JP2001115058A - 酸化チタンを含有する皮膜組成物とその製造方法、及びこれにより表面処理した粉体及び樹脂組成物、並びに前記粉体もしくは樹脂組成物を含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器 - Google Patents
酸化チタンを含有する皮膜組成物とその製造方法、及びこれにより表面処理した粉体及び樹脂組成物、並びに前記粉体もしくは樹脂組成物を含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器Info
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Abstract
で応用でき、耐水性及び紫外線吸収性に優れた強固な親
油性の皮膜組成物を得、さらにこれらを各分野において
応用する。 【解決手段】 チタンアルコキシド又はその油性
溶液もしくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原
子及び/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種
以上と、或いはさらに加水分解抑制剤の1種又は2種以
上と水を添加して加水分解して酸化チタンの油性分散体
を得、これをそのまま又は濃縮し、或いは分散媒を除去
した後薄膜化し、前記有機化合物が残存する程度に加熱
処理して、皮膜組成物を得る。また前記酸化チタンの油
性分散体又はその濃縮物等により粉体又は樹脂表面もし
くは容器表面を被覆処理した後、有機化合物が残存する
程度に加熱処理して、前記皮膜組成物により表面が被覆
された粉体等を得る。
Description
吸収性に優れた強固な親油性皮膜組成物及びその製造方
法、並びにその応用に関する。本発明に係る皮膜組成物
は、製造条件により種々の色調を呈し、透明な干渉光を
有するものをも得ることができ、医薬品,化粧品,油性
塗料,樹脂,吸着剤,イオン交換剤,複合酸化物前駆
体,光学材料,フォトクロミック材料,ガラス・レンズ
被覆,電子・電気材料,記録・記憶材料,繊維,光触
媒,抗菌・抗黴性材料,環境汚染物分解除去剤等、幅広
い分野において有用である。また粉体,樹脂等の表面処
理にも適し、これらの表面処理物は、皮膚用組成物,塗
料組成物及び樹脂組成物、並びに容器に好ましく応用さ
れる。
その油性溶液もしくは分散液に分子内に孤立電子対を有
する原子及び/又は極性基を有する有機化合物を添加
し、次いで水を添加し加水分解して得られる酸化チタン
の油性分散体又はその濃縮物、或いは前記油性分散体よ
り分散媒を除去して成る酸化チタンを含む油性組成物を
薄膜化し、前記有機化合物が残存する程度に加熱処理し
て成る皮膜組成物及びその製造方法、並びに前記皮膜の
粉体,樹脂等の表面処理への応用、さらには皮膚用組成
物,塗料組成物,樹脂組成物及び容器への応用に関す
る。
し、塗料等の紫外線による退色防止や、紫外線による炎
症を防止するための化粧料等に顔料としてよく用いられ
る。かかる目的に適する薄片状或いは微粒子状の酸化チ
タンを得るには、形状や粒子径の制御の容易なゾル−ゲ
ル法が広く用いられている。しかしながらこの方法で
は、チタンアルコキシドを加水分解するため水の添加が
不可欠であり、分散媒としてブタノール等の低級アルコ
ールを用いる。それゆえ、ゾル−ゲル法により得られた
酸化チタンは親油性に乏しく、油性材料に分散した際良
好な分散は得られず、油性化粧料や油性塗料に配合する
際には、分散性を向上させたり、耐水性を持たせるため
に疎水化処理を行う必要があった。また、皮膜を形成さ
せるため、皮膜形成性を有する水溶性高分子化合物を用
いた場合には耐水性の皮膜を得ることは困難であり、樹
脂を用いた場合には、樹脂中から酸化チタンが排出さ
れ、粉を吹いたようになる「チョーキング」といわれる
現象が生じるといった問題があった。
容器、医療器具素材など、紫外線に対する抵抗性を要す
る樹脂組成物や容器においては、紫外線吸収剤を混練し
たり、紫外線吸収剤を含有する高分子化合物により表面
処理を行ったりする必要があった。そのため、紫外線曝
露による紫外線吸収剤自体の劣化やブリードが生じやす
く、品質保持や安全性の面で問題となっていた。
は、幅広い分野で応用でき、耐水性及び紫外線吸収性に
優れた強固な親油性の皮膜組成物を得ること、及びこれ
らを特に皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物及び容
器の各分野において応用することを目的とした。
タンアルコキシド又はその油性溶液もしくは分散液にお
いて、加水分解反応を進行させる際、チタンアルコキシ
ドからチタン酸化物の粒子が成長する過程で、分子内に
孤立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機
化合物を適量加えることにより、油性分散媒中に透明な
状態で分散した酸化チタン粒子が得られ、さらに前記油
性分散体を濃縮し、分散媒を除去したものが優れた皮膜
形成能を有し、皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物
及び容器の各分野において容易に応用し得ることを見い
だし、開示している(特願平11−20026)。今
回、上記課題を解決するべくさらに検討を行った結果、
前記した油性分散体又はその濃縮物或いは分散媒除去物
を薄膜化し、次いで前記有機化合物が残存する程度に加
熱処理することにより、耐水性及び紫外線吸収性に優
れ、且つ強固な皮膜組成物が得られることを見いだし、
本発明を完成するに至った。
キシド又はその油性溶液もしくは分散液に、分子内に孤
立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化
合物の1種又は2種以上と水を添加して加水分解するこ
とにより酸化チタンの油性分散体を得、さらにこの油性
分散体をそのまま又は濃縮し、或いは油性分散体より分
散媒を除去した後薄膜化し、前記有機化合物の1種又は
2種以上が残存する程度に加熱処理して、皮膜組成物を
得る。また前記酸化チタンの油性分散体又はその濃縮物
等により粉体又は樹脂表面もしくは容器表面を被覆処理
した後、有機化合物の1種又は2種以上が残存する程度
に加熱処理して、強固な親油性皮膜により表面が被覆さ
れた粉体又は樹脂もしくは容器を得る。そして、この表
面被覆処理粉体又は樹脂を皮膚用組成物,塗料組成物等
