JP2001115829A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2001115829A
JP2001115829A JP29352699A JP29352699A JP2001115829A JP 2001115829 A JP2001115829 A JP 2001115829A JP 29352699 A JP29352699 A JP 29352699A JP 29352699 A JP29352699 A JP 29352699A JP 2001115829 A JP2001115829 A JP 2001115829A
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catalyst
exhaust gas
fuel
air
adsorbent
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JP29352699A
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English (en)
Inventor
Kojiro Okada
公二郎 岡田
Kazuo Koga
一雄 古賀
Naohito Yamada
尚人 山田
Osamu Nakayama
修 中山
Yasuki Tamura
保樹 田村
Kinichi Iwachido
均一 岩知道
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気浄化装置13の再生時における燃費や運
転フィーリングの悪化を抑制する。 【解決手段】 流入排気ガスの空燃比をリッチ側に変化
させることなく点火時期をリタードして昇温させること
により、HC吸着材16に吸着した還元成分であるHCを放
出し、排気浄化装置13のNOx 吸蔵材18に吸蔵された
NOx をHCにより還元して機能を再生し、リッチ化による
燃費悪化を伴わずにNOx 排出量を低減することができる
ようにし、排気浄化装置13の再生時における燃費や運
転フィーリングの悪化を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空燃比がリーン空
燃比のときに排気中のNOx を吸蔵すると共に空燃比が理
論空燃比またはリッチ空燃比のときに吸蔵したNOx を還
元する触媒装置を排気通路に備えた内燃機関の排気浄化
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃費の向上を図るため、リーン空
燃比での燃焼を可能とした希薄燃焼内燃機関が実用化さ
れている。この希薄燃焼内燃機関では、従来の三元触媒
ではその浄化特性によりリーン燃焼時の排ガス中のNOx
を十分に浄化できないといった問題がある。そこで、近
年では、例えば、リーン空燃比で運転中に排ガス中のNO
x を吸蔵し、理論空燃比(ストイキ)またはリッチ空燃
比で運転中に吸蔵されたNOx を放出還元する触媒装置を
備えた排気浄化装置が採用されてきている。
【0003】この触媒装置は、リーン空燃比(酸素の過
剰状態)で排ガス中のNOx から硝酸塩を生成し、これに
よりNOx を吸蔵する一方、ストイキまたはリッチ空燃比
(酸素濃度が低下した雰囲気)では、触媒装置に吸蔵し
た硝酸塩と排気中のCOとを反応させて炭酸塩を生成し、
これによりNOx を放出還元させるようになっている。
【0004】従って、実際には、リーン空燃比運転が所
定時間継続すると、燃焼室内の空燃比の切り換え、ある
いは排気管への還元剤の供給等により排気空燃比を理論
空燃比またはリッチ空燃比に制御するようなリッチ空燃
比運転を定期的に実施している。これにより、酸素濃度
低下雰囲気でCOの多い還元雰囲気を生成し、吸蔵したNO
x を放出して浄化還元(NOx パージ)することで、触媒
装置の再生を図ることができる。このような技術は、例
えば、特許第2600492 号公報等に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の排気浄化装置では、NOx パージを実行する場合、排
気空燃比をリッチ側に大きく変更するようにしているた
め、燃費を悪化させてしまうと共に運転フィーリングが
悪化してしまう。特に、筒内噴射型の内燃機関において
