JP2001121024A - 自走式破砕機の油圧駆動装置 - Google Patents

自走式破砕機の油圧駆動装置

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JP2001121024A
JP2001121024A JP30621299A JP30621299A JP2001121024A JP 2001121024 A JP2001121024 A JP 2001121024A JP 30621299 A JP30621299 A JP 30621299A JP 30621299 A JP30621299 A JP 30621299A JP 2001121024 A JP2001121024 A JP 2001121024A
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JP
Japan
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crushing
pilot
hydraulic
pressure
hydraulic motor
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JP30621299A
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English (en)
Inventor
Masamichi Tanaka
正道 田中
Arimasa Oonami
有正 大南
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】破砕装置停止後の不動性を確保しつつ、停止の
際には破砕装置を滑らかに停止させる。 【解決手段】コントローラ33からの正転・逆転制御信
号Sb,Saに応じて切り換えられ、正転用又は逆転用パ
イロット圧を生成し出力する電磁比例弁32と、正転用
パイロット圧を導く第1正転用パイロット管路35a,
35b及び第2正転用パイロット管路35a,35c
と、逆転用パイロット圧を導く逆転用パイロット管路3
6a,36b,36cと、可変容量型の破砕用油圧モー
タ12の斜板12aの傾転角を駆動調整する油圧駆動の
シリンダ装置23と、逆転用パイロット圧をシリンダ装
置23へ導く容量調整用パイロット管路37とを設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロールクラッシ
ャ、シュレッダ等、被破砕物を破砕する破砕装置を備え
た自走式破砕機の油圧駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】破砕機は、例えばビル解体時に搬出され
るコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファル
ト塊などの建設現場で発生する大小さまざまな岩石・建
設廃材、あるいは産業廃棄物、及び自然石等を、運搬す
る前にその作業現場で所定の大きさに破砕するものであ
る。このような破砕機において、破砕プラントの用地確
保の困難化あるいは用地の分散化等の背景に基づき、破
砕機を自力走行可能として機動性を持たせた自走式破砕
機が既に提唱されている。
【0003】この自走式破砕機は、左・右の無限軌道履
帯を備えた走行体と、その上部に設けられた破砕装置
と、その下方に設けられたコンベアとを備えており、例
えば破砕機上部のホッパに投入された被破砕物は、破砕
装置で所定の大きさに破砕された後、その破砕物は破砕
装置下部の空間からコンベア上に落下して運搬され、最
終的にある程度大きさが揃えられて破砕機の前部又は後
部から搬出される。
【0004】このとき、前記の無限軌道履帯、破砕装
置、及びコンベアは、それぞれに対応する油圧駆動のア
クチュエータによって駆動動作される。すなわち、これ
ら油圧アクチュエータを含む自走式破砕機の油圧駆動装
置は、例えば、1つの原動機によって駆動される可変容
量型の少なくとも1つの油圧ポンプと、この油圧ポンプ
から吐出される圧油によりそれぞれ駆動され、前記無限
軌道履帯、破砕装置、及びコンベアをそれぞれ駆動する
走行用油圧モータ、破砕用油圧モータ、及びコンベア用
油圧モータと、前記油圧ポンプからそれら油圧モータに
供給される圧油の方向及び流量を制御する複数のコント
ロールバルブ等から構成されており、前記油圧ポンプか
ら吐出された圧油は、各コントロールバルブを介して各
油圧モータに供給されるようになっている。
【0005】ところで、近年、再生資源促進法(いわゆ
るリサイクル法)の施行(平成3年10月)といった廃
棄物再利用促進の背景の下、被破砕物としてきわめて種
々雑多なものが混入される傾向となっており、破砕装置
の種類によっては投入されたとき十分に粉砕されず、破
砕装置からの外力で複雑多岐に折れ曲がった形状となる
だけで破砕装置下方に排出される場合がある。このよう
な場合は、破砕装置下部の排出口とその下方のコンベア
との間でその折れ曲がった被破砕物が滞留したり、ある
いはコンベア上に落下し運搬され始めた直後に付近の構
造物に引っかかって滞留したりする可能性がある。もし
このような滞留が発生した場合には、すみやかに破砕装
置の動作を停止し、その被破砕物の滞留(詰まり)を取
り除く等の作業を行う必要がある。このようなメンテナ
ンス作業は、作業員が直接破砕装置下方の空間に侵入し
て行う。このメンテナンス作業は前述のように破砕装置
を停止した状態で行うが、作業員が破砕装置に接触した
ときにそのはずみで破砕装置が動作してしまうと安全上
好ましくない。
【0006】そこで、これに対応して、例えば特開平1
1−156226号公報や、特開平11−226446
号公報に記載のように、前述した自走式破砕機の油圧駆
動装置において、破砕用油圧モータへの圧油を制御する
破砕用コントロールバルブを、破砕用油圧モータを停止
させる中立位置において前記破砕用油圧モータへの圧油
供給管路と前記破砕用油圧モータからの圧油排出管路と
を遮断する遮断型のバルブとしたものが提唱されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術は、破
砕用コントロールバルブの中立位置では、前記破砕用油
圧モータへの圧油供給管路と前記破砕用油圧モータから
の圧油排出管路とを遮断することにより、破砕用油圧モ
ータの停止後には、その停止位置から外力によって一切
動かないようにブロックする(不動性を確保する)もの
である。
【0008】しかしながら、この従来技術では、以下の
ような課題が存在する。前述した破砕装置の動作中に、
破砕装置の破砕能力を上回る大きさ又は量の被破砕物あ
るいは破砕不可能な異物が投入されると、破砕装置にそ
の被破砕物が詰まってしまい、破砕装置の停止や破損を
招く可能性がある。そのため、破砕装置への被破砕物の
適正な供給を行うことが重要である。ここで、破砕装
置、及びコンベア等の機器は、例えば操作盤に設けられ
たボタン、スイッチ、及びダイヤル等によってその駆動
を制御されるが、上記のように破砕装置への適正な供給
の観点から操作盤によって行われる操作の例として、例
えば以下の2つがある。
【0009】破砕装置の破砕能力を上回る大きさの被
破砕物や破砕不可能な異物が破砕装置へ投入された場
合、操作盤の「停止ボタン」「正転ボタン」「逆転ボタ
ン」を押して、破砕装置に、正転動作、停止、逆転動作
を繰り返させ、これによって破砕装置を復帰させる。 その他の供給異常が発生した場合に、操作盤の「非常
停止ボタン」を押して破砕装置を緊急停止させる。
【0010】これらのように破砕装置を停止操作する場
合、上記従来技術では破砕用コントロールバルブが中立
位置に切り換えられることとなるが、この場合、前述し
たように、前記破砕用油圧モータへの圧油供給管路と前
記破砕用油圧モータからの圧油排出管路とが遮断される
こととなる。しかしながら、一般に、破砕用油圧モータ
により回転駆動される破砕装置は重量物であり大きな慣
性を備えた慣性体であるため、上記のように圧油供給管
路や圧油排出管路を遮断しても、その慣性によってしば
らくは回転動作し続けようとする。そのため、圧油供給
管路と遮断された圧油排出管路には著しく高い背圧(サ
ージ圧)が立つこととなり、その配管系に悪影響を与え
耐久性を低下させる可能性がある。また、破砕装置が急
激に停止して動作がぎくしゃくすることによりその他の
各構造部材に悪影響を与え耐久性を低下させる可能性も
ある。