の各分野に応用する。なお、チタンアルコキシドの加水
分解を行う際に、加水分解抑制剤の1種又は2種以上を
共存させることにより、選択的に薄片状又は針状の粒子
のゲルを得ることができる。また必要に応じ、酸又は塩
基もしくはこれらにより形成される塩を触媒として用い
ることができる。
ルコキシドとしては、チタンテトラメトキシド,チタン
テトラエトキシド,チタンテトラノルマルプロポキシ
ド,チタンテトライソプロポキシド,チタンテトラノル
マルブトキシド,チタンテトライソブトキシド,チタン
テトラターシャルブトキシド等が挙げられ、これらより
1種又は2種以上を選択して用いる。かかるチタンアル
コキシドは、分子内に孤立電子対を有する原子及び/又
は極性基を有する有機化合物が液状の場合には直接それ
らに溶解又は分散することができる。また、油性溶媒に
溶解又は分散して前記有機化合物を添加し、作用させて
もよい。かかるチタンアルコキシドの溶液又は分散液の
濃度としては0.0001M〜10.0Mであることが
好ましく、0.01M〜6.0Mの範囲とすることが特
に好ましい。
る油性溶媒としては、ノルマルヘキサン,ノルマルヘプ
タン,ノルマルオクタン等のノルマルアルカン類、1-ヘ
キセン,1-ヘプテン,1-オクテン,1-ノネン,1-デセ
ン,1-ウンデセン等のノルマルアルケン類、ベンゼン,
メチルベンゼン,エチルベンゼン等のベンゼン類、ヘキ
サノール,ヘプタノール,オクタノール,ノナノール,
デカノール等のアルコール類、プロピルエーテル,イソ
プロピルエーテル,ブチルエーテル,イソブチルエーテ
ル,ノルマルペンチルエーテル,イソペンチルエーテ
ル,メチルブチルエーテル,メチルイソブチルエーテ
ル,メチルノルマルペンチルエーテル,メチルイソペン
チルエーテル,エチルプロピルエーテル,エチルイソプ
ロピルエーテル,エチルブチルエーテル,エチルイソブ
チルエーテル,エチルノルマルペンチルエーテル,エチ
ルイソペンチルエーテル,アリルエーテル,エチルアリ
ルエーテル,アニソール,フェネトール,フェニルエー
テル,ベンジルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル,
酢酸イソプロピル,酢酸ブチル,酢酸イソブチル,プロ
ピオン酸メチル,プロピオン酸エチル,プロピオン酸プ
ロピル,プロピオン酸ブチル,プロピオン酸イソブチ
ル,酪酸メチル,酪酸エチル,酪酸プロピル,酪酸イソ
プロピル,酪酸ブチル,酪酸イソブチル等のエステル類
などが使用できる。また、アボカド油,アルモンド油,
オリーブ油,ゴマ油,サザンカ油,サフラワー油,大豆
油,ツバキ油,トウモロコシ油,ナタネ油,パーシック
油,ヒマシ油,綿実油,落花生油,ホホバ油等の液状植
物油類、ミンク油,卵黄油,液状ラノリン等の液状動物
油類、流動パラフィン,イソパラフィン,スクワラン,
プリスタン等の炭化水素油類、オレイルアルコール,2-
ヘキシルデカノール,イソステアリルアルコール,2-オ
クチルドデカノール等の液状高級アルコール類、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコール
モノエチルエーテル,エチレングリコールモノブチルエ
ーテル,エチレングリコールモノフェニルエーテル,エ
チレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル,エチ
レングリコールジメチルエーテル,エチレングリコール
ジエチルエーテル,エチレングリコールジブチルエーテ
ル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル,ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル,ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル,ジエチレングリコールジエチルエーテル,
ジエチレングリコールジブチルエーテル,エチレングリ
コールメチルエーテルアセテート,エチレングリコール
エチルエーテルアセテート,エチレングリコールブチル
エーテルアセテート,エチレングリコールフェニルエー
テルアセテート,ジエチレングリコールエチルエーテル
アセテート,ジエチレングリコールブチルエーテルアセ
テート等の二価アルコール誘導体類、オクタン酸セチ
ル,ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロ
ピル,ラウリン酸ヘキシル,オレイン酸オレイル,オレ
イン酸デシル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ジメチ
ルオクタン酸ヘキシルデシル,フタル酸ジエチル,フタ
ル酸ジブチル,ジオイレイン酸プロピレングリコール,
トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル,トリ2-エチルヘキ
サン酸トリメチロールプロパン等の液状エステル油類、
ジメチルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサ
ン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチル
シクロペンタシロキサン等のシリコーン油など、一般に
化粧料又は皮膚外用剤用或いは塗料用として用いられる
油性物質を用いることができる。本発明にはこれらより
1種又は2種以上を選択して用いる。
有機化合物を作用させ、それによりチタンアルコキシド
の加水分解を制御するが、本発明において使用し得る有
機化合物としては、分子内に孤立電子対を有する原子や
極性基を有する有機化合物で、液状であるか、油性溶媒
に溶解又は分散させ得るものであれば、特に限定されな
い。たとえば、リン酸,ピロリン酸,メタリン酸,フル
オロリン酸等のリン酸類、グルコース-1-リン酸,グル
コース-6-リン酸,フルクトース-6-リン酸,グリセロー
ル-1-リン酸,ホスホエノールピルビン酸等のリン酸エ
ステル類、フッ化アセチル,フッ化アミル,フッ化アリ
ル,フッ化デシル等のフッ素化合物類、γ-クロロプロ
ピルトリメトキシシラン,ビニルトリクロロシラン,ビ
ニルトリエトキシシラン,ビニルトリス(β-メトキシエ
