JP3284928B2 - 内燃機関の可変バルブタイミング機構の取り外しおよび再組み付け方法 - Google Patents

内燃機関の可変バルブタイミング機構の取り外しおよび再組み付け方法

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JP3284928B2
JP3284928B2 JP15975297A JP15975297A JP3284928B2 JP 3284928 B2 JP3284928 B2 JP 3284928B2 JP 15975297 A JP15975297 A JP 15975297A JP 15975297 A JP15975297 A JP 15975297A JP 3284928 B2 JP3284928 B2 JP 3284928B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気・
排気バルブの開閉時期を可変とする内燃機関の可変バル
ブタイミング機構、特にロック機構を有するベーン式の
可変バルブタイミング機構の取り外しおよび再組み付け
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の可変バルブタイミング機構
は、カムシャフトの回転位相を変更することで、吸気・
排気バルブの開閉時期を調整するものである。この機構
により、負荷や回転数などの内燃機関の運転状態に応じ
てバルブの開閉時期を最適化することが可能となる。し
たがって、幅広い運転状態にわたり、内燃機関の燃費や
出力、エミッション等を向上させることが可能となる。
【0003】この様な可変バルブタイミング機構には様
々な形式のものが存在しているが、特開平1−9250
4号公報に記載された「弁開閉調整装置」などがその一
例として掲げられる。
【0004】前記公報に掲げられたような形式の可変バ
ルブタイミング機構は、カムシャフトと一体となって回
転する第1の回転体と、内燃機関のクランクシャフトに
駆動連結されたドリブンギアと一体回転する第2の回転
体を備えている。
【0005】前記両回転体のどちらか一方に形成された
凹部内に、もう一方の回転体に形成されたベーンが配設
されている。前記凹部を前記ベーンとによって区画する
ことで、同ベーンの両側には、第1および第2の液圧室
が形成されている。
【0006】これら第1および第2の液圧室内の液圧を
変化させることで、前記両回転体は相対回動させられ
る。この相対回動により前記カムシャフトと前記ドリブ
ンギアの回転位相が変化し、よって、同カムシャフトに
より開閉駆動する吸気・排気バルブの開閉タイミングを
変更することが可能となる。
【0007】以上のような構成の可変バルブタイミング
機構は、一般に「ベーン式可変バルブタイミング機構」
と呼ばれている。このベーン式可変バルブタイミング機
構では、内燃機関の始動時等に同可変バルブタイミング
機構への液圧の供給が十分に行えない場合があり、同可
変バルブタイミング機構の動作が不安定となることがあ
る。これを防止するため、前記可変バルブタイミング機
構の中には、内燃機関の始動直後等、前記液圧室内に供
給される液圧が十分でない場合に、前記両回転体の相対
回動を固定しておくためのロック機構を設けているもの
がある。
【0008】このロック機構としては、前記両回転体の
どちらか一方に形成された係止孔と、もう一方に形成さ
れた配設孔内に設置され、コイルスプリングや液圧等に
より付勢されることで前記係止孔内に嵌入可能なロック
ピンとによって構成される機構が広く採用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】点検や修理などを行う
際、前記可変バルブタイミング機構を前記カムシャフト
からいったん取り外しておいて、その後ふたたび同シャ
フトに再組み付けを行うことがある。
【0010】また、前記可変バルブタイミング機構に
は、前記カムシャフトに組み付けることで前記第1およ
び第2の回転体の回転軸心が同一軸心となるよう調整さ
れるものがある。このような可変バルブタイミング機構
