℃で500mPa.s~100,000mPa.sであり、好ましくは組成物C1の粘度より高く、
    組成物C2は、
    - 脂肪族もしくは芳香族のエステル又はポリエステル、無水物又はポリ無水物、糖類又は多糖類、エーテル又はポリエーテル、アミド又はポリアミド、ならびにカーボネート又はポリカーボネートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマー又はポリマーであって、更にアクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、カルボキシレート官能基、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する、上記少なくとも1種のモノマー又はポリマーと、
    - 少なくとも1種の架橋剤と、
    - 随意選択的に、少なくとも1種の光開始剤又は架橋触媒を含み、
    その後に、組成物C2中に分散された組成物C1の液滴を含むエマルジョン(E1)が得られる工程;
    b)攪拌下で、エマルション(E1)を組成物C3に添加し、組成物C2とC3は互いに混和性ではなく、
    組成物C3の粘度は、25℃で500mPa.s~100,000mPa.sであり、好ましくはエマルジョン(E1)の粘度より高く、
    その後に、組成物C3中に分散された液滴を含む2重エマルション(E2)を得る工程;
    c)エマルジョン(E2)に剪断力を加え、
    その後に、組成物C3中に分散された制御されたサイズの液滴を含む2重エマルジョン(E3)を得る工程;そして
    d)組成物C2を重合し、その後に、組成物C3中に分散された固体マイクロカプセルを得る工程。
  2. 組成物C2が、脂肪族もしくは芳香族のエステル又はポリエステルからなる群から選択され、更にアクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、N-ビニルエーテル、エポキシ、シロキサン、アミン、ラクトン、ホスフェート、カルボキシレート官能基、及びそれらの混合物を含む少なくとも1種の官能基を有するモノマー又はポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 組成物C2が、前記組成物の総質量に対して0.001質量%~20質量%の架橋剤を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 工程c)において、制御された、均一な剪断力がエマルジョン(E2)に加えられ、前記加えられた剪断速度が1,000s-1~100,000s-1である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 組成物C3の粘度が、25℃で2,000mPa.sより高い場合に、工程c)で1,000s-1未満の剪断速度がエマルジョン(E2)に加えられる、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 組成物C2が光開始剤を含む場合に、工程d)は光重合工程であり、従ってエマルション(E3)は、組成物C2の光重合を開始できる光源に、特に好ましくは100nm~400nmの波長範囲で発光するUV光源に、特に15分間未満の時間曝露される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 組成物C2が光開始剤を含まない場合に、工程d)は光源に曝されない重合工程であり、この重合工程d)の継続時間は好ましくは8時間~100時間であり、及び/又はこの工程d)は20℃~80℃の温度で実施される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 組成物C3がまた、好ましくは5,000g.mol-1より高い分子量を有する少なくとも1種の分岐ポリマー、及び/又は5,000g.mol-1より高い分子量を有する少なくとも1種のポリマー、及び/又はケイ酸塩などの固体粒子を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の方法で得ることができる一連の固体マイクロカプセルであって、それぞれのマイクロカプセルが、
    - 請求項1に記載の組成物C1を含むコアと、
    - コアをその周囲で完全にカプセル化する固体シェルとを含み、
    ここで、前記マイクロカプセルの平均直径は1μm~30μmであり、剛性シェルの厚さは0.1μm~20μmであり、マイクロカプセルの直径の分布の標準偏差は50%未満、特に25%未満、又は1μm未満である、上記マイクロカプセル。
  10. 請求項9に記載の一連の固体マイクロカプセルを含む組成物。
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