トキシ)シラン,γ-メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン,β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン,γ-グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン,γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン,γ-アミノプロピルトリエトキシシラン,N-β-(ア
ミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン,
γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン,N-β-(アミ
ノエチル)-β-アミノプロピルメチルジメトキシシラン
等のシランカップリング剤、イソプロピルトリイソステ
アロイルチタネート,イソプロピルトリデシルベンゼン
スルホニルチタネート,イソプロピルトリス(ジオクチ
ルピロホスフェート)チタネート,テトライソプロピル
ビス(ジオクチルホスファイト)チタネート,テトラオク
チルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート,テト
ラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジ-トリ
デシル)ホスファイトチタネート,ビス(ジオクチルピロ
ホスフェート)オキシアセテートチタネート,トリス(ジ
オクチルピロホスフェート)エチレンチタネート等のチ
タンカップリング剤、乳酸,シュウ酸,酒石酸,クエン
酸,コハク酸,リンゴ酸,ミリスチン酸,パルミチン
酸,ステアリン酸,イソオクタン酸,イソミリスチン
酸,イソパルミチン酸,イソステアリン酸,ヒドロキシ
パルミチン酸,ヒドロキシステアリン酸,安息香酸,ヒ
ドロキシ安息香酸等のカルボン酸類、ラウリルアルコー
ル,ミリスチルアルコール,パルミチルアルコール,ス
テアリルアルコール,オレイルアルコール,ベヘニルア
ルコール等の高級脂肪族アルコール類、ジグリセリン,
グリセリルモノパルミチルエーテル,グリセリルモノス
テアリルエーテル,グリセリルモノオレイルエーテル等
のグリセリルエーテル類、グリセリルモノパルミチン酸
エステル,グリセリルモノステアリン酸エステル,グリ
セリルモノイソステアリン酸エステル,グチセリルジイ
ソステアリン酸エステル,グリセリルトリ2-エチルヘキ
サン酸エステル等のグリセリルエステル類、ホスファチ
ジン酸,ホスファチジルイノシトール,ホスファチジル
エタノールアミン,ホスファジルコリン,ホスファチジ
ルセリン等のグリセロリン脂質類、N-ステアロイルスフ
ィンゴシン,N-ステアロイルフィトスフィンゴシン等の
セラミド類、スフィンゴミエリン,グルコシルセラミ
ド,ガラクトシルセラミド等のスフィンゴ脂質類、アセ
チルアセトン,エチレングリコール,ジエチレングリコ
ール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコー
ル,エチレンジアミン,エチレンジアミン四酢酸,ジチ
ゾン,ジメチルグリオキシム,8-キノリノール等のキレ
ート作用を有する化合物、デシルアミン,ウンデシルア
ミン,ドデシルアミン,テトラデシルアミン,ヘキサデ
シルアミン,オクタデシルアミン,ジヘキシルアミン,
ジオクチルアミン,ジデシルアミン,N-メチルデシルア
ミン,N-メチルラウリルアミン,N-メチルパルミチルア
ミン,N-エチルパルミチルアミン等のアミン類、ヘキシ
ルアミド,オクチルアミド,デシルアミド,ウンデシル
アミド,ラウリルアミド,ミリスチルアミド,パルミチ
ルアミド,ステアリルアミド等のアミド類、ミリスチン
酸モノエタノールアミド,ステアリン酸モノエタノール
アミド,ミリスチン酸ジエタノールアミド,ステアリン
酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド
類、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン,2-ヒド
ロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸,ジヒ
ドロキシジメトキシベンゾフェノン,2,4-ジヒドロキシ
ベンゾフェノン,テトラヒドロキシベンゾフェノン等の
ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸,パラアミ
ノ安息香酸エチル,パラジメチルアミノ安息香酸ペンチ
ル,パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミ
ノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸エチル,パラメ
トキシ桂皮酸イソプロピル,パラメトキシ桂皮酸オクチ
ル,パラメトキシ桂皮酸2-エトキシエチル等のメトキシ
桂皮酸誘導体、サリチル酸オクチル,サリチル酸フェニ
ル,サリチル酸ホモメンチル,サリチル酸ジプロピレン
グリコール,サリチル酸エチレングリコール,サリチル
酸ミリスチル,サリチル酸メチル等のサリチル酸誘導
体、ウロカニン酸,ウロカニン酸エチル,4-ターシャル
ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン,2-(2'-ヒドロ
キシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール,アント
ラニル酸メチルといった紫外線吸収剤、ローダミンBス
テアレート(赤色215号),テトラクロロテトラブロ
モフルオレセイン(赤色218号),テトラブロモフル
オレセイン(赤色223号),スダンIII(赤色225
号),ジブロモフルオレセイン(だいだい色201
号),ジヨードフルオレセイン(だいだい色206
号),フルオレセイン(黄色201号),キノリンイエ
ローSS(黄色204号),キニザリングリーンSS
(緑色202号),アリズリンパープルSS(紫色20
1号),薬用スカーレット(赤色501号),オイルレ
ッドXO(赤色505号),オレンジSS(だいだい色
403号),イエローAB(黄色404号),イエロー
405号(黄色405号),スダンブルーB(青色40
3号)等の油溶性色素類などが挙げられ、これらより1
種又は2種以上を選択して用いる。チタンアルコキシド
に対する添加量としては、チタンアルコキシド1モルに
対して0.001モル〜4モル程度とするのが好まし
い。
ドから酸化チタンへの重縮合に際し、加水分解を制御す