は、触媒装置の再生時に、運転モードが、例えば、リー
ン運転(空燃比40程度)からリッチ運転(空燃比12程
度)に変更され、それに伴って燃焼形態も層状燃焼から
均一燃焼に切り換わるため、吸気管噴射型の希薄燃焼内
燃機関に比べて燃費や運転フィーリングが悪化する。
【0006】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、触媒装置の再生時における燃費や運転フィーリング
の悪化を抑制可能とした内燃機関の排気浄化装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明では、排気ガス中の窒素酸化物を吸蔵するNOx
蔵材と、排気ガス中の還元成分を吸着すると共に吸着し
た還元成分を高温時に放出してNOx 吸蔵材に供給する還
元成分吸着材と、NOx 吸蔵材に吸蔵された窒素酸化物を
還元すべきとき還元成分吸着材を昇温して還元成分吸着
材から還元成分を放出させる昇温手段とを備え、通常の
運転中に還元成分吸着材に吸着された還元成分が昇温手
段で昇温されることにより放出され、NOx 吸蔵材に吸蔵
された窒素酸化物が放出された還元成分により還元され
るようにしたものである。これにより、空燃比をリーン
からリッチに変更することなく触媒装置の再生ができ、
燃費や運転フィーリングの悪化が抑制できる。
【0008】NOx 吸蔵材は、例えば、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、希土類金属の少なくとも一つを含むNO
x 吸蔵層で構成されるのが好ましく、還元成分吸着材
は、例えば、ゼオライトを含むHC吸着層で構成されるの
が好ましい。また、NOx を還元する触媒成分として、貴
金属を配置することが好ましい。更に、還元機能に加え
酸化機能を持たせて(白金とロジウムの組み合わせ
等)、三元触媒機能を持たせることも可能である。昇温
手段としては、点火時期のリタードや電気加熱触媒の採
用、または、排気通路を2系統備えて通常より短い排気
経路で排気ガスを触媒装置に流入させることが考えられ
る。また、燃焼室内に直接燃料を噴射する内燃機関の場
合は、膨張行程に燃料を噴射することも可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の実施
形態例を説明する。図示の実施形態例は、混合気の空燃
比を理論空燃比よりも燃料希薄側に制御して燃焼室内に
燃料を直接噴射するようにした火花点火式の多気筒型筒
内噴射内燃機関を例に挙げて説明してある。図1には本
発明の一実施形態例に係る排気浄化装置を備えた内燃機
関の概略構成、図2には触媒装置の詳細構成、図3には
排気浄化装置によるNOx の放出状況を表す処理系統、図
4には排気浄化装置によるNOx の放出状況を表すタイム
チャートを示してある。
【0010】多気筒型筒内噴射内燃機関としては、例え
ば、燃料を直接燃焼室に噴射する筒内噴射型直列4気筒
ガソリンエンジン(筒内噴射エンジン)1が適用され
る。筒内噴射エンジン1は、例えば、燃焼モード(運転
モード)を切り換えることで、吸気行程での燃料噴射
(吸気行程噴射モード)または圧縮行程での燃料噴射
(圧縮行程噴射モード)が実施可能となっている。そし
て、この筒内噴射エンジン1は、理論空燃比(ストイ
キ)での運転やリッチ空燃比での運転(リッチ空燃比運
転)の他、リーン空燃比での運転(リーン空燃比運転)
が実現可能となっており、特に、圧縮行程噴射モードで
は、吸気行程でのリーン空燃比運転よりも大きな空燃比
となる超リーン空燃比での運転が可能となっている。
【0011】図1に示すように、筒内噴射エンジン1の
シリンダヘッド2には各気筒毎に点火プラグ3が取り付
けられると共に、各気筒毎に電磁式の燃料噴射弁4が取
り付けられている。燃焼室5内には燃料噴射弁4の噴射
口が開口し、燃料噴射弁4から噴射される燃料が燃焼室
5内に直接噴射されるようになっている。筒内噴射エン
ジン1のシリンダ6にはピストン7が上下方向に摺動自
在に支持され、ピストン7の頂面には半球状に窪んだキ
ャビティ8が形成されている。キャビティ8により、図
1では時計回りの逆タンブル流を発生させるようになっ
ている。
【0012】シリンダヘッド2には、各気筒毎に略直立
方向に吸気ポートが形成され、各吸気ポートと連通する
