JP2007124956A - 遺伝子ベクター - Google Patents

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Abstract

【課題】マクロファージーやリンパ球などの休止期細胞への遺伝子導入も可能な遺伝子ベクターを提供する。
【解決手段】芳香環に複数の高分子鎖が置換基として導入された高分子化合物に、C45D18、C45D20及びC45D29よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のペプチドを固定してなる遺伝子ベクター。複数の高分子鎖のうちの少なくとも一つの高分子鎖は、その先端側に、反応活性を有する官能基を側鎖に有する高分子ブロック鎖を有し、ペプチドは、該高分子ブロック鎖の反応活性を有する官能基を介して固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、遺伝子ベクターに係り、特に、合成高分子に特定のペプチドを固定してなり、休止期細胞への遺伝子導入も可能な遺伝子ベクターに関する。
近年、ヒト疾患の分子遺伝学的要因が明らかになるにつれ、遺伝子治療研究がますます重要視されている。遺伝子治療法は標的とする部位でのDNAの発現を目的としており、いかにDNAを標的部位に到達させるか、いかにDNAを標的部位に効率的に導入し、当該部位で機能的に発現させるかということが重要となる。
従来、細胞へ遺伝子を導入する技術としては次のようなものが知られているが、いずれも以下に述べるような欠点がある。
(1)ウイルスベクター法
(2)エレクトロポーション法、マイクロインジェクション法等
(3)リポフェクチン法、ポリカチオン法等
(1)ウイルスベクター法
(1) ウイルス全般については、合成工程が複雑で感染の危険性がある;ウイルス内には挿入できないような大きな核酸が導入できない(例えばアデノウイルスでは、導入サイズは9000b以下である。);といった欠点がある。
(2) レセプターを介して細胞へ侵入するタイプのウイルスの場合、レセプターが発現されていない細胞へは導入できない;遺伝子治療を目指して研究をする場合に、マウスなど小動物での実験が必須であるが、ヒト細胞に存在するレセプターがマウスに存在しなければ実験が成立しない;細胞の種類によってレセプター発現量が異なり、これが導入効率に影響してしまう;アデノウイルスの設計には主としてCAR(コサッキーアデノウイルスレセプター)を利用するが、疾病によってCARの発現量が少ない患者も多く、遺伝子治療への応用に制約を受けることもある;といった欠点がある。
(3) レトロウイルスの場合は、分裂期の細胞にのみ導入が可能で、休止期の細胞へは応用できない;染色体への組み込みが可能で、免疫原性はないが、不安定で生体内使用には不適である;といった欠点がある。
(2) 細胞膜に一時的に孔を開けるマイクロインジェクション、エレクトロポーション、遺伝子銃、マイクロジェット等による方法は、細胞膜が不可逆的な損傷を受け、溶解してしまうため、生存率も50%以下と低い。神経細胞など増殖性の低い細胞の場合、生存率が低いことは大きな問題となる。即ち、遺伝子を導入できても、細胞が死滅してしまえば遺伝子導入の意味がない。
(3) 細胞のエンドサイトーシスを利用するリポフェクチン法、りん酸カルシウム法、Nakedプラスミド法、ポリカチオン法は、一般的に遺伝子導入効率が低く、特に、マクロファージー、リンパ球といった休止期細胞への導入は不可能に近い。
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、マクロファージーやリンパ球などの休止期細胞への遺伝子導入も可能な遺伝子ベクターを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の遺伝子ベクターは、芳香環に複数の高分子鎖が置換基として導入された高分子化合物に、C45D18、C45D20及びC45D29よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のペプチドを固定してなる遺伝子ベクターであって、該複数の高分子鎖のうちの少なくとも一つの高分子鎖は、その先端側に、反応活性を有する官能基を側鎖に有する高分子ブロック鎖を有し、前記ペプチドは、該高分子ブロック鎖の反応活性を有する官能基を介して固定されていることを特徴とする。
請求項2の遺伝子ベクターは、請求項1において、前記反応活性を有する官能基がアミノ基、チオール基、アルデヒド基、カルボキシル基、イミド基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、水酸基、アミド、エステル、ジアゾ、アゾメチン、エポキシ基、イソシアネート、チオイソシアネート、エチレン、アセチレン、ブタジエン及びこれらの誘導体分子団よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
請求項3の遺伝子ベクターは、請求項1において、前記芳香環が炭素数5〜8の芳香環の、単環又は縮合環よりなることを特徴とする。
