JP2001127355A - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

Info

Publication number
JP2001127355A
JP2001127355A JP30851399A JP30851399A JP2001127355A JP 2001127355 A JP2001127355 A JP 2001127355A JP 30851399 A JP30851399 A JP 30851399A JP 30851399 A JP30851399 A JP 30851399A JP 2001127355 A JP2001127355 A JP 2001127355A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric transformer
piezoelectric
electrode
electrode terminal
transformer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP30851399A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Fuda
良明 布田
Toshiyuki Tachikawa
敏之 立川
Akira Kitajima
昭 北嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Tokin Hyogo Ltd
Original Assignee
Tokin Ceramics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokin Ceramics Corp filed Critical Tokin Ceramics Corp
Priority to JP30851399A priority Critical patent/JP2001127355A/ja
Publication of JP2001127355A publication Critical patent/JP2001127355A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電トランスの電極端子の接続方法に関し、
安価で、長期使用時の電気的接続の信頼性を確保し、ま
た、圧電トランスの性能低下の生じない圧電トランスを
提供すること。 【解決手段】 圧電トランス10において、表面電極
は、圧電セラミック矩形板の長さ方向の振動の節点を含
む面、またはその近傍に形成されている。電極端子1
は、表面電極に接合された一端と、絶縁基板の基板電極
に接続固定された他端とを備えたバネ性を有する金属薄
板から実質的になる。圧電トランス10は、電極端子1
を介して前記基板電極を備えた前記絶縁基板12上に配
置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電セラミック矩
形板を用いた圧電トランスに関し、特に圧電トランスの
表面電極への電極端子の接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】携帯型テレビやノート型パーソナルコン
ピュータ等の液晶ディスプレイを備えた携帯機器の普及
に伴い、液晶バックライト点灯用のインバータの小型
化、高効率化が急速に進んでいる。従来、液晶バックラ
イト点灯用のインバータには電磁式のトランスが用いら
れていたが、電磁誘導の原理に基づくトランスは小型
化、高効率化に限界が有り、更に、薄型化のため細線を
千ターン以上回巻する必要があり、細線の絶縁被覆が破
壊し、発煙や発火の危険性がある。 近年、機械振動を利用し電圧変換をする圧電トランスが
注目され、バックライトインバータ用に圧電トランスの
実用化が急激に進んでいる。この圧電トランスは小型
化、高効率化の他に、発煙発火の危険性が無く、発生電
磁ノイズの低減や機器の小型低背化などの優れた特徴が
有り、今後も、これらの機器に広範に普及するものと考
えられる。
【0003】圧電トランスとして、最近さまざまな構造
の物が開発されて提案されている。
