JP2001126468A - 半選択メモリ・セルの意図しない切換を抑制するために磁界バイアスを使用するmram装置 - Google Patents

半選択メモリ・セルの意図しない切換を抑制するために磁界バイアスを使用するmram装置

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JP2001126468A
JP2001126468A JP2000228117A JP2000228117A JP2001126468A JP 2001126468 A JP2001126468 A JP 2001126468A JP 2000228117 A JP2000228117 A JP 2000228117A JP 2000228117 A JP2000228117 A JP 2000228117A JP 2001126468 A JP2001126468 A JP 2001126468A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 磁気ランダム・アクセス・メモリ(MRA
M)において、メモリ・セルの半選択状態での意図しな
い記憶情報の変更を抑制する。 【解決手段】 第1の磁界Hy2をメモリ・セルに加え
ている間に、選択されたメモリ・セル12に、ワード線
14による第2の磁界Hy1と、ビット線16による第
3の磁界Hxを加え、第2と第3の磁界が合成されたと
きに前記選択されたメモリ・セルの情報が切り換えられ
る。このとき、第1の磁界は、第2の磁界の極性と逆の
極性を有し、第3の磁界と実質的に直角である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は、データ記憶用のランダム・ア
クセス・メモリに関する。より具体的には、本発明は、
メモリ・セルのアレイを含む磁気ランダム・アクセス・
メモリ装置およびメモリ・セルの書込み回路に関する。
【0002】磁気ランダム・アクセス・メモリ「MRA
M」は、長期データ記憶機構と見なされる一種の不揮発
性メモリである。MRAM装置からのデータのアクセス
は、ハードドライブなどの従来の長期記憶装置からのデ
ータのアクセスよりも数桁早くなる。さらに、MRAM
装置は、ハードドライブやその他の従来の長期記憶装置
よりもコンパクトで消費電力が少ない。
【0003】典型的なMRAM装置は、メモリ・セルの
アレイを含む。ワード線がメモリ・セルの行に沿って延
び、ビット線がメモリ・セルの列に沿って延びる。各メ
モリ・セルは、ワード線とビット線の交点に配置され
る。メモリ・セルは、情報のビットを磁化の向きとして
記憶する。任意の所与の時間において、各メモリ・セル
の磁化の向きは、2つの安定した向きの一方をとる。そ
のような安定した2つの向き、平行と逆平行が、「0」
と「1」の論理値を表す。 選択されたメモリ・セルの
磁化の向きは、選択されたメモリ・セルと交差するワー
ド線とビット線に電流を供給することによって変化させ
ることができる。電流は、合成されたときに、選択した
メモリ・セルの磁化方向を平行から逆平行またはその逆
に切り換える直交する2つの磁界を作り出す。
【0004】メモリ・セルが選択されると、選択された
メモリ・セルと交差するワード線に沿ったすべてのメモ
リ・セルは、2つの磁界のうちの一方を認識し、選択さ
れたメモリ・セルと交差するビット線に沿ったすべての
メモリ・セルは、2つの磁界のうちの他方を認識する。
このような2つの磁界のうちの1つを認識するメモリ・
セルは、以後、「半選択(half-selected)」メモリ・セ
ルと呼ぶ。選択されたメモリ・セルを切り換えるとき、
すべての半選択メモリ・セルの磁化分極に影響を与えて
はならない。さもないと、選択されたメモリ・セルにビ
ットを書き込むときに、半選択メモリ・セルに記憶され
た情報が偶然に消去されることになる。しかしながら、
実際には、半選択メモリ・セルの切換が行われることが
ある。したがって、MRAM装置にデータを記憶する信
頼性が問題となることがある。
【0005】この半選択メモリ・セルの意図しない切換
