JP2001116941A - フレキシブル高分子光導波路の製造方法 - Google Patents

フレキシブル高分子光導波路の製造方法

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JP2001116941A
JP2001116941A JP29897399A JP29897399A JP2001116941A JP 2001116941 A JP2001116941 A JP 2001116941A JP 29897399 A JP29897399 A JP 29897399A JP 29897399 A JP29897399 A JP 29897399A JP 2001116941 A JP2001116941 A JP 2001116941A
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sio
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polymer optical
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Mitsuro Mita
充郎 見田
Hiroo Miyamoto
裕生 宮本
Kiminori Maeno
仁典 前野
Katsuaki Umibe
勝晶 海部
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレキシブル高分子光導波路を容易且つ簡便
に製造する方法を提供する。 【解決手段】 少なくともその上表面にSiO2膜11
aを備えた基板11上に、下部クラッド層、コア、上部
クラッド層からなる高分子光導波路部17を形成した
後、高分子光導波路部17を形成した基板11をフッ酸
水溶液18に浸漬することにより、SiO2膜11aを
溶解させ、高分子光導波路部17を基板から剥離する。
これによりフレキシブル高分子光導波路19ができあが
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光インターコネク
トに用い、電気部品、光部品を混載したプリント基板間
の光接続を容易とするフレキシブル高分子光導波路の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ICや抵抗など電気部品を搭載し
たプリント基板は、専ら電気部品のみを搭載したもので
あり、これら電気部品間の信号のやりとりは電気配線に
より行われてきた。また、これらのプリント基板を複数
並べてプリント基板間で信号を授受する場合も電気ケー
ブルなどの電気配線が用いられてきた。最近では、この
ようなプリント基板に、電気部品のみならず光部品も同
じ基板上に混載されることも多くなり、これら電気部
品、光部品を混載したプリント基板内では電気配線とと
もに光配線により信号の授受を行っている。さらに、こ
れらの電気部品、光部品混載プリント基板を複数並べて
信号を授受する場合、プリント基板間を光ファイバなど
を用いて光信号を授受する方法が用いられるようになっ
てきている。
【0003】このような光による信号の授受を行うこと
により、電気配線のみの場合より時間的な遅延が小さく
高速の信号処理が可能となり、また電気配線で問題とな
る電気ノイズの影響を受けないなどの利点が得られる。
このため、光を用いた信号の授受は、光インターコネク
トと呼ばれ、今後ますます多用され、その性能や信頼性
のみならず、低コスト化が重要になってきている。
【0004】従来、この種の光インターコネクト用の光
導波路部品として、高分子を用い、フレキシビリティ
(可撓性)をもった高分子フレキシブル光導波路につい
て、文献:特開平8−304650号公報に開示される
ものがあった。上記文献に開示された従来の高分子フレ
キシブル光導波路の製造方法について、その前半の工程
を示す図3(a)〜(g)及び後半の工程を示す図4
(a)、(b)の製造工程図を用いて説明する。なお、
これら図3、図4では要部を示した図としている。
【0005】先ず、図3(a)に示すように、真空装置
としてスパッタリング装置を用い、シリコン(Si)基
板1の上にスパッタリングにより数十nm〜数百nmの
厚さの銅(Cu)薄膜2を形成する。次いで、図3
(b)に示すように、Cu薄膜2上に光導波路材料とし
て高分子光導波路材料を用いて、下部クラッド層3を形
成する。次いで、図3(c)に示すように、下部クラッ
ド層3上に、同様の高分子光導波路材料を用いて、コア
層4を形成する。但し、このコア層4の屈折率は前述の
