JP2001120268A - ポリペプチドおよび組換えウイルスベクターを含む核酸運搬体 - Google Patents

ポリペプチドおよび組換えウイルスベクターを含む核酸運搬体

Info

Publication number
JP2001120268A
JP2001120268A JP29843399A JP29843399A JP2001120268A JP 2001120268 A JP2001120268 A JP 2001120268A JP 29843399 A JP29843399 A JP 29843399A JP 29843399 A JP29843399 A JP 29843399A JP 2001120268 A JP2001120268 A JP 2001120268A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gene
vector
polypeptide
nucleic acid
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29843399A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Goto
武 後藤
Osamu Iijima
修 飯島
Takashi Shimada
隆 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Original Assignee
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc filed Critical Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Priority to JP29843399A priority Critical patent/JP2001120268A/ja
Priority to AU79526/00A priority patent/AU7952600A/en
Priority to CNB008145326A priority patent/CN1164756C/zh
Priority to EP00969954A priority patent/EP1229124A4/en
Priority to PCT/JP2000/007337 priority patent/WO2001029244A1/ja
Publication of JP2001120268A publication Critical patent/JP2001120268A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/85Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for animal cells
    • C12N15/86Viral vectors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2740/00Reverse transcribing RNA viruses
    • C12N2740/00011Details
    • C12N2740/10011Retroviridae
    • C12N2740/16011Human Immunodeficiency Virus, HIV
    • C12N2740/16041Use of virus, viral particle or viral elements as a vector
    • C12N2740/16043Use of virus, viral particle or viral elements as a vector viral genome or elements thereof as genetic vector
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2740/00Reverse transcribing RNA viruses
    • C12N2740/00011Details
    • C12N2740/10011Retroviridae
    • C12N2740/16011Human Immunodeficiency Virus, HIV
    • C12N2740/16041Use of virus, viral particle or viral elements as a vector
    • C12N2740/16045Special targeting system for viral vectors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2800/00Nucleic acids vectors
    • C12N2800/10Plasmid DNA
    • C12N2800/108Plasmid DNA episomal vectors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2810/00Vectors comprising a targeting moiety
    • C12N2810/50Vectors comprising as targeting moiety peptide derived from defined protein
    • C12N2810/60Vectors comprising as targeting moiety peptide derived from defined protein from viruses
    • C12N2810/6045RNA rev transcr viruses
    • C12N2810/6054Retroviridae
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2830/00Vector systems having a special element relevant for transcription
    • C12N2830/42Vector systems having a special element relevant for transcription being an intron or intervening sequence for splicing and/or stability of RNA

Abstract

(57)【要約】 【課題】 遺伝子治療において、薬物遺伝子を細胞に効
率的、安全に、導入し、該細胞内で該薬物遺伝子の高い
発現を可能にする。 【解決手段】 ジアミノ酪酸および/またはその薬学的
に許容できる塩からなるポリペプチドと、組換えウイル
スベクター(好ましくは、薬物遺伝子を含む)を含む核
酸運搬体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝子治療に用い
る、組換えウイルスベクターを含む核酸運搬体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】遺伝子治療の臨床応用において、薬物遺
伝子を効率良く安全に標的細胞へ導入するための最適な
遺伝子の形態や方法の開発が大きな技術的課題の1つと
なっている。
【0003】1980年代初期には、マイクロインジェクシ
ョン等物理的手法の応用が試みられたが、疾患治療のた
めに必要な薬物遺伝子を安定かつ効率良く導入すること
ができず、臨床応用には至らなかった。その後、薬物遺
伝子を効率良く細胞に導入するための担体となる組換え