【0011】本発明は、上記の問題に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、破砕装置停止後の不動性を確保
しつつ、停止の際には破砕装置を滑らかに停止させるこ
とができる自走式破砕機の油圧駆動装置を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、被破砕物を破砕装置で破砕する自
走式破砕機に設けられ、少なくとも1つの油圧ポンプか
ら吐出される圧油を少なくとも1つの破砕用コントロー
ルバルブで制御しつつ、前記破砕装置を駆動する破砕用
油圧モータへ供給する自走式破砕機の油圧駆動装置にお
いて、前記破砕用コントロールバルブは、前記破砕用油
圧モータを停止させる中立位置では、前記破砕用油圧モ
ータへの圧油供給管路と前記破砕用油圧モータからの圧
油排出管路とを遮断する遮断型のバルブであり、かつ、
前記破砕用コントロールバルブが非中立位置から前記中
立位置へと復帰するときに、少なくとも前記中立位置に
なる直前において復帰動作速度を緩和する復帰緩和手段
を設ける。
【0013】破砕装置を動作させるときには、油圧ポン
プからの吐出圧油を破砕用コントロールバルブで制御し
つつ圧油供給管路を介して破砕用油圧モータへ供給し、
破砕用油圧モータを駆動する。このとき、破砕用油圧モ
ータからの戻り油は圧油排出管路を介し排出される。破
砕装置を停止するときには、破砕用コントロールバルブ
を中立位置にすると、吐出圧油が圧油供給管路へ供給さ
れなくなり、破砕用油圧モータが停止する。本発明にお
いては、破砕用コントロールバルブとして遮断型のバル
ブを用いることにより、中立位置において圧油供給管路
と圧油排出管路とを遮断し、停止後には破砕用油圧モー
タの動作をブロックできるので、破砕装置停止後の不動
性を確保できる。したがって、例えばメンテナンス作業
時に作業員が破砕装置に接触したとしてもそのはずみで
破砕装置が動作してしまうとことはなく、安全性を確保
できる。
【0014】さらに、上記のように破砕装置停止のため
に破砕用コントロールバルブを非中立位置から中立位置
に復帰させるとき、本発明においては、復帰緩和手段に
よって、少なくとも中立位置になる直前において復帰動
作速度を緩和する。これによって、圧油供給管路への吐
出圧油の供給は急激に停止するのではなく、供給停止と
なる直前においてその供給量減少の度合いが緩和され、
圧油供給量が徐々に低減していくようになる。これによ
り、破砕用油圧モータを急激に駆動停止させず滑らかに
停止させることができるので、破砕装置を滑らかに動作
停止させることができる。したがって、破砕用油圧モー
タに係わる配管系やその他の構造部材の耐久性を向上で
きる。
【0015】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記破砕用コントロールバルブは、パイロット圧が導か
れるパイロット駆動部を備えた油圧パイロット方式のバ
ルブであり、前記復帰緩和手段は、少なくとも前記中立
位置になる直前において前記復帰動作速度を緩和するよ
うに前記パイロット圧を出力するパイロット圧制御手段
である。
【0016】(3)上記(2)において、さらに好まし
くは、前記パイロット圧制御手段は、少なくとも前記中
立位置になる直前において前記復帰動作速度を緩和する
ように前記パイロット圧を出力するような制御信号を出
力する制御信号出力手段と、前記制御信号に応じたパイ
ロット圧を生成し出力するパイロット圧生成手段と、前
記パイロット圧を前記パイロット駆動部へ導くパイロッ
ト管路とを備えている。
【0017】(4)上記目的を達成するために、本発明
はまた、被破砕物を破砕装置で破砕する自走式破砕機に
設けられ、少なくとも1つの油圧ポンプから吐出される
圧油を少なくとも1つの破砕用コントロールバルブで制
御しつつ、前記破砕装置を駆動する可変容量型の破砕用
油圧モータへ供給する自走式破砕機の油圧駆動装置にお
いて、前記破砕用コントロールバルブは、前記破砕用油
圧モータを停止させる中立位置では、前記破砕用油圧モ
ータへの圧油供給管路と前記破砕用油圧モータからの圧
油排出管路とを遮断する遮断型のバルブであり、かつ、
前記破砕用油圧モータが停止するときに、少なくとも停
止する直前において前記破砕用油圧モータの容量を大き
くする容量増大手段を設ける。
【0018】破砕装置を動作させるときには、油圧ポン
プからの吐出圧油を破砕用コントロールバルブで制御し
つつ圧油供給管路を介して破砕用油圧モータへ供給し、
破砕用油圧モータを駆動する。このとき、破砕用油圧モ
ータからの戻り油は圧油排出管路を介し排出される。破
砕装置を停止するときには、破砕用コントロールバルブ
を中立位置にすると、吐出圧油が圧油供給管路へ供給さ
れなくなり、破砕用油圧モータが停止する。本発明にお
いては、破砕用コントロールバルブとして遮断型のバル
ブを用いることにより、中立位置において圧油供給管路
と圧油排出管路とを遮断し、停止後には破砕用油圧モー
タの動作をブロックできるので、破砕装置停止後の不動
性を確保できる。したがって、例えばメンテナンス作業
時に作業員が破砕装置に接触したとしてもそのはずみで
破砕装置が動作してしまうとことはなく、安全性を確保
できる。
【0019】ここで、上記のように破砕装置を停止させ
るときには、破砕用コントロールバルブを非中立位置か
ら中立位置に復帰させることとなる。この中立位置で前
記のように圧油供給管路と圧油排出管路とを遮断する
と、破砕装置は大きな慣性を備えた慣性体であるためし
ばらくは回転動作し続けようとし、圧油排出管路には著
しく高い背圧(サージ圧)が立つこととなる。そこで、
本発明においては、容量増大手段によって、破砕用油圧
モータが停止する直前において破砕用油圧モータの容量
を大きくする。これによって、停止直前には破砕用油圧
モータを駆動する力が小さくなって破砕用油圧モータが
減速されているので、上記停止時のサージ圧が緩和され
る。したがって、破砕用油圧モータを急激に駆動停止さ
せず滑らかに停止させることができ、破砕装置を滑らか
に動作停止させることができるので、破砕用油圧モータ
に係わる配管系やその他の構造部材の耐久性を向上でき
る。
【0020】(5)上記目的を達成するために、本発明
はさらに、ホッパから投入された被破砕物を破砕装置で
破砕する自走式破砕機に設けられ、原動機により駆動さ
れる第1及び第2油圧ポンプと、傾転角が変化可能な斜
板を備え、前記第1及び第2油圧ポンプから吐出される
圧油により前記破砕装置を駆動する可変容量型の破砕用
油圧モータと、前記第1及び第2油圧ポンプから前記破
砕用油圧モータに供給される圧油の方向・流量をそれぞ
れ制御する油圧パイロット方式の第1コントロールバル
ブ及び第2コントロールバルブとを有する自走式破砕機
の油圧駆動装置において、前記破砕用油圧モータが正転
動作する側の圧油供給管路に接続された圧力センサと、
前記圧力センサの検出圧力に応じ、前記破砕用油圧モー
タを前記正転動作又は逆転動作させるための正転制御信
号又は逆転制御信号を出力するコントローラと、前記正
転制御信号又は前記逆転制御信号に応じて切り換えら
れ、油圧源からの圧力を用いて正転用パイロット圧又は
逆転用パイロット圧を生成し出力する電磁比例弁と、前
記正転用パイロット圧を前記第1コントロールバルブ及
び前記第2コントロールバルブへそれぞれ導く第1正転
用パイロット管路及び第2正転用パイロット管路と、前
記逆転用パイロット圧を前記第1コントロールバルブへ
導く逆転用パイロット管路と、前記破砕用油圧モータの
前記斜板の傾転角を駆動調整する油圧駆動のシリンダ装
置と、前記逆転用パイロット圧を前記シリンダ装置へ導
く容量調整用パイロット管路とを有し、前記第1コント
ロールバルブは、前記正転用パイロット管路から前記正
転用パイロット圧が導入されたときは、前記第1油圧ポ
ンプからの圧油を前記破砕用油圧モータが正転動作する
側の圧油供給管路へ供給する正転用導通位置に切り換え
られるとともに、前記逆転用パイロット管路から逆転用
パイロット圧が導入されたときは、前記第1油圧ポンプ
からの圧油を前記破砕用油圧モータが逆転動作する側の
圧油供給管路へ供給する逆転用導通位置に切り換えら
れ、前記第2コントロールバルブは、前記正転用パイロ
ット管路から正転用パイロット圧が導入されたときは、
前記第2油圧ポンプからの圧油を前記破砕用油圧モータ
が正転動作する側の圧油供給管路へ供給する導通位置に
切り換えられ、前記正転用パイロット圧が導入されない
ときは、前記第2油圧ポンプからの圧油を前記破砕用油