下部クラッド層3及び後述する上部クラッド層の屈折率
より高くなるようにしている。
【0006】次いで、図3(d)に示すように、コア層
4上にレジストを塗布して、フォトリソグラフィ、現像
を行って、後述するコアのパターンに対応したレジスト
パターン5を形成する。次いで、図3(e)に示すよう
に、酸素(O2)ガスを用いたリアクティブ・イオン・
エッチング(以下、RIEとも呼ぶ)によるパターニン
グを行って、コア4aのパターンを形成する。
【0007】次いで、図3(f)に示すように、コア4
a上のレジストパターンを除去する。次いで、図3
(g)に示すように、下部クラッド層3が露出した部分
及びコア4aの上に、高分子光導波路材料を用いて、上
部クラッド6を形成する。これによりCu薄膜上に高分
子光導波路材料の光導波路部7が形成される。次いで、
図4(a)に示すように、光導波路部7が形成されたS
i基板1を塩酸(HCl)水溶液または水酸化カリウム
(KOH)水溶液8に数時間浸漬して、Cu薄膜2を溶
かすことにより、Si基板1から光導波路部7を剥離す
る。これにより、図4(b)に示すように、フレキシブ
ル高分子光導波路9が完成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来のフレキシ
ブル高分子光導波路の製造方法では、Cu薄膜2の形成
に高価な真空装置(スパッタリング装置)を用いている
ため、製造コストが高くなるという問題があった。ま
た、Cu薄膜2の形成を真空装置(スパッタリング装
置)を用いて行っているためCu薄膜の形成に時間がか
かり、さらにSi基板1から光導波路部7を剥離する際
にCu薄膜(例えば、100nm厚)を溶解するのに数
時間を要し、従ってこの剥離に時間がかかり、その結
果、フレキシブル高分子光導波路9の製造に時間がかか
るという問題があった。
【0009】また、Cu薄膜を溶解する時間が短くなる
と、剥離した後の光導波路部にCu薄膜が残留し、光導
波路の光透過特性に悪影響を与える恐れがあった。ま
た、Cu薄膜を形成するためにスパッタリング装置など
の真空装置を用いるが、使用する基板の大きさが真空装
置の仕様で決定され、使用可能な基板の大きさが制限さ
れるという問題もあった。本発明は、上記問題点を解決
し、短時間で且つ低コストでの製造を可能とし、任意な
大きさの基板を使用することができ、しかも良好な光透
過特性を有するフレキシブル高分子光導波路の製造方法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のフレキシブル高分子光導波路の製造方法
は、少なくともその上表面にSiO2膜を備えた基板上
に、下部クラッド層、コア、上部クラッド層からなる高
分子光導波路部を形成する工程と、高分子光導波路部を
形成した基板をフッ酸水溶液に浸漬することにより、前
記SiO2膜を溶解させ、基板からその上に形成した高
分子光導波路部を剥離する工程とを備えることを特徴と
する。
【0011】基板としてはシリコン基板を用い、SiO
2膜としてはシリコン基板表面に存在する自然酸化膜を
用いることができる。或いは、基板としてSiO2を主
成分とするガラス基板を用い、SiO2膜としてSiO2
を主成分とする前記基板の表層部を用いることができ
る。或いは、基板としてシリコン基板を用い、SiO2
膜としてシリコン基板を熱酸化して形成した熱酸化膜を
用いることができる。或いは、SiO2膜としてゾルゲ
ル法により形成したSiO2膜を用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。先ず、図1、図2を参照して本発明の第1
の実施の形態について説明する。この第1の実施の形態
においては、シリコン基板(以下、Si基板という)上
に高分子光導波路を形成した後、Si基板と高分子光導
波路の間に存在するSi基板表面に自然に生じている自
然酸化膜( SiO2膜)をフッ酸水溶液で溶解すること
により、高分子光導波路をSi基板から剥離することを
特徴とする。以下、前半の工程を示す図1(a)〜
(g)及び後半の工程を示す図2(a)、(b)の製造
工程図を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るフ
レキシブル高分子光導波路の製造方法を詳細に説明す
る。
【0013】先ず、図1(a)に示すように、シリコン
基板(以下、Si基板という)11を準備する。このS
i基板11の表面には、大気中に放置することにより、
自然に自然酸化膜として膜厚十数Åから数十Åの2酸化
シリコン膜(以下、SiO2膜という)11aが生じて
