JP2001129940A - フッ素樹脂コートポリエステルフィルム - Google Patents

フッ素樹脂コートポリエステルフィルム

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JP2001129940A
JP2001129940A JP31237499A JP31237499A JP2001129940A JP 2001129940 A JP2001129940 A JP 2001129940A JP 31237499 A JP31237499 A JP 31237499A JP 31237499 A JP31237499 A JP 31237499A JP 2001129940 A JP2001129940 A JP 2001129940A
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polyester film
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vinyl ether
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Atsunori Okada
篤則 岡田
Reiji Otani
令二 大谷
Yoshihiro Kawarasaki
喜博 河原崎
Seiichi Yugawa
精一 湯川
Atsushi Kimoto
敦司 木本
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコンを含まない離型性フィルムであっ
て、なおかつ耐熱性を保持し、透明性、防汚性、撥水性
にも優れた特性を持つフィルムを提供する。 【解決手段】 フルオロオレフィン、シクロヘキシル基
含有アクリル酸エステル、水酸基含有ビニルエーテルを
構成成分とする含フッ素共重合体(A)と、イソシアネ
ート基を2以上有する架橋剤(B)の反応生成物をポリ
エステルフィルムの片面又は両面に形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、離型性ポリエステ
ルフィルムに関するものであり、さらに詳しくはシリコ
ンを含まない、耐熱性、透明性、防汚性、撥水性にも優
れた特性を有する離型性ポリエステルフィルムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】離型性ポリエステルフィルムは、付加
型、縮合型、二液型のシリコンをポリエステルフィルム
の片面又は両面に塗工し、熱又は紫外線照射硬化させる
ことにより得られる。ポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルムに代表される二軸延伸ポリエステルフィ
ルムの透明性、寸法安定性、機械的性質、電気的性質、
耐薬品性等の優れた性能と、離型性を有するシリコンの
特長とを組み合わせて、工程紙用等の用途に、離型性ポ
リエステルフィルムが利用されている。しかし、特に工
場生産ラインの工程紙用等において、離型した相手製品
の離型面にさらにメッキ等の加工をする際、製品に離型
性フィルムのシリコンが移行することによるトラブルが
発生しやすいという問題がある。
【0003】このようなシリコンの移行を避けるため
に、シリコンを含まない離型性フィルムとして、ウレタ
ン系、炭化水素系の離型剤を用いたものもあるが、これ
らの離型剤は耐熱性が低いため、160℃以上の熱雰囲
気下で使用することは不可能である。又、ポリメチルペ
ンテンフィルム(TPXフィルム)は、耐熱性を有する
離型フィルムとして知られているが、このフィルムは弾
性率が低く(いわゆる「腰」がなく)、工場生産ライン
の工程紙用に使用する際、取り扱いにくいという欠点が
ある。
【0004】一方、シリコンを含まない離型性フィルム
の需要は、IC部品等の電子部品産業業界でますます増
加しているが、電子部品製品の生産技術が高度になるに
つれ、生産工程中に使用される離型性フィルムに対し
て、より高い性能が要求されてきている。そのような要
求をある程度満たすものとして、フッ素を含有する一群
のフィルム、シート(テフロン類)があるが、高価なも
のになるという欠点を有している。それらの問題を解決
するために、基材フィルムにフッ素系樹脂を塗工する方
法が検討されているが、フッ素系樹脂は溶剤に対する溶
解性に乏しく、また基材フィルムに対する接着性が乏し
いため、実用性のある離型性フィルムを製造することは
困難であった。つまり、フィルムとフッ素系樹脂とが密
着していないため、使用時には相手素材とフッ素系樹脂
との間で剥離すべきものが、フィルムとフッ素系樹脂と
の間で剥離を起こしたり、また、フッ素系樹脂は溶剤溶
解性に乏しく微粒子状態でフィルムに並べた状態である
ため、微粒子状のフッ素系樹脂が脱離するなどの問題が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような状況に鑑
み、本発明は、フッ素を含有する一群のフィルム、シー
ト(テフロン類)と同等の性能を持ち、かつ耐熱性を保
持し、透明性、防汚性、撥水性にも優れた特性を有する
離型性フィルムを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは、上記の
課題を解決するために鋭意検討の結果、フルオロオレフ