による問題は、メモリ・セルのサイズが小さくなるほど
大きくなることある。したがって、MRAM装置の信頼
性は、メモリ・セルのサイズが小さくなるほど下がるこ
とがある。しかし、産業界の目標は常に、セル・サイズ
を小さくして記憶密度を高めることである。メモリ密度
を高めるとMRAMのコストとサイズが小さくなる。半
選択メモリ・セルの意図しない切換を抑制ればセル・サ
イズをさらに小さくすることができる。
【0006】したがって、MRAM装置の半選択メモリ
・セルの意図しない切換を抑制する必要がある。
【0007】
【発明の概要】本発明によるMRAM装置において、半
選択メモリ・セルの意図しない切換が抑制される。本発
明の1つの態様によれば、MRAM装置の選択されたメ
モリ・セルは、第1、第2および第3の磁界を加えるこ
とにより書き込まれる。第2および第3の磁界は、選択
されたメモリ・セルに加えられる。第2と第3の磁界
は、合成されたとき、選択されたメモリ・セルを切り換
える。第1の磁界は、半選択メモリ・セルに加えられ、
また選択されたメモリにも加えられる場合がある。第1
の磁界は、第2の磁界と反対の極性であり、複数の半選
択メモリ・セルの意図しない切換を抑制する強さを有す
る。
【0008】本発明のその他の態様および利点は、本発
明の原理を例として示す添付図面と共に行われる以下の
詳細な説明から明らかになるであろう。
【0009】
【好適な実施例の詳細な説明】説明のために図面に示し
たように、本発明は、磁気ランダム・アクセス・メモリ
装置において実施される。選択されたメモリ・セルに書
き込んでいる間に、半選択メモリ・セルに磁界バイアス
が加えられる。この磁界バイアスは、半選択メモリ・セ
ルの意図しない切換を抑制し、それによりMRAM装置
のデータ記憶の信頼性を高める。
【0010】次に、メモリ・セル12のアレイ10を含
むMRAM装置8を示す図1を参照する。メモリ・セル
12は、行と列に配列され、行はx方向に延び、列はy
方向に延びる。本発明の説明を簡略化するために、比較
的少数のメモリ・セル12だけを示す。実際には、10
24x1024またはそれよりも大きいメモリ・セルの
アレイを使用することができる。
【0011】ワード線14としてはたらくトレースは、
メモリ・セル・アレイ10の一方の側の平面上にx方向
に延びる。ビット線16としてはたらくトレースは、メ
モリ・セル・アレイ10の反対の側の平面上にy方向に
延びる。メモリ・セル・アレイ10の各行ごとに1つの
ワード線14があり、メモリ・セル・アレイ10の各列
ごとに1つのビット線16があることがある。各メモリ
・セル12は、対応するワード線14とビット線16の
交点に配置される。
【0012】MRAM装置8は、さらに、書込み動作中
にワード線14とビット線16に電流IxとIyを供給
する書込み回路18を含む。書込み回路18は、ワード
線電流源20と、各ワード線14ごとに第1と第2の行
選択トランジスタ22と24を含む。第1の行選択トラ
ンジスタ22はそれぞれ、対応するワード線14とワー
ド線電流源20の間に結合される。第2の行選択トラン
ジスタ24はそれぞれ、対応するワード線14と基準電
位26(たとえば、アース)の間に結合される。
【0013】書込み回路18は、さらに、ビット線電流
源28と、各ビット線ごとに第1と第2の列選択トラン
ジスタ30と32を含む。第1の列選択トランジスタ3
0はそれぞれ、対応するビット線16とビット線電流源
28の間に結合される。それぞれの第2の列選択トラン
ジスタ32は、対応するビット線16と基準電位26の
間に結合される。
【0014】データは、mビット・ワードで書き込むこ
とができる。データをmビット・ワードで書き込む場
合、復号化回路34が、アドレスAxを復号化し、適切
な行および列選択トランジスタ22、24、30および
32をターンオンする(復号化回路34から選択トラン
ジスタ22、24、30および32のゲートまで延びる
トレースは示していない)。
【0015】MRAM装置8は、また、それぞれの選択
されたメモリ・セル12の抵抗を検出する読取り回路を
