JP2001114759A - メルカプトピロリジン誘導体 - Google Patents

メルカプトピロリジン誘導体

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JP2001114759A
JP2001114759A JP2000242254A JP2000242254A JP2001114759A JP 2001114759 A JP2001114759 A JP 2001114759A JP 2000242254 A JP2000242254 A JP 2000242254A JP 2000242254 A JP2000242254 A JP 2000242254A JP 2001114759 A JP2001114759 A JP 2001114759A
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group
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JP2000242254A
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English (en)
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Isao Kawamoto
勲 川本
Yasuo Shimoji
康雄 下地
Osamu Sugano
修 菅野
Katsuhiko Kojima
克彦 小島
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カルバペネム系抗菌剤の2位側鎖部分の製造中
間体として有用なメルカプトピロリジン化合物を提供す
る。 【解決手段】一般式 【化1】 (式中、nは0,1または2を示し、Aは水酸基で置換
されていてもよい炭素数1乃至8個のアルキレン基を示
し、R1はアシル基を示し、R2は炭素数1乃至4個のア
ルキル基を示し、R3は水素原子または炭素数1乃至4
個のアルキル基を示し、R4及びR5は同一又は異なって
水素原子またはイミノ基若しくはアミノ基の保護基を示
す。)で表わされるメルカプトピロリジン化合物または
その塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた抗菌活性を有
するカルバペネム系抗菌剤の2位側鎖を構築するための
有用な原料であるメルカプトピロリジン化合物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開平10−204086号公報におい
て、優れた抗菌活性を有するカルバペネム化合物および
その2位側鎖の原料となる4−(4−メトキシベンジル
チオ)ピロリジン誘導体が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、メルカプト基
の保護基である4−メトキシベンジル基は、必ずしも温
和な条件下で効率よく除去できるわけではなく、カルバ
ペネム系抗菌剤の製造において好ましい中間体とはいえ
ない。
【0004】本発明者等は、メルカプト基の保護基とし
てアシル基を有するピロリジン化合物がカルバペネム系
抗菌剤の製造中間体として極めて有用であることを見出
し本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の化合物及
びその塩である。 (1) 一般式
【0006】
【化2】 (式中、nは0,1または2を示し、Aは水酸基で置換
されていてもよい炭素数1乃至8個のアルキレン基を示
し、R1はアシル基を示し、R2は炭素数1乃至4個のア
ルキル基を示し、R3は水素原子または炭素数1乃至4
個のアルキル基を示し、R4及びR5は同一又は異なって
水素原子またはイミノ基若しくはアミノ基の保護基を示
す。)で表わされるメルカプトピロリジン化合物または
その塩。 (2) (1)において、nが0または1である化合物
またはその塩。 (3) (1)において、nが1である化合物またはそ
の塩。 (4) (1)乃至(3)のいずれかにおいて、Aが炭
素数1乃至3個のアルキレン基である化合物またはその
塩。 (5) (1)乃至(3)のいずれかにおいて、Aがメ
チレン、エチレンまたは1,1−エチレン基である化合
物またはその塩。 (6) (1)乃至(3)のいずれかにおいて、Aがメ
チレン基である化合物またはその塩。 (7) (1)乃至(6)のいずれかにおいて、R1
炭素数2乃至4個のアルカノイル基または置換されてい
てもよいベンゾイル基(該置換基はメチル又は塩素原子
である)である化合物またはその塩。 (8) (1)乃至(6)のいずれかにおいて、R1
アセチルまたはベンゾイル基である化合物またはその
塩。 (9) (1)乃至(6)のいずれかにおいて、R1
アセチル基である化合物またはその塩。 (10) (1)乃至(9)のいずれかにおいて、R2
がメチル基である化合物またはその塩。 (11) (1)乃至(10)のいずれかにおいて、R
3が水素原子またはメチル基である化合物またはその
塩。 (12) (1)乃至(10)のいずれかにおいて、R
3が水素原子である化合物またはその塩。 (13) (1)乃至(12)のいずれかにおいて、R
4が水素原子又はイミノ基の保護基である化合物または
その塩。 (14) (1)乃至(12)のいずれかにおいて、R
4が水素原子、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、t
-ブトキシカルボニルまたはアリルオキシカルボニル基
である化合物またはその塩。 (15) (1)乃至(12)のいずれかにおいて、R
4が水素原子または4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル基である化合物またはその塩。 (16) (1)乃至(15)のいずれかにおいて、R
5がアミノ基の保護基である化合物またはその塩。 (17) (1)乃至(15)のいずれかにおいて、R
5が4−ニトロベンジルオキシカルボニル、t-ブトキシ
カルボニルまたはアリルオキシカルボニル基である化合
物またはその塩。 (18) (1)乃至(15)のいずれかにおいて、R
5が4−ニトロベンジルオキシカルボニル基である化合
物またはその塩。上記の一般式(1)で表わされる化合
物において、nは好適には0または1であり、最も好適
には1である。
【0007】Aの「水酸基で置換されていてもよい炭素
数1乃至8個のアルキレン基」における「炭素数1乃至
8個のアルキレン基」は、炭素数1乃至8個の直鎖又は
分枝状のアルキレン基であり、例えばメチレン、エチレ
ン、1,1−エチレン[−CH(CH3)−]、トリメ
チレン、1,1−トリメチレン、1,2−トリメチレ
ン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン
基等を挙げることができる。
【0008】上記の「炭素数1乃至8個のアルキレン
基」は、水酸基で置換されていてもよく、例えば2−ヒ
ドロキシトリメチレン、2−ヒドロキシテトラメチレ
ン、3−ヒドロキシテトラメチレン基等を挙げることが
できる。
【0009】Aの「水酸基で置換されていてもよい炭素
数1乃至8個のアルキレン基」全体として、好適には炭
素数1乃至3個の直鎖又は分枝状のアルキレン基であ
り、更に好適にはメチレン、エチレン、1,1−エチレ
ンまたはトリメチレン基であり、更に好適にはメチレ
ン、エチレン、1,1−エチレン基であり、最も好適に
はメチレン基である。
【0010】R1の「アシル基」としては、例えばアセ
チル、プロピオニル、ブチリル基のような炭素数2乃至
4個のアルカノイル基またはベンゾイル、トルオイル、
クロロベンゾイル、ナフトイル基のような置換されてい
てもよい炭素数6乃至10個のアリール−カルボニル基
(該置換基はメチル、エチル、プロピルのような炭素数
1乃至3個のアルキル基またはフッ素、塩素、臭素のよ
うなハロゲン原子である)を挙げることができ、好適に
は炭素数2乃至4個のアルカノイル基または置換されて
いてもよいベンゾイル基(該置換基はメチル又は塩素原
子である)であり、更に好適にはアセチル、プロピオニ
ルまたはベンゾイル基であり、より更に好適にはアセチ
ルまたはベンゾイル基であり、最も好適にはアセチル基
である。
【0011】R2の「炭素数1乃至4個のアルキル基」
としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びt-ブチル基
を挙げることができ、好適にはメチル又はエチル基であ
り、最も好適にはメチル基である。
【0012】R3の「炭素数1乃至4個のアルキル基」
は、R2におけるのと同意義である。
【0013】R3全体としては、好適には水素原子又は
メチル基であり、最も好適には水素原子である。
【0014】R4及びR5の「イミノ基若しくはアミノ基
の保護基」としては、例えばベンジルオキシカルボニ
ル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−メトキ
シベンジルオキシカルボニル、4−クロロベンジルオキ
シカルボニル、トリメチルベンジルオキシカルボニルの
ような置換されていてもよい炭素数6乃至10個のアリ
ール−メチルオキシカルボニル基(該置換基はニトロ
基、メチル、エチル、プロピルのような炭素数1乃至3
個のアルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシのよ
うな炭素数1乃至3個のアルコキシ基、フッ素、塩素の
ようなハロゲン原子である);メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、2,2,2
−トリクロロエトキシカルボニルのような置換されてい
てもよい炭素数1乃至4個のアルキル−オキシカルボニ
ル基(該置換基はフッ素、塩素のようなハロゲン原子で
ある);アリルオキシカルボニル、2−クロロアリルオ
キシカルボニル、ビニルオキシカルボニルのような置換
されていてもよい炭素数2乃至4個のアルケニル−オキ
シカルボニル基(該置換基はフッ素、塩素のようなハロ
ゲン原子である)を挙げることができ、好適には4−ニ
トロベンジルオキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル
またはアリルオキシカルボニル基であり、最も好適には
4−ニトロベンジルオキシカルボニル基である。
【0015】R4全体としては、好適には水素原子又は
イミノ基の保護基であり、更に好適には水素原子、4−
ニトロベンジルオキシカルボニル、t-ブトキシカルボニ
ルまたはアリルオキシカルボニル基であり、より更に好
適には水素原子または4−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル基である。
【0016】R5全体としては、好適にはアミノ基の保
護基であり、更に好適には4−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル、t-ブトキシカルボニルまたはアリルオキシカ
ルボニル基であり、最も好適には4−ニトロベンジルオ
キシカルボニル基である。
【0017】本発明の一般式(1)を有する化合物また
はその塩において、n、A、R1、R2、R3、R4及びR
5について好適なものを適宜組み合わせて得られる化合
物またはその塩は更に好適であり、例えば下記の(1
9)乃至(22)の化合物またはその塩を挙げることが
できる。 (19) (1)において、nが0または1であり、A
が炭素数1乃至3個のアルキレン基であり、R1が炭素
数2乃至4個のアルカノイル基または置換されていても
よいベンゾイル基(該置換基はメチル又は塩素原子であ
る)であり、R2が炭素数1乃至4個のアルキル基であ
り、R3が水素原子又は炭素数1乃至4個のアルキル基
であり、R4が水素原子又はイミノ基の保護基であり、
5がアミノ基の保護基である化合物またはその塩。 (20) (1)において、nが0または1であり、A
がメチレン、エチレンまたは1,1−エチレン基であ
り、R1がアセチル、プロピオニルまたはベンゾイル基
であり、R2がメチル基であり、R3が水素原子又はメチ
ル基であり、R4が水素原子、4−ニトロベンジルオキ
シカルボニル、t-ブトキシカルボニルまたはアリルオキ
シカルボニル基であり、R5が4−ニトロベンジルオキ
シカルボニル、t-ブトキシカルボニルまたはアリルオキ
シカルボニル基である化合物またはその塩。 (21) (1)において、nが0または1であり、A
がメチレン、エチレンまたは1,1−エチレン基であ
り、R1がアセチルまたはベンゾイル基であり、R2がメ
チル基であり、R3が水素原子またはメチル基であり、
4が水素原子または4−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル基であり、R5が4−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル基である化合物またはその塩。 (22) (1)において、nが1であり、Aがメチレ
ン基であり、R1がアセチル基であり、R2がメチル基で
あり、R3が水素原子であり、R4が水素原子または4−
ニトロベンジルオキシカルボニル基であり、R5が4−
ニトロベンジルオキシカルボニル基である化合物または
その塩。
【0018】本発明の一般式(1)で表わされるメルカ
プトピロリジン化合物には、2位及び4位の不斉炭素に
基づく立体異性体が存在するが、それらの異性体は通常
用いられている立体選択的合成方法、不斉合成法、光学
分割法等により製造または分離することが可能であり、
本発明はそれらの立体異性体及びそれらの任意の割合の
混合物を包含する。カルバペネム系抗菌剤の製造中間体
として好適なものは、2位及び4位の配置が(2S,4
S)の組み合わせの化合物である。
【0019】本発明の一般式(1)で表わされるメルカ
プトピロリジン化合物は塩基性の窒素原子を有するの
で、酸性化合物と結合して塩を形成することができる。
そのような塩としては、塩酸、硫酸、硝酸のような無機
酸類との塩;炭酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ
酸、フタル酸のような有機カルボン酸類との塩;メタン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、トルエンスルホン酸のような有機スルホン
酸類との塩等を挙げることができ、好適には塩酸塩また
は硫酸塩である。
【0020】また、本発明の化合物(1)は、大気中に
放置しておくことにより、水分を吸収し、吸着水が付い
たり、水和物となる場合があり、そのような塩も本発明
に包含される。更に、本発明の化合物(1)は、他のあ
る種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合があるが、そ
のような塩も本発明に包含される。
【0021】本発明の一般式(1)で表わされるメルカ
プトピロリジン誘導体として、好適な化合物を具体的に
例示する。なお、本発明の化合物(1)はこれらの化合
物に限定されない。 1. (2S,4S)−4−アセチルチオ−2−[(3
S)−3−[2−[2,3−ビス(4−ニトロベンジル
オキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロ
リジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン 2. (2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−[(3S)−3−[2−[3−(4−ニトロベン
ジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]
ピロリジン−1−イルカルボニル]ピロリジン 3. (2S,4S)−4−ベンゾイルチオ−2−
[(3S)−3−[2−[2,3−ビス(4−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミ
ノ]ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピ
ロリジン 4. (2S,4S)−4−ベンゾイルチオ−1−メチ
ル−2−[(3S)−3−[2−[3−(4−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミ
ノ]ピロリジン−1−イルカルボニル]ピロリジン 5. (2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−[(3S)−3−[2−[1−メチル−2,3−
ビス(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)グアニジ
ノ]アセチルアミノ]ピロリジン−1−イルカルボニ
ル]ピロリジン 6. (2S,4S)−4−アセチルチオ−2−[(3
S)−3−[(2R)−2−[2,3−ビス(4−ニト
ロベンジルオキシカルボニル)グアニジノ]プロピオニ
ルアミノ]ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メ
チルピロリジン 7. (2S,4S)−4−アセチルチオ−2−[(3
S)−3−[(2S)−2−[2,3−ビス(4−ニト
ロベンジルオキシカルボニル)グアニジノ]プロピオニ
ルアミノ]ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メ
チルピロリジン 8. (2S,4S)−4−アセチルチオ−2−[(3
R)−3−[2−[2,3−ビス(4−ニトロベンジル
オキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロ
リジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン 9. (2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−[(3R)−3−[2−[3−(4−ニトロベン
ジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]
ピロリジン−1−イルカルボニル]ピロリジン 10. (2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチ
ル−2−[(3S)−3−[3−[3−(4−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル)グアニジノ]プロピオニルア
ミノ]ピロリジン−1−イルカルボニル]ピロリジン 11. (2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチ
ル−2−[3−[2−[2,3−ビス(4−ニトロベン
ジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]
アゼチジン−1−イルカルボニル]ピロリジン 12. (2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチ
ル−2−[3−[2−[2,3−ビス(4−ニトロベン
ジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]
ピペリジン−1−イルカルボニル]ピロリジン
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(1)で表わされ
る化合物は、以下に示すA法またはB法によって製造す
ることができる。
【0023】[A法]A法は、一般式(2)で表わされ
るカルボン酸化合物と一般式(3)で表わされるアミノ
化合物を反応させて目的化合物(1)を製造する方法で
ある。
【0024】
【化3】 上記式中、n、A、R1、R2、R3、R4及びR5は前述
と同意義である。
【0025】第A1工程は、化合物(2)に溶媒中、塩
基の存在下、酸ハライドを反応させ、次いで化合物
(3)を反応させることにより達成される。
【0026】化合物(2)は、文献公知の方法(特開平
8−048667号公報)に準じて容易に製造すること
ができる。化合物(3)は、後述するC法によって製造
することができる。
【0027】使用される酸ハライドとしては、例えばク
ロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソプロピル、クロロ炭酸
イソブチルのようなハロゲン化炭酸アルキル;ピバロイ
ルクロリドのようなα炭素に分枝を有するアルカノイル
ハライドを挙げることができるが、好適にはピバロイル
クロリドである。
【0028】酸ハライドの使用量は、化合物(2)に対
して通常0.8乃至2モル当量であり、好適には0.9
乃至1.2当量である。
【0029】使用される塩基としては、化合物の他の部
分に影響を与えないものであれば特に制限はないが、例
えばジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンの
ようなトリアルキルアミン類;N−メチルピペリジン、
