JP2001126345A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気記録再生装置において、安定でかつ高速の
テープ巻取り機構を実現すること。 【解決手段】磁気テープ１２を高速移送から停止させる
メカ動作モード切替時に、供給リール台５７及び巻取り
リール台５４へ摩擦制動を与えるとともに、キャプスタ
ンモータ４０へも摩擦制動を与える。これにより減速時
間を短縮させ、高速のテープ移送を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープを移送
し記録再生する磁気記録再生装置に係り、移送動作モー
ド切替を好適に行なうための機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近の磁気記録再生装置（ＶＴＲ）に
は、磁気テープ巻取り時間の短縮化が強く要求され、高
速巻取り機構が採用されている。磁気テープを停止状態
から高速で移送する場合、メカ動作モードは停止モード
から高速移送モードに切り替わり、テープ駆動源である
キャプスタンモータが高速で回転し、その回転が伝達部
材を介して巻取りリールに伝達され、供給リールから繰
り出される磁気テープを巻き取っている。次に、磁気テ
ープを高速移送から停止させる場合は、まずキャプスタ
ンモータに対し減速制御が行なわれる。そして、磁気テ
ープ及び巻取りリール／供給リールが徐々に減速し、十
分に減速したところでメカ動作モードが高速移送モード
から停止モードに切り替わり、巻取りリール台と供給リ
ール台に摩擦制動が強制的に与えられて停止に至る。こ
のような制御法は例えば特開平８−００７４０号公報に
記載される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の磁気記録再生装
置においては、磁気テープを高速移送から停止モードに
切替える際に要する減速時間のため、テープ巻取り高速
化には限度があった。すなわち、高速状態から急激な減
速を得ようとして、キャプスタンモータに減速制御を与
えながら、リール台に摩擦制動を与えたとしても、高速
で回転していたキャプスタンモータの慣性力及び同じく
高速で回転していた巻取りリール部と供給リール部の磁
気テープを含めた慣性力があるため、テープの走行は急
激には減速できない。その結果、長い減速時間を必要と
し、テープ巻取りの高速化は実現できなかった。

【０００４】一方、キャプスタンモータに過度の減速制
御を与えると、磁気テープが突っ張り気味になり、ガイ
ド部材のフランジ部等でテープにダメージを与えること
になる。また、キャプスタンモータへの電気的な負荷も
増大することになり信頼性に対して不利である。

【０００５】本発明の目的は、上記の課題を解決し、安
定でかつ高速のテープ巻取り機構を備えた磁気記録再生
装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、キャプスタンモータに摩擦制動
を与えるモータ制動手段を有し、磁気テープを高速移送
から停止させる場合、リール制動手段により巻取りリー
ル台と供給リール台に摩擦制動を与えるとともに、該モ
ータ制動手段によりキャプスタンモータに摩擦制動を与
える構成とした。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図１から図４を用いて、本
発明による磁気記録再生装置の実施形態について説明す
る。

【０００８】図４は、本発明による磁気記録再生装置の
第一の実施形態であり、記録／再生モードにおける構成
を示す平面図である。磁気テープ１２が収容されたカセ
ット１０は、磁気記録再生装置の本体内にセットされ、
磁気テープ１２がシリンダ２０にローディングされた状
態を示している。

【０００９】カセット１０に収容された磁気テープ１２
は、テープ案内体３０，３１が矢印Ａ，Ｂ方向に回動す
ることによってカセット１０から引き出され、シリンダ
２０に所定の角度で巻き付けられている。テープ案内体
３０，３１は、ローディングモータ８１の回転が図示し
ないギヤ等を介して伝達されることによって駆動され
る。磁気テープ１２は、ガイドピン３２，３３，３４に
よって案内されている。テンションピン３５は、テンシ
ョンアーム６１によって矢印Ｃ方向に付勢されており、
磁気テープ１２に所定のテンションを与えている。

【００１０】シリンダ２０は、基板２８に対して回転可
能に支持されている。シリンダ２０には、図示しない複
数の記録／再生ヘッドが取り付けられており、シリンダ
２０が矢印Ｄ方向に回転することにより、記録／再生ヘ
ッドを用いて、磁気テープ１２上に、斜めに形成される
記録トラックに情報を記録し、また、この記録トラック
から情報を再生する。テープ案内体３０とガイドピン３
２の間の位置において、磁気テープ１２は消去ヘッド２
２と接触しており、磁気テープ１２に記録された情報を
消去することが可能である。