ようにして吸気マニホールド9の一端がそれぞれ接続さ
れている。吸気マニホールド9の他端にはドライブバイ
ワイヤ(DBW)方式の電動スロットル弁(ETV)2
1が接続され、ETV21にはスロットル開度θthを検
出するスロットルポジションセンサ22が設けられてい
る。また、筒内噴射エンジン1には、クランク角を検出
するクランク角センサ23が設けられ、クランク角セン
サ23はエンジン回転速度Neを検出可能となっている。
【0013】また、シリンダヘッド2には各気筒毎に略
水平方向に排気ポートが形成され、各排気ポートと連通
するようにして排気マニホールド10の一端がそれぞれ
接続されている。また、排気マニホールド10には図示
しないEGR装置が設けられている。一方、排気マニホ
ールド10には排気管11が接続され、排気管11には
排気浄化触媒装置13を介して図示しないマフラーが接
続されている。排気浄化触媒装置13の直上流に位置し
て排気温度を検出する高温センサ14が設けられてい
る。
【0014】排気浄化触媒装置13は、排気空燃比がリ
ーン空燃比のときに排気ガス中のNO x (窒素酸化物)を
吸蔵する機能と、排気ガス中のHC(炭化水素:還元成
分)を吸着すると共に昇温されて高温となった時に吸着
したHCを放出する機能と、排気空燃比が理論空燃比近傍
のときに排気ガス中の有害物質(HC,CO,NOx ) を浄化す
る還元機能とを有する触媒12を備えている。
【0015】尚、上述した実施形態例では、排気管11
に触媒12を備えた排気浄化触媒装置13を設けたが、
冷態始動時等の始動時のHCを低減するため及びストイキ
時の排気ガス浄化のために、排気浄化触媒装置13の上
流側に三元触媒または酸化触媒を配置してもよい。ただ
しこの場合、バイパス通路を設け、始動時には排気ガス
を三元触媒または酸化触媒に流入させ、暖機後には三元
触媒または酸化触媒を排気ガスがバイパスするようにす
ることが望ましい。
【0016】図2に示すように、排気浄化触媒装置13
の触媒12は、多孔質体からなるAl 2O3 の担体15にゼ
オライトを含むHC吸着材16が担持され、HC吸着材16
の上層には、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム
(Rh)等からなる貴金属を含む触媒層17(実施形態例
ではPt及びRh)が配置されている。また、HC吸着材16
の上層には、バリウム(Ba)、カリウム(K)等のアル
カリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属から選ばれる
少なくとも一種のNOx 吸蔵材18(実施形態例ではBa)
が配置されている。NOx 吸蔵材18は排気空燃比がリー
ン空燃比のときに排気ガス中のNOx を吸蔵する機能を有
している。HC吸着材16は排気ガス中のHCを吸着すると
共に昇温されて高温となった時に吸着したHCを放出して
NOx 吸蔵材18に供給する還元機能を有している。触媒
層17は酸化還元機能を有し三元機能を備えたものとな
っている。
【0017】従って、排気浄化触媒装置13の触媒12
では、酸化(リーン)雰囲気において排気ガス中のNOが
触媒層17で酸化されNOx となり、NOx 吸蔵材18のBa
が硝酸塩として吸蔵することができる。また、酸化(リ
ーン)雰囲気では、排気ガス中のHCをHC吸着材16で吸
着している。そして、触媒12(HC吸着材16)を昇温
することによりHC吸着材16が高温になると、吸着した
HCを放出してNOx 吸蔵材18に供給し、NOx 吸蔵材18
がHCにより還元(リッチ)雰囲気状態となり、NOx はHC
により放出されて窒素等に還元される。また、触媒層1
7は酸化還元機能を有し三元機能を備えているため、ス
トイキ雰囲気における排気ガス浄化も行なわれる。
【0018】尚、HCよりもNOx を効率良く放出できるCO
の量を増やすために、排気ガス中のHCからCOを生成する
CO生成剤、即ち、入口排気ガスのCO量より出口排気ガス
のCO量が多くなるCO生成剤(例えばイリジウム)を触媒
12に配置することも可能である。この時、CO生成剤は
HC吸着材16と同一層に配置することが好ましい。ま
た、触媒12におけるHC吸着材16(CO生成剤)、触媒
層17及びNOx 吸蔵材18を同一層に配置することも可
能である。また、HC吸着材16は高温になると吸着した
