JP2001114644A - シート状パック - Google Patents
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- JP2001114644A JP2001114644A JP29154199A JP29154199A JP2001114644A JP 2001114644 A JP2001114644 A JP 2001114644A JP 29154199 A JP29154199 A JP 29154199A JP 29154199 A JP29154199 A JP 29154199A JP 2001114644 A JP2001114644 A JP 2001114644A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 シート状パックのフィット性を向上させ、小
鼻のきわなどの一般にパックが貼りにくいとされている
部位にも容易にパックを密着させられるようにする。 【解決手段】 透湿性保持体1xと、少なくとも一部が
透湿性保持体1xに保持された皮膜形成性化粧料4とか
らなるシート状パック10Aにおいて、透湿性保持体1
xとして、伸度−応力曲線に降伏点が存在し、降伏点の
応力fiが2N/50mm以上、かつ、降伏点伸度Si
(%)/破断伸度Sb(%)が0.8以下のものを使用
する。
鼻のきわなどの一般にパックが貼りにくいとされている
部位にも容易にパックを密着させられるようにする。 【解決手段】 透湿性保持体1xと、少なくとも一部が
透湿性保持体1xに保持された皮膜形成性化粧料4とか
らなるシート状パック10Aにおいて、透湿性保持体1
xとして、伸度−応力曲線に降伏点が存在し、降伏点の
応力fiが2N/50mm以上、かつ、降伏点伸度Si
(%)/破断伸度Sb(%)が0.8以下のものを使用
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピールオフタイプ
のシート状パックに関する。
のシート状パックに関する。
【0002】
【従来の技術】ピールオフタイプのパックは、皮膜形成
性化粧料を皮膚表面に適用し、一定時間放置して皮膜が
形成された後、その皮膜を皮膚から剥がすタイプの化粧
料である。ピールオフタイプのパックとしては、種々の
形態のものが知られているが、中でも利便性の高いもの
として、図3に示したように、親水層2と撥水層3から
なる透湿性保持体1と皮膜形成性化粧料4からなり、皮
膜形成性化粧料4が親水層2に保持され、必要に応じて
皮膜形成性化粧料4上に剥離シート5が設けられた層構
成を有するシート状パック10(特開平11−1212
7号公報)が普及している。
性化粧料を皮膚表面に適用し、一定時間放置して皮膜が
形成された後、その皮膜を皮膚から剥がすタイプの化粧
料である。ピールオフタイプのパックとしては、種々の
形態のものが知られているが、中でも利便性の高いもの
として、図3に示したように、親水層2と撥水層3から
なる透湿性保持体1と皮膜形成性化粧料4からなり、皮
膜形成性化粧料4が親水層2に保持され、必要に応じて
皮膜形成性化粧料4上に剥離シート5が設けられた層構
成を有するシート状パック10(特開平11−1212
7号公報)が普及している。
【0003】このシート状パック10は適用部位等に応
じた形状とすることができ、例えば、鼻用とする場合、
図4(a)に示したように、鼻に貼付しやすく、製造歩
留まりの高い形状に成形することができる。また、シー
ト状パック10は皮膚への適用時に剥離シート5が剥離
され、同図(b)に示したように貼付される。
じた形状とすることができ、例えば、鼻用とする場合、
図4(a)に示したように、鼻に貼付しやすく、製造歩
留まりの高い形状に成形することができる。また、シー
ト状パック10は皮膚への適用時に剥離シート5が剥離
され、同図(b)に示したように貼付される。
【0004】シート状パック10の形成材料に関し、親
水層2や撥水層3は、それぞれコスト、風合い等の点か
ら好ましくは親水性あるいは撥水性の不織布から形成さ
れる。また、親水層2と撥水層3を接合して透湿性保持
体1を形成する方法としては、ヒートエンボス法、エア
スルー法、スパンレース法、ニードルパンチ法、スパン
ボンド法等の公知の手法を使用することができるが、中
でも親水層2と撥水層3とが剥がれないように両層をし
っかりと接合させるため、両層に部分的な溶融接合部を
形成するヒートエンボス法が使用されている。透湿性保
持体1のより具体的な製造方法としては、例えば、親水
層2を形成するポリプロピレン繊維とレーヨン繊維との
混合繊維層と、撥水層3を形成するポリプロピレン繊維
層とを重ね、ヒートエンボス法で両層が接合した不織布
を形成する。
水層2や撥水層3は、それぞれコスト、風合い等の点か
ら好ましくは親水性あるいは撥水性の不織布から形成さ
れる。また、親水層2と撥水層3を接合して透湿性保持
体1を形成する方法としては、ヒートエンボス法、エア
スルー法、スパンレース法、ニードルパンチ法、スパン
ボンド法等の公知の手法を使用することができるが、中
でも親水層2と撥水層3とが剥がれないように両層をし
っかりと接合させるため、両層に部分的な溶融接合部を
形成するヒートエンボス法が使用されている。透湿性保
持体1のより具体的な製造方法としては、例えば、親水
層2を形成するポリプロピレン繊維とレーヨン繊維との
混合繊維層と、撥水層3を形成するポリプロピレン繊維
層とを重ね、ヒートエンボス法で両層が接合した不織布
を形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シート状パ
ック10を皮膚に適用し、皮膜形成性化粧料4の皮膜が
形成された後、そのパック10を皮膚から剥離するとき
に、パック10のちぎれや剥がれ残りを防止するために
は、透湿性保持体1に或る程度の引っ張り強度をもたせ
ることが必要とされる。しかしながら、透湿性保持体1
を構成する不織布を単にヒートエンボス法、スパンレー
ス法等で形成し、溶融接合あるいは繊維交絡のいずれか
で各不織布が形成されるようにした場合、透湿性保持体
1に十分な引っ張り強度をもたせると、シート状パック
10を皮膚に適用するとき、パックを皮膚の外形形状に
十分にフィットさせることが難しく、特に、小鼻のきわ
のような立体的形状の部位では貼り難いという問題があ
った。
ック10を皮膚に適用し、皮膜形成性化粧料4の皮膜が
