JP2001126763A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JP2001126763A
JP2001126763A JP30132499A JP30132499A JP2001126763A JP 2001126763 A JP2001126763 A JP 2001126763A JP 30132499 A JP30132499 A JP 30132499A JP 30132499 A JP30132499 A JP 30132499A JP 2001126763 A JP2001126763 A JP 2001126763A
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carbonate
battery
secondary battery
electrolyte secondary
lithium
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JP30132499A
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Naoyuki Sugano
直之 菅野
Takami Saito
崇実 齋藤
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極活物質としてリチウム含有マンガン複合
酸化物を用い、電池性能の向上を図ることができる非水
電解液二次電池を提供する。 【解決手段】 この非水電解液二次電池において、正極
電極11の正極活物質は、リチウム含有マンガン複合酸
化物からなっている。また、負極電極9の負極活物質
は、リチウムをドープ・脱ドープ可能な材料からなって
いる。また、非水電解液は、環状炭酸エステル、鎖状炭
酸エステル、および二重結合を有する炭酸エステルを含
む混合物に電解質を溶解したものである。二重結合を有
する炭酸エステルとしては、ビニレンカーボネートを用
いることができる。また、二重結合を有する炭酸エステ
ルは、鎖状炭酸エステルに対して1.0〜9.4体積%
の範囲にあることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電子機器の電
源として高エネルギー密度を有する非水電解液二次電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話、個人情報ツール、小型
パーソナルコンピュータ、および小型ビデオカメラ等の
携帯電子機器の小型化、コードレス化が急速に進み、こ
れら機器の電源として小型・軽量で高エネルギー密度を
有する、二次電池への要望が高くなってきている。この
様な要望に対して近年非水電解液二次電池が実用化され
電子機器に搭載され始めている、
【0003】現在、実用化されている非水電解液二次電
池としては、正極活物質にLiCoO2 を用い、負極活
物質に難黒鉛性炭素もしくは黒鉛材を用いるものがあ
る。この他にも正極活物質に硫化物例えばTiS2 やM
oS2 、酸化物例えばV2 5を用いた電池を実用化す
る試みが行われている。
【0004】非水電解液二次電池が実用化されるに際し
ては、従来の水溶液系二次電池が充放電サイクルとして
300回、室温保存状態で30%/月の自己放電率、浅
い放電サイクルを繰返すと充放電容量の低下が著しい
(いわゆるメモリー効果と呼ばれる現象)等の欠点を有
し、更にエネルギー密度が低いという二次電池しか一般
市場にはなかった。
【0005】しかしながら、非水電解液二次電池とし
て、正極活物質にLiCoO2 を用い、負極活物質に炭
素材を用いる場合では、寿命性能が1200サイクルで
70%が維持でき、室温保存での自己放電が10%/月
以下であり、いわゆるメモリー効果と呼ばれる現象も無
く、且つエネルギー密度も250W/L以上が可能であ
るという極めて優れた性能を発揮できる。しかし、この
種の電池は、正極活物質にLiCoO2 を用いており、
このコバルト材が資源的に見て稀少な材料であるために
多量に使用するに際しては高価な電池となってしまうお
それがあり、小型電池の分野に限定したものとなってい
た。
【0006】そこで資源的に豊富に存在し、安価な材料
として一次電池等に多量に用いられているマンガン酸化
物を用いた非水電解液二次電池を開発検討する試みが多
数なされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、リチウムマン
ガン酸化物を正極活物質として用い、リチウムをドープ
・脱ドープ可能な材料を用いた非水電解液二次電池は種
々提案がなされているが、未だ十分なサイクル寿命性能
を示し大電流放電での負荷性能低下のなく、かつ保存性
能がCo材なみに優れている材料は実用化されていない
