JP3033044U - シート状パック - Google Patents

シート状パック

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JP3033044U
JP3033044U JP1996006995U JP699596U JP3033044U JP 3033044 U JP3033044 U JP 3033044U JP 1996006995 U JP1996006995 U JP 1996006995U JP 699596 U JP699596 U JP 699596U JP 3033044 U JP3033044 U JP 3033044U
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耕一 石田
学 金田
康浩 小森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用時に表面がべたつかず、乾燥あるいは被
膜形成完了までの放置時間が短く、剥離時にちぎれず、
かつ剥がれ残りが生じないピールオフタイプのパックを
得る。 【解決手段】 ピールオフタイプのパック10を、撥水
層3と親水層2とを有する多層型透湿性保持体1と、該
多層型透湿性保持体1に保持された化粧料4と、剥離シ
ート5とから構成する。この場合、親水層2に被膜化粧
料を保持させ、撥水層3がシート状パック10の表面を
なすようにする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、ピールオフタイプのシート状パックに関する。
【0002】
【従来の技術】
ピールオフタイプのパックは、被膜形成性化粧料を皮膚表面に適用し、一定時 間放置して被膜が形成された後、その被膜を皮膚から剥がすタイプの化粧料であ る。このピールオフタイプのパックは、そこに使用されている化粧料の構成成分 にもよるが、一般に適用時に皮膚の角質層に水分、保湿成分などを与え、皮膚か らの皮脂を吸収する。また、被膜形成により皮膚に適度な緊張を与え、血行をよ くする。さらに、剥離時には皮膚の汚垢や角栓などを取り去る。このため、ピー ルオフタイプのパックは、高いエモリエント効果と清浄効果とを得るために重要 なものとなっている。
【0003】 従来、ピールオフタイプのパックの製品形態としては、ゼリー状、ペースト状 及び粉末状のものが知られている。このうちゼリー状及びペースト状のものは、 それをそのまま皮膚に塗布し、被膜形成後に剥離するものである。また、粉末状 のものは予め水等の液体を加えて液状とし、それを皮膚に塗布し、被膜が形成さ れた後に剥離するものである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のピールオフタイプのパックはいずれの形態のものも、通 常、そのパックを構成する化粧料を指で皮膚へ塗布するため、塗布時に指に不用 の化粧料が付着し、化粧料が無駄になると共に指が汚れるという問題点があり、 また皮膚表面に均一に塗布することもできなという問題点があった。
【0005】 また、皮膚に適用後、被膜形成が完了するまでの放置時間が長いため、パック の使用が面倒なものとなるという問題点もあった。
【0006】 さらに、通常の使用量では形成される被膜の膜強度が十分でないため、剥離時 にちぎれ、皮膚表面に剥がれ残りが生じるという問題点もあった。剥がれ残りが 生じないようにするためには、塗布量を多くして被膜を厚く形成することが有効 であるが、この場合には塗布後被膜形成が完了するまでに要する時間がさらに長 くなるという問題点があった。
【0007】 このような問題に対して、近年、種々のシート状パックが提案されている。例 えば、ポリアクリル酸類と架橋剤からなる架橋型含水ゲルを不織布上に塗布した シート状パック(特開昭58−180408号公報)、アルギン酸、水溶性高分 子化合物及び架橋剤を必須成分とするシート状含水パック(特開平2−1455 05号公報)、最上面を剥離シートで保護した複数層の多層型シートであり、各 層にそれぞれ異なった美容成分を含有させ、顔面被覆マスクシートとしたもの( 特開平6−48917号公報)等の水溶性高分子と水を使用した含水シート状パ ック剤が提案されている。
【0008】 また、アスコルビン酸類の薬用もしくは美肌成分を配合した水溶性高分子を主 剤とする乾燥性膜状化粧料(特開昭58−216109号公報)、フィルム状物 の片面にポリアクリル酸ソーダなどの糊料の乾燥薄層あるいは該糊料の微粉末を 分散させた層を設けた美容パック剤(特開昭60−165902号公報)、水と 非水溶媒に可溶性又は膨潤性を有する高分子と、非水溶媒のみに可溶性又は膨潤 性を有する高分子とを必須とするシート状パック剤(特開平3−294213号 公報)、ポリビニルアルコールとその他の高分子と多価アルコールを配合したシ ート状パック化粧料(特開平5−194180号公報)、アルギン酸ナトリウム 及び多価アルコールを含有し、含水率を25重量%以下としたフィルム状パック 剤(特開平6−65048号公報)等の水溶性高分子と水を主剤としたペースト 状被膜形成性化粧料を薄膜化し乾燥状態にした乾燥シート状パック剤も提案され ている。この乾燥シート状パック剤は、使用時に水又は化粧水で加湿して使用さ れる。
【0009】 これらのシート状パック剤は、従来のパック剤に比較すると手軽に使用するこ とができる。しかしながら、使用時の表面のべたつき、剥離時のちぎれ、皮膚表 面への剥がれ残りという点では、なお満足できるものではなかった。また、被膜 形成完了までの放置時間も長いという問題もあった。