形成された後、そのパック10を皮膚から剥離するとき
に、パック10のちぎれや剥がれ残りを防止するために
は、透湿性保持体1に或る程度の引っ張り強度をもたせ
ることが必要とされる。しかしながら、透湿性保持体1
を構成する不織布を単にヒートエンボス法、スパンレー
ス法等で形成し、溶融接合あるいは繊維交絡のいずれか
で各不織布が形成されるようにした場合、透湿性保持体
1に十分な引っ張り強度をもたせると、シート状パック
10を皮膚に適用するとき、パックを皮膚の外形形状に
十分にフィットさせることが難しく、特に、小鼻のきわ
のような立体的形状の部位では貼り難いという問題があ
った。
【0006】このような従来技術の課題に対し、本発明
は、シート状パックのフィット性を向上させ、小鼻のき
わなどの従来パックを貼りにくかった部位にも容易にパ
ックを密着させられるようにすることを目的とする。
は、シート状パックのフィット性を向上させ、小鼻のき
わなどの従来パックを貼りにくかった部位にも容易にパ
ックを密着させられるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のシ
ート状パック10では透湿性保持体1が、その引っ張り
特性において明瞭な降伏点を持たず、それ故、透湿性保
持体1に引っ張り応力をかけていくと透湿性保持体1が
十分に塑性変形する前に破断し、パックを皮膚に十分に
フィットさせることが困難になっていること、これに対
しては透湿性保持体1として、引っ張り特性に降伏点が
存在し、かつ降伏点伸度と破断伸度の比が特定の範囲内
にあるものを使用するのが有効であることを見出し、本
発明を完成させた。
ート状パック10では透湿性保持体1が、その引っ張り
特性において明瞭な降伏点を持たず、それ故、透湿性保
持体1に引っ張り応力をかけていくと透湿性保持体1が
十分に塑性変形する前に破断し、パックを皮膚に十分に
フィットさせることが困難になっていること、これに対
しては透湿性保持体1として、引っ張り特性に降伏点が
存在し、かつ降伏点伸度と破断伸度の比が特定の範囲内
にあるものを使用するのが有効であることを見出し、本
発明を完成させた。
【0008】即ち、本発明は、透湿性保持体と、少なく
とも一部が透湿性保持体に保持された皮膜形成性化粧料
とからなるシート状パックであって、透湿性保持体の伸
度−応力曲線に降伏点が存在し、降伏点の応力が2N/
50mm以上、かつ、降伏点伸度(%)/破断伸度
(%)が0.8以下であることを特徴とするシート状パ
ックを提供する。
とも一部が透湿性保持体に保持された皮膜形成性化粧料
とからなるシート状パックであって、透湿性保持体の伸
度−応力曲線に降伏点が存在し、降伏点の応力が2N/
50mm以上、かつ、降伏点伸度(%)/破断伸度
(%)が0.8以下であることを特徴とするシート状パ
ックを提供する。
【0009】本発明のシート状パックによれば、皮膜形
成性化粧料の保持体となる透湿性保持体が、伸度−応力
曲線に明瞭な降伏点を有するので、シート状パックに降
伏点以上の引っ張り応力をかけると急激に透湿性保持体
が塑性変形する。したがって、シート状パックに引っ張
り応力をかけることにより、皮膚の任意の立体形状の部
位にシート状パックをフィットさせることが可能とな
る。
成性化粧料の保持体となる透湿性保持体が、伸度−応力
曲線に明瞭な降伏点を有するので、シート状パックに降
伏点以上の引っ張り応力をかけると急激に透湿性保持体
が塑性変形する。したがって、シート状パックに引っ張
り応力をかけることにより、皮膚の任意の立体形状の部
位にシート状パックをフィットさせることが可能とな
る。
【0010】さらに、本発明のシート状パックによれ
ば、降伏点伸度(%)/破断伸度(%)が0.8以下で
あるため、引っ張り応力をかけていくと、シート状パッ
クが破断するよりも十分に手前でシート状パックを塑性
変形させることができる。このため、シート状パックを
容易に皮膚にフィットさせることが可能となる。
ば、降伏点伸度(%)/破断伸度(%)が0.8以下で
あるため、引っ張り応力をかけていくと、シート状パッ
クが破断するよりも十分に手前でシート状パックを塑性
変形させることができる。このため、シート状パックを
容易に皮膚にフィットさせることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照しつつ
詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同
等の構成要素を表している。
詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同
等の構成要素を表している。
【0012】図1は、本発明のシート状パックに使用す
る透湿性保持体の引っ張り特性を表す、伸度−応力曲線
である。図中、曲線Aは、本発明のシート状パックに使
用する透湿性保持体の基本的な引っ張り特性、曲線B
は、透湿性保持体と皮膜形成性化粧料からなる市販のシ
ート状パックの当該透湿性保持体の引っ張り特性、曲線
Cは、しなやかな風合いのスパンレース不織布の引っ張
り特性を示している。
る透湿性保持体の引っ張り特性を表す、伸度−応力曲線
である。図中、曲線Aは、本発明のシート状パックに使
用する透湿性保持体の基本的な引っ張り特性、曲線B
は、透湿性保持体と皮膜形成性化粧料からなる市販のシ
ート状パックの当該透湿性保持体の引っ張り特性、曲線
Cは、しなやかな風合いのスパンレース不織布の引っ張
り特性を示している。
【0013】これらの各曲線は、大きさ50mm×15
0mmの試験片を、温度20℃で引っ張り試験器(オリ
エンテック(株)製、テンシロンRTA−100)を用
いて、チャック間隔100mm、引っ張り速度300m
m/min(伸長速度200%/min)で引き伸ば
し、伸度(%)と応力(N/50mm)を次式(1)、
(2)により求め、グラフ化したものである。なお、市
販のシート状パックから試験片をサンプリングする場合
のように、50mm×150mmの大きさの試験片を得
られない場合には、可能な範囲で試験片を切り出し、伸
長速度200%/minで測定し、試験片の幅50mm
あたりの応力に換算する。
0mmの試験片を、温度20℃で引っ張り試験器(オリ
エンテック(株)製、テンシロンRTA−100)を用
いて、チャック間隔100mm、引っ張り速度300m
m/min(伸長速度200%/min)で引き伸ば