請求項4の遺伝子ベクターは、請求項3において、前記芳香環が、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニル環、ビフェニレン環、ピリジン環、ピロール環、フラン環又はピレン環であることを特徴とする。
請求項5の遺伝子ベクターは、請求項4において、前記芳香環がベンゼン環であることを特徴とする。
請求項6の遺伝子ベクターは、請求項5において、前記高分子鎖はベンゼン環に対して2〜6個導入されていることを特徴とする。
請求項7の遺伝子ベクターは、請求項6において、前記高分子鎖はベンゼン環に対して4個又は6個導入されていることを特徴とする。
請求項8の遺伝子ベクターは、請求項7において、前記高分子鎖はベンゼン環に対して6個導入されていることを特徴とする。
請求項9の遺伝子ベクターは、請求項1ないし8のいずれか1項において、前記高分子鎖は、ポリアクリルアミド系高分子ブロック鎖と、その先端に結合した、前記反応活性を有する官能基を側鎖に有する高分子ブロック鎖とを有することを特徴とする。
請求項10の遺伝子ベクターは、請求項1ないし9のいずれか1項において、前記反応活性を有する官能基を側鎖に有する高分子ブロック鎖が、ポリアミノスチレン系高分子ブロック鎖であることを特徴とする。
請求項11の遺伝子ベクターは、請求項1ないし10のいずれか1項において、前記高分子化合物の分子量が5千〜50万であることを特徴とする。
請求項12の遺伝子ベクターは、請求項11において、前記高分子化合物の分子量が5千〜5万であることを特徴とする。
請求項13の遺伝子ベクターは、請求項1ないし12のいずれか1項において、前記ペプチドがC45D18であることを特徴とする。
本発明の遺伝子ベクターで用いられる高分子化合物は、芳香環に導入された高分子鎖の先端側に、反応活性を有する官能基を側鎖に有する高分子ブロック鎖(以下、反応活性を有する官能基を「反応性官能基」と称し、反応性官能基を側鎖に称する高分子ブロック鎖を「活性高分子ブロック鎖」と称す場合がある。)を有するため、この活性高分子ブロック鎖の反応性官能基を介して特定のペプチドを固定することができる。
そして、本発明の遺伝子ベクターに固定されたペプチドは、ヒト免疫不全ウイルス(以下『HIV−1』という。)の、約15kDaのアクセサリータンパク質であるVpr(ウイルス・プロテイン・r)のアミノ酸配列の一部分を有するものである。該VprはHIV−1の感染や遺伝子の不安定化、細胞周期の異常化、アポトーシスの作用を有し、休止期細胞、即ち非分裂細胞に侵入するために必須なものである。
このように、休止期細胞への侵入に必須なアミノ酸配列よりなるペプチドを固定した本発明の遺伝子ベクターであれば、休止期細胞への遺伝子導入が可能である。
以下に本発明の遺伝子ベクターの実施の形態を詳細に説明する。
[ペプチド]
まず、本発明の遺伝子ベクターに固定されているペプチドについて説明する。
本発明の遺伝子ベクターに固定されているペプチドは、以下の[配列表]に記載の、HIV-1のアクセサリータンパク質のアミノ酸配列の一部分を有するペプチドであり、休止期細胞、即ち非分裂細胞に侵入するために必須なものである。
Figure 2007124956
このペプチドのうち、C45D18は、Vprタンパク質のアミノ酸配列のうちの52番から78番の27merのアミノ酸配列部分のペプチドであり、C45D20は、52番から76番の25merのアミノ酸配列部分のペプチドであり、C45D29は、52番から69番の18merのアミノ酸配列部分のペプチドである。
なお、本発明でいうVpr、C45D18などのペプチドは化学的に合成することも可能であるし、天然由来DNA、組換え遺伝子、cDNAクローンなどから発現させたものでも良く、当然、糖鎖修飾の有無やミスマッチなどによる差異も起こりえるが、相同性が90%以上あるものを利用する限りは本発明の範囲内である。
本発明の遺伝子ベクターは、これらの3種のペプチドのうちの1種のみが固定されたものであっても良く、2種又は3種が固定されたものであっても良い。
これらのペプチドのうち、特に休止期細胞への遺伝子導入効率が高いことから、C45D18が最も好ましい。
ペプチドと高分子化合物の固定は、当業者に周知の方法で行うことが可能である。すなわち、ペプチド中のシステインのSH基、ヒスチジンのイミダゾール分子団、アスパラギン酸のカルボキシル基、アルギニンのグアニジル基、セリンのOH基といった反応の拠点となり得る官能基と高分子化合物の反応性官能基とを公知の化学架橋剤などによって結合させれば良い。
例えば、ペプチドがC45D18であれば、C末端領域のシステインのSH基を利用してヘキサメチレンジイソシアネート、N−(e−マレイミドカプロイロキシ)サクミンイミドエステル又はデナコール(二官能性のエポキシ化合物)などを利用して高分子化合物に固定される。