N−メチルモルホリンのような飽和環状アミン類;ピリ
ジン、4−ジメチルアミノピリジンのような芳香族アミ
ン類;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウムのようなアルカリ金属炭酸塩;水酸化カリウム、水
酸化ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物を挙げる
ことができ、好適にはトリアルキルアミン類(特にジイ
ソプロピルエチルアミン)である。
【0030】塩基の使用量は、化合物(2)に対して通
常0.8乃至2モル当量であり、好適には0.9乃至
1.2当量である。
【0031】使用される溶媒としては、反応を阻害せず
出発原料をある程度溶解するものであれば特に制限はな
く、例えばアセトニトリルのようなニトリル類;酢酸エ
チルのようなエステル類;アセトン、メチルエチルケト
ンのようなケトン類;ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;エー
テル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテ
ル類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのような
アミド類およびそれらの混合溶媒を挙げることができる
が、好適にはニトリル類(特にアセトニトリル)、エス
テル類(特に酢酸エチル)、エーテル類(特にテトラヒ
ドロフラン)またはハロゲン化炭化水素類(特にジクロ
ロメタン)であり、特に好適にはアセトニトリルであ
る。
【0032】化合物(2)に酸ハライドを反応させると
きの反応温度は、通常−40℃乃至室温であり、好適に
は−20℃乃至10℃である。反応時間は、原料、溶
媒、反応温度等によって異なるが、通常5分乃至24時
間であり、好適には30分乃至6時間である。
【0033】次いで、化合物(3)を反応させるときの
反応温度は、副反応をおさえるため比較的低温で行なう
のが好ましく、通常−40℃乃至40℃であり、好適に
は−20℃乃至0℃である。反応時間は、原料、溶媒、
反応温度等によって異なるが、通常15分乃至75時間
であり、好適には1時間乃至24時間である。
【0034】また、第A1工程は、化合物(2)に溶媒
中、N,N’−カルボニルジイミダゾールを反応させ、
次いで化合物(3)を反応させることによっても達成さ
れる。
【0035】N,N’−カルボニルジイミダゾールの使
用量は、化合物(2)に対して通常0.8乃至2モル当
量であり、好適には0.9乃至1.2当量である。
【0036】使用される溶媒は、酸ハライドを用いた反
応におけるのと同様の溶媒を使用することができ、好適
にはアセトニトリルである。
【0037】化合物(2)にN,N’−カルボニルジイ
ミダゾールを反応させ、次いで、化合物(3)を反応さ
せるときの反応温度は、副反応をおさえるため比較的低
温で行なうのが好ましく、通常−40℃乃至40℃であ
り、好適には−20℃乃至0℃である。反応時間は、原
料、溶媒、反応温度等によって異なるが、通常15分乃
至75時間であり、好適には1時間乃至24時間であ
る。
【0038】更に、第A1工程は、化合物(2)に溶媒
中、縮合剤の存在下に化合物(3)を反応させることに
よっても達成される。
【0039】縮合剤としては、1,3−ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩のようなカルボジ
イミド類;ジエチルホスホリルシアニド、ジフェニルホ
スホリルアジド、シアノ燐酸ジエチルのような燐酸エス
テル類等を挙げることができ、カルボジイミド類を用い
る場合、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを併用して
もよい。これらの縮合剤のうち好適には、1,3−ジシ
クロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−
ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩または
ジエチルホスホリルシアニドである。
【0040】縮合剤の使用量は、化合物(2)に対して
通常0.8乃至2モル当量であり、好適には0.9乃至
1.2当量である。
【0041】使用される溶媒は、酸ハライドを用いた反
応におけるのと同様の溶媒を使用することができ、好適
にはアセトニトリルである。
【0042】反応温度は、副反応をおさえるため比較的
低温で行なうのが好ましく、通常−40℃乃至40℃で
あり、好適には−20℃乃至0℃である。反応時間は、
原料、溶媒、反応温度等によって異なるが、通常15分
乃至75時間であり、好適には1時間乃至24時間であ
る。
【0043】反応終了後、本反応の目的化合物は常法に
従って反応混合物から採取することができる。例えば、
反応混合液から溶媒を留去して得られる残渣に水と混和
しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することに
よって得られる。得られた化合物は必要ならば常法、例
えば再結晶、再沈殿またはクロマトグラフィーなどによ
って更に精製することができる。
【0044】[B法]B法は、窒素原子が保護された4
−ヒドロキシプロリン(4)にアミノ化合物(3)を反
応させ、スルホニル化剤を反応させて水酸基をスルホニ
ル化し、アシルチオ化剤を反応させてアシルチオ基を導
入し、次いで窒素原子上の保護基を除去し、最後にアル
キル化剤と反応させることによって化合物(1)を製造
する方法である。
【0045】
【化4】 上記式中、n、A、R1、R2、R3、R4及びR5は前述
と同意義である。R6は、アミノ基の保護基を示し、前
記のR4またはR5における保護基のほか、ベンジル、ベ
ンツヒドリル、トリチルのような1乃至3個のフェニル
基で置換されたメチル基を挙げることができる。R7
メチル、エチル、プロピル、トリフルオロメチルのよう
なフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1乃至4個
のアルキル基またはフェニル、ナフチル、トリルのよう
な炭素数1乃至3個のアルキルで置換されていてもよい
炭素数6乃至10個のアリール基を示す。X1はハロゲ
ン原子のような脱離基を示す。
【0046】第B1工程は、カルボン酸化合物(4)と
アミノ化合物(3)を反応させて化合物(5)を製造す
る工程である。本工程は、前述の第A1工程と同様にし
て達成することができる。
【0047】第B2工程は、化合物(5)の水酸基をス
ルホニル化して化合物(6)を製造する工程である。本
工程は化合物(5)に溶媒中、塩基の存在下にスルホニ
ル化剤を反応させることによって達成される。
【0048】スルホニル化剤としては、式R7SO21
(式中、R7及びX1は前述の通りである)で表わされる
化合物(6)または相当するスルホン酸無水物を使用す
ることができ、例えばメタンスルホニルクロリド、エタ
ンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホン酸
無水物、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンス
ルホニルクロリドを挙げることができ、好適にはp−ト
ルエンスルホニルクロリドである。
【0049】スルホニル化剤の使用量は、化合物(5)
に対して通常0.8乃至2モル当量であり、好適には
0.9乃至1.2当量である。
【0050】使用される塩基としては、化合物の他の部
分に影響を与えないものであれば特に制限はないが、例
えばジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンの
ようなトリアルキルアミン類;N−メチルピペリジン、
N−メチルモルホリンのような飽和環状アミン類;ピリ
ジン、4−ジメチルアミノピリジンのような芳香族アミ
ン類;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウムのようなアルカリ金属炭酸塩;水酸化カリウム、水
酸化ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物を挙げる
ことができ、好適にはトリアルキルアミン類(特にジイ
ソプロピルエチルアミン)である。
【0051】塩基の使用量は、化合物(5)に対して通
常0.8乃至2モル当量であり、好適には0.9乃至
1.2当量である。
【0052】使用される溶媒としては、反応を阻害せず
出発原料をある程度溶解するものであれば特に制限はな
く、例えばアセトニトリルのようなニトリル類;酢酸エ
チルのようなエステル類;アセトン、メチルエチルケト
ンのようなケトン類;ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;エー
テル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテ
ル類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのような
アミド類およびそれらの混合溶媒を挙げることができる
が、好適にはニトリル類(特にアセトニトリル)、エス
テル類(特に酢酸エチル)、エーテル類(特にテトラヒ
ドロフラン)またはハロゲン化炭化水素類(特にジクロ
ロメタン)であり、特に好適にはアセトニトリルであ
る。
【0053】反応温度は、通常−20乃至40℃であ
り、好適には−10℃乃至20℃である。反応時間は、
原料、溶媒、反応温度等によって異なるが、通常15分
乃至75時間であり、好適には1乃至24時間である。
【0054】反応終了後、本反応の目的化合物は常法に
従って反応混合物から採取することができる。例えば、
反応混合液から溶媒を留去して得られる残渣に水と混和
しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することに
よって得られる。得られた化合物は必要ならば常法、例
えば再結晶、再沈殿またはクロマトグラフィーなどによ
って更に精製することができる。
【0055】また、化合物(4)に溶媒中、第B2工程
で使用される塩基及びスルホニル化試薬を2乃至4当量
加え、次いで化合物(3)を反応させることによっても
化合物(7)を製造することができる。
【0056】第B3工程は、化合物(7)にアシルチオ
基を導入して化合物(9)を製造する工程である。本工
程は化合物(7)に溶媒中、塩基の存在下または非存在
下にアシルメルカプタン(8)またはその金属塩を反応
させることによって達成される。
【0057】アシルメルカプタン(8)は、式R1SH
(式中、R1は前述の通り所望のアシル基を示す)で表
わされる化合物であり、好適にはチオ酢酸、チオプロピ
オン酸、チオ安息香酸である。
【0058】その金属塩としては、例えばリチウム、ナ
トリウム、カリウム、セシウムのようなアルカリ金属
塩;マグネシウム、カルシウムのようなアルカリ土類金
属塩;銅、銀、亜鉛のような遷移金属塩を挙げることが
でき、好適にはアルカリ金属塩であり、更に好適にはナ
トリウム、カリウム又はセシウム塩である。アシルメル
カプタン金属塩としては、チオ酢酸ナトリウム、チオ酢
酸カリウム、チオ酢酸セシウム、チオ安息香酸ナトリウ
ム、チオ安息香酸カリウム、チオ安息香酸セシウム等を
あげることができ、好適にはチオ酢酸ナトリウム、チオ
酢酸カリウムまたはチオ酢酸セシウムである。
【0059】アシルメルカプタンまたはその金属塩の使
用量は、化合物(7)に対して通常0.8乃至2モル当
量であり、好適には0.9乃至1.2当量である。
【0060】アシルメルカプタンを使用する場合、好ま
しくは塩基の存在下で反応させる。使用される塩基とし
ては、化合物の他の部分に影響を与えないものであれば
特に制限はないが、例えばジイソプロピルエチルアミ
ン、トリエチルアミンのようなトリアルキルアミン類;
N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリンのような
飽和環状アミン類;ピリジン、4−ジメチルアミノピリ
ジンのような芳香族アミン類;炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウムのようなアルカリ金属炭酸
塩;水酸化カリウム、水酸化ナトリウムのようなアルカ
リ金属水酸化物を挙げることができ、好適にはアルカリ
金属炭酸塩類(特に炭酸カリウム)である。
【0061】塩基の使用量は、化合物(5)に対して通
常0.8乃至2モル当量であり、好適には0.9乃至
1.2当量である。
【0062】使用される溶媒としては、反応を阻害せず
出発原料をある程度溶解するものであれば特に制限はな
く、例えばアセトニトリルのようなニトリル類;酢酸エ
チルのようなエステル類;アセトン、メチルエチルケト
ンのようなケトン類;ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;エー
テル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテ
ル類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのような
アミド類;メタノール、エタノールのようなアルコール
類;水およびそれらの混合溶媒を挙げることができる
が、好適にはニトリル類(特にアセトニトリル)、エス
テル類(特に酢酸エチル)、エーテル類(特にテトラヒ
ドロフラン)またはハロゲン化炭化水素類(特にジクロ
ロメタン)であり、特に好適にはアセトニトリルであ
る。
【0063】反応温度は、通常20乃至150℃であ
り、好適には40℃乃至100℃である。反応時間は、
原料、溶媒、反応温度等によって異なるが、通常30分
乃至75時間であり、好適には1乃至24時間である。
【0064】反応終了後、本反応の目的化合物は常法に
従って反応混合物から採取することができる。例えば、
反応混合液から溶媒を留去して得られる残渣に水と混和
しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することに
よって得られる。得られた化合物は必要ならば常法、例
えば再結晶、再沈殿またはクロマトグラフィーなどによ
って更に精製することができる。
【0065】第B4工程は、化合物(9)のアミノ基の
保護基R6を除去して化合物(10)を製造する工程で
ある。本工程は化合物(9)に溶媒中、脱保護剤を反応
させることによって達成される。脱保護剤は除去される
アミノ基の保護基R6の種類によって異なるが、一般に
この技術の分野で周知の方法をもちいて行われる。
【0066】R6がt-ブトキシカルボニル、ベンズヒド
リルまたはトリチル基である場合、トリフルオロ酢酸、
塩化水素、臭化水素、硫酸のような酸類を反応させるこ
とにより除去される。
【0067】R6が2,2−ジブロモエチルオキシカル
ボニル、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニ
ルのようなハロゲノアルキルオキシカルボニル基である
場合、亜鉛のような金属類及び酢酸のような酸類の組み
合わせを反応させることにより除去される。
【0068】R6がアリルオキシカルボニル、2−クロ
ロアリルオキシカルボニルのような置換されていてもよ
いアリルオキシカルボニル基である場合、触媒量のテト
ラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下
に、2−エチルヘキサン酸ナトリウムのような有機カル
ボン酸アルカリ金属塩または水素化トリブチルスズを反
応させることにより除去される。
【0069】R6がベンジルオキシカルボニル、4−ニ
トロベンジルオキシカルボニルのような置換されていて
もよいベンジルオキシカルボニル基の場合、パラジウム
炭素等を触媒とする接触水素添加反応に付すことにより
除去される。
【0070】反応終了後、本反応の目的化合物は常法に
従って酸性化合物との塩またはフリー体として反応混合
物から採取される。例えば、脱保護剤として酸性化合物
を使用した反応混合物より析出した目的化合物を濾取す
ることにより得られる。また、反応混合物を中和し、溶
媒を留去して得られる残渣に水と混和しない有機溶剤を
加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。
【0071】得られた化合物は必要ならば常法、例えば
再結晶、再沈殿またはクロマトグラフィーなどによって
更に精製することができる。
【0072】なお、本工程のR6の脱保護反応によって
4及びR5の保護基が除去されないように、R6の保護
基とR4及びR5の保護基の組み合わせを考慮すべきであ
る。例えば、R6の保護基がt-ブトキシカルボニルのよ
うな酸で除去される保護基である場合、R4及びR5の保
護基はベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジル
オキシカルボニルのような置換されていてもよいベンジ
ルオキシカルボニル基またはアリルオキシカルボニル、
2−クロロアリルオキシカルボニルのような置換されて
いてもよいアリルオキシカルボニル基のような酸に対し
て安定な保護基を選択するのが好ましい。また、R6
保護基がベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジ
ルオキシカルボニルのような置換されていてもよいベン
ジルオキシカルボニル基のような接触水素添加で除去さ
れる保護基である場合、R4及びR5の保護基はt-ブトキ
シカルボニルのような接触水素添加に対して安定な保護
基を選択するのが好ましい。
【0073】第B5工程は、化合物(10)にアルキル
基を導入して目的化合物(1)を製造する工程である。
本工程は化合物(10)に溶媒中、塩基の存在下または
非存在下にアルキル化剤を反応させることによって達成
される。
【0074】アルキル化剤としては、例えばギ酸−ホル
マリン;ホルマリン−シアノ水素化ホウ素ナトリウム;
ホルマリン−水素−パラジウム炭素触媒若しくは酸化白
金;ジメチル硫酸、ジエチル硫酸のようなジアルキル硫
酸;ヨウ化メチル、ヨウ化エチルのようなハロゲン化ア
ルキル類等を挙げることができ、好適にはギ酸−ホルマ
リンまたはジアルキル硫酸(特にジメチル硫酸)であ
る。
【0075】アルキル化剤の使用量は、化合物(10)
に対して通常0.8乃至2モル当量であり、好適には
0.9乃至1.2当量である。
【0076】出発原料の化合物(10)が酸性化合物と
の塩である場合には、塩基の存在下に行なうことが好ま
しい。使用される塩基としては、化合物の他の部分に影
響を与えないものであれば特に制限はないが、例えばジ
イソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンのような
トリアルキルアミン類;N−メチルピペリジン、N−メ
チルモルホリンのような飽和環状アミン類;ピリジン、
4−ジメチルアミノピリジンのような芳香族アミン類;
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの
ようなアルカリ金属炭酸塩;水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウムのようなアルカリ金属水酸化物を挙げることが
でき、好適にはトリアルキルアミン類(特にジイソプロ
ピルエチルアミン)である。塩基の使用量は、化合物
(10)に含まれる酸性化合物に対して1モル当量であ
る。
【0077】使用される溶媒としては、反応を阻害せず
出発原料をある程度溶解するものであれば特に制限はな
く、例えばアセトニトリルのようなニトリル類;酢酸エ
チルのようなエステル類;アセトン、メチルエチルケト
ンのようなケトン類;ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;エー
テル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテ
ル類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのような
アミド類;メタノール、エタノールのようなアルコール
類;水およびそれらの混合溶媒を挙げることができる
が、好適にはニトリル類(特にアセトニトリル)、エス
テル類(特に酢酸エチル)、エーテル類(特にテトラヒ
ドロフラン)またはハロゲン化炭化水素類(特にジクロ
ロメタン)であり、特に好適にはアセトニトリルであ
る。
【0078】反応温度は、通常−10乃至100℃であ
り、好適には0℃乃至40℃である。反応時間は、原
料、溶媒、反応温度等によって異なるが、通常30分乃
至48時間であり、好適には1乃至24時間である。
【0079】反応終了後、本反応の目的化合物は常法に
従って反応混合物から採取することができる。例えば、
反応混合液から溶媒を留去して得られる残渣に水と混和
しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することに
よって得られる。得られた化合物は必要ならば常法、例
えば再結晶、再沈殿またはクロマトグラフィーなどによ