HCを放出する機能を有しているが、HCの吸着・放出の特
性温度域が異なるものを複数備えるようにしてもよい。
これにより、広い温度領域でHCの吸着・放出を行なうこ
とができる。
【0019】通常の三元触媒であっても活性度合いが高
い場合はHCからCOを生成可能であるため、COを生成する
目的で活性度合いを高めるために貴金属の担持量を増大
させることも可能である。また、触媒温度を昇温させて
も活性度合いは高まるので、後述するNOx 放出のための
昇温手段(点火時期リタード、電気触媒、排気通路の切
り換え等)により活性化のための昇温を実施することも
可能である。
【0020】車両には電子制御ユニット(ECU)31
が設けられ、このECU31には、入出力装置、制御プ
ログラムや制御マップ等の記憶を行う記憶装置、中央処
理装置及びタイマやカウンタ類が備えられている。EC
U31によって筒内噴射エンジン1を含めた本実施形態
の排気浄化装置の総合的な制御が実施される。各種セン
サ類の検出情報はECU31に入力され、ECU31は
各種センサ類の検出情報に基づいて、燃料噴射モードや
燃料噴射量を始めとして点火時期等を決定し、燃料噴射
弁4や点火プラグ3等を駆動制御する。
【0021】筒内噴射エンジン1では、吸気マニホール
ド9から燃焼室5内に流入した吸気流が逆タンブル流を
形成し、圧縮行程中期以降に燃料を噴射して逆タンブル
流を利用しながら燃焼室5の頂部中央に配設された点火
プラグ3の近傍のみに少量の燃料を集め、点火プラグ3
から離隔した部分で極めてリーンな空燃比状態とする。
点火プラグ3の近傍のみをストイキ又はリッチな空燃比
とすることで、安定した層状燃焼(層状超リーン燃焼)
を実現しながら燃料消費を抑制する。
【0022】また、筒内噴射エンジン1から高出力を得
る場合には、燃料噴射弁4からの燃料を吸気行程に噴射
することにより燃焼室5全体に均質化し、燃焼室5内を
ストイキやリーン空燃比の混合気状態にさせて予混合燃
焼を行う。もちろん、ストイキもしくはリッチ空燃比の
方がリーン空燃比よりも高出力が得られるため、この際
にも、燃料の霧化及び気化が十分に行なわれるようなタ
イミングで燃料噴射を行ない、効率よく高出力を得るよ
うにしている。
【0023】ECU31では、スロットルポジションセ
ンサ22からのスロットル開度θthとクランク角センサ
23からのエンジン回転速度Neとに基づいてエンジン負
荷に対応する目標筒内圧、即ち、目標平均有効圧Peが求
められ、更に、この目標平均有効圧Peとエンジン回転速
度Neとに応じてマップ(図示せず)より燃料噴射モード
が設定される。例えば、目標平均有効圧Peとエンジン回
転速度Neとが共に小さいときは、燃料噴射モードは圧縮
行程噴射モードとされて燃料が圧縮行程で噴射され、一
方、目標平均有効圧Peが大きくなり、あるいはエンジン
回転速度Neが大きくなると燃料噴射モードは吸気行程噴
射モードとされ、燃料が吸気行程で噴射される。そし
て、目標平均有効圧Peとエンジン回転速度Neとから各燃
料噴射モードでの制御目標となる目標空燃比(目標A/
F)が設定され、適正量の燃料噴射量がこの目標A/F
に基づいて決定される。
【0024】排気浄化触媒装置13の触媒12では、リ
ーン運転モードにおける超リーン燃焼運転時のような排
気ガス中の空燃比がリーン空燃比のときに、排気中のNO
x が硝酸塩として吸蔵されて排気の浄化が行われる。触
媒12(NOx 吸蔵材18)へのNOx の吸蔵が進むと、触
媒12(HC吸着材16)を昇温し、HC吸着材16からHC
を放出させてHCをNOx 吸蔵材18に供給し、触媒12か
らNOx を放出還元させてNOx 吸蔵機能を維持する(NOx
パージ)。
【0025】ECU31には、リーン運転が所定時間以
上継続した場合に、HC吸着材16からHCを放出させてHC
をNOx 吸蔵材18に供給し、触媒12からNOx を放出す
るための昇温手段が備えられている。昇温手段は、NOx
パージ制御開始の条件が成立すると、点火時期をリター
ドして触媒12を昇温し、HC吸着材16からHCを放出し
てNOx 吸蔵材18からNOx を放出する。
【0026】上述した排気浄化装置のNOx パージ制御の
動作状況を図3及び図4に基づいて説明する。
【0027】図3に示すように、NOx パージ制御開始の
条件が判定される。NOx パージ制御開始の条件は、リー