高分子化合物に対するペプチドの固定割合には特に制限はないが、ペプチドの固定割合が少な過ぎると、休止期細胞へ遺伝子導入効果が得られず、多過ぎると、高分子化合物のポリカチオンとしての性質が損なわれることと、立体的に大きなものとなってしまって遺伝子との複合体の形成に不利となってしまうことから、高分子化合物1分子に対するペプチドの固定量は3個以上、特に3個〜10個とすることが好ましい。
高分子化合物へのペプチドの固定は、後述の実施例に示されるように、高分子化合物をリン酸バッファー溶液(pH7,リン酸バッファー溶液の好ましいリン酸濃度は1〜100mM程度で、好ましい高分子化合物濃度は0.1〜100mg/mL程度)として、ここへN−(e−マレイミドカプロイロキシ)サクミンイミドエステル等を終濃度0.01mM〜10mMとなるように添加混合し、これに所定量のペプチドを混合することにより行うことができる。
[高分子化合物]
次に、本発明の遺伝子ベクターにおいて、前述のペプチドを固定するための高分子化合物について説明する。
この高分子化合物は、芳香環に複数の高分子鎖が置換基として導入された化合物であって、複数の高分子鎖のうちの少なくとも一つの高分子鎖は、反応活性を有する官能基を側鎖に有する高分子ブロック鎖を有するものである。
ここで、この高分子鎖の核となる芳香環としては、炭素数5〜8の芳香環、特に炭素数6の芳香環(即ちベンゼン環)の、単環又は2〜6個の縮合環、例えば、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニル環、ビフェニレン環、ピリジン環、ピロール環、フラン環、ピレン環が挙げられ、好ましくはベンゼン環である。
核となる芳香環に導入される高分子鎖の数は、ベンゼン環であれば2〜6個、ナフタレン環の場合2〜8個、アントラセン環、ピレン環の場合2〜10個であるが、多い程効果的であり、例えばベンゼン環であれば2,3,4又は6個、特に4又は6個、とりわけ6個であることが好ましい。
高分子鎖を導入するための原料となる芳香環化合物としては、例えば芳香環がベンゼン環の場合、次のようなベンゼン誘導体が挙げられる。
即ち、3分岐鎖用としては、2,4,6−トリス(ブロモメチル)メシチレンとナトリウムN,N−ジエチルジチオカルバメートとをエタノール中で付加反応させて得られる2,4,6−トリス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)メシチレンであり、4分岐鎖としては、1,2,4,5−テトラキス(ブロモメチル)ベンゼンとナトリウムN,N−ジエチルジチオカルバメートとをエタノール中で付加反応させて得られる1,2,4,5−テトラキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼンであり、6分岐鎖としては、ヘキサキス(ブロモメチル)ベンゼンとナトリウムN,N−ジエチルジチオカルバメートとをエタノール中で付加反応させて得られるヘキサキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼンである。
芳香環に導入された高分子鎖のうちの少なくとも一つ、好ましくはそのすべてがその先端側に活性高分子ブロック鎖を有するものである。この高分子鎖は、特に、基端側がビルル系単量体の単独又は異なるビニル系単量体の共重合体よりなるビニル系高分子ブロック鎖で、先端側が活性高分子ブロック鎖であるものが好ましく、特に基端側は3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドCH=CHCONHCN(CH等の重合体よりなるポリアクリルアミド系高分子ブロック鎖であることが好ましい。
なお、ここで、基端側とは高分子鎖のうち芳香環との結合部に近い側をさし、先端側とはこの結合部から遠い側をさす。
また、高分子鎖の先端側の活性高分子ブロック鎖としては、反応性官能基として、前述のペプチドの末端SH基等と反応活性を有する基、例えばアミノ基、チオール基、アルデヒド基、カルボキシル基、イミド基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、水酸基、アミド、エステル、ジアゾ、アゾメチン、エポキシ基、イソシアネート、チオイソシアネート及びこれらの誘導体分子団よりなる群から選ばれる、当業者に良く知られる、分子修飾の拠点となり得る官能基(なお、ここで官能基は、ハロゲン原子等の単一原子や末端がフリーでない分子内結合を含む広義の官能基である。)の1種又は2種以上を側鎖に有するものであることが好ましく、従って、これらの反応性官能基を有するビニル系単量体の重合体又は異なるビニル系単量体の共重合体よりなる活性高分子ブロック鎖、例えば、ポリアミノスチレン、ポリブロモメチルスチレン、ポリグリシジルメタクリレートもしくはポリメタクリル酸又はこれらの誘導体からなる活性高分子ブロック鎖であることが好ましい。