含む。読取り回路は、本発明の説明を簡略化するために
示していない。さらに、書込み回路18は、本発明の説
明を簡略化するために簡略化されている。すべてのワー
ド線14に1つのワード線電流源20だけを示すが、書
込み回路18は、複数のワード線電流源20を含んでも
よい。すべてのビット線16に1つのビット線電流源2
8だけを示すが、書込み回路18は、複数のビット線電
流源28を含んでもよい。さらに、行と列にスイッチと
電流源を接続する多くの様々な方法がある。
【0016】メモリ・セル12は、特定のタイプの装置
に制限されない。たとえば、メモリ・セル12は、スピ
ン依存トンネル効果(「SDT」)装置でもよい。典型
的なSDT装置は、「ピン留め(pinned)」層と「自由」
層を含む。ピン留め層は、平面内に向けられているが、
対象となる範囲に磁界が加えられた状況で回転しないよ
うに固定された磁化を有する。自由層は、ピン留めされ
ていない磁化方向を有する。より正確に言うと、磁化
は、平面内にある軸(「磁化容易」軸)に沿った2つの
方向のどちらに向けることもできる。自由層36とピン
留め層38の磁化が、同じ方向である場合は、向きは
「平行」であると言われる(図2(a)に矢印で示した
ような)。自由層36とピン留め層38の磁化が、反対
方向の場合は、向きは「逆平行」であると言われる(図
2(b)の矢印で示したような)。
【0017】自由層36とピン留め層38は、絶縁トン
ネル障壁によって分離される。絶縁トンネル障壁は、自
由層とピン留め層の間に量子力学的トンネル効果を生じ
させる。このトンネル効果現象は、電子スピンに依存
し、SDT装置の抵抗を、自由層36とピン留め層38
の相対的磁化方向の関数にする。
【0018】たとえば、自由層36とピン留め層38の
磁化方向が平行の場合(図2(a)を参照)、メモリ・
セル12の抵抗は、第1の値Rである。磁化方向が、平
行から逆平行に変化した場合(図2(b)を参照)、メ
モリ・セル12の抵抗は、第2の値R+ΔRに増大す
る。
【0019】磁化を自由層36の磁化容易軸の方向に向
けることによってデータがメモリ・セル12に記憶され
る。論理値「0」は、自由層36の磁化の向きを磁化方
向が平行になるようにすることによってメモリ・セル1
2に記憶することができ、論理値「1 」は、自由層3
6の磁化の向きを磁化方向が逆平行になるようにするこ
とによってメモリ・セル12に記憶することができる。
【0020】選択されたメモリ・セル12に記憶された
論理値は、選択されたメモリ・セル12の抵抗を検出す
ることによって読み取ることができる。たとえば、選択
されたメモリ・セル12と交差するワード線14とビッ
ト線16の両側に電圧を印加し、それにより電流を発生
させる。この電流を測定して、メモリ・セルが、ある論
理値に対応する抵抗値Rを有するか他の論理値に対応す
る値R+ΔRを有するかを判定することができる。
【0021】各メモリ・セル12は、外部電力がない状
態でも磁化の向きを保持する。したがって、メモリ・セ
ル12は不揮発性である。
【0022】次にさらに、書込み操作中の選択されたメ
モリ・セル12を示す図3を参照する。選択されたメモ
リ・セル12の自由層36の磁化は、そのメモリ・セル
12と交差するワード線14とビット線16の両方に電
流IxおよびIyを加えることによって適応される。ワ
ード線14に電流Ixを加えると、ワード線14のまわ
りに磁界Hy1が形成される。ビット線16に電流Iy
を加えると、ビット線16のまわりに磁界Hxが形成さ
れる。これらの線14と16の両方に十分に大きい電流
が流されるとき、自由層36の近くの合成磁界Hx+H
1が、自由層36の磁化を平行の向きから逆平行の向
きにあるいはその逆に回転する。
【0023】選択されたメモリ・セル12と交差するワ
ード線14に電流Ixが供給されるとき、そのワード線
14に沿ったその付加的なメモリ・セル12が磁界Hy
1にさらされ、選択されたメモリ・セル12と交差する
ビット線16に電流Iyが供給されるとき、そのビット
線16に沿ったさらに付加的なメモリ・セル12が磁界