る加水分解抑制剤を添加することもできる。加水分解抑
制剤を添加することにより、チタンアルコキシドの加水
分解の進行を制御し、選択的に薄片状や針状のゲル粒子
を得ることができる。
子供与性試薬より選択され、ジエチレングリコール,ト
リエチレングリコール,ポリエチレングリコール,ポリ
プロピレングリコール等のアルキレングリコール類、エ
チレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコ
ールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノブチ
ルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,テトラ
エチレングリコールモノメチルエーテル,テトラエチレ
ングリコールモノエチルエーテル,プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノエチ
ルエーテル等のアルキレングリコールのアルキルエーテ
ル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル,エチ
レングリコールモノベンジルエーテル等のアルキレング
リコールのアリールエーテル類、アセチルアセトン等の
β-ジケトン類、エチレンジアミン,トリエタノールア
ミン等のアミン類などが挙げられ、これらより1種又は
2種以上を選択して用いる。前記の中でも、特にアルキ
レングリコール類が好ましく使用できる。
シド1モルに対し1モル〜20モルの割合で添加するこ
とが好ましく、2モル〜10モルとするのがより好まし
い。加水分解抑制剤の添加量が1モル未満であると、チ
タンアルコキシドの加水分解の制御効果が十分に得られ
ず、また20モルを超えると、チタンアルコキシドの加
水分解が十分に進行しないので好ましくない。
は塩基、或いはこれらにより形成される塩を触媒として
添加することができる。かかる酸又は塩基としては、塩
酸,硫酸等の強酸、炭酸,ギ酸,酢酸,ミリスチン酸,
パルミチン酸,ステアリン酸等の弱酸、水酸化ナトリウ
ム,水酸化カリウム等の強塩基、ヒドロキシアンモニウ
ム,アセトアミジン,ヒドラジン等の弱塩基が用いられ
る。塩としては、弱酸と弱塩基,弱酸と強塩基及び強酸
と弱塩基の中和により得られる塩が好ましく用いられ、
特に好ましいものとして、炭酸ナトリウム,炭酸アンモ
ニウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸水素アンモニウム,
酢酸ナトリウム,酢酸アンモニウム,ステアリン酸ナト
リウムを挙げることができる。これら酸又は塩基或いは
塩の添加量としては、チタン1モルに対し10-4〜10
-2モルの範囲とするのが適切である。
り得られる皮膜組成物の製造方法としては、まずチタン
アルコキシドを油性溶媒の1種又は2種以上に溶解又は
分散し、この油性溶液又は分散液を撹拌しながら、分子
内に孤立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する
有機化合物の1種又は2種以上を油性溶媒に溶解又は分
散して添加した後、水を添加し、加水分解する。水の添
加量はチタンアルコキシド1モルに対し0.001モル
〜8モル程度とするのが適切である。分子内に孤立電子
対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物が
液状である場合には、チタンアルコキシドに直接かかる
有機化合物を添加してもよい。分子内に孤立電子対を有
する原子及び/又は極性基を有する有機化合物の種類や
チタンアルコキシドに対する添加量を調整することによ
り、生成される酸化チタンの形状を制御することができ
る。そして、得られた酸化チタンの油性分散体をそのま
ま又は濃縮し、或いはほぼ完全に分散媒を除去した後薄
膜化し、チタンアルコキシドに作用させた上記有機化合
物の1種又は2種以上が残存する程度に加熱処理するこ
とにより、強固な皮膜組成物が得られる。
を油性溶媒の1種又は2種以上に溶解又は分散して添加
することにより、選択的に薄片状や針状のゲルを得るこ
とができる。また触媒として酸又は塩基或いは塩を添加
する場合は、これらの油性溶液又は分散液は水と同時に
添加してもよいが、ある程度加水分解を進行させた後に
添加してもよく、添加時期によりゲル粒子の形状を制御
することが可能である。また、油性溶媒又は分子内に孤
立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化
合物として、加水分解抑制作用を有するものを用いても
よい。
〜120時間程度静置し、反応を継続させる。必要に応
じてチタンに対し5〜7倍モル量の酸もしくは塩を添加
して反応を停止し、過剰量の水を添加して未反応のチタ
ンアルコキシドが残留しないことを確認し、残留する場
合には過剰量の水により洗浄,除去する。反応を停止す
るのに添加する酸もしくは塩については特に限定されな
い。
して揮発性の油性溶媒又は有機化合物を用いた場合に
は、風乾,減圧蒸留等により濃縮し、さらに分散媒を除
去することができる。一方、揮発性に乏しい油性溶媒又
は有機化合物を用いた場合には、シクロヘキサン等の揮
発性の油性溶媒を添加して共沸させて濃縮,除去する。
本発明においては酸化チタンの油性分散体をそのまま薄
膜化してもよいが、前記のように濃縮又は分散媒除去を
行った後薄膜化してもよい。その後、チタンアルコキシ
ドに作用させた有機化合物の1種又は2種以上が残存す
る程度に加熱処理する。加熱処理は、80℃〜400℃
の温度で1〜10時間程度行うことが好ましい。
体,繊維等種々の支持体上に行うことができ、溶液塗布
法や浸漬法により、酸化チタンの油性分散体又はその濃
縮物、或いは分散媒除去物の薄膜を前記支持体上に形成
させる。また、水面に単分子膜を形成させ、水平付着法
等により支持体上に付着させたものや、ラングミュアー
・ブロジェット法により得られた累積膜も用いられる。
温度及び加熱時間等加熱処理の条件により、色調,透明
性等外観が変化する。また調製条件によっては、干渉光
を得ることができる。
する強固な皮膜により表面が被覆処理されて成る耐水性
及び耐光性を有する粉体及び樹脂組成物を提供する。粉
体や樹脂組成物の被覆処理は、上記したチタンアルコキ
シド又はその油性溶液もしくは分散液に、分子内に孤立
電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合