ウイルスベクターが開発され、初めて遺伝子治療の臨床
応用が可能となった。米国においては、1998年4月まで
に212の遺伝子治療プロトコールがNIHの組換えDNA委員
会(RAC)で承認され、先天性免疫不全症、家族性高コ
レステロール血症、嚢胞性線維症等の遺伝性疾患および
各種の癌を対象とし、既に2000人以上の患者に対して臨
床試験が行われてきた(Hum. Gene Therapy , 9:2143-2
161 , 1998)。
【0004】現在臨床で使われている組換えウイルスベ
クターを用いて、すべての標的細胞に薬物遺伝子を導入
することは不可能である。そのため、例えば血液細胞を
対象とした治療法では、標的血液細胞を生体から一度分
離し、試験管内で遺伝子導入を行なった後、再び生体に
戻す治療法(US5399346)が行われている(ex vivo遺伝
子導入法)。しかし、この方法においても、遺伝子導入
効率は低く(Dunbar,C.E., et al., Blood 85,3048-305
7,1995)、複数回の遺伝子導入作業が必要で、依然とし
て遺伝子導入の効率化の問題が残る。
【0005】一方、このような組換えウイルスベクター
の遺伝子導入効率を向上させる方法として、ウイルスベ
クターとの複合体を形成可能な物質をウイルスと相互作
用させることで、目的の細胞へ効率良く遺伝子導入しよ
うとする試みが行われている。例として、ポリブレン
(Morgan, J.R., et al., Biotechnol. Prog., 10, 441
-446, 1994)、ポリエチレンイミン(Meunier-Durmort
C., et al., Gene Therapy, 4, 808-814, 1997)、カチ
オン性リポソーム(Hodgson C.P., and SolaimanF., Na
ture Biotechnol., 14, 339-342, 1996)、合成ポリア
ミノ酸(Curiel D.T., et al., Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA., 88, 8850-8854, 1991)等を組換えウイルスベ
クターとの複合体を形成させるべき担体として利用する
方法が挙げられる。
【0006】しかしながら、ポリブレン、ポリエチレン
イミンはともに生体に存在しない物質であるため、生体
への投与は困難である。また、カチオン性リポソームに
関して、リポソームを調製する際の組成によっては、毒
性が高くなることが報告されており(Yagi K.et al., B
iochem. Biophys. Res. Commun. 196, 1042-1048, 199
3)注意が必要である。さらに、合成ポリアミノ酸、特
にポリリジンは濃度の増加とともに沈殿を生じやすく、
実際に疾患の治療に対しては使用が困難である。特に、
静脈内へ沈殿を生じるような粒子を含む薬液を投与する
ことは、血管の塞栓や血栓等を引き起こす原因となり、
また、局所的に投与される場合でも、注射針の詰まりの
問題や、標的細胞に対して治療をするために必要な量の
遺伝子を導入できない等の問題を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、細胞に薬物
遺伝子を効率よく、安全に導入するための、核酸運搬体
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題解
決のため鋭意研究に努めた結果、ジアミノ酪酸および/
またはその薬学的に許容できる塩からなるポリペプチド
と、組換えウイルスベクターとを含む核酸運搬体を用い
れば、薬物遺伝子を細胞内に効率良く、安全に導入でき
ることを見いだし本願発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、ジアミノ酪酸および
/またはその薬学的に許容できる塩からなるポリペプチ
ドと、組換えウイルスベクターとを含む核酸運搬体を提
供する。
【0010】また、本発明は、前記ポリペプチドが、ジ
アミノ酪酸および/またはその薬学的に許容できる塩か
らなるポリペプチドとポリエチレングリコールとのブロ
ックコポリマーを含むことを特徴とする、上記核酸運搬
体を提供する。
【0011】さらに、本発明は、前記ポリペプチドが、
残基数20以上280以下のジアミノ酪酸および/また
はその薬学的に許容できる塩からなることを特徴とす
る、上記核酸運搬体を提供する。
【0012】また、本発明は、前記組換えウイルスベク
ターが、薬物遺伝子を含むことを特徴とする、上記いず
れかの核酸運搬体を提供する。
【0013】さらに、本発明は、前記組換えウイルスベ
クターが、HIVベクターであることを特徴とする上記
いずれかの核酸運搬体を提供する。
【0014】加えて、本発明は、前記HIVベクター
が、VSV-GとのシュードタイプHIVベクターであるこ
とを特徴とする上記の核酸運搬体を提供する。
【0015】さらに、本発明に従えば、ジアミノ酪酸お
よび/またはその薬学的に許容できる塩からなるポリペ
プチドを有効成分とする、組換えウイルスベクターの遺
伝子導入効率改善剤が提供される。
【0016】以下、本発明の構成および好ましい実施の
形態について詳細に説明する。
【0017】
【発明の実施の形態】(ジアミノ酪酸および/またはそ
の薬学的に許容できる塩からなるポリペプチド)本発明
に係わるジアミノ酪酸からなるポリペプチドは、式
(1)で表される(ここで、nは自然数を示す)構造を有
するものであるが、随意にその他のモノマーユニットを
含んでいてもよい。
【0018】
【化1】
【0019】本発明に係わるジアミノ酪酸の薬学的に許
容できる塩からなるポリペプチドは、式(2)で表され
る(ここで、nは自然数を示す)構造を有するものであ
るが、随意にその他のモノマーユニットを含んでいても
よい。
【0020】
【化2】
【0021】本明細書で用いる「ジアミノ酪酸および/
またはその薬学的に許容できる塩からなるポリペプチ
ド」とは、前記の2つの構造を任意の割合で含む構造を
有するものであってもよい。すなわち、任意の割合で、
ポリジアミノ酪酸、若しくはその薬学的に許容できる塩
の形で存在するものも含まれる。
【0022】前記ジアミノ酪酸には、光学異性体である
D体およびL体が存在可能であるが、本発明に係るジアミ
ノ酪酸および/またはその薬学的に許容できる塩からな
るポリペプチドは、D体若しくはL体若しくはそれらの任
意に混ざったポリペプチドをも含むものである。すなわ
ち、ポリ-L-ジアミノ酪酸、ポリ-D-ジアミノ酪酸、およ
びポリ-DL-ジアミノ酪酸のいずれかを含むポリペプチド
であればよい。また、本明細書で用いる「ジアミノ酪酸
および/またはその薬学的に許容できる塩からなるポリ
ペプチドの残基」とは、該ポリペプチドを形成するモノ
マーであるジアミノ酪酸(またはその薬学的に許容でき
る塩)基を意味し、その残基数とはそれらの分子の数を
意味するものとする(すなわち、前記式のnで表され
る)。本発明に係るジアミノ酪酸および/またはその薬
学的に許容できる塩からなるポリペプチドの好ましい残
基数は、少なくとも10残基以上である。さらに好ましく
は少なくとも20残基以上であり、最も好ましくは25残基
以上である。また、本発明に係るジアミノ酪酸および/
またはその薬学的に許容できる塩からなるポリペプチド
の好ましい残基数は、280残基以下が好ましい。また、
より好ましくは250残基以下である。残基数があまり多
い場合は、合成が困難となり、また取り扱いが不便とな
る。一方、あまり残基数が少ないと、核酸運搬体として
は性能が不十分になる。また、好ましい残基数は、使用
する組換えウイルスベクターにより、また同時に使用さ
