JP2001123806A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 角度センサ数の削減により省スペース化を図
れるバルブタイミング調整装置を提供する。 【解決手段】 ハウジング２の外周部には第１タイミン
グティース１９が設けられ、カムシャフト３の外周部の
うちハウジング２近傍位置には円盤状のプレート２０が
一体に設けられ、その外周部には第１タイミングティー
ス１９に隣接するように第２タイミングティース２１が
設けられた。ハウジング２はタイミングプーリ１と同期
回転する駆動側に属する部材であり、プレート２０はハ
ウジング２と相対回動可能に連結されたロータ７に固定
されたカムシャフト３と一体に構成された従動側に属す
る部材である。第１タイミングティース１９と第２タイ
ミングティース２１は角度センサ２２に対して同一距離
だけ離間している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関（以
下、エンジンという）の運転条件に応じて吸気弁と排気
弁の一方若しくは両方の開閉タイミングを変化させるた
めのバルブタイミング調整装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１４から図１７は従来のバルブタイミ
ング調整装置を示す図であり、図１４は正面図、図１５
は図１４のＡ−Ａ矢視図、図１６は図１４の要部の縦断
面図、図１７は図１６のＢ−Ｂ線断面図である。

【０００３】図において、１はエンジン（図示せず）の
クランクシャフト（図示せず）と同期回転するタイミン
グプーリであり、２はタイミングプーリ１と一体に構成
されたハウジングである。ハウジング２の中央部にはカ
ムシャフト３を貫通嵌合するための貫通孔４が設けられ
ている。ハウジング２とカバー５との間にはケース６お
よびこのケース６内に収容されたロータ７が配設されて
いる。ケース６の内周面には４つのシュー６ａ，６ｂ，
６ｃおよび６ｄが設けられており、ロータ７の外周面に
は４つのベーン７ａ，７ｂ，７ｃおよび７ｄが設けられ
ている。シュー６ａとシュー６ｂとの間の扇状空間には
ベーン７ａが収容されており、シュー６ｂとシュー６ｃ
との間の扇状空間にはベーン７ｂが収容されており、シ
ュー６ｃとシュー６ｄとの間の扇状空間にはベーン７ｃ
が収容されており、シュー６ｄとシュー６ａとの間の扇
状空間にはベーン７ｄが収容されており、それぞれベー
ン７ａ，７ｂ，７ｃおよび７ｄは上記各扇状空間を遅角
油圧室８と進角油圧室９とに区画している。隣接する遅
角油圧室８と進角油圧室９は、シュー６ａ，６ｂ，６ｃ
および６ｄの各先端部に取り付けられたチップシール１
０と、ベーン７ａ，７ｂ，７ｃおよび７ｄの各先端部に
取り付けられたチップシール１１により相互間の連通が
防止されている。なお、１２はチップシール１０をロー
タ７の外周面に当接させるバックスプリングであり、チ
ップシール１１にも同様なバックスプリング（図示せ
ず）が取り付けられている。

【０００４】図１６において、１３はハウジング２の孔
２ａ内に軸方向に沿って摺動可能に配設されたプランジ
ャであり、１４はハウジング２の孔２ａ内に配設され、
かつ、プランジャ１３をロータ７の係合孔１５内に軸方
向に沿って付勢するスプリングであり、１６はロータ７
の係合孔１５内への給油または当該係合孔１５からの廃
油を行うためのプランジャ油路である。このプランジャ
油路１６に油圧が供給されていない場合には、プランジ
ャ１３はスプリング１４の付勢力によりロータ７の係合
孔１５内に係合されることから、ハウジング２とロータ
７との相対回動が規制される。逆に、プランジャ油路１
６に油圧が供給された場合には、油圧がスプリング１４
の付勢力に抗してプランジャ１３を後退させ、ロータ７
の係合孔１５から離脱することから、ハウジング２とロ
ータ７との相対回動の規制が解除される。なお、１７は
カムシャフト３内に設けられ、かつ、ロータ７を遅角方
向に移動させるための遅角油圧室８に連通している第１
油路であり、１８はカムシャフト３内に設けられ、か
つ、ロータ７を進角方向に移動させるための進角油圧室
９に連通している第２油路である。

