JP4026802B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ベーン型の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、始動時などの低油圧時におけるベーンロータのバタツキを防止するために、ベーンロータにロックピンを設け、低油圧時には、このロックピンをハウジング側に設けられたロック穴に挿入してベーンがハウジングに対して相対回動しないようにしてバタツキを防止し、高油圧時には、ロックピンに対して油圧が作用してロック穴から抜け出し、ベーンがハウジングに対して相対回動するようにしたものが考えられている。このような従来技術としては、例えば、特開平11−280429号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来技術において、ロックピンが挿入されて係合する係合穴は、ロックピンが挿入係止された状態でベーンに回動方向に力が作用すると、この係合穴の周囲にヘタリが生じ、ロックが解除されやすくなってしまうことがある。このため、従来では、この係合穴を形成するロック穴部材を高硬度材料で形成し、ハウジングと一体に回転する部材に形成したロック用穴に圧入するものが考えられている。
【0004】
また、ロックピンは、遠心力の影響を受けないように回転軸方向に移動可能とすることが望まれており、さらに、カムシャフトの振れによりロックピンが係合穴に対して相対移動してロック解除されることの無いように、カムシャフトを支持する部位に近い側であって、回転軸心に近い位置にロック用穴およびロック穴部材を配置させることも望まれている。
このため、これらロック用穴およびロック穴部材をハウジングにおいてカムシャフト側の位置に配置させる必要がある。
【0005】
しかしながら、ハウジングにおいてカムシャフトに近い側の部材には、ハウジング内に配置されたベーンロータとカムシャフトとを接続する必要があるため、軸心部においてカムシャフトもしくはベーンロータと一体的な回転軸部を挿通させる挿通穴を設ける必要がある。
また、上述のようにロック用穴およびロック穴部材をカムシャフトに近く、かつ回転軸心に近い位置に配置させるようにすると、これらを上記挿通穴が形成されている部材において挿通穴に近い部位に設ける必要がある。
このため、ロック穴部材をロック用穴に圧入すると、ロック穴部材よりも低剛性のハウジング側の部材が塑性変形し、特に、挿通穴とロック用穴とに配置されている部位は、挿通穴の方向に変形し、挿通穴の内周を軸心方向に突出させてしまい、カムシャフトもしくはベーンロータの回転軸部を挿通穴に挿入できなくなってしまったり、この挿入作業に手間がかかってしまったりするという問題が生じていた。なお、このような問題が生じないようにロック用穴を挿入穴に対して外径方向に離して配置すると、装置の外径方向の寸法が大きくなってしまうとともに、上述したようにカムシャフトが触れたときのロックピンの移動量が大きくなってしまい、ロック解除されてしまうおそれが生じる。
【0006】
本発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、ハウジングのカムシャフト側に挿通孔を形成するとともに、ロック用穴およびロック穴部材を配置させた構造の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、ロック用穴にロック穴部材を圧入させたときに挿通孔の内周とこれに挿通される回転軸部とが干渉する変形を生じさせない内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため本発明の内燃機関のバルブタイミング制御装置は、内燃機関の駆動軸から回転が伝達される回転伝達部材と、前記回転伝達部材が設けられ、カムシャフト又は前記カムシャフトに連結する部材を挿入する挿通孔を有するハウジングと、前記ハウジングに収容され、径方向に突出するベーンを有し、前記カムシャフト又は前記カムシャフトに連結する部材に固定されるベーンロータと、前記ハウジング内を前記ベーンロータによって画成して形成される少なくとも一対の進角室及び遅角室と、前記ベーンロータに設けられ、軸方向に摺動可能なロック部材と、前記ハウジングよりも高硬度材料で形成され、前記ロック部材が挿抜される係合穴を有し、かつ前記ハウジングに形成されたロック用穴に圧入固定されるロック穴部材と、を有し、前記挿通孔内周と前記カムシャフト又は前記カムシャフトに連結する部材の外周の少なくとも一方に、前記ロック用穴と前記挿通孔との間の前記ハウジングの部位が前記挿通孔の内周方向へ変形することを許容する逃がし溝を形成したこと
