JP2001126941A - 磁気コアの製造方法 - Google Patents

磁気コアの製造方法

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JP2001126941A
JP2001126941A JP2000245957A JP2000245957A JP2001126941A JP 2001126941 A JP2001126941 A JP 2001126941A JP 2000245957 A JP2000245957 A JP 2000245957A JP 2000245957 A JP2000245957 A JP 2000245957A JP 2001126941 A JP2001126941 A JP 2001126941A
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Hiroshi Watanabe
洋 渡辺
Nobuhiro Maruko
展弘 丸子
Koichi Kanayama
光一 金山
Mitsunobu Yoshida
光伸 吉田
Masayoshi Ito
正義 伊藤
Masaji Tamai
正司 玉井
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
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    • H01F41/0246Manufacturing of magnetic circuits by moulding or by pressing powder

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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気特性を改善させるとともに製品の歩留を向
上させ生産効率を改善することができる磁気コアの製造
方法を提供する。 【解決手段】磁性材料を巻回あるいは積層しこれに硬化
して耐熱性樹脂となる樹脂を含浸硬化させた後、または
磁性材料を巻回あるいは積層しこれに硬化して耐熱性樹
脂となる樹脂を含浸硬化させその後巻回または積層した
磁性材料の一部を切断加工した後に、磁性材料の熱処理
を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気コアの製造方
法に関し、特に、磁性材料と樹脂を用いて作製した、チ
ョークコイル、トランス、カットコアリアクトルなどに
用いられる磁気コアの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】種々の形状を持つギャップチョークコイ
ル、トランスなどの磁性部品はスイッチング電源、変圧
器などの多くの電気・電子機器に用いられている。これ
らの磁性部品は、磁性材料からなる薄帯を環状に巻いた
もの、または積層したものを樹脂含浸により形状を固定
した磁気コアに、電線をコイル状に巻いたものが使用さ
れている。
【0003】従来の磁気コアの製造方法は次のようなも
のであった。すなわち、非晶質薄帯材料を使用した場合
の磁気コアの製造フローを一例として図3に示すよう
に、磁性薄帯の原反ロールから磁性薄帯を必要な大きさ
に巻き取り(工程A)、これを予め所望の形状にして熱
処理を施し(工程B)、その後樹脂を含浸硬化させる
(工程C、D)ことにより出来上がる(工程E)。ギャ
ップを設ける部品の場合は、樹脂を含浸硬化(工程C、
D)後、コアの一部を切断し(工程F)、スペーサを挿
入して(工程G)ギャップ形成磁気コアが製造される
(工程H)。より詳しく説明すると、図3に見られるよ
うなトロイダル状ギャップチョークを作製する場合、磁
性薄帯をトロイダル状に巻回した(工程A)後、切断時
のコア形状の変形やバリを無くすため、通常、樹脂で含
浸して強く固めた(工程C,D)後、切断している(工
程F)。この時、磁性薄帯を巻回したものに対して、樹
脂含浸前に磁性材料の特性を発現するための最適な熱処
理が行われている(工程C)。熱処理温度は、材料によ
り異なるが、例えば、非晶質合金材料の場合が最も低
く、通常300℃〜500℃位で行われている。
【0004】このような熱処理や樹脂含浸を行う理由は
次の通りである。磁気コアにおいて最良の磁気特性を得
るには、コア材料に入っている歪みを熱処理によって緩
和することが重要である。この歪みには、磁性材料その
ものの製造時に材料に入る転位、欠陥などのミクロ的な
歪みや、コア形状を整えるためのマクロ的な歪みなどが
あり、熱処理前では磁気特性は良くない。しかしなが
ら、従来工程では、熱処理で歪みを除去して良好な磁気
特性を持つ状態になっても、その後の樹脂の含浸硬化工
程や切断工程によって、コアに余分な歪みを与えてしま
うことになる。また、非晶質材料、ナノ結晶質材料など
では熱処理後のコアは機械的な強度が弱いため、含浸硬
化工程は、コア材料の一部を部分的に変形させたり、割
れ、カケなど製品の歩留を低下させる要因を含み、製品
の生産効果を低下させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、良好な磁
気特性を持つ磁気コアにおいても、熱処理後のコアを含
浸硬化するとコアに硬化歪みがかかり、加工処理前より
も磁気特性が劣化したり、ギャップ形成時に至っては、
切断工程により極めて大きな加工歪みが入り、熱処理に
よって得られた良好な磁気特性は大きく劣化してしま
う。すなわち、磁気コアの磁気特性が、熱処理後に含浸
硬化または含浸硬化切断の工程を経て製品に近くなる
程、劣化してしまうという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、このような問題
点を解決するために、熱処理工程、含浸硬化工程、切断
工程を備えるコアの製造プロセスについて、磁気コアの
磁気特性の劣化がもっとも少なくなるように磁気コア製
造工程を見直した。そして、鋭意研究の結果、耐熱性樹
脂を用いることによって、含浸硬化工程または切断工程
などの磁気コアに歪みがかかる工程を先に行った後で熱
処理を行うことが可能になり、その結果磁気コアのマク
ロ的な歪みと材料のミクロ的歪みが同時緩和され、磁気
特性を改善させるとともに製品の歩留を向上させ生産効
率を改善するに至った。
【0007】本発明は、このような知見に基づくもので
あり、本発明によれば、磁性材料を巻回または積層しこ
れに硬化して耐熱性樹脂となる樹脂を含浸して硬化させ
て前記耐熱性樹脂を形成するのと同時および/あるいは
硬化させて前記耐熱性樹脂を形成した後、または磁性材
料を巻回または積層しこれに硬化して耐熱性樹脂となる
樹脂を含浸して硬化させて前記耐熱性樹脂を形成しその
後前記巻回または積層した磁性材料の一部を切断加工し
た後に、前記磁性材料の熱処理を施すことを特徴とする
磁気コアの製造方法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。
【0009】本発明に係る磁気コアの製造方法において
は、図3に示した従来の工程とは逆に、図1に示すよう
に、含浸硬化した後、あるいは含浸硬化後に切断した後
に熱処理し磁気特性を発現させる。すなわち、磁性薄帯
の原反ロールから磁性薄帯を必要な大きさのトロイダル
状に巻回した(工程A)後、樹脂を含浸させ(工程
B)、硬化させる(工程C)。その後、磁気特性を発現
させるための熱処理を行い(工程F)、磁気コアの製品
が製造される(工程H)。また、ギャップを設けるギャ
ップ形成磁気コアの場合には、樹脂を含浸させ(工程
B)、硬化させ(工程C)た後に、コアの一部を切断し
(工程D)、スペーサを挿入し(工程E)、その後、磁
気特性を発現させるための熱処理を行い(工程F)、ギ
