JP2001116972A - 交換レンズ鏡筒の電気配線装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 交換レンズ鏡筒において、マウント接点部と
電気部品実装基板との間にピント調整用スペースとフレ
キシブルプリント板配置のためのスペースを狭いスペー
スで可能にする。 【解決手段】 交換レンズ鏡筒の電気接点ブロック１４
を固定したレンズマウント１１近傍の固定筒１２後端面
に、鏡筒内のモータ制御やカメラ本体との通信等を行う
電気回路の環状電気部品実装基板１３を固着し、該電気
部品実装基板１３に設けた穴部１３ａを該電気接点ブロ
ック１４の接点ピン１４ａの接続端子１４ｂが光軸方向
に貫通して該電気部品実装基板１３の内面側に装着した
接続フレキシブルプリント板１５の一端１５ａに半田付
けで固定し、該接続フレキシブルプリント板１５の他端
１５ｂを該電気部品実装基板１３の所定の位置１３ｂに
半田付けで固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一眼レフカメラ等
に装着可能な交換レンズのようなレンズ鏡筒の内部に配
置される電気配線装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年の一眼レフカメラの交換レンズシス
テムにおいて、オートフォーカス化が進み、内部にレン
ズ駆動用のモータ、制御用の電気回路を持つ機器が一般
的となってきている。カメラからの制御信号やレンズ内
モータの駆動のための電源供給のためのカメラとレンズ
の取付部であるマウントの近傍に、電気接点を配置する
ことが一般的となっている。前述の交換レンズのうち、
一般的なマウント近傍の構造の断面図を図４に示す。す
なわち、カメラ本体と接続するためのレンズマウント１
が固定筒２の後端部に固着され、該固定筒２の後端側内
周部には電気回路を実装した電気部品実装基板３が固定
されており、該レンズマウント１の後端面には対向する
カメラ側接点と接触し、電気信号伝達及び電源供給を行
うための電気接点部４が設けられ、該電気接点部４と該
電気部品実装基板３とをフレキシブルプリント配線板５
の両端で半田付け等により電気的に接続している。そし
て、該固定筒２と該レンズマウント１との取付け面の間
にはピントワッシャ６が配置され、両者の光軸に平行な
方向の間隔を該ピントワッシャ６の厚みで変更可能に設
定されている。

【０００３】さらに、操作環７が前記固定筒２の外周部
に光軸回りに回転可能に支持され、該固定筒２にビスで
固定されたコロ８が係合する周方向溝７ａを有してお
り、該操作環７の光軸回りの回転により該固定筒２の内
側に設けられた不図示の機構で不図示の光学レンズを光
軸方向に移動させてズーミングやフォーカシングが行わ
れる。また、該操作環７の内周部に固着されかつ該固定
筒２に形成した周方向溝２ａを通して光軸に平行なバー
１０に取付けられた電気ブラシ９が前記電気部品実装基
板３上に設けられたエンコードパターンに圧接されてお
り、該操作環７の光軸回りの回動により該電気部品実装
基板３のエンコードパターン上を該電気ブラシ９が摺動
する機構となっている。そのために、該電気部品実装基
板３は該固定筒２に確実に固定されていることが必要に
なっている。

【０００４】実際の交換レンズの部品寸法にはある程度
のバラツキがあり、理想的な設計値のピント位置を得る
ためには、該交換レンズの組立工程の中でのピント調整
が必要とされている。その調整方法の一つとして広く利
用されている方法がピントワッシャによる方法であり、
前記ピントワッシャ６がカメラ内のフイルム面基準に対
し一定のピント位置となるように前記固定筒２の先に取
付けられている光学系全体を光軸方向に移動させること
でピント位置調整を行うためのものである。具体的には
数種の厚さを持つピントワッシャ６を用意しておき、数
枚のピントワッシャの組合わせにより様々な厚さを作っ
ている。また、フレキシブルプリント配線板５はコスト
の安い片面パターンのフレキシブルプリント配線板であ
り、該パターン面には半田付けを行うことから、接点ブ
ロックと電気部品実装基板３の間で図示されているよう
に一度折り返えされた形態で配置されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の交換
レンズの高倍率・小型化の要求が高まり、交換レンズ鏡
筒内の部品密度が大きくなる傾向になっていることを鑑
みると、前述の交換レンズの電気接点回りのスペースを
圧縮することが求められている。しかしながら、該電気
部品実装基板とマウント接点部との間隔は、ピント調整
用のスペースと電気的配線のための接続フレキシブルプ
リント板のスペースが必要であり、該マウント接点と電
気部品実装基板が光軸方向に干渉しないように予め広い
スペースが必要であり、求められるスペースの圧縮を実
現することが困難であった。