芳香環にこのような高分子鎖を導入してなる本発明に係る高分子化合物、例えば、基端側が3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドの重合体よりなる高分子ブロック鎖で、先端側が4−アミノスチレンの重合体よりなる活性高分子ブロック鎖よりなる高分子鎖を導入した高分子化合物を合成するには、まず、3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドと前述の各ベンゼン誘導体とをメタノールなどのアルコール溶液あるいは溶解性を考慮してクロロホルムなどの低極性溶媒の溶液として混合し、光重合反応させることにより、ベンゼン環に対し上記ベンゼン誘導体由来の−CH−等を介して3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドの重合体が結合した高分子前駆体を製造する。
次に、この高分子前駆体と4−アミノスチレンとをメタノールなどのアルコール溶液として混合し、光重合反応させることにより、高分子前駆体の高分子鎖の先端側に4−アミノスチレンの高分子ブロック鎖を導入する。
なお、この際、本重合方法がN,N−ジエチルジチオカルバメートをイニファターとした光照射リビングラジカル重合でであることにより、4−アミノスチレンの高分子ブロック鎖の先端には、N,N−ジエチルジチオカルバミル基等の出発原料であるベンゼン誘導体に導入されている置換基が結合している。
本発明において、芳香環に複数の高分子鎖が導入されてなる高分子化合物の分子量は5千〜50万、特に5千〜5万、とりわけ1万〜2万程度であることが好ましい。この分子量が過度に大きいと、高分子化合物及び核酸で複合体を形成させた際の複合体のサイズが大きくなったり、溶解性が低くなったり、生体内へ使用する場合に、排泄に不利になることが考えられる。逆に過度に小さいと低分子量有機化合物としての性質が強く発生して細胞毒性、高浸透圧、など生物学的な弊害が出てしまう。
また、1本の高分子鎖を構成する単量体の数は、その単量体の種類や反応性等によっても異なるが、基端側のポリアクリルアミド系高分子ブロック鎖を構成する単量体数は5〜1000で、先端側の活性高分子ブロック鎖を構成する反応性官能基を有する単量体数は1〜500で、基端側のポリアクリルアミド系高分子ブロック鎖を構成する単量体数に対して、先端側の活性高分子ブロック鎖を構成する反応性官能基を有する単量体数が1/10〜1/2程度であることが好ましい。この単量体数が好適である理由は、基端側の高分子ブロック鎖の単量体数は遺伝子の導入効率が最も高く発現される範囲であることにより、上記範囲であることが好ましく、先端側の高分子ブロック鎖の単量体数は、実質的に遺伝子と複合体を形成するには機能しないことから、上記範囲であることが好ましく、また、基端側の高分子ブロック鎖の単量体数に対して、先端側の活性高分子ブロック鎖の単量体数が多過ぎると遺伝子と静電的に複合体を形成させるためのカチオン性のブロック鎖と遺伝子との距離が長くなり、結果、クーロン力の作用が弱まって複合体形成に影響を与える可能性があり、少な過ぎるとペプチドを固定できる量が少なくなってしまうことによる。
[核酸の投与]
上述のような高分子化合物に前述の特定のペプチドが固定されてなる本発明の遺伝子ベクターは、核酸凝集体と複合体を形成させて生体内へ投与される。
体内へ挿入するデバイスとしては、経皮的に患部付近の組織へ刺入するものや、血管カテーテル、ステントグラフトのように血管内へ留置するものなどがあるが、この限りではない。
核酸は一般に生体内においてあまり安定ではなく、ある種の酵素によって分解される。本発明の遺伝子ベクターを用いた核酸含有複合体では、核酸を凝集体とし、この凝集体の周囲にペプチドを固定したベクターを配置させて酵素から保護するので、少なくとも凝集体内部の核酸を生体内で正常に機能させることができる。しかも、ベクターにペプチドが固定されていることにより、休止期細胞内へも容易に侵入し得る。
この核酸としては、デオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)のようなポリヌクレオチド特にDNAが好適であるが、リボ核タンパク質であってもよい。
本発明の遺伝子ベクターと核酸とを複合させるには、このベクターの濃度1〜1000μg/mL程度の分散液に対し、常温にて核酸を添加し、混合すればよい。核酸に対して遺伝子ベクターを過剰量添加し、遺伝子ベクターを核酸に対し飽和状態に核酸含有複合体として複合化させるのが好ましい。
核酸の好ましい例としては、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子(HSV1−TK遺伝子),p53癌抑制遺伝子及びBRCA1癌抑制遺伝子やサイトカイン遺伝子としてTNF−α遺伝子,IL−2遺伝子,IL−4遺伝子,HLA−B7/IL−2遺伝子,HLA−B7/B2M遺伝子,IL−7遺伝子,GM−CSF遺伝子,IFN−γ遺伝子及びIL−12遺伝子などのサイトカイン遺伝子並びにgp−100,MART−1及びMAGE−1などの癌抗原ペプチド遺伝子が癌治療に利用できる。
また、VEGF遺伝子,HGF遺伝子及びFGF遺伝子などのサイトカイン遺伝子並びにc−mycアンチセンス,c−mybアンチセンス,cdc2キナーゼアンチセンス,PCNAアンチセンス,E2Fデコイやp21(sdi−1)遺伝子が血管治療に利用できる。かかる一連の遺伝子は当業者には良く知られたものである。