圧モータへ供給しない遮断位置に切り換えられる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を用いて説明する。図1は、本発明の適用対象である
自走式破砕機の全体構造を表す側面図であり、図2は、
図1に示した自走式破砕機の上面図である。
【0022】これら図1及び図2において、自走式破砕
機1は、例えば油圧ショベルのバケット等の作業具によ
り被破砕物(例えばビル解体時に搬出されるコンクリー
ト塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊などの建
設現場で発生する大小さまざまな岩石・建設廃材、ある
いは産業廃棄物、及び自然石等、以下適宜、岩石・建設
廃材等という)が投入され、その岩石・建設廃材等を受
け入れるホッパ2、及びホッパ2に受け入れた岩石・建
設廃材等を所定の大きさに破砕し下方へ排出する破砕装
置(この例では2軸シュレッダ)3を搭載した破砕機本
体4と、この破砕機本体4の下方に設けられた走行体5
と、前記の破砕装置3で破砕され下方へ排出された破砕
物を受け入れて破砕機1の後方側(図1及び図2中右
側)に運搬し搬出するコンベア6とを有する。
【0023】前記の走行体5は、トラックフレーム7
と、走行手段としての左・右無限軌道履帯8とを備えて
いる。トラックフレーム7は、例えば略長方形の枠体に
よって形成され、前記破砕装置3、前記ホッパ2、及び
パワーユニット15(後述)等を載置する破砕機取付け
部7Aと、この破砕機取付け部7Aと前記の左・右無限
軌道履帯8とを接続する脚部(図示せず)とから構成さ
れる。また無限軌道履帯8は、駆動輪9aとアイドラ9
bとの間に掛け渡されており、駆動輪9a側に設けられ
た左・右走行用油圧モータ10によって駆動力が与えら
れることにより破砕機1を走行させるようになってい
る。
【0024】前記の破砕装置3は、図1及び図2に示す
ように、トラックフレーム破砕機取付け部7Aの長手方
向前方側(図1及び図2中左側)端部に搭載されてお
り、前記ホッパ2は、破砕装置3のさらに上部に配置さ
れている。
【0025】この破砕装置3は、2軸せん断機(いわゆ
るシュレッダ)であり、スペーサ3aを介しカッタ3b
を櫛歯状に所定間隔で取り付けた2つの回転軸(図示せ
ず)を、互いに略平行でかつカッタ3bが交互に噛み合
うように配置している。そして、それら回転軸を互いに
逆方向へ回転させることにより、ホッパ2より供給され
た岩石・建設廃材等をカッタ3b,3bの間に噛み込ん
で細片状にせん断し、所定の大きさに破砕するようにな
っている。このとき、前記回転軸への駆動力は、トラッ
クフレーム破砕機取付け部7A上の破砕装置3より後方
側(すなわちトラックフレーム破砕機取付け部7Aの長
手方向中間部)に設けた駆動装置11内の油圧モータ1
2から与えられる。
【0026】前記のコンベア6は、搬送側(破砕機後方
側、図1及び図2中右側)部分が支持部材(図示せず)
を介し後述のパワーユニット15に吊り下げ支持されて
いる。また、反搬送側(破砕機前方側、図1及び図2中
左側)部分は、トラックフレーム破砕機取付け部7Aよ
りも下方に位置し、支持部材(図示せず)を介し、トラ
ックフレーム破砕機取付け部7Aから吊り下げられるよ
うに支持されている。このコンベア6は、コンベア用油
圧モータ13(図2参照)によってベルト6a(同)を
駆動し、これによって破砕装置3からベルト6a上に落
下してきた破砕物を運搬するようになっている。
【0027】前記のトラックフレーム破砕機取付け部7
Aの長手方向後方側(図1、図2中右側)端部の上部に
は、パワーユニット積載部材14を介し、パワーユニッ
ト15が搭載されている(図1参照)。
【0028】このパワーユニット15は、前記の左・右
走行用油圧モータ10、クラッシャ用油圧モータ12、
及びコンベア用油圧モータ13等の油圧アクチュエータ
へ圧油を吐出する油圧ポンプ17,18(図示せず、後
述の図3参照)と、この油圧ポンプを駆動する原動機と
してのエンジン16(同)と、前記油圧ポンプから前記
油圧アクチュエータへ供給される圧油の流れをそれぞれ
制御する複数のコントロールバルブ20,21(同)を
備えた制御弁装置(図示せず)とを内蔵している。
【0029】また、パワーユニット15の前方側(図1
及び図2中左側)には、操作者が搭乗する運転席16が
設けられており、操作者がこの運転席16に立つことに
より、破砕作業中において破砕装置3による破砕状況を
ある程度監視することができるようになっている。
【0030】ここで、上記破砕装置3、コンベア6、及
び走行体5は、この自走式破砕機1に備えられる油圧駆
動装置によって駆動される被駆動部材を構成している。
図3は、本発明の自走式破砕機の油圧駆動装置の一実施
の形態のうち、前記破砕用油圧モータ12に係わる要部
構成を表す油圧回路図である。
【0031】この図3において、油圧駆動装置は、上記
エンジン16と、このエンジン16によって駆動される
可変容量型の上記第1油圧ポンプ17及び上記第2油圧
ポンプ18と、同様にエンジン16によって駆動される
固定容量型のパイロットポンプ19と、第1及び第2油
圧ポンプ17,18から吐出される圧油がそれぞれ供給
される前記破砕用油圧モータ12と、第1及び第2油圧
ポンプ17,18から前記破砕用油圧モータ12に供給
される圧油の流れ(方向及び流量)を制御する第1及び
第2コントロールバルブ20,21と、破砕機本体4
(例えば前記の運転席16内)に設けられ、破砕装置
3、コンベア6等の始動・停止を操作者が指示入力して
操作するための操作盤22とを有している。
【0032】破砕用油圧モータ12は、前述のように破
砕装置3動作用の駆動力を発生するものであり、斜板1
2aの傾転角が変化することにより容量が変化可能な可
変容量型のモータとなっている。この斜板12aの傾転
角は、油圧駆動のシリンダ装置23によって駆動調整さ
れる。すなわち、シリンダ装置23は、斜板12aに連
結されたロッド部23aと、ロッド部23aを図3中左
側方向に付勢するばね部材23bと、ボトム側油室23
cとを備えており、後述の容量調整用パイロットライン
37を介しボトム側油室23cに圧油が導入されるとば
ね部材23bの付勢力に抗して斜板12aの傾転角を小
さくし、ボトム側油室23cに圧油が導入されなくなる
とばね部材23bの付勢力によって斜板12aの傾転角
を大きくするようになっている。
【0033】第1及び第2コントロールバルブ20,2
1はともに3位置切換弁であり、第1コントロールバル
ブ20は第1油圧ポンプ17の吐出管路24に設けられ
て第1油圧ポンプ17から破砕用油圧モータ12へ供給
される圧油を制御し、第2コントロールバルブ21は第
2油圧ポンプ18の吐出管路25に設けられて第2油圧
ポンプ18から破砕用油圧モータ12へ供給される圧油
を制御するようになっている。なおこのとき、第1油圧
ポンプ吐出管路24に第1コントロールバルブ20の下
流側で接続される正転側圧油供給管路26(又は逆転側
圧油供給管路27)と、第2油圧ポンプ吐出管路25に
第2コントロールバルブ21の下流側で接続される正転
側圧油供給管路28(又は逆転側圧油供給管路29)と
は、下流側で合流し、1つの正転側圧油供給管路30
(又は逆転側圧油供給管路31)となって圧油を破砕用
油圧モータ12へと圧油を導くようになっている。
【0034】上記第1及び第2コントロールバルブ2
0,21はそれぞれ、両端にパイロット駆動部20a,
20b及び21a,21bを備え、パイロット圧を用い
て操作されるセンターバイパス型のパイロット操作弁で
あり、前記パイロットポンプ19で発生された圧力を用
いて電磁比例弁32で生成されたパイロット圧により操
作される。この電磁比例弁32は、両端にソレノイド駆
動部32a,32bを備えており、ソレノイド駆動部3
2a,32bには、コントローラ33からの駆動制御信
号Sa(破砕用油圧モータ12の正転方向への駆動に対
応),Sb(破砕用油圧モータ12の逆転方向への駆動
に対応)で駆動されるソレノイドがそれぞれ設けられて
いる。そして、電磁比例弁32はその正転制御信号Sa
又は逆転制御信号Sbの入力に応じて切り換えられ、さ
らにそれら信号Sa,Sbの駆動電流の大きさに応じて比
例的にその切り換えられるときの開度が決まるようにな
っている。
【0035】すなわち、コントローラ33から比例弁ソ
レノイド駆動部32aに正転制御信号Saが出力される
と、電磁比例弁32がその駆動電流値に応じた開度で図