では、前記カムシャフトから取り外すと、前記第1およ
び第2の回転体の回転軸心の規制がなくなり、前記両回
転体の回転軸心のずれが発生することがある。
【0011】一方、前述の取り外し・再組み付け作業
は、内燃機関の停止中に行われる。そして、前述したよ
うなロック機構を備えたベーン式可変バルブタイミング
機構では、内燃機関の停止時には前記ロック機構により
前記両回転体の相対回動が規制された状態となってい
る。したがって、可変バルブタイミング機構をカムシャ
フトから取り外したとき、前述のように前記両回転体の
回転軸心のずれが生じた状態でロック機構が作動してい
る場合には、こうしたずれが生じた状態でそれら両回転
体が固定されてしまうことがある。そして、一旦こうし
て前記両回転体の回転軸心にずれが生じた状態でそれら
両回転体が固定されてしまうと、この取り外した可変バ
ルブタイミング機構を前述のカムシャフトへの再組み付
けすることが非常に困難となる。また、たとえ組み付け
できたとしても、第1および第2の回転体が斜めに取り
付けられたり、ロック機構が固着してその解除が不能に
なるなど、同可変バルブタイミング機構本来の動作が不
安定となることがある。
【0012】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、ロック機構の作動による前
記両回転体の回転軸心のずれを防止することで、カムシ
ャフトからの取り外し作業および同シャフトへの再組み
付け作業を容易かつ的確ならしめ、ひいては再組み付け
後の安定した動作を保証する内燃機関の可変バルブタイ
ミング機構の取り外しおよび再組み付け方法を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、請求項1記載の発明では、同一の回転軸心を有して
内燃機関の出力軸および同機関のバルブを開閉するカム
シャフトの一方および他方に連結される第1および第2
の回転体を備えるとともに、前記第2の回転体に形成さ
れた凹部を前記第1の回転体に形成されたベーンにて区
画することによりベーンの両側に第1および第2の液室
を形成し、該形成した液室に対する液圧制御に基づき前
記第1および第2の回転体を相対回転させて前記機関出
力軸と前記カムシャフトの相対回転位相を変更すること
に加え、付勢手段による付勢力に基づき前記第1および
第2の回転体を特定の回転位相に係止し、且つ第1およ
び第2液室の少なくとも一方に供給される液圧に基づき
同係止が解除されるロック機構を備える内燃機関の可変
バルブタイミング機構の取り外しおよび再組み付け方法
であって、前記カムシャフトから前記第1および第2の
回転体を取り外す際には、任意解除可能な締結手段によ
って前記ロック機構により係止される特定の回転位相に
前記第1および第2回転体を締結したのち、前記カムシ
ャフトからそれら締結した第1および第2の回転体を取
り外し、前記第1および第2の回転体を前記カムシャフ
トに再組み付けする際には、前記締結手段によってそれ
ら第1および第2回転体が締結されている状態でこれを
前記カムシャフトに組み付けたのち、前記締結手段によ
る締結状態を解除することをその要旨とする
【0014】同方法によれば、上記締結手段を通じて第
1および第2の回転体をロック機構により係止される特
定の回転位相に締結しておくことができるようになる。
そして、第1および第2の回転体をこうして締結してお
くことで、修理・点検等のために、同回転体をカムシャ
フトから取り外した際に、ロック機構がさらに付勢され
るなどに起因して、前記第1および第2の回転体の回転
軸心にずれが発生することも好適に防止され、カムシャ
フトへ再組み付け作業を確実に行うことができるように
なる。また、こうしてカムシャフトへの再組み付け作業
が確実に行われることで、同可変バルブタイミング機構
としての安定した動作も保証される。なお、上記の締結
手段は、前記第1および第2の回転体のカムシャフトへ
の組み付け作業終了後、その締結状態が任意解除され
る。
【0015】また、請求項2に記載の発明では、上記請
求項1記載の発明の方法において、前記締結手段とし