れ得る成分の性質等から最適に選択することができる。
【0023】ジアミノ酪酸の薬学的に許容できる塩は、
本発明の核酸運搬体を対象に投与した際に、毒性を示さ
ないか、或いは許容される程度の毒性を示す塩類であれ
ば特に限定はされない。好ましくは、塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸等の無機酸塩、酢酸、プロピオン酸、クエン
酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、マロン酸、フ
マル酸、リンゴ酸等の有機酸塩が挙げられ、これらの中
でも特に酢酸塩が好ましい。
【0024】なお、ジアミノ酪酸および/またはその薬
学的に許容できる塩からなるポリペプチドのポリペプチ
ドをジアミノ酪酸酢酸塩とすれば、ジアミノ酪酸酢酸塩
は分子量160であるため、前記の残基数を分子量で表わ
すことも可能である。
【0025】本発明に係るジアミノ酪酸および/または
その薬学的に許容できる塩からなるポリペプチド(以
下、「本発明に係るポリペプチド」ともいう)の他の1
例は、上で説明したジアミノ酪酸からなるポリペプチド
に、さらに、ポリエチレングリコールを結合させた、ブ
ロックコポリマー構造を有するものが含まれ、式(3)
で表される(ここで、n、mはそれぞれ自然数を示す)。
【0026】
【化3】
【0027】さらに、前記ポリペプチドがカルボン酸基
を1つ有することから、前記ブロックコポリマー構造を
有するものには、式(4)で表されるものも可能である
(ここで、n、n′、mはそれぞれ自然数を示す)。
【0028】
【化4】
【0029】ここでエチレングリコールの分子量(また
は数m)については特に制限はないが、後述する理由か
ら、通常は200から25,000程度であることが好ましい。
【0030】本発明の一つの実施の形態として、組織特
異的なリガンドを本発明に係るポリペプチドに結合させ
ることも可能である。このようなポリペプチドを含む本
発明の核酸運搬体は、効果的に、また組織特異的に該リ
ガンドがそれに対して特異的である特定組織に取り込ま
れる。例えば、肝臓を標的とする場合は、糖類(ガラク
トース、ラクトース、アシアログリコプロテイン、オリ
ゴガラクトース、ヒアルロン酸等)を本発明に係るポリ
ペプチドに結合させると、肝臓に対する親和性が上昇
し、より効果的に本発明の核酸運搬体を肝臓に送達する
ことが可能となる。
【0031】また、細胞毒性の軽減、血中滞留、溶媒へ
のさらなる溶解性の向上を目的として、本発明に係るポ
リペプチドとして、式(3)または式(4)で表され
る、ジアミノ酪酸とポリエチレングリコール(PEG)と
のブロックコポリマーを採用することが好ましい。その
場合、PEGの分子量は200以上のものを使用することが好
ましい。より好ましくは、1,000以上のものを使用す
る。また、PEGの分子量は25,000以下であることが好ま
しいが、より好ましくは10,000以下であり、最も好まし
くは5,000以下である、PEGの分子量が25,000以上では、
細胞表面と親和性が低下することによる核酸(遺伝子)
導入効率の低下が起こり、200以下では、目的とするPEG
による効果が小さく好ましくない。
【0032】(本発明に係るポリペプチドの合成方法)
上記で説明した構造を有することを特徴とする、本発明
に係るポリペプチドの合成方法については、特に制限は
ない。通常公知の種々のポリペプチド合成方法(新実験
化学講座19高分子化学I 1980年発行、丸善株式会社)
を含む有機化学反応が好ましく使用できる。
【0033】より具体的には、本発明においては、モノ
マー成分を適当な反応により重合して得ることが好まし
い。この場合、使用するモノマーとしては、ジアミノ酪
酸、γアミノ基に保護基が導入されたジアミノ酪酸、ま
たはペプチド基形成のために活性化されたアミノ基およ
び/またはカルボン酸基を有するジアミノ酪酸が好まし
く使用できる。特に、本発明においては、γアミノ基を
保護し、かつペプチド結合形成を容易にするためにジア
ミノ酪酸を酸無水物化することが好ましい(新実験化学
講座 19 高分子化学I 1980年発行、丸善株式会社)。
【0034】また、かかるモノマーを重合するには、種
々の種類、適当な量の開始剤を使用することが可能であ
る。具体的には、種々のアミン化合物、アルコール化合
物が使用可能である。前記アミン化合物にはアルキルア
ミン類が挙げられ、特にブチルアミンが好ましい。ま
た、アルコール類としてポリエチレングリコール類を用
いると、ポリエチレングリコール基が付加した、本発明
に係るポリペプチド(すなわち、ジアミノ酪酸とポリエ
チレングリコールとのブロックコポリマーからなる)が
得られる。
【0035】図1に、本発明に係るポリペプチドの合成
に、特に好ましい合成経路を例示する。すなわち、γア
ミノ基を適当な保護基で保護し、かつアミノ酸部分をホ
スゲンを用いて酸無水物とし、縮重合のモノマー(図1
の(10))として使用することが好ましい。また、この
モノマーを用いることで、縮重合反応は適当な開始剤を
用いることが可能となり、好ましい数のモノマー数を導
入することが可能となる。開始剤には特に制限はない
が、種々のアミン化合物が好ましく、特にブチルアミン
の使用が好ましい。また、適当なエチレングリコール類
を開始剤に使用することにより同様に、好ましい数のモ
ノマーを有するポリペプチドであって、かつエチレング
リコール基を有するブロックコポリマーを得ることが可
能となる。
【0036】具体的には、He1v. Chim. Acta, 43, 270-
279(1960)または「新実験化学講座 19 高分子化学I
1980年発行、丸善株式会社」に記載された方法に従い、
若しくは準じて行うことができる。
【0037】(本発明に係るポリペプチドの検出)本発
明に係るポリペプチドの構造は、上記で説明したような
特徴を有するものである。従って、かかる構造上の特徴
に基づいて、本発明に係るジアミノ酪酸および/または
その薬学的に許容できる塩からなるポリペプチドを検出
することが可能となる。また、本発明に係るポリペプチ
ド自体、またはそれを用いた核酸運搬体若しくは遺伝子
治療用組成物が、種々の使用形態で使用されている場合
においても、適当な前処理を施すことにより、同様に本
発明に係るポリペプチドを検出することが可能となる。
当業者が、必要な前処理を選択することは容易である。
【0038】検出方法についても特に制限はなく、種々
の通常公知のポリペプチド分析方法(Young H.C., et a
l., J. Controlled Release, 54, 39-48, 1998)を用い
ることが可能である。具体的には、ペプチドのアミノ酸
分析方法によるジアミノ酪酸の定性および定量分析、種
々の液体クロマトグラフを用いた分子量測定による残基
数の決定、ポリエチレングリコール基の存在を検出する
種々のスペクトル分析(赤外線吸収スペクトル、核磁気
共鳴吸収スペクトル)、質量分析、または化学的な定性
分析方法が使用可能である。
【0039】(組換えウイルスベクター)本発明に係る
組換えウイルスベクターは、DNAまたはRNAウイルスをも
とに作製できるが、それが由来するウイルス種は特に限
定はされず、MoMLVベクター、ヘルペスウイルスベクタ
ー、アデノウイルスベクター、AAVベクター、HIV
ベクター、センダイウイルスベクター等のいかなるウイ
ルスベクターであってもよい。さらに、ウイルスが治療
効果を持つものであれば、ヒト以外の宿主域を持つウイ
ルスもウイルスベクターとして使用可能である。
【0040】本発明に係る組換えウイルスベクターとし
て、特にHIVベクターが好ましく用いられる。HIV