【００１１】磁気テープ１２は、キャプスタンモータ４
０の軸心に設けられたキャプスタン４２とピンチローラ
４４との間に狭持され、記録／再生モード時には、キャ
プスタンモータ４０が矢印Ｅ方向に定速回転することに
より、一定速度で移送される。なお磁気テープ１２は、
ガイドピン３６，３７によって所定の位置にガイドされ
ている。

【００１２】キャプスタンプーリー４６は、キャプスタ
ンモータ４０の軸心に、キャプスタンモータ４０と一体
的に設けられている。キャプスタン４２の回転は、キャ
プスタンプーリ４６に掛けられたベルト４８を介して、
プーリー５０に伝達される。プーリー５０の回転は、巻
取りギヤ５１、ギヤ５２と首振りギヤ５３を介して、Ｔ
リール台５４に伝達され、このＴリール台５４が巻取り
側となり、定速移送された磁気テープ１２をカセット１
０内のリールに巻き取る。

【００１３】Ｔリール台５４に巻き付けられたテンショ
ンバンドＲ７４の端部は、アームＲ７１及びソウサアー
ムＲ７２に各々固定保持されている。記録／再生モード
においては、アームＲ７１及びソウサアームＲ７２は図
示しない駆動ギヤにより、テンションバンドＲ７４が緩
む方向に付勢されているので、Ｔリール台５４にテンシ
ョンバンドＲ７４による摩擦制動は加えられていない。

【００１４】この時、Ｓリール台５７は磁気テープ１２
の供給側となり、カセット１０内のリールから磁気テー
プ１２を送り出す。またＳリール台５７は、テンション
バンドＬ６４によって負荷が与えられており、送り出さ
れる磁気テープ１２に所定の張力を与える構成になって
いる。テンションバンドＬ６４は、ブラケットａ６５及
びブラケットｂ６６を介してテンションアーム６１に回
動可能に取り付けられている。

【００１５】記録／再生モードにおいては、ブレーキ９
０は図示しない駆動ギヤにより矢印Ｆ方向に付勢されて
おり、キャプスタンモータ４０に摩擦制動を与えてはい
ない。

【００１６】次に図３は、本発明による磁気記録再生装
置の高速移送モードにおける構成を示すものである。な
お、図４と同一部分には同一符号を付与している。

【００１７】高速移送モードでは、アーム６２は図示し
ない駆動ギヤにより矢印Ｃ方向に位置され、テンション
スプリング６３の付勢力は記録／再生モード時に比べて
極めて小さくなる。磁気テープ１２には、高速移送中の
暴れ等を抑えるために必要な最小限のテンションが付加
される。

【００１８】正転方向の高速移送モード時には、キャプ
スタンモータ４０が矢印Ｅ方向に高速回転することによ
り、ベルト４８、プーリー５０、巻取りギヤ５１、ギヤ
５２と首振りギヤ５３を介して、Ｔリール台５４が巻取
り側、Ｓリール台５７が供給側のリール台となり、磁気
テープ１２は高速で移送される。この間、ピンチローラ
４４は図示しない駆動ギヤにより矢印Ｇ方向に解除さ
れ、磁気テープ１２はキャプスタン４２及びピンチロー
ラ４４には当接しない構成になっている。

【００１９】ブレーキ９０は、記録／再生モード時と同
様に図示しない駆動ギヤにより矢印Ｆ方向に付勢されて
おり、キャプスタンモータ４０に摩擦制動を与えてはい
ない。また、Ｔリール台５４にもテンションバンドＲ７
４による摩擦制動は加えられていない。

【００２０】次に図１は、本発明による磁気記録再生装
置の第一の実施形態である停止モード時における構成を
示す平面図である。

【００２１】メカ動作モードが図３の高速移送モードか
ら図１の停止モードに切り替わると、アームＲ７１、ソ
ウサアームＲ７２及びソウサアームＬ７３は図示しない
駆動ギヤにより、テンションバンドＲ７４が巻き締まる
方向に付勢されるので、Ｔリール台５４にはテンション
バンドＲ７４による摩擦制動が与えられる。