【０００５】図１４から図１６において、１９はハウジ
ング２の外周部の一部に設けられた第１タイミングティ
ースであり、２０はカムシャフト３の外周部のうち、上
記ハウジング２から離間した位置に固定され、かつ、ハ
ウジング２の外周部の一部と同一径を有する円盤状のプ
レートであり、２１はプレート２０の外周面に設けられ
た第２タイミングティースである。第１タイミングティ
ース１９の近傍には、クランクシャフト（図示せず）の
回転角を検出するクランク角センサとしての第１角度セ
ンサ２２が配設されている。また、第２タイミングティ
ース２１の近傍には、カムシャフト３の回転角を検出す
るカム角センサとしての第２角度センサ２３が配設され
ている。なお、２４はロータ７をカムシャフト３の一端
部に固定するためのボルトであり、２５はハウジング
２、カバー５およびケース６を一体に固定するためのボ
ルトである。

【０００６】次に動作について説明する。まず、タイミ
ングプーリ１の回転方向に対してカムシャフト３を遅角
させる場合には、遅角油圧室８への給油および進角油圧
室９からの排油による油圧差を利用して４つのベーン７
ａ，７ｂ，７ｃおよび７ｄを回転させる。この回転によ
りカムシャフト３はタイミングプーリ１、即ちクランク
シャフト（図示せず）に対して遅角となるが、そのクラ
ンクシャフト（図示せず）に対するカムシャフト３の変
移角度は第２角度センサ２３により検出された第２タイ
ミングティース２１の回転角と、第１角度センサ２２に
より検出された第１タイミングティース１９の回転角と
から得られる相対回転角で示される。例えば、図１８
（ａ）は第１角度センサ２２により検出された第１タイ
ミングティース１９の回転状態を矩形パルスで示したグ
ラフであり、図１８（ｂ）は第２角度センサ２３により
検出された第２タイミングティース２１の回転状態を矩
形の出力パルスで示したグラフである。これら２つの出
力パルスのパルス幅の差は両ティース１９および２１の
位相差Ｘであり相対回転角である。この位相差Ｘがタイ
ミングプーリ１の回転方向に対するカムシャフト３の所
定の遅角に相当しない場合には、上記検出データはＥＣ
Ｕ（図示せず）に送られ、上記第１油路１７および第２
油路１８に対する給油などを行うオイルコントロールバ
ルブ（図示せず）に対するフィードバック制御に利用さ
れる。

【０００７】次に、タイミングプーリ１の回転方向に対
してカムシャフト３を進角させる場合には、進角油圧室
９への給油および遅角油圧室８からの排油による油圧差
を利用して４つのベーン７ａ，７ｂ，７ｃおよび７ｄを
回転させる。この回転によりカムシャフト３はタイミン
グプーリ１即ちクランクシャフト（図示せず）に対して
進角となる。両ティース１９および２の位相差Ｘは出力
パルスのパルス幅の差で表され、そのデータはＥＣＵ
（図示せず）に送られ、オイルコントロールバルブ（図
示せず）に対するフィードバック制御に利用される。

【０００８】なお、このようにクランクシャフト（駆動
側）と上記カムシャフト（従動側）３の回転角度を検出
するのに個別の角度センサを設けたバルブタイミング調
整装置は、特開平８−１７７５３５号公報にも開示され
ている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
バルブタイミング調整装置では、駆動側の回転角度と従
動側の回転角度をそれぞれ個別の角度センサ２２および
２３により検出していたため、センサそれぞれの取り付
け位置の誤差、ベルトなどで連結されていることによる
タイミングのズレなどを全てひっくるめて最遅角位置学
習により吸収する必要がある。そして、被角度検出物と
しての各タイミングティースと各角度センサとの離間距
離を確保しなければならず、省スペース化を図ることが
困難であるなどの課題があった。

【００１０】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、省スペース化を図れるバルブタイ
ミング調整装置を得ることを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この発明に係るバルブタ
イミング調整装置は、内燃機関のクランクシャフトと同
期回転し、かつ、第１タイミングティースを有する第１
回転体と、該第１回転体に従動して回転し、かつ、前記
第１タイミングティースに隣接して設けられた第２タイ
ミングティースを有する第２回転体と、前記第１タイミ
ングティースと前記第２タイミングティースとの相対回
転角を検出する１つの角度センサとを備えたものであ
る。