ベクターは導入した核酸を染色体に組み込むため、該核
酸である薬物遺伝子を長期間に渡って発現することがで
きる。また、HIVベクターは、細胞表面分子であるC
D4陽性T細胞への選択的な遺伝子導入が可能である。
さらに、HIVベクターは細胞が分裂していない静止期
でも、染色体に組み込むことが可能であるため、後述の
シュードタイプ型のHIVウイルスベクターを用いれ
ば、骨髄幹細胞、造血幹細胞、神経細胞、筋肉細胞など
の静止期にある、いかなる細胞へも効率的に薬物遺伝子
を導入することが可能となる。
【0041】ウイルスベクターの構成タンパク質群のう
ち1つ以上を、異種ウイルスの構成タンパク質に置換し
た、或いは、遺伝子情報を構成する核酸配列のうち1部
を異種ウイルスの核酸配列に置換した、シュードタイプ
型のウイルスベクターも本発明に係る組換えウイルスベ
クターとして使用できる。例えば、HIVの外皮タンパ
ク質であるEnvタンパク質を、小水痘性口内炎ウイルス
(Vesicular stomatitis virus : VSV)の外皮タンパク
質であるVSV-Gタンパク質に置換したシュードタイプウ
イルスベクターが挙げられる(Naldini L., et al., Sc
ience 272,263-267, 1996)。
【0042】以下、本発明に用いる組換えHIVベクタ
ーおよびその製造法について詳しく説明する。
【0043】すなわち、HIVのgag、pol、env遺伝子
を含み、パッケージングシグナルを欠く遺伝子群を調製
し、その上流にサイトメガロウイルス(CMV)のプロモ
ーターを配置した遺伝子構築物をアンピシリン耐性遺伝
子とSV40の複製開始点を含む発現ベクターに挿入したヘ
ルパープラスミド(pCMV−R9)を公知の遺伝子操作方法
により構築する。さらにpCMV−R9のenv遺伝子の1部を
欠損させ、Env蛋白質を発現しないpCMV−R8.2を公知の
遺伝子操作方法により構築する。上記遺伝子群は、HI
V-1、HIV-2、および、サル免疫不全ウイルス(SI
V)、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)等を含む、哺乳類に
おける免疫不全ウイルスのゲノム配列をもとに構築する
ことができる。ヘルパープラスミドと、VSV-Gタンパク
質を発現するプラスミドpMD.G、さらに、以下に示すベ
クタープラスミドとを細胞にコトランスフェクションす
ることで、VSV-Gを外皮タンパク質とするシュードタイ
プ型の組換えHIVウイルスベクターを調製することが
できる。
【0044】ヘルパープラスミドからパッケージングシ
グナルを除くことによって、RCR(Replication compete
nt retrovirus)の出現の確立を低減することが可能で
あり、Envタンパク質をVSV-Gタンパク質に置換すること
によって、さらにCD4を発現しない細胞への遺伝子導
入も可能となる(Naldini L., et al., Science 272, 2
63-267, 1996)。
【0045】さらに、HIVを構成するために必須なga
g、pol、env遺伝子以外のvif、vpr、vpu、tat、rev、ne
f遺伝子、若しくはそれらに該当するアクセサリー遺伝
子の1つ若しくはそれ以上を任意に欠損させて、安全性
を高めることができる。HIV遺伝子を発現させるため
に用いるプロモーターはCMVに限定されず、例えば、CA
G、RSV、TK、SV40、SR-α、β-actin、EF1-α等のプロ
モーターを用いることができる。
【0046】また、例えば、ヘルペスウイルス、B型肝
炎ウイルス等のウイルス性エンハンサータンパク質、ま
たはNF κ−B、SP-1等の細胞性転写活性化タンパク質に
よってプロモーターを増強するエンハンサー配列を付与
することが可能であり、これらタンパク質をコードする
プラスミドをコトランスフェクションして組換えHIV
ベクターを作製することができる。組換えHIVベクタ
ーを調製する細胞は、HIVタンパク質を産生しうる細
胞であればいかなる細胞系の使用も可能である。好まし
くは、哺乳類動物細胞系、例えば、CV-1、HeLa、Raji、
RD、SW480、CHO、COS、293細胞、SV40 large T antigen
をトランスフォームした293T細胞等が挙げられるが、特
にCOS、293T細胞が好ましく、さらに好ましくは293T細
胞である。
【0047】HIVビリオン中にパッケージングされ、
その後、標的細胞で逆転写され、染色体へ組み込まれ、
薬物遺伝子を発現するために必要な断片は、5'末端から
3'末端方向に順に次の通りである:HIV-LTR(Long-T
erminal-Repeats:U3、R、U5領域から成る)、パッケー
ジングシグナル、薬物遺伝子を発現させる任意のプロモ
ーター、薬物遺伝子およびHIV-LTR。これらが配置さ
れた遺伝子構築物を、例えば、アンピシリン耐性遺伝子
とSV40の複製開始点を含む発現プラスミドに挿入したベ
クタープラスミドを公知の遺伝子操作方法により構築す
る。ここで、前記ベクタープラスミドは、HIV-1、H
IV-2、および、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ネコ
免疫不全ウイルス(FIV)等を含む、哺乳類における免
疫不全ウイルスのゲノム配列をもとに構築することがで
きる。
【0048】薬物遺伝子には必要に応じてポリアデニル
化シグナル配列を付与することができる。また、薬物遺
伝子を発現させる任意のプロモーターにも特に制限はな
く、例えば、CAG、CMV、 RSV、TK、SV40、SR-α、MBP、
β-actin、EF1-α等のプロモーターを用いることができ
る。また、薬物遺伝子とそれを発現させるプロモーター
5'末端のLTRは、LTRのU3領域を例えば、CAG、CMV、 RS
V、TK、SV40、SR-α、MBP、β-actin、EF1-α等のプロ
モーターに置換した、キメラ型LTRを用いることができ
る。
【0049】このようにして構築したプラスミドをリン
酸カルシウム法、種々のカチオン性脂質を用いたリポフ
ェクション法、またはエレクトロポレーション法等の公
知の方法により、例えばCOS細胞にコトランスフェクシ
ョンする。
【0050】組換えHIVベクターを効率よく作製する
ために、使用する宿主細胞における至適温度で、感染細
胞を24〜72時間培養するが、少なくとも48時間以
上培養することがより好ましい。
【0051】培養上清に放出される組換えHIVベクタ
ーは、培養上清を2000rpmで10分間遠心するか、或い
は、ポアサイズが0.45 μmのフィルターを用いて、宿主
細胞由来の夾雑物を除くことによって、組換えHIVベ
クター溶液として調製できる。さらに、密度勾配遠心
法、PEG(Polyethylene glycol)沈殿法、または硫酸セル
ロースカラム、アフィニティーカラム等のカラム法によ
っても夾雑物を除くことができる。
【0052】(薬物遺伝子)本発明に係る組換えウイル
スベクターに挿入される薬物遺伝子、およびその他の遺
伝子は、種々の核酸および/またはヌクレオチドの誘導
体からなり、それらの種類、分子量、形状、配列等には
特に制限はない。
【0053】例えば、核酸の形状は、1重鎖遺伝子、2重
鎖遺伝子、3重鎮形成遺伝子、DNA,RNA,DNA/RNAキメ
ラ型遺伝子、ホスホロチオエート型遺伝子、直鎖状遺伝
子、環状遺伝子等制限なく用いることができる。さら
に、前記組換えウイルスベクター内にコードされる遺伝
子の配列は、薬物遺伝子のほか、薬物遺伝子を転写する
ためのプロモーターやエンハンサー、ポリAシグナル、
遺伝子が導入された細胞の標識および/または選別のた