3中右側の切換位置32Aに切り換えられる。これによ
り、パイロットポンプ19からの圧油がその吐出管路3
4及び切換位置32Aを経て電磁比例弁32下流側の正
転用パイロットライン35a〜cへと導かれ、これらを
介し、正転用パイロット圧として第1コントロールバル
ブ20のパイロット駆動部20a及び第2コントロール
バルブ21のパイロット駆動部21aへと導かれる。ま
た同時に、逆転用パイロットライン36a〜c(詳細は
後述)及び上記容量調整用パイロットライン37(同)
内の圧力はタンク管路38を介しすべてタンク39の圧
力(タンク圧)と等しくなる。これにより、第1コント
ロールバルブ20は図3中右側の切換位置20Aに切り
換えられ、第1油圧ポンプ17からの圧油が吐出管路2
4、第1コントロールバルブ切換位置20A、及び正転
側圧油供給管路26を介して正転側圧油供給管路30に
導入されるが、このとき同時に、第2コントロールバル
ブ21も図3中右側の切換位置21Aに切り換えられ、
第2油圧ポンプ18からの圧油が吐出管路25、第2コ
ントロールバルブ切換位置21A、及び正転側圧油供給
管路28を介して正転側圧油供給管路39に導入され、
正転側圧油供給管路30において前述の第1油圧ポンプ
17からの圧油と合流する。この合流した2ポンプ分の
圧油が破砕用油圧モータ12に供給され、破砕用油圧モ
ータ12が正転方向(順方向)に駆動される。
【0036】一方、コントローラ33から比例弁ソレノ
イド駆動部32bに逆転制御信号Sbが出力されると、
電磁比例弁32がその駆動電流値に応じた開度で図3中
左側の切換位置32Bに切り換えられる。これにより、
パイロットポンプ19からの圧油がその吐出管路34及
び切換位置32Bを経て電磁比例弁32下流側の逆転用
パイロットライン36a〜cへと導かれ、これらを介
し、逆転用パイロット圧として第1コントロールバルブ
20のパイロット駆動部20b及び第2コントロールバ
ルブ21のパイロット駆動部21bへと導かれ、同時に
前記正転用パイロットライン35a〜c内の圧力はタン
ク管路38を介しすべてタンク39の圧力と等しくな
る。これにより、第1コントロールバルブ20は図3中
左側の切換位置20Bに切り換えられ、第1油圧ポンプ
17からの圧油が吐出管路24、第1コントロールバル
ブ切換位置20B、及び逆転側圧油供給管路27を介し
て逆転側圧油供給管路31に導入され、同時に第2油圧
ポンプ18からの圧油が吐出管路25、第2コントロー
ルバルブ切換位置21B、及び逆転側圧油供給管路29
を介し逆転側圧油供給管路31に導入され、第1油圧ポ
ンプ17からの圧油と合流する。この2ポンプ分の圧油
が破砕用油圧モータ12に供給されて逆転方向(逆方
向)に駆動される。
【0037】またこのとき、前記の逆転用パイロットラ
イン36aから分岐して上記容量調整用パイロットライ
ン37が接続されており、電磁比例弁32が図3中左側
の切換位置32Bに切り換えられて生成された前記逆転
用パイロット圧は、逆転用パイロットライン36aから
前記容量調整用パイロットライン37へと導入され、前
記シリンダ装置ボトム側油室23cへと導かれる。これ
により、前述のようにシリンダ装置23が破砕用油圧モ
ータ12の斜板12aの傾転角を小さくし、破砕用油圧
モータ12の容量を小さくするようになっている。
【0038】また、駆動信号Sa,Sbのいずれもが比例
弁ソレノイド駆動部32a,32bへ出力されない場合
は、電磁比例弁32はばね32c,32dの付勢力で図
3に示す中立位置32Cに復帰し、正転用パイロットラ
イン35a〜c及び逆転用パイロットライン36a〜c
及び容量調整用パイロットライン37内の圧力はタンク
管路38を介しすべてタンク39の圧力(タンク圧)と
等しくなる。その結果、第1コントロールバルブ20が
ばね20c,20dの付勢力で図3中に示す中立位置2
0Cに復帰するとともに、第2コントロールバルブ21
もばね21c,21dの付勢力で図3中に示す中立位置
21Cに復帰し、第1及び第2油圧ポンプ17,18の
吐出油はタンク管路40,41を介しタンクへ戻る。す
なわち、第1及び第2コントロールバルブ20,21は
この中立位置において正転側圧油供給管路26,28,
30(=逆転時には圧油排出管路となる)と逆転側圧油
供給管路27,29,31(=正転時には圧油排出管路
となる)とを遮断する遮断型のバルブであり、中立位置
では正転側圧油供給管路30及び逆転側圧油供給管路3
1のいずれにも圧油は供給されなくなるため、破砕用油
圧モータ9はそのときの状態のままで停止する。
【0039】なお、第1及び第2油圧ポンプ17,18
及びパイロットポンプ19の前記吐出管路24,25,
34から分岐した管路42,43,44には、リリーフ
弁45,46,47がそれぞれ設けられており、第1及
び第2油圧ポンプ17,18及びパイロットポンプ19
の吐出圧の最大値をそれぞれ制限するリリーフ圧の値
を、それぞれに備えられたばね45a,46a,47a
の付勢力で設定するようになっている。
【0040】また、第1及び第2油圧ポンプ17,18
は、特に詳細な説明を省略するが、レギュレータ装置
(図示せず)によってそれぞれの吐出圧力が上昇するに
従って吐出流量の最大値が小さく制限され、油圧ポンプ
17,18の入力馬力(入力トルク)がエンジン16の
出力馬力(出力トルク)以下になるように油圧ポンプ1
7,18の斜板17a,18aの傾転が制御されるよう
になっている(公知の入力トルク制限制御又は馬力制
御)。
【0041】また、前述した正転側圧油供給管路30及
び逆転側圧油供給管路31には、それらの圧力を検出す
る圧力センサ48,49がそれぞれ設けられており、こ
れら圧力センサ48,49は対応する検出信号P1,P2
をコントローラ33へ出力するようになっている。
【0042】前記の操作盤22には、破砕装置3を正転
方向に起動させるための起動スイッチ(図示せず)と、
破砕装置3を停止させるための停止スイッチ(同)とが
備えられている。操作者が上記操作盤22の各スイッチ
の操作を行うと、その操作信号が前記のコントローラ3
3に入力される。コントローラ33は、操作盤22から
の操作信号に基づき、前述した電磁比例弁32へ前記正
転制御信号Sa又は前記逆転制御信号Sbを生成し、対応
する比例弁ソレノイド駆動部32a,32bにそれらを
出力するようになっている。
【0043】ここで、上記コントローラ33による制御
内容を、その制御フローである図4を参照しつつ説明す
る。
【0044】図4において、前述した操作盤22の起動
スイッチが押されると、コントローラ33はこのフロー
を開始する。まずステップ10で、破砕装置3が過負荷
状態かどうかを識別するためのフラグ、過負荷状態の継
続時間をカウントするための計算子T、及び逆転動作の
継続時間をカウントするための計算子T′をそれぞれ0
にクリアする。
【0045】次にステップ20で、破砕装置(シュレッ
ダ)3の停止が指示されたかどうかを判定する。具体的
には、前述の操作盤22の停止スイッチが押されたかど
うかを判定する。停止スイッチが押されていれば、この
判定が満たされ、後述のステップ130に移って直ちに
破砕装置3を停止する。停止スイッチが押されていなけ
ればこの判定が満たされず、ステップ30へ移る。
【0046】ステップ30では、フラグが前記した破砕
装置3の過負荷状態を示す1であるかどうかを判定す
る。過負荷状態であればフラグが1となっており(後述
する)判定が満たされるため、後述のステップ110に
移って直ちに破砕装置3を逆転どうさ方向へと駆動する
(後述)。過負荷状態でなければフラグは0であるた
め、この判定が満たされず、ステップ40へ移る。
【0047】ステップ40では、破砕装置3を正転方向
へ駆動する。すなわち、前記電磁比例弁32のソレノイ
ド駆動部32aへ正転制御信号Saを出力するととも
に、もしソレノイド駆動部32bに逆転制御信号Sbが
出力されていたらそれを停止し、電磁比例弁32を切換
位置32Aに切り換え、これによって第1及び第2コン
トロールバルブ20,21を切換位置20A,21Aに
切り換え、第1及び第2油圧ポンプ17,18からの圧
油を正転側圧油供給管路30を介し破砕用油圧モータ1
2に供給して破砕装置3を正転方向に駆動する。
【0048】その後、ステップ50に移り、正転側圧油
供給管路30に設けた前記圧力センサ48の検出信号P
1を入力し、P1が予め定められた所定のしきい値P10
(=破砕装置3の停止や破損を防止できるように適宜設
定記憶させておく)より大きいかどうかを判定する。P