【００１２】この発明に係るバルブタイミング調整装置
は、第１回転体はクランクシャフトと同期回転するタイ
ミングプーリと一体に構成されたハウジングであり、か
つ、第２回転体は前記ハウジングと相対回動可能に連結
されたロータに固定されたカムシャフトであることを特
徴とするものである。

【００１３】この発明に係るバルブタイミング調整装置
は、第１回転体はクランクシャフトと同期回転するタイ
ミングプーリと一体に構成されたハウジングと相対回動
可能に連結されたロータを収容するケースであり、か
つ、第２回転体は前記ロータに固定されたワッシャであ
ることを特徴とするものである。

【００１４】この発明に係るバルブタイミング調整装置
は、第１回転体はクランクシャフトと同期回転するタイ
ミングプーリと一体に構成されたハウジングと相対回動
可能に連結されたロータの一回転面および該ロータを収
容するケースの一回転面を覆うカバーであり、かつ、第
２回転体は前記ロータに固定されたワッシャであること
を特徴とするものである。

【００１５】この発明に係るバルブタイミング調整装置
は、第１タイミングティースおよび第２タイミングティ
ースは同一材料で形成されたことを特徴とするものであ
る。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態１．図１から図３はこの発明の実施の形態１
によるバルブタイミング調整装置を示す図であり、図１
は正面図であり、図２は図１の縦断面図であり、図３は
図２のＡ−Ａ線断面図である。なお、この実施の形態１
によるバルブタイミング調整装置の構成要素のうち、図
１４から図１７に示した従来のバルブタイミング調整装
置の構成要素と共通するものについては同一符号を付
し、その部分の説明を省略する。

【００１７】この実施の形態１の特徴は、ハウジング２
の外周部に第１タイミングティース１９を設け、カムシ
ャフト３の外周部のうちハウジング２近傍位置に円盤状
のプレート２０を一体に設け、その外周部に第１タイミ
ングティース１９に隣接するように第２タイミングティ
ース２１を設けた点にある。ハウジング２はタイミング
プーリ１と同期回転する駆動側に属する部材であり、プ
レート２０はハウジング２と相対回動可能に連結された
ロータ７に固定されたカムシャフト３と一体に構成され
た従動側に属する部材である。両ティースをケース６か
ら離間した側で隣接配置するために、ハウジング２の外
周部のケース６寄りにタイミングプーリ１を設けること
により第１タイミングティース１９の配設位置を確保し
ている。第１タイミングティース１９と第２タイミング
ティース２１は角度センサ２２に対して同一距離だけ離
間し、かつ、両ティース間の距離は両ティースが検出可
能な範囲で決められる。

【００１８】次に動作について説明する。まず、タイミ
ングプーリ１の回転方向に対してカムシャフト３を遅角
または進角させる場合には、油圧室８および９への給油
または当該油圧室からの排油による油圧差を利用して４
つのベーン７ａ，７ｂ，７ｃおよび７ｄを回転させる。
この回転によりカムシャフト３はタイミングプーリ１、
即ちクランクシャフト（図示せず）に対して遅角または
進角となる。この実施の形態１では、予め図４（ａ）に
示すように角度センサ２２によりクランクシャフト（図
示せず）と同期回転する第１タイミングティース１９の
みの回転状態を検出しておく。その出力パルスを参照信
号とする。次に、図４（ｂ）に示すように第１タイミン
グティース１９および第２タイミングティース２１の回
転状態を上記角度センサ２２により検出しておく。その
出力パルスを検出信号とする。両信号のパルス幅の差は
両ティース１９および２１の位相差Ｘであり相対回転角
である。従って、両信号のパルス幅の差を１つの角度セ
ンサ２２により検出することで、両ティース１９および
２１の相対回転角を容易に得ることができる。このよう
に得られた検出データはＥＣＵ（図示せず）に送られ、
上記第１油路１７および第２油路１８に対する給油など
を行うオイルコントロールバルブ（図示せず）に対する
フィードバック制御に利用される。