ィン、シクロヘキシル基含有アクリル酸エステル、水酸
基含有ビニルエーテルを構成成分とする含フッ素共重合
体を、イソシアネート基を持つ架橋剤とともにポリエス
テルフィルムの片面及び/又は両面に塗布し、加熱する
ことにより、基材フィルムとの密着に優れた離型性フィ
ルムが得られることを見出し、本発明に到達した。すな
わち、本発明の要旨は、下記式(1)に示すフルオロオ
レフィン、式(2)に示すシクロヘキシル基含有アクリ
ル酸エステル、及び式(3)に示す水酸基含有ビニルエ
ーテルを構成成分とする含フッ素共重合体(A)と、イ
ソシアネート基を2以上有する架橋剤(B)との反応生
成物をポリエステルフィルムの片面又は両面に形成して
なるフッ素樹脂コートポリエステルフィルムである。
【化4】 (式中、XはF又はH、YはH、Cl、F、CF3であ
る。)
【化5】 (式中、R1は水素又はメチル基である。)
【化6】 (式中、R2は炭素数2〜5のアルキレン基、又はシク
ロヘキシレン基である。)
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明について詳細に説明
する。本発明において用いられるポリエステルフィルム
としては、PETフィルムが好ましいが、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸
等の他のジカルボン酸成分や、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリ
コール、ビスフェノールA等の他のグリコール成分を共
重合してもよく、これらの成分を2種類以上併用しても
よい。また、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキ
シレンジメチレンテレフタレート(PCT)等の他のポ
リエステルとブレンドして用いることもできる。
【0008】本発明におけるポリエステルフィルムの製
造方法としては、例えば、原料ポリマーを溶融押出し、
急冷固化して未延伸フィルムとし、次いで縦方向及び横
方向に二軸延伸した後、熱固定及び弛緩処理を施すこと
によって得ることができる。また、そのようにして製造
したポリエステルフィルムを120℃以上の高温下でさ
らに熱処理を行い、熱収縮率をさらに小さくしたものを
用いることもできる。
【0009】本発明において用いられる含フッ素共重合
体(A)は、フルオロオレフィン、シクロヘキシル基含
有アクリル酸エステル、水酸基含有ビニルエーテルを構
成成分とすることが必要である。
【0010】本発明において、フルオロオレフィンは式
(1)で表される分子中に少なくとも2個のフッ素原子
を有するオレフィンであつて、例えばフッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レン、ヘキサフルオロプロペン等が好適である。これら
のフルオロオレフィンは、それぞれ単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0011】本発明において、シクロヘキシル基含有ア
クリル酸エステルは式(2)で表され、具体例として
は、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタ
クリレート等を挙げることが出来るが、シクロヘキシル
メタクリレートが特に好ましい。
【0012】本発明において、水酸基含有ビニルエーテ
ルは式(3)で表され、具体例としては、ヒドロキシメ
チルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブ
チルビニルエーテル、ヒドロキシシクロヘキシルビニル
エーテル等が挙げられるが、特にヒドロキシブチルビニ
ルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロ
キシシクロヘキシルビニルエーテルが好適である。これ
らの水酸基含有ビニルエーテルはそれぞれ単独で用いて
もよいし、2種以上を組合わせ用いてもよい。
【0013】本発明において含フッ素共重合体は、前記
フルオロオレフィン、シクロヘキシル基含有アクリル酸
エステル、及び水酸基含有ビニルエーテルを構成成分と
するものであるが、さらにこれらの成分に加えて、使用
目的などに応じて20モル%を超えない範囲で他の共重
合可能な成分を含むこともできる。該共重合可能な成分
としては、例えばエチルビニルエーテル、ブチルビニル
エーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキル
ビニルエーテル類やエチレン、プロピレン等のオレフィ
ン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロオレフィン
類、酢酸ビニル、n−酪酸ビニル、バーサチック酸ビニ
ル等のカルボン酸ビニルエステル類等が挙げられる。
【0014】本発明における含フッ素共重合体を構成す
る各成分の好ましい共重合割合は、フルオロオレフィン
が40〜90モル%、シクロヘキシル基含有アクリル酸
エステルが1〜30モル%、水酸基含有ビニルエーテル
が1〜30モル%である。フルオロオレフィンの割合が
40モル%より少ない場合には、塗工したフィルムの離
型性が低下し、また90モル%より多い場合には溶剤に
対する溶解性が低下し、フィルムに塗工することが困難