物の1種又は2種以上、或いはさらに加水分解抑制剤の
1種又は2種以上と、水を添加して加水分解して得られ
る酸化チタンの油性分散体又はその濃縮物、或いは前記
油性分散体より分散媒を除去して成る酸化チタンを含む
油性組成物により表面を被覆した後、前記有機化合物の
1種又は2種以上が残存する程度に加熱処理して行う。
粉体又は樹脂組成物表面の酸化チタンの油性分散体等に
よる被覆は、浸漬法による湿式処理やメカノケミカル法
による乾式処理の他、必要に応じ揮発性溶媒に分散して
スプレーコーティングする方法などにより行うことがで
きる。
処理粉体は安定性に優れ、低極性溶媒や油性基剤中にお
ける分散性が良好である。特に皮膚用組成物、塗料組成
物及び樹脂組成物に好ましく応用することができ、これ
ら組成物に良好な耐水性と紫外線防御効果を付与するこ
とができる。被覆した皮膜が干渉光を有する場合には、
美麗な外観を得ることができる。
剤,乳剤,ゲル剤,クリーム剤,軟膏,パスタ剤等の皮
膚外用剤、二層ないし三層状の化粧水,乳液,クリー
ム,ゲル,パック等の皮膚用化粧料、メイクアップベー
スローション,メイクアップベースクリーム等の下地化
粧料、乳液状,クリーム状,油性軟膏型,油性スティッ
ク状,粉末状等のファンデーション類,アイカラー類,
チークカラー類,アイライナー類,マスカラ類,ネイル
エナメルといったメイクアップ化粧料、リップクリー
ム,リップスティック等の口唇用化粧料、日焼け止めロ
ーション,日焼け止めクリーム,日焼け止め油等の日焼
け止め化粧料、ハンドクリーム,ボディローション等の
身体用化粧料などとして提供し得る。なお、皮膜組成物
による表面処理粉体の皮膚用組成物への配合量としては
特に限定されないが、0.01〜80.0重量%の範囲
とするのが適当である。
の皮膜組成物による表面被覆処理粉体より選んだ1種又
は2種以上の他、油脂類,ロウ類,炭化水素類,脂肪酸
類,シリコーン油類,高級アルコール類,エステル類,
低級アルコール類,多価アルコール類,保湿剤,細胞賦
活剤,抗炎症剤,美白剤,殺菌剤,界面活性剤,水溶性
高分子化合物,防菌防黴剤,色素類,香料等、一般的に
皮膚外用剤や化粧料に配合される原料を含有させること
ができる。また、体質顔料,着色顔料,真珠光沢顔料等
の粉体類を含有させることができる。特に紫外線防御を
目的とした日焼け止め組成物においては、従来より用い
られている微粒子酸化チタンや酸化亜鉛といった紫外線
散乱効果を有する粉体や、紫外線吸収剤を併用し得る。
による表面被覆処理粉体の1種又は2種以上を含有させ
て、塗料組成物として提供することができる。これら塗
料組成物においては、アマニ油や大豆油、脱水ヒマシ
油,ペンタエリスリトール,アルキッド樹脂,スチレン
化油,マレイン酸化油,ウレタン化油等の合成乾性油、
セラック,コーパル,ダンマル等の天然樹脂、石灰ロジ
ン,ロジンエステル等の加工樹脂、フェノール樹脂,尿
素樹脂,メラミン樹脂,フタル酸樹脂,ビニル樹脂等の
合成樹脂、ニトロセルロース,アセチルセルロース,ベ
ンジルセルロース等のセルロース誘導体、塩化ゴム,環
化ゴム,合成ゴム等のゴム誘導体などの塗膜形成成分を
使用し得る。また、乾燥剤,硬化剤,可塑剤,分散剤,
乳化剤等の塗膜形成補助成分を含有させることもでき
る。溶剤又は希釈剤としては、エタノール,ブタノール
等のアルコール類、石油スピリット,燈油,キシレン等
の炭化水素類、酢酸エチル,酢酸ブチル等のエステル
類、アセトン,エチルメチルケトン,シクロヘキサノン
等のケトン類、ジエチレングリコール,エチレングリコ
ールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノブチ
ルエーテル等のエーテル類、トリクロルエチレン,塩化
メチレン等の塩化化合物等を用いることができる。さら
に、オレンジ5,レッド24,レッド25,ブラック5
等の油溶性染料や、炭酸カルシウム,硫酸バリウム,酸
化亜鉛等の無機体質顔料、クロムイエロー,カドミウム
イエロー,ニッケルチタンイエロー,ベンガラ,カドミ
ウムレッド,モリブデンレッド,紺青,群青等の無機着
色顔料、ピグメントイエロー類,ピグメントオレンジ
類,ピグメントレッド類,ピグメントバイオレット類,
ピグメントブルー類,ピグメントグリーン類,ピグメン
トブラウン類,ピグメントブラック類等の有機顔料を含
有させることもできる。
オレフィン系樹脂,メタクリル系樹脂,ポリ塩化ビニル
系樹脂,ポリ塩化ビニリデン樹脂,ポリアミド樹脂,ポ
リエステル樹脂,ポリウレタン樹脂,ポリカーボネート
樹脂,ポリアセタール樹脂,ポリフェニレン樹脂,フッ
素樹脂,シリコーン樹脂等の合成樹脂に、上記皮膜組成
物による表面被覆処理粉体の1種又は2種以上を混練し
た後成形することにより、樹脂組成物とする。合成樹脂
と混練する際の皮膜組成物被覆処理粉体の重量比は、合
成樹脂100重量部に対し、1〜400重量部とするの
が適切である。
脂組成物は、ヘンシェルミキサーやタンブラー等で混合
した後、一軸或いは多軸の押出機,バンバリーミキサ
ー,ニーダー,ローラーなどの混練装置中にて溶融混練
して調製される。得られた樹脂組成物は、射出成形,押
出成形,ブロー成形,インフレーション成形,真空成形
等の方法により、各種成形体に成形する。また、フィル
ムや二軸延伸フィルム,シート,発砲ビーズなどに成形
した後、所望の成形体に成形してもよい。
被覆処理粉体を含有する樹脂組成物、及び皮膜組成物に
よる被覆処理樹脂組成物より選択した1種又は2種以上
により成形して、耐水性、紫外線吸収性等を有する容器
を得ることができる。また樹脂により成形された容器の
表面を、チタンアルコキシド又はその油性溶液もしくは
分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び/又は
極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上、或いは
さらに加水分解抑制剤の1種又は2種以上と、水を添加
して加水分解して得られる酸化チタンの油性分散体又は
濃縮物、或いは前記油性分散体より分散媒を除去して成
る酸化チタンを含む油性組成物により被覆した後、前記
有機化合物の1種又は2種以上が残存する程度に加熱処
理をしてもよい。
説明する。
酸を作用させた酸化チタンを含有する皮膜組成物 チタンテトラエトキシド2モルとイソステアリン酸1モ
ルとをドライボックス中で混合,溶解し、これに精製水
2モルを添加し、室温で24時間静置して反応させた