【００１９】以上のように、この実施の形態１によれ
ば、隣接配置したハウジング２とプレート２０に第１タ
イミングティース１９および第２タイミングティース２
１を設け、これらの回転角度を１つの角度センサ２２で
検出するように構成したので、減らした角度センサが占
有していたスペースを省くことができ、角度センサの装
着作業を簡素化することができ、減らした角度センサ分
のコストを削減することができる。また、この実施の形
態１によれば、エンジン本体に連結されるカムシャフト
に第２タイミングティースを一体に設けておけば、ハウ
ジング２を含むバルブタイミング調整装置の製作者側で
組み付けることができるメリットもあり、センサの取り
付け位置の誤差などの影響を無視できるようになる。ま
た、２枚のシグナルプレートがハウジング２に取り付け
られるので、シグナルプレートの取り付けの誤差やベル
トなどで連結されることによるタイミングのズレも無視
できるようになる。このため、考慮すべき誤差成分が、
シグナルプレートの歯の加工精度と組み付けの精度のみ
になると考えられるので、最遅角位置学習が不用になる
可能性がある。また、最遅角位置(又は最進角位置)で２
つのパルス（クランク角相当とカム角相当）が重なって
１つのパルスになることも想定されるが、実はコンピュ
ータの処理上、２つのパルスがある条件下では１つにな
るという信号は非常に処理しにくい。そこで、コンピュ
ータの処理上は必ず２つのパルスが出てくるようになっ
ている方が都合が良く、また、センサ側も２つの歯が接
近してくると検出できなくなったり（１つの歯として検
出してしまう）、コンピュータ側も２つのパルス間隔
（時間間隔）が小さくなると検出できなくなる（時間的
に処理しきれなくなる）ことが考えられるので、各パル
ス間隔が常に所定値以上確保されていることがコンピュ
ータ側にとって都合が良い。従って、最遅角の位置でも
クランク角相当の信号とカム角相当の信号との間が１０
°ぐらいの間隔を確保されて、歯の加工精度、プレート
同士の組み付けの精度が高ければ、両パルスの時間差を
検出して、これを角度相当に変換し１０°を引けばＶＶ
Ｔの進角量が演算できるということになり、最遅角位置
学習が不用になり、なおかつ、コンピュータ側の負担も
小さくＶＶＴの位相検出ができることになる。なお、０
°というのは、このくらいの間隔があれば、コンピュー
タの処理上の問題が起こらないだろうという値である。

【００２０】実施の形態２．図５から図７はこの発明の
実施の形態２によるバルブタイミング調整装置を示す図
であり、図５は正面図であり、図６は図５の縦断面図で
あり、図７は図６のＡ−Ａ線断面図である。なお、この
実施の形態２によるバルブタイミング調整装置の構成要
素のうち、図１から図３に示した実施の形態１によるバ
ルブタイミング調整装置の構成要素と共通するものにつ
いては同一符号を付し、その部分の説明を省略する。

【００２１】この実施の形態２の特徴は、ケース６の外
周部のカバー５寄りの位置に第１タイミングティース１
９を設け、ロータ７とこのロータ７をカムシャフト３の
一端部に固定するために用いられるボルト２４との間に
介在するワッシャ２６の外周部に第２タイミングティー
ス２１を設けた点にある。ケース６はボルト２５により
固定されたハウジング２、およびタイミングプーリ１と
同期して回転する駆動側に属する部材であり、ワッシャ
２６はハウジング２と相対回動可能に連結するロータ７
と連動して回転する従動側に属する部材である。この実
施の形態２でも、第１タイミングティース１９と第２タ
イミングティース２１は角度センサ２２に対して同一距
離だけ離間し、かつ、両ティース間の距離は両ティース
が検出可能な範囲で決められる。

【００２２】以上のように、この実施の形態２によれ
ば、隣接配置したケース６とワッシャ２６に第１タイミ
ングティース１９および第２タイミングティース２１を
設け、これらの回転角度を１つの角度センサ２２で検出
するように構成したので、減らした角度センサが占有し
ていたスペースを省くことができ、角度センサの装着作
業を簡素化することができ、減らした角度センサ分のコ
ストを削減することができる。

【００２３】実施の形態３．図８から図１０はこの発明
の実施の形態３によるバルブタイミング調整装置を示す
図であり、図８は正面図であり、図９は図８の縦断面図
であり、図１０は図９のＡ−Ａ線断面図である。なお、
この実施の形態３によるバルブタイミング調整装置の構
成要素のうち、図１から図７に示した実施の形態１およ
び実施の形態２によるバルブタイミング調整装置の構成
要素と共通するものについては同一符号を付し、その部
分の説明を省略する。