って更に精製することができる。
【0080】[C法]C法は、上記のA法またはB法に
おいて使用される一般式(3)で表わされる化合物を製
造する方法である。
【0081】
【化5】 上記式中、n、A、R3、R4及びR5は前述と同意義で
あり、R8はアミノ基の保護基を示し、X2は脱離基を示
す。
【0082】第C1工程は、化合物(12)にアミジノ
基を導入してグアニジノ化合物(14)を製造する工程
である。本工程は化合物(12)に溶媒中グアニジノ化
剤(13)を反応させることによって達成される。
【0083】グアニジノ化剤(13)は、式X2(C=
NR4)NHR5(式中、R4、R5及びX2は前述の通り
である)で表わされる化合物またはその塩であれば特に
制限されない。脱離基X2としては、例えばピラゾリ
ル、3−メチルピラゾリル、4−メチルピラゾリル、
3,5−ジメチルピラゾリル、メチルチオ、メタンスル
ホニル、メタンスルフィニル、フェニルチオ、ベンゼン
スルホニル、ベンゼンスルフィニル、メタンスルホニル
アミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、ニト
ロ、ニトロアミノ基等を挙げることができ、好適にはピ
ラゾリル、3,5−ジメチルピラゾリル、メチルチオま
たはトリフルオロメタンスルホニルアミノ基である。化
合物の塩としては塩酸塩、1/2硫酸塩等を挙げることが
でき、好適には1/2硫酸塩である。
【0084】グアニジノ化剤の使用量は、化合物(1
2)に対して通常0.8乃至2モル当量であり、好適に
は0.9乃至1.2当量である。
【0085】使用される溶媒としては、反応を阻害せず
出発原料をある程度溶解するものであれば特に制限はな
く、例えばアセトニトリルのようなニトリル類;酢酸エ
チルのようなエステル類;アセトン、メチルエチルケト
ンのようなケトン類;ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;エー
テル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテ
ル類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのような
アミド類;メタノール、エタノール、t−ブタノールの
ようなアルコール類;水およびそれらの混合溶媒を挙げ
ることができるが、好適にはニトリル類(特にアセトニ
トリル)、エステル類(特に酢酸エチル)、エーテル類
(特にテトラヒドロフラン)、ハロゲン化炭化水素類
(特にジクロロメタン)またはアルコール類(特にt−
ブタノール)であり、特に好適にはアセトニトリルまた
はt−ブタノールである。
【0086】反応温度は、通常0乃至150℃であり、
好適には20℃乃至90℃である。反応時間は、原料、
溶媒、反応温度等によって異なるが、通常15分乃至2
4時間であり、好適には1乃至8時間である。
【0087】反応終了後、本反応の目的化合物は常法に
従って反応混合物から採取することができる。例えば、
反応混合液から溶媒を留去して得られる残渣に水と混和
しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することに
よって得られる。得られた化合物は必要ならば常法、例
えば再結晶、再沈殿またはクロマトグラフィーなどによ
って更に精製することができる。
【0088】また、化合物(14)は酸性化合物との塩
として単離することもできる。酸性化合物の塩として
は、次工程の反応を阻害しないものであれば特に限定は
なく、例えばフッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、
硝酸のような無機酸類との塩;炭酸、酢酸、トリフルオ
ロ酢酸、シュウ酸、フタル酸のような有機カルボン酸類
との塩;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸のよう
な有機スルホン酸類との塩等を挙げることができるが、
好適には塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩またはトリフル
オロ酢酸塩である。
【0089】或いは、グアニジノ化剤としてS−メチル
チオ尿素・1/2硫酸塩のような塩を使用し、反応溶媒と
してt−ブタノールのようなアルコール類を使用した場
合、反応液にアセトンのような非プロトン性溶媒を加え
ることによって目的化合物の塩を晶析させることもでき
る。
【0090】第C2工程は、化合物(14)のアミノ基
の保護基R8を除去して目的化合物(3)を製造する方
法である。本工程は、第B4工程と同様にして達成する
ことができる。
【0091】反応終了後、本反応の目的化合物は常法に
従って酸性化合物との塩またはフリー体として反応混合
物から採取される。例えば、酸性化合物との塩は、脱保
護剤として酸性化合物を使用した反応混合物より析出し
た化合物を濾取することにより得られる。また、フリー
体は、反応混合物を中和し、溶媒を留去して得られる残
渣に水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留
去することによって得られる。得られた化合物は必要な
らば常法、例えば再結晶、再沈殿またはクロマトグラフ
ィーなどによって更に精製することができる。
【0092】化合物(3)の酸性化合物との塩として
は、次工程の反応を阻害しないものであれば特に限定は
なく、例えばフッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、
硝酸のような無機酸類との塩;炭酸、酢酸、トリフルオ
ロ酢酸、シュウ酸、フタル酸のような有機カルボン酸類
との塩;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸のよう
な有機スルホン酸類との塩等を挙げることができるが、
好適には塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩またはトリフル
オロ酢酸塩であり、特に好適には硫酸塩である。
【0093】なお、第B4工程のR6の保護基の除去に
おけるのと同様に、本工程のR8の脱保護反応によって
4及びR5の保護基が除去されないように、R8の保護
基とR4及びR5の保護基の組み合わせを考慮すべきであ
る。
【0094】A法またはB法で得られた化合物(1)は
酸性化合物との塩として単離することもできる。酸性化
合物の塩としては、例えばフッ化水素酸、塩酸、臭化水
素酸、硫酸、硝酸のような無機酸類との塩;炭酸、酢
酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、フタル酸のような有
機カルボン酸類との塩;メタンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンス
ルホン酸のような有機スルホン酸類との塩等を挙げるこ
とができるが、好適には塩酸塩または硫酸塩である。
【0095】以上のようにして得られた一般式(1)で
表わされるメルカプトピロリジン化合物及びその塩は、
4位メルカプト基の保護基R1を容易に除去し、カルバ
ペネム骨格の2位側鎖として使用することができるの
で、カルバペネム系抗菌剤の製造中間体として極めて有
用である。
【0096】
【実施例】以下、本発明を実施例及び参考例を挙げて更
に詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるもの
ではない。尚、実施例及び参考例中の核磁気共鳴スペク
トルにおいて、重水中の測定には特に断りのない限り、
トリメチルシリルプロピオン酸ナトリウム−d4を内部
標準物質として使用し、その他の溶媒ではテトラメチル
シランを内部標準物質として使用して測定した。
【0097】実施例 1(S)−3−[2−[2,3−ビス(4−ニトロベンジル
オキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリ
ジン・トリフルオロ酢酸塩
【0098】
【化6】 (1) 窒素気流中、参考例3の化合物(14.0g)
のテトラヒドロフラン(300ml)溶液に1−H−ピ
ラゾール[2,3−ビス(4−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル)]カルボキサミジン(22.0g)を加え、
室温にて17時間撹拌した。溶媒を留去した後、酢酸エ
チル(1000ml)を加え、水、硫酸水素カリウム水
溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物を酢酸
エチルとイソプロピルエーテルで粉末化し、濾取して
(S)−3−[2−[2,3−ビス(4−ニトロベンジルオキ
シカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]−1−(te
rt−ブチルオキシカルボニル)ピロリジン(24.2
g)を得た。
【0099】赤外線吸収スペクトル (KBr) νcm-1 : 33
17, 2977, 1739, 1690, 1646, 1523, 1410, 1348, 129
2, 1164, 1064. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3) δppm : 1.45
(9H, s), 1.73-1.89(1H, m), 2.07-2.21 (1H, m), 3.1
3-3.27 (1H, m), 3.30-3.49 (2H, m), 3.61 (2H, d, J=
11.5, 6.2 Hz), 4.07 (2H, d, J=5.0 Hz), 5.21 (2H,
s), 5.31 (2H,s), 6.23 (1H, d, J=6.7 Hz), 7.51-7.58
(4H, m), 8.17-8.29 (4H, m), 8.92 (1H, t, J=4.8 H
z), 11.65 (1H, s). MSスペクトル m/z : 644 (M+1)+. 元素分析(C28H33N7O11として計算) 計算値: C, 52.25%; H, 5.17%; N, 15.23%; O, 27.34
%. 実測値: C, 51.71%; H, 5.00%; N, 15.17%; O, 27.22
%. (2) 窒素気流中、氷冷下、実施例1−(1)の化合
物(12.00g)の塩化メチレン(48ml)溶液に
トリフルオロ酢酸(24ml)を加え、氷冷下で3時間
撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物をエーテル
で粉末化した後、デカンテーションにより分離、減圧乾
燥して、粉末の標記化合物(14.28g)を得た。
【0100】核磁気共鳴スペクトル (270 MHz, DMSO-
d6) δppm : 1.75-1.85 (1H, m), 2.05-2.20 (1H, m),
2.85-3.05 (1H, m), 3.15-3.50 (3H, m), 3.90-4.05 (2
H, m),4.15-4.35 (1H, m), 5.20 (2H, s), 5.39 (2H,
s), 7.61 (2H, d, J=8.5 Hz),7.70 (2H, d, J=8.5 Hz),
8.20-8.35 (4H, m)。
【0101】実施例 2(S)−3−[2−[2,3−ビス(4−ニトロベンジル
オキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリ
ジン・2塩酸塩
【0102】
【化7】 窒素気流中、参考例4の化合物(3.05g)のN,N
−ジメチルホルムアミド(50ml)溶液にN,N'−
ビス(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)−S−メ
チルイソチオ尿素(5.61g)を加え、室温で4.5
時間撹拌した。反応混合物に5%食塩水(400ml)
を加え、酢酸エチル(400ml)で抽出した。有機層
を5%食塩水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した後、減圧下濃縮した。残留物をアセトニトリルに溶
解し、4N塩化水素/酢酸エチルを加え室温で40分間撹
拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物に酢酸エチル
で粉末化した後、濾取して、粉末の標記化合物(6.3
4g)を得た。
【0103】赤外線吸収スペクトル (KBr) νcm-1 :320
3, 3056, 2948, 2745, 1750, 1682,1592, 1522, 1348,
1211, 1066. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, DMSO-d6) δppm : 1.7
4-1.88 (1H, m), 2.06-2.17 (1H, m), 2.92-3.04 (1H,
m), 3.38-3.09 (3H, m), 3.87-4.06 (2H, m),4.24-4.38
(1H, m), 5.20 (2H, s), 5.39 (2H, s), 7.62 (2H, d,
J=8.3 Hz), 7.71 (2H, d, J=8.4Hz), 8.22-8.28 (4H,
m), 8.62 (1H, d, J=6.6 Hz), 8.12 (1H, s), 9.29 (1
H, s), 9.45 (1H, s) MSスペクトル m/z : 544 (M+1)+
【0104】実施例 3(S)−3−[2−[3−(4−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリジン
・2塩酸塩
【0105】
【化8】 (1) 窒素気流中、4−ニトロベンジルオキシカルボ
ニルシアナミド(80mg)のテトラヒドロフラン(1
ml)溶液にクロロトリメチルシラン(43mg)とト
リエチルアミン(40mg)を加え、参考例4で得られ
た化合物(88mg)のテトラヒドロフラン(1ml)
溶液にクロロトリメチルシラン(59mg)とトリエチ
ルアミン(55mg)を加えた混合溶液を加え、室温で
14時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(50m
l)を加え、希塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減
圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(シリカゲル 10g;メタノール:酢酸エチル
=98:2〜90:10)に付し、粉末の(S)−1−
(tert−ブチルオキシカルボニル)−3−[2−
[3−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)グアニ
ジノ]アセチルアミノ]ピロリジン(75mg)を得
た。
【0106】赤外線吸収スペクトル (KBr) νcm-1 : 33
93, 3316, 2976, 1662, 1524, 1415, 1347, 1291, 116
6, 1129, 1110. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3) δppm : 1.44
(9H, s), 1.89-1.95(1H, m), 2.02-2.18 (1H, m), 3.1
7-3.30 (1H, m), 3.31-3.46 (3H, m), 3.57 (1H, d, J=
10.4, 6.1 Hz), 3.81-3.99 (2H, m), 4.23-4.41 (1H,
m), 5.12 (2H,s), 7.41 (1H, br), 7.53 (2H, d, J=8.6
Hz), 8.20 (2H, d, J=8.6 Hz). MSスペクトル m/z : 465 (M+1)+. (2) 窒素気流下、参考例4で得られた化合物(12
2mg)のメタノール(1ml)溶液にN−(4−ニト
ロベンジルオキシカルボニル)−S−メチルイソチオ尿
素(162mg)を加え、加熱し均一な溶液とした後、
溶媒を留去し、80℃で2時間、100℃で2時間反応
させた。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル10g、酢酸エチル、続いて酢酸エチ
ル:メタノール=90:10)に付し、粉末の(S)−
1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−3−[2
−[3−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)グア
ニジノ]アセチルアミノ]ピロリジン(161mg)を
得た。スペクトルデータは実施例3−(1)の化合物に
一致した。 (3) 素気流中、実施例1‐(1)で得られた化合物
(20g)のN,N−ジメチルホルムアミド(200m
l)溶液にチオ酢酸(3.33ml)と炭酸セシウム
(7.59g)を加え、室温で一夜撹拌した。反応混合
物に酢酸エチル(2l)を加え、有機層を10%食塩水、
飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル420g、酢酸エチル:メタ
ノール=95:5、続いて酢酸エチル:メタノール=9
0:10)に付し、イソプロピルエーテルで粉末化、洗
浄して、粉末の(S)−1−(tert−ブチルオキシ
カルボニル)ピロリジン−3−[2−[3−(4−ニト
ロベンジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルア
ミノ](13.83g)を得た。スペクトルデータは実
施例3‐(1)の化合物に一致した。 (4) 窒素気流中、実施例3−(2)で得られた化合
物(11.8g)のアセトニトリル(95ml)溶液に
4N塩化水素/酢酸エチル(95ml)を加え、25℃
で1.5時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、酢酸
エチルを加え粉末化した後、濾取して、粉末の標記化合
物(10.6g)を得た。
【0107】赤外線吸収スペクトル (KBr) νcm-1 : 33
61, 3035, 2733, 1742, 1695, 1630, 1555, 1519, 134
5, 1255, 1233, 1183. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, D2O) δppm : 2.02-
2.12 (1H, m), 2.34-2.44 (1H, m), 3.30 (1H, dd, J=1
2.6, 4.8 Hz), 3.38-3.52 (2H, m), 3.60 (1H,dd, J=1
2.6, 7.1 Hz), 4.18 (2H, s), 4.48-4.55 (1H, m), 5.4
2 (2H, s), 7.65(2H, d, J=8.7 Hz), 8.28 (2H, d, J=
8.7 Hz). MSスペクトル m/z : 365(M+1)+
【0108】実施例 4(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル−2−
[(3S)−3−[2−[2,3−ビス(4−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミ
ノ]ピロリジン−1−イルカルボニル]ピロリジン
【0109】
【化9】 窒素気流中、氷冷下、参考例1で得られた化合物(20
g)のアセトニトリル溶液(400ml)に、N,N−
ジイソプロピルエチルアミン(70g)、塩化ピバロイ
ル(12.5g)を加え、1時間撹拌した。反応液を−
5℃に冷却後、実施例2で得られた化合物(62.2
g)とN,N−ジイソプロピルアミン(25.4g)の
アセトニトリル溶液(400ml)を加え、2時間撹拌
した。反応混合物にアセトニトリル(700ml)、酢
酸エチル(1.5l)を加え、有機層を10%食塩水、
及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル2kg、酢酸エチ
ル:メタノール=9:1−8:2)に付し、アモルファス
状の標記化合物(47.1g)を得た。
【0110】赤外線吸収スペクトル (KBr) νcm-1 : 33
07, 2950, 1739, 1686, 1643, 1552, 1523, 1441, 134
8, 1292, 1106, 1064. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3) δppm : 1.75
-2.30 (3H, m), 2.28,2.30, (3H, sx2), 2.32, 2.35 (3
H, sx2), 2.59-2.70 (1H, m), 2.74-2.88 (1H, m), 3.0
3-3.20 (2H, m), 3.41-3.49 (1H, m), 3.52-3.78 (2H,
m), 3.79-3.85(1H, m), 3.91-4.11 (2H, m), 4.39-4.51
(1H, m), 5.17-5.29 (2H, m), 5.31(2H, s), 6.51, 6.