後、ステアリン酸1.4モルを添加して反応を停止し、
水を添加して洗浄した。得られた酸化チタン分散体を1
10℃で1時間加熱処理して濃縮し、ガラス板上に塗布
して塗膜を形成した後、さらに表1に示す温度にて1時
間加熱処理して、ガラス板上に皮膜組成物を得た。得ら
れた皮膜の外観について、表1に併せて示した。
せた酸化チタンを含有する皮膜組成物 チタンテトラエトキシドの1.5Mジメチルポリシロキ
サン溶液を調製し、その溶液1リットルを撹拌しなが
ら、イソステアリン酸0.75モルをジメチルポリシロ
キサンに溶解して添加し、次いで水0.75モル及びジ
エチレングリコール7.5モルをそれぞれ添加した。撹
拌を停止して室温で5日間静置した後、ステアリン酸
9.0モルを添加して反応を停止し、水を加えて洗浄
し、50℃にて減圧濃縮した。この濃縮物中にシリカビ
ーズを浸漬してビーズ上に薄膜を形成した後、130℃
で1.5時間加熱処理して、シリカビーズ上に皮膜組成
物を得た。
ノリノールを作用させた酸化チタンを含有する皮膜組成
物 チタンテトラエトキシドをイソパラフィンに溶解して
1.2Mの溶液とした。この溶液1リットルを撹拌しな
がら、イソステアリン酸0.6モル及び8-キノリノール
0.001モルをイソパラフィン溶液として添加し、次
いで0.6モルの水を添加した。撹拌を停止して室温で
24時間静置した後、ステアリン酸8.4モルを添加し
て反応を停止し、水を添加して洗浄し、温浴にて20時
間静置して、イソパラフィンを蒸散させて除去した。こ
れをガラス板上に塗布し、110℃で1時間加熱処理し
て、ガラス板上に皮膜組成物を得た。
について、積分球による紫外部吸収スペクトルの測定と
SPFアナライザーによるSPF値の測定を行った。以
上の結果を表2にまとめて示した。なお、イソステアリ
ン酸及び8-キノリノールの作用は、赤外吸収スペクトル
により確認した。
1〜実施例7については、260〜275nmにおいて
高い吸収極大が認められ、実施例7については、さらに
長波長側に8-キノリノールに起因する吸収が認められ
た。またSPFアナライザーによる測定では、ほぼ18
〜21の高いSPF値を示していた。
せた酸化チタンを含有する皮膜被覆処理カオリン チタンテトラエトキシド2モルとイソステアリン酸1モ
ルとをドライボックス中で混合,溶解し、これに精製水
2モルを添加し、室温で24時間静置して反応させた
後、ステアリン酸1.4モルを添加して反応を停止し、
水を添加して洗浄した。得られた酸化チタン分散体20
0g中にタルク100gを浸漬し、ときどき撹拌しなが
ら室温で24時間静置した。デカンテーションにより酸
化チタン分散体を表面に吸着したタルクを回収し、次い
でこれを200℃で1時間加熱して、イソステアリン酸
を作用させた酸化チタンを含有する皮膜により表面被覆
処理したカオリンを得た。
せた酸化チタンを含有する皮膜被覆処理セリサイト チタンテトラエトキシド2モルとイソステアリン酸1モ
ルとをドライボックス中で混合,溶解し、これに精製水
2モルを添加し、室温で24時間静置して反応させた
後、ステアリン酸1.4モルを添加して反応を停止し、
水を添加して洗浄した。得られた酸化チタン分散体20
0g中にセリサイト100gを浸漬し、減圧濃縮した。
デカンテーションにより酸化チタン分散体を表面に吸着
したセリサイトを回収し、次いでこれを250℃で1時
間加熱して、イソステアリン酸を作用させた酸化チタン
を含有する皮膜により表面被覆処理したセリサイトを得
た。
させた酸化チタンを含有する皮膜被覆処理マイカ チタンテトラエトキシド2モルとイソステアリン酸1モ
ルとをドライボックス中で混合,溶解し、これに精製水
2モルを添加し、室温で24時間静置して反応させた
後、ステアリン酸1.4モルを添加して反応を停止し、
水を添加して洗浄した。得られた酸化チタン分散体を1
00℃で1時間加熱して濃縮し、この濃縮物100gと
マイカ100gとをボールミル中で4時間混合処理し
た。次いで前記処理物を300℃で1.2時間加熱し
て、イソステアリン酸を作用させた酸化チタンを含有す
る皮膜により表面被覆処理したマイカを得た。
させた酸化チタンを含有する皮膜被覆処理タルク チタンテトラエトキシドの1.5Mイソパラフィン溶液
を調製し、その溶液1リットルを撹拌しながら、イソス
テアリン酸0.75モルをイソパラフィンに溶解して添
加し、次いで水0.75モル及びジエチレングリコール
7.5モルをそれぞれ添加した。撹拌を停止して室温で
5日間静置した後、ステアリン酸9.0モルを添加して
反応を停止し、水を加えて洗浄し、温浴にて20時間静
置して、イソパラフィンを蒸散させて除去した。このイ
ソステアリン酸を作用させた酸化チタン含有油性組成物
100gとタルク100gとをボールミル中で4時間混
合した後、混合処理物を180℃で2時間加熱処理し
て、イソステアリン酸を作用させた酸化チタンを含有す
る皮膜により被覆処理したタルクを得た。
被覆処理粉体の外観及び積分球による紫外部吸収スペク
トル測定結果を表3に示した。
8の被覆処理カオリンは透明感のある黄色を呈し、実施
例11の被覆処理タルクは黄色っぽい色調を示してい
た。実施例9の被覆処理セリサイト及び実施例10の被
覆処理マイカにおいては、褐色〜黒色の光沢のある外観
を示していた。また、実施例8〜実施例10においては
干渉光が認められた。さらに、これら粉体は266nm
〜281nmにおいて紫外部吸収極大を示した。
させた酸化チタンを含有する皮膜被覆処理ポリプロピレ
ン樹脂 チタンテトラエトキシド2モルとイソステアリン酸1モ
ルとをドライボックス中で混合,溶解し、これに精製水
2モルを添加し、室温で24時間静置して反応させた
後、ステアリン酸1.4モルを添加して反応を停止し、
水を添加して洗浄した。得られた酸化チタン分散体25
0g中に、平板状に成形したポリプロピレン樹脂100
gを浸漬し、次いで110℃で1時間加熱処理して、イ
ソステアリン酸を作用させた酸化チタンを含有する皮膜
により表面被覆処理したポリプロピレン樹脂を得た。
リプロピレン樹脂は、優れた耐光性を示した。
例の処方を示す。
(3)に溶解したアルコール部を加えて混合,均一化して
油層とする。(9)に(7),(8)を溶解したものを水層と
し、この水層部に油層部を室温下に加え、撹拌,混合し
た後、(10)を添加し分散する。
添加,分散して70℃とする。一方、(9)〜(11)を(12)
に添加して溶解し、70℃に加熱する。この水相に前記
油相を添加してホモミキサーにて均一に乳化する。続い