Hxにさらされる。理想的には、このような半選択メモ
リ・セルは、1つの磁界だけがある状況では切り換られ
てはならない。しかしながら、 メモリ・セル12の端
の「反磁場」によって、半選択メモリ・セルが切り換わ
る確率が高くなることがある。
【0024】次に、さらに、正方形のメモリ・セル12
の自由層36の磁化を示す図4を参照する。高記憶密度
メモリ装置用に提案されたMRAM装置などのきわめて
小さいMRAM装置では、反磁場により、自由層36の
端領域における磁化4は強制的に縁に沿った向きになる
(たとえば、y方向)。この端部の磁化4は、自由層3
6の磁化5の残りの部分にトルクをかける(強磁性交換
相互作用により)。このトルクは、磁化5をy方向に回
転させようとする。事実上、端部の磁化4は、半選択メ
モリ・セル12を切り換えるはたらきをする。
【0025】トルクは、自由層36が厚くなるほど大き
くなる。比較的薄い層(たとえば、約2ナノメートルの
厚さを有する自由層)では、端部磁化4による反磁場は
小さく、切換は磁界HxとHy1の両方に強く依存す
る。しかしながら、自由層が厚い場合(たとえば、約2
ナノメートルの厚さを有する自由層)は、端部磁化4に
よる磁界が強く、1つの切換磁界Hy1の依存は弱い。
この端部磁化4による強い磁界は、半選択メモリ・セル
12の意図しない切換を引き起こすことがある。
【0026】複数のMRAM装置の自由層を同時に形成
するために連続した薄膜を付着させ、連続した薄膜の厚
さに通常の製造ばらつきが生じるため、トルクは、装置
によって大きくなったり小さくなったりする。したがっ
て、半選択メモリ・セルの意図しない切換の問題は、装
置によって発生したりしなかったりする。
【0027】半選択メモリ・セルの意図しない切換を抑
制するために、メモリ・セル12のすべてに磁界バイア
ス−Hy2を加える。磁界バイアス−Hy2の方向は、切
換磁界Hy1の方向と反対である。磁界バイアス−Hy2
の強さは、切換磁界Hy1の強さよりも弱くてよい。た
とえば、磁界バイアスHy2の強さは、切換磁界Hy1
強さの約0.25倍である。しかしながら、磁界Hy1
とHy2の実際の強さは装置に依存する。
【0028】次に図5を参照すると、切換磁界Hxだけ
(すなわち、端部磁化によって生じるトルクがない状態
での切換磁界Hx)から生じる切換点42は、切換曲線
40の左側に低下する。したがって、切換磁界Hxだけ
ではメモリ・セル12は切り換わらない。しかしなが
ら、通常の製造ばらつきにより、実際の装置に加わる磁
界は、実効磁界Heffが切換点を44に移動させるよ
うなものであることがある。切換点44が切換曲線40
上にあるため、そのような実効磁界Heffは、半選択
メモリ・セル12を意図せずに切り換えることになる。
磁界バイアス−Hy2を加えると、切換曲線40の右側
にある切換点46が押される。したがって、磁界バイア
ス−Hy2を加えると、半選択メモリ・セル12の意図
しない切換が抑制される。
【0029】次に、磁界バイアス−Hy2を加える様々
な方法を考察する。図3に1つの方法を示す。メモリ・
セル12は、磁界バイアス−Hy2を提供する部分13
を含む。磁界バイアス−Hy2を提供する部分13は、
層36または38のいずれかとワード線14の間の独立
した磁気薄膜でよい。実効磁界Heffが負のy方向で
ある場合、独立した薄膜の磁化は、正のy方向に固定さ
れる。独立した磁気薄膜は、様々な磁性材料から作成す
ることができる。たとえば、独立した磁気薄膜は、コバ
ルトとクロムの合金からなり、この合金は、自由層36
の厚さと同等の厚さを有する。MRAM装置8の作成に
おいて、磁気薄膜を付着させワード線14をターン形成
することができる。あるいは、薄膜は、メモリ・セル1
2の一部分でもよい。そのような薄膜は、メモリ・セル
12と一緒に作成することができる。
【0030】図6は、磁界バイアス−Hy2を加えるこ
とができる別の方法を示す。固定層38の磁化48は、
自由層36の磁化50に対して角度Aだけ回転されるこ
とがある。その結果、y方向の磁化成分とバイアス磁界