【0004】図11は従来技術による圧電トランスの振
動子の一例を示す斜視図である。図11に示す圧電振動
子100は、ローゼンタイプ2次振動モード圧電トラン
スに用いられている。
【0005】図11において、圧電セラミック矩形板1
01には、長さ方向のおよそ半分の部分に厚さ方向に対
向する電極102,102’が形成されている。また、
圧電セラミック矩形板101の電極102、102’が
形成された部分とは反対側の長さ方向の端面に表面電極
103が形成されている。圧電セラミック矩形板101
は、矢印104で示すように、電極102,102'の
部分は矩形板厚さ方向に分極され、端面電極103の間
の部分は、矢印105で示すように、圧電セラミック矩
形板101の長さ向に分極されている。電極102,1
02’に圧電セラミック矩形板101の長さ方向の2次
振動(1波長共振)モードの共振周波数に等しい周波数
の電圧を印加すると、電極102,102’と電極10
3との間には圧電縦効果により電圧が発生する。
【0006】ここで、電極102,102’に印加した
入力電圧と電極102間に発生した出力電圧の関係につ
いて説明すると、電極102,102’の対向電極間隔
は、電極102,102’と電極103との間隔に比べ
十分に小さく、電極102,102’の面積は電極10
3の面積より十分に大きいため、入力側の静電容量は出
力側の静電容量に比べ十分大きな値となる。
【0007】従って、入力側に低い電圧を印加して振動
子100を振動した場合、出力側に入力側電極間隔と入
力側電極と出力側電極間の間隔の比、および入出力側の
静電容量の比に反比例した大きな電圧が発生する。
【0008】また、図12(a)及び(b)はローゼン
タイプ2次振動モード圧電トランスを駆動した時の定在
波振動の変位分布と応力分布とを夫々概略的に示す図で
ある。図中では長さ方向(x軸)の振動の変位と応力の
大きさを縦軸(y軸)に表現している。
【0009】図12(a)から、トランスの長さ方向の
両端部と中央部は振動の腹点(振動変位が最大)とな
り、両端部からそれぞれ1/4内側に矢印106,10
6’で示した変位量が零の振動の節点(振動変位が最小
点)ができている。
【0010】圧電トランスの支持や電極接続方法に関し
て、従来提案されている方法として、特開平08−11
6106号公報や特開平10−200173号公報(以
下、夫々従来例1及び2と呼ぶ)等がある。
【0011】従来例1には、圧電トランスの振動の節点
で支持と電気的接続の両者の機能を有するように絶縁ケ
ースに圧電トランスを収納した構造体とその製造方法に
関するものであるが、圧電トランスの高圧出力電極につ
いては、振動の腹の端面の外部電極にリード線を半田付
けした構造であり、依然このリード線が断線する問題点
がある。なお、圧電トランスをケースに収納し、フレキ
シブル基板のバネ性を利用して振動の節点からリードを
取り出す構造体の従来例としては、実開昭55−295
33号公報(以下、従来例3と呼ぶ)に開示されたもの
が良く知られている。
【0012】また、従来例2は、1次振動モード圧電ト
ランスの長さ方向の両端部の振動の腹点にバネ性金属端
子を接合し、該金属端子が電気的接続とトランスの保持
を兼ね備えた構造体であるが、圧電トランスを保持する
ため、金属端子には機械的強度が必要になり、支持がか
たくなる。
【0013】しかしながら、圧電トランスの支持が硬く
なるとその分振動を阻害することになり、圧電トランス
の効率や昇圧比の低下を来たす問題点がある。また、振
動に影響しない程度に支持した場合には、落下等で圧電
トランスに衝撃が加わった際、保持と電極接続の両方が
同時に破壊するので、圧電トランスへのダメージが大き
く、かつ、周辺電子部品に悪影響を与える可能性があ
る。
【0014】尚、圧電トランスの出力部を高分子弾性材
料で挟持し、出力電極板を取り出した構造体は、実公昭
54−7108号公報にも提案されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】圧電トランスは、圧電
セラミック矩形板表面に形成した入力外部電極から、電
気的エネルギーを入力し、圧電効果で圧電セラミック矩
形板の機械的振動エネルギーに変換し、さらに圧電セラ