のが現状である。
【0008】正極活物質にリチウムマンガン酸化物と負
極活物質に炭素材を用いた非水電解液二次電池が、未だ
一般市場で実用に供されていない理由としては、上記の
理由が最も大きく考慮されている。特に正極活物質によ
る性能低下に大きく依存し、室温条件でのサイクルより
は高温条件でのサイクル劣化が大きくなる事実を鑑みる
とLiMnxOy材料そのものに依存していることは明
白である。従ってリチウムマンガン酸化物を用いる正極
電極を改良して実用的な電池とすることが極めて重要な
要素となっている。
【0009】この際にリチウムマンガン酸化物は高温条
件での保存において、Mnが溶出するということが指摘
されており、この様な溶出が起こることが劣化を加速し
ていると考えられている。
【0010】従来から正極活物質としてLiの組成比を
Li1+x Mn2-y 4 という、Liを理論組成よりも増
やしたものを用いて二次電池化する提案がUSP436
6215号等になされている。しかしながら、未だに上
記のサイクル寿命性能や大電流放電での負荷性能低下の
少ない、高温保存性能を実用的に満足するには至ってい
ない。
【0011】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであり、正極活物質としてリチウム含有マンガン
複合酸化物を用い、電池性能の向上を図ることができる
非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の非水電解液二次
電池は、リチウム含有マンガン複合酸化物からなる正極
活物質と、リチウムをドープ・脱ドープ可能な材料から
なる負極活物質と、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステ
ル、および二重結合を有する炭酸エステルを含む混合物
に電解質を溶解してなる非水電解液とを有するものであ
る。
【0013】また、本発明の非水電解液二次電池は、二
重結合を有する炭酸エステルが、鎖状炭酸エステルに対
して1.0〜9.4体積%の範囲にある上述構成の非水
電解液二次電池である。
【0014】また、本発明の非水電解液二次電池は、二
重結合を有する炭酸エステルが、ビニレンカーボネート
である上述構成の非水電解液二次電池である。
【0015】本発明の非水電解液二次電池によれば、リ
チウム含有マンガン複合酸化物からなる正極活物質、並
びに、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、および二
重結合を有する炭酸エステルを含む混合物に電解質を溶
解してなる非水電解液を有する非水電解液二次電池とす
ることにより、非水電解液二次電池の充放電サイクルの
寿命性能向上、大電流放電での負荷性能向上、保存性能
の向上が実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、非水電解液二次電池に係る
発明の実施の形態について、図1〜図5および表1を参
照しながら説明する。
【0017】図1は、本発明の非水電解液二次電池の一
例としての渦巻型円筒電池を示したものである。図1に
おいて、正極電極11の正極活物質としては、リチウム
含有マンガン複合酸化物を用いた。すなわち、正極活物
質としてLixMnyOzを用いた。ここで、リチウム
含有マンガン複合酸化物(LixMnyOz)とは、L
iMn2 4 、Li4 Mn5 12、Li1+x Mn2-x
4 (0<x <1)、LiMyMn2-y 4 (M=Co、
Ni、Cr、Fe 0<y<0.5)のこれら単独もし
くは混合物から選ばれるものである。
【0018】負極電極9の負極活物質としては、リチウ
ムをドープ・脱ドープ可能な材料、とりわけ難黒鉛性炭
素材や黒鉛材もしくは易黒鉛化性炭素が挙げられ、これ
らの単独若しくは他の材料との混合として用いられる。
また、負極活物質としては、炭素材の他、Li金属やL
i合金、Liをドープ・脱ドープ可能な材料を用いるこ
とができ、これらの適切な組合せとした負極電極を用い
ることもできる。
【0019】非水電解液としては、環状炭酸エステル、
鎖状炭酸エステルなどの混合物に二重結合を有する炭酸
エステルを加え、さらにこの混合溶媒に電解質としてリ
チウム塩を溶解させたものを用いることができる。更に
非水電解液を高分子化合物に混合したいわゆるポリマー
電解質も用いることができる。
【0020】ここで、非水電解液の溶媒としては、炭酸
プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ブチレンなどの環状炭
酸エステル、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジ
エチル、炭酸ジプロピルなどの鎖状炭酸エステル、γブ