になる。シクロヘキシル基含有アクリル酸エステルの割
合が1モル%より少ないと、樹脂溶液の保存安定性が低
下して好ましくなく、30%より多い場合には重合時に
おける重合速度が低下して好ましくない。水酸基含有ビ
ニルエーテルの割合が1モル%より少ないと、硬化反応
が起こりにくくなり、30モル%より多い場合には共重
合反応が困難となる。
【0015】本発明における含フッ素共重合体は、溶媒
の存在下又は不存在下で、上記構成成分を、重合開始剤
を用いて共重合させることにより製造することができ
る。重合開始剤としては、重合に用いられる溶媒の種類
に応じて、水溶性のものあるいは油溶性のものが適宜用
いられる。水溶性重合開始剤としては、例えば過硫酸カ
リウム等の過硫酸塩、過酸化水素、あるいはこれらと亜
硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤と
の組み合わせからなるレドックス開始剤、さらには、こ
れらに少量の鉄、第一鉄塩、硝酸銀等を共存させた無機
系開始剤やコハク酸パーオキサイド、ジグルタル酸パー
オキサイド、モノコハク酸パーオキサイド等の二塩基酸
塩等の有機系開始剤等が用いられる。また油溶性開始剤
としては、例えばt−ブチルパーオキシイソブチレー
ト、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエ
ステル型過酸化物、ジイソプロピルパーオキシカーボネ
ート、ジノルマルプロピルパーオキシカーボネート等の
ジアルキルパーオキシジカーボネート、ベンゾイルパー
オキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等が用いられ
る。これらの重合開始剤の使用量は、その種類、共重合
反応条件等に応じて適宜選ばれるが、単量体全量に対し
て、0.005〜5重量%、好ましくは0.1〜1%の
範囲で選ばれる。
【0016】また、重合法については特に制限はなく、
例えば塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合
法等を用いることができるが、メチルエチルケトン等の
ケトン類、酢酸エチル等のエステル類、フッ素原子を1
個以上有する飽和ハロゲン化炭化水素類等を溶媒とする
溶液重合法や水性媒体中での乳化重合法等が好ましく用
いられる。水性媒体中で共重合させる場合には、通常分
散安定剤として懸濁剤や乳化剤を用い、かつ塩基性緩衝
剤を添加して、重合中の反応液のpH値を4、好ましく
は6以上にすることが望ましい。共重合反応における反
応温度は、通常−30℃〜150℃での範囲内で重合開
始剤や重合媒体の種類に応じて適宜選ばれ、例えば水性
媒体中で重合を行う場合には、通常0〜100℃、好ま
しくは10〜90℃の範囲で選ばれる。また、反応圧力
については特に制限はないが、通常9.8×104
9.8×106N/m 2、好ましくは9.8×104
5.9×106N/m2の範囲で選ばれる。さらに、共重
合反応は適当な連鎖移動剤を添加して行うことができ
る。
【0017】本発明においては、含フッ素共重合体
(A)とイソシアネート基を2以上有する架橋剤(B)
の反応生成物が、ポリエステルフィルムの片面又は両面
に形成される。イソシアネート基を2以上有する架橋剤
(B)としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネー
ト、トリス(フェニルイソシアネート)チオフォスフェ
ート等のトリイソシアネート、イソシアヌレート類を有
する多価イソシアネート等が挙げられる。
【0018】本発明において、含フッ素共重合体とイソ
シアネート基を2以上有する架橋剤とから塗液を調整す
る場合の溶媒としては、キシレン、トルエン等の芳香族
炭化水素類、n−ブタノール等のアルコール類、酢酸ブ
チル、酢酸エチル等のエステル類、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エチルセロ
ソルブ等のグリコールエーテル類、市販の各種シンナー
類等が挙げられる。塗液の含フッ素共重合体濃度は、5
〜80重量%、好ましくは10〜60重量%である。
【0019】含フッ素共重合体と架橋剤を溶媒と混合す
る方法としては、ボールミル、ペイントシェーカー、サ
ンドミル、3本ロールミル、ニーダー等を用いて行うこ
とができる。この際、顔料、分散安定剤、粘度調節剤、
レベリング剤、紫外線吸収剤等を添加することもでき
る。
【0020】本発明のフッ素樹脂コートポリエステルフ
ィルムの製造方法としては、ベースのポリエステルフィ
ルムに、含フッ素共重合体とイソシアネート基を2以上
有する架橋剤と溶媒とからなる塗液を塗布する方法、あ
るいは未延伸フィルムに塗布したのち延伸する、いわゆ
る、インラインコート法が挙げられる。塗液を塗布する
方法としては、公知の塗工法が適用でき、例えばグラビ
アロール法、スプレー法、ロールコーター法等を用いて
塗布することができるが、塗布厚みを調節する上でグラ
ビアロール法が適している。また、ベースのポリエステ
ルフィルムは、塗液との親和性を向上させ乾燥後の含フ
ッ素共重合体樹脂との密着性を好適なものにするため
に、あらかじめコロナ処理等の物理的処理や化学的処理
が施されていることが望ましい。塗液の乾燥後の塗工厚
みは、0.1〜2μmが好ましく、より好ましくは0.