ン運転の継続時間が所定時間経過した時となっている。
リーン運転の継続時間は、車速をパラメータとしたマッ
プを用いて車速によって時間を変更するようにすること
も可能である。NOx パージ制御開始の条件は、筒内噴射
エンジン1の負荷や回転速度Neの運転条件や、NOx セン
サを別途設けてNOx センサにより触媒12のNOx 吸蔵量
を推定し、推定されるNOx 吸蔵量が所定値以上となった
時とすることも可能である。
【0028】リーン運転の継続時間が所定時間経過して
NOx パージ制御開始の条件が成立すると、所定期間点火
時期をリタードして触媒12を昇温する。触媒12(HC
吸着材16)を昇温することで、HC吸着材16からHCが
放出されてHCがNOx 吸蔵材18に供給され、触媒12か
らNOx が放出還元される。点火時期のリタードによるト
ルク低下分は吸入空気量を増量する。具体的には、触媒
12の昇温時における点火時期及びETV21の開度
が、筒内噴射エンジン1の負荷や回転速度Neのマップと
して設定されている。
【0029】触媒12を昇温する手段としては、点火時
期のリタードの他に、膨張行程に燃料を噴射するように
してもよい。この場合、NOx パージ制御時に燃費を悪化
させないようトータル空燃比は変更しないようにする。
そのままであると、メイン空燃比のリーン化によりトル
ク低下が生じるので吸入空気量を増量する。また、触媒
12を昇温する手段としては、点火時期のリタードの他
に、触媒12を電気加熱触媒としてもよく、また、排気
通路を2系統備えて昇温時に短い経路に排気ガスをバイ
パスさせて高温の排気ガスを触媒12に流入させるよう
にしてもよい。
【0030】NOx パージ制御解除の条件が成立した後、
点火時期のリタードを解除してNOxパージ制御を終了す
る。NOx パージ制御解除の条件は、高温センサ14で検
出される触媒12の温度が所定温度T℃(例えば200
℃)以上となる時間の合計が所定時間以上になった時と
なっている。所定時間は、触媒12の劣化度合いを代表
するパラメータである走行距離のマップとして設定され
ている。所定時間の設定は、NOx パージ制御開始の条件
を判定する際に、車速をパラメータとしたマップを用い
て車速によってリーン運転の継続時間を変更した場合、
その影響も考慮する。尚、触媒12の温度を高温センサ
14で検出しているが、筒内噴射エンジン1の負荷や回
転速度Ne等の運転条件から推定したり、点火時期のリタ
ード経過時間(昇温運転の経過時間)等から推定するこ
とも可能である。
【0031】尚、大気中の放出され得るNOx 量の総量を
NOx センサにより求め、所定期間に総NOx 排出量が所定
値に達した場合は、上述したNOx パージ制御によりNOx
を放出還元すると共に、ストイキ運転に切り換えてNOx
排出抑制をするNOx 排出量制御を実施するようにしても
よい。
【0032】NOx パージ制御時における経時状況を図4
に基づいて説明する。
【0033】NOx 吸蔵材18に排気ガス中のNOx が吸蔵
されてNOx パージ制御開始の条件が成立すると(t0)、
図4(a) に示すように、NOx パージ制御がオンになり、
図4(b) に示すように、点火時期がリタードされると同
時に、図4(c) に示すように、ETV21の開度が大き
くなる。これにより、触媒12が昇温され点火時期のリ
タードによるトルク低下分の吸入空気量が増量される。
尚、NOx パージ制御開始の条件が成立するまでは、NOx
吸蔵材18へのNOx の吸蔵と共に、図4(f) に示すよう
に、触媒12のHC吸着材16へのHCの吸着が進んで合計
量が多くなっている。
【0034】図4(d) に示すように、触媒12の温度が
上昇すると、図4(e) に示すように、触媒12のHC吸着
材16からのHCの放出量が増加し、放出されたHCがNOx
吸蔵材18に供給され、図4(g) に示すように、NOx
蔵材18からNOx が放出される。この時、図4(f) に示
すように、HC吸着材16へのHCの吸着量が減少する。図
4(d) に示すように、触媒12の温度が所定温度T℃を
越えた時間が所定時間に達すると、NOx パージ制御解除
の条件が成立し(t1)、図4(a) に示すように、NOx
ージ制御がオフになり、図4(b) に示すように、点火時
期のリタードが解除されると同時に、図4(c) に示すよ