ミック矩形板表面に形成した出力電極から圧電効果で電
気的エネルギーを出力電力として取り出すため、電力の
入力出力用として少なくとも二組の対向する表面電極を
有し、さらにその表面電極に電極端子が接続する構造を
有する。この電極端子の接続位置は、圧電トランスが振
動するので接続の信頼性の確保のために、振動の節点付
近とするのが好ましい。
【0016】しかし、図4で示したローゼンタイプ2次
振動モード圧電トランスでは入力部表面電極は振動の節
点で端子電極と接続することが可能であるが、出力部表
面電極は長さ方向の端面に位置し、振動変位が最大点の
腹点である。
【0017】従来、この様な振動の腹点にリード線を半
田付けした構造では、圧電トランスの長時間の駆動で、
リード線が振動で疲労し、その結果リード線の断線事故
が発生するという問題点があった。
【0018】また、半田付けしないで金属薄板を圧接す
る方法も実施されたが、圧電トランスの長時間の駆動で
圧接部に微小のギャップが発生し、そこで火花放電が発
生したり、外部電極が消耗し接触不良が発生するという
問題点があった。かかる問題点は図4に示したローゼン
タイプ2次振動モード圧電トランスに限定せず、1次振
動モードの圧電トランスでも問題点であり、振動変位最
大点での電気的接触の信頼性を確保するために、強固に
固着すると、圧電トランスの振動を阻害し、圧電トラン
スの性能が低下してしまうという問題点がある。
【0019】さらに、長さ方向の主振動に着目して、振
動の節点付近を選択しても、その位置は長さ方向に直行
する幅や厚さ方向の振動では振動変位が最大点であり、
長期間の使用に際しては、やはり半田付けやバネ接触で
の電気的接続の信頼性確保が困難であるという問題点が
ある。
【0020】そこで、本発明の技術的課題は、圧電トラ
ンスの電極端子の接続方法に関し、安価で、長期使用時
の電気的接続の信頼性を確保し、また、圧電トランスの
性能低下の生じない圧電トランスを提供することにあ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明では、圧電トラン
スの支持固定は、圧電トランスの振動の節点またはその
近傍に形成した表面電極に金属薄板を半田付けした構造
であり、前述の従来例1や従来例2に開示されたもの
が、振動の腹点の支持固定を含んでものとは技術的に相
異なる内容である。
【0022】即ち、本発明によれば、一枚の矩形の圧電
セラミック板からなるか又は内部に複数の内部電極を有
する矩形の圧電セラミック積層体からなる圧電セラミッ
ク矩形板と、前記圧電セラミック矩形板の表面に形成し
た分極及び電力の入出力用の複数の表面電極と電極端子
とを有し、前記圧電セラミック矩形板の長さ方向の3次
振動モードを利用した圧電トランスであって、前記表面
電極は、前記圧電セラミック矩形板の長さ方向の振動の
節点を含む面、またはその近傍に形成され、前記電極端
子は、前記表面電極に接合された一端と、前記絶縁基板
の基板電極に接続固定された他端とを備えたバネ性を有
する金属薄板から実質的になり、前記圧電トランスは、
前記電極端子を介して前記基板電極を備えた前記絶縁基
板上に配置されていることを特徴とする圧電トランスが
得られる。
【0023】また、本発明によれば、前記圧電トランス
において、前記電極端子は、当該圧電トランスの表面電
極との接合端部と前記基板電極との接合部間に振動衝撃
を吸収するための少なくとも一個所のキンク部、または
曲率部を有することを特徴とする圧電トランスが得られ
る。
【0024】また、本発明によれば、前記圧電トランス
において、前記電極端子は、当該圧電トランスの表面電
極との接合端部に少なくとも一つの開穴部または開溝部
を有することを特徴とする圧電トランスが得られる。
【0025】さらに、本発明によれば、前記圧電トラン
スにおいて、前記電極端子は、バネ性を備えた胴部と、
前記胴部の一端寄りに設けられ、前記圧電セラミック矩
形板の側面に当接する接合部と、前記接合部に隣接する
とともに前記圧電セラミック矩形板の表裏をなす一面を
支持するように折り曲げられた折り曲げ部と、前記胴部
から下方に延在する爪部とを備えていることを特徴とす