また、アンチセンスによるリプレッシングの他に、21〜23塩基の二本鎖RNAを使用したRNA干渉によるmRNA破壊などに利用することも可能である。
核酸含有複合体の粒径は50〜400nm程度が好適である。これよりも小さいと、核酸含有複合体内部の核酸にまで酵素の作用が及ぶおそれ、あるいは腎臓にて濾過排出されるおそれがある。また、これよりも大きいと、細胞に導入されにくくなるおそれがある。
核酸は、細胞に導入されることによりその細胞内で機能を発現することができるような形態で用いる。例えばDNAの場合、導入された細胞内で当該DNAが転写され、それにコードされるポリペプチドの産生を経て機能発現されるように当該DNAが配置されたプラスミドとして用いる。好ましくは、プロモーター領域、開始コドン、所望の機能を有する蛋白質をコードするDNA、終止コドンおよびターミネーター領域が連続的に配列されている。
所望により2種以上の核酸をひとつのプラスミドに含めることも可能である。
本発明において、核酸を導入する対象として望ましい「細胞」としては、当該核酸の機能発現が求められるものであり、このような細胞としては、例えば使用する核酸(すなわちその機能)に応じて種々選択され、例えば心筋細胞、平滑筋細胞、繊維芽細胞、骨格筋細胞、血管内皮細胞、骨髄細胞、骨細胞、血球幹細胞、血球細胞等が挙げられる。また、単球、樹状細胞、マクロファージ、組織球、クッパー細胞、破骨細胞、滑膜A細胞、小膠細胞、ランゲルハンス細胞、類上皮細胞、多核巨細胞等、消化管上皮細胞・尿細管上皮細胞などである。
本発明の遺伝子ベクターを用いた核酸含有複合体は任意の方法で生体に投与することができる。
当該投与方法としては静脈内又は動脈内への注入が特に好ましいが、筋肉内、脂肪組織内、皮下、皮内、リンパ管内、リンパ節内、体腔(心膜腔、胸腔、腹腔、脳脊髄腔等)内、骨髄内への投与の他に病変組織内に直接投与することも可能である。
この核酸含有複合体を有効成分とする医薬は、更に必要に応じて製剤上許容し得る担体(浸透圧調整剤,安定化剤、保存剤、可溶化剤、pH調整剤、増粘剤等)と混合することが可能である。これら担体は公知のものが使用できる。
また、この核酸含有複合体を有効成分とする医薬は、含まれる核酸の種類が異なる2種以上の核酸含有複合体を含めたものも包含される。このような複数の治療目的を併せ持つ医薬は、多様化する遺伝子治療の分野で特に有用である。
投与量としては、動物、特にヒトに投与される用量は目的の核酸、投与方法および治療される特定部位等、種々の要因によって変化する。しかしながら、その投与量は治療的応答をもたらすに十分であるべきである。
この核酸含有複合体は、好ましくは遺伝子治療に適用される。適用可能な疾患としては、当該複合体に含められる核酸の種類によって異なるが、末梢動脈疾患、冠動脈疾患、動脈拡張術後再狭窄等の病変を生じる循環器領域での疾患に加え、癌(悪性黒色腫、脳腫瘍、転移性悪性腫瘍、乳癌等)、感染症(HIV等)、単一遺伝病(嚢胞性線維症、慢性肉芽腫、α1−アンチトリプシン欠損症、Gaucher病等)等が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[実施例1:ベクターの合成]
〈活性高分子ブロック鎖導入高分子化合物の合成〉
[1]ヘキサキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼンの合成
Figure 2007124956
ヘキサキス(ブロモメチル)ベンゼン5gとN,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム31.8gをエタノール1L中へ加え、室温で4日間攪拌した。沈殿物を濾過し、減圧乾燥後、クロロホルム200mLへ溶解し、ここへ150mLの水を加えて液液抽出を行って臭化ナトリウムを除去した。この操作を3回繰り返した後、クロロホルム層を硫酸マグネシウムで24時間乾燥させた。濾過後、n−ヘキサンを加えて再結晶を行って、微かに淡青色を帯びたヘキサキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼンの白色結晶を得た(収率90%)。
1H NMR(in CDCl3):δ 1.26-1.31(t,36H,J=6.9 Hz,-CH2SC(S)N(CH2CH3)2),3.71-4.01(wq,24H,J=6.9 Hz,-CH2SC(S)N(CH2CH3)2),4.57(s,12H,-CH2SC(S)NEt2)
[2]6分岐型pDMAPAAmホモポリマーの合成
Figure 2007124956