を特徴とする手段とした。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記逃がし溝は、前記挿通孔の内周において径方向で前記ロック用穴と重なる部分の周囲のみに形成され、前記挿通孔の内周のその他の部分は、前記カムシャフト又は前記カムシャフトに連結する部材の軸受として機能することを特徴とする手段とした。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記逃がし溝における周方向両端部には、所定のアールが形成されていることを特徴とする手段とした。
【0010】
【発明の作用および効果】
ロック穴部材をハウジングに形成したロック用穴に圧入する際、ロック穴部材はハウジングよりも高硬度であるために、ロック用穴の周辺の部位が塑性変形し、ロック用穴と挿通孔との間の部分は挿通孔の軸心方向に塑性変形する。
この場合、本発明では、この部位において、挿通孔内周と回転軸部の外周との少なくとも一方に逃がし溝を形成しているため、挿通孔内周において突出するように塑性変形した部位が回転軸部と干渉することがない。
よって、この干渉に基づく不具合、すなわち、組付時に回転軸部を挿通孔に挿通させる作業に手間がかかったり、この挿通が不可能となって不良品が発生したりすることを防止でき、また、作動時に干渉部位が抵抗となってハウジングと回転軸部との相対回動制御が上手く成されないことによる作動不良の発生を防止することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明にあっては、挿通孔を回転軸部の軸受として機能させている。この構造では、挿通孔と回転軸部との間のクリアランスを小さく設定する必要があるため、ロック部材圧入時にロック用穴の周辺が塑性変形すると、設定したクリアランスを形成することが難しくなるが、本発明では、逃がし溝がこの塑性変形を許容して、クリアランスを確実に保つことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明にあっては、逃がし溝の周方向両端部をアールを有した形状に形成したため、挿通孔が軸受として機能する際、回転軸部と逃がし溝部との間にカジリなど発生することが無く、滑らかな相対回転が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態)
図1は実施の形態の内燃機関のバルブタイミング制御装置を示す断面図、図2はその要部の分解斜視図である。
【0014】
両図において2はカムシャフトである。このカムシャフト2は、図外の吸気弁と排気弁の少なくとも一方を開閉駆動するもので、図1において左端部は、図外のエンジンに設けられたフロントカバー22に回転自在に支持されている。
【0015】
前記カムシャフト2は、前記ハウジング1から駆動力を伝達される。
このハウジング1は、筒状のシューハウジング4と、このシューハウジング4のカムシャフト2側を塞ぐとともに、特許請求の範囲の回転伝達部材を兼ねるスプロケット3と、前記シューハウジング4のカムシャフト2とは反対側を塞ぐフロントプレート5とにより構成されている。
すなわち、図2に示すように、前記スプロケット3に、3つのボルト13をそれぞれ締結するボルト穴3bが形成されているとともに、シューハウジング4およびフロントプレート5には、各ボルト穴3bと同軸にボルト挿通孔4b,5bが形成されている。したがって、前記ボルト13を各ボルト挿通穴4b,5bに挿通させてボルト穴3bに締結することにより、スプロケット3とシューハウジング4とフロントプレート5とが同軸に一体的に固定されている。
【0016】
前記スプロケット3は、図外のチェーンを介して図外のエンジン駆動軸としてのクランクシャフトから駆動力を伝達されてクランクシャフトと同期して回転する。なお、エンジン駆動軸から動力を伝達する部材としては、チェーンやベルトやギヤなどを用いることができ、よって、回転伝達部材としては、図示のスプロケットの他、ベルトで駆動されるプーリやギヤどうしで駆動されるギヤなどが考えられる。
また、前記スプロケット3の軸心部には、特許請求の範囲の挿通孔としての軸受孔31が貫通して形成され、この軸受孔31に、前記カムシャフト2が回動可能に支持されている。
なお、図示の例では、回転伝達部材としてのスプロケット3をハウジング1のカムシャフト2側を塞ぐ部材を兼ねる構成としたが、この回転伝達部材は、ハウジング1のどこに設けられていてもよく、カムシャフト2側とは反対側のフロントプレート5側やシューハウジング4の外周に設けてもよい。
【0017】