ャップ形成磁気コアが製造される(工程G)。
【0010】本発明に係る磁気コアの製造方法において
は、硬化後に耐熱性樹脂となる樹脂を含む樹脂を含浸
し、硬化させて耐熱性樹脂を形成するので、図3に見ら
れる従来の工程とは逆に、図1に示すように、含浸硬化
後、あるいは含浸硬化後に切断した後に、磁性材料を熱
処理し、磁気特性を発現させることができる。なお、耐
熱性樹脂を形成する際の熱硬化温度および磁性材料の熱
処理温度によっては、耐熱性樹脂を形成する際の熱硬化
および磁性材料の熱処理を同時に行うこともできる。
【0011】本発明で好適に使用される磁性材料として
は、FeSi系ケイ素鋼、FeNi系パーマロイ材料、
FeSiAl系センダスト材料、FeSiNi系センパ
ーム材料などの金属結晶質材料、Fe系、Co系などの
非晶質材料、Fe系、Co系などのナノ結晶質材料、フ
ェライトなどの酸化物磁性材料などが挙げられる。ここ
でFe系非晶質材料としては、Fe−Si−B系、Fe
−B系、Fe−P−C系などのFe−半金族系非晶質材
料やFe−Zr系、Fe−Hf系、Fe−Ti系などの
Fe−遷移金属系非晶質材料が例示でき、またCo系非
晶質材料としてはCo−Si−B系、Co−B系などの
非晶質金属が例示できる。そしてFe系ナノ結晶質材料
としてはFe−Si−B−Cu−Nb系、Fe−B−C
u−Nb系、Fe−Zr−B系、Fe−Zr−B−Cu
系、Fe−Zr−Nb−B系、Fe−Zr−Nb−B−
Cu系、Fe−Zr−P系、Fe−Zr−P−Cu系、
Fe−Zr−Nb−P系、Fe−Zr−Nb−P−Cu
系、Fe−Ta−C系、Fe−Al−Si−Nb−B
系、Fe−Al−Si−Ni−Nb−B系、Fe-Al-
Nb-B系からなるナノ結晶質材料が例示できる。また
Co系ナノ結晶質材料としてCo−Hf−B、Co−T
a−Cなどのナノ結晶質材料が例示できる。このなかで
は熱処理温度が他材料に比べて比較的低いFe系、Co
系などの非晶質材料やFe系、Co系ナノ結晶質材料が
より好ましい。
【0012】熱処理温度は、磁性材料により異なり、F
e系、Co系などの非晶質材料が熱処理温度が最も低く
なる。この温度範囲は、通常300〜500℃で最適な
磁気特性が発現する。また、Fe系、Co系ナノ結晶材
料では400℃〜700℃の範囲に最適な熱処理温度が
ある。これ以外の結晶質材料や酸化物材料では、さらに
高温の熱処理温度が必要になる。
【0013】磁気コアに使用する耐熱性樹脂としては、
磁性材料の磁気特性が発現する熱処理温度以上まで分解
しない耐熱性樹脂を選定することが好ましい。磁気コア
として使用する磁性材料の中ではFe系、Co系などの
非晶質材料が熱処理温度は最も低い温度であり、通常3
00〜500℃である。そこで、耐熱性樹脂としては、
熱重量測定(TGA)において、昇温速度を10℃/m
in、測定サンプル量を10mgとした場合に、室温か
らの重量減少が5%となる温度(Td5)が、空気中に
おいて300℃以上であることが好ましく、ケイ素含有
樹脂、ポリイミド系樹脂、ケトン系樹脂、ポリアミド系
樹脂、液晶ポリマー、ニトリル系樹脂、チオエ−テル系
樹脂、ポリエステル系樹脂、アリレ−ト系樹脂、サルホ
ン系樹脂、イミド系樹脂、アミドイミド系樹脂の少なく
とも1つを含むことが好ましい。この中では、ケイ素含
有樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ケトン
系樹脂などの少なくとも1つを含むことがより好まし
い。また、Td5は、空気中で、350℃以上であるこ
とがより好ましくは、400℃以上であることがさらに
好ましく、400℃以上の耐熱温度を有するポリイミド
樹脂、ケイ素含有樹脂、ケトン系樹脂を少なくとも1つ
を含むことがさらに好ましい。また、Td5が、空気中
で、600℃以上の耐熱温度の樹脂を使用すれば、Fe
系、Co系などの非晶質材料、Fe系、Co系ナノ結晶
材料は言うにおよばず、さらには、ケイ素鋼、パーマロ
イ、センパーム、センダスト等にも使用することが可能
である。600℃以上の耐熱温度の樹脂としては、ケイ
素含有樹脂が好ましく用いられる。
【0014】また、本発明の耐熱性樹脂は、ケイ素含有
樹脂、ポリイミド系樹脂、ケトン系樹脂、ポリアミド系
樹脂、液晶ポリマー、ニトリル系樹脂、チオエ−テル系
樹脂、ポリエステル系樹脂、アリレ−ト系樹脂、サルホ
ン系樹脂、イミド系樹脂、アミドイミド系樹脂の少なく
とも1つに、例えば、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、シリコ−ン系樹脂、ポリアセ
タ−ル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ユリア・メラ
ミン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
エチレン系樹脂、ABS系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アイオ
ノマ−系樹脂、ポリ-4-メチルペンテン-1系樹脂の少
なくとも1つが混合された樹脂であってよい。これらを
混合した樹脂のTd5が空気中において300℃以上で
あることが好ましい。
【0015】さらに、本発明の耐熱性樹脂には、樹脂の
粘度を調整するために、無機物または有機物のフィラー
が含まれていてもよい。好ましくは、ケイ素含有樹脂、
ポリイミド系樹脂、ケトン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
液晶ポリマー、ニトリル系樹脂、チオエ−テル系樹脂、
ポリエステル系樹脂、アリレ−ト系樹脂、サルホン系樹
脂、イミド系樹脂、アミドイミド系樹脂の少なくとも1
つ、または、ケイ素含有樹脂、ポリイミド系樹脂、ケト
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂、液晶ポリマー、ニトリル
系樹脂、チオエ−テル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ア
リレ−ト系樹脂、サルホン系樹脂、イミド系樹脂、アミ
ドイミド系樹脂の少なくとも1つに、例えば、エポキシ
系樹脂、フェノ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリ
コ−ン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリカ−ボネ−
ト系樹脂、ユリア・メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ABS系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂、アイオノマ−系樹脂、ポリ-4-メチ
ルペンテン-1系樹脂の少なくとも1つが混合された樹
脂に、無機物または有機物のフィラーが含まれている。
これらを混合したものTd5が空気中において300℃
以上であることが好ましい。
【0016】有機物のフィラーとしては、好ましくは、
ケイ素含有樹脂、ポリイミド系樹脂、ケトン系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、液晶ポリマー、ニトリル系樹脂、チオ
エ−テル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アリレ−ト系樹
脂、サルホン系樹脂、イミド系樹脂、アミドイミド系樹
脂の少なくとも一つの硬化物が用いられ、無機物として
は、(i)ガラス(けい酸ナトリウム)、雲母(アルミ
ノけい酸アルカリ塩、フィロけい酸アルカリ塩)、炭化
ケイ素、硫酸カルシウム半水塩、炭酸カリウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等に代表さ