71 (1H, dx2, J=7.1Hz), 7.52-7.58 (4H, m), 8.19-8.2
8 (4H, m), 8.86-8.94 (1H, m). MSスペクトル m/z : 729 (M+1)+
【0111】実施例 5(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル−2−
[(3S)−3−[2−[3−(4−ニトロベンジルオ
キシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリ
ジン−1−イルカルボニル]ピロリジン
【0112】
【化10】 (1) 窒素気流中、氷冷下、参考例1で得られた化合
物(465mg)のアセトニトリル溶液(10ml)
に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.63
g)、塩化ピバロイル(289mgを)加え、1時間撹
拌した。反応液を−5℃に冷却後、実施例3−(3)で
得られた化合物(1.0g)とN,N−ジイソプロピル
アミン(1.48g)のアセトニトリル(15ml)溶
液を加え、2時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル
(100ml)を加え、有機層を10%食塩水、及び飽
和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル40g、酢酸エチル:メタノ
ール=9:1、続いて酢酸エチル:メタノール=5:1)
に付し、アモルファス状の標記化合物(782mg)を
得た。
【0113】赤外線吸収スペクトル (KBr) νcm-1 : 32
95, 2950, 1685, 1639, 1549, 1522, 1448, 1347, 129
0, 1110. MSスペクトル m/z : 550 (M+1)+. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CD3OD)δ ppm: 1.70-
1.78 (1H, m), 1.85-2.04 (1H, m), 2.11-2.26 (1H,
m), 2.28, 2.29 (3H, s×2), 2.34, 2.36 (3H, s×2),
2.70-2.83 (1H, m), 2.89-2.97 (1H, m), 3.03-3.08 (1
H, m), 3.20-3.43(3H, m), 3.54-3.74 (3H, m), 3.84-
4.12 (4H, m), 4.34-4.45 (1H, m), 7.60-7.63 (2H,
m), 8.22-8.24 (2H, m). 元素分析(C23H31N7O7Sとして計算) 計算値:C, 49.45%; H, 5.77%; N, 17.55%; S, 5.74%. 実測値:C, 48.29%; H, 5.50%; N, 17.45%; S, 5.31%. (2) 窒素気流中、氷冷下、参考例1で得られた化合
物(500mg)とN,N−ジイソプロピルエチルアミ
ン(0.47ml)のアセトニトリル溶液(10ml)
に、塩化ピバロイル(0.31ml)を滴下し30分間
撹拌した。反応液にN,N−ジイソプロピルアミン
(1.5ml)を加え、実施例3で得られた化合物
(1.08g)を5℃以下に保ち少量ずつ加えた後1時
間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、5%食塩
水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(10%メタノール/酢酸エ
チル、続いて20%メタノール/酢酸エチル)に付し、
アモルファス状の標記化合物(1.00g)を得た。ス
ペクトルデータは実施例5−(1)の化合物に一致し
た。
【0114】実施例 6(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−(tert−
ブチルオキシカルボニル)−2−[(3S)−3−[2
−[3−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)グア
ニジノ]アセチルアミノ]ピロリジン−1−イルカルボ
ニル]ピロリジン
【0115】
【化11】 (1) 窒素気流中、N−Boc−trans−ヒドロ
キシ−L−プロリン(833mg)のアセトニトリル
(20ml)溶液に1,1’−カルボニルジイミダゾー
ル(632mg)を加え、室温で1時間撹拌した後、実
施例1‐(2)で得られた化合物(1.97g)とN,
N−ジイソプロピルエチルアミン(427mg)のアセ
トニトリル(40ml)溶液を加え、室温で1時間撹拌
した。反応混合物に酢酸エチルを加え、希塩酸、炭酸水
素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、減
圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル120g、酢酸エチル、続いて酢酸エ
チル:メタノール=86:14)に付し、アモルファス
状の(2S,4R)−4−ヒドロキシ−1−(tert
−ブチルオキシカルボニル)−2−[(3S)−3−
[2−[2,3−ビス(4−ニトロベンジルオキシカル
ボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリジン−1
−イルカルボニル]ピロリジン(2.03g)を得た。
【0116】赤外線吸収スペクトル (KBr) νcm-1 : 32
98, 1739, 1644, 1555, 1523, 1347,1292, 1212, 1160,
1064. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3) δppm : 1.41
(9H, s), 1.91-2.30(2H, m), 3.25-3.32 (1H, m), 3.4
3-3.56 (2H, m), 3.68-3.73 (1H, m), 3.95-4.13 (4H,
m), 4.48-4.62 (3H, m), 5.17-5.22 (2H, m), 5.29-5.3
2 (2H, m), 7.50-7.59 (4H, m), 7.68-7.72 (1H, m),
8.20-8.29 (4H, m), 8.85-9.00 (2H, m). MSスペクトル m/z : 757(M+1)+. (2) 窒素気流中、実施例6‐(1)で得られた化合
物(357mg)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液
に塩化メタンスルホニル(59mg)、トリエチルアミ
ン(52mg)を加え、0℃で2時間撹拌した。さらに
塩化メタンスルホニル(118mg)、トリエチルアミ
ン(104mg)を加え、0℃で2時間撹拌した。反応
混合物に酢酸エチル(150ml)を加え、炭酸水素ナ
トリウム水溶液(50ml)、飽和食塩水(50ml)
で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧
下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル35g、酢酸エチル:メタノール=9
5:5、続いて酢酸エチル:メタノール=90:10)
に付し、無色粉末の(2S,4R)−4−メチルスルホ
ニルオキシ−1−(tert−ブチルオキシカルボニ
ル)−2−[(3S)−3−[2−[2,3−ビス(4
−ニトロベンジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセ
チルアミノ]ピロリジン−1−イルカルボニル]ピロリ
ジン(278mg)を得た。
【0117】赤外線吸収スペクトル (KBr) νcm-1 : 33
26, 2976, 1739, 1696, 1646, 1524, 1348, 1170, 106
3, 902. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3) δppm : 1.4
1, 1.42 (9H, sx2), 2.05-2.19 (1H, m), 3.05, 3.07
(3H, sx2), 3.25-4.12 (8H, m), 4.49-4.62 (2H,m), 5.
15-5.36 (5H, m), 7.52-7.59 (4H, m), 8.19-8.28 (4H,
m), 8.89-9.02(1H, m). MSスペクトル m/z : 835 (M+1)+. (3) 窒素気流中、実施例6‐(2)で得られた化合
物(280mg)のN,N−ジメチルアセトアミド
(4.2ml)溶液にチオ酢酸(87mg)と炭酸セシ
ウム(201mg)を加え、70℃で1時間、80℃で
2.5時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(60m
l)を加え、有機層を10%食塩水、炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(シリカゲル15g、酢酸エチ
ル:メタノール=95:5、続いて酢酸エチル:メタノ
ール=98:12)に付し、アモルファス状の標記化合
物(106mg)を得た。
【0118】核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3)
δppm : 1.41 (9H, s), 1.68-2.21(3H, m), 2.35 (3H,
s), 2.53-2.63 (1H, m), 3.25-4.02 (9H, m), 4.18-4.2
7 (2H, m), 5.18 (2H, s), 7.55 (2H, d, J=8.8 Hz),
7.84 (1H, d, J=7.5 Hz), 8.21 (2H, d, J=8.8 Hz). (4) 窒素気流中、N−Boc−trans−ヒドロ
キシ−L−プロリン(139mg)のアセトニトリル
(2ml)溶液に1,1’−カルボニルジイミダゾール
(105mg)を加え、室温で1時間撹拌した後、実施
例3―(3)で得られた化合物(200mg)とN,N
−ジイソプロピルエチルアミン(71mg)のメタノー
ル(1ml)溶液を加え、室温で7時間撹拌し、N,N
−ジイソプロピルエチルアミン(36mg)を加えた
後、さらに16時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮
し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル15g、酢酸エチル:メタノール=9:1、続い
て酢酸エチル:メタノール=7:3)に付し、アモルフ
ァス状の(2S,4R)−4−ヒドロキシ−1−(te
rt−ブチルオキシカルボニル)−2−[(3S)−3
−[2−[3−(4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリジン−1−イ
ルカルボニル]ピロリジン(129mg)を得た。
【0119】核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3)
δppm : 1.46 (9H, s), 1.80-2.21(2H, m), 3.35-4.05
(9H, m), 4.43-4.60 (3H, m), 5.19 (2H, s), 5.58-5.6
2 (1H, m), 7.55-7.59 (2H, m), 7.74-7.80 (1H, m),
8.19-8.22 (2H, m). (5) 窒素気流中、実施例7‐(4)で得られた化合
物(578mg)、トリエチルアミン(168μl)
と、4-ジメチルアミノピリジン(29mg)のアセト
ニトリル(10ml)溶液に、塩化メタンスルホニル
(93μlを滴下し、0℃で2.5時間撹拌した。反応
混合物に酢酸エチルを加え、炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=95:
5、続いて酢酸エチル:メタノール=90:10)に付
し、アモルファス状の(2S,4R)−4−メチルスル
ホニルオキシ−1−(tert−ブチルオキシカルボニ
ル)−2−[(3S)−3−[2−[3−(4−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミ
ノ]ピロリジン−1−イルカルボニル]ピロリジン(1
88mg)を得た。
【0120】核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3)
δppm : 1.39, 1.42 (9H, sx2), 2.29-2.58 (2H, m),
3.07, 3.08 (3H, sx2), 3.38-4.05 (9H, m), 4.42-4.58
(1H,m), 4.52-4.59 (1H, m), 5.18 (2H, s), 5.25-5.3
6 (1H, m), 7.54 (2H, d, J=8.5 Hz), 7.69 (1H, d, J=
7.7 Hz), 8.20 (2H, d, J=8.5 Hz). MSスペクトル m/z : 656(M+1)+. (6) 窒素気流中、N−Boc−trans−ヒドロ
キシ−L−プロリン(347mg)のアセトニトリル
(5ml)溶液に塩化メタンスルホニル(344m
g)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(465m
g)を加え、−10℃で1時間撹拌した後、実施例3−
(4)で得られた化合物(400mg)とN,N−ジイ
ソプロピルエチルアミン(310mg)のN,N−ジメ
チルホルムアミド溶液(5ml)を加え、室温で1時間
撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(100ml)を加
え、有機層を10%食塩水(50mlで2回)、飽和食
塩水50mlで順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル20g、酢酸エチル:メタノ
ール=95:5、続いて酢酸エチル:メタノール=9
0:10)付し、アモルファス状の(2S,4R)−4
−メチルスルホニルオキシ−1−(tert−ブチルオ
キシカルボニル)−2−[(3S)−3−[2−[3−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)グアニジノ]
アセチルアミノ]ピロリジン−1−イルカルボニル]ピ
ロリジン(206mg)を得た。スペクトルデータは実
施例6‐(5)の化合物に一致した。 (7) 窒素気流中、実施例6‐(2)で得られた化合
物(227mg)のN,N−ジメチルアセトアミド
(2.7ml)溶液にチオ酢酸(35mg)と炭酸セシ
ウム(75mg)を加え、室温で7時間撹拌した。反応
混合物に酢酸エチル(100ml)を加え、有機層を10
%食塩水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル15g、酢酸エチ
ル:メタノール=95:5、続いて酢酸エチル:メタノ
ール=90:10)に付し、アモルファス状の(2S,
4R)−4−メチルスルホニルオキシ−1−(tert
−ブチルオキシカルボニル)−2−[(3S)−3−
[2−[3−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)
グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリジン−1−イルカ
ルボニル]ピロリジン(138mg)を得た。スペクト
ルデータは実施例6‐(5)の化合物に一致した。 (8) 窒素気流中、実施例6‐(7)で得られた化合
物(135mg)のN,N−ジメチルアセトアミド(4
ml)溶液にチオ酢酸(27mg)と炭酸セシウム(7
5mg)を加え、60℃で2時間、70℃で3.5時間
撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(60ml)を加
え、有機層を10%食塩水、炭酸水素ナトリウム水溶液、
飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル15g、酢酸エチル:メタ
ノール=95:5、続いて酢酸エチル:メタノール=9
0:10)に付し、アモルファス状の標記化合物(69
mg)を得た。スペクトルデータは実施例6−(3)の
化合物に一致した。
【0121】実施例 7(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル−2−
[(3S)−3−[2−[3−(4−ニトロベンジルオ
キシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリ
ジン−1−イルカルボニル]ピロリジン
【0122】
【化12】 氷冷下、実施例6−(8)で得られた化合物(0.52
g)の塩化メチレン(2.00ml)溶液に、4N塩化水
素/酢酸エチル(0.82ml)を加え、5分間撹拌した
後、反応混合物にエーテルを加えて粉末化し、デカンテ
ーションにより分離、洗浄、減圧乾燥した。氷冷下、得
られた粉末のアセトニトリル(10ml)懸濁液に、N,
N−ジイソプロピルエチルアミン(0.14ml)を加え
5分間撹拌した後、減圧濃縮した。残留物に蟻酸(0.
12ml)とホルマリン(0.19ml)を加え、55℃で
1.5時間撹拌した後、反応混合物を減圧濃縮した。残
留物にアセトン及びエチルエーテルを加え粉末化、濾取
した。得られた粉末を逆相シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(ナカライテスク製コスモシール75C18−
PREP、15g)に付し、水−アセトニトリル(8
0:20)にて溶出した画分を集め、粉末状の標記化合
物(0.17g)を得た。スペクトルデータは実施例5
−(1)の化合物に一致した。
【0123】実施例 8(S)−1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−
3−[2−[3−(4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリジン
【0124】
【化13】 素気流中、実施例1‐(1)で得られた化合物(20
g)のN,N−ジメチルホルムアミド(200ml)溶
液にチオ酢酸(3.33ml)と炭酸セシウム(7.5
9g)を加え、室温で一夜撹拌した。反応混合物に酢酸
エチル(2l)を加え、有機層を10%食塩水、飽和食塩
水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減
圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル420g、酢酸エチル:メタノール=
95:5、続いて酢酸エチル:メタノール=90:1
0)に付し、イソプロピルエーテルで粉末化、洗浄し
て、粉末の標記目的化合物(13.83g)を得た。ス
ペクトルデータは実施例3‐(1)の化合物に一致し
た。
【0125】実施例 9(S)−3−[2−[3−(4−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリジン
【0126】
【化14】 実施例3−(3)で得られた化合物(2.5g)をイオン
交換樹脂[DIAION/PA312,メタノ−ル
(1.5l)]で精製し、流出液を減圧濃縮した後、残留
物をイソプロピルエ−テルで結晶化、洗浄、減圧乾燥し
て、粉末状の標記目的化合物(1.93g)を得た。
【0127】赤外線吸収スペクトル (KBr) νcm-1 : 33
83, 3307, 1656, 1608, 1553, 1521, 1433, 1382, 134
8, 1292. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CD3OH) δppm : 1.62
-1.75 (1H, m), 2.00-2.14 (1H, m), 2.70 (1H, dd, J=
11.8, 4.6 Hz), 2.81-3.11 (3H, m), 3.87 (3H, s), 4.
21-4.36 (1H, m), 5.20 (2H, s), 7.61 (2H, d, J=8.6
Hz), 8.22 (2H,d, J=8.6 Hz). MSスペクトル m/z : 365(M+1)+
【0128】実施例 10(S)−3−[2−[3−(4−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリジン
・2硫酸塩
【0129】
【化15】 (1) 参考例4―(2)で得られた化合物(5.00
g)のt-ブタノール(100ml)溶液にN−(4−ニ
トロベンジルオキシカルボニル)−S−メチルイソチオ
尿素・1/2硫酸塩(6.50g)を加え、内温82℃
で6時間加熱還流した。反応混合物にアセトン(200
ml)を加え0〜5℃に冷却下30分間撹拌した後、析出
した結晶を濾取、乾燥して(S)−1−(tert−ブ
チルオキシカルボニル)−3−[2−[3−(4−ニト
ロベンジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルア
ミノ]ピロリジン・1/2硫酸塩(10.50g)を得
た。
【0130】核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3)
δppm : 1.41 (9H, s), 1.60-2.15(6H, m), 3.18-3.57
(4H, m), 4.05-4.35 (3H, m), 5.26 (2H, s), 7.53 (2
H, d, J=8.1 Hz), 8.17 (2H, d, J=8.1 Hz). (2) 0℃に冷却したメタノール(65ml)に濃硫
酸(3.6ml)を滴下し、実施例10−(1)で得ら
れた化合物(10.00g)を加えた。内温40℃で2
時間撹拌し、25℃まで冷却した後、ジイソプロピルエ
ーテル(100ml)を加え1.5時間撹拌した。析出
した結晶を濾過、乾燥して、粉末の標記化合物(10.
9g)を得た。
【0131】核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, D2O) δ
ppm : 1.85-1.96 (1H, m), 2.10-2.25 (1H, m), 3.13-
3.44 (4H, m), 4.01 (2H, s), 4.31-4.39 (1H, m), 5.2
5 (2H, s), 7.48 (2H, d, J=8.6 Hz), 8.10 (2H, d, J=
8.6 Hz)。
【0132】参考例 1(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル−2−
ピロリジンカルボン酸
【0133】
【化16】 (1) (2S,4R)−1−(tert−ブトキシカ
ルボニル)−4−ヒドロキシピロリジンカルボン酸・t
ert−ブチルエステル(3.0g)を、テトラヒドロ
フラン(30ml)に溶解し、氷冷下、N,N−ジイソプ
ロピルエチルアミン(3.2g)を加え、次いで、塩化
メタンスルホニル(2.8g)を滴下し、同温で2時間
撹拌した後、室温で一夜放置した。不溶物を濾別し、減
圧濃縮した後、残留物に酢酸エチル(150ml)を加
え、水(100ml)続いて飽和食塩水(100ml)の順
で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減
圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(関東化学製シリカゲル60N:180g、シクロ
ヘキサン:酢酸エチル=65:35、続いてシクロヘキ
サン:酢酸エチル=60:40)に付し、粉末状の(2
S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−
4−メチルスルホニルオキシピロリジンカルボン酸・t
ert−ブチルエステル(3.5g)を得た。
【0134】赤外線吸収スペクトル (KBr) ν max c
m-1: 1751, 1725, 1696, 1410, 1366,1350, 1178, 116
9. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 1.4
5, 1.47 (18H, s×2),2.19-2.26 (1H, m), 2.52-2.69
(1H, m), 3.05 (3H, s), 3.70-3.88 (2H, m), 4.28-4.3
6 (1H, m), 5.23-5.25 (1H, m). (2) 参考例1−(1)で得られた化合物(3.0
g)のN,N−ジメチルアセトアミド(30ml)溶液
に、チオ酢酸(1.1g)と炭酸セシウム(2.3g)を
加え、70℃で1.5時間撹拌した。反応混合物に酢酸
エチル(150ml)を加え、10%食塩水(100m
l)、水(100ml)及び飽和食塩水(100ml)の順で
洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、減
圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(関東化学製シリカゲル60N:150g、ベンゼ
ン:アセトニトリル=95:5)に附し、粉末状の(2
S,4S)−4−アセチルチオ−1−(tert−ブト
キシカルボニル)ピロリジンカルボン酸・tert−ブ
チルエステル(2.3g)を得た。
【0135】赤外線吸収スペクトル (KBr) ν max c
m-1: 1751, 1703, 1397, 1366, 1254,1149, 1123, 111
3. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 1.44
-1.48 (18H, m), 1.89-1.97 (1H, m), 2.32 (3H, s),
2.65-2.80 (1H, m), 3.27-3.39 (1H, m), 3.91-4.01 (2
H, m), 4.16-4.27 (1H, m). (3) 参考例1−(2)で得られた化合物(0.69
g)の蟻酸(3.5ml)溶液に、4N塩化水素/酢酸エ
チル(0.75ml)を加え、45℃で13.5時間撹拌
した。反応混合物を減圧濃縮した後、残留物にエチルエ
ーテルを加えて粉末化し、濾取、減圧乾燥して、粉末状
の(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−ピロリジン
カルボン酸・塩酸塩(0.42g)を得た。 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, D2O) δ ppm: 2.21-
2.30 (1H, m), 2.38 (3H,s), 2.86-2.93 (1H, m), 3.42
-3.47 (1H, m), 3.84-3.89 (1H, m), 4.13-4.20(1H,
m), 4.47-4.51 (1H, m). (4) 氷冷下、実施例1−(3)で得られた化合物
(0.42g)の塩化メチレン(5ml)懸濁液に、N,
N−ジイソプロピルエチルアミン(0.29ml)を加
え、同温で1時間撹拌した後、減圧濃縮した。残留物に
蟻酸(0.29ml)とホルマリン(0.45ml)を加
え、55℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮
し、残留物をエチルエーテルで洗浄、デカンテーション
により分離して、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ナカライテスク製コスモシール75C18−PR
EP 15g)に附し、水にて溶出した画分を集め、粉
末状の標記化合物(0.21g)を得た。
【0136】赤外線吸収スペクトル (KBr) ν max c
m-1: 1699, 1683, 1622, 1361, 1307,1202, 1116. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, D2O) δ ppm: 2.16-
2.22 (1H, m), 2.38 (3H, s), 2.96-3.04 (1H, m), 2.9
9 (3H, s), 3.69-3.78 (2H, m), 4.06-4.10 (1H, m),
4.22-4.28 (1H, m). (5) 参考例1−(2)で得られた化合物(0.69
g)を蟻酸(3.5ml)に溶解し、4N塩化水素/酢酸
エチル(0.75ml)を加え、45℃で15時間撹拌し
た後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.46
ml)とホルマリン(5.30ml)を加え、55℃で1.