、前記ロック機構により係止される特定の回転位相に
おいて前記第1および第2の回転体間に連通されるとと
もに前記第1および第2の回転体の少なくとも一方の内
周にネジが形成された連通穴と、該連通穴内に螺着され
ボルトとを用いることをその要旨とする。
【0016】同方法によれば、上記連通穴に上記ボルト
を螺着するだけの極めて簡単な構造を通じて、前記第1
および第2の回転体の締結を容易かつ的確に行うことが
できるようになる。また、上記ボルトを上記連通穴から
取り外すだけの簡単な作業で上記の締結状態を解除する
ことができる。さらに、同方法によれば、締結状態が不
用意に解除されることがないため、前記可変バルブタイ
ミング機構単体の搬送等に際しても同締結状態を好適に
保つことができる。そして同方法の場合、既存の可変バ
ルブタミング機構への採用も容易である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる可変バルブ
タイミング機構の取り外しおよび再組み付け方法の実施
の形態について、図1〜図7を参照して詳細に説明す
る。
【0018】はじめに、本実施の形態のもととなるロッ
ク機構付ベーン式可変バルブタイミング機構の概要につ
いて図4〜図7に基づき説明する。図4は、ロック機構
付ベーン式可変バルブタイミング機構11の側面断面図
を示している。同機構11が組み付けられるカムシャフ
ト12は、エンジンのシリンダヘッド13の上端面とベ
アリングキャップ23により回転可能に支持されてい
る。同カムシャフト12の先端には第1回転体としての
内部ロータ14が、センタボルト15により同シャフト
12と一体回転可能に取り付けられている。
【0019】また、同内部ロータ14の外周は、同ロー
タ14と相対回動可能なハウジング16により覆われて
いる。さらに同ハウジング16は、複数の取付ボルト1
7によりカムギアあるいはスプロケットまたはタイミン
グプーリ(以下、単に「カムギア」とだけ表記する)1
8および前面カバー22と一体回転可能に取り付けられ
ている。該カムギア18は、チェーンやタイミングベル
ト等(図示しない)を介してエンジンの出力軸であるク
ランクシャフト(図示しない)に駆動連結されている。
【0020】図5は、前記可変バルブタイミング機構1
1の正面断面図を示している。前記内部ロータ14の外
周側面には、同ロータ14の径方向に突き出した複数の
(同例では4つの)ベーン19が設けられている。ま
た、前記ハウジング16の内周側面には複数の突起部2
0が設けられており、それら各突起部20の間の部分
(以後、凹部という)21に前記ベーン19が配設され
ている。同ベーン19の先端部分は前記ハウジング16
の凹部21の内周側面に、また前記突起部20の先端は
前記内部ロータ14の外周側面にそれぞれ摺接されてい
る。したがって、前記内部ロータ14と前記ハウジング
16は、同一の回転軸心を中心として相対回動可能とな
っている。
【0021】一方、前記凹部21の内周壁、前記前面カ
バー22(図4)および前記ベーン19の側面とによ
り、同ベーン19の両側には圧力室29、30なる2つ
の空間が形成されている。ここでは、ベーン19から見
みて、カムシャフト12(図4)の回転方向(図5では
時計回り方向とする)に形成された圧力室30を遅角側
圧力室、逆方向に形成された圧力室29を進角側圧力室
とよぶこととする。
【0022】同図に示すように、各油圧通路P1,P2
は、オイルコントロールバルブ(以下「OCV」と表記
する)27に連結されている。同OCV27は、電子制
御装置(以下「ECU」と表記する)28によりエンジ
ンの運転状態に応じて制御されている。ECU28に
は、図示しない回転数センサや吸気圧センサ、クランク
角センサ、カム角センサ等の各種センサより検出信号が
送られてくる。これらの検出信号に基づき、同ECU2
8は、エンジンの現在の運転状態に適した前記カムシャ
フト12における回転位相角(進角値)を算出するとと
もに、この回転位相角の目標値と実際の回転位相角の偏
差を判断し、同偏差が所定値以下となるよう前記OCV