めのマーカー遺伝子、細胞のゲノムDNA配列内に効率良
く遺伝子を挿入するためのウイルス由来の遺伝子配列、
薬物として作用する物質を細胞外に分泌および/または
細胞内の局所に滞留させるためのシグナル配列等がある
が、どのような配列でも用いることが可能である。
【0054】薬物遺伝子は疾患に対応する遺伝子、即
ち、疾患に対して拮抗的に作用する遺伝子や疾患におけ
る欠如を補足する遺伝子が用いられる。例えば、サイト
カイン、成長因子、抗体または抗体断片、サイトカイン
または成長因子に対するレセプター、増殖防止または細
胞増殖抑制作用を有するタンパク質、酵素、脈関係抑制
剤、血栓誘発物質、および凝集抑制剤、フィブリン溶解
作用を有するタンパク質、ウイルスコートタンパク質、
細菌性抗原および寄生動物性抗原、腫瘍抗原、血液循環
に効果を有するタンパク質、ペプチドホルモン、および
リボザイムおよびアンチセンスRNAのようなリボ核酸
からなる群より選択される薬理活性化合物をコードする
遺伝子が挙げられる。
【0055】特定の疾患に対する代表的な遺伝子として
は、炎症性疾患に対しては、SOD、抗炎症性のサイトカ
イン類、細胞接着因子に拮抗的に作用するペプチドをコ
ードする遺伝子、酵素欠損症に対しては正常な酵素をコ
ードする遺伝子、受容体欠損症に対しては正常な受容体
をコードする遺伝子、ウイルス感染症に対してはウイル
ス感染細胞を殺傷するためのチミジンキナーゼ、ジフテ
リアトキシン等の毒素をコードする遺伝子やウイルスの
複製等を阻害するアンチセンス、トリプルヘリックス、
リボザイム、デコイ、トランスドミナントミュータント
等をコードする遺伝子、癌に対しては癌細胞を殺傷する
ためのチミジンキナーゼ、ジフテリアトキシン等の毒素
をコードする遺伝子や癌遺伝子を不活性化するためのア
ンチセンス、リボザイム、トリプルヘリックス等をコー
ドする遺伝子や、癌細胞を正常化するためのp53等の癌
抑制遺伝子、抗癌剤に対する多剤耐性に関与する遺伝子
を不活性化するためのアンチセンス、トリプルヘリック
ス、リボザイム等をコードする遺伝子、家族性高コレス
テロール血症に対してはLDLレセプターをコードする遺
伝子等が挙げられる。
【0056】さらに、薬物遺伝子に用いられる発現カセ
ットは、標的細胞内で遺伝子を発現させることができる
ものであれば、特に制限されることなく何でも用いるこ
とができる。当業者はそのような発現カセットを容易に
選択することができる。好ましくは、動物由来の細胞内
で遺伝子発現が可能な発現カセットであり、より好まし
くは、哺乳類由来の細胞内で遺伝子発現が可能な発現カ
セットであり、特に好ましくは、ヒト由来の細胞内で遺
伝子発現が可能な発現カセットである。発現カセットに
用いられる遺伝子プロモーターは、例えばアデノウイル
ス、サイトメガロウイルス、ヒト免疫不全(HIV)ウイ
ルス、シミアンウイルス40、ラウス肉腫ウイルス、単純
ヘルペスウイルス、マウス白血病ウイルス、シンビスウ
イルス、センダイウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎
ウイルス、C型肝炎ウイルス、パピローマウイルス、ヒ
トT細胞白血病ウイルス、インフルエンザウイルス、日
本脳炎ウイルス、JCウイルス、パルボウイルスB19、ポ
リオウイルス等のウイルス由来のプロモーター、アルブ
ミンや熱ショック蛋白等の哺乳類由来のプロモーター、
CAGプロモーター等のキメラ型プロモーター等を含む。
【0057】(核酸運搬体)本発明の核酸運搬体は、前
記ジアミノ酪酸および/またはその薬学的に許容できる
塩からなるポリペプチドと、前記組換えウイルスベクタ
ーとを含むことを特徴とする。所定比のポリペプチド
と、組換えウイルスベクターを合わせると複合体が容易
に形成され、本発明の核酸運搬体となる。本発明の好ま
しい実施の形態に従えば、本発明の一つの組換えウイル
スベクターは、上記で示したように既に適当な薬物遺伝
子を含む。この組換えウイルスベクターと、本発明に係
るポリペプチドを合わせると遺伝子治療に使用できる核
酸運搬体であり、かつ遺伝子治療用組成物であるものが
得られる。従って、前記薬物遺伝子を含む組換えウイル
スベクターと、前記ジアミノ酪酸および/またはその薬
学的に許容できる塩からなるポリペプチドとを混合する
ことによって遺伝子治療用組成物が調製される。このよ
うにして得られた遺伝子治療用組成物も本発明の範囲に
包含される。
【0058】より具体的には、ジアミノ酪酸および/ま
たはその薬学的に許容できる塩からなるポリペプチド
と、薬物遺伝子を含む組換えウイルスベクターとを各
々、水、生理食塩水、等張化した緩衝液等の適当な溶媒
に溶解後、混和することで遺伝子治療用組成物が調製で
きる。
【0059】このとき、用いられる前記薬物遺伝子を含
む組換えウイルスベクターと本発明に係るポリペプチド
の混合比は、特に限定されない。実用上、1×102
1×1013IU/ml、好ましくは1×103〜1×1
12IU/ml、さらに好ましくは1×104〜1×1
11IU/mlの組換えウイルスベクター溶液1 ml
に対して、本発明に係るポリペプチドは、5 μg/mlから
20 μg/ml、好ましくは5μg/mlから10 μg/mlの濃度で
使用される。
【0060】ここで、IU(infectious units)とは、
組換えウイルスベクターの遺伝子導入効率(Tite
r)を表し、前記ウイルスベクター溶液1 mlで遺伝
子を導入することができる細胞数を意味する。Tite
rは、例えば、ネオマイシン薬剤耐性遺伝子を含む組換
えウイルスベクターで任意の細胞に遺伝子導入処理を行
った後、薬剤を含む培養液中で培養し、増殖してきた薬
剤耐性細胞の数をカウントすることによって得られる。
【0061】本発明の核酸運搬体は、ポリペプチドと組
換えウイルスベクターを混和後、1分後にはすでに複合
体を形成しており、この複合体は形成後1時間を経過し
ても安定して混和溶液中に存在する。
【0062】また、本発明の核酸運搬体は、混和、複合
体形成後も沈殿生成を起こさない。従って、血管に本発
明の核酸運搬体を直接投与しても血栓を起こす危険性は
なく、効率的に、安全に薬物遺伝子を投与することが可
能となる。
【0063】本発明の核酸運搬体は、必要に応じて添加
剤をさらに含有することができる。例えば、本発明のペ
プチドに、細胞への吸着促進、組換えウイルスベクター
の安定化、薬物遺伝子の細胞内もしく核内への導入促
進、または組換えウイルスベクターの放出制御のため
に、必要に応じて添加剤を加えることができる。
【0064】このような添加剤としては、上記目的を達
成するものであれば特に限定はされないが、ショ糖、グ
リシン、グルタミン酸ナトリウム、コンドロイチン硫
酸、ゼラチン、アルブミン、サイトカイン、HMG-1、
HMG-2混合物、クロロキン、VSV-G(小水痘性口内炎
ウイルス外皮タンパク質)、ペントン(アデノウイルス
構造蛋白質)等が挙げられる。
【0065】本発明の核酸運搬体は、組換えウイルスベ
クター単独で薬物遺伝子を導入するよりも、約3倍以上
も効率的に標的細胞に薬物遺伝子を導入し、かつ発現さ
せることを可能にする。
【0066】(本発明の核酸運搬体の使用方法)本発明
の核酸運搬体は、まず患者から標的細胞を体外に取り出
し、薬物遺伝子を導入した後に、再びその細胞を患者の
体内に戻すという自家移植による遺伝子治療(ex vivo
遺伝子治療)に使用可能である。また、薬物遺伝子を直
接患者に投与する遺伝子治療(in vivo遺伝子治療)に
も使用可能である。
【0067】遺伝子治療の方法として、異常(原因)遺
伝子をそのままにして、新しい(正常)遺伝子を付け加
える方法(Augumentation Gene Therapy)と、異常遺伝