いる。このSi基板11の上表面側のSiO2膜11a
上に接着層として機能するカプラー層12を形成する。
このカプラー層12は、後工程で形成し、加工するフッ
素化ポリイミド層が、工程の途中で、Si基板11から
剥離するのを防止するためのものである。このためにカ
プラー剤(日立化成(株)製、商品名:OPI−Cou
pler、RU−1600)を、Si基板11の上面側
のSiO2膜11a上に回転速度2800rpm、60
秒の条件でスピンコートし、空気中で250℃、1時間
の熱処理を施すことにより、膜厚として単分子層程度の
膜厚数Åのカプラー層12が形成される。このカプラー
層12は、SiO2から成り、自然酸化膜であるSiO2
膜11aのSiO2と結合され、また後工程で形成され
るフッ素化ポリイミド層とも結合されて、剥離を防止す
る。
【0014】次いで、図1(b)に示すように、下部ク
ラッド層形成のための高分子材料としてフッ素化ポリイ
ミド溶液(日立化成(株)製、商品名:OPI−N32
05)を用い、カプラー層12上に、この溶液をスピン
コート法(回転速度3000rpm、30秒)で塗布
し、空気中350℃でベークした。この工程を数度繰り
返すことにより、膜厚15μmの下部クラッド層13を
形成した。この下部クラッド層13の屈折率は1.52
7であった。
【0015】次いで、図1(c)に示すように、下部ク
ラッド層13上にコア層14を形成した。このコア層1
4形成のための高分子材料としては、フッ素化ポリイミ
ド溶液(日立化成(株)製、商品名:OPI−N340
5)を用いた。本溶液は、下部クラッド層の高分子材料
よりもフッ素化率を低減したもので、これを用いて形成
されるコア層14は下部クラッド層の屈折率1.527
より大きい屈折率1.536を有する。この溶液を、下
部クラッド層13上に、スピンコート法(回転速度30
00rpm、30秒)で塗布し、空気中350℃でベー
クし、膜厚7.5μmのコア層14を形成した。
【0016】次いで、図1(d)に示すように、コア層
14をパターニングして光導波路のコアを作製するた
め、レジストパターン15の形成を行った。このレジス
トパターン15は、次のようにして形成した。先ず、レ
ジストをスピンコートで塗布した(2800回転、60
秒)。次に、導波路のコアとして残すべき部分の上のみ
にレジストが残るよう、所定の光導波路のパターンを有
する露光マスクを用いて露光し、現像した。このように
してレジストパターン15が形成される。
【0017】次いで、図1(e)に示すように、エッチ
ング・ガスとして酸素(O2)ガスを用いたリアクティ
ブ・イオン・エッチング(RIE)によりレジストの覆
っていない部分のコア層14を除去し、コア14aのパ
ターンを形成した。次いで、図1(f)に示すように、
コア14a上に残っているレジストを溶解し、除去し
た。
【0018】次いで、図1(g)に示すように、このパ
ターニングにより形成したコア14aの上及び露出した
下部クラッド層13上に、下部クラッド層13と同様の
フッ素化ポリイミド溶液(日立化成(株)製、商品名:
OPI−N3205)を用い、スピンコート法(回転速
度3000rpm、30秒)で塗布し、空気中350℃
で焼成し、この工程を数度繰り返すことにより、膜厚1
5μmの上部クラッド層16を形成した。この上部クラ
ッド層16の屈折率は下部クラッド層13の屈折率と同
じとなる。このようにして、Si基板11上には、下部
クラッド層13、コア14a、上部クラッド層16から
なる光導波路部17が形成される。
【0019】次いで、図2(a)に示すように、光導波
路部17が形成されたSi基板11を、フッ酸の5%水
溶液18中に30分間浸漬した。これにより、Si基板
11上に形成した下部クラッド層16とSi基板11と
の間に存在する、Si基板表面に自然に生じている自然
酸化膜としてのSiO2膜11aが溶解し、光導波路部
17がSi基板11から剥離する。このときカプラー層
12も溶解されるが、剥離した後、その一部が光導波路
部17側に被着した状態で残ることもあり得る。仮にこ
のカプラー層12の一部が残ったとしても、その膜厚は
最大でも数Å程度(単分子層程度の厚み)であり、しか
もカプラー層12はSiO2で構成されているため、光
導波路の光学特性には何の影響も与えない。さらに、S
iO2膜11aについても、その一部が溶解されずに光
導波路部17側に被着した状態で残ることもあり得る
が、その膜厚も薄く、しかもSiO2膜であるので、光
導波路の光学特性には何の影響も与えない。
【0020】最後に、Si基板11から剥離された光導
波路部を水洗して、図2(b)に示すように、フレキシ