モノマーの3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドは、減圧蒸留で精製した。ヘキサキス(N,N−ジエチルチオカルバミルメチル)ベンゼン8.7mgを20mLのクロロホルムへ溶解し、3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド3.9gを加えて混合し、全量をクロロホルムで希釈して50mLに調整した。石英セル中で激しく攪拌しながら高純度窒素ガスで5分間パージした。200W高圧水銀灯で30分間の光照射を行った。照度は照度計(UVR−1,TOPCON,Tokyo,Japan)を使用して1mW/cm(250nm)に調整した。重合溶液をエバポレーターで濃縮し、ジエチルエーテルで再沈殿させて精製した。これを少量の水へ溶解し、0.2μmフィルターで濾過してから凍結乾燥させてヘキサキス{N,N−ジエチルジチオカルバミル−ポリ(3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)−メチル}ベンゼン(6分岐型pDMAPAAmホモポリマー)を得た(重合率40%)。
分子量はGPCにより17,300と測定され,1H NMR(in D2O)の測定結果は、δ 1.00-1.70(br,416H,-CH2CH-and-CH2CH2CH2-),1.90(br,104H,-CH2CH-),2.09(s,624H,-N(CH3)2),2.25(br,208H,-CH2N(CH3)2),2.98(br,208H,-CONHCH2-)で、目的物であることを確認した。
[3]6分岐型pDMAPAAm−b−pASの合成
Figure 2007124956
6分岐型pDMAPAAmホモポリマー150mgをメタノールへ溶解し、ここへ4−アミノスチレン620mgを混合して全量をメタノールで50mLに調整した。上記[2]と同様の手法で光照射重合を行い、メタノール/ジエチルエーテル系で精製を行って、ヘキサキス{N,N−ジエチルジチオカルバミル−ポリ(4−アミノスチレン)−ブロック−ポリ(3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)−メチル}ベンゼン(6分岐型pDMAPAAm−pASブロックポリマー)を得た(重合率38%)。
分子量はGPCにより18,300と測定され、1H-NMR(in D2O)はδ 1.00-1.70(br,432H,-CH2CH-and-CH2CH2CH2-),1.90(br,104H,-CH2CH-of PDMAPAAm),2.06(s,624H,-N(CH3)2 of PDMAPAAm),2.21(br,208H,-CH2N(CH3)2),3.02(br,208H,-CONHCH2-),6.40-6.80(br,16H,3-H and 5-H of aromatic ring proton),6.95-7.30(br,16H,2-H and 6-H of aromatic ring proton)と測定された。
以上より、6分岐型ポリマーの6本のポリマー鎖に各々、18個モノマー単位の3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのポリマーブロックと、6個モノマー単位の4−アミノスチレンのポリマーブロックが導入された6分岐型pDMAPAAm−pASブロックポリマーが合成されたことが確認された。
〈活性高分子ブロック鎖導入高分子化合物へのペプチドの固定〉
C45D18ペプチドは化学的に合成した。
このペプチドのC末端領域にあるシステインSH基を利用して高分子化合物に導入した。
まず、6分岐型pDMAPAAM−b−pASブロックポリマーを10mMリン酸バッファー(pH=7.0)へ溶解して濃度を1mg/mLに調整した。ここへN−(e−マレイミドカプロイロキシ)サクミンイミドエステルを終濃度0.1mMとなるように混合し、室温で30分間攪拌した。6分岐型pDMAPAAM−b−pASブロックポリマーの3倍モル量となるようにC45D18ペプチドを室温下で混合し、3時間放置した。未反応のペプチドはリン酸バッファーを使用して透析して除去し、C45D18導入−6分岐型pDMAPAAM−b−pASブロックポリマー(以下「C45D18−SV」と称す。)を得た。このC45D18−SVは、6分岐型pDMAPAAM−b−pASブロックポリマー1分子に対して、C45D18が3分子固定されたものである。
[実施例2及び比較例1:遺伝子導入実験−その1]
〈休止期細胞の準備〉
休止期細胞は、HT1080(ヒト繊維肉腫細胞株)をDMEM10%FCS添加培地で培養し、トランスフェクションの3日前より、0.1%FCS添加培地へ変更して休止期とさせた。増殖期の細胞に関しては、10%FCS添加培地で培養したものを遺伝子導入に使用した。
〈遺伝子導入及び測定〉
pGL3プラスミドを使用し、レポータージーンアッセイを行った。C45D18−SVとDNAとの複合体(実施例2)と、SV(C45D18を導入していない6分岐型pDMAPAAM−b−pASブロックポリマー)とDNAとの複合体(比較例1)をそれぞれ150μLのOPTI−MEM中で30分間インキュベートし、これを培養細胞へ加えた。DNA量は250ngとなるように調整した。トランスフェクションから48時間後にルシフェラーゼアッセイを行った(東洋インキ社,ピッカジーン試薬)。補正はタンパク量で行い、タンパク定量はBioRad社のBradford試薬で行った。