うに、ETV21の開度が小さくなって通常の吸気量と
なる。
【0035】上述した排気浄化装置では、通常の運転時
に触媒12のHC吸着材16に吸着されたHCは、点火時期
のリタードにより排気浄化触媒装置13を昇温させるこ
とで放出されてNOx 吸蔵材18に供給される。この放出
・供給されたHCによりNOx 吸蔵材18に吸蔵されたNOx
が放出還元されて機能が再生される。従って、流入排気
ガスの空燃比をリッチ側に変化させることなく排気浄化
触媒装置13に吸蔵されたNOx を放出還元して機能を再
生することが可能になり、リッチ化による燃費悪化を伴
わずにNOx 排出量を低減することができる。
【0036】上記実施形態例では、排気浄化装置を適用
する機関として、燃焼室内に燃料を直接噴射するよよう
にした火花点火式の機関を例に挙げて説明したが、吸蔵
型の触媒を備えてNOx の放出還元を行う機関であれば、
ディーゼルエンジンや、吸気管に燃料を噴射し混合気を
燃焼室に導入する火花点火式のリーンバーンエンジンに
適用することも可能である。
【0037】また、図5に示したように、筒内噴射エン
ジン1の排気管11に切換弁25を介してバイパス路2
6を設け、バイパス路26に熱交換器27を設け、通常
運転時には切換弁25により排気ガスをバイパス路26
に流通させて熱交換器27により排気ガス温度を低下さ
せ、HC吸着材16のHC吸着効率がよい温度域に排気ガス
温度を制御することも可能である。
【0038】図6乃至図8に基づいて触媒装置の他の実
施形態例を説明する。図6乃至図8には他の実施形態例
に係る触媒装置の詳細構成を示してある。尚、図2に示
した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明
は省略してある。
【0039】図6に示した排気浄化装置36の触媒46
は、Al2O3 の担体15にHC吸着材16が担持され、HC吸
着材16の上層には、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、
ロジウム(Rh)等からなる貴金属を含む触媒層41(実
施形態例ではPt)が配置されている。また、HC吸着材1
6の上層には、NOx 吸蔵材18が配置されている。そし
て、排気浄化装置36には、触媒46の下流側に三元触
媒42が配置されている。排気浄化触媒装置36の触媒
46では、酸化(リーン)雰囲気において排気ガス中の
NOが触媒層41で酸化されNOx となり、NOx 吸蔵材18
がNOx を吸蔵する。HC吸着材16が高温になると、吸着
したHCを放出してNOx 吸蔵材18に供給し、NOx はHCに
より放出されて窒素等に還元される。また、三元触媒4
2によりストイキ雰囲気における排気ガス浄化が行なわ
れる。
【0040】図6に示した排気浄化装置36では、三元
触媒42を別途配置したので、触媒46を小型化するこ
とができる。
【0041】図7に示した排気浄化装置37は、HC吸着
材16が上流側に配置され、HC吸着材16の下流側には
触媒47が配置されている。触媒47は、Al2O3 の担体
15に触媒層41及びNOx 吸蔵材18が担持されてい
る。そして、触媒47の下流側に三元触媒42が配置さ
れている。排気浄化装置37は、HC吸着材16と触媒4
7が直列に配置され、図6で示した排気浄化触媒装置3
6と同様に、NOx を吸蔵すると共にHC吸着材16が高温
になると吸着したHCを放出してNOx が放出還元される。
尚、HC吸着材16と触媒47の間に別体のCO生成触媒を
配置することも可能である。
【0042】図7に示した排気浄化装置37は、HC吸着
材16と触媒47を直列に配置し、三元触媒42を別途
配置したので、触媒47を簡素にして小型化することが
できる。
【0043】図8に示した排気浄化装置38は、HC吸着
材16が上流側に配置され、HC吸着材16の下流側には
触媒48が配置されている。触媒48は、Al2O3 の担体
15に触媒層17及びNOx 吸蔵材18が担持されてい
る。排気浄化装置38は、HC吸着材16と触媒48が直
列に配置され、図2で示した排気浄化装置13と同様
に、NOx を吸蔵すると共にHC吸着材16が高温になると
吸着したHCを放出してNOxが放出還元される。尚、HC吸
着材16と触媒48の間に別体のCO生成触媒を配置する
ことも可能である。