【０００６】本発明は、前述従来例の欠点を除去し、ピ
ント調整用のスペースと接続フレキシブルプリント板の
ためのスペースを損なうことなく、小型化を可能にした
交換レンズ鏡筒の電気配線装置を提供することを目的と
する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明はマウント近傍に固定された電気部品実装
基板に該マウントに固定された電気接点の接続端子の貫
通する開口部を設けたものである。

【０００８】

【発明の実施の態様】請求項１に示す本発明は、マウン
ト近傍の固定部に固定された電気部品実装基板と、該マ
ウントに固定された電気接点と、該電気部品実装基板と
該電気接点とを電気的に接続するための配線部を有する
交換レンズ鏡筒において、該電気部品実装基板に該電気
接点の端子が貫通する開口部を有することにより、電気
接点回りのスペースを圧縮できる。請求項２に示す本発
明は、該交換レンズ鏡筒はさらに該電気接点の一部が該
電気部品実装基板を光軸方向に貫通した後に該配線部と
結合されることにより、ピント調整用のスペースと接続
フレキシブルプリント板のためのスペースを損なわない
で電気接点回りのスペースを圧縮できる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の第１実施例を図１及び図２を
用いて説明する。図１は一眼レフカメラ用の交換レンズ
鏡筒の要部縦断面図、図２はその電気部品実装基板と電
気接点との配置を示す正面図である。図において、１１
は不図示のカメラ本体に着脱可能に接続するためのレン
ズマウントで、バヨネット機構１１ａを端面に有し、カ
メラ本体のカメラマウントに光軸方向に当接させ、光軸
回りに回転することで接続される。１２は交換レンズ鏡
筒の本体となる固定筒で、これを基準に不図示の光学レ
ンズ、レンズ保持鏡筒及びカム筒等が支持されて撮影光
学系が構成されている。１３は電気部品実装基板で、該
固定筒１２の後端側にビス等で固定され、交換レンズ鏡
筒内のモータの制御やカメラ本体との通信等を行うもの
であり、ほぼドーナッツ型形状をして中央の穴部にて撮
影のための光束を通過させている。さらに、電気部品実
装基板１３には後記する電気接点ブロック１４の内側端
面の接続端子が光軸方向に貫通するための開口部として
の穴部１３ａが設けられている。

【００１０】１４は電気接点ブロックで、前記レンズマ
ウント１１に固定されるとともに、交換レンズ鏡筒のカ
メラ本体への取付け完了時に図中後側端面の接点ピン１
４ａでカメラ本体のカメラマウント近傍に設けられた接
点ピンと接触する。また、該接点ピン１４ａの内側先端
からは接続端子１４ｂが前記電気部品実装基板１３の穴
部１３ａを光軸方向に貫通して延びている。１５は接続
フレキシブルプリント板で、該電気部品実装基板１３の
前面側に装着され、その一端１５ａは該電気接点ブロッ
ク１４の接続端子１４ｂと半田付け等により固定され、
その他端１５ｂは該電気部品実装基板１３上の前側の所
定の位置１３ｂに半田付け等により固定されている。す
なわち、カメラ本体から又はカメラ本体への信号を交換
レンズ鏡筒内の電気実装回路に伝達するための電気的中
継のための接続線となっている。

【００１１】１６はピントワッシャで、前記固定筒１２
と前記レンズマウント１１との取付面の間に配置され、
両者の光軸に平行な方向の間隔をその厚みで変更可能に
設定されている。１７は操作環で、前記固定筒１２の外
周に嵌装され、前記固定筒１２にビスにより固定された
コロ１８と係合する周方向溝１７ａを持ち、該固定筒１
２に対し光軸回りに回動可能に嵌装支持されている。該
操作環１７の光軸回りの回動により、該固定筒１２の内
側に設けられた不図示の周知の機構で不図示の光学レン
ズを光軸方向に移動させてズーミングやフォーカシング
が行われる。