し、伸度(%)と応力(N/50mm)を次式(1)、
(2)により求め、グラフ化したものである。なお、市
販のシート状パックから試験片をサンプリングする場合
のように、50mm×150mmの大きさの試験片を得
られない場合には、可能な範囲で試験片を切り出し、伸
長速度200%/minで測定し、試験片の幅50mm
あたりの応力に換算する。
【0014】
【数1】 伸度(%)=(L1−L0)÷L0×100 (1) (式中、L1は、ある荷重での試験片長さ、L0は無荷重での試験片長さを表す) 応力(N/50mm)=試験片にかけた力(N)/試験片の幅(50mm) (2)
【0015】また、本発明において降伏点とは、伸度−
応力曲線において、曲線が急激にわん曲し、塑性変形が
始まる点、あるいは伸度−応力曲線に現れる最初の極大
点であって、塑性変形が始まる点をいう。
応力曲線において、曲線が急激にわん曲し、塑性変形が
始まる点、あるいは伸度−応力曲線に現れる最初の極大
点であって、塑性変形が始まる点をいう。
【0016】図1からわかるように、本発明で使用する
透湿性保持体(曲線A)には、明瞭な降伏点があり、引
っ張り応力をかけていく場合の初期段階では弾性あるい
は初期剛性がある。このため、本発明で使用する透湿性
保持体(曲線A)は伸びが小さく、製造工程における加
工性がよく、また、引っ張り応力が降伏点を超えると急
激に伸び、破断せずに力をかけた方向に追従する。した
がって、本発明のシート状パックは、皮膚に対するフィ
ット性が著しく向上したものとなる。
透湿性保持体(曲線A)には、明瞭な降伏点があり、引
っ張り応力をかけていく場合の初期段階では弾性あるい
は初期剛性がある。このため、本発明で使用する透湿性
保持体(曲線A)は伸びが小さく、製造工程における加
工性がよく、また、引っ張り応力が降伏点を超えると急
激に伸び、破断せずに力をかけた方向に追従する。した
がって、本発明のシート状パックは、皮膚に対するフィ
ット性が著しく向上したものとなる。
【0017】これに対して市販品の透湿性保持体(曲線
B)や、スパンレース不織布(曲線C)には明瞭な降伏
点がなく、或る程度の応力をかけても皮膚に追従するこ
となく、破断してしまう。よって、皮膚へのフィット性
が劣るものとなる。
B)や、スパンレース不織布(曲線C)には明瞭な降伏
点がなく、或る程度の応力をかけても皮膚に追従するこ
となく、破断してしまう。よって、皮膚へのフィット性
が劣るものとなる。
【0018】また、本発明において、透湿性保持体の降
伏点の応力fiは、2.0(N/50mm)以上、好まし
くは2.5(N/50mm)≦fi(N/50mm)≦6
(N/50mm)とする。これにより、シート状パックを
皮膚から剥離するときに、シート状パックのちぎれや剥
がれ残りをなくすことができる。なお、降伏点の応力
は、引っ張り試験器で透湿性保持体の試料を引っ張り特
性を測定する際に当該透湿性保持体を引っ張り試験器に
かける方向に依存するが、本発明においては、引っ張り
試験器で透湿性保持体が引っ張られる方向を、その透湿
性保持体の原反をロールに作製した時の透湿性保持体の
引っ張り方向(MD:machine direction)あるいはそれと
垂直な方向(CD:cross direction)に合わせた場合に、
少なくともそのいずれかの場合において降伏点の応力f
iが2(N/50mm)以上となるようにする。
伏点の応力fiは、2.0(N/50mm)以上、好まし
くは2.5(N/50mm)≦fi(N/50mm)≦6
(N/50mm)とする。これにより、シート状パックを
皮膚から剥離するときに、シート状パックのちぎれや剥
がれ残りをなくすことができる。なお、降伏点の応力
は、引っ張り試験器で透湿性保持体の試料を引っ張り特
性を測定する際に当該透湿性保持体を引っ張り試験器に
かける方向に依存するが、本発明においては、引っ張り
試験器で透湿性保持体が引っ張られる方向を、その透湿
性保持体の原反をロールに作製した時の透湿性保持体の
引っ張り方向(MD:machine direction)あるいはそれと
垂直な方向(CD:cross direction)に合わせた場合に、
少なくともそのいずれかの場合において降伏点の応力f
iが2(N/50mm)以上となるようにする。
【0019】さらに、本発明で使用する透湿性保持体
(曲線A)においては降伏点伸度Si(%)と破断伸度
Sb(%)との比Si/Sbを0.8以下、好ましくは
0.5以下とする。これにより、シート状パックに引っ
張り応力をかけていくときに、シート状パックが破断す
るよりも十分に手前でシート状パックを塑性変形させる
ことができる。このため、シート状パックを容易に皮膚
にフィットさせることが可能となる。
(曲線A)においては降伏点伸度Si(%)と破断伸度
Sb(%)との比Si/Sbを0.8以下、好ましくは
0.5以下とする。これにより、シート状パックに引っ
張り応力をかけていくときに、シート状パックが破断す
るよりも十分に手前でシート状パックを塑性変形させる
ことができる。このため、シート状パックを容易に皮膚
にフィットさせることが可能となる。
【0020】上述の引っ張り特性を有する透湿性保持体
としては、例えば、溶融接合と繊維交絡の双方で形成し
た不織布をあげることができる。
としては、例えば、溶融接合と繊維交絡の双方で形成し
た不織布をあげることができる。
【0021】不織布に溶融接合部を形成するためには、
例えば、ヒートエンボス法、超音波法、エアスルー法等
を不織布の構成ウェブに適用すればよく、また、不織布
に繊維交絡部を形成するためには、例えばスパンレース
法、ニードルパンチ法等を不織布の構成ウェブに適用す
ればよい。好ましい不織布の形成方法としては、まず、
不織布の構成ウェブにヒートエンボス法あるいはエアス
ルー法で溶融接合部を形成し、次にスパンレース法で繊
維交絡部を形成する。このように溶融接合部を形成した
後に繊維交絡部を形成することにより、最初に形成した
溶融接合部に適度のもみ加工が施されることとなり、シ
ート状パックにふっくらとした風合いを付与することが
できる。
例えば、ヒートエンボス法、超音波法、エアスルー法等
を不織布の構成ウェブに適用すればよく、また、不織布
に繊維交絡部を形成するためには、例えばスパンレース
法、ニードルパンチ法等を不織布の構成ウェブに適用す
ればよい。好ましい不織布の形成方法としては、まず、
不織布の構成ウェブにヒートエンボス法あるいはエアス