5〜1.5μmである。塗工厚みが0.1μm未満の場
合にはフッ素が本来持つ良好な剥離強度が得られにく
く、塗工厚みを2μmより厚くしてもそれ以上の性能の
発現は認められず、コストアップとなり好ましくない。
【0021】上記塗液を塗布したフィルムの塗布面にお
いて、含フッ素共重合体とイソシアネート基を2以上有
する架橋剤の反応生成物を形成することにより、本発明
のフッ素樹脂コートポリエステルフィルムが得られる。
反応生成物を形成する条件としては、塗布面を100〜
140℃、5〜120秒で乾燥後、35〜110℃の温
度で5〜72時間保持することが好ましく、より好まし
くは、乾燥後40〜50℃の温度で40〜50時間保持
することが好ましい。
【0022】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例により限定されるもので
はない。なお、実施例に用いた評価方法は次のとおりで
ある。
【0023】(1)フィルムの可視光線透過率 東京電色社製、TC−HIIIDPKを用いて、350n
m〜780nmの範囲で測定した。
【0024】(2)塗膜の硬化性 ガーゼにキシレンを含浸し、塗膜表面を50回こすった
後の塗膜表面を観察した。 ○:変化なし。 △:キズ、白濁。 ×:剥離、溶解。
【0025】(3)塗膜の密着性 クロスカットセロハンテープ剥離試験を行った。塗膜の
表面10mm×10mmの部分に1mm間隔で縦横に切れ目を
入れて、100個の枡目を作り、セロハンテープ(ニチ
バン社製、エルパックLP−24)を圧着・貼付した
後、180°方向に勢いよく引き剥がし(正セロハンテ
ープ剥離)、塗膜が剥離せずに残った枡目の数を調べ、
次に示す評価基準に従い5段階評価を行った。 (評価基準) 1:残った枡目が10個未満 2:残った枡目が10個以上50未満 3:残った枡目が50個以上90未満 4:残った枡目が90個以上95未満 5:残った枡目が95個以上
【0026】(4)剥離力、残留接着率 剥離力測定法 塗膜面に日東31B粘着テープを2kgのローラーで貼り
合わせ、1.96×106N/m2の下で70℃×20時
間処理後、取り出して23℃×30分放置し、剥離角度
180°、剥離速度300mm/分で剥離強度を測定す
る。N数は、4とし、表示値は平均値とする。 残留接着率測定法 上記剥離力測定で使用したテープをテフロン板に2kgの
ローラーで貼り合わせ、1.96×106N/m2の下で
70℃×20時間処理後、取り出して23℃×30分放
置し、剥離角度180°剥離速度300mm/分で剥離強
度を測定する。N数は、3とし表示値は平均値とする。
(測定値A) 未使用の日東31B粘着テープを、同様にテフロン板に
貼り合わせ、同様の処理後、剥離強度を測定する。(測
定値B) (測定値A/測定値B)×100=残留接着率(%)と
する。
【0027】(5)耐熱性 フィルムをステンレス板の間に挟み180℃×5分間、
9.8×105N/m2で加圧し冷却後、塗膜の密着性、
剥離力、残留接着率の評価を行った。
【0028】(6)撥水性 塗膜表面の水に対する接触角を測定した。角度が大きい
ほどより水をはじく。
【0029】(7)油性マジックに対する防汚性 塗膜表面に油性赤マジックで線を書き、5分後コットン
による乾拭き及びコットンにイソプロピルアルコールを
含浸したもので拭き取った。 ○:完全に拭き取り可能 △:赤溥色マジック痕が残る ×:拭き取り不可
【0030】(8)シリコン移行性 フィルムの塗膜面にカプトンフィルム(100H)を重
ね合わせ、ステンレス板に挟み180℃×10分間、
9.8×105N/m2の圧力下でプレス後空冷した。カ
プトンフィルムを剥がし、フィルム塗膜に接していた面
のシリコン量をESCAで測定した。なお、ESCA測
定条件は下記の通りである。 ESCA装置:アルバック・ファイ社製 ESCA5600 測定X線源:Mg Kα線(1253.6eV)15kV−400W 分析面積:800μmψ 測定条件:[ワイドスキャン測定(定性分析)] ・測定エネルギー範囲 0〜1000eV ・Pass Energy 187.85 ・eV/step 0.800 ・time/step 30ms ・測定時間 (3回積算で)112.5秒 [ナロウスキャン測定(定量・状態分析)] ・各元素の測定エネルギー範囲 Si1s 95〜115eV C1s 280〜300eV O1s 525〜545eV ・Pass Energy 23.50 ・eV/step 0.100 ・time/step 100 ESCA測定の評価基準 atomic% 検出限界値以下:◎ 0.1〜1.0:○ 1以上 :×
【0031】(9)総合評価 上記の各評価を総合して、次に示す評価基準に従い4段