−Hy2が装置に加えられる。この自由層36に対する
固定層38の回転は、固定層38を角度Aの磁界中でア
ニールすることによって達成することができる。
【0031】次に、別のMRAM装置108と、磁界バ
イアス−Hy2を加えるさらに別の方法を示す図7を参
照する。MRAM装置108は、メモリ・セル12のア
レイ10を含む。ワード線14は、メモリ・セル・アレ
イ10の一方の側の平面上にx方向に延びる。ビット線
16は、メモリ・セル・アレイ10の反対の側の平面上
にy方向に延びる。各メモリ・セル12は、対応するワ
ード線14とビット線16の交点に配置される。
【0032】MRAM装置108は、さらに、書込み動
作中にワード線14とビット線16に電流Ix1、−I
2およびIyを供給する書込み回路110を含む。書
込み回路110は、電流Iyを供給するビット線電流源
28と、各ビット線16ごとの第1と第2の列選択トラ
ンジスタ30と32を含む。
【0033】書込み回路110は、さらに、電流Ix1
を供給する第1のワード線電流源20と、電流−Ix2
を供給する第2のワード線電流源112と、ワード線1
4とアース26の間に結合された行選択トランジスタ2
4と、ワード線14と電流源20および112との間に
結合された行選択復号器114を含む。
【0034】復号回路116は、アドレスAxを復号
し、適切な列選択トランジスタ30および32をターン
オンして選択されたメモリ・セル12と交差するビット
線に電流Iyを供給する。ビット線電流源28からの電
流Iyにより、選択されたメモリ・セル12と交差する
ビット線16のまわりに磁界Hxが生成される。
【0035】行選択復号器114は、アドレスAxを復
号し、選択されたメモリ・セル12と交差するワード線
14に第1のワード線電流源20を接続する。第1のワ
ード線電流源20からの電流Ix1により、選択された
メモリ・セル12と交差するワード線14のまわりに磁
界Hy1が生成される。
【0036】行選択復号器114は、また、通電された
ビットに沿った半選択メモリ・セル12と交差するワー
ド線14に第2のワード線電流源112を接続する。第
2のワード線電流源112からの電流−Ix2により、
半選択メモリ・セル12と交差するワード線14のまわ
りに磁界バイアス−Hy2が生成される。したがって、
磁界バイアスHy2は、通電されたビット線16に沿っ
た半選択メモリ・セル12が偶然に切り換えられるのを
防ぐ。
【0037】次に、半選択および完全選択メモリ・セル
12に電流Ix1、Ix2およびIyを加える一般的な方
法を示す図8を参照する。第2のワード線電流源112
からの電流−Ix2が、半選択メモリ・セル12と交差
するワード線14に供給され(ブロック202)、切換
電流Ix1およびIyが、完全選択メモリ・セル12と
交差するワード線14とビット線16に供給される(ブ
ロック204)。
【0038】次に、マルチレベルMRAMチップ300
を示す図9を参照する。MRAMチップ300は、基板
304上のz方向に積み重ねられたNのメモリ・セル・
レベル302を含む。数Nは、1以上の正の整数であ
る。メモリ・セル・レベル302は、二酸化ケイ素など
の絶縁材料(図示せず)によって分離することができ
る。基板304上に読取り回路と書込み回路を作成する
ことができる。読取り回路と書込み回路は、読み書きす
るレベルを選択する追加のマルチプレクサを含むことが
ある。
【0039】したがって、磁界バイアスが半選択メモリ
・セルの意図しない切換を抑制する発明が開示される。
したがって、MRAM装置にデータを記憶する信頼性が
向上する。
【0040】本発明によるMRAM装置は、通常半選択
メモリ・セルの意図しない切換の問題を有することにな
るNiFeなどの異方性の低い薄膜を使用することがで
きる。異方性の低い薄膜は、通常、弱い磁界がある状態
で切り換わる。したがって、本発明によるMRAM装置
は、弱い磁界がある状態で切り換わる薄膜を使用できる
ため、より小さい電力で動作することができる。
【0041】本発明によるMRAM装置は、より大きい
端効果を有する小さい面積のメモリ・セルを使用するこ