27を制御する。
【0023】すなわち、実際の回転位相角が算出した回
転位相角の目標値よりも遅れているならば、前記ECU
28は、圧力通路P1に油を供給させるとともに、圧力
通路P2からは油を排出させるよう前記OCV27を制
御する。やがて、前記進角側圧力室29内の油圧は増加
し、前記遅角側油圧室30内の油圧は減少する。これに
より、前記内部ロータ14は前記カムシャフト12の回
転と同じ回転方向側(以下、この回転方向を「進角方
向」という)に回動し、同ロータ14と一体回転する同
シャフト12の回転位相が前記カムギア18に対して進
められる。すなわち、バルブの開閉時期が早められる。
【0024】これに対して、実際の回転位相角が算出し
た回転位相角の目標値よりも進んでいるならば、前記E
CU28は、圧力通路P1から油を排出させるととも
に、圧力通路P2からは油を供給させるよう前記OCV
27を制御する。やがて、前記進角側圧力室29内の油
圧は減少し、前記遅角側油圧室30内の油圧は増加す
る。これにより、前記内部ロータ14は前記カムシャフ
ト12の回転と逆の回転方向側(以下、この回転方向を
「遅角方向」という)に回動する。すなわち、同ロータ
14と一体回転する同シャフト12の回転位相が前記カ
ムギア18に対して遅れ、バルブの開閉時期が遅くな
る。
【0025】エンジンの運転条件に適合する回転位相の
目標値と実際の回転位相角との偏差が所定値以下となれ
ば、前記ECU28は前記圧力通路P1,P2への油の
入出を遮断させるよう前記OCV27を制御する。この
とき、前記圧力室29,30内の油圧により、前記内部
ロータ14と前記ハウジング16間の相対回動が制限さ
れ、バルブの開閉時期は固定される。
【0026】以上のように、各圧力室29,30に供給
する油の圧力を制御することで、エンジンのバルブの開
閉時期を自在に変更することが可能となる。なお、図4
および図5に示すように、前記ベーン19および突起部
20の先端には断面矩形状をなす溝24が形成されてお
り、同溝24内にはシール部材25が配設されている。
さらに、同部材25は、板バネ26によって前記凹部2
1の内周壁あるいは前記内部ロータ14の外周側面に向
かって付勢されている。以上により、前記ベーン19の
先端と前記ハウジング16の内周側面との間がシールさ
れ、前記進角側および遅角側圧力室29,30間に供給
される油の移動が規制されるようになっている。
【0027】図4に模式的に示すように、これら圧力室
29,30には、各油圧通路P1,P2を通じて油が供
給されるようになっている。前記内部ロータ14は、各
圧力室29,30に供給される油の圧力の大きさに応じ
て、前記カムシャフト12の回転軸心を中心としてハウ
ジング16に対して相対回動する。
【0028】ところで、上記油圧はエンジンのクランク
シャフトの回転によって作動するオイルポンプ31によ
り供給される。しかしながら、エンジンの運転が開始さ
れた直後は、オイルポンプ31も動作し始めた直後であ
るため、上記OCV27に十分な油圧を供給できない。
したがって、前記各圧力室29,30内における油圧が
低下し、その油圧により前記内部ロータ14とハウジン
グ16との相対回動を制限できなくなることがある。そ
のため、前記ベーン19が振動し、前記ハウジング16
の突起部20と衝突したり、あるいはその衝突によって
異音が発生したりすることがある。
【0029】そこで、このような衝突や異音の発生を防
止するため、例えば最遅角位相において前記内部ロータ
14とハウジング16との相対回動を規制するための前
述したロック機構が設けられている。
【0030】次に、このロック機構の具体的構造につい
て説明する。図4および図5に示すように、前記内部ロ
ータ14のベーン19の一つには、前記カムシャフト1
2の軸方向にのびる断面円形状の貫通孔32が形成され
ている。同孔32には、その途中に段部が設けられてお
り、同段部より前記前面カバー22側の部分は拡径され
た形状となっている。
【0031】さらに、同孔32内にはロックピン33が
挿入されている。同ロックピン33は、有底テーパ形状