前記カムシャフト2と前記ハウジング1とは、相対回動可能に同軸に設けられているもので、以下に、この相対回動可能とする構成について説明する。前記カムシャフト2には、図1において中左端部に、前記ベーンロータ6がボルト7により一体的に締結固定されている。このベーンロータ6は、軸心部において略円柱形状を成すロータ部61と、このロータ部61から外径方向に突出して一体に設けられたベーン62とを備えている。また、各ベーン62の先端面には、軸方向に支持溝62aが形成され、各支持溝62aにシール部材66が装着されている。なお、前記シール部材66は、シール本体66sと、このシール本体66sを外径方向に付勢するばね部材66bとを備えている。一方、前記シューハウジング4の内部には、図2に示すように軸方向視で略扇形状を成す3つの空間部41が形成されている。そして、各空間部41には、前記ベーン62が収容され、このベーン62を挟んで周方向の両側に進角室81と遅角室82とが形成されている。したがって、進角室81に作動液を供給するとともに、遅角室82から作動液を排出させると、ベーンロータ6がシューハウジング4に対して進角室81の容積を拡大する方向に相対回動し、これによりカムシャフト2がスプロケット3に対して、相対的に進角方向に回動する。一方、前記遅角室82に作動液を供給するとともに、進角室81から作動液を排出させると、ベーンロータ6がシューハウジング4に対して遅角室82の容積を拡大する方向に相対回動し、これによりカムシャフト2がスプロケット3に対して遅角方向に相対的に回動する。
【0018】
なお、図示の例において回転伝達部材としてのスプロケット3は、ハウジング1において進角室81および遅角室82を封止する部材を兼ねているが、回転伝達部材は、これら両室81,82を封止する部材とは全く別体に形成してもよい。
また、図示の例では、進角室81と遅角室82とは、3対形成したが、これらは少なくとも一対あればよいもので、3対に限られるものではない。
【0019】
前記進角室81および遅角室82への作動液の給排は、流体給排手段としての前記電磁比例弁20およびポンプPにより成される。すなわち、前記ベーンロータ6とカムシャフト2とフロントカバー22とに跨って、進角室81から電磁比例弁20に至る進角側回路32と、遅角室82から電磁比例弁20に至る遅角側回路33とが接続されている。また、電磁比例弁20にはポンプPから作動液が供給される供給回路36と、タンクTに作動液を逃がす排出回路35とが接続されている。なお、前記ポンプPは、内燃機関を潤滑するために用いるオイルポンプであっても専用のポンプを設けてもかまわない。
【0020】
そして、前記電磁比例弁20は、遅角側回路33を供給回路36に接続するとともに進角側回路32を排出回路35に接続して遅角室82に作動液を供給するとともに進角室81から作動液を排出する図1に示す遅角作動ポジションと、各回路32,33,35,36を遮断して進角室81および遅角室82の作動液を保持させる保持ポジションと、遅角側回路33を排出回路35に接続するとともに進角側回路32を供給回路36に接続して進角室81に作動液を供給するとともに遅角室82から作動液を排出する進角作動ポジションとの3ポジションに切替可能に構成されている。
【0021】
なお、図1および図3に示すように、進角側回路32と3つの進角室81との接続は、カムシャフト2の端面において開口された進角側回路32の2つの開口232,232と、ベーンロータ6の端面においてベーンロータ6の回動範囲で前記開口232と重なる円弧形状に形成された円弧溝6taと、これら円弧溝6taと進角室81とを結んでベーンロータ6の端面に形成された径方向溝6tbとにより成されている。
一方、遅角側回路33と3つの遅角室82との接続は、カムシャフト2の端面において開口された遅角側回路33の2つの開口233,233と、ベーンロータ6を最遅角位置に配置させたときに開口233と重なる位置においてベーンロータ6の軸方向に穿設された軸方向孔6za,6zbと、一方の軸方向孔6zaと2つの遅角室82を結んで貫通形成された貫通孔6kaと、もう一方の軸方向孔6zbと残りの遅角室82を結んで形成された貫通孔6kbとにより成される。ちなみに、前記軸方向孔6za,6zbは、ベーンロータ6の回動範囲で前記開口233と常時連通されるように、カムシャフト2の端面とベーンロータ6の端面との少なくとも一方に円弧状の溝が形成されている。
【0022】
さらに、本実施の形態にあっては、流体給排手段としての電磁比例弁20およびポンプPが非作動状態であるときに、ベーンロータ6をスプロケット3に対して所定の位置に保持するロックピン91およびロック穴部材92が設けられている。すなわち、前記ロックピン91はベーンロータ6のベーン62の1つにおいて軸方向に穿設された摺動穴63に摺動自在に支持されている。一方、前記スプロケット3には、円形のロック用穴3hが図4の断面図に示すように所定の深さに形成され、このロック用穴3hには、スプロケット3よりも高硬度の素材により前記ロックピン91を挿通可能な内径の挿通孔92hを有した有底筒状に形成されたロック穴部材92がきつく嵌合されている。したがって、図4に示すように、ロックピン91がロック穴部材92に差し込まれると、スプロケット3とベーンロータ6は相対回動不可能な状態となる。なお、このようにロックピン91がロック穴部材92に差し込まれて係合した状態をロック状態と称し、ロック穴部材92から離脱して係合していない状態をロック解除状態と称することにする。なお、図示の例では、ロック部材として円筒形状のロックピン91を示したが、その形状は、円筒形状に限られず、多角形形状のものでもかまわない。また、ロック穴部材92は、図示の例では有底筒状のものを示したが、有底筒状のものに限られず、リング形状のものであってもかまわない。