ルー法で溶融接合部を形成し、次にスパンレース法で繊
維交絡部を形成する。このように溶融接合部を形成した
後に繊維交絡部を形成することにより、最初に形成した
溶融接合部に適度のもみ加工が施されることとなり、シ
ート状パックにふっくらとした風合いを付与することが
できる。
【0022】透湿性保持体は、溶融接合と繊維交絡の双
方で形成されている不織布の複数層から構成してもよ
く、あるいは溶融接合と繊維交絡の双方で形成されてい
る不織布と、その他の不織布とを組み合わせて構成して
もよい。
方で形成されている不織布の複数層から構成してもよ
く、あるいは溶融接合と繊維交絡の双方で形成されてい
る不織布と、その他の不織布とを組み合わせて構成して
もよい。
【0023】また、透湿性保持体は、皮膜形成性化粧料
を保持させる側を親水性の不織布で形成し、それと反対
側を撥水性の不織布で形成することが好ましい。これに
より皮膜形成性化粧料が親水性の不織布に良好に保持さ
れるので、パックを皮膚に適用後、剥がす時の皮膜のち
ぎれや剥がれ残りを防止することができる。また、撥水
性の不織布により、パックの使用時に皮膜形成性化粧料
がパック表面にまでしみだしてべとつくことを防止でき
る。
を保持させる側を親水性の不織布で形成し、それと反対
側を撥水性の不織布で形成することが好ましい。これに
より皮膜形成性化粧料が親水性の不織布に良好に保持さ
れるので、パックを皮膚に適用後、剥がす時の皮膜のち
ぎれや剥がれ残りを防止することができる。また、撥水
性の不織布により、パックの使用時に皮膜形成性化粧料
がパック表面にまでしみだしてべとつくことを防止でき
る。
【0024】本発明のシート状パックの具体的な層構成
としては、例えば、図2に示すシート状パック10Aの
ようにすることができる。このシート状パック10A
は、透湿性保持体1xが、親水性の不織布からなる親水
層2と、2層の撥水性の不織布(第一の撥水層3a、第
二の撥水層3b)からなる撥水層3xから形成されてお
り、透湿性保持体1xの親水層2側に皮膜形成性化粧料
4が保持されたものとなっている。
としては、例えば、図2に示すシート状パック10Aの
ようにすることができる。このシート状パック10A
は、透湿性保持体1xが、親水性の不織布からなる親水
層2と、2層の撥水性の不織布(第一の撥水層3a、第
二の撥水層3b)からなる撥水層3xから形成されてお
り、透湿性保持体1xの親水層2側に皮膜形成性化粧料
4が保持されたものとなっている。
【0025】ここで、親水層2を形成する不織布の繊維
素材としては、綿、麻、羊毛等の天然繊維、レーヨン、
アセテート等のセルロース系繊維等の親水性繊維、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタ
ン等の撥水性繊維を界面活性剤で親水化処理した親水性
繊維、あるいはこれらの親水性繊維と上述の撥水性繊維
とを全体として親水性となる混合比率で混合したもの等
を使用することができる。これらの繊維の形態として
は、単一、芯鞘複合、サイドバイサイド複合等とするこ
とができる。
素材としては、綿、麻、羊毛等の天然繊維、レーヨン、
アセテート等のセルロース系繊維等の親水性繊維、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタ
ン等の撥水性繊維を界面活性剤で親水化処理した親水性
繊維、あるいはこれらの親水性繊維と上述の撥水性繊維
とを全体として親水性となる混合比率で混合したもの等
を使用することができる。これらの繊維の形態として
は、単一、芯鞘複合、サイドバイサイド複合等とするこ
とができる。
【0026】第一の撥水層3a及び第二の撥水層3bを
形成する不織布の繊維素材としては、例えば、ポリエス
テル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等
の撥水性の合成繊維、その他無機繊維等を使用すること
ができる。第一の撥水層3a及び第二の撥水層3bの不
織布の繊維素材は同一でもよく、互いに異なっていても
よい。これらの繊維の形態としては、単一、芯鞘複合、
サイドバイサイド複合等とすることができる。
形成する不織布の繊維素材としては、例えば、ポリエス
テル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等
の撥水性の合成繊維、その他無機繊維等を使用すること
ができる。第一の撥水層3a及び第二の撥水層3bの不
織布の繊維素材は同一でもよく、互いに異なっていても
よい。これらの繊維の形態としては、単一、芯鞘複合、
サイドバイサイド複合等とすることができる。
【0027】親水層2、第一の撥水層3a及び第二の撥
水層3bを形成する各ウェブの繊維長や繊維径には特に
制限はないが、皮膜形成性化粧料4の保持性を向上さ
せ、皮膜形成性化粧料4の第二の撥水層3b側表面への
抜けを防止し、透湿性保持体1x全体の風合いをソフト
にする点から、繊維径としては、0.5〜6デニールが
好ましく、1〜5デニールがより好ましい。
水層3bを形成する各ウェブの繊維長や繊維径には特に
制限はないが、皮膜形成性化粧料4の保持性を向上さ
せ、皮膜形成性化粧料4の第二の撥水層3b側表面への
抜けを防止し、透湿性保持体1x全体の風合いをソフト
にする点から、繊維径としては、0.5〜6デニールが
好ましく、1〜5デニールがより好ましい。
【0028】親水層2、第一の撥水層3a及び第二の撥
水層3bからなる透湿性保持体1xの形成方法として
は、例えば、まず、親水層2を形成する繊維層と、第一
の撥水層3aを形成する繊維層とを重ね、ヒートエンボ
ス法で両層が接合した不織布を形成し、次に、第一の撥
水層3aとする不織布上に、第二の撥水層3bの不織布
を形成するための繊維層を配し、スパンレース法により
繊維を交絡させ、第二の撥水層3bの不織布の形成と、
該第二の撥水層3bと第一の撥水層3aとの接合を同時
に行う。これにより、第一の撥水層3aはヒートエンボ
ス法で形成された溶融接合部とスパンレース法で形成さ
れた繊維交絡部とを合わせ持ち、前述の本発明の引っ張
り特性を備えたものに形成することができる。
水層3bからなる透湿性保持体1xの形成方法として
は、例えば、まず、親水層2を形成する繊維層と、第一
の撥水層3aを形成する繊維層とを重ね、ヒートエンボ
ス法で両層が接合した不織布を形成し、次に、第一の撥
水層3aとする不織布上に、第二の撥水層3bの不織布
