JP2001118390A - 多ビット情報を記録する不揮発性メモリ回路 - Google Patents

多ビット情報を記録する不揮発性メモリ回路

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JP2001118390A JP29302799A JP29302799A JP2001118390A JP 2001118390 A JP2001118390 A JP 2001118390A JP 29302799 A JP29302799 A JP 29302799A JP 29302799 A JP29302799 A JP 29302799A JP 2001118390 A JP2001118390 A JP 2001118390A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非導電性のトラップゲートを有するセルトラン
ジスタからなる多ビット不揮発性メモリ回路において、
複数のデータを同時に読み出すことができるセルアレイ
構成を提供する。 【解決手段】本発明は、非導電性のトラップゲートTG
を有するセルトランジスタMを複数配置した不揮発性メ
モリ回路において、行方向に隣接するセルトランジスタ
のソース・ドレイン領域SD1,SD2に共通に接続さ
れる複数のソース・ドレイン線SDLを有し、この隣接
するソース・ドレイン線を、フローティング状態F、読
み出し電圧印加状態BL、基準電圧状態0V、読み出し電圧
状態BL、及びフローティング状態Fにし、読み出し電圧
状態になっているソース・ドレイン線SDLをビット線
として機能させ、複数のデータを同時に読み出すように
する。上記の状態は、ソース・ドレイン線に接続された
ページバッファP/Bにより生成される。データの読み出
しと保持が、ページバッファにより行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非導電性のトラッ
プゲートを有して多ビットのデータを記憶することがで
きるセルトランジスタよりなる不揮発性メモリ回路に関
し、特に、多数のセルトランジスタから同時に記憶デー
タを読み出すことができるセルアレイ構成を有する不揮
発性メモリ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体を利用した不揮発性メモリは、電
源をオフにしても情報を保持することができ、且つ高速
読み出しができることから、情報記録媒体として広く利
用されている。近年においては、携帯情報端末に利用さ
れたり、デジタルカメラやMP3データのデジタルミュ
ージックなどの記録媒体として利用されている。
【0003】現在普及しているフラッシュメモリなどの
不揮発性メモリは、ソース、ドレイン領域の間のチャネ
ル領域上に、導電性のフローティングゲートとコントロ
ールゲートを有する構造である。かかる不揮発性メモリ
は、フローティングゲートがゲート絶縁膜内に埋め込ま
れて構成され、このフローティングゲートに電荷(チャ
ージ)を注入する、しないにより、1ビットの情報を記
憶する。かかる普及型の不揮発性メモリは、フローティ
ングゲートが導電性であるので、ゲート酸化膜にわずか
でも欠陥が存在すると、その欠陥を通じてフローティン
グゲート内の電子が全て消失してしまい、信頼性を高く
できない問題がある。
【0004】上記の普及型の不揮発性メモリとは別に、
フローティングゲートの代わりに非導電性のチャージト
ラップゲートを設けて、トラップゲートのソース側及び
ドレイン側に局所的にチャージをトラップさせて、2ビ
ットの情報を記憶する新しいタイプの不揮発性メモリが
提案されている。例えば、PCT出願、WO99/07000
「Two Bit Non-Volatile Electrically Erasable and P
rogrammable Semiconductor Memory Cell Utilizing As
ymmetrical Charge Trapping」にかかる不揮発性メモリ
が記載されている。この不揮発性メモリは、トラップゲ
ートが非導電性であるので、局所的に注入した電子が消
失する確率は低く、信頼性を高くすることができる。
【0005】図1は、上記従来の2ビット不揮発性メモ
リのセルトランジスタの構成を示す図である。図1
(1)はその断面図であり、図1(2)はその等価回路
図である。シリコン基板1の表面に、ソース・ドレイン
領域SD1,SD2が形成され、シリコン窒化膜などで
形成されるトラップゲートTGと導電材料のコントロー
ルゲートCGがチャネル領域上に形成される。トラップ
ゲートTGは、シリコン酸化膜などの絶縁膜2内に埋め
込まれていて、全体でMONOS(Metal-Oxide-Nitrid
e-Oxide-Semiconductor)構造になる。シリコン窒化膜
とシリコン酸化膜とのバンドギャップの差を利用して、
シリコン窒化膜にチャージをトラップさせて保持させる
ことができる。
【0006】この不揮発性メモリの特徴的な構成は、ト
ラップゲートTGが、絶縁体、誘電体などの非導電性物
質からなり、このトラップゲートTGにチャージを注入
した場合、トラップゲート内をチャージが移動すること
ができない。従って、第1のソース・ドレイン領域SD
1の近傍にチャージを注入した場合と、第2のソース・
ドレイン領域SD2の近傍にチャージを注入した場合と
を区別することができ、2ビットのデータを記録するこ
とができる。
【0007】図1(2)は、上記の2ビット不揮発性メ
モリの等価回路図である。トラップゲートTGが、非導
電性であるので、第1のソース・ドレイン領域SD1の
近傍の第1のトラップゲート領域TSD1と、第2のソ
ース・ドレイン領域SD2の近傍の第2のトラップゲー
ト領域TSD2とに、別々のMOSトランジスタが形成
されている構成と等価になる。そして、後述する読み出
しやプログラム(書き込み)動作では、第1及び第2の
ソース・ドレイン領域SD1,SD2は、一方がソース
領域としてまたはドレイン領域として利用されるので、
本明細書では、それぞれ、第1のソース・ドレイン領域
SD1、第2のソース・ドレイン領域SD2と称する。
【0008】図2は、従来の2ビット不揮発性メモリの