とができる。たとえば、正方形のメモリ・セルは、端領
域の影響が軽減されるため、最小のリソグラフィ・フィ
ーチャ・サイズで作成することができる。したがって、
高密度メモリを実現することができる。
【0042】本発明によるMRAM装置は、強い減磁を
有する厚い薄膜で作成することができる。したがって、
装置を高い歩留まりで作成することができる。
【0043】本発明によるMRAM装置は、様々な用途
に使用することができる。図10は、1つまたは複数の
MRAMチップ300の一般的な応用例を示す。この応
用例は、MRAM記憶モジュール402、インタフェー
ス・モジュール404、およびプロセッサ406を含む
装置400によって実施される。MRAM記憶モジュー
ル402は、長期記憶のための1つまたは複数のMRA
Mチップ300を含む。インタフェース・モジュール4
04は、プロセッサ406とMRAM記憶モジュール4
02の間のインタフェースを提供する。装置400は、
また、短期記憶のための高速揮発性メモリ(たとえば、
SRAM)を含むことがある。
【0044】ノートブック・コンピュータやパーソナル
・コンピュータなどの装置400の場合、MRAM記憶
モジュール402は、いくつかのMRAMチップ300
を含むことがあり、インタフェース・モジュール404
は、EIDEまたはSCSIインタフェースを含むこと
がある。サーバなどの装置400の場合、MRAM記憶
モジュール402は、さらに多くのMRAMチップ30
0を含むことがあり、インタフェース・モジュール40
4は、ファイバ・チャネルまたはSCSIインタフェー
スを含むことがある。そのようなMRAM記憶モジュー
ル402は、ハードドライブなどの従来の長期記憶装置
と交換するかまたはそれに追加することができる。
【0045】ディジタル・カメラなどの装置400の場
合、MRAM記憶モジュール402は、それよりも少な
いMRAMチップ300を含むことがあり、インタフェ
ース・モジュール404は、カメラ・インタフェースを
含むことがある。そのようなMRAM記憶モジュール4
02により、ディジタル・カメラのディジタル画像の長
期記憶が可能になる。
【0046】本発明によるMRAM装置は、ハードドラ
イブのような従来の長期データ記憶装置よりも優れた多
くの利点を提供する。MRAM装置からのデータのアク
セスは、ハードドライブのような従来の長期記憶装置か
らのデータのアクセスよりも数桁高速である。さらに、
MRAM装置は、ハードドライブよりもコンパクトであ
る。
【0047】本発明は、以上説明し示した特定の実施形
態に制限されない。たとえば、本発明は、スピン依存ト
ンネル効果装置の使用に制限されない。使用できる他の
タイプの装置には、巨大磁気抵抗(「GMR」)装置が
あるが、それに制限されない。
【0048】本発明は、磁化容易軸の方向に向いた行に
関して説明した。しかしながら、行と列を交換すること
ができ、その場合、列が磁化容易軸の方向に向けられ、
磁界バイアスが、ワード線のまわりに作成されることに
なる。
【0049】したがって、本発明は、以上説明し示した
特定の実施形態に制限されない。その代わりに、本発明
は、併記の特許請求の範囲により解釈される。
【図面の簡単な説明】
【図1】メモリ・セルのアレイを含むMRAM装置を示
す図である。
【図2a】メモリ・セルの平行の磁化を示す図である。
【図2b】メモリ・セルの逆平行の磁化を示す図であ
る。
【図3】書込み操作中の選択されたMRAMメモリ・セ
ルを示す図である。
【図4】MRAMメモリ・セルの自由層の磁化を示す図
である。
【図5】MRAMメモリ・セルの切換曲線を示す図であ
る。
【図6】代替のMRAMメモリ・セルのピン留め層と自
由層の磁化を示す図であり、磁化は、磁界バイアスを提
供する向きである。
【図7】代替のMRAM装置を示す図である。
【図8】図7のMRAM装置において選択されたメモリ
・セルを切り換え半選択メモリ・セルの意図しない切換
を抑制する方法を示すフローチャートである。
【図9】複数の層を含むMRAM装置を示す図である。