ブル高分子光導波路19が完成する。この光導波路19
の光透過特性を、フッ酸水溶液への浸漬前と、フッ酸水
溶液へ浸漬してSi基板11から剥離した後との両方で
の測定を行って見たが、両者での光透過特性に差異はな
かった。従って、フッ酸水溶液への浸漬は、フッ素化ポ
リイミドからなる高分子光導波路へ何らの影響も与えて
いないと考えて良い。なお、本実施の形態では、高分子
光導波路材料として、フッ素化ポリイミドを用いた例を
示したが、これに代えて、感光性樹脂である感光性フッ
素化ポリイミドを用いることもでき、或いはエポキシ系
などの感光性樹脂を用いることもできる。また、本実施
の形態では、コアのパターニングを、真空装置であるR
IE装置を用いたRIEによるパターニングで行った例
を示したが、上述した感光性の樹脂を光導波路材料とし
て用いることで、フォトリソグラフィ工程のみでパター
ニングが可能となり、真空装置の使用を不要とすること
ができる。
【0021】このように、本実施の形態によれば、Si
基板から高分子光導波路を剥離するために、従来のよう
に真空装置を用いてCuなどの金属薄膜を形成する必要
が無く、元来Si基板表面に存在する自然酸化膜(Si
2膜)を利用し、これをフッ酸水溶液に溶解してSi
基板から剥離するだけでフレキシブル高分子光導波路が
容易且つ簡便に作製できる。しかも任意な大きさのフレ
キシブル高分子光導波路を容易に作製できる。
【0022】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。この第2の実施の形態において、前述の第1
の実施の形態と異なる点は、第1の実施の形態における
Si基板に代えて全体がSiO2を主成分とするガラス
基板を用いることと、第1の実施の形態における自然酸
化膜としてのSiO2膜に代えてSiO2を主成分とする
ガラス基板自体の表層部のSiO2をSiO2膜として利
用することである。その製造工程については、前述の第
1の実施の形態と同様であり、その工程の詳細な説明は
省略する。
【0023】この第2の実施の形態においては、前述の
ように、基板としてSiO2を主成分とするガラス基板
(コーニング社製、商品名:7059)を用いた。この
ガラス基板の歪点は、フッ素化ポリイミドのイミド化に
必要な熱処理温度350℃より高い553℃であるた
め、基板としては問題なく使用できる。このガラス基板
上に第1の実施の形態と同様にして、カプラー層形成、
光導波路部を形成した後、フッ酸水溶液に浸漬してガラ
ス基板表層部のSiO2を溶解することによりガラス基
板を剥離し、フレキシブル高分子光導波路を形成する。
このガラス基板の主成分はSiO2であり、フッ酸水溶
液に浸漬する時間もわずか5分程度で確実に光導波路を
ガラス基板から剥離でき、容易にフレキシブル光導波路
を作製できる。このSiO2を主成分とするガラス基板
を用いる利点としては、Si基板の約半分程度の価格で
入手でき、基板の価格が安いことが第1に挙げられる。
この光導波路についても、その光透過特性を、フッ酸水
溶液への浸漬前と、フッ酸水溶液へ浸漬してガラス基板
から剥離した後との両方での測定を行って見たが、両者
での光透過特性に差異はなかった。従って、フッ酸水溶
液への浸漬は、フッ素化ポリイミドからなる高分子光導
波路へ何らの影響も与えていないと考えて良い。
【0024】本実施の形態によれば、基板から高分子光
導波路部を剥離するために、従来のように真空装置を用
いてCuなどの金属薄膜を形成する必要が無く、基板自
体をSiO2を主成分とするガラス基板を用いているの
で、フッ酸水溶液に浸漬して光導波路を基板から剥離す
る際に、前述の第1の実施の形態の場合と比べ、より短
時間で確実に剥離することができ、容易且つ簡便に任意
の大きさのフレキシブル高分子光導波路を作製できる。
【0025】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。この第3の実施の形態において、前述の第1
の実施の形態と異なる点は、第1の実施の形態における
自然酸化膜(SiO2膜)に代えて、Si基板を熱酸化
することによりSi基板の表面に形成された酸化膜(S
iO2膜)を用いることである。その製造工程について
は、前述の第1の実施の形態と同様であり、その工程の
詳細な説明は省略する。
【0026】この第3の実施の形態においては、基板と
してSi基板を熱酸化したSi熱酸化基板を用いる。こ
のSi熱酸化基板としては、酸化炉中にSi基板を入
れ、水蒸気を流しながら1300℃で10分加熱するこ
とにより、Si基板の表面に0.1〜0.2μmのSi