て冷却し、40℃にて(13)を(14)に溶解して添加,混合
する。
に(7)を添加,分散した後70℃とする。一方、(8)〜(1
0)を(11)に加えて溶解して加熱し、70℃とする。この
水相に前記油相を撹拌しながら添加し、ホモジナイザー
により乳化した後冷却し、40℃にて(12)を添加,混合
する。
(6)を分散した後70℃とする。一方、(7)〜(9)を混
合,溶解して加熱し、70℃とする。この水相を前記油
相に撹拌しながら添加し、ホモジナイザーにより乳化し
た後冷却し、40℃にて(10)を添加,混合する。
あらかじめ混合粉砕した(4)〜(8)を添加,分散して75
℃とする。一方、(9)〜(11)の水相成分を混合,溶解
し、75℃に加熱する。この水相成分を前記油相成分に
添加し、ホモミキサーにて均一に乳化した後冷却し、4
0℃にて(12)を添加,混合する。
れに(10),(11)を添加,混合し、次いで(12)〜(14)を十
分混合し粉砕した後、撹拌しながら添加し、コロイドミ
ルで磨砕分散する。(15)を加え、脱気後70℃で容器に
流し込み、冷却する。
添加して混合した後、(14)を噴霧し、均一に混合する。
これを粉砕機にて粉砕した後、中皿に圧縮成型する。
して顔料部とする。(15)を(6)の一部に溶解して染料部
とする。(1)〜(5),(6)の残部及び(7)〜(10)を混合し、
加熱溶解した後(11)を混合分散し、前記顔料部及び染料
部を加えてホモミキサーで均一に分散し、(16)を添加し
て型に流し込み、冷却固化する。
散,ゲル化する。一方、(1)〜(4),(8)を混合し、加熱
溶解したものに、(9),(10)を加えた後冷却してロール
ミルで練り、再加熱して溶解し、前記ベントナイトゲル
と(6)を(5)の残部に分散して加え、撹拌しながら冷却す
る。
加えた後、(6)を分散してロールミルで練る。次いで(9)
を加えて混合した後冷却する。
添加,分散する。
いて、使用試験を行った。その際、各実施例において、
本発明の実施例8〜実施例11に係る皮膜組成物被覆処
理粉体を表4に示すように代替して比較例1〜比較例1
1を調製し、同時に試験を行った。使用試験は、20才
代〜50才代の女性パネラー20名を1群として用い、
各群に実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて2
週間使用させて行った。使用試験終了後、化粧料の付
き、伸び、密着感、仕上がり感及び化粧持ちについて官
能評価させた。実施例16〜実施例19及び比較例4〜
比較例7については、紫外線防御効果についても評価さ
せた。これらの評価結果は表5に示す評価基準に従って
点数化させて20名の平均値を算出し、表6及び表7に
示した。
使用群では、各評価項目について、いずれにおいてもお
おむね良好な評価を得ていた。特に、実施例13〜実施
例16使用群では、それぞれ対応する比較例1〜比較例
4使用群に比べ、密着感,仕上がり感及び化粧持ちにつ
いての評価が高くなっており、実施例17及び実施例1
8使用群では、比較例5及び比較例6使用群に比べて、
密着感,仕上がり感及び化粧持ちに加え、伸びについて
も評価が高くなっていた。実施例19〜実施例23使用
群では、それぞれ対応する比較例7〜比較例11使用群
に比べて、全項目において有意に高い評価を得ていた。
施例16については、比較例4と比べ遜色ない紫外線防
御効果が認められていた。また、実施例17〜実施例1
9についても、かなり高い評価が認められていた。一
方、比較例5〜比較例7においては、明確な紫外線防御
効果は認められていなかった。
3については、皮膚等への付き及び伸びが良好で密着感
があり、自然な仕上がりが得られ、化粧持ちも良好であ
った。さらに、有機系紫外線吸収剤や微粒子酸化チタン
等の無機紫外線遮断剤を含有していなくても、かなり高
い紫外線防御効果を有しており、紫外線による皮膚への
悪影響の防御に有効であることが示された。また紫外線
吸収剤や微粒子酸化チタンと併用することにより、紫外
線防御効果が相乗的に向上することが示された。
いては、室温で6カ月間保存した場合に、状態の変化は
全く認められなかった。また上記使用試験において、皮
膚刺激性反応や皮膚感作性反応の見られたパネラーは存
在しなかった。
実施例を示す。
散する。
0「塗料一般試験方法」に従い耐光性を評価した。すな
わち、150×70×0.8mmの銅板の片面に実施例
24に係る塗料を塗装し、乾燥して試験片とした。この
試験片に対し、紫外線カーボンアーク灯式耐光試験機に
て100時間照射を行った後、光電色彩計にて測色し
た。その結果、100時間の紫外線照射を行っても退色
は全く観察されなかった。
の実施例を示す。
WERNER & PFLEIDERER社製)を用い
て溶融混練する。
化チタン含有皮膜組成物被覆処理カオリン(実施例8)
25重量%を酢酸エチル分散液としてスプレー射出して
被覆処理した。
成形により容器を得た。
に用いたイソステアリン酸を作用させた酸化チタン含有
油性組成物30重量%の酢酸ブチル分散液をスプレー射
出し、被覆処理を行った後、120℃にて1.2時間加
熱処理して得た。
いて、JIS B7551に規定される紫外線カーボン
アーク灯式耐光試験機にて100時間照射を行った後、
各容器の引っ張り強度,曲げ強度及び耐薬品性を測定
し、紫外線照射前の値と比較した。各実施例において、
前記測定値の有意な低下は認められなかった。
広い分野で応用可能で、耐水性及び紫外線吸収性に優れ
た強固な親油性の皮膜組成物及びこれにより表面を被覆
処理した粉体並びに樹脂組成物を得ることができ、特に
これらを応用して、密着性,耐水性及び紫外線吸収性に
優れる皮膚用組成物、並びに耐光性を有する塗料,樹脂
組成物及び容器を得ることができた。
Claims (11)
- 【請求項1】 チタンアルコキシド又はその油性溶液も
しくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び
/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上、
或いはさらに加水分解抑制剤の1種又は2種以上と、水
を添加して加水分解して得られる酸化チタンの油性分散
体又はその濃縮物、或いは前記油性分散体より分散媒を
除去して成る酸化チタンを含む油性組成物を薄膜化し、
前記有機化合物の1種又は2種以上が残存する程度に加
熱処理して成る皮膜組成物。 - 【請求項2】 チタンアルコキシド又はその油性溶液も
しくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び