【図10】1つまたは複数のMRAMチップを含む装置
を示す図である。
【符号の説明】
10 メモリ・セル・アレイ 12 メモリ・セル 14 ワード線 16 ビット線 18 回路 20 ワード線電流源 22,24 行選択トランジスタ 30,32 列選択トランジスタ 26 基準電位 28 ビット線電流源 34 復号化回路 36 自由層 38 ピン留め層

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】MRAM装置の選択されたメモリ・セルに
    書き込む方法であって、前記選択されたメモリ・セル
    が、第1と第2のトレースによって交差され、前記第1
    と第2のトレースが実質的に直交し、複数の付加的なメ
    モリ・セルがまた第1と第2のトレースによって交差さ
    れ、 前記メモリ・セルの外部にあるソースを使用して、前記
    付加的なメモリ・セルの少なくともいくつかに第1の磁
    界を加えるステップと、 前記第1の磁界が前記付加的なメモリ・セルのうちの少
    なくともいくつかに加えられている間に、前記選択され
    たメモリ・セルに第2と第3の磁界を加えるステップで
    あって、前記第3の磁界が、前記第1と第2の磁界と実
    質的に直角であり、前記第2の磁界が、前記第1の磁界
    の極性と逆の極性を有し、前記第2と第3の磁界が、合
    成されたときに、前記選択されたメモリ・セルの自由層
    を切り換えるようになっていて、 それにより、前記第1の磁界が、前記複数の付加的なメ
    モリ・セルの自由層における意図しない切換を抑制する
    方法。
  2. 【請求項2】各メモリ・セルに永久磁気バイアスを加え
    るステップによって前記第1の磁界が加えられる、請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】各メモリ・セルに独立した磁気薄膜を追加
    することによって前記永久磁気バイアスが加えられ、前
    記磁気薄膜が、前記第1の磁界を供給するステップを有
    する請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記メモリ・セルが、自由層とピン留め層
    を含み、前記自由層の磁化に対して前記ピン留め層の磁
    化の角度を回転させることによって、前記永久磁気バイ
    アスが加えられる請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記第2のトレースに沿ったそれぞれ付加
    的なメモリ・セルが、付加的な第1のトレースによって
    交差され、前記付加的な第1のトレースのそれぞれに電
    流が供給され、前記第1の磁界が前記付加的なメモリ・
    セルに加えられ、前記付加的なメモリ・セルが前記第2
    のトレースに沿った請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記第1の磁界が、前記第2の磁界の約4
    分の1の強さを有する請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】接合メモリ・セルのアレイと、 前記メモリ・セルと交差する第1のトレースの行と、 前記メモリ・セルと交差し、前記第1のトレースと実質
    的に直角な第2のトレースの列と、 選択されたメモリ・セルと交差する前記第1と第2のト
    レースに、前記選択されたメモリ・セルを切り換える第
    1と第2の磁界を作成する第1と第2の書込み電流を供
    給する手段と、 メモリ・セルの外部にあり、少なくともいくつかの半選
    択メモリ・セルに第3の磁界を加えて、前記半選択メモ
    リ・セルの自由層における意図しない切換を抑制し、前
    記第1と第2の電流が前記第1と第2のトレースに供給
    されている間に第3の磁界を加える手段と、 を含むMRAM装置。
  8. 【請求項8】前記第3の磁界を加える手段が、各メモリ
    ・セルに永久磁気バイアスを加える手段を含む請求項7