【００１２】１９は電気ブラシで、前記電気部品実装基
板１３上に設けられたエンコードパターンに圧接される
とともに、前記操作環１７の一部に取付けられかつ前記
固定筒１２に形成した周方向溝１２ａを貫通して光軸方
向に延びるキー２０に取付けられており、該操作環１７
の光軸回りの回動により該電気部品実装基板１３上のエ
ンコードパターン上を摺動する構成となっている。その
ためには該電気部品実装基板１３は該固定筒１２に確実
に固定されていることが必要である。

【００１３】以上の構成の本実施例において、ピントワ
ッシャ１６によるピント調整が行われた場合、該ピント
ワッシャ１６の厚みによってレンズマウント１１と固定
筒１２との光軸方向の間隔が変化し、すなわちそれぞれ
に固定された電気接点ブロック１４と部品実装基板１３
の光軸方向の間隔が変化する。その際に、該実装基板１
３の光軸方向位置は、該電気接点ブロック１４の内端面
と接続フレキシブルプリント板１５と該電気接点ブロッ
ク１４の接続端子１４ｂとの接続部との間で光軸方向に
相対的に移動可能であり、ピント調整による変動を吸収
することが可能である。

【００１４】また、従来のように電気接点ブロック１４
と電気部品実装基板１３が光軸方向に干渉しないように
間隔を大きくあける必要はなくなり、電気部品実装に必
要なスペースを縮小することが可能となる。

【００１５】図３は本発明の第２実施例を示すものであ
る。図３は本実施例の交換レンズ鏡筒における電気部品
実装基板部分の正面図である。本実施例では、前述第１
実施例における電気部品実装基板１３の穴部１３ａに代
えて、切欠き部１３ａ′にしたものである。その他の構
成及び調整動作は前述第１実施例と同様である。以上の
構成によれば、電気接点の接続端子の貫通する開口部が
簡単に製作することができる。

【００１６】なお、以上の各実施例において、電気部品
実装基板１３上に設ける穴１３ａ又は切欠き部１３ａ′
は大きくとる必要はなく、必要最小限に止めることで該
基板１３上の配線パターンへの影響を小さく抑えること
ができる。また、接続フレキシブルプリント板１５の半
田付け面を図のように片面として、従来例のように途中
で折り返す必要がないので、該接続フレキシブルプリン
ト板１５の長さを短くでき、コストを小さくできる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に示す本
発明は、マウント近傍の固定部に固定された電気部品実
装基板と、該マウントに固定された電気接点と、該電気
部品実装基板と該電気接点とを電気的に接続するための
配線部を有する交換レンズ鏡筒において、該電気部品実
装基板に該電気接点の端子が貫通する開口部を有するこ
とにより、電気接点回りのスペースを圧縮できる。請求
項２に示す本発明は、該交換レンズ鏡筒はさらに該電気
接点の一部が該電気部品実装基板を光軸方向に貫通した
後に該配線部と結合されることにより、ピント調整用の
スペースと接続フレキシブルプリント板のためのスペー
スを損なうことなく、電気接点回りのスペースを圧縮で
き、そのために交換レンズ鏡筒を小型化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る第１実施例の電気配線装置を有す
る交換レンズ鏡筒の縦断面図である。

【図２】その電気部品実装基板部分の関連構成を示す正
面図である。

【図３】本発明の第２実施例の交換レンズ鏡筒のの電気
部品実装基板部分の関連構成を示す正面図である。

【図４】従来例の電気配線装置を有する交換レンズ鏡筒
の縦断面図である。

【符号の説明】

１１・・レンズマウント、１２・・固定筒、１３・・電
気部品実装基板、１３・・穴部、１３ａ′・・切欠き
部、１４・・電気接点ブロック、１４ａ・・接点ピン、
１４ｂ・・接続端子、１５・・接続フレキシブルプリン
ト板、１６・・ピントワッシャ、１７・・操作環、１８
・・コロ、１９・・電気ブラシ、２０・・キー。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 マウント近傍の固定部に固定された電気
   部品実装基板と、該マウントに固定された電気接点と、
   該電気部品実装基板と該電気接点とを電気的に接続する
   ための配線部を有する交換レンズ鏡筒において、該電気
   部品実装基板に該電気接点の端子が貫通する開口部を有
   することを特徴とする交換レンズ鏡筒の電気配線装置。
2. 【請求項２】 該電気接点の一部が該電気部品実装基板
   を光軸方向に貫通した後に該配線部と結合されることを
   特徴とする請求項１記載の交換レンズ鏡筒の電気配線装
   置。