プログラム、消去及び読み出しを説明するための図であ
る。第1のソース・ドレイン領域SD1に印加される電圧
をV(SD1)、第2のソース・ドレイン領域SD2に印加され
る電圧をV(SD2)、コントロールゲートCGに印加される電
圧をVgとする。
【0009】図2(1)に示される通り、不揮発性記憶
メモリのプログラム(書き込み)は、例えばVg=10V、V
(SD1)=0V、V(SD2)=6Vを印加し、第2のソース・ドレイ
ン領域SD2の近傍で発生したホット・エレクトロンを、
第2のソース・ドレイン領域SD2に近い第2のトラップ
ゲート領域TSD2中に注入することにより行われる。
【0010】また、消去動作では、図2(2)に示され
る通り、コントロールゲートCGにVg=−5V、第1また
は第2のソース・ドレイン領域SD1またはSD2、もしくは
その両方に5Vを印加し、FNトンネル(ファウラー・ノル
ドハイム・トンネル)現象を利用してトラップゲートT
G中から電子を引き抜く。同時にソース・ドレイン領域
SD1、SD2の近傍で発生したホット・ホールをトラップゲ
ートTGに注入することにより、トラップゲートTG中
の電荷を中和する。
【0011】次に、読み出しは、第1及び第2のソース
・ドレイン領域SD1,SD2間に、プログラムとは反
対方向の電圧を印加し、第2のトラップゲート領域TS
D2に電子がトラップされているか否かを検出する。即
ち、第2のトラップゲート領域TSD2の状態を読み出
すためには、例えばVg=3V、V(SD1)=1.6V、V(SD2)=0Vを
印加する。ここで、図2(3)のように、第2のソース
・ドレイン領域SD2付近の第2のトラップゲート領域T
SD2に電子が存在すると、ゲート下のチャネルが第2
のソース・ドレイン領域SD2までつながらず、チャネル
電流が流れない(0データ格納状態)。逆に図2(4)
のように、第2のソース・ドレイン領域SD2付近の第2
のトラップゲート領域TSD2に電子が存在しなけれ
ば、チャネルが第2のソース・ドレイン領域SD2までつ
ながり、チャネル電流が流れる(1データ格納状態)。
こうして、第2のトラップゲート領域TSD2に電子が
蓄積されているか否かを、セルトランジスタのオン・オ
フ、つまり電流の有無で検出することができる。
【0012】また、不揮発性記憶メモリの読み出しにお
いて、図2(5)のように、Vg=3V、V(SD1)=0V、V(SD2)
=1.6Vとして、第1及び第2のソース・ドレイン領域間
の電圧印加状態を上記図2(3)と逆にすると、仮に第
2のトラップゲート領域TSD2に電子が存在しても、
チャネルがピンチ・オフしたMOSトランジスタと同じ
状態になり、第2のソース・ドレイン領域と基板間に広
がる空乏層によって、チャネル電流が流れる。従って、
このような電圧印加状態では、第1のソース・ドレイン
領域SD1付近の第1のトラップゲート領域TSD1に電
子が蓄積されているか否かを、第2のトラップゲート領
域TSD2の電子の有無にかかわらず検出することがで
きる。
【0013】上記の通り、従来のメモリでは、第1のソ
ース・ドレイン領域SD1付近の窒化膜の領域TSD1と
第2のソース・ドレイン領域SD2付近の窒化膜の領域T
SD2に電子を蓄積したりしなかったりすることで、2
ビットの情報を記録することができ、大容量化やチップ
面積縮小による1チップあたりのコスト削減に有利であ
る。
【0014】図3は、上記の不揮発性メモリの2ビット
の情報を記録した状態を示す図である。図中、黒丸は電
子を示す。図3(1)は、第1及び第2のトラップゲー
ト領域TSD1,TSD2のいずれにも電子が捕獲され
ていない状態で、データ=11を示す。図3(2)は、
第2のトラップゲート領域TSD2に電子が捕獲されて
いる状態で、データ=01を示す。図3(3)は、第1
及び第2のトラップゲート領域TSD1,TSD2に電
子が捕獲されている状態で、データ=00を示し、更
に、図3(4)は、第1のトラップゲート領域TSD1
に電子が捕獲されている状態で、データ=10を示す。
【0015】図4は、従来のメモリセルアレイの構成を
示す図である。2ビット記録可能な不揮発性メモリは、
上記の通り、セルトランジスタのソース・ドレイン領域
の一方から他方に電圧を印加して、所望のデータの読み
出しを行う。従って、同じセルトランジスタに対して、
両方向に電圧を印加することができ、両側のソース・ド
レイン領域に接続される2本のソース・ドレイン線それ
ぞれからデータの読み出しを行う必要がある。
【0016】図4に示した従来例では、4本のワード線
WL0〜WL3と、それらのワード線にコントロールゲートが
それぞれ接続されるセルトランジスタM1〜M8とが設
けられる。そして、大容量化のために、隣接するセルト
ランジスタのソース・ドレイン領域は共有され、共通の
ソース・ドレイン線SDL0〜SDL7が接続される。そして、
4個のセルトランジスタ毎に1対のコラム線L1、L2
及びL3,L4と、それらとソース・ドレイン線SDL0〜
SDL7とを接続する1組4個の選択トランジスタQ1〜Q
4が設けられる。選択信号SEL1〜SEL4に応答して、選択
トランジスタQ1〜Q4のいずれかが導通して、コラム
線L1〜L4が適宜ソース・ドレイン線に接続される。
【0017】図5は、図4の動作を説明する図表であ
る。セルトランジスタM1を選択する時は、図5に示さ
れる通り、選択信号SEL1とSEL3をLレベルにしてトラ
ンジスタQ1,Q3を非導通にし、選択信号SEL2とSEL4
をHレベルにしてトランジスタQ2,Q4を導通する。
その結果、セルトランジスタM1のソース・ドレイン線
SDL0、SDL1は、それぞれコラム線L1,L2に接続され
る。そこで、コラム線L2に0Vを印加し、コラム線L
1にビット線として所定の読み出し電圧(1.6V)を印加
すると、セルトランジスタM1に対して、左側から右側
に電圧が印加され、コラム線L1に電流が流れるか否か
を図示しないセンスアンプ回路により検出することがで
きる。
【0018】この時、セルトランジスタM5のソース・
ドレイン線SDL4,SDL5もコラム線L3,L4に接続され
る。しかし、ワード線WL0の選択により、同時に選択さ
れるセルトランジスタM2,M3,M4が、導通する又