【００２４】この実施の形態３の特徴は、ケース６の外
側に位置するカバー５の外周部に第１タイミングティー
ス１９を設け、ロータ７とこのロータ７をカムシャフト
３の一端部に固定するために用いられるボルト２４との
間に介在するワッシャ２６の外周部に第２タイミングテ
ィース２１を設けた点にある。カバー５はボルト２５に
より固定されたケース６およびハウジング２と同期回転
する駆動側に属する部材であり、ワッシャ２６はハウジ
ング２と相対回動可能に連結するロータ７と連動して回
転する従動側に属する部材である。この実施の形態３で
も、第１タイミングティース１９と第２タイミングティ
ース２１は角度センサ２２に対して同一距離だけ離間
し、かつ、両ティース間の距離は両ティースが検出可能
な範囲で決められる。

【００２５】以上のように、この実施の形態３によれ
ば、隣接配置したカバー５とワッシャ２６に第１タイミ
ングティース１９および第２タイミングティース２１を
設け、これらの回転角度を１つの角度センサ２２で検出
するように構成したので、減らした角度センサが占有し
ていたスペースを省くことができ、角度センサの装着作
業を簡素化することができ、減らした角度センサ分のコ
ストを削減することができる。

【００２６】実施の形態４．図１１から図１３はこの発
明の実施の形態４によるバルブタイミング調整装置を示
す図であり、図１１は正面図であり、図１２は図１１の
縦断面図であり、図１３は図１１のＡ−Ａ線断面図であ
る。なお、この実施の形態２によるバルブタイミング調
整装置の構成要素のうち、図１から図１０に示した実施
の形態１から実施の形態３によるバルブタイミング調整
装置の構成要素と共通するものについては同一符号を付
し、その部分の説明を省略する。

【００２７】この実施の形態４の特徴は、実施の形態３
と同様に、例えばアルミニウム製のカバー５に設けた第
１タイミングティース１９と鉄製のワッシャ２６に設け
た第２タイミングティース２１とを同一材料で形成した
点にある。角度センサ２２は第１タイミングティース１
９および第２タイミングティース２１上の複数の凸部を
光反射時間差を利用して光学的に読み取り、図４（ａ）
および図４（ｂ）に示すような矩形の出力パルスに変換
し、参照信号のパルスと比較してクランクシャフト（図
示せず）とカムシャフト３との相対回転角を検出するも
のであるので、第１タイミングティース１９および第２
タイミングティース２１が鉄とアルミニウムのように異
種材料同士で形成されていれば、その光反射率が異な
り、測定誤差が生じる。そこで、この実施の形態４で
は、アルミニウム製のカバー５の外周部に鉄製の第１タ
イミングティース１９を別体の部材として配設すること
により、第１タイミングティース１９および第２タイミ
ングティース２１を同一材料（例えば鉄）で形成して光
反射率を一致させている。

【００２８】以上のように、この実施の形態４によれ
ば、両タイミングティースを同一材料で形成するように
構成したので、異種材料間で起こり得る測定誤差を解消
し、精度の高い検出を行うことができる。

【００２９】なお、この実施の形態４では、両タイミン
グティースを同一材料で形成するように構成したが、上
記実施の形態１から実施の形態３のいずれにおいても、
両タイミングティースを同一材料で形成してもよい。こ
れにより、角度センサ２２による検出精度を向上させる
ことができる。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、第１タイミングティースと第２タイミングティース
とを隣接配置し、これらの回転角度を１つの角度センサ
で検出するように構成したので、減らした角度センサが
占有していたスペースを省くことができ、角度センサの
装着作業を簡素化することができ、減らした角度センサ
分のコストを削減することができる。

【００３１】この発明によれば、第１タイミングティー
スをハウジングに設け、第２タイミングティースをカム
シャフト側に設けたので、両ティースを隣接配置するこ
とが可能であり、クランクシャフトとカムシャフトとの
相対回転角度を１つの角度センサで検出することも可能
である。また、この発明によれば、エンジン本体に連結
されるカムシャフトに第２タイミングティースを一体に
設けておく設計とすれば、ハウジングを含むバルブタイ
ミング調整装置の製作者側で組み付けることができるメ
リットもある。

【００３２】この発明によれば、第１タイミングティー
スをケースに設け、第２タイミングティースをロータに
固定したワッシャに設けたので、両ティースを隣接配置
することが可能であり、クランクシャフトとカムシャフ
トとの相対回転角度を１つの角度センサで検出すること
も可能である。