2膜が形成されたSi熱酸化基板が形成される。この
Si熱酸化基板上に、前述の第1の実施の形態の製法と
全く同様の手順で、カプラー層形成、光導波路形成、光
導波路の剥離までを行うことにより、容易にフレキシブ
ル高分子光導波路を作製できた。この光導波路について
も、その光透過特性を、フッ酸水溶液への浸漬前と、フ
ッ酸水溶液へ浸漬してSi熱酸化基板から剥離した後と
の両方での測定を行って見たが、両者での光透過特性に
差異はなかった。従って、フッ酸水溶液への浸漬は、フ
ッ素化ポリイミドからなる高分子光導波路へ何らの影響
も与えていないと考えて良い。
【0027】この第3の実施の形態によれば、Si基板
表面に熱酸化により酸化膜を形成したため、前述の第1
の実施の形態における自然酸化膜よりもSiO2膜の膜
厚を厚く形成でき、フッ酸水溶液での溶解も容易とな
り、光導波路を基板から剥離する際に、より短時間の5
分程度で確実に剥離することができ、プロセス時間を短
縮できた。
【0028】次に、本発明の第4の実施の形態について
説明する。この第4の実施の形態において、前述の第1
の実施の形態と異なる点は、第1の実施の形態における
自然酸化膜(SiO2膜)に代えて、SiO2のゾルゲル
溶液を用いて形成したSiO2膜を用いることである。
その製造工程については、前述の第1の実施の形態と同
様であり、その工程の詳細な説明は省略する。
【0029】この第4の実施の形態では、Si基板表面
にSiO2のゾルゲル溶液を用いて2酸化シリコン(S
iO2)膜を形成した。ゾルゲル溶液としては、高純度
化学社製のゾルゲル溶液(商品名:Si−05S)を用
い、これをSi基板上にスピンコート(3000rp
m、60秒)した後、加熱(500℃、1時間)するこ
とにより、膜厚約0.1μmのSiO2膜を形成した。
次いで、前述の第1の実施の形態の製法と同様に、カプ
ラー層形成、光導波路形成、光導波路の剥離を行い、フ
レキシブル高分子光導波路を作製した。この光導波路に
ついても、その光透過特性を、フッ酸水溶液への浸漬前
と、フッ酸水溶液へ浸漬してSi基板から剥離した後と
の両方での測定を行って見たが、両者での光透過特性に
差異はなかった。従って、フッ酸水溶液への浸漬は、フ
ッ素化ポリイミドからなる高分子光導波路へ何らの影響
も与えていないと考えて良い。
【0030】この第4の実施の形態によれば、Si基板
上にゾルゲル法を用いてSiO2膜を形成したので、前
述の第1の実施の形態における自然酸化膜よりもSiO
2膜の膜厚を厚く形成でき、フッ酸水溶液での溶解も容
易となり、光導波路を基板から剥離する際に、5分程度
の短時間で確実に光導波路を基板から剥離することがで
き、プロセス時間を短縮できた。
【0031】なお、前述の各実施の形態においてはSi
2膜を溶解させるフッ酸水溶液としてフッ酸の濃度が
5%の水溶液を用いた場合について説明したが、このフ
ッ酸水溶液におけるフッ酸の濃度としては1〜30%の
範囲の濃度とすることが望ましい。それは、フッ酸の濃
度が1%より小さいと剥離に時間がかかり、またフッ酸
の濃度が30%より大きいと高分子光導波路に損傷を与
える恐れがあるからである。
【0032】また、前述の第1、第2、第4の実施の形
態で用いたSi基板としては、任意な大きさのSiウエ
ハを用いることができる。その場合、例えば代表的に前
述の第1の実施の形態の製法を例にとって説明すると、
図1(a)〜図1(g)の各工程を実施することにより
このSiウエハ上に複数の光導波路部を形成した後、こ
のSiウエハをダイシングソーを用いてダイシングする
ことにより、個々の光導波路チップに切り離す。次い
で、切り離した個々の光導波路チップに対し図2(a)
の工程を実施することにより、それぞれのチップの光導
波路部が基板部分から剥離され、これにより個々のフレ
キシブル高分子光導波路が作製される。このSiウエハ
として大面積のSiウエハを用いれば、フレキシブル高
分子光導波路を大量に製造することができる。
【0033】前述の各実施の形態の方法により作製され
たフレキシブル高分子光導波路は、良好な光透過特性及
び可撓性を有し、光インターコネクションにおいて、光
実装基板の基板間の信号の授受を行うフレキシブルな光
導波路として用いられる。なお、本発明は前述の各実施
の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づ
き種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から
排除するものではない。