1≦P10であれば判定が満たされず破砕装置3は高負荷
状態ではないとみなされ、ステップ60で前記時間計算
子T=0にクリアした後ステップ20へ戻る。P1>P1
0であれば判定が満たされて破砕装置3の高負荷状態と
みなされ、ステップ70で前記時間計算子Tに1を加え
た後、ステップ80へと移る。
【0049】ステップ80では、Tが予め定められた所
定のしきい値T1(=過渡的・一時的な高負荷状態であ
るか継続的な過負荷状態であるかを判定するために適宜
設定記憶させておく)より大きいかどうかを判定する。
T≦T1であれば判定が満たされずステップ20へ戻っ
て上記ステップ20〜80を繰り返す。この繰り返して
いる間に高負荷状態でなくなりP1≦P10となればステ
ップ50からステップ60に移って前記時間計算子Tは
再びクリアされるが、繰り返している間高負荷状態であ
るP1>P10が継続してついにT>T1となったら、ステ
ップ80の判定が満たされて破砕装置3は過負荷状態で
あるとみなされ、ステップ90へと移る。
【0050】ステップ90では、時間計算子T=0にク
リアする。その後、ステップ100で前記フラグを過負
荷状態であることを示す1にし、ステップ110へと移
る。
【0051】ステップ110では、破砕装置3を逆転方
向へ駆動する。すなわち、前記電磁比例弁32のソレノ
イド駆動部32bへ逆転制御信号Sbを出力するととも
に、もしソレノイド駆動部32aに逆転制御信号Saが
出力されていたらそれを停止し、電磁比例弁32を切換
位置32Bに切り換える。これによって第1及び第2コ
ントロールバルブ20,21を切換位置20B,21B
に切り換え、第1及び第2油圧ポンプ17,18からの
圧油を逆転側圧油供給管路31を介し破砕用油圧モ ー
タ12に供給して破砕装置3を逆転方向に駆動する。同
時に、容量調整用パイロットライン37を介してシリン
ダ装置23に逆転用パイロット圧を作用させ、油圧モー
タ12の斜板12aの傾転角を小さくする。
【0052】その後、ステップ120に移り、逆転側圧
油供給管路30に設けた前記圧力センサ49の検出信号
P2を入力し、P2が予め定められた所定のしきい値P20
(=破砕装置3の停止や破損を防止できるように適宜設
定記憶させておく)より大きいかどうかを判定する。P
2≦P20であれば判定が満たされず、これ以上の動作は
破砕装置3の破損等を招く可能性がある好ましくない状
態であるとみなされ、ステップに移って破砕装置(シュ
レッダ)3を停止させる。すなわち、電磁比例弁32の
ソレノイド駆動部32a及びソレノイド駆動部32bの
制御信号Sa,Sbをともに停止して(0にして)図3に
示す中立位置に復帰させる。このとき、本実施の形態の
最も大きな特徴として、コントローラ33は、電磁比例
弁32が非中立位置から中立位置へと復帰するときに、
少なくとも中立位置になる直前において復帰動作速度を
緩和するように、制御信号Sa,Sbを制御することであ
る。例えば、図5(a)に示すように、電磁比例弁32
への制御信号Sa,Sbの駆動電流値をいきなり0にしな
いで(破線参照)時間経過と共に滑らかに減少するよう
にすることにより、図5(b)に示すように電磁比例弁
21の開度を急激に中立位置にしないで(破線参照)滑
らかに徐々に中立位置に近づける。この結果、第1及び
第2コントロールバルブ20,21のパイロット駆動部
20a,20b及び21a,21bに作用するパイロッ
ト圧の大きさが急激に互いに接近することなく徐々に等
しくなっていくので、第1及び第2コントロールバルブ
20,21も急激に中立位置に復帰することはなく、そ
の復帰動作は緩和されて徐々に中立位置に復帰する。
【0053】なお、少なくとも第1及び第2コントロー
ルバルブ20,21が中立位置になる直前において復帰
動作速度を緩和するという目的からは、例えば図5
(c)のように最初は制御信号Sa,Sbの駆動電流値を
0にして電磁比例弁32のばね32c,32dの付勢力
による復帰動作に任せておき、ある程度中立位置に近づ
いてきてから小さな駆動電流値の制御信号Sa,Sbを出
力して復帰動作速度を緩和するようにしてもよい。
【0054】以上のようにして、第1及び第2コントロ
ールバルブ20,21が少なくとも中立位置になる直前
において復帰動作速度を緩和するようにしつつ、破砕用
油圧モータ12を停止させ、このフローを終了する。
【0055】ステップ120においてP2>P20であれ
ば判定が満たされて破砕装置3が破損する可能性のある
好ましくない状態ではないとみなされ、ステップ140
で前記時間計算子T′に1を加えた後、ステップ150
へと移る。
【0056】ステップ150では、T′が予め定められ
た所定のしきい値T2(=詰まった被破砕物・異物がカ
ッタ3b,3b間から脱出するのに十分なように適宜設
定記憶させておく)より大きいかどうかを判定する。
T′≦T2であれば判定が満たされずステップ20へ戻
って上記ステップ20〜150を繰り返す。但しこのと
きフラグが過負荷状態を示す1となっていることから、
ステップ20→ステップ30→ステップ110→ステッ
プ120〜150を繰り返すこととなる。この繰り返し
ている間にP2>P20となればステップ120からステ
ップ130に移って直ちに破砕装置3が停止されるが、
繰り返している間P2≦P20が継続してついにT′>T2
となったら、ステップ150の判定が満たされて破砕装
置3は十分な時間だけ逆転をしたとみなされ、ステップ
160へと移る。
【0057】ステップ160では、前記時間計算子T′
=0にクリアする。その後、ステップ170に移ってフ
ラグを過負荷状態でない0にクリアし、ステップ20へ
戻る。その後は、同様の手順を繰り返す。
【0058】なお、上記において、コントローラ33
が、特許請求の範囲記載の少なくとも中立位置になる直
前において復帰動作速度を緩和するようにパイロット圧
を出力するような制御信号を出力する制御信号出力手段
を構成し、パイロットポンプ19、吐出管路34、及び
電磁比例弁32が、制御信号に応じたパイロット圧を生
成し出力するパイロット圧生成手段を構成し、パイロッ
トライン36a〜c,35a〜cが、パイロット圧を前
記パイロット駆動部へ導くパイロット管路を構成する。
そしてこれらコントローラ33、パイロットポンプ1
9、吐出管路34、電磁比例弁32、及びパイロットラ
イン36a〜c,35a〜cが、少なくとも中立位置に
なる直前において復帰動作速度を緩和するようにパイロ
ット圧を出力するパイロット圧制御手段を構成し、破砕
用コントロールバルブが非中立位置から中立位置へと復
帰するときに、少なくとも中立位置になる直前において
復帰動作速度を緩和する復帰緩和手段をも構成する。
【0059】次に、本実施の形態の動作及び作用を以下
に説明する。
【0060】上記構成の自走式破砕機1において、破砕
作業時には、操作者は、操作盤22の起動スイッチ(図
示せず)を押す。これにより、図4に示したフローのス
テップ10、ステップ20、ステップ30を経て、ステ
ップ40においてコントローラ33から比例弁ソレノイ
ド駆動部32aに正転制御信号Saが出力されて、第1
及び第2油圧ポンプ17,18からの圧油が正転側供給
管路26,28,30を介して破砕用油圧モータ12に
供給され、破砕装置3が正転方向に起動される。
【0061】そして、例えば油圧ショベルのバケットで
ホッパ2に岩石・建設廃材等を投入すると、ホッパ2で
受け入れられた岩石・建設廃材等が破砕装置3へと導か
れ、破砕装置3で所定の大きさに破砕される。破砕され
た破砕物は、破砕装置3下部の空間からコンベア6上に
落下して運搬され、大きさがほぼ揃えられて、最終的に
破砕機1の後部(図1中右端部)から搬出される。
【0062】このとき、ホッパ2に投入した岩石・建設
廃材等に破砕装置3で破砕困難なものや破砕不可能な異
物(以下、異物等という)が混入していた場合には、そ
れらが破砕装置3のカッタ3b,3b間に噛み込まれよ
うとするときに破砕用油圧モータ12の負荷が大きくな
り、正転側供給管路30の圧力を検出する圧力センサ4
8の検出信号P1が前記P10よりも大きくなる。これに
より図4のフローのステップ50の判定が満たされてス
テップ70→ステップ80へと進み、この状態が所定の
時間継続するとステップ80の判定が満たされてステッ
プ90、ステップ100を経てステップ110において
コントローラ33から比例弁ソレノイド駆動部32bに
逆転制御信号Sbが出力されて、第1及び第2油圧ポン
プ17,18からの圧油が逆転側供給管路27,29,
31を介して破砕用油圧モータ12に供給され、破砕装