をしており、前記前面カバー22側には拡径部33aが
形成されている。同ロックピン33は、その外周側面が
前記貫通孔32の内周側面に摺接した状態で、前記カム
シャフト12の軸線と平行に移動することができるよう
になっている。
【0032】前記貫通孔32の拡径された内周壁と、前
記ロックピン33の外周側面とによって囲まれた環状の
空間により、同ロックピン33の係止状態を解除するた
めの圧力室34が形成されている。この圧力室34は、
前記進角側圧力室29へ油圧を供給する油圧通路P1に
連通されており、前記進角側圧力室29と同時に同圧力
室34へも油圧を供給することができる。
【0033】同ロックピン33内部と前記前面カバー2
2の間には軸方向にのびる収容空間35が形成されてお
り、同空間35の内部にはスプリング36が設けられて
いる。前記ロックピン33は、同スプリング36により
前記カムギア18側に付勢されている。
【0034】また、前記カムギア18の可変バルブタイ
ミング機構11前方向の側面において、前記ロックピン
33先端と向かい合う面には、同ピン33が嵌入可能な
テーパ形状の係止穴37が形成されている。前記ロック
ピン33が同穴37内に嵌入されると、前記内部ロータ
14と前記カムギア18との相対回動が規制される。そ
の結果、前記カムシャフト12(内部ロータ14)は前
記カムギア18(ハウジング16)と一体となって回転
するようになる。なお、図4は、前記ロックピン33が
前記係止穴37内に嵌入した状態を示している。
【0035】また、前記係止穴37内に前記ロックピン
が嵌入されると、前記内部ロータ14と前記ハウジング
16とは、図5に示されるような位置関係に保持され
る。すなわち、前記ベーン19は、前記ハウジング16
の凹部21内において、前記カムシャフト12の前記カ
ムギア18に対する回転位相が最も遅れた状態になる位
置(以下、この状態におけるハウジング16に対する内
部ロータ14の相対的な位置を「最遅角位置」という)
に配置される。
【0036】また、回転位相がこの最遅角位置から進角
方向に動いたときの状態を図6に示している(以下、こ
の状態におけるハウジング16に対する内部ロータ14
の相対的な位置を「進角位置」という)。
【0037】この可変バルブタイミング機構11は、エ
ンジン停止時には前述した最遅角位置にあり、前述のロ
ック機構により前記内部ロータ14と前記カムギア18
との相対回動が制限された状態におかれている。このと
き前記ロックピン33は、図4の側面断面図に示されて
いるように、前記係止穴37内に嵌入されている。
【0038】エンジンが始動すると、前記クランクシャ
フトの回転により前記オイルポンプ31が前記OCV2
7に油圧を供給する。この供給された油圧は、同OCV
27により前記油圧通路P1に送られ、それにより前記
進角側圧力室29内の油圧が高められる。このとき同時
に、前記貫通孔32に設けられた圧力室34にも油圧が
供給される。そして、同圧力室34内の油圧が所定値以
上に増加すると、前記ロックピン33は前記スプリング
36の付勢力に抗して前記前面カバー22方向へ移動す
る。この移動により、前記ロックピン33が前記係止穴
37内から離脱すると、前述の内部ロータ14とカムギ
ア18との相対回動の制限が解除され、可変バルブタイ
ミング機構11は本来の機能を回復する。
【0039】一方、上記の可変バルブタイミング機構1
1のカムシャフト12は図4に示すように先端が2段に
なっており、第1回転体である前記内部ロータ14等の
回転軸心と第2回転体である前記ハウジング16等の回
転軸心は、これらが前記カムシャフト12に組み付けら
れることによって同一軸心となるよう調整される。
【0040】ところで、構成部材の加工誤差等により前
記ロックピン33および前記係止穴37はその位置関係
が若干ずれることがある。前述したように、前記ロック
ピン33の先端および係止穴37は、スムーズに嵌入が
行われるようテーパ形状をしているため、このようにそ
れらの位置関係が若干ずれている場合でも同ロックピン
33は同係止穴37内に嵌入されるようになる。ただ