はリーク電流を発生することに伴い、セルトランジスタ
M1の読み出しが適切に行えなくなる可能性がある。従
って、それを防止するために、コラム線L3,L4は共
にフローティング状態にされる。
【0019】かくして、ワード線WL0を選択して読み
出されるデータは、セルトランジスタM1の一方の記憶
データだけとなる。選択信号をそのままの状態にして、
コラム線L1に0Vを印加し、コラム線L2に所定の電
圧(1.6V)を印加すると、セルトランジスタM1のもう
一方の記憶データを読み出すことができる。いずれにし
ても、選択信号SEL1〜SEL4を駆動して、1個のセルトラ
ンジスタの2ビットのデータが読み出されるにすぎな
い。
【0020】4組のセルトランジスタのうち、残りのセ
ルトランジスタM2,M3,M4の読み出しは、図5に
示される通り、上記と同様である。この場合も、ワード
線WL0の選択に応答して、各セルトランジスタの記憶デ
ータが1個ずつ読み出される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】非導電性のトラップゲ
ートを有する2ビット不揮発性メモリは、普及型のフラ
ッシュメモリに比較して、2ビットのデータを記憶する
ことができるので、大容量メモリに好適である。しか
し、一方で、その読み出し動作は、読み出したいデータ
によって、ソース・ドレイン領域に印加する電圧の方向
が逆になるので、図4,5に示した通り、読み出し回路
が複雑であり、且つ読み出しのスループットが悪いとい
う課題がある。
【0022】そこで、本発明の目的は、読み出しのスル
ープットを高くした多ビット不揮発性メモリ回路を提供
することにある。
【0023】更に、本発明の目的は、1本のワード線の
選択に伴って、複数のセルトランジスタの記憶データを
同時に読み出すことができる多ビット不揮発性メモリ回
路を提供することにある。
【0024】更に、本発明の目的は、高速読み出しを可
能にしたセルアレイ構造を有する多ビット不揮発性メモ
リ回路を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の一つの側面は、非導電性のトラップゲー
トを有するセルトランジスタを複数配置した不揮発性メ
モリ回路において、行方向に隣接するセルトランジスタ
のソース・ドレイン領域に共通に接続される複数のソー
ス・ドレイン線を有し、この隣接するソース・ドレイン
線を、フローティング状態、読み出し電圧印加状態、基
準電圧状態、読み出し電圧状態、及びフローティング状
態にし、読み出し電圧状態になっているソース・ドレイ
ン線をビット線として機能させ、複数のデータを同時に
読み出すようにする。
【0026】本発明の好ましい実施の形態では、上記の
5つの状態のソース・ドレイン線群を、順次シフト又は
移動させることで、セルトランジスタに記録されている
多ビットのデータを高速に読み出すことができ、読み出
しのスループットを向上させることができる。
【0027】上記の目的を達成するために、本発明の別
の側面は、多ビット情報を記録する不揮発性メモリ回路
において、基板表面に形成された第1及び第2のソース
・ドレイン領域と、その間のチャネル領域上に順に形成
された第1の絶縁層、非導電性のトラップゲート、第2
の絶縁層、及びコントロールゲートとを有し、前記トラ
ップゲートの少なくとも両端に局所的に電荷をトラップ
してデータを記録する、複数のセルトランジスタと、行
方向に配置された前記複数のセルトランジスタのコント
ロールゲートに接続された複数のワード線と、前記行方
向に隣接する前記セルトランジスタのソース・ドレイン
領域に共通に接続された複数のソース・ドレイン線と、
前記複数のソース・ドレイン線にそれぞれ接続され、隣
接するソース・ドレイン線群内の各ソース・ドレイン線
に対して、順番にフローティング状態、読み出し電圧状
態、基準電圧状態、読み出し電圧状態、フローティング
状態の組み合わせを提供し、前記読み出し電圧状態のソ
ース・ドレイン線から前記記録データを読み出す複数の
ページバッファとを有することを特徴とする。
【0028】更に上記の発明の好ましい実施の態様で
は、前記複数のページバッファは、前記組み合わせを提
供される前記隣接するソース・ドレイン線群を所定の順
番でシフトすることを特徴とする。
【0029】これにより、セルトランジスタの多ビット
のデータを全て適宜読み出すことができる。
【0030】更に上記の発明の好ましい実施の態様で
は、前記複数のページバッファは、奇数番目の前記ソー
ス・ドレイン線を両端に有する第1の隣接ソース・ドレ
イン線群と偶数番目の前記ソース・ドレイン線を両端に
有する第2の隣接ソース・ドレイン線群とに、前記組み
合わせを提供する毎に、前記読み出した記録データを出
力することを特徴とする。
【0031】第1の隣接ソース・ドレイン線群と第2の
隣接ソース・ドレイン線群とに上記の組み合わせを提供
することにより、例えば8個の隣接するセルトランジス
タ群内の記録データが8ビット、ページバッファに読み
出される。その段階で、適宜ページバッファ内のデータ
を出力することが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形
態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0033】本発明の実施の形態例は、2ビットを記憶
することができるセルトランジスタを複数有する不揮発
性メモリ回路である。かかるセルトランジスタは、図
1,2,3にて説明した従来のセルトランジスタと同じ
である。即ち、非導電性のトラップゲートの両端に電子
をトラップするか否かにより、1個のセルトランジスタ
に2ビットの情報を記録することができる。従って、こ
のセルトランジスタに対するプログラム(書き込み)、
消去、読み出し動作は、図2に示した通りであり、ここ
では繰り返して説明しない。
【0034】図6は、かかるセルトランジスタを複数、
マトリクス状に配置した本実施の形態例のセルアレイ構
成図である。図6に示されたセルアレイは、行方向に延
びる2本のワード線WL0、WL1が配置され、ワード線に交
差し列方向に延びる9本のソース・ドレイン線SDL1〜SD