置3が逆転方向に起動される。これにより、破砕装置3
の刃物3b,3bが逆方向に回転し、いったん噛み込ん
だ異物等を上方へ押し出すことができる。本実施の形態
においては、この逆転動作時には破砕力をほとんど必要
としないことに着目し、容量調整用パイロットライン3
7を介しシリンダ装置23に逆転用パイロット圧を供給
することで、正転動作時に比べて破砕用油圧モータ12
の容量を小さくしている。これによって、逆転動作時に
おける破砕用油圧モータ12の容量を正転動作時と同一
とする場合に比べ、逆転動作時において破砕用油圧モー
タ12をより高速で回転させることができる。
【0063】投入された異物等が破砕不可能な異物であ
った場合等ではそれがカッタ3b,3b間に引っかかる
等によってこの逆転動作時にも破砕用油圧モータ12の
負荷が大きくなるため、逆転側供給管路31の圧力を検
出する圧力センサ49の検出信号P2が前記P20よりも
大きくなり、ステップ130で破砕装置3は停止する。
【0064】投入された異物等が破砕不可能ではないが
たまたま破砕能力を上回る大きさ又は量の被破砕物であ
った場合等では、上記逆転動作によってその投入被破砕
物がほぐされてより破砕されやすくなるので、逆転動作
時には破砕用油圧モータ12の負荷は大きくならない。
これによりステップ120の判定が満たされてステップ
140→ステップ150へと進み、この状態が所定の時
間継続するとステップ50の判定が満たされてステップ
160、ステップ170、ステップ20、ステップ30
を経てステップ40において再び破砕用油圧モータ12
の正転駆動が行われる。
【0065】このようにして、正転動作や、正転→逆転
→正転という動作を繰り返しながら、破砕作業を行って
いき、破砕作業が終了したら、操作者が操作盤22の停
止スイッチ(図示せず)を押すことにより、ステップ2
0からステップ130へ移って破砕装置3が停止する。
【0066】この停止時には、前述のように第1及び第
2コントロールバルブ20,21を中立位置にして圧油
を正転側圧油供給管路30や逆転側圧油供給管路31へ
供給しないようにして破砕用油圧モータ12を停止させ
る。ここで、本実施の形態においては、前述のように第
1及び第2コントロールバルブ20,21として遮断型
のバルブを用いることにより、中立位置において圧油供
給管路と圧油排出管路とを遮断し、停止後には破砕用油
圧モータ12の動作をブロックできる。したがって、破
砕装置停止後の不動性を確保できるので、例えばメンテ
ナンス作業時に作業員が破砕装置に接触したとしてもそ
のはずみで破砕装置が動作してしまうとことはなく、安
全性を確保できる。
【0067】また、上記のように破砕装置3停止のため
に第1及び第2コントロールバルブ20,21を非中立
位置から中立位置に復帰させるとき、コントローラ33
から電磁比例弁32へ図5(a)や図5(b)に示すよ
うな駆動電流値の制御信号Sa,Sbを出力することで、
少なくとも第1及び第2コントロールバルブ20,21
が中立位置になる直前においてその復帰動作速度を緩和
する。これによって、圧油供給管路(正転時には正転側
圧油供給管路26,28,30、逆転時には逆転側圧油
供給管路27,29,31)への吐出圧油の供給は急激
に停止するのではなく、供給停止となる直前においてそ
の供給量減少の度合いが緩和され、圧油供給量が徐々に
低減していくようになる。これにより、破砕用油圧モー
タ12を急激に駆動停止させず滑らかに停止させること
ができるので、破砕装置3を滑らかに動作停止させるこ
とができる。
【0068】したがって、図6に示すように、従来、停
止時に上記圧油供給管路と遮断された圧油排出管路(逆
転時には正転側圧油供給管路26,28,30、正転時
には逆転側圧油供給管路27,29,31)に著しく高
い背圧(サージ圧)が立っていた(破線参照)のを抑制
できるので、破砕用油圧モータに係わる配管系やその他
の構造部材の耐久性を向上できる。
【0069】なお、上記本発明の一実施の形態において
は、図3に示したように、正転動作時にも逆転動作時に
も破砕用油圧モータ12に2つのポンプ17,18から
の圧油を合流させて供給したが、これに限られず、逆転
動作時には1つのポンプだけから圧油を供給するように
しても良い。そのような変形例を以下に説明する。
【0070】図7は、この油圧駆動装置の変形例の要部
構成を表す油圧回路図であり、上記本発明の一実施の形
態のおける図3に相当する図である。図3と同等の部分
には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0071】図7において、この油圧駆動装置では、図
3における3位置切換弁の第2コントロールバルブ21
に代え、2位置切換弁である第2コントロールバルブ1
21を設けている。但しこの第2コントロールバルブ1
21も、コントロールバルブ21同様、中立位置におい
て正転側圧油供給管路26,28,30(=逆転時には
圧油排出管路となる)と逆転側圧油供給管路27,2
9,31(=正転時には圧油排出管路となる)とを遮断
する遮断型のバルブとなっている。
【0072】すなわち、この第2コントロールバルブ1
21は、上記コントロールバルブ21の図3中左側の切
換位置21Bを省略した構造となっており、コントロー
ラ33から比例弁ソレノイド駆動部32aに正転制御信
号Saが出力され、電磁比例弁32が図3中右側の切換
位置32Aに切り換えられたときは、上記本発明の一実
施の形態の第2コントロールバルブ21同様、正転用パ
イロットライン35a,35cを介した正転用パイロッ
ト圧がパイロット駆動部121aへと導かれ、図7中右
側の切換位置121Aに切り換えられ、第2油圧ポンプ
18からの圧油が吐出管路25、切換位置121A、及
び正転側圧油供給管路28を介して正転側圧油供給管路
39に導入され、正転側圧油供給管路30において前述
の第1油圧ポンプ17からの圧油と合流し、2ポンプ分
の圧油が破砕用油圧モータ12に供給される。
【0073】一方、コントローラ33から比例弁ソレノ
イド駆動部32bに逆転制御信号Sbが出力されたとき
は、第2コントロールバルブ121は、ばね121bの
付勢力で図7中に示す中立位置(遮断位置)121Bに
復帰し、第2油圧ポンプ18の吐出油はタンク管路41
を介しタンク39へ戻る。すなわち、逆転側圧油供給管
路31には、第1コントロールバルブ20の切換位置2
0Bを介した第1油圧ポンプ17からの圧油のみが供給
されるようになっている。
【0074】また、駆動信号Sa,Sbのいずれもが出力
されない場合は、第2コントロールバルブ121は上記
同様の遮断位置121Bとなるとともに、第1コントロ
ールバルブ20は上記本発明の一実施の形態と同様にし
てばね20c,20dの付勢力で図3中に示す中立位置
20Cに復帰し、正転側圧油供給管路30及び逆転側圧
油供給管路31のいずれにも圧油は供給されなくなる。
【0075】なお、上記において、第2コントロールバ
ルブ121が破砕用コントロールバルブを構成し、正転
側圧油供給管路26,28,30が破砕用油圧モータが
正転動作する側の圧油供給管路を構成し、圧力センサ4
8が、その圧油供給管路に接続された圧力センサを構成
する。
【0076】また、正転用パイロットライン35a,3
5bが正転用パイロット圧を第1コントロールバルブへ
導く第1正転用パイロット管路を構成し、正転用パイロ
ットライン35a,35cが正転用パイロット圧を第2
コントロールバルブへ導く第2正転用パイロット管路を
構成する。また逆転用パイロットライン36a,36b
が、逆転用パイロット圧を第1コントロールバルブへ導
く逆転用パイロット管路を構成する。また、容量調整用
パイロットライン37が、逆転用パイロット圧をシリン
ダ装置へ導く容量調整用パイロット管路を構成する。
【0077】また、第1コントロールバルブ20の切換
位置20Aが、第1油圧ポンプからの圧油を破砕用油圧
モータが正転動作する側の圧油供給管路へ供給する正転
用導通位置を構成し、切換位置20Bが、第1油圧ポン
プからの圧油を破砕用油圧モータが逆転動作する側の圧
油供給管路へ供給する逆転用導通位置を構成する。また
第2コントロールバルブ121の切換位置121Aが、
正転用パイロット管路から正転用パイロット圧が導入さ
れたときは、第2油圧ポンプからの圧油を破砕用油圧モ
ータが正転動作する側の圧油供給管路へ供給する導通位
置を構成し、中立位置121Bが、正転用パイロット圧
が導入されないときは、第2油圧ポンプからの圧油を破