階評価を行った。 ◎:良好 ○:問題ないレベル △:問題あり ×:大いに問題あり
【0032】実施例1 フルオロオレフィン、シクロヘキシル基含有アクリル酸
エステル、水酸基含有ビニルエーテルを構成成分とする
含フッ素共重合体(関東電化工業社製 KD200)の
30wt%酢酸エチル溶液に、架橋剤としてヘキサメチレ
ンジイソシアネートをKD200のOH価の1.4倍当
量になるように溶解して、塗液を調製した。得られた塗
液を、50μの二軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製
エンブレット)のコロナ処理面にワイヤーバーコータ
ーにて塗工し、140℃で1分間熱処理後、70℃で4
8時間熱処理し塗工厚み1μmのフッ素コートポリエス
テルフィルムを得た。得られたフィルムの性能を表1に
示した。
【0033】実施例2 架橋剤としてトリス(フェニルイソシアネート)チオフ
ォスフェート(住友バイエルウレタン社製 デスモジュ
ールRFE)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で
フッ素コートポリエステルフィルムを得た。得られたフ
ィルムの性能を表1に示した。
【0034】比較例1 ポリメタクリル酸メチルをメチルエチルケトンに溶解
し、ポリフッ化ビニリデン樹脂を分散させて、固形分濃
度30wt%溶液を調製し、この塗液を用いた以外は実施
例1と同様の方法で、フッ素コートポリエステルフィル
ムを得た。得られたフィルムの性能を表1に示した。
【0035】比較例2 エチレンイミン系の非シリコン離型剤を塗液に用いた以
外は実施例1と同様の方法で、離型性ポリエステルフィ
ルムを得た。得られたフィルムの性能を表1に示した。
【0036】比較例3 縮合型硬化タイプのシリコン離型剤を塗液に用いた以外
は実施例1と同様の方法で、離型性ポリエステルフィル
ムを得た。得られたフィルムの性能を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、フルオロオレフ
ィン、シクロヘキシル基含有アクリル酸エステル、水酸
基含有ビニルエーテルを構成成分とした含フッ素共重合
体とイソシアネート基を2以上有する架橋剤の溶液を用
いてポリエステルフィルムに塗膜形成することにより、
シリコンを含まずなおかつ耐熱性に優れると共に、透明
性、防汚性、撥水性を満足する離型性ポリエステルフィ
ルムが得られる。また、基板生産を想定した場合、本発
明で得られる離型性フィルムは相手材にシリコンの痕跡
すら与えない。
【0039】
【発明の効果】本発明のフッ素コートポリエステルフィ
ルムは、シリコンを含まずなおかつ耐熱性に優れると共
に、透明性、防汚性、撥水性を満足する離型性ポリエス
テルフィルムであるので、基板生産用の離型フィルム、
或いは防汚性、撥水性を有する壁材及びガラスの表面等
に好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯川 精一 東京都中央区日本橋室町3−4−4 ユニ チカ株式会社内 (72)発明者 木本 敦司 京都府宇治市宇治樋ノ尻31−3 ユニチカ 株式会社宇治プラスチック工場内 Fターム(参考) 4F100 AK17A AK17J AK41B AK41C AL01A BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C BA16 CA02A EH462 EJ412 GB90 JB06 JJ02 JK06 JL06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)に示すフルオロオレフィ
    ン、式(2)に示すシクロヘキシル基含有アクリル酸エ
    ステル、及び式(3)に示す水酸基含有ビニルエーテル
    を構成成分とする含フッ素共重合体(A)と、イソシア
    ネート基を2以上有する架橋剤(B)との反応生成物を
    ポリエステルフィルムの片面又は両面に形成してなるフ
    ッ素樹脂コートポリエステルフィルム。 【化1】 (式中、XはF又はH、YはH、Cl、F、CF3であ
    る。) 【化2】 (式中、R1は水素又はメチル基である。) 【化3】 (式中、R2は炭素数2〜5のアルキレン基、又はシク
    ロヘキシレン基である。)
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Cited By (8)

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