れる自然状態で安定な無機物質、(ii)酸化アルミニ
ウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、
二酸化スズ、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、五酸化ニ
アンチモン、酸化チタン等の金属酸化物、(iii)上
記(ii)に例示される素材の他、ペロブスカイト、ケ
イ酸塩ガラス、リン酸塩、チタン酸塩、ニオブ、タンタ
ル、タングステン酸塩等の複酸化物なるセラミックス、
窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム焼結体、窒化ホ
ウ素、窒化ホウ素マグネシウム、窒化ホウ素複合体、窒
化ケイ素、窒化ケイ素ランタン、サイアロン等の窒化
物、炭化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素アルミニウ
ム、炭化ホウ素アルミニウム、炭化チタン等の炭化物、
二ホウ化チタン、六ホウ化カルシウム、六ホウ化ランタ
ン等のホウ化物で例示されるセラミックス素材を単体、
もしくは複合して形成したセラミックス、タルク、アエ
ロジルなど300℃以上の耐熱を持つものを用いること
が好ましく、これらの中では、二酸化ケイ素、酸化アル
ミニウム、二酸化ジルコニウム、五酸化ニアンチモン、
酸化チタンがより好適である。
【0017】上記耐熱性樹脂のなかでも、イミド基を有
する樹脂を含む樹脂を用いることがより好ましく、ポリ
イミド樹脂を含む樹脂を用いることがさらに好ましい。
【0018】また、イミド基を有する樹脂を含む樹脂と
しては、1種または2種以上のイミド基を有する樹脂が
単独で磁気コアに存在する形態でもよいし、1種または
2種以上のイミド基を有する樹脂がエポキシ樹脂等他の
樹脂と混合されていてもよい。イミド基を有する樹脂と
好適に混合される他の樹脂として、ポリアミド樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリサルフォン(PSF)樹脂、ポリエ
ーテルサルフォン(PES)樹脂、ポリフェニレンサル
ファイド(PPS)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹
脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)樹脂、液晶ポリマー(LC
P)樹脂、ポリベンズイミダゾール(PBI)樹脂、ポ
リメチルペンテン(TPX)樹脂、ポリ1,4シクロヘ
キサンジメチレンテレフタレート(PCT)樹脂が好ま
しいものとして例示できる。また、イミド基を有する樹
脂を含む樹脂は、上記フィラーを含んでいてもよい。
【0019】そして、磁気コアが製造された後のイミド
基を有する樹脂を含む樹脂の耐熱性としては、空気中で
の熱重量測定において、昇温速度を10℃/min、測
定サンプル量を10mgとした場合に、Td5が300
℃以上であることが好ましく、より好ましくは350℃
以上、さらに好ましくは400℃以上である。あるい
は、不活性ガス中での熱重量測定において、昇温速度を
10℃/min、測定サンプル量を10mgとした場合
に、Td5が300℃以上であることが好ましく、より
好ましくは350℃以上、さらに好ましくは400℃以
上である。
【0020】本発明において用いられるポリイミド樹脂
は、化学式(1)
【化4】 で表わされる繰り返し構造単位を有する芳香族ポリイミ
ド(1)式において、ArはAr置換基群
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】 から選択された少なくとも1つであり、Rは、R置換基
【化9】 から選択された少なくとも1つであることが好ましい。
【0021】ここで、ポリイミド樹脂含む樹脂を耐熱性
樹脂として用いた磁気コアを製造する際には、好ましく
は、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸(化学式
(2))
【化10】 を用いてコ−ティングを行い、熱的あるいは化学的にイ
ミド化させて、化学式(1)
【化11】 で表されるポリイミド樹脂とする。なお、ポリアミド酸
を用いた含浸は必要に応じて溶媒を用いてもよい。
【0022】含浸に使用するポリアミド酸は、加熱して
イミド化して化学式(1)
【化12】 になる。使用するアミド酸は、置換基Arの両端にアミ
ノ基のついた化学式(3)
【化13】 で表わされる芳香族ジアミンと化学式(4)
【化14】 で表わされる芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応さ
せることにより作製する。
【0023】用いるジアミンに特に制限はなく従来公知
の芳香族ジアミンを用いることができる。化学式(3)
【化15】 で表される芳香族ジアミンの具体的例としては、以下に
示すものが挙げられる。これらの芳香族ジアミンの具体
例は、単独で、又は、二種類以上を組み合わせて使用す
ることができる。p−フェニレンジアミン、m−フェニ
レンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジ
フェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルス
ルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジ
アミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、
3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミ
ノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタ
ン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−
ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニ
ル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4
−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミ
ノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
ロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2
−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニ
ル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン、1,1−ビス(3−アミノフェニル)−1−フェニ
ルエタン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)−1−
フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−
(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,3
−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4
−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−ア
ミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ
ベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベン
ゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイ
ル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジ
メチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ
−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス
(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、
1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジ
ル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジ
トリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジ
ル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジ
トリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス
(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジ
ル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)
ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ピリジン。4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス
[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテ
ル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3
−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロプロパン。
【0024】また、用いる芳香族テトラカルボン酸二無
水物に特に制限はなく、従来公知の芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物を用いることにより、様々なガラス転移温
度や、様々なTd5(熱重量測定(TGA)において室
温からの重量減少が5%となる温度)を有するポリイミ
ドを得ることができる。
【0025】芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例
としては、例えば、ピロメリット酸ニ無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ニ無
水物、2,3’,3,4’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)プロパンニ無水物、ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)エーテルニ無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホンニ無水物、
1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン
ニ無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタ
ンニ無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メ
タンニ無水物、2,2−2ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
プロパンニ無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラ
カルボン酸ニ無水物、1,4,5,8−ナフタレンテト
ラカルボン酸ニ無水物、1,2,5,6−ナフタレンテ
トラカルボン酸ニ無水物、1,2,3,4−ベンゼンテ
トラカルボン酸ニ無水物、3,4,9,10−ぺリレン
テトラカルボン酸ニ無水物、2,3,6,7−アントラ
センテトラカルボン酸ニ無水物、1,2,7,8−フェ
ナントレンテトラカルボン酸ニ無水物、2−2ビス{4
−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロ
パン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−
ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物等が挙げら
れる。これらは単独あるいは、2種以上混合して用いら
れる。
【0026】また、本発明に用いられるポリイミドは、
イミド化する前のポリアミド酸を作成する際に用いるジ
アミンと芳香族テトラカルボン酸ニ無水物のモル比を理
論等量からずらすことで分子量を調節することができ
る。この場合には、過剰のアミノ基あるいは酸無水物基
を、過剰のアミノ基あるいは酸無水物基の理論等量以上
の芳香族ジカルボン酸無水物あるいは芳香族モノアミン
と反応させて不活性化してもよい。
【0027】一般式(2)
【化16】 で表されるポリアミド酸の製造方法としては、芳香族ジ
アミン化合物とテトラカルボン酸二無水物の開環重付加
反応する方法が使用できるが、特にこれらの方法に限定
されるものではない。
【0028】また、この付加反応は、有機溶媒中で行う
ことが好ましい。このような反応において用いられる溶
媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、 N,N−ジエチルホ
ルムアミド、 N,N−ジエチルアセトアミド、 N,N
−ジメトキシアセトアミド、 N−メチル−2−ピロリ
ドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−
メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビ
ス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2
−メトキシエトキシ)エタン、ビス[2−(2−メトキ
シエトキシ)エチル]エーテル、テトラヒドロフラン、
1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピロリン、
ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、
テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、フェ
ノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クロロ
フェーノール、アニソ−ル、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等が挙げられる。また、これらの有機溶剤は単独で
も2種類以上混合して用いてもよい。
【0029】さらに、本発明に使用するポリイミドとし
ては、以上のような鎖状型ポリイミド樹脂だけでなく、
可溶性ポリイミド樹脂も好ましく使用することができ
る。可溶性ポリイミド樹脂を溶剤に溶かし、適切な粘度
に調整して、含浸し、加熱して溶剤を揮発して硬化すれ
ばよい。
【0030】また、さらに、付加型ポリイミド樹脂は、
モノマーまたはプレポリマー溶液または分散したスラリ
ー液の状態で含浸し、熱反応で硬化しポリマー化して作
製される。
【0031】ここで、付加反応基としては、マレイミド