砕用油圧モータへ供給しない遮断位置を構成する。
【0078】上記変形例においても、上記本発明の一実
施の形態と同様、破砕用油圧モータに係わる配管系及び
その他の構造部材の耐久性向上効果を得ることができ
る。
【0079】また図7の回路においては、通常、破砕作
業を行わない逆転動作時における圧油供給ポンプ数を正
転動作時における圧油供給ポンプ数の半分に減らすこと
により、省エネルギ効果を得ることができる。
【0080】また、上記本発明の一実施の形態において
は、電磁比例弁32からの逆転用パイロット圧を容量調
整用パイロットライン37を介し導くことによりシリン
ダ装置23を駆動したが、これに限られず、他の方法で
駆動しても良い。そのような変形例を図8及び図9によ
り説明する。
【0081】図8は、上記変形例による油圧駆動装置の
うち要部構成を表す油圧回路図であり、上記本発明の一
実施の形態の図3に相当する図である。図8において、
前記パイロットポンプ吐出管路34から分岐して前記シ
リンダ装置23へ至るパイロットライン50a,50b
が設けられ、さらにこれらパイロットライン50a,5
0bを連通・遮断可能な電磁比例弁51が設けられてい
る。この電磁比例弁51は、前記コントローラ33から
前記逆転制御信号Sb′がソレノイド駆動部51aに入
力されるとその駆動電流値に応じた開度で図8中右側の
連通位置51Aに切り換えられ、パイロットライン50
aからの圧油を逆転用パイロット圧としてパイロットラ
イン50bを介してシリンダ装置23に導き、破砕用油
圧モータ12の斜板12aの傾転角を小さくするように
なっている。前記コントローラ33から前記逆転制御信
号Sb′が入力されなくなるとばね51bの付勢力で図
8に示す遮断位置51Bに復帰してパイロットライン5
0aとパイロットライン50bとを遮断するとともに、
パイロットライン50bをタンク39に連通させて破砕
用油圧モータ斜板12aの傾転角を大きくするようにな
っている。
【0082】このとき、コントローラ33はまた、前述
したように電磁比例弁32を非中立位置から中立位置へ
と復帰させて破砕用油圧モータ12を停止させるとき
に、少なくとも停止する直前(=少なくとも電磁比例弁
32が中立位置に復帰する直前)においてその破砕用油
圧モータ12の容量を大きくするように、上記制御信号
Sb′を制御する。すなわち、少なくとも停止直前にな
ったら、それまでの電磁比例弁51への制御信号Sb′
よりも駆動電流値の値を大きくして斜板12aの傾転角
を大きくする。この結果、停止直前には破砕用油圧モー
タ12を駆動する力が小さくなって破砕用油圧モータ1
2が減速されるので、前述した停止時のサージ圧がさら
に緩和される。したがって、破砕用油圧モータ12を急
激に駆動停止させず滑らかに停止させることができ、破
砕装置3を滑らかに動作停止させることができるので、
破砕用油圧モータ12に係わる配管系やその他の構造部
材の耐久性をさらに向上できる効果を得る。
【0083】なお、上記においては、コントローラ3
3、パイロットポンプ19、吐出管路34、パイロット
ライン50a、電磁比例弁51、パイロットライン50
b、及びシリンダ装置23が、特許請求の範囲記載の破
砕用油圧モータが停止するときに、少なくとも停止する
直前において破砕用油圧モータの容量を大きくする容量
増大手段を構成する。
【0084】また、上記変形例では、上述のように、コ
ントローラ33は、電磁比例弁32を非中立位置から中
立位置へと復帰させて破砕用油圧モータ12を停止させ
るときに、少なくとも中立位置になる直前において復帰
動作速度を緩和するように制御信号Sa,Sbを制御し、
かつ少なくとも停止する直前においてその破砕用油圧モ
ータ12の容量を大きくするように制御信号Sb′を制
御したが、このように2つの制御を同時に行うのには限
られない。すなわち、破砕用油圧モータ12の停止直前
において破砕用油圧モータ12の容量を大きくするよう
に制御信号Sb′を出力するだけでも良い。この場合
も、上記本発明の一実施の形態と同様、破砕用油圧モー
タに係わる配管系やその他の構造部材の耐久性向上効果
を得ることができる。
【0085】また、図9に示すように、上記変形例の構
成を、前述の図7に示した構成に適用してもよい。
【0086】また、以上においては、破砕装置として2
軸せん断機を備えた自走式破砕機を例にとって説明した
が、これに限られず、もっと多数の軸を備えたせん断機
を備えた自走式破砕機にも適用できることは言うまでも
ない。要は、略平行に配置された複数の回転軸のそれぞ
れにカッタを固定し、被破砕物を噛み込んでせん断する
せん断式破砕装置を備えた自走式破砕機であれば足り
る。さらに、このようなせん断式破砕装置にも限られ
ず、他の破砕装置、例えば、ロール状の回転体に破砕用
の刃を取り付けたものを一対としてそれら一対を互いに
逆方向へ回転させ、それら回転体の間に岩石・建設廃材
等を挟み込んで破砕を行う回転式破砕装置(いわゆるロ
ールクラッシャを含む6軸破砕機等)や、複数個の刃物
を備えた打撃板を高速回転させ、この打撃板からの打撃
及び反発板との衝突を用いて岩石・建設廃材等を衝撃的
に破砕するいわゆるインパクトクラッシャを備えた破砕
装置や、動歯を固定歯に対して揺動運動させそれらの間
で被破砕物を挟み付けるようにして破砕を行うジョーク
ラッシャを備えた破砕装置や、木材、枝木材、建設廃木
等の木材をカッタを備えたロータに投入することにより
細片にする木材破砕装置等を備えた自走式破砕機にも適
用可能である。これらの場合にも、同様の効果を得るこ
とができる。
【0087】さらに、以上においては、破砕装置による
破砕作業に関連する作業を行う補助機械としてコンベア
5のみを備えた自走式破砕機に適用した場合を例にとっ
て説明したが、これに限られない。例えば、作業事情に
応じホッパ2に受け入れた岩石・建設廃材等を破砕装置
3へと搬送し導くフィーダ4を備えているものや、コン
ベア5の上方に設けられコンベア5上を運搬中の破砕物
に含まれる磁性物を磁気的に吸引除去する磁選機6を備
えているものに対し適用しても良い。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、破砕用コントロールバ
ルブとして遮断型のバルブを用い、中立位置において圧
油供給管路と圧油排出管路とを遮断するので、破砕装置
停止後の不動性を確保できる。したがって、例えばメン
テナンス作業時に作業員が破砕装置に接触したとしても
そのはずみで破砕装置が動作してしまうとことはなく、
安全性を確保できる。
【0089】また、復帰緩和手段によって、少なくとも
中立位置になる直前において復帰動作速度を緩和するの
で、圧油供給管路へ圧油供給停止となる直前においてそ
の供給量減少の度合いが緩和される。これにより、破砕
用油圧モータを急激に駆動停止させず滑らかに停止させ
ることができ、破砕装置を滑らかに動作停止させること
ができるので、破砕用油圧モータに係わる配管系やその
他の構造部材の耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象である自走式破砕機の全体構
造を表す側面図である。
【図2】図1に示した自走式破砕機の上面図である。
【図3】本発明の自走式破砕機の油圧駆動装置の一実施
の形態のうち、破砕用油圧モータに係わる要部構成を表
す油圧回路図である。
【図4】図3に示したコントローラで実行する制御フロ
ーである。
【図5】図3に示した電磁比例弁の中立位置復帰時にお
いて、コントローラから出力される制御信号の時間的推
移及びそれによる電磁比例弁の開度の時間的推移の一例
を示す図である。
【図6】本発明による圧油排出管路内のサージ圧抑制効
果を示す図である。
【図7】逆転動作時に1ポンプのみの圧油供給とする変
形例の要部構成を表す油圧回路図である。
【図8】逆転用パイロット圧を電磁比例弁を介し導くこ
とによりシリンダ装置を駆動する変形例を示す油圧回路
図である。
【図9】図8の構成を図7の構成に応用した場合を示す
油圧回路図である。
【符号の説明】
1 自走式破砕機 2 ホッパ 3 破砕装置 12 破砕用油圧モータ 12a 斜板 16 エンジン(原動機) 17 第1油圧ポンプ 18 第2油圧ポンプ 19 パイロットポンプ(油圧源、パイロッ
ト圧生成手段、パイロット圧制御手段、復帰緩和手段;
容量増大手段) 20 第1コントロールバルブ(破砕用コン
トロールバルブ) 20A 切換位置(正転用導通位置) 20B 切換位置(逆転用導通位置) 21 第2コントロールバルブ(破砕用コン