子を正常遺伝子で置き換える方法(Replacement Gene T
herapy)に大別できるが、本発明の核酸運搬体は、それ
らいずれにも使用可能である。
【0068】本発明の核酸運搬体の生体への投与の方法
については、特に制限はない。例えば、非経口的投与、
注射投与することにより好ましく実施できる。
【0069】本発明の核酸運搬体の用量は、その使用方
法、使用目的等により異なり、当業者は容易に適宜、治
療される対象にとって最適な用量を決定することが可能
である。例えば、注射投与して用いる場合には、1日
量、約0.1μg/kg〜1000mg/kgを投与するのが好まし
く、より好ましくは、1日量、約1μg/kg〜100mg/kgで
ある。
【0070】
【実施例】以下、製造例、実施例、試験例を挙げて本発
明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例によ
って制限されるものではない。
【0071】以下の製造例および実施例において用いた
ジアミノ酪酸および/またはその薬学的に許容できる塩
からなるポリペプチドの合成は、Voge1er K. らの方法
(Vogler K. and Lanz P., He1v. Chim. Acta, 43, 270
-279(1960))に準じて行った、その合成経路を図1に
示した。
【0072】本明細書においては、ポリ-ジアミノ酪酸
(Po1y(2,4-diaminobutyric acid)を、その酢酸塩を
含めてPDBAと略す。また、PDBAには、可能な全ての光学
異性体に基づくものをも含むものとする。さらに、ポリ
エチレングリコールとのブロックコポリマーを同様にPD
BApeg(又はPDBA−PEG)と略す。 (製造例1)ジアミノ酪酸および/またはその薬学的に
許容できる塩からなるポリペプチドの合成 (I)モノマーとしての、Nγ-カルボベンゾキシ-DL-ジ
アミノ酪酸NCA(4N-Carbobenzoxy-DL-2,4-diaminobutyr
ic acid N-carboxy-anhydride)(10)の合成 (I−1)Nγ-カルボベンゾキシ-DL-ジアミノ酪酸(4N-C
arbobenzoxy-DL-2, 4-Diaminobutyric acid)(8)の合
成 DL-2,4-ジアミノ酪酸2塩酸塩(DL-2,4-Diamino-n-buty
ric acid Dihydroch1oride)(1)15g(シグマ社製)を
水75m1に溶解し、これに塩基性炭酸銅(2)11.7gを加え
て放置後、煮沸還流し、ろ過した。ろ液に炭酸水素ナト
リウム16.6g、カルボベンゾキシクロリド(4)(和光純
薬社製)17.8mlを加えて撹拌し、生成物を沈殿として得
た。得られた生成物をろ過し、アセトン、およびジエチ
ルエーテルで洗浄した後乾燥し、15gのNγカルボベンゾ
キシ-DL-ジアミノ酪酸銅錯体(4N-Carbobenzoxy-DL-2,4
-Diaminobutyric acid Copper Comp1ex;以下Dba(Z)-
Cuとする)(5)を得た。
【0073】上記得られた錯体(5)の11gを、35% HCl
9.3ml、水22ml、メタノール11mlの混合液に入れ、硫化
水素(H2S)ガスの存在下で撹拌した。室温に静置し、
過剰の硫化水素を除去した後、ろ過により不溶物を除い
た。ろ液は減圧し、水とメタノールを加えて冷却した。
さらにメタノールを加えた後、ジエチルアミン(7)(D
iethy1amine)を加えて溶液のpHを7に調整した。析出し
た結晶をろ過して分離し、ジエチルエーテルを用いて漏
斗上で洗浄、および乾燥し、白色の結晶として4gの生成
物を得た。さらに、前記ろ液を濃縮して冷却することに
より析出した結晶をろ過して分離し、ジエチルエーテル
を用いて漏斗上で洗浄、および乾燥し、白色結晶として
1.5gの生成物を得た。これらを合わせて合計5.5g(原料
アミノ酸から計算して収率31%)のNγ-カルボベンゾキ
シ-DL-ジアミノ酪酸(8)を得た。 (I-2)Nγ-カルボベンゾキシ-DL-ジアミノ酪酸NCA(4N
-Carbobenzoxy-DL-2,4-diaminobutyric acid N-carboxy
-anhydride(10)の合成 上記で得られた(8)の5gをテトラヒドロフラン(THF)
200mlに溶解し、そこにトリホスゲン(9)(Triphosgen
e,Bis(tricho1oromethy1)carbonate,A1drich社製)
4.5gを40mlのTHFに溶解したものを加え、さらに40℃で6
0分撹拌した。減圧で溶媒を除去した後、得られた粗生
成物にヘキサンを加えて溶解した。冷却し、さらに減圧
で十分ヘキサンを除いた後、得られた粗生成物に酢酸エ
チルを加えて溶解し、不溶物をろ過して除いた。得られ
たろ液にヘキサンを加えて冷却することで生成物が白色
結晶として沈殿した。析出した結晶をろ過して分離し、
減圧にて乾燥した。また、前記ろ液も減圧濃縮した後、
同様に処理し生成物を結晶として得た。これら得られた
結晶をジエチルエーテルから再結晶することにより精製
された生成物(10)が2.7g(収率50%)得られた。 (II)重合反応 種々の残基数のジアミノ酪酸からなるポリペプチドは、
前記得られたNγ-カルボベンゾキシ-DL-ジアミノ酪酸NC
A(10)を、種々の割合の開始剤を用いて縮重合させ、
その後アミノ基の保護基を脱保護することにより得られ
た。
【0074】ここで、本発明における残基数とは以下の
式(Arieh Yaron等、Biochim. Biophys. Acta, 69(196
3)、397〜399)で算出したものを意味する(最後に0.9
を掛ける理由は、保護基を除去する反応条件で、約10%
分子量が低下することによる)。さらに、本発明におけ
る分子量は以下の式で表されるものを意味する。
【0075】残基数=重合度(n)=[Nγ-カルボベン
ゾキシ-DL-ジアミノ酪酸NCA(10)の量(モル数)/開
始剤の量(モル数)]×収率(%)/100×0.9 分子量=n(重合度)×残基量(酢酸塩として、DBA酢酸
塩の残基量=160) 以下、表1、表2の合成例3(残基数49)ポリ-DL-ジアミ
ノ酪酸(Po1y(DL-2,4-diaminobutyric acid)およびそ
の酢酸塩の合成例を示すが、表1に示す他の条件を用い
て同様に合成例1(残基数12)、2(残基数26)、4(残
基数62)、5(残基数170)、6(残基数278)、7(残基
数348)のPDBAを得た。また、合成例3のポリジアミノ酪
酸 酢酸塩にポリエチレングリコール(14)(PEG、分子
量1000)を末端に結合させたポリジアミノ酪酸-PEG(1
5)の合成条件も、合成例8として表1およぴ表2に示し
た。 (II-1)ポリ-Nγ-カルボベンゾキシ-DL-ジアミノ酪酸
(Po1y(4-N-Carbobenzoxy-DL-2,4-diaminobutyoric ac
id)(11)の合成 Nγ-カルボベンゾキシ-DL-ジアミノ酪酸NCA(10)の1g
(3.6mmol)をアセトニトリル(acetonitri1e)19mlに
溶解した。
【0076】開始剤としてブチルアミン(Buty1amine)
4.38mg(0.06mmol)を加え、30℃で307時間静置した。
得られたポリマーをろ過し、アセトニトリルで洗浄し
た。ソックスレー抽出器を用いてジエチルエーテルで抽
出した後、減圧で乾燥して、ポリ-Nγ-カルボベンゾキ
シ-DL-ジアミノ酪酸(11)0.77g(重合率91%)を得
た。 (II-2)ポリ-DL-ジアミノ酪酸(Po1y(DL-2,4-diamino
butyric acid)(13)酢酸塩の合成 ポリNγ-カルボベンゾキシ-DL-ジアミノ酪酸(11)の0.