【００２２】同様に、図示しない駆動ギヤによりアーム
６２が矢印Ｃ方向に付勢され、テンションスプリング６
３の付勢力が大きくなるため、テンションバンドＬ６４
は巻き締まる方向に付勢されＳリール台５７にはテンシ
ョンバンドＬ６４による摩擦制動が与えられる。

【００２３】さらに本実施形態においては、キャプスタ
ンモータ４０に減速制御が与えられ、Ｔリール台５４及
びＳリール台５７に摩擦制動が与えられると同時に、ブ
レーキ９０が図示しない駆動ギヤにより矢印Ｆ方向に付
勢され、キャプスタンモータ４０に減速のための摩擦制
動が与えられる。

【００２４】この摩擦制動により、高速で回転していた
リール部の磁気テープ１２を含めた慣性力の影響による
減速時間の冗長化を抑えることができ、テープ高速移送
からの急激な減速を実現することができる。また、電気
的ブレーキと機械的ブレーキを併用することにより、よ
り安定したブレーキ機構を実現することができる。

【００２５】さらに図２は、本発明による磁気記録再生
装置の第二の実施形態として、間欠移送モード時におけ
る構成を示す平面図である。

【００２６】磁気テープ１２は、キャプスタンモータ４
０の軸心に設けられたキャプスタン４２とピンチローラ
４４との間に狭持され、キャプスタンモータ４０が矢印
Ｅ方向に間欠回転することにより所定の速度で間欠移送
される。この間、キャプスタンモータ４０の間欠回転制
御を安定化させるため、スローブレーキ９１が図示しな
い駆動ギヤにより矢印Ｆ方向に付勢され、キャプスタン
モータ４０に摩擦制動を与える構成になっている。

【００２７】図２の第二の実施形態においては、このス
ローブレーキ９１を、本発明の第一の実施形態である図
１のメカ停止モード時のブレーキ９０に兼用することで
部品点数の増加を抑えている。また、従来のメカニズム
構成を変えることなく、テープ高速移送に対応したブレ
ーキ機構を供給することができる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁気テープを高速移送から停止させる場合、巻取りリー
ル台と供給リール台に摩擦制動を与えるとともに、キャ
プスタンモータに摩擦制動を与える構成としたので、安
定でかつ高速のテープ巻取り機構を備えた磁気記録再生
装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による磁気記録再生装置の第一の実施形
態で、停止モードを示す図。

【図２】本発明による磁気記録再生装置の第ニの実施形
態で、間欠記録／再生モードを示す図。

【図３】本発明による磁気記録再生装置の第一の実施形
態で、高速移送モードを示す図。

【図４】本発明による磁気記録再生装置の第一の実施形
態で、記録／再生モードを示す図。

【符号の説明】

１０…カセット １２…磁気テープ ４０…キャプスタンモータ ４２…キャプスタン ５４…Ｔリール台 ５７…Ｓリール台 ６４…テンションバンドＬ ７４…テンションバンドＲ ９０…ブレーキ ９１…スローブレーキ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 5D081 AA07 CC13 CC14 CC18 DD05 DD06 DD13 EE01 EE07 EE08

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気ヘッドを搭載した回転シリンダに磁気
   テープを巻き付けた状態で該磁気テープを移送し記録及
   び再生を行う磁気記録再生装置において、 該磁気テープを巻取る巻取りリール台、及び該磁気テー
   プを供給する供給リール台と、 該巻取りリール台と該供給リール台に摩擦制動を与える
   リール制動手段と、 該磁気テープを移送するための駆動源となるキャプスタ
   ンモータと、 該キャプスタンモータに摩擦制動を与えるモータ制動手
   段と、 該磁気テープの移送動作を切替えるメカ動作モード切替
   手段と、を有し、 該メカ動作モード切替手段により該磁気テープを高速移
   送から停止させる場合、該リール制動手段により該巻取
   りリール台と該供給リール台に摩擦制動を与えるととも
   に、該モータ制動手段により該キャプスタンモータに摩
   擦制動を与えることを特徴とする磁気記録再生装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の磁気記録再生装置におい
   て、 前記モータ制動手段は、前記キャプスタンモータに摩擦
   制動を与える制動部材を有し、 前記メカ動作モード切替手段により前記磁気テープを間
   欠移送させる場合にも、該制動部材を該キャプスタンモ
   ータに摩擦制動を与える制動部材として用いることを特
   徴とする磁気記録再生装置。