トロールバルブ) 23 シリンダ装置(モータ容量調整手段;
容量増大手段) 26 正転側圧油供給管路 28 正転側圧油供給管路 30 正転側圧油供給管路 32 電磁比例弁(パイロット圧生成手段、
パイロット圧制御手段、復帰緩和手段) 33 コントローラ(制御信号出力手段、パ
イロット圧制御手段、復帰緩和手段;容量増大手段) 34 吐出管路(パイロット圧生成手段、パ
イロット圧制御手段、復帰緩和手段;容量増大手段) 35a パイロットライン(第1及び第2正転
用パイロット管路、パイロット管路、パイロット圧制御
手段、復帰緩和手段) 35b パイロットライン(第1正転用パイロ
ット管路、パイロット管路、パイロット圧制御手段、復
帰緩和手段) 35c パイロットライン(第2正転用パイロ
ット管路、パイロット管路、パイロット圧制御手段、復
帰緩和手段) 36a パイロットライン(逆転用パイロット
管路、パイロット管路、パイロット圧制御手段、復帰緩
和手段) 36b パイロットライン(逆転用パイロット
管路、パイロット管路、パイロット圧制御手段、復帰緩
和手段) 36c パイロットライン(パイロット管路、
パイロット圧制御手段、復帰緩和手段) 37 パイロットライン(容量調整用パイロ
ット管路) 48 圧力センサ 50a パイロットライン(容量増大手段) 50b パイロットライン(容量増大手段) 51 電磁切換弁(容量増大手段) 121 第2コントロールバルブ(破砕用コン
トロールバルブ) 121A 切換位置(導通位置) 121B 切換位置(遮断位置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H089 AA61 AA65 BB08 BB15 CC09 DA03 DA06 DA13 DB03 DB46 DB49 EE04 EE22 EE36 FF07 GG02 JJ20 4D067 DD04 DD06 GA02 GA06 GA20 GB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被破砕物を破砕装置で破砕する自走式破砕
    機に設けられ、少なくとも1つの油圧ポンプから吐出さ
    れる圧油を少なくとも1つの破砕用コントロールバルブ
    で制御しつつ、前記破砕装置を駆動する破砕用油圧モー
    タへ供給する自走式破砕機の油圧駆動装置において、 前記破砕用コントロールバルブは、前記破砕用油圧モー
    タを停止させる中立位置では、前記破砕用油圧モータへ
    の圧油供給管路と前記破砕用油圧モータからの圧油排出
    管路とを遮断する遮断型のバルブであり、かつ、 前記破砕用コントロールバルブが非中立位置から前記中
    立位置へと復帰するときに、少なくとも前記中立位置に
    なる直前において復帰動作速度を緩和する復帰緩和手段
    を設けたことを特徴とする自走式破砕機の油圧駆動装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の自走式破砕機の油圧駆動装
    置において、前記破砕用コントロールバルブは、パイロ
    ット圧が導かれるパイロット駆動部を備えた油圧パイロ
    ット方式のバルブであり、前記復帰緩和手段は、少なく
    とも前記中立位置になる直前において前記復帰動作速度
    を緩和するように前記パイロット圧を出力するパイロッ
    ト圧制御手段であることを特徴とする自走式破砕機の油
    圧駆動装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の自走式破砕機の油圧駆動装
    置において、前記パイロット圧制御手段は、少なくとも
    前記中立位置になる直前において前記復帰動作速度を緩
    和するように前記パイロット圧を出力するような制御信
    号を出力する制御信号出力手段と、前記制御信号に応じ
    たパイロット圧を生成し出力するパイロット圧生成手段
    と、前記パイロット圧を前記パイロット駆動部へ導くパ
    イロット管路とを備えていることを特徴とする自走式破
    砕機の油圧駆動装置。
  4. 【請求項4】被破砕物を破砕装置で破砕する自走式破砕
    機に設けられ、少なくとも1つの油圧ポンプから吐出さ
    れる圧油を少なくとも1つの破砕用コントロールバルブ
    で制御しつつ、前記破砕装置を駆動する可変容量型の破
    砕用油圧モータへ供給する自走式破砕機の油圧駆動装置
    において、 前記破砕用コントロールバルブは、前記破砕用油圧モー
    タを停止させる中立位置では、前記破砕用油圧モータへ
    の圧油供給管路と前記破砕用油圧モータからの圧油排出
    管路とを遮断する遮断型のバルブであり、かつ、 前記破砕用油圧モータが停止するときに、少なくとも停
    止する直前において前記破砕用油圧モータの容量を大き
    くする容量増大手段を設けたことを特徴とする自走式破
    砕機の油圧駆動装置。
  5. 【請求項5】ホッパから投入された被破砕物を破砕装置
    で破砕する自走式破砕機に設けられ、原動機により駆動
    される第1及び第2油圧ポンプと、傾転角が変化可能な
    斜板を備え、前記第1及び第2油圧ポンプから吐出され
    る圧油により前記破砕装置を駆動する可変容量型の破砕
    用油圧モータと、前記第1及び第2油圧ポンプから前記
    破砕用油圧モータに供給される圧油の方向・流量をそれ
    ぞれ制御する油圧パイロット方式の第1コントロールバ
    ルブ及び第2コントロールバルブとを有する自走式破砕
    機の油圧駆動装置において、 前記破砕用油圧モータが正転動作する側の圧油供給管路
    に接続された圧力センサと、 前記圧力センサの検出圧力に応じ、前記破砕用油圧モー
    タを前記正転動作又は逆転動作させるための正転制御信
    号又は逆転制御信号を出力するコントローラと、 前記正転制御信号又は前記逆転制御信号に応じて切り換
    えられ、油圧源からの圧力を用いて正転用パイロット圧
    又は逆転用パイロット圧を生成し出力する電磁比例弁
    と、 前記正転用パイロット圧を前記第1コントロールバルブ
    及び前記第2コントロールバルブへそれぞれ導く第1正
    転用パイロット管路及び第2正転用パイロット管路と、 前記逆転用パイロット圧を前記第1コントロールバルブ
    へ導く逆転用パイロット管路と、 前記破砕用油圧モータの前記斜板の傾転角を駆動調整す
    る油圧駆動のシリンダ装置と、 前記逆転用パイロット圧を前記シリンダ装置へ導く容量
    調整用パイロット管路とを有し、 前記第1コントロールバルブは、前記正転用パイロット
    管路から前記正転用パイロット圧が導入されたときは、
    前記第1油圧ポンプからの圧油を前記破砕用油圧モータ
    が正転動作する側の圧油供給管路へ供給する正転用導通
    位置に切り換えられるとともに、前記逆転用パイロット
    管路から逆転用パイロット圧が導入されたときは、前記
    第1油圧ポンプからの圧油を前記破砕用油圧モータが逆
    転動作する側の圧油供給管路へ供給する逆転用導通位置
    に切り換えられ、 前記第2コントロールバルブは、前記正転用パイロット
    管路から正転用パイロット圧が導入されたときは、前記
    第2油圧ポンプからの圧油を前記破砕用油圧モータが正
    転動作する側の圧油供給管路へ供給する導通位置に切り
    換えられ、前記正転用パイロット圧が導入されないとき
    は、前記第2油圧ポンプからの圧油を前記破砕用油圧モ
    ータへ供給しない遮断位置に切り換えられることを特徴
    とする自走式破砕機の油圧駆動装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017094889A (ja) * 2015-11-24 2017-06-01 株式会社タダノ 軌陸車の滑走防止装置
CN108654789A (zh) * 2018-06-27 2018-10-16 江阴双马重工装备有限公司 一种钢包预碎机液压控制系统

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JP2017094889A (ja) * 2015-11-24 2017-06-01 株式会社タダノ 軌陸車の滑走防止装置
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