る圧電トランスが得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0027】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態による圧電トランスを示す斜視図である。
図2は図1の圧電トランスの圧電振動子の一層の電極パ
ターンを示す平面図、図3は図1の圧電振動子固定用の
電極端子を示す図で、図3(a)は電極端子の正面図、
(b)は電極端子の平面図である。
【0028】図1を参照すると、本発明の第1の実施の
形態による圧電トランスは、圧電振動子11を、金属薄
板からなる電極端子1を介して、絶縁基板12上に載置
することによって形成されている。
【0029】図2に示すように、圧電振動子11は各層
の矩形の圧電セラミック板14上の両端寄りに、入力用
の内部電極15,15’と、中心部に出力用の内部電極
13を形成して、各層の入力用の内部電極15,15’
が夫々交互に両側に端部が露出するように形成するとと
もに、各層出力用の内部電極13が両側に端部を露出す
るように積層形成した構造を有している。ここで、本発
明の第1の実施の形態及び後述する他の実施の形態にお
いて、圧電セラミック矩形板とは圧電セラミック板1
4、17上に内部電極が形成されたものを複数層積層さ
れた構造のものを呼んでいるが、本発明においては、一
枚の圧電セラミック板からなるものも含む。
【0030】入力用の内部電極15,15’は、積層さ
れた圧電セラミック矩形板14の両端1/3の側面に形
成された図示しない表面電極に接続されている。
【0031】一方、出力用の内部電極は、積層された圧
電セラミック矩形板14の中央部両側に形成された図示
しない表面電極に接続されている。
【0032】図3に示すように、電極端子1は、圧電振
動子11(図1参照)の側面の外部電極に当接して接合
される接合部1aと、これに連続して一方向に延在する
胴部1cと、胴部1cの終端から下方向に延在する脚部
1dとを備えている。接合部1aには、円形の開穴部1
bが形成されている。脚部1dの先端は、図示しない絶
縁基板に形成された電極パターンからなる基板電極に接
合される。
【0033】このような構成の本発明の第1の実施の形
態による圧電トランスは、3次振動モード圧電トランス
と呼ばれるものである。
【0034】図4(a)及び図4(b)は、圧電トラン
スの定在波振動の変位分布と応力分布を夫々示す図であ
る。図4(a)及び図4(b)は、従来技術において、
図12に関して述べたものと同様に、長さ方向(x軸)
の振動の変位と応力の大きさを縦軸(y軸)に表現して
ある。
【0035】図4(a)から、圧電トランス(圧電振動
子11)の長さ方向の両端部からそれぞれ1/6内側と
中央部が、矢印6,6’,6’’で示した変位量が零の
振動の節点(振動変位が最小点)であることが分かる。
【0036】次に、第1の実施の形態による圧電トラン
スについて更に具体的に説明する。
【0037】チタン酸−ジルコン酸鉛系圧電セラミクス
(PZT)矩形板からなる圧電セラミック板14を用い
て、図2に示したような内部電極積層構造を備えた寸法
長さ40mm、幅4mm、厚さ1.5mmの3次振動モ
ードの圧電トランスの圧電振動子11を試作した。
【0038】この圧電トランスは、圧電セラミック矩形
板の長さ方向の両端部1/3ずつが入力部、中央部1/
3が出力部で、入力部は10層の対向面状内部電極1
5,15’を積層し、矩形板側面でそれぞれ表面電極に
接続し、圧電セラミック矩形板の厚さ方向に分極し、出
力部は圧電セラミック矩形板中央に幅方向に貫通する帯
状電極13を積層し、圧電セラミック矩形板の側面で表
面電極に接続し、帯状電極が高圧出力部となるように矩
形板の長さ方向に分極した構造である。
【0039】このような構造の第1の実施の形態による
構造の圧電トランスの特長は、長さ方向の3次振動モー
ドを利用することで、すべての表面電極を長さ方向の振
動の節点6,6’,6’’を含む位置に設けることが可
能なことである。
【0040】図3に示すように、電極端子1は、バネ性
を有する金属薄板からなり、外形はL字型で、材質は一
般的なバネ材であるりん青銅を半田メッキし、厚さ0.
2mm、圧電トランスの表面電極との接合部1aは1.