し、図7に示すように、位置誤差が無い場合(図7
(a))に較べて位置誤差が有る場合(図7(b))の
方が、前記ロックピン33の嵌入深さが浅くなる。この
ように前記ロックピン33の嵌入深さが多少浅くても、
ロック機構としての機能を果たすことには支障がない。
【0041】一方、こうした可変バルブタイミング機構
11にあっては、図4に示すように、前記内部ロータ1
4と前記ハウジング16との摺接部A,Bは、滑らかに
相対回動できるように油のシール性が損なわれない程度
のクリアランスが設けられている。したがって、同機構
11を同カムシャフト12から取り外すと、前記第1回
転体および第2回転体の回転軸心の規制がなくなり、前
記内部ロータ14は前記ハウジング16内に遊嵌された
状態となる。
【0042】そして、前述の点検や修理などに際し、こ
の可変バルブタイミング機構11を前記カムシャフト1
2から取り外す作業は、エンジン停止時に行われる。こ
のエンジン停止時には前述のように、可変バルブタイミ
ング機構11は前記ロックピン33が前記係止穴37に
嵌入された状態あり、前記内部ロータ14の動きは実際
には制限されている。ところがこのとき、図7(b)に
示したように前記ロックピン33および前記係止穴37
の位置誤差がある場合には、次のような重大な問題が発
生する。
【0043】すなわち、こうしたロック状態にある可変
バルブタイミング機構11を前記カムシャフト12から
取り外すと、前記ハウジング16やカムギア18の回転
軸心に対する前記内部ロータ14の回転軸心の規制がな
くなり、同内部ロータ14は前記ハウジング16内に遊
嵌された状態となる。そしてこのとき、前記ロックピン
33は、前記スプリング36の付勢力により係止穴37
内により深く嵌入されようとする。そのため、前記内部
ロータ14は、前記ハウジング16内を前記ロックピン
33と前記係止穴37との位置が合致するように若干移
動する。このようにして前記内部ロータ14が移動する
と、同ロータ14の回転軸心が前記ハウジング16(カ
ムギア18)の回転軸心に対してずれを生じ、これを再
びカムシャフト12に組み付けようとすると、内部ロー
タ14あるいはハウジング16(カムギア18)が傾い
た状態で取り付けられたり、あるいはロックピン33が
その係止穴37内に固着されて前記油圧ではその解除が
不能となるなどの不都合が生じるようになる。
【0044】そこで、本実施の形態にあっては、図4〜
図7に示した可変バルブタイミング機構11をもとに、
図1〜図3に示す態様でその改良を図っている。以下で
は、本実施の形態による改良点を中心にその構成を説明
する。
【0045】図1は、本実施の形態にかかる可変バルブ
タイミング機構11の側面断面図を、図2,図3は同機
構11の正面断面図をそれぞれ示している。これらの図
に示されるように、本実施の形態にかかる可変バルブタ
イミング機構11にあっては、前記前面カバー22には
挿通孔38が、前記内部ロータ14にはネジ穴39が形
成されている。これらの挿通孔38およびネジ穴39
は、前記ロック機構が作動する最遅角位置において互い
が重なり連通するような位置に設けられている。また、
内部ロータ14に形成される前記ネジ穴39は、前記圧
力室29,30からの油の漏出を少なくするため、図2
に示すように、前記内部ロータ14の前記ベーン19が
突き出している角度範囲内に設けられている。
【0046】前記カムシャフト12から可変バルブタイ
ミング機構11を取り外す際には、図1および図2に示
すように、予め前記挿通孔38を介してネジ穴39内に
ボルト40を螺着し、前記内部ロータ14と前記前面カ
バー22とを締結しておく。前記前面カバー22は、前
記ハウジング16および前記カムギア18と前記取付け
ボルト17により固定されることで一体となっている。
そのため、上記ボルト40により締結した状態で同機構
11を前記カムシャフト12から取り外しても、前記内
部ロータ14は、前記ハウジング16(カムギア18)
に対してその回転軸心が同一の軸心に位置決めされた状
態に維持されている。すなわち、前記ロックピン33と
前記係止穴37とが先の図7(b)に示される態様で位