末端、ナディック末端、アセチレン末端、ベンゾシクロ
ブテン末端等が用いられる。
【0032】例として、ビスマレイド化合物とジアミン
化合物を用いたポリイミドでは一般式(5)
【化17】 (式中、R’は、
【化18】 (Xは、直結、炭素数1〜10の2価の炭化水素基、六
フッ素化されたイソプピリデン基、カルボニル基、チオ
基、スルフィニル基、スルホニル基またはオキシドから
なる群より選ばれた基を表す。)よりなる2価の基を表
し、Ar’は、
【化19】 よりなる2価の基、
【化20】 (X’は、直結、炭素数1〜10の2価の炭化水素基、
六フッ素化されたイソプピリデン基、カルボニル基、チ
オ基、スルフィニル基、スルホニル基またはオキシドか
らなる群より選ばれた基を表す。)よりなる2価の基、
または
【化21】 (R’’は、
【化22】 (X’’は、直結、炭素数1〜10の2価の炭化水素
基、六フッ素化されたイソプピリデン基、カルボニル
基、チオ基、スルフィニル基、スルホニル基またはオキ
シドからなる群より選ばれた基を表す。)よりなる2価
の基を表す。)よりなる2価の基を表す。)で表される
繰り返し単位構造を有する。ここで用いられるポリイミ
ド樹脂の低分子量のプレポリマーは、一般式(6)
【化23】 で表されるビスマレイド化合物と一般式(7)
【化24】 で表されるジアミン化合物から作製される。このプレポ
リマー溶液で磁気コアにコ−ティングした後、加熱し付
加反応で硬化させ、ポリマー化することにより、一般式
(5)
【化25】 で表される繰り返し単位構造を有するポリイミドを作製
できる。
【0033】なお、付加型ポリイミドを含浸した磁気コ
アを製造する場合には、図1において、プレポリマー溶
液を含浸した後、加熱し付加反応で硬化させ、ポリマー
化させる。その後の工程は、上述した鎖状型ポリイミド
樹脂の場合と同じである。
【0034】また、上記耐熱性樹脂のなかでも、ケイ素
含有樹脂を含む樹脂を使用することもより好ましい。
【0035】ここでケイ素含有樹脂を含む樹脂とは、1
種のケイ素含有樹脂単独、2種以上のケイ素含有樹脂を
混合したもの、1種以上のケイ素含有樹脂と他の樹脂を
混合したもの、あるいは、これらのいずれかに上記フィ
ラーを混合したものである。1種以上のケイ素含有樹脂
に混合する他の樹脂としては、エポキシ、ポリイミド、
ポリアミド、ポリエーテル0、ポリエステル、ポリスル
フィド、ポリスルフォンなどの樹脂が好ましく挙げられ
る。混合割合に制限がなく、必要とする樹脂の耐熱性や
粘度によって変えることができるが、ケイ素含有樹脂の
好ましい割合は0.1重量部以上、より好ましくは1重
量部以上、さらに好ましくは10重量部以上である。ま
た含浸時に必要に応じて溶媒を用いてもよい。
【0036】そしてケイ素含有樹脂を含む樹脂の磁気コ
アが製造された後の耐熱性としては、空気中での熱重量
測定において、昇温速度を10℃/min、測定サンプ
ル量を10mgとした場合に、Td5が300℃以上で
あることが好ましく、より好ましくは350℃以上、さ
らに好ましくは400℃以上である。
【0037】本発明において用いられるケイ素含有樹脂
とは、実質的にケイ素を分子中に含むものであり、具体
的にはポリカルボシラン、ポリシロキサン、ポリシラザ
ンなどである。
【0038】本発明において用いられるケイ素含有樹脂
は、好ましくは、分子内に少なくともひとつのSi−H
結合と少なくともひとつのC≡C結合を有する樹脂を硬
化して形成される。
【0039】また,本発明で用いられるケイ素含有樹脂
は,一般式(8)
【化26】 (式中、R1、R2は、互いに独立に、水素原子、炭素数
1から30のアルキル基であって置換基を有してもよい
アルキル基、炭素数1から30のアルケニル基であって
置換基を有してもよいアルケニル基、炭素数1から30
のアルキニル基であって置換基を有してもよいアルキニ
ル基、または置換基を有してもよい芳香族基であり、R
3は、−C≡C−、少なくとも1つの−C≡C−と連結
した−CH2−であって置換基を有してもよい−CH
2−、少なくとも1つの−C≡C−と連結した炭素数2
から30のアルキレン基であって置換基を有してもよい
アルキレン基、少なくとも1つの−C≡C−と連結した
炭素数2から30のアルケニレン基であって置換基を有
してもよいアルケニレン基、少なくとも1つの−C≡C
−と連結した炭素数2から30のアルキニレン基であっ
て置換基を有してもよいアルキニレン基、少なくとも1
つの−C≡C−と連結した二価の芳香族基であって置換
基を有してもよい二価の芳香族基、芳香族基が直接また
は架橋員により連結すると共に少なくとも1つの−C≡
C−と連結した
【化27】 であって置換基を有してもよい
【化28】 、芳香族基が直接または架橋員により連結すると共に少
なくとも1つの−C≡C−と連結した炭素数2から30
のアルキレン基であって置換基を有してもよいアルキレ
ン基、芳香族基が直接または架橋員により連結すると共
に少なくとも1つの−C≡C−と連結した炭素数2から
30のアルケニレン基であって置換基を有してもよいア
ルケニレン基、芳香族基が直接または架橋員により連結
すると共に少なくとも1つの−C≡C−と連結した炭素
数2から30のアルキニレン基であって置換基を有して
もよいアルキニレン基、または芳香族基が直接または架
橋員により連結すると共に少なくとも1つの−C≡C−
と連結した芳香族基であって置換基を有してもよい芳香
族基である。)で表される繰り返し単位を有するポリマ
ーを硬化して形成されることが好ましく、さらに好まし
くは, 一般式(8)
【化29】 (式中、R1、R2は、互いに独立に、水素原子、炭素数
1から30のアルキル基、炭素数1から30のアルケニ
ル基、炭素数1から30のアルキニル基、またはフェニ
ル基やナフチル基などの芳香族基であり、これらの基は
ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、カルボキシル基など
の置換基を含んでいてもよい。R3は、−C≡C−、少
なくとも1つの−C≡C−と連結した−CH2−、少な
くとも1つの−C≡C−と連結した炭素数2から30の
アルキレン基、少なくとも1つの−C≡C−と連結した
炭素数2から30のアルケニレン基、少なくとも1つの
−C≡C−と連結した炭素数2から30のアルキニレン
基、少なくとも1つの−C≡C−と連結したフェニレン
基やナフチレン基などの二価の芳香族基、芳香族基が直
接または架橋員により連結すると共に少なくとも1つの
−C≡C−と連結した
【化30】 、芳香族基が直接または架橋員により連結すると共に少
なくとも1つの−C≡C−と連結した炭素数2から30
のアルキレン基、芳香族基が直接または架橋員により連
結すると共に少なくとも1つの−C≡C−と連結した炭
素数2から30のアルケニレン基、芳香族基が直接また
は架橋員により連結すると共に少なくとも1つの−C≡
C−と連結した炭素数2から30のアルキニレン基、ま
たは芳香族基が直接または架橋員により連結すると共に
少なくとも1つの−C≡C−と連結した芳香族基であ
り、これらの基はハロゲン原子、水酸基、アミノ基、カ
ルボキシル基などの置換基を含んでいてもよい。)で表
される繰り返し単位を有するポリマーを硬化して形成さ
れる。熱硬化して形成したケイ素含有樹脂は高耐熱性が
得られる。
【0040】また、硬化後に耐熱性のケイ素含有樹脂と
なるこれらの樹脂の重量平均分子量は、好ましくは20
0〜1,000,000、さらに好ましくは300〜5
00,000、さらにより好ましくは、300〜10
0,000である。
【0041】これらの硬化後に耐熱性のケイ素含有樹脂
となる樹脂の好ましい例としては、繰り返し単位がシリ
レンエチニレン、メチルシリレンエチニレン、フェニル
シリレンエチニレン、シリレンエチニレン−1,3−フ
ェニレンエチニレン(化学式(9))
【0042】