を形成するための繊維層を配し、スパンレース法により
繊維を交絡させ、第二の撥水層3bの不織布の形成と、
該第二の撥水層3bと第一の撥水層3aとの接合を同時
に行う。これにより、第一の撥水層3aはヒートエンボ
ス法で形成された溶融接合部とスパンレース法で形成さ
れた繊維交絡部とを合わせ持ち、前述の本発明の引っ張
り特性を備えたものに形成することができる。
【0029】透湿性保持体1xの全体としての坪量は、
15〜100g/m2とすることが好ましく、20〜6
0g/m2とすることがより好ましい。坪量が15g/
m2に満たないと、皮膜形成性化粧料4が透湿性保持体
1xの皮膜形成性化粧料保持面と反対側の面にまでしみ
だしてべたつき易くなり、反対に100g/m2を超え
ると、シート状パック10Aが皮膚の貼付面の外形形状
になじみにくくなり、コスト的にも不利となる。
15〜100g/m2とすることが好ましく、20〜6
0g/m2とすることがより好ましい。坪量が15g/
m2に満たないと、皮膜形成性化粧料4が透湿性保持体
1xの皮膜形成性化粧料保持面と反対側の面にまでしみ
だしてべたつき易くなり、反対に100g/m2を超え
ると、シート状パック10Aが皮膚の貼付面の外形形状
になじみにくくなり、コスト的にも不利となる。
【0030】透湿性保持体1xの全体としての厚みは、
引っ張り強度を十分に維持しつつ、ふっくらとした風合
いとしなやかさを付与するため、0.04〜4mmとす
ることが好ましく、より好ましくは0.1〜2mmとす
る。なお、この厚みは0.5g/cm2荷重下での透湿
性保持体1xの厚みである。
引っ張り強度を十分に維持しつつ、ふっくらとした風合
いとしなやかさを付与するため、0.04〜4mmとす
ることが好ましく、より好ましくは0.1〜2mmとす
る。なお、この厚みは0.5g/cm2荷重下での透湿
性保持体1xの厚みである。
【0031】透湿性保持体1x全体としての空隙率は、
70〜99%とすることが好ましく、85〜99%とす
ることがより好ましい。空隙率が70%に満たないと皮
膜形成性化粧料4の乾燥速度が遅くなり、99%を超え
るとシート状パック10Aを皮膚に適用したときの化粧
料の皮膜強度が低下するので好ましくない。
70〜99%とすることが好ましく、85〜99%とす
ることがより好ましい。空隙率が70%に満たないと皮
膜形成性化粧料4の乾燥速度が遅くなり、99%を超え
るとシート状パック10Aを皮膚に適用したときの化粧
料の皮膜強度が低下するので好ましくない。
【0032】ここで、空隙率は次式から算出される値で
ある。
ある。
【0033】
【数2】空隙率(%)=[(ρ−ρ')/ρ]×100 (ρは、透湿性保持体の真比重、ρ'は、透湿性保持体
の見かけ比重を表す)
の見かけ比重を表す)
【0034】透湿性保持体1xの透湿度は、JIS Z
0208による測定法において、100〜10000
g/m2・24hrが好ましい。透湿度が100g/m2
・24hrに満たないと通気性が劣るので皮膜形成性化
粧料4の乾燥速度が著しく低下し、反対に10000g
/m2・24hrを超えると、シート状パック10Aの
製造時に皮膜形成性化粧料4を透湿性保持体1xに塗布
した際に皮膜形成性化粧料4が透湿性保持体1xからし
みだし、シート状パック10Aの製造が困難になるので
好ましくない。
0208による測定法において、100〜10000
g/m2・24hrが好ましい。透湿度が100g/m2
・24hrに満たないと通気性が劣るので皮膜形成性化
粧料4の乾燥速度が著しく低下し、反対に10000g
/m2・24hrを超えると、シート状パック10Aの
製造時に皮膜形成性化粧料4を透湿性保持体1xに塗布
した際に皮膜形成性化粧料4が透湿性保持体1xからし
みだし、シート状パック10Aの製造が困難になるので
好ましくない。
【0035】本発明において、皮膜形成性化粧料4とし
ては、従来よりピールオフタイプのパックに使用されて
いる種々の皮膜形成性化粧料を使用することができる。
またその形態は、既に十分な水分を含んだペースト状で
もよく、あるいは当初は乾燥状態であって使用時に水分
を供給して使用するようなものでもよい。
ては、従来よりピールオフタイプのパックに使用されて
いる種々の皮膜形成性化粧料を使用することができる。
またその形態は、既に十分な水分を含んだペースト状で
もよく、あるいは当初は乾燥状態であって使用時に水分
を供給して使用するようなものでもよい。
【0036】皮膜形成性化粧料4に含有させることがで
きる皮膜形成剤としては、例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルホルムアミド、
ポリ酢酸ビニルエマルジョン、カルボキシメチルセルロ
ース、無水マレイン酸/メチルビニルエーテル共重合
体、メチルビニルエーテル/酢酸ビニル共重合体、ポリ
ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等をあげること
ができる。また、増粘剤としては、ペクチン、ゼラチ
ン、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリ
ウム、プルラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキ
シビニルポリマー等をあげることができる。
きる皮膜形成剤としては、例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルホルムアミド、
ポリ酢酸ビニルエマルジョン、カルボキシメチルセルロ
ース、無水マレイン酸/メチルビニルエーテル共重合
体、メチルビニルエーテル/酢酸ビニル共重合体、ポリ
ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等をあげること
ができる。また、増粘剤としては、ペクチン、ゼラチ
ン、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリ
ウム、プルラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキ
シビニルポリマー等をあげることができる。
【0037】皮膜形成性化粧料4は、保湿用、皮脂吸収
用、角栓除去用等のいずれの用途に合わせて構成しても
よく、各用途に応じた成分を含有することができるが、
本発明のシート状パックは、特に角栓除去用に好適であ