【0023】
前記ロックピン91のロック状態とロック解除状態との切り替えは、リターンスプリング94および遅角室82に供給される油圧により行われる。
すなわち、前記ロックピン91は、内周に係合穴91hを有した筒状に形成されているとともに、基端部にフランジ91fが形成されている。一方、前記ベーンロータ6に形成された摺動穴63には、前記ロックピン91のフランジ91fと係合する段部63dが形成され、さらに、前記摺動穴63の内径と略同径の外径を有して前記フロントプレート5に突き当てられた頭部93hと、前記ロックピン91の係合穴91hに差し込まれた軸部93rとを有したリテーナ93が設けられている。
【0024】
そして、リテーナ93の頭部93hと前記係合穴91hの底部との間に、前記ロックピン91を前記ロック状態方向に付勢するリターンスプリング94が設けられている。
また、前記ロックピン91は、遅角室82の液圧がフランジ91fの部分に図3に示す貫通孔6tcにより導かれ、かつ、進角室81の液圧がベーンロータ6の端面に設けられた図示を省略した連通溝を介して導かれる。
【0025】
したがって、ポンプPが非駆動状態で両室81,82に圧力が供給されていないときには、ロックピン91はリターンスプリング94の付勢力によりロック状態方向に付勢される。よって、ベーンロータ6が図3に示す遅角位置に配置されたときには、ロックピン91の先端部が、図4に示すようにロック穴部材92に挿入されて、ベーンロータ6とスプロケット3との相対回動が規制される。また、図外のエンジンを駆動させてポンプPに圧力が発生され、かつ、電磁比例弁20が図1に示す遅角作動ポジションとなっているときには、ポンプPで発生された液圧が、遅角側回路33を介して遅角室82に導入され、この液圧によりロックピン91は、図5に示すように、リターンスプリング94の付勢力に抗してロック解除ポジションに摺動する。したがって、ベーンロータ6とスプロケット3との相対回動が可能となる。なお、進角室81に圧力が供給されてベーンロータ6が遅角位置から回動したときには、進角室81の液圧が貫通孔6tcを介してロックピン91のフランジ部91fの位置に供給されてロック解除ポジションに維持される。なお、ロックピン91とロック穴部材92とのロックを解除する手段としては、図示の例では、油圧で行うものを示したが、これに限らず、電磁力などの他の手段を用いて係脱させるものを用いてもよい。
【0026】
次に、本実施の形態における特徴的な構成について説明する。図6において(a)は本実施の形態におけるスプロケット3の要部の組付前の状態を示す正面図であり、(b)は(a)におけるSb−Sb線における断面図である。この図6に示すように、前記スプロケット3の軸受孔31においてロック用穴3hと径方向で重なる部位Bに逃がし溝31sが形成されている。この逃がし溝31sは、スプロケット3を型成形する際に、同時に形成するのが加工手間を削減できるため好ましいが、成形後に切削加工などにより形成してもよい。前記逃がし溝31sは、その周方向の両端部31aが、アールを有した形状に形成されている。また、この逃がし溝31sにおいて、最もロック用穴3hに近い位置における深さhは、ロック用穴3hにロック穴部材92を嵌合させたときに、スプロケット3において軸受孔31とロック用穴3hとの間に位置する部位Bが軸受孔31の方向に変形したときに、この逃がし溝31sの端面が軸受孔31の一般部における内周径rよりも軸心方向に突出することが無い深さに設定されている。
【0027】
したがって、本実施の形態にあっては、ロック穴部材92をロック用穴3hと嵌合させてロック用穴3hの周囲が塑性変形したときに、軸受孔31とロック用穴3hとの間の部位Bが軸受孔31の一般部の内径を越えて内周方向に突出することが無く、カムシャフト2を軸受孔31に挿入して軸受状態とした時に、軸受孔31の内周とカムシャフト2の外周との間の寸法を、軸受として機能するのに適正な値とすることができる。
また、逃がし溝31sは、その周方向両端部31aを、アールを有した形状に形成したため、軸受孔31がカムシャフト2の軸受として機能する際、カムシャフト2と逃がし溝31sとの間にカジリなど発生することが無く、滑らかな相対回転が可能となる。
【0028】
なお、逃がし溝31sの形状としては、図示したように両端部が湾曲面形状に形成されている形状に限定されるものではなく、両端部が角部を有する形状としてもよい。また、図示の例では、挿通孔としての軸受孔31が軸受として機能するように、逃がし溝31sは、軸受孔31の全周の一部のみに逃がし溝31sを設けた。しかし、挿通孔をカムシャフト2あるいはベーンロータ6の回転軸部を挿通させるだけの機能しか持たせない場合には、逃がし溝31sを挿通孔の内周の全周に亘って設けてもよい。