【化31】 、シリレンエチニレン−1,4−フェニレンエチニレ
ン、シリレンエチニレン−1,2−フェニレンエチニレ
ン、メチルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエ
チニレン(化学式(10))
【0043】
【化32】 、メチルシリレンエチニレン−1,4−フェニレンエチ
ニレン、メチルシリレンエチニレン−1,2−フェニレ
ンエチニレン、ジメチルシリレンエチニレン−1,3−
フェニレンエチニレン、ジメチルシリレンエチニレン−
1,4−フェニレンエチニレン、ジメチルシリレンエチ
ニレン−1,2−フェニレンエチニレン、ジエチルシリ
レンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン、フェ
ニルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレ
ン(化学式(11))
【0044】
【化33】 、フェニルシリレンエチニレン−1,4−フェニレンエ
チニレン、フェニルシリレンエチニレン−1,2−フェ
ニレンエチニレン、ジフェニルシリレンエチニレン−
1,3−フェニレンエチニレン、ヘキシルシリレンエチ
ニレン−1,3−フェニレンエチニレン、ビニルシリレ
ンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン(化学式
(12))
【0045】
【化34】 、エチニルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエ
チニレン、2−プロペニルシリレンエチニレン−1,3
−フェニレンエチニレン、2−プロピニルシリレンエチ
ニレン−1,3−フェニレンエチニレン、トリフルオメ
チルロシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニ
レン、3,3,3−トリフルオロプロピルシリレンエチニ
レン−1,3−フェニレンエチニレン、4−メチルフェ
ニルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレ
ン、4−ビニルフェニルシリレンエチニレン−1,3−
フェニレンエチニレン、シリレンエチニレン(5−メチ
ル−1,3−フェニレン)エチニレン、フェニルシリレ
ンエチニレン(5−メチル−1,3−フェニレン)エチ
ニレン、フェニルシリレンエチニレン(5−シリル−
1,3−フェニレン)エチニレン、フェニルシリレンエ
チニレン(5−ヒドロキシ−1,3−フェニレン)エチ
ニレン、フェニルシリレンエチニレン−2,7−ナフチ
レンエチニレン、シリレンエチニレン−5,10−アン
トラセネディルエチニレン、フェニルシリレンエチニレ
ン−4,4'−ビフェニレンエチニレン(化学式(1
3))
【0046】
【化35】 、フェニルシリレンエチニレン−1,4−フェニレンメ
チレン−1',4'−フェニレンエチニレン、フェニルシ
リレンエチニレン−1,4−フェニレン−2,2−プロピ
リデン−1',4'−フェニレンエチニレン、フェニルシ
リレンエチニレン−1,4−フェニレン−2,2−(1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピリデン)−1',
4'−フェニレンエチニレン、(化学式(14))
【0047】
【化36】 、フェニルシリレンエチニレン−1,4−フェニレンオ
キシ−1',4'−フェニレンエチニレン(化学式(1
5))
【0048】
【化37】 、フェニルシリレンエチニレン−2,5−ピリジネディ
ルエチニレン、フェニルシリレンエチニレン−2,5−
チオフェネディリルエチニレン、メチルシリレンエチニ
レンメチレンエチニレン、フェニルシリレン−1,4−
フェニレン(フェニルシリレン)エチニレン−1',3'
−フェニレンエチニレン(化学式(16))
【0049】
【化38】 、フェニルシリレンオキシ(フェニルシリレン)エチニ
レン−1',3'−フェニレンエチニレン(化学式(1
7))
【0050】
【化39】 、フェニルシリレンオキシ(フェニルシリレン)エチニ
レン−1',4'−フェニレンエチニレン、フェニルシリ
レンイミノ(フェニルシリレン)エチニレン−1',3'
−フェニレンエチニレン(化学式(18))
【0051】
【化40】 、フェニルシリレンイミノ(フェニルシリレン)エチニ
レン−1',4'−フェニレンエチニレン、化学式(1
9)
【0052】
【化41】 、化学式(20)
【0053】
【化42】 、化学式(21)
【0054】
【化43】 、化学式(22)
【0055】
【化44】 、化学式(23)
【0056】
【化45】 、化学式(24)
【0057】
【化46】 、化学式(25)
【0058】
【化47】 、シリレン−1,3−フェニレンエチニレン(化学式
(26))
【0059】
【化48】 、シリレン−1,4−フェニレンエチニレン、シリレン
−1,2−フェニレンエチニレン、フェニルシリレン−
1,3−フェニレンエチニレン(化学式(27))
【0060】
【化49】 、フェニルシリレン−1,4−フェニレンエチニレン、
フェニルシリレン−1,2−フェニレンエチニレン、ジ
フェニルシリレン−1,3−フェニレンエチニレン、メ
チルシリレン−1,3−フェニレンエチニレン(化学式
(28))
【0061】
【化50】 、メチルシリレン−1,4−フェニレンエチニレン、メ
チルシリレン−1,2−フェニレンエチニレン、ジメチ
ルシリレン−1,3−フェニレンエチニレン、ジエチル
シリレン−1,3−フェニレンエチニレン、フェニルシ
リレン−1,3−ブタジイニレン、ジフェニルシリレン
−1,3−ブタジイン、フェニルシリレンメチレンエチ
ニレン、ジフェニルシリレンメチレンエチニレンメチレ
ン、フェニルシリレンメチレンエチニレンメチレン等が
挙げられる。これらのポリマーの形態は常温で固体もし
くは液状である。
【0062】一般式(8)で表される樹脂の製造方法と
しては、塩基性酸化物、金属水素化物、金属化合類物を
触媒としてジエチニル化合物とシラン化合物の脱水素共
重合を行う方法(特開平7−90085、特開平11−
158187)や、塩基性酸化物を触媒としてエチニル
シラン化合物の脱水素重合を行う方法(特開平9−14
3271)、有機マグネシウム試薬とジクロロシラン類
を反応させる方法(特開平7−102069)、塩化第
一銅と三級アミンを触媒としてジエチニル化合物とシラ
ン化合物の脱水素共重合を行う方法(Hua Qin Liu and
John F. Harrod, The Canadian Journal of Chemistry,
Vol. 68, 1100-1105(1990))等が使用できるが、特に
これらの方法に限定されるものではない。
【0063】
【実施例】(第1の実施例)表1に、硬化後にケイ素含
有樹脂となる樹脂とエポキシ含浸樹脂とをそれぞれ含浸
硬化して作製した磁気コアの、含浸硬化後とその後の熱
処理後とにおける、樹脂残存量(%)とコア含浸硬化強
度を示す。なお、ここで、樹脂残存量(%)とは、含浸
硬化後のコア中の樹脂量と各熱処理で残存した樹脂量と
の比をいう。また、硬化後にケイ素含有樹脂となる樹脂
としては、式(29)
【化51】 で表される樹脂であって、X=9、Y=1のものを使用
し、エポキシ含浸樹脂としては、市販の一液性熱硬化型
エポキシ樹脂を使用した。この硬化後にケイ素含有樹脂
となる樹脂のゲル透過クロマトグラフィーによるポリス
チレン換算分子量は、重量平均分子量(M)で170
0、数平均分子量(Mn)で770、粘度は30℃で1
94Pa・sであった。粘度はB型粘度計で測定した。
次に使用した熱処理後のケイ素含有樹脂の熱重量測定
(TGA)の結果を図2に示す。これは10mgのサン
プルを空気中で昇温速度10℃/minで昇温したとき