置ずれを起こしていたとしても、同機構11のカムシャ
フト12からの取り外しによって係止穴37に対するロ
ックピン33の嵌入深さが変化することはない。
【0047】さらに、前記可変バルブタイミング機構1
1の前記カムシャフト14への再組付けに際しては、同
再組み付け作業終了後に前記ボルト40を取り外すこと
で、前記可変バルブタイミング機構11としての機能を
再許容させることができる。しかも、このときには、同
可変バルブタイミング機構11をその取り外し以前とほ
ぼ同じ状態で前記カムシャフト12に取り付け直すこと
ができるため、前記ロック機構も含め同機構11として
の安定した動作が保証されるようにもなる。図3は、こ
うした再組み付け後、エンジンの運転に伴ってロックピ
ン33が解除され、同可変バルブタイミング機構11が
進角方向に作動していいるときの内部ロータ14とハウ
ジング16との関係、並びに締結機構を構成する挿通孔
38とネジ穴39との関係を示している。
【0048】なお、本実施の形態の上記締結機構は、前
記前面カバー22および内部ロータ14にそれぞれ挿通
孔38とネジ穴39を設けるとともに、前記締結用のボ
ルト40を用意するだけの極めて簡素な構造であるた
め、既存の可変バルブタイミング機構への採用も極めて
容易に行うことができる。
【0049】以上説明した本実施の形態によって得られ
る効果について以下に記載する。 ・可変バルブタイミング機構11のカムシャフト12か
らの取りはずし作業および同シャフト12への再組付け
作業時であれ、内部ロータ14とハウジング16との回
転軸心は同一の軸心に好適に維持されることとなり、同
作業を容易かつ的確に行うことができるようになる。
【0050】・同作業が的確に行われることで、当該可
変バルブタイミング機構11としての安定した動作が保
証される。 ・再組み付け作業後に、締結用のボルト40を取り外す
だけの極めて簡単な作業で、その締結状態を解除するこ
とができる。
【0051】・挿通孔38、ネジ穴39および締結用の
ボルト40という極めて単純な構成により締結手段を構
成しているため、既存の可変バルブタイミング機構への
採用も極めて容易である。
【0052】・締結状態が不用意に解除されることがな
いため、当該可変バルブタイミング機構単体の搬送等も
容易に行うことができる。なお、本実施形態は、例えば
以下のように変更することもできる。
【0053】・本実施の形態における挿通孔38をネジ
孔とし、ネジ穴39を挿通穴に変更してもよい。また、
孔38および穴39の双方をネジ穴とし、ボルト40を
前面カバー16と内部ロータ14の両方に螺着すること
で締結してもよい。
【0054】・締結機構を設ける位置は、内部ロータ1
4およびハウジング16を固定できる位置であればどこ
に設けてもよい。例えば、カムギア18側に挿通孔を形
成するとともに、内部ロータ14のカムギア18と対向
する面にネジ穴を形成し、可変バルブタイミング機構1
1の背面から適宜のボルトでそれら内部ロータ14とハ
ウジング16との締結を行うようにしてもよい。
【0055】・また、締結機構は、必要であれば複数箇
所に設けてもよい。 ・なお、本実施形態の可変バルブタイミング機構は、内
部ロータ14とカムシャフト12とが一体回転し、ハウ
ジング16とカムギア18とが一体回転する構成とした
が、内部ロータ14とカムギア18とが一体回転し、ハ
ウジング16とカムシャフト12とが一体回転する構成
としてもよい。
【0056】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、締結手段
を通じて第1および第2の回転体をロック機構により係
止される特定の回転位相に締結しておくことができるよ
うになる。そして、第1および第2の回転体をこうして
締結しておくことで、修理・点検等のために、同回転体
をカムシャフトから取り外した際に、ロック機構がさら
に付勢されるなどに起因して、前記第1および第2の回
転体の回転軸心にずれが発生することも好適に防止さ
れ、カムシャフトへ再組み付け作業を確実に行うことが