チロラクトン、δヘキシルラクトンなどの環状エステル
類などの単独もしくは混合溶媒を非水溶媒として用いる
ことができる。なお、混合溶媒においては、鎖状炭酸エ
ステルが20〜80容積%の範囲にあることが好まし
い。
【0021】二重結合を有する炭酸エステルとしては、
ビニレンカーボネート、メチル基若しくはエチル基等の
アルキル基置換ビニレンカーボネートを用いることが好
ましい。また、二重結合を有する炭酸エステルは、鎖状
炭酸エステルに対して1.0〜9.4体積%の範囲にあ
ることが好ましい。
【0022】また、電解質としては、六弗化燐酸リチウ
ム、六弗化砒酸リチウム、六弗化アンチモン酸リチウ
ム、四弗化硼酸リチウム、三弗化メタンスルホン酸リチ
ウム、三弗化酢酸リチウム等を用いることができる。ま
た電解質は0.5〜2mol/lの範囲で溶媒に溶解さ
せ、電解液として用いることが好ましい。
【0023】また非水電解液に用いるこれらの溶媒や電
解質は脱水されて混合されることが好ましい。水分含有
量としては100ppm以下であることが好ましい。ま
た、30ppm以下であることがさらに好ましい。
【0024】本発明は従来のリチウムイオン二次電池に
も適合でき、更に正極活物質をより大型化できる種々の
電池、例えば電動工具などに用いるモータ用の電池など
に広く適用でき、電池システムも種々に設定できる。
【0025】なお、以上の説明では本発明の適用例とし
て渦巻型円筒電池を取り上げたが、これに限定されるわ
けではない。このほか角型平板電池、コイン型電池、ま
たはペーパー電池その他の形状の電池に適用することが
できる。
【0026】また、本発明は上述の実施の形態に限らず
本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採
り得ることはもちろんである。
【0027】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではないことはもちろんである。
【0028】実施例1 まず、二酸化マンガンとして平均粒径が15μmである
材料と平均粒径2μmの炭酸リチウムをLi/Mn比が
0.53になるように計量し、乳鉢で混合した。この混
合物をアルミナボードに入れ400℃で12時間熱処理
し室温まで冷却した。この後、再び乳鉢で混合しこれを
アルミナボードに移し、800℃で12時間熱処理した
後に冷却することにより、リチウム含有マンガン複合酸
化物を得た。
【0029】この得られた化合物をX線回折で測定した
結果、スピネル型LiMn2 4 に一致するピークを有
する化合物であることが確認できた。更に、この化合物
の粒径分布を測定した結果、平均粒径は15μmであっ
た。
【0030】このリチウム含有マンガン複合酸化物を8
6重量%と、導電材としてグラファイトを10重量%
と、結着剤としてポリ弗化ビニリデン(PVdF)を4
重量%とを混合し、これに溶剤としてNメチル2ピロリ
ドンを加えて合剤Mix化して、Al箔20μm厚の正
極集電体上に両面均一に塗布し乾燥させた後、ローラプ
レス機を用いて加圧成型し正極電極を作製した。
【0031】負極活物質としては、ピッチ系炭素を不活
性雰囲気中3000℃で加熱処理して得られた炭素(い
わゆる黒鉛炭素)を粉砕し、平均粒径が25μmで1〜
100μmの粒径分布を有する材料を用いた。この炭素
材90重量%と、結着材としてPVdFを10重量%混
合し、ここに溶剤としてNメチル2ピロリドンを加えて
合剤Mix化し、銅箔15μm厚の負極集電体上に両面
均一に塗布し乾燥させた後、ローラープレス機を用いて
加圧成型し負極電極を作製した。
【0032】次に、正極電極、負極電極を所定の幅に切
断した後、それぞれの一端の非塗布部にAlとNiのリ
ード体を溶着させた。これらの正極電極、負極電極、お
よび微多孔性ポリエチレン製セパレータを正極電極/セ
パレータ/負極電極/セパレータの順序に重ね、多数回
巻回して渦巻状素子を作製した。
【0033】次に、図1に示すように、この渦巻状素子
の上下にポリプロピレン製絶縁板8および14を載置し
鉄製缶6に入れ、負極(Ni)リード13を缶底に溶接
し、つぎにポリプロピレン製絶縁ガスケット5を載置し
て正極リード7をアルミニウム製安全弁3に溶接した
後、電解液として、炭酸エチレン:炭酸ジメチル:炭酸
ビニレンを49:49:2の体積比とした混合溶媒に、
電解質としてLiPF6を1mol/l溶解させた溶液
を注液して、安全弁3、PTC素子(POSITIVE TEMPERA
TURE COEFFICIENCY 、レイケム社製)2、トップカバー
1を順番に載置した後、カシメて外径18mm高さ65
mmの円筒状電池を作製した。
【0034】実施例2 実施例1と同様の正極電極、負極電極を用い、実施例1
と同様に巻回して電池を作製した。電解液として、炭酸
エチレン:炭酸ジメチル:炭酸ビニレンを49.75:
49.75:0.5の体積混合液にLiPF6 を1mo
l/l溶解させたものを用いた。この電解液を注液し
て、実施例1と同様に円筒型電池を作製した。
【0035】実施例3 実施例1と同様の正極電極、負極電極を用い、実施例1
と同様に巻回して電池を作製した。電解液として、炭酸
エチレン:炭酸ジチメル:炭酸ビニレンを47.75:
47.75:4.5の体積混合液にLiPF6 を1mo
l/l溶解させたものを用いた。この電解液を注液し
て、実施例1と同様に円筒型電池を作製した。
【0036】実施例4 実施例1と同様の正極電極、負極電極を用い、実施例1
と同様に巻回して電池を作製した。電解液として、炭酸
エチレン:炭酸ジチメル:炭酸ビニレンを48.5:4
8.5:3の体積混合液にLiPF6 を1mol/l溶
解させたものを用いた。この電解液を注液して、実施例
1と同様に円筒型電池を作製した。
【0037】比較例1 実施例1と同様の正極電極、負極電極を用い、実施例1
と同様に巻回して電池を作製した。電解液として、炭酸
エチレンと炭酸ジチメルを1:1の体積比とする溶媒組
成にLiPF6 を1mol/l溶解させたものを用い
た。この電解液を注液して、実施例1と同様に円筒型電
池を作製した。
【0038】比較例2 実施例1と同様の正極電極、負極電極を用い、実施例1
と同様に巻回して電池を作製した。電解液として、炭酸
エチレン:炭酸ジメチル:炭酸ビニレンを49.95:
49.95:0.1の体積混合液にLiPF6 を1mo
l/l溶解させたものを用いた。この電解液を注液し
て、実施例1と同様に円筒型電池を作製した。
【0039】比較例3 実施例1と同様の正極電極、負極電極を用い、実施例1
と同様に巻回して電池を作製した。電解液として、炭酸
エチレン:炭酸ジメチル:炭酸ビニレンを46.5:4
6.5:7の体積混合液にLiPF6 を1mol/l溶
解させたものを用いた。この電解液を注液して、実施例
1と同様に円筒型電池を作製した。
【0040】以上の様に作製した電池を用いて以下の試
験を行った。まず、それぞれの電池を0.5Aおよび
4.2Vの設定充電条件で7時間充電を行い、次に0.
5Aの放電電流で3Vまで放電し、次に1Aおよび4.
2V設定で3時間充電し、0.5A条件で3Vまで放電
させるサイクルを5回行った。
【0041】次にそれぞれの電池を用いて、1Aおよび
4.2V設定3時間充電し、0.7A条件3Vまで放電
させるサイクルを100回行う充放電サイクル試験を行
った。
【0042】別にそれぞれの電池を用いて、1Aおよび
4.2V設定3時間充電し、電流を0.2〜5Aにそれ
ぞれ変えて2.5Vcutまで放電させるいわゆる放電
負荷性能試験を行った。
【0043】他のそれぞれの電池を用いて、1Aおよび
4.2V設定3時間充電し、60℃条件で2週間放置し
いわゆる高温保存試験を行い、室温冷却後、0.7Aで
3Vcutまで放電させ、次に1Aおよび4.2V設定
3時間充電し、次に0.7A条件で3Vcutまで放電
させた。
【0044】別に、0.7A条件2.5Vまで放電させ
た後、1Aおよび4.2V設定で3時間充電させた。こ
の4.2V充電状態で放電電流15Aで5秒間放電さ
せ、この時の放電電圧から電池のセルでの放電性能を比
較した。この試験に供した電池を50℃条件で4週間保
存したのち、室温条件下上記の0.7Aおよび2.5V
まで放電させ、1Aおよび4.2V設定で3時間充電
し、15Aで5秒間放電させ、この時の放電電圧を求め
た。ここから電池での放電性能を計測し、保存前後での
放電出力性能を試験した。各試験結果は、表1および図
2〜図5に示すとおりである。
【0045】
【表1】
【0046】図2は、100サイクル後の容量維持率
(%)に対するビニレンカーボネート/鎖状炭酸エステ
ル(%)の影響を示す図である。表1の「100サイク
ル後の容量維持率」の欄と、図2からわかるように、容
量維持率は、比較例1〜3においては86〜87%であ
るのに対して、実施例1〜4においては90〜92%と
高い値を示している。
【0047】図3は、放電容量(mAh)に対するビニ
レンカーボネート/鎖状炭酸エステル(%)の影響を示
す図である。表1の「0.2A条件の放電容量」の欄
と、図3の実線で示すグラフからわかるように、放電容
量は、実施例1〜4および比較例1〜3において、10
80〜1120mAhの範囲にあった。
【0048】また、表1の「5A条件の放電容量」の欄
と、図3の点線で示すグラフからわかるように、放電容
量は、比較例1〜3において450〜650mAhの範
囲にあるのに対して、実施例1〜4においては750〜
950mAhと非常に高い値を示している。ここで、5
A条件での放電容量は、700mAh以上あることが好
ましい。したがって、実施例1〜4、すなわち二重結合
を有する炭酸エステルが鎖状炭酸エステルに対して1.