L9が配置される。ワード線WL0には、セルトランジスタ
M1〜M9のコントロールゲートがそれぞれ接続され、
セルトランジスタM1〜M9は、それぞれ、隣接するセ
ルトランジスタとソース・ドレイン端子が共通接続さ
れ、かかるソース・ドレイン端子にソース・ドレイン線
SDL1〜SDL9が共通に接続される。ワード線WL1には、同
様にセルトランジスタM11〜M19のコントロールゲート
が接続され、それらのセルトランジスタも、隣接するセ
ルトランジスタとソース・ドレイン端子を共通接続さ
れ、それに共通のソース・ドレイン線SDL1〜SDL9が接続
される。従って、全てのセルトランジスタは、コントロ
ールゲートがワード線に接続され、ソース・ドレイン端
子はソース・ドレイン線にそれぞれ接続される。
【0035】奇数番目のソース・ドレイン線SDL1、SDL3
…SDL9は、図6の上側に配置したページバッファP/B1、
P/B3…P/B9にそれぞれ接続される。また、偶数番目のソ
ース・ドレイン線SDL2、SDL4…SDL8は、図6の下側に配
置したページバッファP/B2、P/B4….P/B8にそれぞれ接
続される。これらのページバッファは、それぞれの制御
信号群STP、SBTに応答して、接続されるソース・ドレイ
ン線を、読み出し電圧が印加されてビット線の如く機能
させる読み出し電圧状態(BL)と、読み出し基準電圧で
ある0Vが印加される基準電圧状態(0V)と、フロー
ティング状態(F)とのいずれかの状態にする。
【0036】セルトランジスタは、接続されるソース・
ドレイン線が読み出し電圧状態(BL)と基準電圧状態
(0V)とにされると、読み出し電圧状態にされているソ
ース・ドレイン線を経由して、それに接続されるページ
バッファにより記録データが読み出される。また、セル
トランジスタは、接続されるソース・ドレイン線のいず
れか一方が、フローティング状態(F)にされると、隣
接するセルトランジスタの読み出し動作に何ら影響を与
えない状態になる。
【0037】各ページバッファは、接続されたソース・
ドレイン線SDLを上記の読み出し電圧状態(BL)にする
ことで、そのソース・ドレイン線SDLに接続されたセル
トランジスタの記録データを読み出し、保持する機能を
有する。そして、その保持された読み出しデータは、図
示しない読み出し制御信号と選択信号に応答して、出力
データバスPBoutに出力される。
【0038】図6に示されたセルアレイには、ワード線
WL0に対して8個のセルトランジスタが接続される。従
って、ワード線WL0の選択によって、合計で16ビット
の記憶データを読み出すことができる。但し、8個のセ
ルトランジスタに対して、9本のソース・ドレイン線及
び9個のページバッファしか設けられていないので、上
記の16ビットの記録データは、8ビットずつ読み出さ
れ、保持される。保持された8ビットの読み出しデータ
は、適宜出力バスPBoutから出力される。更に、後述す
る通り、1本のワード線を選択した時に、各ソース・ド
レイン線を制御することにより、同時に4ビットのデー
タをページバッファに読み出すことができ、従って、2
サイクルにより8ビットのデータを読み出し、4サイク
ルで8個のセルトランジスタの16ビットのデータを読
み出すことができる。
【0039】但し、1本のワード線に接続されるセルト
ランジスタの数は、8個に限定されない。好ましくは、
8個の単位で、セルトランジスタユニットUNIT1,UNIT2
が複数ユニット配置される。その場合、図6に示される
通り、隣接するトランジスタユニットUNIT1,UNIT2は、
それぞれ一端のソース・ドレイン線SDL9が共有されるこ
とが好ましい。
【0040】図7は、読み出し時におけるソース・ドレ
イン線の電圧状態を示す図表である。更に、図8は、読
み出し時におけるセルアレイの動作を説明する図であ
る。8個のセルトランジスタに対しては、図7及び図8
に示される読み出しサイクル(1)〜(4)毎にそれぞ
れ4ビットずつ同時にページバッファに読み出すことが
でき、4サイクルで16ビットのデータを読み出すこと
ができる。
【0041】図7の読み出しサイクル(1)〜(4)
は、図8の読み出しサイクル(1)〜(4)に対応す
る。ここの例では、上記の通り、1回のページリードで
8ビットのデータを読み出す。そして、各ページリード
は、2つの読み出しサイクルで構成される。
【0042】読み出しサイクル(1)では、ソース・ド
レイン線SDL1〜SDL9が、それぞれのページバッファによ
って、 SDL1〜SDL9=0V、BL、F、BL、0V、BL、F、BL、0V の状態にされる。ここで、0Vは基準電圧状態、BLは読み
出し電圧状態、Fはフローティング状態をそれぞれ意味
する。その結果、図8(1)に矢印で示される電流の有
無が、ページバッファP/B2、P/B4、P/B6、P/B8により検
出される。即ち、セルトランジスタM1,M4,M5,
M8において、読み出し電圧状態(BL)のソース・ドレイ
ン線側のデータM1(SD1)、M4(SD2)、M5(SD1)、M8(SD2)
が、ページバッファP/B2、P/B4、P/B6、P/B8により読み
出され、保持される。読み出しサイクル(1)では、偶
数番目のソース・ドレイン線が読み出し電圧状態にされ
ることで、偶数番目のページバッファP/B2、P/B4、P/B
6、P/B8が、それに対応するセルトランジスタの記録デ
ータを読み出し、保持する。
【0043】次に、読み出しサイクル(2)では、ソー
ス・ドレイン線SDL1〜SDL9が、それぞれのページバッフ
ァによって、 SDL1〜SDL9=BL、0V、BL、F、BL、0V、BL、F、F(又
はBL) の状態にされる。その結果、図8(2)に矢印で示され
る電流の有無が、ページバッファP/B1、P/B3、P/B5、P/
B7により検出される。即ち、セルトランジスタM1,M
2,M5,M6において、読み出し電圧状態のソース・
ドレイン線側のデータM1(SD2)、M2(SD1)、M5(SD2)、M6
(SD1)が、ページバッファP/B1、P/B3、P/B5、P/B7によ
り読み出され、保持される。読み出しサイクル(2)で
は、奇数番目のソース・ドレイン線が読み出し電圧状態
にされることで、奇数番目のページバッファP/B1、P/B