5時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物をヘ
キサン、エチルエーテルの順に洗浄しデカンテーション
により分離した後、逆相シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ナカライテスク製コスモシール75C18−PRE
P 15g)に附し、水にて溶出した画分を集め、粉末状
の標記化合物(0.18g)を得た。各種スペクトルデ
ータは参考例1−(4)の化合物に一致した。
【0137】参考例 2(2S,4S)−4−ベンゾイルチオ−1−メチル−2
−ピロリジンカルボン酸
【0138】
【化17】 (1) (2S,4R)−1−アリルオキシカルボニル
−4−メシルオキシ−1−ピロリジンカルボン酸・アリ
ルエステエル(6.60g)をN,N−ジメチルホルム
アミド(135ml)に溶解し、チオ安息香酸カリウム
(7.00g)を加え、70℃で2時間撹拌した。反応
混合物に酢酸エチル(500ml)を加え、10%食塩水
(300ml)、水(300ml)及び飽和食塩水(300
ml)の順で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾
燥した後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(メルク製シリカゲル60:150
g、ベンゼン:アセトニトリル=99:1)に附し、油
状の(2S,4S)−1−(アリルオキシカルボニル)
−4−ベンゾイルチオ−2−ピロリジンカルボン酸・ア
リルエステル(5.60g)を得た。
【0139】赤外線吸収スペクトル (KBr) ν max c
m-1: 1751, 1710, 1666, 1449, 1407,1341, 1210, 118
9, 1177. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 2.10
-2.20 (1H, m), 2.82-2.96 (1H, m), 3.49-3.58 (1H,
m), 4.16-4.24 (2H, m), 4.47-4.72 (5H, m), 5.12-5.3
6 (4H, m), 5.83-5.99 (2H, m), 7.44-7.50 (2H, m),
7.54-7.61 (1H, m), 7.90-7.92 (2H, m). (2) 参考例2−(1)で得られた化合物(0.38
g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(0)(0.06g)及び、酢酸(0.30g)の塩化
メチレン(20ml)溶液に、室温にて、水素化トリ−n
−ブチルすず(0.64g)を加え30分間撹拌した。
反応混合物に、ピリジン(0.40ml)を加え、減圧濃
縮した後、残留物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ナカライテスク製コスモシール75C18−PRE
P 15g)に附し、水−メタノール(50:50)にて
溶出した画分を集め、粉末状の(2S,4S)−4−ベ
ンゾイルチオ−2−ピロリジンカルボン酸(0.23
g)を得た。
【0140】赤外線吸収スペクトル (KBr) ν max c
m-1: 1620, 1581, 1450, 1389, 1360,1320, 1212. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CD3OD-D2O) δ ppm:
2.42-2.31 (1H, m), 2.89-2.96 (1H, m), 3.45-3.49 (1
H, m), 3.88-3.93 (1H, m), 4.19-4.34 (2H, m), 7.53-
7.58 (2H, m), 7.69-7.73 (1H, m), 7.94-7.97 (2H,
m). (3) 参考例2−(2)で得られた化合物(0.19
g)に、蟻酸(0.11ml)とホルマリン(0.15m
l)を加え、55℃で1時間撹拌した。反応混合物を減
圧濃縮し、残留物をエチルエーテルで洗浄しデカンテー
ションにより分離した後、逆相シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ナカライテスク製コスモシール75C1
8−PREP 15g)に附し、水−メタノール(50:5
0)にて溶出した画分を集め、アモルファス状の標記化
合物(0.12g)を得た。
【0141】核磁気共鳴スペクトル (270 MHz, CD3OD)
δ ppm: 2.20-2.38 (1H, m), 2.45-2.82 (1H, m), 3.00
(3H, s), 3.52-4.55 (4H, m), 7.38-7.56 (2H, m), 7.
59-7.73 (1H, m).7.83-8.00(2H,m)。
【0142】参考例 3(3S)−3−(2−アミノアセチル)アミノ−1−
(tert−ブチルオキシカルボニル)ピロリジン
【0143】
【化18】 (1) Z―グリシン(15.37g)のアセトニトリ
ル(220ml)懸濁液にN,N−カルボニルジイミダゾ
−ル(12.48g)を加え室温で1時間撹拌した。反
応混合物を氷冷下、(3S)−3−アミノ−1−(ter
t−ブチルオキシカルボニル)ピロリジン(13.03
g)のアセトニトリル(100ml)溶液を滴下し室温で
1.5時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物
を酢酸エチルに溶解し水、続いて飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥た後、減圧濃縮した。残留
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:
酢酸エチル=2:8、ヘキサン:酢酸エチル=1:9続
いて酢酸エチル)に付し、無色アモルファスの(3S)
−3−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノアセチ
ル)アミノ−1−(tert−ブチルオキシカルボニ
ル)ピロリジン(21.38g)を得た。
【0144】核磁気共鳴スペクトル (270 MHz, CDCl3)
δppm : 1.46 (9H, s), 1.70-1.90(1H, br), 2.06-2.20
(1H, m), 3.05-3.26 (1H, br), 3.30-3.47 (2H, br),
3.55-3.66 (1H, m), 3.84 (2H, d, J=5.7 Hz), 4.37-4.
50 (1H. m), 5.13 (2H, s),5.40-5.56 (1H, br), 6.38-
6.45 (1H, br), 7.35 (5H, s). (2) 参考例3−(1)の化合物(21.38g)の
エタノール(350ml)溶液に7.5%パラジウム−炭
素触媒(6.0g)を加え、35℃、1気圧で20分間
水素を吸収させた。触媒を濾別した後、減圧濃縮して無
色飴状の標記化合物(13.94g)を得た。
【0145】核磁気共鳴スペクトル (270 MHz, CDCl3)
δ ppm : 1.46 (9H, s), 1.73-1.93(1H, br), 2.08-2.2
6 (1H, m), 3.08-3.57 (3H, m), 3.35 (2H, s), 3.57-
3.70(1H, m), 4.40-4.56 (1H. m)。
【0146】参考例 4(3S)−3−(2−アミノアセチル)アミノ−1−
(tert−ブチルオキシカルボニル)ピロリジン
【0147】
【化19】 (1) 窒素気流中、氷冷下(S)−3−アミノ−1−
(tert−ブチルオキシカルボニル)ピロリジン
(5.5g)の塩化メチレン(55ml)溶液に、トリ
エチルアミン(3.29g)とクロロアセチルクロリド
(5.5g)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合
物に酢酸エチル(200ml)を加え、有機層を水、飽
和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧下濃縮して、無色粉末の(S)−3−クロロア
セチルアミノ−1−(tert−ブチルオキシカルボニ
ルピロリジン(7.75g)を無色粉末として得た。
【0148】赤外線吸収スペクトル (KBr) νcm-1 : 33
28, 2978, 1671, 1547, 1421, 1367, 1159, 1112. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3) δppm : 1.47
(9H, s), 1.82-1.97(1H, m), 2.18-2.41 (1H, m), 3.1
9-3.34 (1H, m), 3.38-3.57 (2H, m), 3.66 (1H, dd, J
=11.5, 6.3Hz), 4.11 (2H, s), 4.43-4.52 (1H, m), 6.
66 (1H, br).MSスペクトル m/z : 263 (M+1)+. 元素分析(C11H19N2O3Clとして計算) 計算値: C, 50.29%; H, 7.29%; N, 10.66%; Cl, 13.49
%. 実測値: C, 49.99%; H, 7.06%; N, 10.60%; Cl, 13.50
%. (2) 窒素気流中、参考例4-(1)で得られた化合
物(200mg)のメタノール(4ml)溶液にヨウ化
ナトリウム(342mg)と28%アンモニア水(4m
l)を加え、室温で20時間撹拌した。反応混合物を減
圧濃縮し、水(20ml)、炭酸カリウム、塩化ナトリ
ウムを加え塩化メチレンで抽出した(20mlで6
回)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧
下濃縮して、油状の標記化合物(161mg)を得た。
スペクトルデータは、参考例3-(2)の化合物に一致
した。 (3) 窒素気流下、参考例4-(1)で得られた化合
物(5.0g)のN,N−ジメチルホルムアミド(50
ml)溶液にアジ化ナトリウム(2.47g)を加え、
100℃で3時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル5
00mlを加え、10%食塩水(300mlで3回)、続
いて飽和食塩水(100ml)で洗浄し、有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル15
0g、ヘキサン:酢酸エチル=1:1、続いて1:5)に
付し、アモルファス状の(S)−3−アジドアセチルア
ミノ−1−t−ブチルオキシカルボニルピロリジノン
(4.47g)をアモルファスとして得た。 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3) δppm : 1.47
(9H, s), 2.14-2.23 (1H, m), 3.12-3.33 (1H, m), 3.
36-3.51 (2H, m), 3.64 (1H, dd, J=11.5, 6.2 Hz), 4.
01 (2H, s), 4.41-4.51 (1H, m), 6.36 (1H, br). MSスペクトル m/z : 270 (M+1)+ (4) 参考例4−(3)で得られた化合物(1.08
g)のメタノール(21.6ml)溶液に20%水酸化
パラジウム−炭素(1.08g)を加え、常温、常圧で
3.5時間激しく撹拌しながら水素を吸収させた。触媒を
濾別し、濾液を減圧下濃縮して、油状の標記化合物(9
73mg)を得た。スペクトルデータは参考例3−
(2)の化合物に一致した。
【0149】参考例 5(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
[(3S)−3−[2−[2,3−ビス(4−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミ
ノ]ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピ
ロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒド
ロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エ
ム−3−カルボン酸 4−ニトロベンジルエステル
【0150】
【化20】 (2S,4S)―4−アセチルチオ−2−[(3S)−
3−[2−[2,3−ビス(4−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリジン
−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン(4.
3g)のN,N−ジメチルホルムアミド(86ml)溶
液にヒドラジン・酢酸(652mg)を加え室温で4時
間撹拌した。反応混合物に(1R,5R,6S)−6−
[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−2
−ジフェニルホスホリルオキシ−1−カルバペン−2−
エム−3−カルボン酸 4−ニトロベンジルエステル
(3.53g)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン
(1.34ml)を加え−30℃で3日間反応した。反
応混合物を1%炭酸水素ナトリウム水溶液に加え、析出
した粉末を濾取、水洗した。得られた粉末を、テトラヒ
ドロフラン:酢酸エチル=3:7に溶解し、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(10%メタノール
/酢酸エチル、続いて20%メタノール/酢酸エチル)で
精製、更に、テトラヒドロフランに溶解し、酢酸エチ
ル:エーテル=1:1にて再沈殿することにより、淡黄
色粉末の標記化合物(4.02g)を得た。
【0151】赤外線吸収スペクトル (KBr) ν max cm
-1 : 3336, 1772, 1741, 1688, 1643, 1610, 1522, 144
7, 1378, 1347. 核磁気共鳴スペクトル (270 MHz, CDCl3) δppm : 1.17
-1.40 (6H, m), 1.64-2.40 (4H, m), 2.33 (3H, s), 2.
47-2.80 (2H, m), 3.00-3.38 (3H, m), 3.46-3.83 (5H,
m), 3.93-4.60 (5H, m), 5.12-5.54 (6H. m), 7.21 (1
H, d, J=6.5 Hz), 7.46-7.70 (6H, m), 8.10-8.28 (6H,
m), 8.80-9.10 (1H, br), 11.60 (1H,br)。
【0152】参考例 6(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
[(3S)−3−[2−[3−(4−ニトロベンジルオ
キシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリ
ジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン−
4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カル
ボン酸 4−ニトロベンジルエステル
【0153】
【化21】 (1) (2S,4S)―4−アセチルチオ−1−メチ
ル−2−[(3S)−3−[2−[3−(4−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミ
ノ]ピロリジン−1−イルカルボニル]ピロリジン
(1.00g)のメタノール(20ml)溶液に0℃で
ナトリウムメチラート(98.3mg)を加え1時間撹
拌した。反応後、反応液に4N塩化水素/酢酸エチル
(0.46ml)を加え減圧濃縮した。残留物はN,N
−ジメチルホルムアミド(10ml)溶液に溶解し、氷
冷下(1R,5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒド
ロキシエチル]−1−メチル−2−ジフェニルホスホリ
ルオキシ−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸
4−ニトロベンジルエステル(1.08g)とN,N
−ジイソプロピルエチルアミン(0.32ml)のN,
N−ジメチルホルムアミド(10ml)溶液に加え、0
℃で一夜反応した。反応終了後、反応混合物を1%炭酸
水素ナトリウム水溶液に加え析出した粉末を濾取、水
洗、乾燥した。得られた粗粉末を、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(メタノール:酢酸エチル=1:3、
続いてメタノール:酢酸エチル=1:2)に付し、標記
化合物(975mg)を得た。
【0154】赤外線吸収スペクトル (KBr) νmax cm-1
:3384, 3113, 3080, 2970, 2875,2789, 1770, 1643, 1
609, 1522, 1450, 1379, 1346, 1322, 1287, 1209, 118
1,1136, 1109. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3) δppm : 1.08
-2.22 (6H, m), 1.75-2.26 (6H, m), 2.44-2.76 (2H,
m), 2.89-3.00 (1H, m), 3.03-3.15 (1H, m), 3.18-3.6
5 (6H, m), 3.68-3.90 (3H, m), 3.93-4.06 (1H, m),
4.13-4.35 (2H, m), 5.05-5.15 (2H, m), 5.30, 5.45
(each 1H, d, J=14.1), 7.58 (2H. dd, J=8.8, 2.7 H
z), 7.74 (2H, d, J=8.7 Hz), 8.18-8.33 (4H, m)。
【0155】参考例 7(1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−2−
[(3S)−3−[2−[3−(4−ニトロベンジルオ
キシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリ
ジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン−
4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カル
ボン酸 4−ニトロベンジルエステル
【0156】
【化22】 (2S,4S)―4−アセチルチオ−1−メチル−2−
[(3S)−3−[2−[3−(4−ニトロベンジルオ
キシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリ
ジン−1−イルカルボニル]ピロリジン(500mg)
のエタノール(5ml)溶液に4N塩化水素/酢酸エチ
ル(2.7ml)を加え50℃で3時間撹拌した。反応
混合物にエーテルを加え析出した粉末をデカンテーショ
ンにより分離して、減圧乾燥した。得られた粉末をN,
N−ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解し、氷冷
下N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.63m
l)と(1R,5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒ
ドロキシエチル]−1−メチル−2−ジフェニルホスホ
リルオキシ−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン
酸 4−ニトロベンジルエステル(541mg)を加え
一夜反応した。反応終了後、反応混合物を1%炭酸水素
ナトリウム水溶液に加え析出した粉末を濾取、水洗、乾
燥した。得られた粗粉末を、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(30%メタノール/酢酸エチル、続いて5
0%メタノール/酢酸エチル)に付し、標記化合物(4
46mg)を得た。このものは、赤外線吸収スペクトル
及び核磁気共鳴スペクトルにおいて参考例6−(2)で
得られた化合物に一致した。
【0157】参考例 8(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
[(3S)−3−(2−グアニジノアセチルアミノ)ピ
ロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジ
ン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3
−カルボン酸・1/2エタノール
【0158】
【化23】 (1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
[(3S)−3−[2−[2,3−ビス(4−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミ
ノ]ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピ
ロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒド
ロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エ
ム−3−カルボン酸 4−ニトロベンジルエステル(1
0.00g)のテトラヒドフラン(250ml)−水
(150ml)溶液に7.5%パラジウムー炭素(5
3.1%水含有)(10.00g)を加え、35℃で撹
拌しながら水素を2時間吸収させた。触媒を濾別し、濾
液をエ−テルで洗浄した後、メンブレンフィルターで濾
過してから、約50mlまで減圧濃縮した。残留物に、
エタノール100mlを加え、超音波にて刺激し結晶を
析出させた後、氷冷却下静置した。析出した結晶を濾
取、エタノール:水=2:1、エタノール、エーテルの
順で洗浄、乾燥し、無色結晶の標記化合物(3.30
g)を得た。
【0159】融点 235-250℃(分解)。
【0160】赤外線吸収スペクトル (KBr) ν max cm
-1: 3405, 3344, 3273, 3207, 2969,2883, 2795, 1760,
1673, 1644, 1591, 1553, 1452, 1415, 1381, 1370, 1
341,1311, 1283, 1255. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, D2O) δppm: 1.15-1.