【0029】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
例えば、挿通孔としての軸受孔31に挿通される回転軸部として実施の形態では、カムシャフト2を示したが、この挿通孔に挿通される部材は、カムシャフト2に限らず、ベーンロータ6側からの延長した回転軸部であってもよい。
さらに、実施の形態では、挿通孔として回転軸部としてのカムシャフト2を支持する軸受孔31を示したが、この挿通孔は、要は回転軸部を挿通していればよいもので、軸受としての機能を有していなくてもよい。
また、逃がし溝は、実施の形態では、ハウジング1側の挿通孔としての軸受孔31に形成した例を示したが、要は、ロック用穴3hにロック穴部材92を嵌合させたときの変形を許容できればよいから、カムシャフト2などの回転軸部側に設けてもよいし、あるいは、両方、すなわち挿通孔と回転軸部の両方に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態の内燃機関のバルブタイミング制御装置を示す断面図である。
【図2】実施の形態の内燃機関のバルブタイミング制御装置を示す分解斜視図である。
【図3】実施の形態の内燃機関のバルブタイミング制御装置の要部を示す正面図である。
【図4】実施の形態の内燃機関のバルブタイミング制御装置のロック状態を示す断面図である。
【図5】実施の形態の内燃機関のバルブタイミング制御装置のロック解除状態を示す断面図である。
【図6】(a)は本実施の形態におけるスプロケット3の要部の組付前の状態を示す正面図であり、(b)は(a)におけるSb−Sb線における断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 カムシャフト
232開口
233 開口
3 スプロケット
3b ボルト穴
3h ロック用穴
31 軸受孔
31s 逃がし溝
4 シューハウジング
4b ボルト挿通孔
41 空間部
5 フロントプレート
5b ボルト挿通孔
6 ベーンロータ
6ka 貫通孔
6kb 貫通孔
6ta 円弧溝
6tb 径方向溝
6tc 貫通孔
6za 軸方向孔
6zb 軸方向孔
61 ロータ部
62 ベーン
62a 支持溝
63 摺動穴
63d 段部
66 シール部材
66b ばね部材
66s シール本体
7 ボルト
13 ボルト
20 電磁比例弁
22 フロントカバー
32 進角側回路
33 遅角側回路
35 排出回路
36 供給回路
81 進角室
82 遅角室
91 ロックピン
91f フランジ
91h 係合穴
92 ロック穴部材
92h 挿通孔
93 リテーナ
93h 頭部
93r 軸部
94 リターンスプリング
B 部分
P ポンプ
T タンク
Claims (3)
- 内燃機関の駆動軸から回転が伝達される回転伝達部材と、
前記回転伝達部材が設けられ、カムシャフト又は前記カムシャフトに連結する部材を挿入する挿通孔を有するハウジングと、
前記ハウジングに収容され、径方向に突出するベーンを有し、前記カムシャフト又は前記カムシャフトに連結する部材に固定されるベーンロータと、
前記ハウジング内を前記ベーンロータによって画成して形成される少なくとも一対の進角室及び遅角室と、
前記ベーンロータに設けられ、軸方向に摺動可能なロック部材と、
前記ハウジングよりも高硬度材料で形成され、前記ロック部材が挿抜される係合穴を有し、かつ前記ハウジングに形成されたロック用穴に圧入固定されるロック穴部材と、を有し、
前記挿通孔内周と前記カムシャフト又は前記カムシャフトに連結する部材の外周の少なくとも一方に、前記ロック用穴と前記挿通孔との間の前記ハウジングの部位が前記挿通孔の内周方向へ変形することを許容する逃がし溝を形成したこと
を特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記逃がし溝は、前記挿通孔の内周において径方向で前記ロック用穴と重なる部分の周囲のみに形成され、前記挿通孔の内周のその他の部分は、前記カムシャフト又は前記カムシャフトに連結する部材の軸受として機能することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
- 請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記逃がし溝における周方向両端部には、所定のアールが形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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