結果は図1の通り、増殖期の細胞(HT1080の10%FCS培養系)に関しては、SV、C45D18−SVともに遺伝子導入効率に差は確認されなかったが(図1(a))、休止期の細胞(HT1080の0.1%FCS培養系)に関しては、SVでは遺伝子導入活性がほとんど確認されなかったのに対し、C45D18−SVでは遺伝子導入活性が確認された(図1(b))。
〈細胞周期の確認〉
細胞を30分間,24時間,48時間、10μM BrdU(Bromodeoxyuridine)で処理し、70%氷冷エタノールで固定後、抗BrdU抗体で処理し、Cy3でラベルしたマウスIgGで検出した。BrdU陽性割合は、10%FCS添加培地で培養した系で43%、0.1%FCS添加培地で培養した系で9%となった。これよりS期細胞数が0.1%FCS添加系で顕著に減少することことが確認された。
[実施例3及び比較例2:遺伝子導入実験−その2]
〈休止期細胞の準備〉
THP−1細胞をIMDM 10%FCS添加培地で培養し、ポリ−D−リジンをコーティングした6Wellプレートへ播種し(播種密度:1×10個)、5×10−8M PMA(Phorpbol mystate acetate)で2日間処理して分化させ、Mac−1の発現を特異抗体で確認した。
〈遺伝子導入実験〉
pGL3プラスミドを使用し、レポータージーンアッセイを行った。C45D18−SVとDNAとの複合体(実施例3)又はSVとDNAとの複合体(比較例2)を150μLのOPTI−MEM中で30分間インキュベートし、これを培養細胞へ加えた。DNA量は250ngとなるように調整した。トランスフェクションから48時間後にルシフェラーゼアッセイを行った(東洋インキ社,ピッカジーン試薬)。補正はタンパク量で行い、タンパク定量はBioRad社のBradford試薬で行った。
結果は図2の通り、C45D18−SV群でのみ高い遺伝子発現が確認された。
また、同様の手順で、pGL3に替えてpIRES2−EGFPプラスミドを使用してトランスフェクションを行い、遺伝子発現レベルを解析するために、逆転写されたGFPのmRNAをPCR解析を行った。
実施例2と同様の手順でトランスフェクション後、RNeasy(インビトロゲン社)を使用してmRNAを抽出し、RT−PCR法でcDNAを合成した。
β−アクチン合成用の上流プライマーは、5’<TGAACCCCAAGGCCAACCGC<3’
下流プライマーは、5’<TTGTGCTGGGTGCCAGGGCA<3’
GFP合成用の上流プライマーは、5’<ATGGTGAGCAAGGGGCGAGGA<3’
下流プライマーは,5’<TTACTTGTACAGCTCGTCC<3’
を使用した。
プライマーは、北海道システムサイエンス社製のものを使用した。増幅されたcDNAは、アガロースゲルで電気泳動分離し、Vistra Greenで染色し、FX−PROPULS(バイオラッド社)で画像解析して定量した。
GFPのmRNAの発現レベルC45D18−SV群とSV群間で比較した結果は図3の通り、C45D18−SV群でのみ遺伝子発現が確認された。
なお、BrdU取り込み実験による確認では、未処理のTHP−1細胞群は約30%の細胞においてBrdU取り込みが陽性であったのに対し、PMAで処理したTHP−1細胞群はわずかに1%が陽性であった。このPMAで処理したTHP−1細胞群は、さらに2日間の追加培養を行ってBrdU取り込み実験を行っても陽性細胞は0.6%と測定され、PMA処理群が2日間は休止期にあることが確認された。
[実施例4及び比較例3:遺伝子導入実験−その3]
ヒトMDMsは末梢血を健常人よりヘパリン採取し、Lymphoprep液で調整した。コラーゲンコートディッシュを使用して7日間100ng/mL M−CSFの存在下で培養した。培養2日後にはMac−1の発現が確認された。
トリプシンで剥がした後、M−CSF非添加系で4日間追加培養を行った。これを6Wellプレートへ播種した(播種密度:1×10個)。
先の実施例と同様にしてpGL3プラスミドを使用し、ルシフェラーゼ活性値を測定した。
結果は図4の通り、C45D18−SV群でのみ高いルシフェラーゼ活性が確認された。
[実施例5及び比較例4:核中への移行の確認]
核中へ移行したDNAを分析するために、Cy3−dCTPでラベルしたDNA(アマシャムバイオサイエンス社製)を同量のプラスミドDNAと混合してトランスフェクションを行い、共焦点走査レーザー顕微鏡(BioRad社)で可視化して観察した。図5の通り、C45D18−SV(実施例5)でトランスフェクションを行った群では、核中に大きなDNA由来のドットが観察されたのに対して、SV(比較例4)でトランスフェクションした群では細胞内で細かいドットとなって観察された。
また、DNA凝集塊が2μm以上であるものを計量した結果は、図6の通り、C45D18−SVでトランスフェクションを行った群では、15%もの細胞で大きなドットが観察された。
この結果と、PCRによる解析の結果によって(PCR解析では、C45D18−SVを用いたトランスフェクションによって導入されたDNAは、細胞内において必ずしも自立増殖しているわけではないことが推測された)、休止期細胞中への高い遺伝子導入機能によって高い遺伝子発現が得られていることが示唆された。