2×1.2mmで半田付け性向上のために、Φ0.5m
mの開穴部1bを設けた。また、金属薄板の圧電トラン
ス長さ方向とのほぼ平行部の寸法は0.8×4mmで圧
電トランスの側面に対して凸になる曲率を有し、半田の
乗りを防止し、かつ耐振動衝撃性を高くし、この金属薄
板の圧電トランス長さ方向とのほぼ直行部の寸法は2×
2.2mmであり、その先端を図3に示す絶縁基板12
の電極に固着し、図1に示す圧電トランス10が得られ
た。
【0041】しかる後に、試作した端子電極接続構造体
の圧電トランス10の信頼性を評価するため、図示しな
い回路基板又は絶縁基板を通して、圧電トランスの共振
周波数120kHz、20Vppの正弦波電圧を入力端
子に印加し、出力には150kΩの負荷抵抗を接続し
て、長期エージングを実施した。
【0042】比較のため、圧電振動子の同じ位置にビニ
ール被覆のΦ0.04mm半田メッキ銅線の11本撚り
線を半田付けした圧電トランスも試作し、同時に長期エ
ージングを実施し、リード部の断線を調査した。試作数
量は、それぞれ200台である。エージング結果を下記
表1に示す。なお、本発明の第1の実施の形態による圧
電トランスを本発明例1、上記した比較のための圧電ト
ランスを比較例1として、下記表1に示した。
【0043】(第2の実施の形態)図5は本発明の第2
の実施の形態による圧電トランスを示す斜視図である。
図6は図5の圧電トランスの圧電振動子の一層の電極パ
ターンを示す平面図、図7は図5の圧電トランスの圧電
振動子を示す斜視図である。図8は図5の圧電トランス
の電極端子を示す図であり、(a)は電極端子の正面
図、(b)は電極端子の平面図である。
【0044】図5を参照すると、本発明の第2の実施の
形態による圧電トランス20は、圧電振動子16を、金
属薄板からなる電極端子2を介して、絶縁基板12上に
載置固定することによって形成されている。
【0045】図6に示すように、圧電振動子16は、各
層の矩形の圧電セラミック板17上の両端寄りの1/3
の部分に、入力用の内部電極18,18’と、中心側の
1/3の位置に出力用の内部電極19を夫々形成して、
各層の入力用の内部電極18,18’は、夫々交互に圧
電セラミック矩形板17の両側に端部が露出するように
形成するとともに、各層の出力用の内部電極19は内部
電極18,18’とは反対側に交互に圧電セラミック矩
形板17の両側に端部が露出するように積層形成し、図
5においては、紙面に直交する方向に積層した構造を有
している。
【0046】図7に示すように、各入力用の内部電極1
8は、圧電セラミック板17の積層体(圧電セラミック
矩形板)の両端1/3の側面の中心部に形成された表面
電極21,21’及び22,22’に夫々に接続されて
いる。
【0047】一方、出力用の内部電極18は、圧電セラ
ミック矩形板の中央部両側に形成された表面電極23,
23’に接続されている。
【0048】図8に示すように、電極端子2は、圧電振
動子16の側面の外部電極21,21’,22,2
2’,23,23’のいずれかに当接して接合される接
合部2aと、これに連続して一方向に延在する胴部2c
と、胴部2cの終端から下方向に延在する脚部2dとを
備えている。接合部2aには、円形の先端から長さ方向
に切り込まれた溝2bが形成されている。脚部2dの先
端は、図示しない絶縁基板に形成された電極パターンか
らなる基板電極に接合される。
【0049】第2の実施の形態による圧電トランスも、
図4に示されたものと同様な振動の変位と応力分布とを
備えている。
【0050】次に、本発明の第2の実施の形態による圧
電トランスを更に、具体的に説明する。
【0051】第1の実施の形態と同様の圧電セラミクス
を用いて、3次振動モードを利用した寸法長さ53m
m、幅6mm、厚さ2mmの圧電振動子16を備えた圧
電トランス20を試作した。この圧電トランス20は、
圧電振動子16の圧電セラミック矩形板の長さ方向の両
端部1/3ずつが入力部、中央部1/3が出力部で、入
力部は12層の対向面状内部電極を積層し、圧電セラミ
ック矩形板の側面でそれぞれ表面電極に接続し、圧電セ
ラミック矩形板の厚さ方向に分極し、出力部は3層の対
向面状内部電極を積層し、圧電セラミック矩形板の側面
でそれぞれ表面電極21,21’,22,22’,2
3,23’に接続し、圧電セラミック矩形板を厚さ方向
に分極した構造である。
【0052】このような構造の第2の実施の形態による
圧電トランス20の特長は、長さ方向の3次振動モード
を利用することですべての表面電極を長さ方向振動の節
点を含む位置に設けることが可能なことである。