の重量変化である。重量が5%減少する温度(Td5)
はこの場合約600℃である事が分る。
【0064】
【表1】
【0065】表1は、大気中でそれぞれ2時間の熱処理
を行った結果で、従来、磁気コアなどに用いられている
エポキシ含浸樹脂などは、350℃以上になるとエポキ
シ樹脂の分解が生じており、樹脂によるコアの硬化固定
する効果がなくなってしまう。これに対して、ケイ素含
有樹脂では、熱処理後においても、樹脂の分解が殆どお
きておらず、コア含浸硬化強度も強いまま変化しなかっ
た。
【0066】また、上述のように、ケイ素含有樹脂を含
む樹脂を持つ磁気コアの熱処理は、300℃以上が必要
になる。ここで、熱処理時の雰囲気は、従来の熱処理条
件でよく、大気中、水素中、水蒸気中およびアルゴンや
窒素などの不活性雰囲気などで行うと良い。
【0067】また、含浸硬化は、コアに樹脂が含浸でき
る方法であれば良く、例えば、従来方法でのような、真
空あるいは自重により樹脂を含浸した後、樹脂を硬化さ
せる方法を採ることができる。しかしながら、コアに樹
脂含浸を行う場合、樹脂の粘度が高すぎると、樹脂が不
均一に含浸され、含浸硬化後にコアの機械的強度がばら
ついてしまい、製品としての歩留が大きく低下してしま
う。また、粘度が大きすぎると、磁気コアに含浸され難
くなり、含浸時間が極めて長時間を必要としコスト的に
も有効性が無い。一方、含浸硬化工程において、樹脂の
粘度が小さいと磁気コアに含浸される量が著しく少なく
なり含浸の効果がない。係る点から、含浸時の樹脂の粘
度は、B型粘度計で測定した場合、25℃において、
0.01〜500Pa・sが好ましく、さらに0.05
〜100Pa・sがより好ましい。
【0068】上述のように、本実施例においては、30
0℃以上の温度でも樹脂の分解が極めて小さいケイ素含
有樹脂を含む樹脂を用いるので、始めに、コアを含浸硬
化した後にコアを熱処理して磁気特性を発現させること
ができるようになり、磁気特性が大幅に改善され、含浸
硬化工程のコストが低減でき、生産効率を著しく改善で
きる。
【0069】以下、本実施例の一例について示す。アラ
イド3社製、Metglas:2605S−2(商品
名)、Fe78Si9B13(at%)の組成を持つ非
晶質金属薄帯をトロイダル状(外径14mm、内径8m
m、高さ5mm)に巻き取った磁気コアを用いて、硬化
後にケイ素含有樹脂となる樹脂を含浸硬化させて作製し
た場合の磁気特性(比透磁率:10kHz)の熱処理に
よる変化を図3に示す従来工程によるエポキシ樹脂を含
浸硬化させた場合(比較例)の値と比較したものを、表
2に示した。硬化後にケイ素含有樹脂となる樹脂として
は、前述したのと同じ、化学式(29)で表される樹脂
の粘性液体を用いた。熱処理は大気中で行った。
【0070】
【表2】
【0071】本例における硬化後にケイ素含有樹脂とな
る樹脂を含浸硬化した後に熱処理を施す新しい工程で得
られた磁気コアの最適熱処理温度(400℃)での比透
磁率の値(2100)は、従来工程である最適熱処理を
した磁気コアにエポキシ樹脂を含浸硬化させてた場合
(比較例)に得られた値(990)の2倍以上になるこ
とが明らかになった。
【0072】ここで、(実施例)の工程で作製したコア
の含浸硬化条件と(比較例)の従来工程で作製したコア
の含浸硬化条件をそれぞれ下記に示す。この条件は、そ
れぞれの樹脂で最適と考えられるものである。 (実施例) 含浸条件:真空含浸(温度85℃)40分、含浸液粘度
(〜5Pa.s) 硬化条件:真空中、硬化温度(100℃1時間保持後1
50℃2時間保持して硬化) (比較例) 含浸条件:真空含浸(温度23℃)20分、含浸液粘度
(〜0.2Pa.s) 硬化条件:真空中、硬化温度(120℃2時間保持後1
50℃4時間保持して硬化)
【0073】(第2の実施例)本実施例に係る磁気コア
は、好ましくは、図3に示した従来の工程とは逆に、図
1に示すように、含浸後イミド化した後、あるいは含浸
後イミド化した後に切断した後に熱処理し磁気特性を発
現させることによって製造される。すなわち、磁性薄帯
の原反ロールから磁性薄帯を必要な大きさのトロイダル
状に巻回した(工程A)後、樹脂を含浸させ(工程
B)、イミド化させる(工程C)。その後、磁気特性を
発現させるための熱処理を行い(工程F)、磁気コアの
製品が製造される(工程H)。また、ギャップを設ける
ギャップ形成磁気コアの場合には、樹脂を含浸させ(工
程B)、イミド化させ(工程C)た後に、コアの一部を
切断し(工程D)、スペーサを挿入し(工程E)、その
後、磁気特性を発現させるための熱処理を行い(工程
F)、ギャップ形成磁気コアが製造される(工程G)。
【0074】本実施例に係る磁気コアにおいては、ポリ
アミド酸溶液を用いて含浸した後、イミド化させるの
で、図3に見られる従来の工程とは逆に、図1に示すよ
うに、含浸しイミド化した後、あるいは含浸しイミド化
後に切断した後に、熱処理し磁気特性を発現させること
ができる。
【0075】上述のように、ポリイミド樹脂を含む樹脂
を持つ磁気コアの熱処理は、300℃以上が好ましい。
ここで、熱処理時の雰囲気は、従来の熱処理条件でよ
く、大気中、水素中、水蒸気中およびアルゴンや窒素な
どの不活性雰囲気などで行うと良い。
【0076】また、含浸しイミド化させるには、コアに
樹脂が含浸できる方法であれば良く、例えば、従来方法
でのような、真空あるいは自重により樹脂を含浸した
後、樹脂をイミド化させる方法を採ることができる。し
かしながら、コアに樹脂含浸を行う場合、樹脂の粘度が
高すぎると、樹脂が不均一に含浸され、含浸しイミド化
後にコアの機械的強度がばらついてしまい、製品として
の歩留が大きく低下してしまう。また、粘度が大きすぎ
ると、磁気コアに含浸され難くなり、含浸時間が極めて
長時間を必要としコスト的にも有効性が無い。一方、含
浸イミド化工程において、樹脂の粘度が小さいと磁気コ
アに含浸される量が著しく少なくなり含浸の効果がな
い。係る点から、含浸時の樹脂の粘度は、E型粘度計で
測定した場合、25℃において、0.1から100Pa
・sが好ましく、さらに0.03〜50Pa・sがより
好ましい。
【0077】本実施例においては、300℃以上の温度
でも樹脂の分解が極めて小さいポリイミド樹脂を用いる
ので、始めに、コアを含浸しイミド化した後にコアを熱
処理して磁気特性を発現させることができるようにな
り、磁気特性が大幅に改善され、含浸しイミド化する工
程のコストが低減でき、生産効率を著しく改善できる。
【0078】以下、本実施例の一例について示す。アラ
イド3社製、Metglas:2605S−2(商品
名)、Fe78Si9B13(at%)の組成を持つ非
晶質金属薄帯をトロイダル状(外径14mm、内径8m
m、高さ5mm)に巻き取った磁気コアを用いて、ポリ
アミド酸溶液を含浸させ、250℃でイミド化させて作
製した場合の磁気特性(比透磁率:10kHz)の熱処
理による変化を図3に示す従来工程によるエポキシ樹脂
を含浸硬化させた場合(比較例)の値と比較したもの
を、表3に示した。エポキシ樹脂としては、市販の一液
性熱硬化型エポキシ樹脂を使用した。
【0079】
【表3】
【0080】ポリアミド酸としては、化学式(30)
【化52】 で表される基本構造単位を有するものを使用し、溶媒に
N−メチル−2−ピロドリンを用いて希釈した液体を用
いた。使用した液体の粘度はE形粘度計で測定し、25
℃で、300mPa・sであった。またイミド化後のポ
リイミド樹脂は化学式(31)
【化53】 で表わされ、これを空気中で昇温速度10℃/minで
昇温したときの重量変化を調べ、重量が5%減少する温
度(Td5)はこの場合540℃であった。なお、ここ
で、樹脂残存量(%)とは、含浸しイミド化後のコア中
の樹脂量と熱処理で残存した樹脂量との比をいう。な
お、熱処理によるイミド化は大気中で行った。
【0081】本実施例におけるポリアミド酸溶液を含浸