以上より、本発明に係るC45D18−SVは、休止期細胞、神経細胞、造血幹細胞への遺伝子導入が可能であることが示唆された。
[実施例6及び比較例5:他のペプチドとの比較]
ヒト免疫不全ウイルス1型の転写活性化タンパクにTatがある。TatはHIVのLTR(ロングターミナルリピート)の初期転写産物に結合して転写を促進する。ペプチド導入SVの休止期細胞への遺伝子導入効果をC45D18−SVの効果と比較検討した。
先の実施例と同様の手法でトランスフェクションを行った結果、遺伝子の発現は図7の通りC45D18−SV群でのみ確認され、Tatを導入したSVでは遺伝子発現は確認されなかった。
実施例2及び比較例1におけるルシフェラーゼ活性の測定結果を示すグラフであり、(a)図は増殖期の細胞の場合、(b)図は休止期の細胞の場合を示す。 実施例3及び比較例2におけるルシフェラーゼ活性の測定結果を示すグラフである。 実施例3及び比較例2におけるGFPのPCR解析結果を示す図である。 実施例4及び比較例3におけるルシフェラーゼ活性の測定結果を示すグラフである。 実施例5及び比較例4における核中のDNAの共焦点走査レーザー顕微鏡観察結果を示す図である。 実施例5及び比較例4における2μm以上のDNA凝集塊が観察された細胞割合の計量結果を示すグラフである。 実施例6及び比較例5におけるルシフェラーゼ活性の測定結果を示すグラフである。

Claims (13)

  1. 芳香環に複数の高分子鎖が置換基として導入された高分子化合物に、C45D18、C45D20及びC45D29よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のペプチドを固定してなる遺伝子ベクターであって、
    該複数の高分子鎖のうちの少なくとも一つの高分子鎖は、その先端側に、反応活性を有する官能基を側鎖に有する高分子ブロック鎖を有し、
    前記ペプチドは、該高分子ブロック鎖の反応活性を有する官能基を介して固定されていることを特徴とする遺伝子ベクター。
  2. 請求項1において、前記反応活性を有する官能基がアミノ基、チオール基、アルデヒド基、カルボキシル基、イミド基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、水酸基、アミド、エステル、ジアゾ、アゾメチン、エポキシ基、イソシアネート、チオイソシアネート、エチレン、アセチレン、ブタジエン及びこれらの誘導体分子団よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする遺伝子ベクター。
  3. 請求項1において、前記芳香環が炭素数5〜8の芳香環の、単環又は縮合環よりなることを特徴とする遺伝子ベクター。
  4. 請求項3において、前記芳香環が、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニル環、ビフェニレン環、ピリジン環、ピロール環、フラン環又はピレン環であることを特徴とする遺伝子ベクター。
  5. 請求項4において、前記芳香環がベンゼン環であることを特徴とする遺伝子ベクター。
  6. 請求項5において、前記高分子鎖はベンゼン環に対して2〜6個導入されていることを特徴とする遺伝子ベクター。
  7. 請求項6において、前記高分子鎖はベンゼン環に対して4個又は6個導入されていることを特徴とする遺伝子ベクター。
  8. 請求項7において、前記高分子鎖はベンゼン環に対して6個導入されていることを特徴とする遺伝子ベクター。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項において、前記高分子鎖は、ポリアクリルアミド系高分子ブロック鎖又はポリアクリレート系高分子ブロック鎖とその先端に結合した、前記反応活性を有する官能基を側鎖に有する高分子ブロック鎖とを有することを特徴とする遺伝子ベクター。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項において、前記反応活性を有する官能基を側鎖に有する高分子ブロック鎖が、ポリアミノスチレン、ポリブロモメチルスチレン、ポリグリシジルメタクリレートもしくはポリメタクリル酸又はこれらの誘導体からなる高分子ブロック鎖であることを特徴とする遺伝子ベクター。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項において、前記高分子化合物の分子量が5千〜50万であることを特徴とする遺伝子ベクター。
  12. 請求項11において、前記高分子化合物の分子量が5千〜10万であることを特徴とする遺伝子ベクター。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項において、前記ペプチドがC45D18であることを特徴とする遺伝子ベクター。
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