【0053】図6に示すように、一層の内部電極パター
ンを、複数層積層して形成した。図7に示すように、こ
の圧電振動子16の振動の節点に形成された表面電極に
対して、厚さ0.3mmの金属薄板を用いて、図8に示
したような金属薄板からなる電極端子を接合した。この
金属薄板は外形は、L字型で、材質は、一般的なバネ材
であるりん青銅を半田メッキし、圧電トランスの表面電
極21,21’,22,22’,23,23’との接合
部2aが1.5×1.5mmで半田付け性向上のため
に、幅0.5mmの開溝部2bを設けた。また、この金
属薄板の圧電トランス長さ方向とのほぼ平行部の寸法は
1.2×6mmで6mm方向に直行するキンク部を設け
耐振動衝撃性を高くし、該金属薄板の圧電振動子16の
長さ方向とのほぼ直行部の寸法は2×2.2mmであ
り、その先端を絶縁基板に形成された電極パターンから
なる図示しない基板電極に固着し、図5に示す圧電トラ
ンス20を得た。
【0054】しかる後に、第1の実施の形態と同様に、
試作した圧電トランス20の端子電極接続構造体の信頼
性を評価するため、回路基板又は絶縁基板を通して、圧
電トランスの3次振動モードの共振周波数90kHz、
24Vppの正弦波電圧を入力端子に印加し、出力には
100kΩの負荷抵抗を接続して、長期エージングを実
施した。比較のため、表面電極全てにビニール被覆のΦ
0.04mm半田メッキ銅線の11本撚り線を半田付け
した圧電トランスも試作し、同時に長期エージングを実
施し、リード部の断線を調査した。試作数量はそれぞれ
200台である。それらのエージング結果を、上記第2
の実施の形態による試作品を本発明例2、上記比較のた
めの試作品を比較例2として下記表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】上記表1より、長期のエージングの結果、
比較例1,2では5000時間経過後累積で3.5〜
4.5%の不良発生率に対して、本発明例1,2では0
〜0.5%の不良発生率で、本発明の圧電トランスの高
信頼性が確認された。
【0057】(第3の実施の形態)図9は本発明の第3
の実施の形態による圧電トランスの電極端子を示す斜視
図である。本発明の第3の実施の形態による圧電トラン
スは、図1及び図5に示す第1及び第2の実施の形態に
よる圧電トランスと同様の圧電振動子を用いることがで
き、その電極端子の構造が異なるのみであるので、その
部分のみ説明する。
【0058】図9を参照すると、電極端子3は、くの字
に押し曲げられた胴部3cと、胴部3cの一端に胴部3
cの長さ方向に夫々並んで設けられ、圧電振動子16の
側面に設けられた表面電極21,21’,22,2
2’,23,23’と接合される接合部3b及びその両
側に折り曲げによって形成され、圧電振動子の下面に接
触して支持する一対の折り曲げ部3a,3a’と、胴部
3cの他端し寄りに下方に延在するとともに先端が図示
しない絶縁基板のスルーホールに挿入される爪部3dと
を備えている。
【0059】第3の実施の形態による電極端子3も第1
及び第2の実施の形態による電極端子1,2と同様な作
用効果を有するが、第3の実施の形態による電極端子3
は、折り曲げ部3a,3a’を設けることによって、圧
電振動子16の絶縁基板上の位置決めを更に容易にする
ものである。
【0060】(第4の実施の形態)図10は本発明の第
4の実施の形態による圧電トランスの電極端子を示す斜
視図である。本発明の第4の実施の形態による圧電トラ
ンスは、第3の実施の形態と同様に、図1及び図5に示
す第1及び第2の実施の形態による圧電トランスのいず
れの圧電振動子を用いることができるが、その電極端子
の構造が異なるのみであるので、その部分のみ説明す
る。
【0061】図10を参照すると、電極端子4は、くの
字に押し曲げられた胴部4c、胴部4cの一端に胴部4
cの長さ方向に延在して設けられ、圧電振動子16の側
面に設けられた表面電極21,21’,22,22’,
23,23’と接合される接合部4bと、接合部4bの
更に先端に接合部と並んで、折り曲げによって形成さ
れ、圧電振動子の下面に接触して支持する折り曲げ部4
aと、胴部4cの他端寄りに下方に延在するとともに先
端が図示しない絶縁基板のスルーホールに挿入される爪
部4dとを備えている。また、接合部4bには、胴部4
cの幅方向に長い長穴4eを備えている。
【0062】第4の実施の形態による電極端子4も第1
及び第2の実施の形態による電極端子1,2と同様な作
用効果を有するが、第4の実施の形態による電極端子4
は、第3の実施の形態と同様に折り曲げ部4aを設ける