5gをトリフルオロ酢酸(trifuluoroacetic acid)2mlに
溶解し、これに25%臭化水素酢酸溶液(12)を加え振り
混ぜた。静置した後、ジエチルエーテルを加え、上澄エ
ーテル相を傾斜で除去し、さらにジイソプロピルエーテ
ルで同じ操作を行い上澄エーテル相を傾斜で除去した。
得られた沈殿物を減圧で十分乾固した。得られた固体に
酢酸ナトリウムと水を加えて得た混合液を、分子量1,00
0以下除去の透析チューブを用いて流水で透析を行った
後、20,000Gで一時間遠心分離を行い沈殿物を除去し
た。得られた溶液を凍結乾燥し、ポリ-DL-ジアミノ酪酸
(13)酢酸塩を0.34g(収率91%)得た。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】(製造例2)GFP/ HIVベクターの調製 HIVのgag、pol遺伝子を含み、env遺伝子とパッケージン
グシグナルを欠く遺伝子群の上流に、サイトメガロウイ
ルスのプロモーターを配置した遺伝子構築物をアンピシ
リン耐性遺伝子とSV40の複製開始点を含む発現ベクター
に挿入したプラスミドpCMV−R8.2(Naldini L., et a
l., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 93, 11382-11388,
1996:図2)と、小水痘性口内炎ウイルス(Vesicular s
tomatitisvirus : VSV)の外皮タンパク質であるVSV-G
をコードする遺伝子の上流に、サイトメガロウイルスの
プロモーターを配置した遺伝子構築物を発現ベクターで
あるpXF3に組み込んだプラスミドpMD.G(Naldini L., e
t al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 93, 11382-1138
8, 1996:図3)を、5'末端から3'末端方向に順次HIV-LT
R、 CAGプロモーター、緑色蛍光蛋白質(EGFP)遺伝子
およびHIV-LTRが配置された遺伝子構築物をアンピシリ
ン耐性遺伝子とSV40の複製開始点を含む発現ベクターに
挿入したベクタープラスミドpHXCAGEGFP(図4)ととも
にリン酸カルシウム法によりCOS細胞にコトランスフェ
クションした。2日間培養した後、得られた培養上清を2
000rpmで10分間遠心し、沈殿物を除いてGFP/HIVベクタ
ー溶液を得た。
【0080】(実施例1)GFP/HIVベクター/PDBA複合
体の調製 製造例2で調製したGFP/HIVベクターと、所望濃度の2倍
濃度で調製したPDBA溶液とを投与直前に等量ずつ混合し
て、本発明の核酸運搬体であるGFP/HIVベクター/PDBA
複合体溶液を調製した。PDBAの終濃度は、それぞれ0、
0.3、1.0、3.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0 μg/ml
となるように調製した。溶媒はDMEM培地(Sigma社製)
を使用した。PDBAは表2の合成例3で得られた、分子量
7800のものを使用した。ここで、PDBAの終濃度を25 μg
/mlで複合体を形成させても、溶液中に沈殿は生じなか
った。
【0081】(試験例1)GFP/HIVベクター/PDBA複合
体によるHeLa細胞への遺伝子導入 試験前日にHeLa細胞を12穴のマルチウェルプレート(コ
ースター社製)上の1ウェルあたり1×105個播種した。1
0%ウシ胎仔血清(三光純薬社製)存在下でGFP/HIVベク
ター/PDBA複合体溶液を投与し、37℃で4時間インキュ
ベートした。新鮮な培養液に交換後、さらに48時間イン
キュベートした。 (試験例2)フローサイトメーターを用いた遺伝子導入
効率の測定 試験例1で遺伝子導入したHeLa細胞をトリプシン処理し
てプレートから回収した。回収した細胞懸濁液を1% パ
ラホルムアルデヒドで固定して、フローサイトメーター
(FACS Ca1ibur;ベクトンデイッキンソン社製)で測定
した。10,000個の細胞中で、マーカー遺伝子(EGFP)が
導入された細胞の割合を図5に示した。コントロールと
して用いた組換えHIVベクターのみ(PDBA 0μg/ml)で
は、約30%の細胞内に遺伝子導入されていることが確認
された。PDBAとGFP/HIVベクターの複合体群では、PDBA
の濃度依存的に遺伝子導入効率が上昇し、終濃度10.0μ
g/ml以上では、コントロールと比較して約3倍高い遺伝
子導入が確認された。尚、図5の縦軸の単位は、%であ
り、グラフはコントロールを100%として、各濃度での
遺伝子導入率を%で表したものである。
【0082】(試験例3)GFP/HIVベクター/PDBA複合
体の安定性評価GFP/HIVベクター/PDBA複合体の調製 製造例2で調製したGFP/HIVベクターと、20.0 μg/mlで
調製したPDBA溶液とを試験のそれぞれ60、30、15,10,
3,1分前に等量ずつ混合してGFP/HIVベクター/PDBA複
合体溶液(PDBAの終濃度は、10.0 μg/ml)を調製し
た。
【0083】溶媒はDMEM培地(Sigma社製)を使用し
た。PDBAは表2の合成例3により得られた、分子量7800
のものを使用した。各GFP/HIVベクター/PDBA複合体溶
液は、室温で静置後、HeLa細胞に投与した。48時間後、
細胞を固定し、フローサイトメーター(FACS Ca1ibur;
ベクトンデイッキンソン社製)で遺伝子導入効率を測定
した。10,000個の細胞中で、EGFP遺伝子が導入された細
胞の割合を図6に示した。図6から、PDBAと組換えウイ
ルスベクターは混合後、直ちに安定な複合体を形成し、
1時間室温で放置しても遺伝子導入効率に変化のないこ
とが確認された。尚、図5と同様に、図6の縦軸の単位
は、%であり、グラフはコントロールを100%とし
て、各濃度での遺伝子導入率を%で表したものである。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように本発明の核酸運搬体
は、ジアミノ酪酸および/またはその薬学的に許容でき
る塩からなるポリペプチドと組換えウイルスベクターと
で複合体を形成し、薬物遺伝子を細胞に効率的、安全
に、導入可能にするものであり、該細胞内での高い遺伝
子発現を保証するので、遺伝子治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るジアミノ酪酸およびその薬学的に
許容できる塩の合成経路の一例を示す図である。
【図2】本発明に係る組換えウイルスベクターを構成す
るヘルパープラスミドpCMV−R8.2の構造を示す模式図で
ある。
【図3】本発明に係る組換えウイルスベクターを構成す
るVSV-G供給用プラスミドpMD.Gの構造を示す模式図であ
る。
【図4】本発明に係る組換えウイルスベクターを構成す
るベクタープラスミドpHXCAGEGFPの構造を示す模式図で
ある。
【図5】本発明の核酸運搬体である、GFP/HIVベクター
/PDBA複合体によるEGFP遺伝子導入の結果を示す図であ
る。
【図6】本発明の核酸運搬体である、GFP/HIVベクター
/PDBA複合体の安定性試験の結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:92) C12R 1:92) Fターム(参考) 4B024 AA01 DA02 EA02 GA11 HA17 4C076 AA95 BB11 CC35 CC50 EE23 EE41 EE49 4C084 AA13 NA13 ZC552 4C087 AA01 AA02 BB65 BC83 MA55 NA05 NA13 ZC55

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアミノ酪酸および/またはその薬学的
    に許容できる塩からなるポリペプチドと、組換えウイル
    スベクターとを含む核酸運搬体。
  2. 【請求項2】 前記ポリペプチドが、ジアミノ酪酸およ
    び/またはその薬学的に許容できる塩からなるポリペプ
    チドとポリエチレングリコールとのブロックコポリマー
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の核酸運搬
    体。
  3. 【請求項3】 前記ポリペプチドが、残基数20以上2
    80以下のジアミノ酪酸および/またはその薬学的に許
    容できる塩からなることを特徴とする、請求項1または
    2に記載の核酸運搬体。
  4. 【請求項4】 前記組換えウイルスベクターが、薬物遺
    伝子を含むことを特徴とする請求項1〜3のいづれか1
    項に記載の核酸運搬体。
  5. 【請求項5】 前記組換えウイルスベクターが、HIV
    ベクターであることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の核酸運搬体。
  6. 【請求項6】 前記HIVベクターが、VSV-Gとのシュ
    ードタイプHIVベクターであることを特徴とする請求
    項5に記載の核酸運搬体。