0〜9.4体積%の範囲にあるとき、放電容量が700
mAh以上あるという条件を十分に満足していることが
わかる。
【0049】図4は、保存後の容量維持率(%)に対す
るビニレンカーボネート/鎖状炭酸エステル(%)の影
響を示す図である。表1の「60℃2週間保存後の容量
維持率」の欄と、図4のグラフからわかるように、容量
維持率は実施例1〜4および比較例1〜3において、8
5〜88%の範囲にあった。
【0050】図5は、放電出力(W)に対するビニレン
カーボネート/鎖状炭酸エステル(%)の影響を示す図
である。表1の「放電出力性能」の欄と、図5のグラフ
からわかるように、放電出力は、比較例1〜3において
47〜56Wの範囲にあるのに対して、実施例1〜4に
おいては60〜65Wと非常に高い値を示している。こ
こで、放電出力性能は、58W以上あることが好まし
い。したがって、実施例1〜4においては、この条件を
十分に満足していることがわかる。
【0051】このように、従来のLiMnxMOyを正
極活物質に用いる非水電解液二次電池の充放電サイクル
の寿命性能向上、大電流放電での負荷性能向上、保存性
能の向上が実現できる。また、本発明により電池の充放
電容量を減じることなしに性能を向上でき、アルカリ水
溶液系二次電池に匹敵する電池性能を可能ならしめるこ
とができる。また、本発明の技術を用いることによりL
iイオン二次電池の性能と殆ど同等以上の電池が可能と
なり、複雑な製造工程を経ることなく電池製造が可能で
ある。
【0052】以上の結果に示されるごとく当該電極に本
発明の電解液を用いることにより、従来成し得なかっ
た、サイクル寿命性能の向上ができ、さらに電池として
の大電流放電での改良を行うことができる。特にLiイ
オン二次電池では有機溶媒を電解液に用いていること
で、大電流放電には、適さないと言われて重負荷領域は
アルカリ水溶液系二次電池しか実用化されていなかった
ものが、ほぼ同等の放電性能を可能ならしめることで、
非水電解液二次電池の使用領域の拡大が可能となった。
【0053】更に保存状態においての急激な劣化を無く
すことができ、極めて工業的価値の高い電池を提供でき
る。且つ、正極活物質にMn材を用い、負極活物質に炭
素材を用いた電池は原材料の資源に左右されることなく
電池製造が可能となり、稀少金属産出地域の事情に依存
せずに済み、工業的価値は極めて大きい。
【0054】
【発明の効果】本発明は、以下に記載されるような効果
を奏する。リチウム含有マンガン複合酸化物からなる正
極活物質、並びに、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステ
ル、および二重結合を有する炭酸エステルを含む混合物
に電解質を溶解してなる非水電解液を有する非水電解液
二次電池とすることにより、電池性能の向上を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非水電解液二次電池に係る発明の実施の形態を
示す図である。
【図2】100サイクル後の容量維持率(%)に対する
ビニレンカーボネート/鎖状炭酸エステル(%)の影響
を示す図である。
【図3】放電容量(mAh)に対するビニレンカーボネ
ート/鎖状炭酸エステル(%)の影響を示す図である。
【図4】保存後の容量維持率(%)に対するビニレンカ
ーボネート/鎖状炭酸エステル(%)の影響を示す図で
ある。
【図5】放電出力(W)に対するビニレンカーボネート
/鎖状炭酸エステル(%)の影響を示す図である。
【符号の説明】
1‥‥トップカバー、2‥‥PTC素子、3‥‥安全
弁、4‥‥絶縁遮断板、5‥‥ガスケット、6‥‥缶、
7‥‥正極リード、8‥‥絶縁板、9‥‥負極電極、1
0‥‥セパレータ、11‥‥正極電極、12‥‥セパレ
ータ、13‥‥負極リード、14‥‥絶縁板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H003 AA01 AA03 AA04 BB05 BB12 BD03 5H029 AJ02 AJ04 AJ05 AK03 AL06 AL07 AL12 AM01 AM02 AM03 AM07 BJ02 BJ03 BJ04 HJ07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム含有マンガン複合酸化物からな
    る正極活物質と、リチウムをドープ・脱ドープ可能な材
    料からなる負極活物質と、環状炭酸エステル、鎖状炭酸
    エステル、および二重結合を有する炭酸エステルを含む
    混合物に電解質を溶解してなる非水電解液とを有するこ
    とを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 二重結合を有する炭酸エステルは、鎖状
    炭酸エステルに対して1.0〜9.4体積%の範囲にあ
    ることを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電
    池。
  3. 【請求項3】 二重結合を有する炭酸エステルは、ビニ
    レンカーボネートであることを特徴とする請求項1また
    は2記載の非水電解液二次電池。
JP30132499A 1999-10-22 1999-10-22 非水電解液二次電池 Pending JP2001126763A (ja)

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