25 (4.5H, m), 1.30 (3H, d, J=6.4 Hz), 1.57-1.72 (1
H, m), 1.93-2.13 (1H, m), 2.15-2.35 (1H, m), 2.27,
2.29 (3H, s×2), 2.68-2.88 (2H, m), 3.08 (1H, d,
J=10.7 Hz), 3.29-3.73 (7H, m), 3.75-3.93 (2H, m),
4.01 (3H, s), 4.16-4.31 (2H, m), 4.37-4.49 (1H,
m). 元素分析(C23H35N7O6S・1/2C2H6Oとして計算) 計算値:C, 51.41%; H, 6.83%; N, 17.49%; S, 5.72%. 実測値:C, 51.13%; H, 6.96%; N, 17.17%; S, 5.72%。
【0161】参考例 9(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−
[(3S)−3−(2−グアニジノアセチルアミノ)ピ
ロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジ
ン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシ
エチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3
−カルボン酸・1/2エタノール
【0162】
【化24】 (1R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−2−[(2S,4S)−1−
メチル−2−[(3S)−3−[2−[3−(4−ニト
ロベンジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルア
ミノ]ピロリジン−1−イルカルボニル]ピロリジン−
4−イルチオ]−1−カルバペン−2−エム−3−カル
ボン酸 4−ニトロベンジルエステル(112mg)の
テトラヒドフラン(2.2ml)−水(2.2ml)溶
液に7.5%パラジウムー炭素(53.1%水含有)
(112mg)を加え、35℃で撹拌しながら水素を2
時間吸収させた。触媒を濾別し、濾液をエ−テルで洗浄
した後、メンブレンフィルターで濾過してから、約1ml
まで減圧濃縮した。残留物に、エタノール2mlを加
え、超音波にて刺激し結晶を析出させた後、氷冷却下、
静置した。析出した結晶を濾取、エタノール:水=2:
1、エタノール、エーテルの順で洗浄、乾燥し、無色粉
末結晶の標記化合物(45mg)を得た。このものは、
融点、赤外線吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトルお
よび元素分析において参考例8で得られた化合物に一致
した。
【0163】参考例 10(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−4−ヒドロキシピロリジンカルボン酸・tert
−ブチルエステル
【0164】
【化25】 (2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−4−ヒドロキシピロリジンカルボン酸(1.31
g)と塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(2.28
g)のN,N−ジメチルアセタミド(80ml)溶液に
臭化tert−ブチル(45.7ml)と炭酸カリウム
(30.4g)を加え55℃で30時間撹拌した。反応
混合物に酢酸エチルを加え、水、10%食塩水、飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減
圧濃縮して、無色粉末の標記目的化合物(2.36g)
を得た。
【0165】核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, DMSO-
d6) δ ppm: 1.28-1.46 (18H, m), 1.80-1.92 (1H, m),
2.02-2.16 (1H, m), 3.18-3.45 (2H, m), 4.02-4.11
(1H, m), 4.18-4.28 (1H, m)。
【0166】参考例 11(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−4−メチルスルホニルオキシピロリジンカルボン
酸・tert−ブチルエステル
【0167】
【化26】 (1) 氷冷下、(2S,4R)−1−(tert−ブ
トキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジンカルボ
ン酸(2.31g) とトリエチルアミン(1.39m
l)の乾燥塩化メチレン(50ml)溶液にクロロトリ
メチルシラン(1.27ml)を滴下した。室温で1時
間撹拌した後、氷冷下トリエチルアミン(1.68m
l)を加えてから塩化メタンスルホニル(0.93m
l)を滴下し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を減
圧濃縮した後、残留物に酢酸エチルを加えてから、水、
飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧
濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
−(ベンゼン:アセトニトリル=9:1、ベンゼン:ア
セトニトリル=8:2、続いてベンゼン:アセトニトリ
ル=7:3)に付し、アモルファス状の(2S,4R)
−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メチル
スルホニルオキシピロリジンカルボン酸(2.22g)
を得た。
【0168】核磁気共鳴スペクトル (270 MHz, CDCl3)
δ ppm: 1.33-1.58 (9H, m), 2.25-2.83 (2H, m), 3.07
(3H, s), 3.63-3.82 (2H, m), 4.37-4.60 (1H, m), 5.
20-5.33 (1H, m). (2) 氷冷下。参考例11−(1)で得られた化合物
(1.30g)の乾燥アセトニトリル(50ml)溶液
に、ジ−tert−ブチルジカーボナート(1.37
g)、トリエチルアミン(0.88ml)と4−ジメチ
ルアミノピリジン(0.05g)を加え室温で一夜反応
した後、40℃で2時間撹拌したした。反応混合物に酢
酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:酢
酸エチル=65:35、続いてシクロヘキサン:酢酸エ
チル=60:40)に付し、粉末状の標記目的化合物
(600mg)を得た。各種スペクトルデータは参考例
1−(1)の化合物に一致した。
【0169】参考例 12(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル−2−
ピロリジンカルボン酸
【0170】
【化27】 (1) 窒素気流中、水素化ナトリウム(60%鉱油懸
濁)(432mg)のN,N−ジメチルホルムアミド
(25ml)懸濁液に、室温で(2S,4R)−1−
(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピ
ロリジンカルボン酸(2.50g)を少量ずつ加え、次に
臭化アリル(1.96g)を滴下し、一夜反応した。反
応混合物に酢酸エチルを加え、希塩酸、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
3:1)に付し、無色油状の(2S,4R)−1−(t
ert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリ
ジンカルボン酸・アリルエステル(2.86g)を得
た。
【0171】赤外線吸収スペクトル (KBr) ν max c
m-1: 3443, 1749, 1702, 1680, 1547,1479, 1455, 141
4, 1369, 1341. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 1.4
2, 1.46 (9H, s×2), 1.78-1.90 (1H, m), 2.03-2.16
(1H, m), 2.22-2.38 (1H, m), 2.40-2.68 (2H, m), 4.3
8-4.74 (4H, m), 5.19-5.39 (2H, m), 5.86-5.98 (1H,
m). MSスペクトル m/z : 272 (M+1)+. (2) 窒素気流中(2S,4R)−1−(tert−
ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジンカル
ボン酸(5.00g)とトリエチルアミン(3.34m
l)のN,N−ジメチルホルムアミド(25ml)溶液
に、臭化アリル(2.88g)を滴下し、60℃で3時
間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、希塩酸、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:
酢酸エチル=3:1)に付し、無色油状の(2S,4
R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒ
ドロキシピロリジンカルボン酸・アリルエステル(5.
00g)を得た。各種スペクトルデータは参考例12−
(1)の化合物に一致した。 (3) 窒素気流中、0℃で参考例12−(1)で得ら
れた化合物(4.90g)とトリエチルアミン(2.2
0g)のテトラヒドロフラン(60ml)溶液に、塩化
メタンスルホニル(2.28g)を滴下し、0℃で30
分間、室温で2.5時間撹拌した。反応混合物に酢酸エ
チルを加え、10%食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム、
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1、続いてヘキサン:
酢酸エチル=1:1)に付し、無色油状の(2S,4
R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メ
チルスルホニルオキシピロリジンカルボン酸・アリルエ
ステル(6.24g)を得た。
【0172】赤外線吸収スペクトル (KBr) ν max c
m-1: 1748, 1702, 1650, 1545, 1480,1456, 1403, 136
7, 1286, 1260, 1233, 1174. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 1.4
2, 1.47 (9H, s×2), 2.22-2.82 (1H, m), 2.54-2.73
(1H, m), 3.06 (3H, s), 3.68-3.90 (2H, m), 4.37-4.7
3 (3H, m), 5.17-5.38 (3H, m), 5.83-5.97 (1H, m). MSスペクトル m/z : 350 (M+1)+. (4) 窒素気流中、参考例12−(3)で得られた化
合物(9.78g)のN,N−ジメチルアセトアミド
(100ml)溶液に、チオ酢酸(3.62g)と炭酸セ
シウム(7.75g)を加え、70℃で1.5時間撹拌
した。反応混合物に酢酸エチルを加え、20%食塩水、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水の順で
洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧
濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1、ヘキサン:酢酸エ
チル=4:1、ヘキサン:酢酸エチル=3:1、続いて
ヘキサン:酢酸エチル=2:1)に附し、油状の(2
S,4S)−4−アセチルチオ−1−(tert−ブト
キシカルボニル)ピロリジンカルボン酸・アリルエステ
ル(8.02g)を得た。
【0173】赤外線吸収スペクトル (KBr) ν max c
m-1: 1751, 1702, 1650, 1479, 1455,1397, 1368, 129
2, 1257. 核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 1.4
1, 1.46 (9H, m), 1.92-2.05 (1H, m), 2.33 (3H, s),
2.65-2.84 (1H, m), 3.27-3.40 (1H, m), 3.90-4.05 (2
H, m), 4.28-4.44 (1H, m), 4.55-4.77 (2H, m), 5.20-
5.40 (2H, m), 5.84-6.00 (1H, m). MSスペクトル m/z : 330 (M+1)+. (5) 窒素気流中、参考例12−(4)で得られた化
合物(329mg)、蟻酸(189μl)、トリエチル
アミン(701μl)、トリフェニルホスフィン(58
mg)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(0)(58mg)のテトラヒドロフラン(6ml)
溶液を室温で一夜反応した。反応混合物に酢酸エチルを
加え、希塩酸、10%食塩水、及び飽和食塩水の順で洗
浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃
縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン:酢酸エチル=1:1、ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:2、ヘキサン:酢酸エチル=1:4、続いてヘ
キサン:酢酸エチル=1:5)に附し、粉末状の(2
S,4S)−4−アセチルチオ−1−(tert−ブト
キシカルボニル)ピロリジンカルボン酸(279mg)
を得た。
【0174】核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, CDCl3)
δ ppm: 1.32, 1.43 (9H, m), 1.96-2.15 (1H, m), 2.3
4 (3H, s), 2.56-2.85 (1H, m), 3.23-3.40 (1H, m),
3.90-4.04 (2H, m), 4.27-4.45 (1H, m). (6) 窒素気流中、参考例12−(4)で得られた化
合物(329mg)、蟻酸(189μl)、トリエチル
アミン(701μl)、トリフェニルホスフィン(92
mg)と酢酸パラジウム(11mg)のテトラヒドロフ
ラン(9.5ml)溶液を室温で5.5時間撹拌した。反
応混合物に酢酸エチルを加え、希塩酸、10%食塩水、
及び飽和食塩水の順で洗浄した後、有機層を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:
1、ヘキサン:酢酸エチル=1:2、ヘキサン:酢酸エ
チル=1:4、続いてヘキサン:酢酸エチル=1:5)
に附し、粉末状の(2S,4S)−4−アセチルチオ−
1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジンカル
ボン酸(257mg)を得た。スペクトルデータは、参
考例12-(5)の化合物に一致した。 (7) 窒素気流中、参考例12−(4)で得られた化
合物(329mg)、蟻酸(189μl)、トリエチル
アミン(701μl)、トリフェニルホスフィン(92
mg)と塩化パラジウムトリフェニルホスフィン錯体
(35mg)のテトラヒドロフラン(9ml)溶液を室温
で一夜反応した。反応混合物に酢酸エチルを加え、希塩
酸、10%食塩水、及び飽和食塩水の順で洗浄した後、
有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=1:1、ヘキサン:酢酸エチル=1:
2、ヘキサン:酢酸エチル=1:4、続いてヘキサン:
酢酸エチル=1:5)に附し、粉末状の(2S,4S)
−4−アセチルチオ−1−(tert−ブトキシカルボ
ニル)ピロリジンカルボン酸(199mg)を得た。ス
ペクトルデータは、参考例12-(5)の化合物に一致
した。 (8) 参考例12-(5)で得られた化合物(250m
g)の蟻酸(4ml)溶液を室温で4時間撹拌した。反
応混合物を減圧濃縮して、粉末の(2S,4S)−4−
アセチルチオピロリジンカルボン酸(218mg)を得
た。
【0175】核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, DMSO-d6
+CDCl3) δ ppm: 2.04-2.14 (1H, m), 2.36 (3H, s),
2.70-2.81 (1H, m), 3.30-3.38 (1H, m), 3.70-3.77 (1
H, m), 4.02-4.15 (2H, m). (9) 参考例12-(5)で得られた化合物(1.10
g)の蟻酸(10ml)溶液を室温で4時間撹拌した
後、反応混合物を減圧濃縮した。残留物に蟻酸(430
μl)とホルマリン(1.3ml)を加え55℃で1.
5時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物をエ
チルエーテルで洗浄、デカンテーションにより分離し
て、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ナカラ
イテスク製コスモシール75C18−PREP)に附
し、水にて溶出した画分を集め、粉末状の標記化合物
(302mg)を得た。参考例1-(4)の化合物に一致
した。
【0176】参考例 13(S)−3−アミノ−1−tert−ブトキシカルボニ
ルピロリジン
【0177】
【化28】 (1) (R)−3−ヒドロキシピロリジン・塩酸塩
(1.0 g)をジクロロメタン(20ml)に溶解し、
氷冷下、トリエチルアミン(819 mg)およびジ−
tert−ブチルジカーボネート(1.77 g)を加
えた。反応液にジクロロメタン(300 ml)を加
え、有機層を重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣
をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 50g、ヘキ
サン:酢酸エチル=1:1−1:4)で精製し、油状物質と
して(R)−1−tert−ブトキシカルボニル−3−ヒ
ドロキシピロリジン(1.51 g)を得た。
【0178】核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3)
δppm : 1.46 (9H, s), 1.93-2.02 (2H, m), 3.27-3.56
(4H, m), 4.42-4.49 (1H, m). MSスペクトル m/z : 187 (M+). (2) 参考例13−(1)で得られた化合物(2.3
3 g)をジクロロメタン(45 ml)に溶解し、氷冷
下、トリエチルアミン(1.39 g)および塩化メタ
ンスルホニル(1.57 g)を加えた。反応液に酢酸
エチル(150ml)を加え、有機層を重曹水、飽和食
塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧
下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル 50g、ヘキサン:酢酸エチル=2:1−1:
3)で精製し、油状物質として(R)−1−tert−ブ
トキシカルボニル−3−メタンスルホニルオキシピロリ
ジン(3.29 g)を得た。
【0179】赤外線吸収スペクトル (neat) νmax cm-1
: 2978, 1695, 1409, 1364, 1171,1118, 958, 902. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm : 1.47
(9H, s), 2.08-2.20 (1H, m), 2.20-2.35 (1H, m), 3.0
5 (3H, s), 3.41-3.73 (4H, m), 5.24-5.28 (1H, m). MSスペクトル m/z : 266(M+1)+. (3) 窒素気流下、参考例13−(2)で得られた化
合物(1.0 g)のDMF溶液(20 ml)にアジ化ナ
トリウム(270 mg)を加え、100℃で2.5時間撹拌
した。反応液に酢酸エチル(300 ml)を加え、有
機層を重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル 50g、ヘキサン:
酢酸エチル=5:1−1:1)で精製し、油状物質として
(S)−3−アジド−1−tert−ブトキシカルボニ
ルピロリジン(734 mg)を得た。
【0180】赤外線吸収スペクトル (neat) νmax cm-1
: 2978, 2104, 1699, 1405, 1168,1114. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δ ppm : 1.47
(9H, s), 1.96-2.20(2H, m) , 3.13-3.28 (4H, m), 4.