し、熱反応でイミド化した後に熱処理を施す工程で得ら
れた磁気コアの最適熱処理温度(400℃)での比透磁
率の値(2150)は、従来工程である最適熱処理をし
た磁気コアにエポキシ樹脂を含浸硬化させた場合(比較
例)に得られた値(990)の2倍以上になることが明
らかになった。
【0082】ここで、(実施例)の工程で作製したコア
の含浸イミド化条件と(比較例)の従来工程で作製コア
の含浸硬化条件をそれぞれ下記に示す。この条件は、そ
れぞれの樹脂で最適と考えられるものである。 (実施例) 含浸条件:真空含浸(室温)30分、含浸液粘度(30
0mPa・s) イミド化条件:大気中、温度(350℃2時間) (比較例) 含浸条件:真空含浸(温度23℃)20分、含浸液粘度
(〜0.2Pa・s) 硬化条件:真空中、硬化温度(120℃2時間保持後1
50℃4時間保持して硬化)
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、磁気コアの製造方法に
おいて、磁気特性を改善させるとともに製品の歩留を向
上させ生産効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐熱樹脂を用いた場合の磁気コアの製
造方法に関する製造フローを説明するための図である。
【図2】本発明の実施例で使用した熱処理後のケイ素含
有樹脂の熱重量測定(TGA)の結果を示す図である。
【図3】従来の磁気コアの製造方法を示すための製造フ
ロー図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金山 光一 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内 (72)発明者 吉田 光伸 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内 (72)発明者 伊藤 正義 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内 (72)発明者 玉井 正司 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性材料を巻回または積層しこれに硬化し
    て耐熱性樹脂となる樹脂を含浸して硬化させて前記耐熱
    性樹脂を形成するのと同時および/あるいは硬化させて
    前記耐熱性樹脂を形成した後、または磁性材料を巻回ま
    たは積層しこれに硬化して耐熱性樹脂となる樹脂を含浸
    して硬化させて前記耐熱性樹脂を形成しその後前記巻回
    または積層した磁性材料の一部を切断加工した後に、前
    記磁性材料の熱処理を施すことを特徴とする磁気コアの
    製造方法。
  2. 【請求項2】前記磁性材料が、Fe系の非晶質材料、C
    o系の非晶質材料、Fe系のナノ結晶質材料、Co系の
    ナノ結晶質材料、FeSi系ケイ素鋼、FeNi系パー
    マロイ材料、FeSiAl系センダスト材料およびFe
    SiNi系センパーム材料からなる群より選ばれる材料
    であることを特徴とする請求項1記載の磁気コアの製造
    方法。
  3. 【請求項3】前記耐熱性樹脂の熱重量測定における室温
    からの重量減少が5%となる温度が空気中において30
    0℃以上であることを特徴とする請求項1または2記載
    の磁気コアの製造方法。
  4. 【請求項4】前記耐熱性樹脂が、ケイ素含有樹脂、ポリ
    イミド系樹脂、ケトン系樹脂、ポリアミド系樹脂、液晶
    ポリマー、ニトリル系樹脂、チオエーテル系樹脂、アリ
    レート系樹脂、サルホン系樹脂、イミド系樹脂、アミド
    イミド系樹脂の少なくとも1つを含むことを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の記載の磁気コアの製
    造方法。
  5. 【請求項5】前記耐熱性樹脂がケイ素含有樹脂を含む樹
    脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
    記載の磁気コアの製造方法。
  6. 【請求項6】前記ケイ素含有樹脂が、少なくとも1つの
    Si−H系結合とC≡C結合とを有する樹脂を硬化して
    形成された樹脂であることを特徴とする請求項5記載の
    磁気コアの製造方法。
  7. 【請求項7】前記ケイ素含有樹脂は、 一般式 【化1】 (式中、R、Rは、互いに独立に、水素原子、炭素
    数1から30のアルキル基であって置換基を有してもよ
    いアルキル基、炭素数1から30のアルケニル基であっ
    て置換基を有してもよいアルケニル基、炭素数1から3
    0のアルキニル基であって置換基を有してもよいアルキ
    ニル基、または置換基を有してもよい芳香族基であり、
    は、−C≡C−、少なくとも1つの−C≡C−と連
    結した−CH−であって置換基を有してもよい−CH
    −、少なくとも1つの−C≡C−と連結した炭素数2
    から30のアルキレン基であって置換基を有してもよい
    アルキレン基、少なくとも1つの−C≡C−と連結した
    炭素数2から30のアルケニレン基であって置換基を有
    してもよいアルケニレン基、少なくとも1つの−C≡C
    −と連結した炭素数2から30のアルキニレン基であっ
    て置換基を有してもよいアルキニレン基、少なくとも1
    つの−C≡C−と連結した二価の芳香族基であって置換
    基を有してもよい二価の芳香族基、芳香族基が直接また
    は架橋員により連結すると共に少なくとも1つの−C≡
    C−と連結した 【化2】 であって置換基を有してもよい 【化3】 、芳香族基が直接または架橋員により連結すると共に少
    なくとも1つの−C≡C−と連結した炭素数2から30
    のアルキレン基であって置換基を有してもよいアルキレ
    ン基、芳香族基が直接または架橋員により連結すると共
    に少なくとも1つの−C≡C−と連結した炭素数2から
    30のアルケニレン基であって置換基を有してもよいア
    ルケニレン基、芳香族基が直接または架橋員により連結
    すると共に少なくとも1つの−C≡C−と連結した炭素
    数2から30のアルキニレン基であって置換基を有して
    もよいアルキニレン基、または芳香族基が直接または架
    橋員により連結すると共に少なくとも1つの−C≡C−
    と連結した芳香族基であって置換基を有してもよい芳香
    族基である。)で表される繰り返し単位を有するポリマ
    ーを硬化して形成した樹脂であることを特徴とする請求
    項5または6記載の磁気コアの製造方法。
  8. 【請求項8】前記耐熱性樹脂が、イミド基を有する樹脂
    を含む樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の磁気コアの製造方法。
  9. 【請求項9】前記イミド基を有する樹脂が、ポリイミド
    樹脂であることを特徴とする請求項8記載の磁気コアの
    製造方法。
  10. 【請求項10】前記含浸工程において、含浸時の樹脂の
    粘度が0.01〜500Pa・sの範囲であることを特
    徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の磁気コアの
    製造方法。
  11. 【請求項11】前記磁性材料の熱処理において、熱処理
    温度が300℃以上であることを特徴とする請求項1乃
    至10のいずれかに記載の磁気コアの製造方法。
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