3、P/B5、P/B7が、それに対応するセルトランジスタの
記録データを読み出し、保持する。
【0044】読み出しサイクル(1)(2)により、合
計で8ビットからなる1ページ分の記録データが、8個
のページバッファに読み出され保持される。つまり、読
み出しサイクル(1)(2)により1回目のページリー
ドが終了する。その後は、適宜、ページバッファを選択
することにより、その保持されているデータが、出力バ
スPBoutに出力される。出力データバスPBoutを複数本に
することで、複数のデータを同時に出力することが可能
になる。
【0045】次に2回目のページリード動作が必要に応
じて行われる。2回目のページリード動作は、読み出し
サイクル(3)(4)により行われる。読み出しサイク
ル(3)では、ソース・ドレイン線SDL1〜SDL9が、それ
ぞれのページバッファによって、 SDL1〜SDL9=F、BL、0V、BL、F、BL、0V、BL、F の状態にされる。その結果、図8(3)に矢印で示され
る電流の有無が、ページバッファP/B2、P/B4、P/B6、P/
B8により検出される。即ち、セルトランジスタM2,M
3,M6,M7において、読み出し電圧状態のソース・
ドレイン線側のデータM2(SD2)、M3(SD1)、M6(SD2)、M7
(SD1)が、ページバッファP/B2、P/B4、P/B6、P/B8によ
り読み出され、保持される。このように、読み出しサイ
クル(3)では、偶数番目のソース・ドレイン線が読み
出し電圧状態にされることで、偶数番目のページバッフ
ァP/B2、P/B4、P/B6、P/B8が、それらに対応するセルト
ランジスタの記録データを読み出し、保持する。
【0046】次に、読み出しサイクル(4)では、ソー
ス・ドレイン線SDL1〜SDL9が、それぞれのページバッフ
ァによって、 SDL1〜SDL9=F(又はBL)、F、BL、0V、BL、F、BL、0
V、BL の状態にされる。その結果、図8(4)に矢印で示され
る電流の有無が、ページバッファP/B1、P/B3、P/B5、P/
B7により検出される。即ち、セルトランジスタM3,M
4,M7,M8において、読み出し電圧状態のソース・
ドレイン線側のデータM3(SD2)、M4(SD1)、M7(SD2)、M8
(SD1)が、ページバッファP/B1、P/B3、P/B5、P/B7によ
り読み出され、保持される。読み出しサイクル(4)で
は、奇数番目のソース・ドレイン線が読み出し電圧状態
にされることで、奇数番目のページバッファP/B1、P/B
3、P/B5、P/B7が、それらに対応するセルトランジスタ
の記録データを読み出し、保持する。
【0047】読み出しサイクル(3)(4)により、合
計で8ビットからなる1ページ分の記録データが8個の
ページバッファに読み出される。その後は、適宜出力バ
スPBout経由で出力される。
【0048】以上の通り、本実施の形態例では、1つの
ワード線を選択した時に、8個のセルトランジスタの
内、4ビットのデータが同時にページバッファに読み出
されることができる。従って、この8個のセルトランジ
スタのユニットがNユニット配置される場合は、1つの
ワード線を選択した時に、4Nビットのデータを同時に
ページバッファに読み出すことが可能になる。従って、
大容量に適したセルアレイの配置にすると共に、1回の
ワード線選択により、同時に複数のビットの記録データ
をページバッファに読み出すことができる。
【0049】そして、8個のセルトランジスタからなる
ユニットに対して、4回の読み出しサイクルにより、1
6ビットの記録データを読み出すことができる。言い換
えると、8個のセルトランジスタからなるユニットを複
数ユニット配置した場合でも、1本のワード線を選択し
ながら、4回の読み出しサイクルによって、全ての記録
データをページバッファに読み出すことが可能になる。
従って、読み出し動作のスループットを向上させ、読み
出しサイクルを短くすることができる。
【0050】上記の4種類の読み出しサイクル(1)〜
(4)は、F、BL、0V、BL、Fの状態にされた隣接する
5本のソース・ドレイン線からなるソース・ドレイン線
群が、1つずつ右側にシフトしていることが理解され
る。このソース・ドレイン線群内では、読み出し電圧状
態のソース・ドレイン線が2本あるので、2ビットの記
録データが同時に読み出される。
【0051】また、4種類の読み出しサイクルの順番
は、上記の (1)、(2)、(3)、(4) 以外にも、次の順番でも良い。
【0052】 (1)、(2)、(4)、(3) (2)、(1)、(3)、(4) (1)、(2)、(4)、(3) (1)、(4)、(2)、(3) (1)、(4)、(3)、(2) (4)、(1)、(2)、(3) (4)、(1)、(3)、(2) いずれの場合も、奇数番目と偶数番目のソース・ドレイ
ン線が読み出し電圧状態(BL)にされる読み出しサイク
ルが組み合わされことが必要である。上記の変形例から
理解される通り、F、BL、0V、BL、Fの状態にされた隣
接する5本のソース・ドレイン線からなるソース・ドレ
イン線群が、適宜移動していくことで、全てのセルトラ
ンジスタのデータを読み出すことができる。
【0053】尚、ここで隣接するソース・ドレイン線と
は、ソース・ドレイン領域が接続されたセルトランジス
タに対して共通に接続されたソース・ドレイン線におい
て、隣接するという意味である。従って、例えば、マト
リクス状に配置されたセルトランジスタが、1個おき
に、そのソース・ドレイン領域が接続されている場合
は、本実施の形態例では、その1個置きに接続されたセ
ルトランジスタのストリングスに対して共通接続された
ソース・ドレイン線群において、隣接する5本のソース
・ドレイン線に対して、F、BL、0V、BL、Fの状態をシ
フトしていく必要がある。
【0054】図9は、本実施の形態例におけるページバ
ッファの回路図である。図9に示したページバッファ
は、接続されるソース・ドレイン線SDLnを、読み出し電
圧状態(BL)と、基準電圧状態(0V)と、フローティング
状態(F)にする機能と、ソース・ドレイン線を介して
セルトランジスタMの記録データを読み出すセンスアン
プ機能と、その読み出したデータを保持するラッチ機能