る。本発明のシート状パックを角栓除去用とする場合に
使用する皮膜形成性成分としては、皮膚中の角栓を皮膜
に取り込み、剥離除去できるように、特開平5−976
27号公報の特許請求の範囲に記載されているような、
アニオン性、カチオン性あるいは両イオン性の塩生成
基、より具体的にはカルボキシル基、スルホン酸残基、
硫酸残基、リン酸残基、硝酸残基、アミノ基、アンモニ
ウム基等の塩生成基を有する高分子化合物を使用するこ
とが好ましい。なかでも、カチオン性ではポリ塩化メタ
クリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムを含有
するものが好ましく、アニオン性ではポリスチレンスル
ホン酸ナトリウムを含有するものが好ましい。
用、角栓除去用等のいずれの用途に合わせて構成しても
よく、各用途に応じた成分を含有することができるが、
本発明のシート状パックは、特に角栓除去用に好適であ
る。本発明のシート状パックを角栓除去用とする場合に
使用する皮膜形成性成分としては、皮膚中の角栓を皮膜
に取り込み、剥離除去できるように、特開平5−976
27号公報の特許請求の範囲に記載されているような、
アニオン性、カチオン性あるいは両イオン性の塩生成
基、より具体的にはカルボキシル基、スルホン酸残基、
硫酸残基、リン酸残基、硝酸残基、アミノ基、アンモニ
ウム基等の塩生成基を有する高分子化合物を使用するこ
とが好ましい。なかでも、カチオン性ではポリ塩化メタ
クリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムを含有
するものが好ましく、アニオン性ではポリスチレンスル
ホン酸ナトリウムを含有するものが好ましい。
【0038】この他、皮膜形成性化粧料4には、化粧料
に通常配合される美白成分、消炎成分、色素、顔料、界
面活性剤、防腐剤、殺菌剤等を含有させることができ
る。
に通常配合される美白成分、消炎成分、色素、顔料、界
面活性剤、防腐剤、殺菌剤等を含有させることができ
る。
【0039】剥離シート5は、皮膚への適用時に剥離除
去されるもので、必要に応じて、皮膜形成性化粧料4側
の表面に積層しておかれる。剥離シート5としては、例
えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ナイロン等からなるシートを使用することができる。
去されるもので、必要に応じて、皮膜形成性化粧料4側
の表面に積層しておかれる。剥離シート5としては、例
えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ナイロン等からなるシートを使用することができる。
【0040】シート状パック10A全体の厚みは、引っ
張り強度や貼り易さの点から剥離シート5を除いた厚み
として50〜2500μmとすることが好ましい。
張り強度や貼り易さの点から剥離シート5を除いた厚み
として50〜2500μmとすることが好ましい。
【0041】シート状パック10Aは、外形形状につい
て特に制限はなく、所定の幅のシート状とし、皮膚への
貼付時に適宜カットして使用することができる。また、
予め、額、頬、鼻等の部分パックに適する形状にカット
しておいてもよい。例えば、図4に示したように、鼻へ
の貼付に適した形状とすることができる。
て特に制限はなく、所定の幅のシート状とし、皮膚への
貼付時に適宜カットして使用することができる。また、
予め、額、頬、鼻等の部分パックに適する形状にカット
しておいてもよい。例えば、図4に示したように、鼻へ
の貼付に適した形状とすることができる。
【0042】シート状パック10Aの製造方法として
は、例えば、剥離シート5上に皮膜形成性化粧料4を塗
布し、その上に透湿性保持体1xを重ね、透湿性保持体
1xの親水層2に皮膜形成性化粧料4を含浸させる。こ
の場合、必要に応じて、透湿性保持体1xを剥離シート
5側に押しつけるようにローラー等で加圧してもよい。
次いで、本発明のシート状パック10Aを、皮膜形成性
化粧料4がペースト状のタイプとする場合には、水分量
を調整した後、所定形状に切断し、使用時まで水分が揮
発しないように、水分透過性のない容器に密封保存す
る。また、シート状パック10Aを、皮膜形成性化粧料
4が乾燥状態のドライタイプ(剥離シート5を除くシー
ト状パック10A中の水分量0.1〜30重量%)とす
る場合には、皮膜形成性化粧料4を親水層2に含浸させ
た後乾燥し、所定形状に切断する。
は、例えば、剥離シート5上に皮膜形成性化粧料4を塗
布し、その上に透湿性保持体1xを重ね、透湿性保持体
1xの親水層2に皮膜形成性化粧料4を含浸させる。こ
の場合、必要に応じて、透湿性保持体1xを剥離シート
5側に押しつけるようにローラー等で加圧してもよい。
次いで、本発明のシート状パック10Aを、皮膜形成性
化粧料4がペースト状のタイプとする場合には、水分量
を調整した後、所定形状に切断し、使用時まで水分が揮
発しないように、水分透過性のない容器に密封保存す
る。また、シート状パック10Aを、皮膜形成性化粧料
4が乾燥状態のドライタイプ(剥離シート5を除くシー
ト状パック10A中の水分量0.1〜30重量%)とす
る場合には、皮膜形成性化粧料4を親水層2に含浸させ
た後乾燥し、所定形状に切断する。
【0043】以上、図2を参照しつつ、本発明のシート
状パック10Aについて詳細に説明したが、図2に示し
た態様の他、本発明は、透湿性保持体が、前述の引っ張
り特性を有する不織布からなっている限り種々の態様を
とることができる。例えば、第二の撥水層3b上に更に
第三の撥水層を積層してもよい。また、親水層2も単一
の不織布から形成することに限られず、複数層の不織布
から形成してもよい。
状パック10Aについて詳細に説明したが、図2に示し
た態様の他、本発明は、透湿性保持体が、前述の引っ張
り特性を有する不織布からなっている限り種々の態様を
とることができる。例えば、第二の撥水層3b上に更に
第三の撥水層を積層してもよい。また、親水層2も単一
の不織布から形成することに限られず、複数層の不織布
から形成してもよい。
【0044】
【実施例】実施例1 (i) シート状パックの製造 透湿性保持体として、まず、ヒートエンボス法で、10
0%ポリプロピレン繊維(芯鞘複合繊維で鞘の融点が芯
よりも低いもの)からなる撥水性不織布(第一の撥水
層)(10g/m2 )と、ポリプロピレン繊維(芯鞘複