【0034】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、少なくともその上表面にSiO2膜を備えた基
板上に、下部クラッド層、コア、上部クラッド層からな
る高分子光導波路部を形成した後、高分子導波路部を形
成した基板をフッ酸水溶液に浸漬することにより、Si
2膜を溶解させ、高分子光導波路部を基板から剥離す
るようにしたので、従来のように真空装置を用いてCu
などの金属薄膜を形成する必要が無く、Si基板表面の
SiO2膜をフッ酸水溶液に溶解してSi基板から剥離
するだけでフレキシブル高分子光導波路を容易且つ簡便
に作製できるという特有の効果を有する。しかも、Si
基板としては任意の大きさの基板を用いることができる
ため任意の大きさのフレキシブル高分子光導波路を容易
に製造でき、また大面積のSiウエハ等をSi基板とし
て用いることにより一定の特性のフレキシブル高分子光
導波路を大量に製造できるという特有の効果を有する。
【0035】また、フッ酸水溶液は、実質上フッ素化ポ
リイミド等からなる高分子光導波路へ何らの影響も与え
ることはなく、本発明の方法により作製されたフレキシ
ブル高分子光導波路は、良好な光透過特性及び可撓性を
有し、光インターコネクションにおいて、光実装基板の
基板間の信号の授受を行うフレキシブルな光導波路とし
て用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフレキシブル
高分子光導波路の製造工程(前半)を示した図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るフレキシブル
高分子光導波路の製造工程(後半)を示した図である。
【図3】従来のフレキシブル高分子光導波路の製造工程
(前半)を示した図である。
【図4】従来のフレキシブル高分子光導波路の製造工程
(後半)を示した図である。
【符号の説明】
11 Si基板 11a 自然酸化膜(SiO2膜) 12 カプラー層 13 下部クラッド層 14 コア層 14a コア 15 レジストパターン 16 上部クラッド層 17 光導波路部 18 フッ酸水溶液 19 フレキシブル高分子光導波路
フロントページの続き (72)発明者 前野 仁典 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 海部 勝晶 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA04 PA02 PA21 PA24 PA28 QA05 RA00 TA00 TA43

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともその上表面にSiO2膜を備
    えた基板上に、下部クラッド層、コア、上部クラッド層
    からなる高分子光導波路部を形成する工程と、高分子光
    導波路部を形成した前記基板をフッ酸水溶液に浸漬する
    ことにより、前記SiO2膜を溶解させ、前記基板から
    その上に形成した前記高分子光導波路部を剥離する工程
    とを備えることを特徴とするフレキシブル高分子光導波
    路の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基板としてシリコン基板を用い、前
    記SiO2膜としてシリコン基板表面に存在する自然酸
    化膜を用いたことを特徴とする請求項1記載のフレキシ
    ブル高分子光導波路の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基板としてSiO2を主成分とする
    ガラス基板を用い、前記SiO2膜としてSiO2を主成
    分とする前記基板の表層部を用いたことを特徴とする請
    求項1記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記基板としてシリコン基板を用い、前
    記SiO2膜として前記シリコン基板を熱酸化して形成
    した熱酸化膜を用いたことを特徴とする請求項1記載の
    フレキシブル高分子光導波路の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記SiO2膜としてゾルゲル法により
    形成したSiO2膜を用いたことを特徴とする請求項1
    記載のフレキシブル高分子光導波路の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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