/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上、
或いはさらに加水分解抑制剤の1種又は2種以上と水を
添加し、加水分解して得た酸化チタンの油性分散体をそ
のまま、又はそれを濃縮し、或いは前記油性分散体より
分散媒を除去した後薄膜化し、前記有機化合物の1種又
は2種以上が残存する程度に加熱処理することを特徴と
する、皮膜組成物の製造方法。 - 【請求項3】 チタンアルコキシド又はその油性溶液も
しくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び
/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上、
或いはさらに加水分解抑制剤の1種又は2種以上と、水
を添加して加水分解して得られる酸化チタンの油性分散
体、又は前記油性分散体より分散媒を除去して成る酸化
チタンを含む油性組成物により表面を被覆した後、前記
有機化合物の1種又は2種以上が残存する程度に加熱処
理して成る、表面被覆処理粉体。 - 【請求項4】 チタンアルコキシド又はその油性溶液も
しくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び
/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上、
或いはさらに加水分解抑制剤の1種又は2種以上と、水
を添加して加水分解して得られる酸化チタンの油性分散
体又はその濃縮物、或いは前記油性分散体より分散媒を
除去して成る酸化チタンを含む油性組成物により表面を
被覆した後、前記有機化合物の1種又は2種以上が残存
する程度に加熱処理することを特徴とする、表面被覆処
理粉体の製造方法。 - 【請求項5】 請求項3に記載の表面被覆処理粉体の1
種又は2種以上を含有して成る、皮膚用組成物。 - 【請求項6】 請求項3に記載の表面被覆処理粉体の1
種又は2種以上を含有して成る、塗料組成物。 - 【請求項7】 請求項3に記載の表面被覆処理粉体の1
種又は2種以上を含有して成る、樹脂組成物。 - 【請求項8】 チタンアルコキシド又はその油性溶液も
しくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び
/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上、
或いはさらに加水分解抑制剤の1種又は2種以上と、水
を添加して加水分解して得られる酸化チタンの油性分散
体又はその濃縮物、或いは前記油性分散体より分散媒を
除去して成る酸化チタンを含む油性組成物により表面を
被覆した後、前記有機化合物の1種又は2種以上が残存
する程度に加熱処理して成る、樹脂組成物。 - 【請求項9】 チタンアルコキシド又はその油性溶液も
しくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び
/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上、
或いはさらに加水分解抑制剤の1種又は2種以上と、水
を添加して加水分解して得られる酸化チタンの油性分散
体又はその濃縮物、或いは前記油性分散体より分散媒を
除去して成る酸化チタンを含む油性組成物により表面を
被覆した後、前記有機化合物の1種又は2種以上が残存
する程度に加熱処理することを特徴とする、樹脂組成物
の製造方法。 - 【請求項10】 請求項7及び請求項8に記載の樹脂組
成物より選択した1種又は2種以上により成形して成る
ことを特徴とする、容器。 - 【請求項11】 チタンアルコキシド又はその油性溶液
もしくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及
び/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以
上、或いはさらに加水分解抑制剤の1種又は2種以上
と、水を添加して加水分解して得られる酸化チタンの油
性分散体又はその濃縮物、或いは前記油性分散体より分
散媒を除去して成る酸化チタンを含む油性組成物により
表面を被覆した後、前記有機化合物の1種又は2種以上
が残存する程度に加熱処理して成る容器。
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JP29237499A JP3530086B2 (ja) | 1999-10-14 | 1999-10-14 | 酸化チタンを含有する皮膜組成物とその製造方法、及びこれにより表面処理した粉体及び樹脂組成物、並びに前記粉体もしくは樹脂組成物を含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器 |
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JP29237499A Expired - Fee Related JP3530086B2 (ja) | 1999-10-14 | 1999-10-14 | 酸化チタンを含有する皮膜組成物とその製造方法、及びこれにより表面処理した粉体及び樹脂組成物、並びに前記粉体もしくは樹脂組成物を含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器 |
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Cited By (1)
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WO2011007668A1 (ja) | 2009-07-13 | 2011-01-20 | テイカ株式会社 | 油性分散体およびこの油性分散体を配合した化粧料 |
-
1999
- 1999-10-14 JP JP29237499A patent/JP3530086B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2011007668A1 (ja) | 2009-07-13 | 2011-01-20 | テイカ株式会社 | 油性分散体およびこの油性分散体を配合した化粧料 |
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