ことによって、圧電振動子16の絶縁基板上の位置決め
を更に容易にするものである。
【0063】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、圧電トランスの表面電極への電極端子の接続方法に
関し、長期使用時の電気的接続の信頼性を確保し、ま
た、圧電トランスの性能低下の生じない、更に低価格の
リード端子接続が可能である圧電トランスを提供するこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による圧電トランス
を示す斜視図である。
【図2】図1の圧電トランスの圧電振動子の一層の電極
パターンを示す平面図である。
【図3】図1の圧電振動子固定用の電極端子を示す図
で、(a)は電極端子の正面図、(b)は電極端子の平
面図である。
【図4】(a)及び(b)は、圧電トランスの定在波振
動の変位分布と応力分布を夫々示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による圧電トランス
を示す斜視図である。
【図6】図5の圧電トランスの圧電振動子の一層の電極
パターンを示す平面図である。
【図7】図5の圧電トランスの圧電振動子を示す斜視図
である。
【図8】図5の圧電トランスの電極端子を示す図であ
り、(a)は電極端子の正面図、(b)は電極端子の平
面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態による圧電トランス
の電極端子を示す斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態による圧電トラン
スの電極端子を示す斜視図である。
【図11】従来技術による圧電トランスの振動子の一例
を示す斜視図である。
【図12】(a)及び(b)はローゼンタイプ2次振動
モード圧電トランスを駆動した時の定在波振動の変位分
布と応力分布とを夫々概略的に示す図である。
【符号の説明】
1,2,3,4 電極端子 1a,2a,3b,4b 接合部 1c,2c,3c,4c 胴部 1d,2d 脚部 1b 開穴部 2b 溝 3a,3a’,4a 折り曲げ部 3d,4d 爪部 4e 長穴 10,20 圧電トランス 11,16 圧電振動子 12 絶縁基板 13,15,15’,18,18’,19 内部電極 14,17 圧電セラミック板 100 圧電振動子 101 圧電セラミック矩形板 102,102’,103 電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一枚の矩形の圧電セラミック板からな
    るか又は内部に複数の内部電極を有する矩形の圧電セラ
    ミック積層体からなる圧電セラミック矩形板と、前記圧
    電セラミック矩形板の表面に形成した分極及び電力の入
    出力用の複数の表面電極と電極端子とを有し、前記圧電
    セラミック矩形板の長さ方向の3次振動モードを利用し
    た圧電トランスであって、 前記表面電極は、前記圧電セラミック矩形板の長さ方向
    の振動の節点を含む面、またはその近傍に形成され、 前記電極端子は、前記表面電極に接合された一端と、前
    記絶縁基板の基板電極に接続固定された他端とを備えた
    バネ性を有する金属薄板から実質的になり、 前記圧電トランスは、前記電極端子を介して前記基板電
    極を備えた前記絶縁基板上に配置されていることを特徴
    とする圧電トランス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧電トランスにおいて、
    前記電極端子は、当該圧電トランスの表面電極との接合
    端部と前記基板電極との接合部間に振動衝撃を吸収する
    ための少なくとも一個所のキンク部、または曲率部を有
    することを特徴とする圧電トランス。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の圧電トランスにおいて、
    前記電極端子は、当該圧電トランスの表面電極との接合
    端部に少なくとも一つの開穴部または開溝部を有するこ
    とを特徴とする圧電トランス。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の圧電トランスにおいて、
    前記電極端子は、バネ性を備えた胴部と、前記胴部の一
    端寄りに設けられ、前記圧電セラミック矩形板の側面に
    当接する接合部と、前記接合部に隣接するとともに前記
    圧電セラミック矩形板の表裏をなす一面を支持するよう