    に記載の装置。
  9. 【請求項9】前記第3の磁界を加える手段が、半選択メ
    モリ・セルと交差する付加的な第1のトレースに第3の
    電流を供給する手段を含む請求項7に記載の装置。
  10. 【請求項10】メモリ・セルのアレイと、 x方向に延び、前記メモリ・セルの行とそれぞれ交差す
    る複数のワード線と、 前記x方向と実質的に直交するy方向に延び、前記メモ
    リ・セルの行とそれぞれ交差する複数のビット線を含
    み、 各メモリ・セルが、前記x方向と前記y方向の少なくと
    も一方のまわりに、前記半選択メモリ・セルの自由層に
    おける意図しない切換を防ぐ永久磁気バイアスを提供す
    るMRAM装置。
  11. 【請求項11】各メモリ・セルが、前記永久磁界バイア
    スを提供するための独立した磁気薄膜を含む請求項10
    に記載の装置。
  12. 【請求項12】各メモリ・セルの前記独立した磁気薄膜
    が、交差するワード線上に付着される請求項11に記載
    の装置。
  13. 【請求項13】各メモリ・セルが、ピン留め層と自由層
    を含み、前記ピン留め層の磁化が、前記自由層の磁化に
    対して角度が回転され、前記永久磁界バイアスが加えら
    れる請求項10に記載の装置。
  14. 【請求項14】基板および前記基板上の書込み回路をさ
    らに含み、前記書込み回路が、前記第1と第2のトレー
    スに結合され、前記アレイと、前記複数の第1のトレー
    スと、前記複数の第2のトレースとが、前記基板上に積
    み重ねられた第1のレベルに含まれる請求項10に記載
    の装置。
  15. 【請求項15】前記基板上に積み重ねられた少なくとも
    1つの付加的なレベルをさらに含み、前記付加的なレベ
    ルがそれぞれ、メモリ・セルのアレイを含み、複数のワ
    ード線がx方向に延び、複数のビット線がy方向に延
    び、前記付加的なレベルのそれぞれにおける各メモリ・
    セルが、x方向とy方向の少なくとも一方のまわりに永
    久磁界バイアスを提供し、前記書込み回路が、また、前
    記付加的なレベルのそれぞれの前記第1と第2のトレー
    スに結合された請求項14に記載の装置。
  16. 【請求項16】メモリ・セルのアレイと、 第1の方向に延び、対応するメモリ・セルとそれぞれ交
    差する第1のトレースと、 前記第1の方向と実質的に直交する第2の方向に延び、
    対応するメモリ・セルと交差する複数の第2のトレース
    と、 前記第1と第2のトレースに結合され、選択されたメモ
    リ・セルと交差するトレースに前記第1と第2の書込み
    電流を提供する書込み回路と、 半選択メモリ・セルと交差する第1のトレースに第3の
    電流を供給する書込み回路とを含み、前記第1と第3の
    電流が反対の極性を有し、前記第1の電流が、前記第3
    の電流よりも大きく、前記第3の電流が、前記第1と第
    2の電流と同時に加えられるMRAM装置。
  17. 【請求項17】前記書込み回路を支持する基板をさらに
    含み、前記アレイと、前記複数の第1のトレースと、前
    記複数の第2のトレースが、前記基板上に積み重ねられ
    た第1のレベルに含まれる請求項16に記載の装置。
  18. 【請求項18】前記基板上に積み重ねられた少なくとも
    1つの付加的なレベルをさらに含み、前記付加的なレベ
    ルがそれぞれ、メモリ・セルのアレイを含み、複数のワ
    ード線がx方向に延び、複数のビット線がy方向に延
    び、前記付加的なレベルのそれぞれにある各メモリ・セ
    ルが、前記x方向とy方向の少なくとも一方のまわりに
    永久磁界バイアスを提供し、前記書込み回路が、付加的
    な各レベルの前記第1と第2のトレースにも結合された
    請求項17に記載の装置。
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