10-4.18 (1H, m). MSスペクトル m/z : 213 (M+1)+. (4) 窒素気流下、参考例13−(3)で得られた化
合物(100 mg)のアセトニトリル溶液(2 ml)
にトリフェニルホスフィン(130 mg)を加え、70
℃で1.5時間撹拌した後、硫酸ナトリウム・10水和物
(159 mg)を加え3.5時間攪拌した。反応液をろ過
した後、ろ液を濃縮乾固した。水(20ml)と1N塩
酸(0.71 ml)を加え、水層をジクロロメタンで
洗浄した後、水層に炭酸カリウム、塩化ナトリウムをく
わえ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、減圧下濃縮することにより、無色粉
末として(S)−3−アミノ−1−tert−ブトキシ
カルボニルピロリジン(78mg)を得た。
【0181】赤外線吸収スペクトル (KBr) νmax cm
-1 : 2976, 1695, 1416, 1175. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, D2O) δppm : 1.47 (9
H, s), 2.04-2.16 (1H, m), 2.30-2.42 (1H, m), 3.40-
3.60 (1H, m), 3.62-3.79 (1H, m), 3.95-4.03(1H, m). MSスペクトル m/z : 187 (M+1)+. (5)参考例13−(3)で得られた化合物(200
mg)のメタノール溶液(4 ml)に10% パラジウム
−炭素触媒(200 mg)を加え、水素気流下、室温
で5時間撹拌した。反応液をろ過した後、ろ液を濃縮
し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(逆相用
シリカゲル 10g、水:アセトニトリル=4:1−1:1)
で精製し、無色粉末として(S)−3−アミノ−1−t
ert−ブトキシカルボニルピロリジン(118 m
g)を得た。
【0182】赤外線吸収スペクトル (KBr) νmax cm
-1 : 2976, 1695, 1416, 1175. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, D2O) δppm : 1.47 (9
H, s), 2.04-2.16 (1H, m), 2.30-2.42 (1H, m), 3.40-
3.60 (1H, m), 3.62-3.79 (1H, m), 3.95-4.03(1H, m). MSスペクトル m/z : 187 (M+1)+. 参考例 14(3S)−3−tert−ブチルオキシカルボニルアミ
ノピロリジン
【0183】
【化29】 (1) 塩化カルシウム(2.2g)を乾燥エタノール
(25ml)に溶解し、氷冷下、水素化ほう素ナトリウ
ム(0.57g)を加え、同温で1時間撹拌した。次い
で、L−N−tert−ブチルオキシカルボニルアスパ
ラギン酸 ジメチル(2.6g)の乾燥エタノール(2
5ml)溶液を、氷冷下、滴下により加え、同温で2時
間、室温で3時間撹拌した後、室温で一夜放置した。
【0184】反応液に、氷冷下、クエン酸水溶液を加
え、pHを4に調整し、次いで、同温にて炭酸水素ナト
リウム水溶液を加え、pHを6に調整した後、減圧濃縮
によりエタノールを溜去した。残った水層に食塩を加
え、酢酸エチルで2回抽出し、有機層を併せて無水硫酸
マグネシウムで脱水、減圧濃縮した。
【0185】残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(富士シリシア化学製シリカゲルFL−100B
(100g)に附し、酢酸エチル:メタノール(95:
5)にて溶出した画分より、油状の(2S)−2−te
rt−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,4−ブタン
ジオール(2.0g)を得た。
【0186】赤外線吸収スペクトル(KBr) νmax cm-1:
3348, 2977, 2936, 1687, 1529, 1368, 1251, 1172, 10
55. 核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl3) δppm: 1.45 (9
H, s), 1.54-1.65 (1H, m), 1.77-1.88 (1H, m), 2.65-
3.10 (1H, br), 3.20-3.55 (1H, br), 3.63-3.93 (5H,
m), 5.09-5.10 (1H, m). MSスペクトルm/e : 206 (M+1)+. (2) 参考例14−(1)で得られた化合物(2.0
g)を、乾燥塩化メチレン(40ml)に溶解し、氷冷
下、トリエチルアミン(4.2ml)及び、塩化メタン
スルホニル(1.9ml)を滴下により加え、同温で1
時間、室温で30分間撹拌した。
【0187】反応液を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナ
トリウム水溶液、水、飽和食塩水の順で洗浄した後、有
機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧濃縮した。
【0188】残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(富士シリシア化学製シリカゲルFL−100B
(100g)に附し、塩化メチレン:シクロヘキサン:
酢酸エチル(50:20:30)にて溶出した画分よ
り、粉末状の2S)−2−tert−ブチルオキシカル
ボニルアミノ−1,4−ジメタンスルホンオキシブタン
(2.8g)を得た。
【0189】赤外線吸収スペクトル (KBr) νmax cm-1:
3387, 1687, 1514, 1347, 1172. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm: 1.45
(9H, s), 1.93-2.11 (2H, m), 2.87 (3H, s), 2.88 (3
H, s), 4.04-4.11 (1H, m), 4.25-4.40 (4H, m),4.79-
4.81 (1H, m). MSスペクトル m/e : 362 (M+1)+. (3) 参考例14−(2)で得られた化合物(0.5
g)をアセトニトリル(5ml)に溶解し、28%−ア
ンモニア水(5ml)及び炭酸ナトリウム(1.5g)
を加え、室温で2日間撹拌した後、反応液を濾過し、濾
液を減圧濃縮、減圧乾燥した。
【0190】残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(富士シリシア化学製シリカゲルFL−100B
(15g)に附し、塩化メチレン:メタノール(50:
50〜0:100)にて溶出した画分より、アモルファ
ス状の標記目的化合物(0.07g)を得た。
【0191】核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3)
δppm: 1.45 (9H, s), 1.53-1.68 (1H, m), 2.03-2.18
(1H, m), 2.27-2.46 (1H, br), 2.73-2.82 (1H, m), 2.
87-2.96(1H,m), 3.00-3.15 (2H, m), 4.01-4.21 (1H, b
r), 4.72-4.93 (1H, br). MSスペクトルm/e : 187 (M+1)+. 参考例 15(S)−1−ベンゾイル−3−tert−ブトキシカル
ボニルアミノピロリジン
【0192】
【化30】 (1) 窒素気流下、N−(tert−ブトキシカルボ
ニル)−L−アスパラギン(4.64 g)のアセトニ
トリル溶液(50ml)にトリエチルアミン(6.68
g)塩化メタンスルホニル(2.52 g)を加え、-2
0℃で30分撹拌した。さらに-10℃でクロロギ酸エチル
(4.77 g)を加え、30分攪拌後、メタノール
(13ml)、トリエチルアミン(4.05 mg)を
加えた。室温まで昇温後、室温で30分撹拌し、反応液
に酢酸エチル(150ml)を加えた。有機層を重曹
水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル 150g、ヘキサン:酢酸エチル
=2:1−1:2)で精製し、無色粉末として(S)−2−
tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−シアノプロ
ピオン酸メチル(4.19g)を得、さらにヘキサン−
酢酸エチルより再結晶することにより無色結晶(2.6
4g)を得た。
【0193】赤外線吸収スペクトル (KBr) νmax cm-1:
3360, 2995, 1737, 1676, 1522, 1352, 1298, 1235, 1
205, 1160. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm : 1.46
(9H, s), 2.29 (1H, dd, J = 16.8, 4.4 Hz), 3.16 (1
H, dd, J = 16.8, 5.3 Hz), 3.85 (3H, s), 4.48-4.58
(1H, m), 5.39-5.52 (1H, m). MSスペクトル m/z : 229 (M+1)+. 旋光度 [α]D 25 +41.2°(c 1.13, CHCl3) 融点 80-81℃ (2) 窒素気流下、塩化カルシウム(139 mg)
及び水素化ホウ素ナトリウム(47 mg)のエタノー
ル溶液(5ml)に、参考例15−(1)で得られた化
合物(285 mg)を加え、0℃で1時間、室温で30
分撹拌した。反応液に、クエン酸水溶液を加えた後、重
曹水で中和し酢酸エチル(50ml)を加え抽出した。
有機層を重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をカ
ラムクロマトグラフィー(シリカゲル 10g、ヘキサ
ン:酢酸エチル=1:2−1:6)で精製し、無色油状物質
として(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ−3−シアノプロパノール(225 mg)を得た。
【0194】赤外線吸収スペクトル (neat) νmax cm-1
: 3432, 3351, 2980, 1693, 1525,1369, 1253, 1170,
1064, 916, 735. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm : 1.46
(9H, s), 2.19 (1H, t, J = 5.1 Hz), 2.73 (2H, d, J
= 5.9 Hz), 3.67-3.89 (2H, m), 3.90-4.10 (1H, m),
5.04 (1H, br d, J = 7.3 Hz). MSスペクトル m/z : 201 (M+1)+. (3) 窒素気流下、参考例15−(2)で得られた化
合物(1.09 g)のテトラヒドロフラン溶液(20
ml)に、トリエチルアミン(661 mg)塩化メタ
ンスルホニル(686 mg)を加え、0℃で1時間、室
温で1時間撹拌した。酢酸エチル(150ml)を加え
抽出し、有機層を希塩酸、重曹水、飽和食塩水で順次洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。
得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル
50g、ヘキサン:酢酸エチル=2:1−1:6)で精製
し、(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ
−3−シアノ−1−メタンスルホニルオキシプロパン
(1.38 g)を得、さらにヘキサン−酢酸エチルよ
り再結晶することにより無色結晶(1.15g)を得
た。
【0195】赤外線吸収スペクトル (KBr) νmax cm
-1 : 3353, 2983, 1684, 1530, 1352,1290, 1171, 100
5, 972, 834. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm): 1.46
(9H, s), 2.76 (2H, d, J = 6.6 Hz), 3.11 (3H, s),
4.17-4.28 (1H, m), 4.34 (1H, dd, J = 10.3,3.7 Hz),
4.40 (1H, dd, J = 10.3, 4.4 Hz), 4.95-5.07 (1H,
m). MSスペクトル m/z : 279 (M+1)+ 旋光度 [α]D 25 +8.83°(c 0.68, CHCl3) 融点 110-111℃ (4) 窒素気流下、参考例15−(3)で得られた化
合物(1.39 g)のDMF溶液(15ml)にアジ化ナ
トリウム(598 mg)を加え、50oCで5時間撹拌した
後、反応液に酢酸エチル150mlを加え、重曹水、飽和食
塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧
下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル 150g、ヘキサン:酢酸エチル=2:1−
1:1)で精製し、油状物質として(S)−1−アジド−
2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−シアノ
プロパン(1.09 g)を得た。
【0196】赤外線吸収スペクトル (neat) cm-1 : 333
9, 2981, 2108, 1699, 1522, 1369,1253, 1169. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm : 1.46
(9H, s), 2.60-2.79 (2H, m) 3.55 (2H, dd, J = 12.5,
5.9 Hz), 3.16 (1H, dd, J = 12.5, 4.4 Hz),3.97-4.1
2 (1H, m), 4.76-4.93 (1H, br). MSスペクトル m/z : 226 (M+1)+ 旋光度 [α]D 25 +2.94°(c 0.66, CHCl3) (5) 参考例15−(4)で得られた化合物(56
mg)をメタノール(2ml)及び水(225 μl)に
溶解し、5%ロジウム-炭素触媒(51 mg)を加え、室
温、水素気流下にて7時間反応させた。触媒をろ過した
後、ろ液を濃縮した、。残渣をテトラヒドロフランに溶
解し、トリエチルアミン(101 mg)塩化ベンゾイ
ル (105 mg)を加えた。反応液に酢酸エチルを加
え、有機層を重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣
をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 5g、ヘキサ
ン:酢酸エチル=1:2−1:6)で精製し、無色油状物質
として標記目的化合物(S)−1−ベンゾイル−3−t
ert−ブトキシカルボニルアミノピロリジン(43
mg)を得た。
【0197】赤外線吸収スペクトル (neat) νmax cm-1
: 3300, 2977, 1711, 1622, 1528,1429, 1171. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm: 1.41,
1.47 (9H, s x2), 1.82-1.94 (1H, m), 2.08-2.30 (1H,
m), 3.25-3.96 (4H, m), 4.08-4.38 (1H, m),4.54-4.7
3 (1H, m), 7.39-7.57 (5H, m). MSスペクトル m/z : 279 (M+) 参考例 16(S)−1−ベンゾイル−3−tert−ブトキシカル
ボニルアミノピロリジン
【0198】
【化31】 (1) 窒素気流下、参考例14−(2)で得られた化
合物(91 mg)のDMF溶液(3ml)にアジ化ナトリ
ウム(36 mg)を加え、氷冷下で23時間撹拌した
後、室温で5時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(20
ml)を加え、重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた
残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 5g、ヘ
キサン:酢酸エチル:ジクロロメタン=1:1:1−1:
3:1)で精製し、無色結晶として(S)−4−アジド−
2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−1−メタン
スルホニルオキシブタン(54 mg)を得た。
【0199】赤外線吸収スペクトル (neat) νmax cm-1
: 3355, 2940, 2109, 1689, 1527,1354, 1184, 977. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm: 1.45
(9H, s), 1.71-1.92 (2H, m) 3.05 (3H, s), 3.39-3.51
(2H, m), 3.95-4.05 (1H, m), 4.24 (1H, dd,J = 10.
3, 3.7 Hz), 4.30 (1H, dd, J = 10.3, 5.1 Hz), 4.73
(1H, br d, J =8.1 Hz). MSスペクトル m/z : 309 (M+1)+ 旋光度 [α]D 25 -28.1°(c 1.08, CHCl3) 融点 80-81℃ (2) 参考例16−(1)で得られた化合物(77
mg)をメタノール(2ml)に溶解し、10%パラジウ
ム-炭素触媒(54 mg)を加え、室温、水素気流下に
て1時間反応させた。触媒をろ過し、ろ液を50℃で10
時間加熱した後、濃縮した、。残渣をテトラヒドロフラ
ンに溶解し、トリエチルアミン(101mg)塩化ベン
ゾイル(105 mg)を加えた。反応液に酢酸エチル
を加え、有機層を重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮して、標記目的
化合物(67 mg)を得た。スペクトルデータは参考
例15−(5)の化合物に一致した。 参考例 17(S)−3−アミノピロリジン・2塩酸塩
【0200】
【化32】 (1) 窒素気流下、L−アスパラギン(6.00
g)のアセトニトリル−水(1 : 1)混合溶媒(80m
l)に溶解し、トリエチルアミン(20.2 g)を加
え、室温でで30分撹拌した。氷冷下、クロロギ酸メチル
(15.1 g)を加え、1.5時間攪拌した。反応液を濃
縮した後、残渣に酢酸エチル、希塩酸を加え抽出し、有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮するこ
とにより、油状物質として(S)−3−シアノ−2−メ
トキシカルボニルアミノプロピオン酸(6.11g)を
得た。
【0201】赤外線吸収スペクトル (neat) νmax cm-1
:3345, 2962, 1724, 1534, 1441,1265, 1066. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm : 3.00
(1H, dd, J = 16.8, 4.4 Hz), 3.16 (1H, dd, J = 16.
8, 5.1 Hz), 3.74 (3H, s), 4.55-4.65 (1H, m), 5.72
(1H, br d, J = 5.9 Hz). MSスペクトル m/z : 173 (M+1)+ (2) 窒素気流下、参考例17−(1)で得られた化
合物(6.11 g)をDMF (60ml)に溶解し、炭
酸セシウム(9.25 g)を加え、50℃で1時間撹拌し
た。さらに氷冷下、ヨウ化メチル(8.57 g)を加
え、室温で1.5時間、40℃で2時間攪拌した。反応液に酢
酸エチル(600 ml) を加え、有機層を10%チオ硫
酸ナトリウム水溶液、重曹水、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得
られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 3
00g、ヘキサン:酢酸エチル=1:1−1:3)で精製し、
無色結晶として(S)−3−シアノ−2−メトキシカル
ボニルアミノプロピオン酸メチル(4.58 g)を得
た。
【0202】赤外線吸収スペクトル (KBr) νmax cm
-1 :3326, 2954, 1740, 1690, 1539, 1357, 1296, 107
0, 1031. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm : 2.95
(1H, dd, J = 17.2, 4.8 Hz), 3.05 (1H, dd, J = 17.
2, 5.5 Hz), 3.73 (3H, s), 3.86 (3H, s), 4.52-4.65
(1H, m), 5.59-5.81 (1H, br s). MSスペクトル m/z : 187 (M+1)+ (3)窒素気流下、塩化カルシウム(2.49 g)及
び水素化ホウ素ナトリウム(1.02 g)のエタノー
ル溶液(50 ml)に、参考例17−(2)で得られ
た化合物(4.18 g)を加え、0℃で1時間、室温で
30分撹拌した。反応液に、クエン酸水溶液を加えた
後、重曹水で中和し酢酸エチル(50ml)を加え抽出
した。有機層を重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残
渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 150g、ヘ
キサン:酢酸エチル=1:2−1:6)で精製し、無色油状
物質として(S)−3−シアノ−2−メトキシカルボニ
ルアミノプロパノール(2.47g)を得た。
【0203】赤外線吸収スペクトル (neat) νmax cm-1
: 3329, 3072, 1706, 1539, 1266,1070. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm : 2.50
(1H, br s), 2.75 (1H, d, J = 6.6 Hz), 3.71 (3H,
s), 3.72-3.90 (2H, m), 3.96-4.07 (1H, m), 5.38 (1
H, br s). MSスペクトル m/z : 159 (M+1)+ (4) 窒素気流下、参考例17−(3)で得られた化
合物(2.40 g)のテトラヒドロフラン溶液(60
ml)に、トリエチルアミン(1.84 g)塩化メタ
ンスルホニル(1.91 g)を加え、0℃で1時間、室
温で1時間撹拌した。酢酸エチル(600 ml)を加え
抽出し、有機層を希塩酸、重曹水、飽和食塩水で順次洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。
得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル
150g、ヘキサン:酢酸エチル=1:1−1:5)で精製
し、無色油状物質として(S)−3−シアノ−1−メタ
ンスルホニルオキシ−2−メトキシカルボニルアミノプ
ロパン(3.53 g)を得た。
【0204】赤外線吸収スペクトル (neat) νmax cm-1
: 3331, 2960, 1723, 1536, 1356,1251, 1177, 970. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm : 2.78
(2H, d, J = 6.6 Hz),3.11 (3H, s), 3.72 (3H, s), 4.