合繊維で鞘の融点が芯よりも低いもの)とレーヨン繊維
(混合率40%/60%)とからなる親水性不織布(親
水層)(10g/m2 )との2層不織布(20g/m
2 )を製造した。この2層不織布の撥水層側に100%
ポリエステル繊維を上乗せし(20g/m2 )(第二の
撥水層)、スパンレース法で繊維を交絡させ、撥水性ス
パンレース不織布(第二の撥水層)、撥水性ヒートエン
ボス不織布(第一の撥水層)、親水性ヒートエンボス不
織布(親水層)の3層不織布からなる透湿性保持体(4
0g/m2 )を製造した。
0%ポリプロピレン繊維(芯鞘複合繊維で鞘の融点が芯
よりも低いもの)からなる撥水性不織布(第一の撥水
層)(10g/m2 )と、ポリプロピレン繊維(芯鞘複
合繊維で鞘の融点が芯よりも低いもの)とレーヨン繊維
(混合率40%/60%)とからなる親水性不織布(親
水層)(10g/m2 )との2層不織布(20g/m
2 )を製造した。この2層不織布の撥水層側に100%
ポリエステル繊維を上乗せし(20g/m2 )(第二の
撥水層)、スパンレース法で繊維を交絡させ、撥水性ス
パンレース不織布(第二の撥水層)、撥水性ヒートエン
ボス不織布(第一の撥水層)、親水性ヒートエンボス不
織布(親水層)の3層不織布からなる透湿性保持体(4
0g/m2 )を製造した。
【0045】一方、ポリ塩化メタクリロイルオキシエチ
ルトリメチルアンモニウム25.0重量%、無水ケイ酸
15.0重量%、グリセリン5.0重量%、ポリオキシ
エチレン硬化ヒマシ油0.2重量%、メチルパラベン
0.1重量%、香料 微量、精製水54.7重量%を混
合し、撹拌機を用いて常温にて溶解させ、減圧脱気して
角栓除去用皮膜形成性化粧料溶液を調製した。
ルトリメチルアンモニウム25.0重量%、無水ケイ酸
15.0重量%、グリセリン5.0重量%、ポリオキシ
エチレン硬化ヒマシ油0.2重量%、メチルパラベン
0.1重量%、香料 微量、精製水54.7重量%を混
合し、撹拌機を用いて常温にて溶解させ、減圧脱気して
角栓除去用皮膜形成性化粧料溶液を調製した。
【0046】この皮膜形成性化粧料溶液をポリプロピレ
ンフィルムからなる剥離シート上に、厚さ約300μm
になるように均一に流延し、直後に上述の透湿性保持体
を親水層側から積層した。そして、剥離シートを除いた
シートパックの水分量が15〜20重量%になるよう
に、80℃の熱風乾燥炉を通し、水分を蒸発させた。こ
れにより図2に示した層構成のシート状パックを得た。
ンフィルムからなる剥離シート上に、厚さ約300μm
になるように均一に流延し、直後に上述の透湿性保持体
を親水層側から積層した。そして、剥離シートを除いた
シートパックの水分量が15〜20重量%になるよう
に、80℃の熱風乾燥炉を通し、水分を蒸発させた。こ
れにより図2に示した層構成のシート状パックを得た。
【0047】(ii)評価 (ii-1)引っ張り特性 皮膜形成性化粧料を保持させる前の透湿性保持体から大
きさ50mm×150mmの試験片を切り出し、温度2
0℃で引っ張り試験器(オリエンテック(株)製、テン
シロンRTA−100)を用いて、チャック間隔100
mm、引っ張り速度300mm/min(伸長速度20
0%/min)で引き伸ばし、伸度(%)と応力(N/
50mm)を前述の式(1)、(2)により求め、伸度
−応力曲線を作成し、降伏点の応力fiを求めた。ま
た、降伏点伸度Si(%)と破断伸度Sb(%)との比
Si/Sbを求めた。結果を表1に示す。
きさ50mm×150mmの試験片を切り出し、温度2
0℃で引っ張り試験器(オリエンテック(株)製、テン
シロンRTA−100)を用いて、チャック間隔100
mm、引っ張り速度300mm/min(伸長速度20
0%/min)で引き伸ばし、伸度(%)と応力(N/
50mm)を前述の式(1)、(2)により求め、伸度
−応力曲線を作成し、降伏点の応力fiを求めた。ま
た、降伏点伸度Si(%)と破断伸度Sb(%)との比
Si/Sbを求めた。結果を表1に示す。
【0048】(ii-2)官能評価 シート状パックをパネラーによる使用テストに供した。
この場合、シート状パックの使用方法としては、まず、
シート状パックを図4(a)のように鼻用にカットし
た。次に、貼付部位となる清浄な皮膚に、まず水を適量
塗布し、そこにカットしたシート状パックを押さえ、図
4(b)に示したように貼付し、乾燥後パックを剥離し
た。そして、鼻全体への貼り易さ、鼻全体への密着性、
小鼻のきわへの貼り易さ、小鼻のきわへの密着性、鼻全
体の角栓除去効果、小鼻のきわの角栓除去効果につい
て、各々、◎(非常によい)、○(よい)、△(ふつ
う)、×(劣っている)の4段階に評価した。結果を表
1に示す。
この場合、シート状パックの使用方法としては、まず、
シート状パックを図4(a)のように鼻用にカットし
た。次に、貼付部位となる清浄な皮膚に、まず水を適量
塗布し、そこにカットしたシート状パックを押さえ、図
4(b)に示したように貼付し、乾燥後パックを剥離し
た。そして、鼻全体への貼り易さ、鼻全体への密着性、
小鼻のきわへの貼り易さ、小鼻のきわへの密着性、鼻全
体の角栓除去効果、小鼻のきわの角栓除去効果につい
て、各々、◎(非常によい)、○(よい)、△(ふつ
う)、×(劣っている)の4段階に評価した。結果を表
1に示す。
【0049】実施例2 実施例1において、透湿性保持体の製造時にヒートエン
ボス法に代えてエアスルー法を使用する以外は実施例1
を繰り返してシート状パックを得、これを評価した。
ボス法に代えてエアスルー法を使用する以外は実施例1
を繰り返してシート状パックを得、これを評価した。
【0050】比較例1 透湿性保持体として、ヒートエンボス法で製造した、1
00%ポリプロピレン繊維(芯鞘複合繊維で鞘の融点が
芯よりも低いもの)からなる撥水性不織布(撥水層)
(15g/m2 )と、ポリプロピレン繊維(芯鞘複合繊
維で鞘の融点が芯よりも低いもの)とレーヨン繊維(混
合率40%/60%)とからなる親水性不織布(親水
層)(10g/m2 )との2層構造不織布(25g/m
2 )を作成し、使用する以外は実施例1を繰り返してシ
ート状パックを得、これを評価した。結果を表1に示
す。
00%ポリプロピレン繊維(芯鞘複合繊維で鞘の融点が
芯よりも低いもの)からなる撥水性不織布(撥水層)
(15g/m2 )と、ポリプロピレン繊維(芯鞘複合繊
維で鞘の融点が芯よりも低いもの)とレーヨン繊維(混
合率40%/60%)とからなる親水性不織布(親水