できるようになる。また、こうしてカムシャフトへの再
組み付け作業が確実に行われることで、同可変バルブタ
イミング機構としての安定した動作も保証される。な
お、上記の締結手段は、前記第1および第2の回転体の
カムシャフトへの組み付け作業終了後、その締結状態が
任意解除される。
【0057】また、請求項2に記載の発明によれば、連
通穴にボルトを螺着するだけの極めて簡単な構造を通じ
て、前記第1および第2の回転体の締結を容易かつ的確
に行うことができるようになる。また、上記ボルトを上
記連通穴から取り外すだけの簡単な作業で上記の締結状
態を解除することができる。さらに、同方法によれば、
締結状態が不用意に解除されることがないため、前記可
変バルブタイミング機構単体の搬送等に際しても同締結
状態を好適に保つことができる。そして同方法の場合、
既存の可変バルブタミング機構への採用も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の可変バルブタイミング機構の側面
断面図。
【図2】実施の形態の可変バルブタイミング機構の正面
断面図。
【図3】実施の形態の可変バルブタイミング機構の正面
断面図。
【図4】可変バルブタイミング機構の基本構成を示す側
面断面図。
【図5】可変バルブタイミング機構の基本構成を示す正
面断面図。
【図6】可変バルブタイミング機構の基本構成を示す正
面断面図。
【図7】ロックピンの嵌入状態を示す断面図。
【符号の説明】
11…可変バルブタイミング機構、12…カムシャフ
ト、14…内部ロータ、16…ハウジング、18…カム
ギアあるいはスプロケット、22…前面カバー、29…
進角側圧力室、30…遅角側圧力室、33…ロックピ
ン、37…係止穴、38…挿通孔、39…ネジ穴、40
…締結用のボルト。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の回転軸心を有して内燃機関の出力
    軸および同機関のバルブを開閉するカムシャフトの一方
    および他方に連結される第1および第2の回転体を備え
    るとともに、前記第2の回転体に形成された凹部を前記
    第1の回転体に形成されたベーンにて区画することによ
    りベーンの両側に第1および第2の液室を形成し、該形
    成した液室に対する液圧制御に基づき前記第1および第
    2の回転体を相対回転させて前記機関出力軸と前記カム
    シャフトの相対回転位相を変更することに加え、付勢手
    段による付勢力に基づき前記第1および第2の回転体を
    特定の回転位相に係止し、且つ第1および第2液室の少
    なくとも一方に供給される液圧に基づき同係止が解除さ
    れるロック機構を備える内燃機関の可変バルブタイミン
    グ機構の取り外しおよび再組み付け方法であって、 前記カムシャフトから前記第1および第2の回転体を取
    り外す際には、任意解除可能な締結手段によって前記ロ
    ック機構により係止される特定の回転位相に前記第1お
    よび第2回転体を締結したのち、前記カムシャフトから
    それら締結した第1および第2の回転体を取り外し、 前記第1および第2の回転体を前記カムシャフトに再組
    み付けする際には、前記締結手段によってそれら第1お
    よび第2回転体が締結されている状態でこれを前記カム
    シャフトに組み付けたのち、前記締結手段による締結状
    態を解除する ことを特徴とする内燃機関の可変バルブタ
    イミング機構の取り外しおよび再組み付け方法
  2. 【請求項2】 前記締結手段として、前記ロック機構に
    より係止される特定の回転位相において前記第1および
    第2の回転体間に連通されるとともに前記第1および第
    2の回転体の少なくとも一方の内周にネジが形成された
    通穴と、該連通穴内に螺着されるボルトとを用いる
    求項1に記載の内燃機関の可変バルブタイミング機構
    取り外しおよび再組み付け方法
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