JP29843399A 1999-10-20 1999-10-20 ポリペプチドおよび組換えウイルスベクターを含む核酸運搬体 Pending JP2001120268A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29843399A JP2001120268A (ja) 1999-10-20 1999-10-20 ポリペプチドおよび組換えウイルスベクターを含む核酸運搬体
AU79526/00A AU7952600A (en) 1999-10-20 2000-10-20 Nucleic acid transporter containing polypeptide and recombinant virus vector
CNB008145326A CN1164756C (zh) 1999-10-20 2000-10-20 多肽和含有重组病毒载体的核酸搬运体
EP00969954A EP1229124A4 (en) 1999-10-20 2000-10-20 NUCLEIC ACID CONVEYOR CONTAINING POLYPEPTIDE AND RECOMBINANT VIRAL VECTOR
PCT/JP2000/007337 WO2001029244A1 (fr) 1999-10-20 2000-10-20 Transporteur d'acide nucleique contenant un polypeptide et un vecteur viral de recombinaison

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29843399A JP2001120268A (ja) 1999-10-20 1999-10-20 ポリペプチドおよび組換えウイルスベクターを含む核酸運搬体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001120268A true JP2001120268A (ja) 2001-05-08

Family

ID=17859654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29843399A Pending JP2001120268A (ja) 1999-10-20 1999-10-20 ポリペプチドおよび組換えウイルスベクターを含む核酸運搬体

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1229124A4 (ja)
JP (1) JP2001120268A (ja)
CN (1) CN1164756C (ja)
AU (1) AU7952600A (ja)
WO (1) WO2001029244A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004099287A1 (ja) * 2003-05-08 2004-11-18 Japan Science And Technology Agency ポリエチレングリコール−ポリカチオンブロック共重合体

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102086266B (zh) * 2010-12-24 2013-04-10 华东理工大学 含聚肽不对称超支化两性聚电解质及其制备方法
CN102199674A (zh) * 2011-03-17 2011-09-28 中国疾病预防控制中心病毒病预防控制所 一种有包膜rna病毒核酸检测参照品/标准品平台及其应用方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0834572A3 (en) * 1996-10-02 1999-08-25 F. Hoffmann-La Roche Ag Alpha, gamma-diaminobutyric acid (DAB) containing oligopeptide derivatives

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004099287A1 (ja) * 2003-05-08 2004-11-18 Japan Science And Technology Agency ポリエチレングリコール−ポリカチオンブロック共重合体
AU2004236542B2 (en) * 2003-05-08 2009-02-26 The University Of Tokyo Polyethylene glycol/polycation block copolymers
US7780957B2 (en) 2003-05-08 2010-08-24 The University Of Tokyo Polyethylene glycol/polycation block copolymers
US8318205B2 (en) 2003-05-08 2012-11-27 The University Of Tokyo Polyethylene glycol/polycation block copolymers

Also Published As

Publication number Publication date
CN1379821A (zh) 2002-11-13
EP1229124A4 (en) 2002-12-04
AU7952600A (en) 2001-04-30
WO2001029244A1 (fr) 2001-04-26
CN1164756C (zh) 2004-09-01
EP1229124A1 (en) 2002-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6218186B1 (en) HIV-MSCV hybrid viral vector for gene transfer
JP2016539629A (ja) レトロウイルスベクター
US20230257706A1 (en) T lymphocyte and use thereof
JP2007082562A (ja) 医薬的および診断的使用のための組み換えフオーミーウイルスベクター、および組み換えフオーミーウイルスベクターの作製方法
US7078031B2 (en) Pseudotyped lentiviral vectors and uses thereof
US20200360297A1 (en) Polymer-Encapsulated Viral Vectors for Genetic Therapy
JP2001120268A (ja) ポリペプチドおよび組換えウイルスベクターを含む核酸運搬体
JP2002508338A (ja) レンチウィルスベクターの治療使用
EP1676590A1 (en) Oncogene therapeutic drug
Devitt et al. Optimized protocol for the large scale production of HIV pseudovirions by transient transfection of HEK293T cells with linear fully deacylated polyethylenimine
JP2000210079A (ja) 核酸運搬体及び遺伝子治療用薬物
US20030148929A1 (en) Nucleic acid carriers and pharmaceutical compositions for gene therapy
US20220403416A1 (en) Polymer-Encapsulated Viral Vectors for In Vivo Genetic Therapy
WO2024000223A1 (zh) 经改造的病毒包膜蛋白及其用途
AU765127B2 (en) Nucleic acid transporters and medicinal compositions for gene therapy
JP2004331562A (ja) Il−12遺伝子を含む遺伝子治療用組成物
AU2002246958B2 (en) Vectors and packaging systems for transduction into quiescent cells
US20070264281A1 (en) Vaccination Vectors Derived From Lymphotropic Human Herpes Viruses 6 and 7
US20040005708A1 (en) Polypeptide derivatives and nucleic acid carriers containing the same
JP2007124956A (ja) 遺伝子ベクター
JP2003501066A (ja) Sivベースのパッケージング欠損ベクター
AU2002246958A1 (en) Vectors and packaging systems for transduction into quiescent cells