とを有する。図中上部に示される通り、斜め線があるト
ランジスタはPチャネルトランジスタ、斜め線がないト
ランジスタはNチャネルトランジスタを示す。
【0055】トランジスタN1は、選択信号YD1に応答
して導通し、ページバッファ回路をデータバスPBOUTに
接続する選択ゲートである。トランジスタN6は、ロー
ド信号LDに応答して導通し、書き込みデータをデータバ
スPBOUTから入力するゲートである。また、トランジス
タP2,P3,N4,N5は、読み出し時にインバータ
10,12からなるラッチ回路に保持されたデータを増
幅して出力するインバータ回路である。このインバータ
回路は、制御信号LD,RDに応答して、トランジスタP
3,N4が導通するときに、活性化される。インバータ
10,12は、上記の通り、書き込みデータや読み出し
データを一次的に保持するラッチ回路である。
【0056】更に、バイアス制御信号PBIASにより定電
流源となるトランジスタP9と、トランジスタN10,N11
により、センスアンプ回路が構成される。更に、トラン
ジスタN12は、導通して0Vの基準電圧状態を形成す
る。そして、トランジスタN13は、制御信号BLCNTRLに応
答して導通し、ソース・ドレイン線SDLnをノードSNSに
接続する。トランジスタN8は、プログラム時に導通し
て、ラッチ回路内のプログラムしたいデータに応じた電
圧をソース・ドレイン線SDLnに供給する。
【0057】ソース・ドレイン線を読み出し電圧状態B
L、フローティング状態F及び基準電圧状態0Vにするた
めの、主な制御信号PBIAS、BLCNTRL、DIS、PGMONの組み
合わせが、図9の下側の表に示される。
【0058】次に、ページバッファ回路によるセルトラ
ンジスタMの記録データの読み出し動作について説明す
る。
【0059】まず始めに、制御信号LDをLレベル、RDを
Lレベル(又はHレベルでもよい)、YD1をLレベル
(又はHレベルでもよい)、SETをLレベル、PGMONをL
レベル、PBIASをHレベル、DISをLレベル、BLCNTRLを
Lレベルの状態にあるとする。そこで、最初のステップ
では、制御信号DISをHレベル、PGMONをHレベルにする
ことで、トランジスタN12とN8を導通させ、ノード
AをLレベル、ノードBをHレベルにセットする。
【0060】次のステップで、制御信号PGMONをLレベ
ルにしてトランジスタN8を非導通にし、制御信号BLCN
TRLをHレベル、PBIASをLレベルにして、定電流源であ
るトランジスタP9とセルトランジスタMに接続された
ソース・ドレイン線SDLnとを電気的に接続する。これに
より、ソース・ドレイン線SDLnは、読み出し電圧が印加
された状態、即ちビット線の機能を有する状態になる。
この時、セルトランジスタMの反対側のソース・ドレイ
ン線SDLn+1には、基準電圧として0Vが印加される。
【0061】そこで、セルトランジスタMが格納してい
るデータは、この定電流(以下センス電流という)より
も多くの電流をセルトランジスタMが流せるか否かで判
定される。セルトランジスタMが流す電流がセンス電流
より多い状態を「1データ格納状態」、センス電流より
少ない状態を「0データ格納状態」とする。
【0062】セルトランジスタMが「1データ格納状
態」の場合、ノードSNSはLレベルになる。従って、次
のステップで制御信号SETとしてHレベルのパルス信号
をトランジスタN11に印加したとき、トランジスタN10
はオンしないので、ノードAはLレベル、ノードBはHレ
ベルの状態が保持される。その後、制御信号SETがLレ
ベルにもどり、インバータ10,12からなるラッチ回路部
とセンス回路部が切り離され、ラッチ回路部10,12には
ノードA=Low、ノードB=Highという1データの状態が格
納されていることになる。
【0063】セルトランジスタMが「0データ格納状
態」の場合、ノードSNSは、定電流源トランジスタP9
のセンス電流によってHレベルになる。従って、次のス
テップで制御信号SETとしてHレベルのパルス信号をト
ランジスタN11に印加したとき、検出トランジスタN10
がオンするので、ノードAはHレベル、ノードBはLレベ
ルの状態に反転される。その後、制御信号SETがLレベ
ルに、ラッチ回路部とセンス回路部が切り離され、ラッ
チ回路部10,12にはノードA=High、ノードB=Lowという0
データの状態が格納されていることになる。
【0064】次に、ページバッファP/Bnは、ソース・ド
レイン線SDLnをフローティング状態にする場合、制御信
号BLCNTRLはHレベルでもLレベルでもかまわないが、
制御信号PBIASをHレベルにしてトランジスタP9を非
導通にし、制御信号PGMONもLレベルにしてトランジスタ
N8を非導通にし、制御信号DISをLレベルにする。そ
の結果、ソース・ドレイン線SDLnはフローティング状態
になる。これにより、そのソース・ドレイン線に接続さ
れているセルトランジスタは、隣接するセルトランジス
タの読み出し動作に影響を与えることはない。
【0065】更に、ページバッファP/Bnは、ソース・ド
レイン線SDLnを基準電圧状態にする場合は、制御信号DI
SをHレベルにしてトランジスタN12を導通させ、制御
信号BLCNTRLをHレベルにしてトランジスタN13を導通
させ、トランジスタN12、N13を介してソース・ドレイ
ン線SDLnに0Vを印加する。
【0066】図10は、図7,8に示した4つの読み出
しサイクルからなる2回のページリード動作におけるペ
ージバッファの制御信号のタイミングチャート図であ
る。図10に示される通り、1回目のページリードは、
前半と後半の読み出しサイクル(1)(2)で行われる
が、その前に、ページバッファ内のセット動作が行わ
れ、その後に必要に応じてデータバスPBoutへの出力動
作が行われる。セット動作と出力動作は、上述した通り
である。また、2回目のページリードも同様である。
尚、図6及び8に示した奇数番目のページバッファへの
制御信号STPには、それぞれTP(トップ)の引用番号を
与え、偶数番目のページバッファへの制御信号SBTに
は、それぞれBT(ボトム)の引用番号を与えている。
【0067】まず1ページ目の最初の読み出しサイクル