    に折り曲げられた折り曲げ部と、前記胴部から下方に延
    在する爪部とを備えていることを特徴とする圧電トラン
    ス。
JP30851399A 1999-10-29 1999-10-29 圧電トランス Withdrawn JP2001127355A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30851399A JP2001127355A (ja) 1999-10-29 1999-10-29 圧電トランス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30851399A JP2001127355A (ja) 1999-10-29 1999-10-29 圧電トランス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001127355A true JP2001127355A (ja) 2001-05-11

Family

ID=17981940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30851399A Withdrawn JP2001127355A (ja) 1999-10-29 1999-10-29 圧電トランス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001127355A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7504765B2 (en) * 2005-12-19 2009-03-17 Sharp Kabushiki Kaisha Piezoelectric transformer and the method for manufacturing the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7504765B2 (en) * 2005-12-19 2009-03-17 Sharp Kabushiki Kaisha Piezoelectric transformer and the method for manufacturing the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100586863B1 (ko) 전자 부품
JP2000235931A (ja) 積層セラミックコンデンサ
US8076823B2 (en) Ultrasonic actuator
JP2014187322A (ja) 電子部品
JP4724147B2 (ja) 積層セラミック・コンデンサおよびその実装構造
JP2001127355A (ja) 圧電トランス
JP2001068752A (ja) 圧電トランス
JP5318337B2 (ja) 圧電トランス及びその実装方法
JP2001085758A (ja) 圧電トランスの端子電極接続構造体
JP2016219624A (ja) 積層型コンデンサおよびその実装構造体
JP2001223407A (ja) 圧電トランスの接続構造、及び圧電トランスの接続方法
JP5255194B2 (ja) 圧電トランス及びその実装方法
JP2013149675A (ja) セラミックコンデンサ
JP2002094138A (ja) 圧電トランス
WO1999063603A1 (fr) Transformateur piezo-electrique
JP2967562B2 (ja) 圧電トランス及び圧電トランスの製造方法
JPH10200173A (ja) 圧電トランス
JPH10154835A (ja) 圧電トランス
US6353279B1 (en) Piezoelectric transformer
JPH11163426A (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JP2002261348A (ja) 圧電トランス
JPH118420A (ja) 圧電トランス
JPS60103685A (ja) 積層型圧電体
JP5255193B2 (ja) 圧電トランス及びその実装方法
JPH11145528A (ja) 圧電トランス

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040423

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20050214