層)(10g/m2 )との2層構造不織布(25g/m
2 )を作成し、使用する以外は実施例1を繰り返してシ
ート状パックを得、これを評価した。結果を表1に示
す。
【0051】比較例2 比較例1の透湿性保持体の製造において、ヒートエンボ
ス法に代えてスパンレース法を使用し、撥水性不織布の
坪量と親水性不織布の坪量をそれぞれ18g/m2とし
た以外は比較例1を繰り返してシート状パックを得、こ
れを評価した。結果を表1に示す。
ス法に代えてスパンレース法を使用し、撥水性不織布の
坪量と親水性不織布の坪量をそれぞれ18g/m2とし
た以外は比較例1を繰り返してシート状パックを得、こ
れを評価した。結果を表1に示す。
【0052】比較例3 比較例1の透湿性保持体の製造において、ヒートエンボ
ス法に代えてエアスルー法を使用した以外は比較例1を
繰り返してシート状パックを得、これを評価した。結果
を表1に示す。
ス法に代えてエアスルー法を使用した以外は比較例1を
繰り返してシート状パックを得、これを評価した。結果
を表1に示す。
【0053】
【表1】 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 比較例3 降伏点応力fi(N/50mm) 4.0 4.5 降伏点無 降伏点無 降伏点無 降伏点伸度Si/破断伸度Sb 0.30 0.35 1.00 1.00 1.00 透湿性保持体の製法 ヒートエンホ゛ス エアスルー ヒートエンホ゛ス スハ゜ンレース エアスルー +スハ゜ンレース +スハ゜ンレース 鼻全体への貼り易さ ◎ ◎ ○ ○ ○ 鼻全体への密着性 ◎ ◎ ○ ○ ○ 小鼻のきわへの貼り易さ ◎ ◎ △ △ △ 小鼻のきわへの密着性 ◎ ○ △ △ △ 鼻全体の角栓除去効果 ◎ ◎ ○ ○ ○小鼻のきわの角栓除去効果 ◎ ○ △ △ △
【0054】表1から、実施例1、2によれば、全ての
評価項目について良好な結果が得られているが、比較例
1〜3によれば、小鼻のきわへの貼り易さ、小鼻のきわ
への密着性、小鼻のきわの角栓除去効果がやや劣ってい
ることがわかる。
評価項目について良好な結果が得られているが、比較例
1〜3によれば、小鼻のきわへの貼り易さ、小鼻のきわ
への密着性、小鼻のきわの角栓除去効果がやや劣ってい
ることがわかる。
【0055】
【発明の効果】本発明のシート状パックによれば、皮膚
へのフィット性が向上し、小鼻のきわなどの一般にパッ
クを貼りにくいとされていた部位にも容易にパックを密
着させることが可能となる。
へのフィット性が向上し、小鼻のきわなどの一般にパッ
クを貼りにくいとされていた部位にも容易にパックを密
着させることが可能となる。
【図1】 透湿性保持体の伸度−応力曲線である。
【図2】 シート状パックの断面図である。
【図3】 シート状パックの断面図である。
【図4】 鼻用のシート状パックの平面図(同図
(a))及びその使用状態の説明図(同図(b))であ
る。
(a))及びその使用状態の説明図(同図(b))であ
る。
1 透湿性保持体 1x 透湿性保持体 2 親水層 3 撥水層 3x 撥水層 3a 第一の撥水層 3b 第二の撥水層 4 皮膜形成性化粧料 5 剥離シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金田 学 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 4C083 AB172 AC122 AC432 AC482 AD022 AD092 AD132 AD262 BB51 CC07 DD12 EE06 EE07 EE12
Claims (2)
- 【請求項1】 透湿性保持体と、少なくとも一部が透湿
性保持体に保持された皮膜形成性化粧料とからなるシー
ト状パックであって、透湿性保持体の伸度−応力曲線に
降伏点が存在し、降伏点の応力が2N/50mm以上、
かつ、降伏点伸度(%)/破断伸度(%)が0.8以下
であることを特徴とするシート状パック。 - 【請求項2】降伏点伸度(%)/破断伸度(%)が0.
5以下である請求項1記載のシート状パック。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29154199A JP2001114644A (ja) | 1999-10-13 | 1999-10-13 | シート状パック |
US09/620,554 US6503232B1 (en) | 1999-09-16 | 2000-07-20 | Sheet pack |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29154199A JP2001114644A (ja) | 1999-10-13 | 1999-10-13 | シート状パック |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001114644A true JP2001114644A (ja) | 2001-04-24 |
Family
ID=17770252
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29154199A Pending JP2001114644A (ja) | 1999-09-16 | 1999-10-13 | シート状パック |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001114644A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006316002A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-11-24 | Kanebo Ltd | 不織布含浸化粧料 |
-
1999
- 1999-10-13 JP JP29154199A patent/JP2001114644A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006316002A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-11-24 | Kanebo Ltd | 不織布含浸化粧料 |
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