(1)では、偶数番目のページバッファに対して、制御
信号PBIAS#BT#0及びPBIAS#BT#1をあるバイアス・レベル
(Lレベル)とし、制御信号DIS#BT#0及びDIS#BT#1は共
にLレベル、制御信号BLCNTRL#BTをHレベルとする。こ
れにより、偶数番目のソース・ドレイン線SDL2,SDL4,SD
L6,SDL8に読み出し電圧が印加され、それらのソース・
ドレイン線はビット線として機能する。
【0068】一方で、奇数番目のページバッファに対し
て、制御信号PBIAS#TP#0及びPBIAS#TP#1をHレベルと
し、制御信号DIS#TP#0をHレベル、DIS#TP#1をLレベル
とし、制御信号BLCNTRL#TPをHレベルとする。これによ
り、奇数番目のソース・ドレイン線の内、SDL1,SDL5,SD
L9には0Vが印加されて基準電圧状態になり、SDL3,SDL
7はフローティング状態となる。
【0069】この間にワード線WLをHレベルにし、上
記したセンス動作の通り、セルトランジスタMが格納し
ているデータを判定する。次に制御信号SET#BTとしてH
レベルのパルス信号を印加することで、判定したデータ
をページバッファP/Bn内のラッチ回路部10,12に格納す
る。
【0070】次に1ページ目の第2の読み出しサイクル
(2)では、奇数番目のページバッファに対して、制御
信号PBIAS#TP#0及びPBIAS#TP#1をあるバイアス・レベル
(Lレベル)とし、制御信号DIS#TP#0及びDIS#TP#1をL
レベル、制御信号BLCNTRL#TP=Highとする。これによ
り、奇数番目のソース・ドレイン線SDL1,SDL3,SDL5,SDL
7,SDL9には読み出し電圧が印加され、それらのソース・
ドレイン線は、ビット線として機能する。
【0071】但し、実際の動作ではソース・ドレイン線
SDL9に接続されたページバッファに格納されるデータ
は、ガーベッジ・データとなるので使用されない。従っ
て、ソース・ドレイン線SDL9はフローティング状態にし
てもよい。但し、セルトランジスタが8個以上行方向に
配置される場合は、ソース・ドレイン線SDL9をビット線
として機能させることが望ましい。
【0072】一方で、偶数番目のページバッファに対し
て、制御信号PBIAS#BT#0及びPBIAS#BT#1をHレベルと
し、制御信号DIS#BT#0をHレベル、DIS#BT#1をLレベル
とし、制御信号BLCNTRL#BTをHレベルとする。これによ
り、偶数番目のソース・ドレイン線の内、SDL2,SDL6は
0Vが印加されて基準電圧状態になり、SDL4,SDL8はフ
ローティング状態となる。
【0073】この間にワード線WLをHレベルとし、セ
ルトランジスタが格納しているデータを判定する。次
に、制御信号SET#TPとしてHレベルのパルス信号をトラ
ンジスタN11に与えることで、判定したデータをページ
バッファのラッチ回路部に格納する。
【0074】以上の2回の読み出しサイクルで、1ペー
ジ目のデータ(ここでは8ビット)が上下の8個のペー
ジバッファ内にラッチされる。その後、ページバッファ
選択信号YD1をHレベルにする等により、ラッチされた
データを出力バスPBoutに出力する。
【0075】上記の様に、必要に応じて1ページ目のデ
ータを各ページバッファから外部へ読み出した後、必要
ならば2ページ目のデータを読み出す作業に入る。2ペ
ージ目のデータの読み出しを少し詳しく説明する。
【0076】まず2ページ目の第1の読み出しサイクル
(3)では、偶数番目のページバッファに対して、制御
信号PBIAS#BT#0及びPBIAS#BT#1をあるバイアス・レベル
とし、制御信号DIS#BT#0及びDIS#BT#1はLレベル、制御
信号BLCNTRL#BTはHレベルとする。これにより、偶数番
目のソース・ドレイン線SDL2,SDL4,SDL6,SDL8に読み出
し電圧が印加され、それらのソース・ドレイン線はビッ
ト線として機能する。
【0077】一方で、奇数番目のページバッファに対し
て、制御信号PBIAS#TP#0及びPBIAS#TP#1をHレベルと
し、制御信号DIS#TP#0をLレベル、DIS#TP#1をHレベルと
し、制御信号BLCNTRL#TPをHレベルとする。これによ
り、奇数番目のソース・ドレイン線の内、SDL3,SDL7は
0Vが印加され、SDL1、SDL5、SDL9はフローティング状
態となる。この間にワード線をHレベルとし、セルトラ
ンジスタMが格納しているデータを判定して、ラッチ回
路部に格納する。
【0078】次に、2ページ目の第2の読み出しサイク
ル(4)では、奇数番目のページバッファに対して、制
御信号PBIAS#TP#0及びPBIAS#TP#1をあるバイアス・レベ
ルとし、制御信号DIS#TP#0及びDIS#TP#1をLレベル、制
御信号BLCNTRL#TPをHレベルとする。これにより、奇数
番目のソース・ドレイン線SDL1、SDL3、SDL5、SDL7、SD
L9がビット線として機能する。但し、実際の動作ではソ
ース・ドレイン線SDL1に接続されたページバッファに格
納されるデータは、ガーベッジ・データとなり使用され
ない。従って、SDL1はフローティングにしてもよい。但
し、読み出しサイクル(2)の場合と同様の理由で、ソ
ース・ドレイン線SDL1は、ビット線として利用するのが
望ましい。
【0079】一方で、偶数番目のページバッファに対し
て、制御信号PBIAS#BT#0及びPBIAS#BT#1をHレベルとし
てトランジスタN9を非導通にし、制御信号DIS#BT#0を
Lレベル、DIS#BT#1をHレベルとし、制御信号BLCNTRL#BT
をHレベルとする。これにより、ソース・ドレイン線SDL
4及びSDL8は基準電圧0Vが印加され、ソース・ドレイ
ン線SDL2及びSDL6はフローティング状態となる。この状
態で、ワード線をHレベルにし、セルトランジスタMが
格納しているデータを判定し、ラッチ回路部に格納す
る。
【0080】その後、2回目のページリードでラッチし
た8ビットのデータが、適宜出力データバスPBoutに出
力される。
【0081】上記の実施の形態例では、1本のワード線
に8個のセルトランジスタが隣接して接続された例で説