【0044】図8に示した排気浄化装置は、NOx 吸蔵材
18と三元機能を有する触媒層17を一体に配置したの
で、別体の三元触媒を備えることなく触媒48を小型化
することができる。
【0045】上述した排気浄化装置36,37,38で
は、通常の運転時に触媒12のHC吸着材16に吸着され
たHCは、点火時期のリタード等により昇温させることで
放出されてNOx 吸蔵材18に供給される。この放出・供
給されたHCによりNOx 吸蔵材18に吸蔵されたNOx が放
出還元されて機能が再生される。従って、図2に示した
排気浄化触媒装置13と同様に、流入排気ガスの空燃比
をリッチ側に変化させることなく排気浄化触媒装置3
6,37,38に吸蔵されたNOx を放出還元して機能を
再生することが可能になり、リッチ化による燃費悪化を
伴わずにNOx 排出量を低減することができる。
【0046】尚、上記各実施形態例では、NOx 吸蔵材と
して酸化雰囲気においてNOx を硝酸塩として吸蔵するも
のを使用したが、酸化雰囲気においてNOx を吸着し吸着
したNOx を還元雰囲気において還元剤により直接還元す
る方式のNOx 吸蔵材を用いてもよい。
【0047】
【発明の効果】本発明の内燃機関の排気浄化装置では、
流入排気ガスの空燃比をリッチ側に変化させることなく
昇温させることにより吸着した還元成分を放出し、触媒
装置に吸蔵されたNOx を還元成分により還元して機能を
再生することができるので、リッチ化による燃費悪化を
伴わずにNOx 排出量を低減することができる。この結
果、触媒装置の再生時における燃費や運転フィーリング
の悪化を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例に係る排気浄化装置を備
えた内燃機関の概略構成図。
【図2】触媒装置の詳細構成図。
【図3】排気浄化装置によるNOx の放出状況を表す処理
系統図。
【図4】排気浄化装置によるNOx の放出状況を表すタイ
ムチャート。
【図5】排気系統の他の実施形態例を表す概略図。
【図6】他の実施形態例に係る触媒装置の詳細構成図。
【図7】他の実施形態例に係る触媒装置の詳細構成図。
【図8】他の実施形態例に係る触媒装置の詳細構成図。
【符号の説明】
1 筒内噴射エンジン 4 燃料噴射弁 12,46,47,48 触媒 13,36,37,38 排気浄化触媒装置 16 HC吸着材 17,41 触媒層 18 NOx 吸蔵材 42 三元触媒 31 電子制御ユニット(ECU)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 尚人 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 中山 修 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 田村 保樹 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 岩知道 均一 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3G091 AA11 AA12 AA17 AA24 AA28 AB02 AB03 AB06 AB10 BA07 BA14 CA03 CA12 CA16 CA18 CB03 CB05 CB07 EA01 EA03 EA17 EA30 EA33 EA38 EA39 FB11 FB12 GB02Y GB03Y GB04Y GB05W GB06W GB07W GB09Y GB17X HA08 HA11 HA18 HA20 HA36

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気ガス中の窒素酸化物を吸蔵するNOx
    吸蔵材と、排気ガス中の還元成分を吸着すると共に吸着
    した還元成分を高温時に放出して上記NOx 吸蔵材に供給
    する還元成分吸着材と、上記NOx 吸蔵材に吸蔵された窒
    素酸化物を還元すべきとき上記還元成分吸着材を昇温し
    て還元成分吸着材から還元成分を放出させる昇温手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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