22-4.46 (1H, m), 5.29-5.38 (1H, br s). MSスペクトル m/z : 237 (M+1)+ (5)参考例17−(4)で得られた化合物(59 m
g)をメタノール(2 ml)に溶解し、10%塩酸−メタ
ノール(0.46 ml)、5%ロジウム-炭素触媒(10
2 mg)を加え、室温、水素気流下にて20時間反応さ
せた。触媒をろ過し、ろ液に炭酸セシウム(81mg)
を加え、2日間攪拌した。反応液を10%塩酸−メタノー
ルで弱酸性にした後、濃縮した。残渣をアセトニトリル
に溶解し、トリエチルアミン(101 mg)、塩化ベ
ンゾイル(105 mg)を加えた。反応液に酢酸エチ
ルを加え、有機層を重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られ
た残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 5g、
酢酸エチル:メタノール=10:0−9:1)で精製し、無
色油状物質として(S)−1−ベンゾイル−3−メトキ
シカルボニルアミノピロリジン(46 mg)を得た。
【0205】赤外線吸収スペクトル (neat) νmax cm-1
: 3256, 1723, 1605, 1545, 1449,1435, 1285, 1253,
1099. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm : 1.83-
1.97 (1H, m), 2.11-2.33 (1H, m), 3.27-3.96 (4H,
m), 3.55, 3.64 (3H, s x2), 4.17-4.42 (1H, m), 4.75
-4.98 (1H, m), 7.37-7.56 (5H, m). MSスペクトル m/z : 248 (M+) (6) 参考例17−(5)で得られた化合物(124
mg)を2 M NaOH水溶液(2.5 ml)に溶解し、3.
5時間還流した。反応液を10%塩酸−メタノールでpH 2程
度の酸性にした後、濃縮した。残渣にエタノールを加
え、不溶物を濾過後、ろ液を減圧下濃縮することによ
り、吸湿性の無色粉末として標記目的化合物(28 m
g)を得た。
【0206】核磁気共鳴スペクトル (400MHz, D2O) δp
pm : 2.13-2.27 (1H, m), 2.52-2.63 (1H, m), 3.46 (1
H, dd, J = 13.2, 5.9 Hz), 3.47-3.65 (2H, m), 3.82
(1H,dd, J = 13.2, 8.1 Hz), 4.14-4.23 (1H, m). 参考例18(3S)−1−アリル−3−(N−tert−ブチルオ
キシカルボニルアミノメチルカルボニル)アミノピロリ
ジン
【0207】
【化33】 (1) L−N−tert−ブチルオキシカルボニルグ
リシン(3.5g)を乾燥テトラヒドロフラン(70m
l)に溶解し、氷冷下、N,N−ジイソプロピルエチル
アミン(3.8ml)及び、塩化ピバロイル(2.7m
l)を加え、同温で1時間撹拌した。次いで、氷冷下、
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.2ml)及
び、L−アスパラギン酸 ジメチル(4.3g)を加
え、同温で2時間後、室温で一夜放置した。
【0208】反応液を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食
塩水の順で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウム
で脱水、減圧濃縮した。
【0209】残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(富士シリシア化学製シリカゲルFL−100B
(300g)に附し、シクロヘキサン:酢酸エチル(4
0:60〜0:100)にて溶出した画分より、油状の
L−(N−tert−ブチルオキシカルボニルアミノメ
チルカルボニル)アスパラギン酸 ジメチル(5.5
g)を得た。
【0210】赤外線吸収スペクトル (KBr) ν max c
m-1: 3338, 1740, 1682, 1523, 1439,1369, 1282, 125
0, 1221, 1172. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz,CDCl3) δppm: 1.46 (9
H, s), 2.83-2.88 (1H, m), 3.02-3.07 (1H, m), 3.69-
3.95 (2H. m), 3.76 (3H, s), 3.84 (3H, s),4.85-4.90
(1H, m), 5.17 (1H, br), 7.04-7.06 (1H, m). MSスペクトル m/e : 319(M+1)+ (2) 塩化カルシウム(5.4g)を乾燥エタノール
(80ml)に溶解し、氷冷下、水素化ほう素ナトリウ
ム(1.4g)を加え、同温で30分間撹拌した。次い
で、参考例18−(1)で得られた化合物(7.8g)
の乾燥エタノール(80ml)溶液を、氷冷下、滴下に
より加え、同温で30分間、室温で2時間撹拌した。
【0211】反応液に、氷冷下、クエン酸水溶液を加
え、pHを4に調整し、次いで、同温にて炭酸水素ナト
リウム水溶液を加え、pHを6に調整した後、減圧濃縮
によりエタノールを溜去した。残った水層に塩化アンモ
ニウムを加え、酢酸エチルで3回抽出し、有機層を併せ
て無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧濃縮した。
【0212】残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(富士シリシア化学製シリカゲルFL−100B
(300g))に附し、塩化メチレン:酢酸エチル:メ
タノール(50:40:10)にて溶出した画分より、
アモルファス状の(2S)−2−(N−tert−ブチ
ルオキシカルボニルアミノメチルカルボニル)アミノ−
1,4−ブタンジオール(5.7g)を得た。
【0213】赤外線吸収スペクトル (KBr) νmax cm-1:
3321, 1697, 1662, 1537, 1369, 1284, 1252,1170, 10
55. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, DMSO-d6) δppm: 1.30
-1.54 (1H, m), 1.38(9H, s), 1.64-1.72 (1H, m), 3.2
6-3.56 (6H, m), 3.74-3.82 (1H, m), 4.36-4.38 (1H,
m), 4.64-4.67 (1H, m), 6.87-6.90 (1H, m), 7.45-7.4
7 (1H, m). MSスペクトル m/e : 263 (M+1)+ (3) 参考例18−(2)で得られた化合物(5.5
g)を、乾燥N,N−ジメチルアセトアミド(80m
l)に溶解し、氷冷下、トリエチルアミン(8.8m
l)及び、塩化メタンスルホニル(4.1ml)を滴下
により加え、同温で1時間撹拌した。
【0214】反応液を酢酸エチルで希釈し、10%−食
塩水、炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水の順
で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、
減圧濃縮した。
【0215】残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(富士シリシア化学製シリカゲルFL−100B
(300g))に附し、シクロヘキサン:酢酸エチル
(10:90〜0:100)にて溶出した画分より、ア
モルファス状の(2S)−2−(N−tert−ブチル
オキシカルボニルアミノメチルカルボニル)アミノ−
1,4−ジメタンスルホンオキシブタン(6.0g)を
得た。
【0216】赤外線吸収スペクトル (KBr) νmax cm-1:
3370, 1703, 1523, 1352, 1191, 1174. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm: 1.45
(9H, s), 2.00-2.14 (1H, m), 2.21-2.37 (1H, m), 2.7
9-3.23 (6H, m), 3.80-3.81 (1H, m), 4.25-4.74 (6H,
m). MSスペクトル m/e : 419 (M+1)+ (4) 参考例18−(3)で得られた化合物(0.5
g)を乾燥塩化メチレン(20ml)に溶解し、アリル
アミン(0.2ml)及び炭酸ナトリウム(1.3g)
を加え、室温で2日間撹拌した後、反応液を濾過し、濾
液を減圧濃縮、減圧乾燥した。
【0217】残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(富士シリシア化学製シリカゲルFL−100B
(30g))に附し、酢酸エチル:メタノール(70:
30)にて溶出した画分より、油状の標記目的化合物を
得た。
【0218】核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3)
δppm: 1.45 (9H, s), 1.60-1.75 (1H, m), 2.19-2.37
(2H, m), 2.48-2.78 (2H, m), 2.80-3.20 (3H, m), 3.4
6-3.95 (2H, m), 4.10-4.45 (1H, m), 5.02-5.43 (3H,
m), 5.80-5.96 (1H, m), 6.50-6.77 (1H, m). MSスペクトル m/e : 284 (M+1)+ 参考例 19(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル−2−
ピロリジンカルボン酸
【0219】
【化34】 (1) L−ヒドロキシプロリン(10g)を水(50
ml)に溶解し、酢酸(85ml)及び、37% ホル
ムアルデヒド水溶液(6.57ml)を加えた。反応液
に酸化白金(865 mg)を加え、水素雰囲気下、3
0℃で、5.5時間反応させた。反応液を逆相カラムに
通すことにより酸化白金を除去し、ろ液を減圧下濃縮し
た。残渣にアセトンを加え、析出した粉末を濾取するこ
とにより、無色粉末として(2S,4R)−4−ヒドロ
キシ−1−メチル−2−ピロリジンカルボン酸(10.
3 g)を得た。
【0220】核磁気共鳴スペクトル (400MHz, D2O) δp
pm : 2.19-2.29 (1H, m), 2.45-2.56 (1H, m), 3.18 (1
H, d, J = 12.5 Hz), 3.95 (1H, dd, J = 12.5, 4.8 H
z), 4.18 (1H, dd, J = 11.0, 7.3Hz), 4.60-4.69 (1H,
m). MSスペクトル m/z : 145 (M+) (2) 参考例19−(1)で得られた化合物(2.0
g)をアリルアルコール(24.0 g)に懸濁させ、
氷冷下ジメチルホルムアミド(1.01 g)及び塩化
チオニル(4.89 g)を順次加え、8時間還流し
た。反応液を減圧下濃縮し、残渣に飽和食塩水及び重曹
水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮することにより、無
色油状物質として(2S,4R)−4−ヒドロキシ−1
−メチル−2−ピロリジンカルボン酸アリル(2.56
g)を得た。
【0221】赤外線吸収スペクトル (neat) νmax cm-1
: 3388, 2948, 1744, 1669, 1455,1273, 1194, 1090,
996, 931. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm : 1.83
(1H, br s), 2.05-2.12 (1H, m), 2.22-2.31 (1H, m),
2.39 (1H, dd, J = 10.3, 4.4 Hz), 2.44 (3H,s), 3.39
(1H, t, J = 8.1Hz), 3.47 (1H, dd, J = 10.3, 5.9 H
z), 4.46-4.52(1H, m), 4.62-4.66 (2H, m), 5.22-5.38
(1H, m), 5.87-5.99 (1H, m). MSスペクトル m/z : 186 (M+1)+ (3) 参考例19−(2)で得られた化合物(3.0
g)をテトラヒドロフラン(60 ml)に溶解し、氷
冷下、トリエチルアミン(3.38 g)及び塩化メタ
ンスルホニル(1.91 g)を順次加えた。反応液に
酢酸エチル(500ml)を加えて抽出し、有機層を重
曹水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムク
ロマトグラフィー(シリカゲル 150g、ヘキサン:
酢酸エチル=2:1-1:3)で精製し、無色油状物質
として(2S,4R)−4−メタンスルホニルオキシ−
1−メチル−2−ピロリジンカルボン酸 アリル(3.
33 g)を得た。
【0222】赤外線吸収スペクトル (neat) νmax cm-1
: 2946, 1743, 1357, 1174, 968,898. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm : 2.44-
2.49 (2H, m), 2.51 (3H, s), 2.78 (1H, dd, J = 11.
0, 4.4 Hz), 3.08 (3H, s), 3.47 (1H, t, J =7.7 Hz),
3.62 (1H, dd, J = 11.0, 6.6 Hz), 4.46-4.72 (1H,
m), 5.25-5.35 (1H, m), 5.28-5.42 (2H, m), 5.92-6.0
3 (1H, m). MSスペクトル m/z : 264 (M+1)+ (4) 参考例19−(3)で得られた化合物(1.6
8 g)をジメチルアセトアミド(30 ml)に溶解
し、炭酸セシウム(1.56 g)及びチオ酢酸(72
8 mg)を加え、70℃で2.5時間攪拌した。反応
液に酢酸エチル(300 ml)を加え抽出し、有機層
を重曹水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル 75g、ヘキサ
ン:酢酸エチル=4:1-1:1)で精製し、無色油状
物質として(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メ
チル−2−ピロリジンカルボン酸 アリル(1.09
g)を得た。
【0223】赤外線吸収スペクトル (neat) νmax cm-1
: 2950, 2786, 1747, 1689, 1450,1270, 1183, 1138. 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, CDCl3) δppm : 1.95-
2.06 (1H, m), 2.30 (3H, s), 2.43 (3H, s), 2.71 (1
H, dt, J = 13.9, 8.8 Hz), 2.86 (1H, dd, J =10.3,
6.6 Hz), 3.06-3.13 (2H, m), 3.95-4.02 (1H, m), 4.6
5-4.69 (2H, m),5.23-5.38 (2H, m), 5.78-5.99 (1H,
m). MSスペクトル m/z : 204 (M+1)+ (5) 参考例19−(4)で得られた化合物(300
mg)を酢酸エチル(6 ml)に溶解し、トリフェニ
ルホスフィン(71 mg)、ジメドン(191mg)
及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジム(71
mg)を加え、1.5時間攪拌した。析出した粉末を
濾取することにより、無色粉末として標記目的化合物
(204 mg)を得た。スペクトルデータは参考例1
−(4)の化合物に一致した。
【0224】
【発明の効果】本発明の一般式(1)で表わされるメル
カプトピロリンジン化合物及びその塩は、優れた抗菌活
性を有するカルバペネム系抗菌剤の2位側鎖部分を構築
する際、工業的に重要な製造中間体であり、既に公知で
ある4−(4−メトキシベンジルチオ)ピロリジン化合
物に比べて保護基の除去が容易であり有用性が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅野 修 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 小島 克彦 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 Fターム(参考) 4C069 AA16 BC16 BD06

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (式中、nは0,1または2を示し、Aは水酸基で置換
    されていてもよい炭素数1乃至8個のアルキレン基を示
    し、R1はアシル基を示し、R2は炭素数1乃至4個のア
    ルキル基を示し、R3は水素原子または炭素数1乃至4
    個のアルキル基を示し、R4及びR5は同一又は異なって
    水素原子またはイミノ基若しくはアミノ基の保護基を示
    す。)で表わされるメルカプトピロリジン化合物または
    その塩。
  2. 【請求項2】請求項1において、nが0または1である
    化合物またはその塩。
  3. 【請求項3】請求項1において、nが1である化合物ま
    たはその塩。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3いずれか1項において、A
    が炭素数1乃至3個のアルキレン基である化合物または
    その塩。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3のいずれか1項において、
    Aがメチレン、エチレンまたは1,1−エチレン基であ
    る化合物またはその塩。
  6. 【請求項6】請求項1乃至3のいずれか1項において、
    Aがメチレン基である化合物またはその塩。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれか1項において、
    1が炭素数2乃至4個のアルカノイル基または置換さ
    れていてもよいベンゾイル基(該置換基はメチル又は塩
    素原子である)である化合物またはその塩。
  8. 【請求項8】請求項1乃至6いずれか1項において、R
    1がアセチルまたはベンゾイル基である化合物またはそ
    の塩。
  9. 【請求項9】請求項1乃至6いずれか1項において、R
    1がアセチル基である化合物またはその塩。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9いずれか1項において、
    2がメチル基である化合物またはその塩。
  11. 【請求項11】請求項1乃至10いずれか1項におい
    て、R3が水素原子またはメチル基である化合物または
    その塩。
  12. 【請求項12】請求項1乃至10いずれか1項におい
    て、のいずれかにおいて、R3が水素原子である化合物
    またはその塩。
  13. 【請求項13】請求項1乃至12いずれか1項におい
    て、R4が水素原子又はイミノ基の保護基である化合物
    またはその塩。
  14. 【請求項14】請求項1乃至12いずれか1項におい
    て、R4が水素原子、4−ニトロベンジルオキシカルボ
    ニル、t-ブトキシカルボニルまたはアリルオキシカルボ
    ニル基である化合物またはその塩。
  15. 【請求項15】請求項1乃至12いずれか1項におい
    て、R4が水素原子または4−ニトロベンジルオキシカ
    ルボニル基である化合物またはその塩。
  16. 【請求項16】請求項1乃至15いずれか1項におい
    て、R5がアミノ基の保護基である化合物またはその
    塩。
  17. 【請求項17】請求項1乃至15いずれか1項におい
    て、R5が4−ニトロベンジルオキシカルボニル、t-ブ
    トキシカルボニルまたはアリルオキシカルボニル基であ
    る化合物またはその塩。
  18. 【請求項18】請求項1乃至15いずれか1項におい
    て、R5が4−ニトロベンジルオキシカルボニル基であ
    る化合物またはその塩。
  19. 【請求項19】請求項1において、nが0または1であ
    り、Aが炭素数1乃至3個のアルキレン基であり、R1
    が炭素数2乃至4個のアルカノイル基または置換されて
    いてもよいベンゾイル基(該置換基はメチル又は塩素原
    子である)であり、R2が炭素数1乃至4個のアルキル
    基であり、R3が水素原子又は炭素数1乃至4個のアル
    キル基であり、R4が水素原子又はイミノ基の保護基で
    あり、R5がアミノ基の保護基である化合物またはその
    塩。
  20. 【請求項20】請求項1において、nが0または1であ
    り、Aがメチレン、エチレンまたは1,1−エチレン基
    であり、R1がアセチル、プロピオニルまたはベンゾイ
    ル基であり、R2がメチル基であり、R3が水素原子又は
    メチル基であり、R4が水素原子、4−ニトロベンジル
    オキシカルボニル、t-ブトキシカルボニルまたはアリル
    オキシカルボニル基であり、R5が4−ニトロベンジル
    オキシカルボニル、t-ブトキシカルボニルまたはアリル
    オキシカルボニル基である化合物またはその塩。
  21. 【請求項21】請求項1において、nが0または1であ
    り、Aがメチレン、エチレンまたは1,1−エチレン基
    であり、R1がアセチルまたはベンゾイル基であり、R2
    がメチル基であり、R3が水素原子またはメチル基であ
    り、R4が水素原子または4−ニトロベンジルオキシカ
    ルボニル基であり、R5が4−ニトロベンジルオキシカ
    ルボニル基である化合物またはその塩。
  22. 【請求項22】請求項1において、nが1であり、Aが
    メチレン基であり、R1がアセチル基であり、R2がメチ
    ル基であり、R3が水素原子であり、R4が水素原子また
    は4−ニトロベンジルオキシカルボニル基であり、R5
    が4−ニトロベンジルオキシカルボニル基である化合物
    またはその塩。
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