明した。しかしながら、本発明はそれに限定されず、更
に多くのセルトランジスタが1本のワード線に接続され
る場合でも、ワード線のHレベルへの駆動時において、
1回の読み出しサイクルで、複数ビットのデータを同時
にページバッファに読み出すことができる。そして、複
数回の読み出しサイクルを経ることで、全てのデータを
読み出すことができる。その場合、隣接するソース・ド
レイン線の状態は、F、BL、0V、BL、Fの組み合わせが
読み出しサイクル毎にシフトする、或いは変化するよう
に制御する。この5本のソース・ドレイン線の状態にす
ることで、4個のセルトランジスタからなるユニット内
から、2ビットのデータを同時に読み出すことができ
る。隣接するとは、既に述べた通り、ソース・ドレイン
領域が互いに接続されたセルトランジスタのストリング
スに対して設けられたソース・ドレイン線に対して隣接
するとの意味である。
【0082】以上、本発明の保護範囲は、上記の実施の
形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記
載された発明とその均等物にまで及ぶものである。
【0083】
【発明の効果】以上、本発明によれば、非導電性のトラ
ップゲートを有するセルトランジスタからなる不揮発性
メモリ回路において、1回の読み出し動作で複数のデー
タを同時に読み出すことができるので、読み出しのスル
ープットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2ビット不揮発性メモリのセルトランジスタの
構成を示す図である。
【図2】2ビット不揮発性メモリのプログラム、消去及
び読み出しを説明するための図である。
【図3】2ビット不揮発性メモリの2ビット情報を記録
した状態を示す図である。
【図4】従来のメモリセルアレイの構成を示す図であ
る。
【図5】図4の動作を説明する図表である。
【図6】本実施の形態例のセルアレイ構成図である。
【図7】読み出し時におけるソース・ドレイン線の電圧
状態を示す図表である。
【図8】読み出し時におけるセルアレイの動作を説明す
る図である。
【図9】本実施の形態例におけるページバッファの回路
図である。
【図10】ページバッファの制御信号のタイミングチャ
ート図である。
【符号の説明】
M セルトランジスタ CG コントロールゲート TG トラップゲート SD1,SD2 ソース・ドレイン領域 SDL ソース・ドレイン線 P/B ページバッファ WL ワード線 PBout 出力データバス BL 読み出し電圧状態 F フローティング状態 0V 基準電圧状態

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多ビット情報を記録する不揮発性メモリ回
    路において、 基板表面に形成された第1及び第2のソース・ドレイン
    領域と、その間のチャネル領域上に順に形成された第1
    の絶縁層、非導電性のトラップゲート、第2の絶縁層、
    及びコントロールゲートとを有し、前記トラップゲート
    の少なくとも両端に局所的に電荷をトラップしてデータ
    を記録する、複数のセルトランジスタと、 行方向に配置された前記複数のセルトランジスタのコン
    トロールゲートに接続された複数のワード線と、 前記行方向に隣接する前記セルトランジスタのソース・
    ドレイン領域に共通に接続された複数のソース・ドレイ
    ン線と、 前記複数のソース・ドレイン線にそれぞれ接続され、隣
    接するソース・ドレイン線群内の各ソース・ドレイン線
    に対して、順番にフローティング状態、読み出し電圧状
    態、基準電圧状態、読み出し電圧状態、フローティング
    状態の組み合わせを提供し、前記読み出し電圧状態のソ
    ース・ドレイン線から前記記録データを読み出す複数の
    ページバッファとを有することを特徴とする不揮発性メ
    モリ回路。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記複数のページバッファは、前記組み合わせを提供さ
    れる前記隣接するソース・ドレイン線群を所定の順番で
    シフトすることを特徴とする不揮発性メモリ回路。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記複数のページバッファは、奇数番目の前記ソース・
    ドレイン線を両端に有する第1の隣接ソース・ドレイン
    線群と偶数番目の前記ソース・ドレイン線を両端に有す
    る第2の隣接ソース・ドレイン線群とに、前記組み合わ
    せを提供する毎に、前記読み出した記録データを出力す
    ることを特徴とする不揮発性メモリ回路。
  4. 【請求項4】請求項1において、 前記複数のページバッファは、隣接する9本のソース・
    ドレイン線間にそれぞれ接続される8個のセルトランジ
    スタを有するセルトランジスタユニットに対して、前記
    組み合わせを所定の順番でシフトし、シフトする毎に読
    み出された4ビットずつの記録データを保持することを
    特徴とする不揮発性メモリ回路。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記複数のページバッファは、奇数番目の前記ソース・
    ドレイン線を両端に有する第1の隣接ソース・ドレイン
    線群と偶数番目の前記ソース・ドレイン線を両端に有す
    る第2の隣接ソース・ドレイン線群とに、前記組み合わ
    せを提供する毎に、前記保持した8ビットの記録データ
    を適宜出力することを特徴とする不揮発性メモリ回路。
  6. 【請求項6】請求項4又は5において、 複数の前記セルトランジスタユニットが、配置されてい
    ることを特徴とする不揮発性メモリ回路。
  7. 【請求項7】請求項6において、 前記トランジスタセルユニットの一端のソース・ドレイ
    ン線は、隣接するトランジスタセルユニットの一端のソ
    ース・ドレイン線と共有されることを特徴とする不揮発
    性メモリ回路。
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