【００３３】この発明によれば、第１タイミングティー
スをカバーに設け、第２タイミングティースをロータに
固定したワッシャに設けたので、両ティースを隣接配置
することが可能であり、クランクシャフトとカムシャフ
トとの相対回転角度を１つの角度センサで検出すること
も可能である。

【００３４】この発明によれば、第１タイミングティー
スおよび第２タイミングティースを同一材料で形成した
ので、両タイミングティースの光学的反射率を一致させ
ることができることから、鉄とアルミニウムのように異
種材料同士で起こり得る測定誤差を解消して、精度の高
い検出を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態１によるバルブタイミ
ング調整装置を示す正面図である。

【図２】 図１の縦断面図である。

【図３】 図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】 （ａ）および（ｂ）は図１から図３に示した
実施の形態１によるバルブタイミング調整装置における
１つの角度センサにより検出された検出信号の波形を示
すグラフ図である。

【図５】 この発明の実施の形態２によるバルブタイミ
ング調整装置を示す正面図である。

【図６】 図５の縦断面図である。

【図７】 図６のＡ−Ａ線断面図である。

【図８】 この発明の実施の形態３によるバルブタイミ
ング調整装置を示す正面図である。

【図９】 図８の縦断面図である。

【図１０】 図９のＡ−Ａ線断面図である。

【図１１】 この発明の実施の形態４によるバルブタイ
ミング調整装置を示す正面図である。

【図１２】 図１１の縦断面図である。

【図１３】 図１１のＡ−Ａ線断面図である。

【図１４】 従来のバルブタイミング調整装置を示す正
面図である。

【図１５】 図１４のＡ−Ａ矢視図である。

【図１６】 図１４の要部の縦断面図である。

【図１７】 図１６のＢ−Ｂ線断面図である。

【図１８】 （ａ）および（ｂ）は図１４から図１７に
示した従来のバルブタイミング調整装置における２つの
角度センサにより検出された検出信号の波形を示すグラ
フ図である。

【符号の説明】

１ タイミングプーリ、２ ハウジング、３ カムシャ
フト、４ 貫通孔、５カバー、６ ケース、７ ロー
タ、８ 遅角油圧室、９ 進角油圧室、１０チップシー
ル、１１ チップシール、１２ バックスプリング、１
３ プランジャ、１４ スプリング、１５ 係合孔、１
６ プランジャ油路、１７ 第１油路、１８ 第２油
路、１９ 第１タイミングティース、２０ プレート、
２１ 第２タイミングティース、２２ 第１角度セン
サ、２３ 第２角度センサ、２４ボルト、２５ ボル
ト、２６ ワッシャ。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関のクランクシャフトと同期回転
   し、かつ、第１タイミングティースを有する第１回転体
   と、該第１回転体に従動して回転し、かつ、前記第１タ
   イミングティースに隣接して設けられた第２タイミング
   ティースを有する第２回転体と、前記第１タイミングテ
   ィースと前記第２タイミングティースとの相対回転角を
   検出する１つの角度センサとを備えたバルブタイミング
   調整装置。
2. 【請求項２】 第１回転体はクランクシャフトと同期回
   転するタイミングプーリと一体に構成されたハウジング
   であり、かつ、第２回転体は前記ハウジングと相対回動
   可能に連結されたロータに固定されたカムシャフトであ
   ることを特徴とする請求項１記載のバルブタイミング調
   整装置。
3. 【請求項３】 第１回転体はクランクシャフトと同期回
   転するタイミングプーリと一体に構成されたハウジング
   と相対回動可能に連結されたロータを収容するケースで
   あり、かつ、第２回転体は前記ロータに固定されたワッ
   シャであることを特徴とする請求項１記載のバルブタイ
   ミング調整装置。
4. 【請求項４】 第１回転体はクランクシャフトと同期回
   転するタイミングプーリと一体に構成されたハウジング
   と相対回動可能に連結されたロータの一回転面および該
   ロータを収容するケースの一回転面を覆うカバーであ
   り、かつ、第２回転体は前記ロータに固定されたワッシ
   ャであることを特徴とする請求項１記載のバルブタイミ
   ング調整装置。
5. 【請求項５】 第１タイミングティースおよび第２タイ
   ミングティースは同一材料で形成されたことを特徴とす
   る請求項１から請求項４のうちいずれか１項記載のバル
   ブタイミング調整装置。