【0010】 本考案は以上のような従来技術の課題を解決しようとするものであり、使用時 に表面がべたつかず、被膜形成完了までの放置時間が短く、剥離時にちぎれず、 かつ剥がれ残りが生じないピールオフタイプのパックを提供することを目的とし ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本考案者らは、ピールオフタイプのパックの構成材料として、被膜形成性化粧 料等の化粧料の他に、撥水層と親水層とからなる多層型透湿性保持体を使用し、 この多層型透湿性保持体の親水層で化粧料を保持させ、表面には撥水層が配され るようにすると使用時に表面がべとつかないこと、また、この化粧料側に剥離シ ートを配するとパック剤の取扱い性が向上すること、さらに化粧料として被膜形 成性化粧料を使用した場合には、その被膜形成が完了するまでの放置時間を短縮 することができること、また皮膚上に形成される被膜強度を大きく向上させるこ とができ、剥離時にちぎれず、剥がれ残りも生じなくなることを見出し、本考案 を完成させるに至った。
【0012】 即ち、本考案は、撥水層と親水層とを有する多層型透湿性保持体、該多層型透 湿性保持体に保持された化粧料及び剥離シートからなることを特徴とするシート 状パックを提供する。
【0013】 特に、このようなシート状パックにおいて、化粧料として被膜形成性化粧料を 使用したものを提供する。
【0014】 本考案のシート状パックによれば、多層型透湿性保持体が撥水層と親水層とか らなり、この多層型透湿性保持体の親水層が化粧料を保持する。したがって、被 膜強度が向上し、このパックを皮膚に適用後、剥離する時にちぎれることがなく 、剥がれ残りも生じなくなる。また、本考案のシート状パックによれば、シート 状パックの表面に多層型透湿性保持体の撥水層が位置することとなるので、パッ クの使用時に表面がべたつくことを防止できる。さらに、多層型透湿性保持体は 透湿性を有するので、シート状パックを皮膚に貼付後化粧料が乾燥するまでの放 置時間を短縮することが可能となり、特に化粧料として被膜形成性化粧料を使用 した場合には、シート状パックを皮膚に貼付後被膜形成が完了するまでの放置時 間を短縮することが可能となる。
【0015】 また、本考案のパックを使用するにあたり、皮膚の貼付部位に水や化粧水等の 水分を供給し、その後、剥離シートを剥がしたシート状パックを貼付すると、皮 膚に供給した水分中にシート状パックの化粧料が溶解して低粘度の溶液が生成さ れ、その溶液が皮膚の肌目、毛穴等の細部に浸透する。したがって、このシート 状パックと皮膚との密着性が高くなり、パック効果を向上させることが可能とな る。
【0016】 特に、この場合、シート状パックとして、化粧料が乾燥状態のものを使用する と、そのシート状パックを皮膚に貼付させるのに必要な最低限の水分でシート状 パックを皮膚に貼付させることができるので、シート状パックを皮膚に貼付した 後の放置時間を短縮することができる。
【0017】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を詳細に説明する。
【0018】 本考案のパックは、化粧料の他に、撥水層と親水層とを有する多層型透湿性保 持体及び使用時に剥離除去する剥離シートからなり、使用前の層構成としては、 例えば、図1のように、親水層2と撥水層3からなり、化粧料を保持している多 層型透湿性保持体1と、化粧料4と、剥離シート5との積層構造とすることがで きる。
【0019】 ここで、多層型透湿性保持体の撥水層、親水層及び化粧料の位置関係は、多層 型透湿性保持体自体の層構成等にもよるが、多層型透湿性保持体が、その基本的 態様として、1層の撥水層と1層の親水層からなる2層構造の場合、図2に示し たシート状パック(剥離シートの剥離除去後の態様)10のように、親水層2と 撥水層3からなる多層型透湿性保持体1の親水層2に化粧料4を保持させ、その 親水層2上の撥水層3がシート状パックの表面をなすようにする。
【0020】 このような本考案の多層型透湿性保持体自体の層構成やそれを用いたシート状 パックの層構成は、従来の不織布等を保持体としたシート状パックと大きく異な り、本考案の特徴となっている。本考案では、従来のように、単に化粧料4の層 上に撥水性保持体3xを積層した態様(図3)や、化粧料4中に親水性保持体2 xを含浸させた態様(図4)や、化粧料4を撥水性保持体3xに部分的に含浸さ せた態様(図5)は含まない。
【0021】 また、本考案において多層型透湿性保持体1としては、上述のように撥水層3 と親水層2とからなるものを使用するが、このような多層型透湿性保持体1とし ては、その保持体全体として化粧料の乾燥や被膜形成作用が妨げられないように 透湿性である限り、種々の布や、布とフィルムとのラミネート又は貼り合せによ る積層体から構成することができる。また、多層型透湿性保持体1を構成する撥 水層3や親水層2は、それらが必ずしも単一の撥水性又は親水性の透湿性保持体 構成素材から構成されている必要はなく、撥水層はその層全体として撥水性とな る限り、また親水層は化粧料に対して十分に親和性となるように親水性となる限 り、撥水性の構成素材と親水性の構成素材との混合物から構成することができる 。また、任意の透湿性保持体構成素材に、必要に応じて撥水性処理又は親水性処 理(例えば、脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤、ポリグリセリン脂肪酸エス テル、アルキルエーテルサルフェート、高級アルコール硫酸塩、アルキルホスフ ェート金属塩、又はこれらの混合物等からなる界面活性剤処理)を施したものを 使用することができる。
【0022】 例えば、このような透湿性保持体構成素材として布を使用する場合に、その構 成繊維としては、撥水層については、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピ レン、ポリウレタン等の撥水性の合成繊維、その他無機繊維等を使用することが できる。
【0023】 また、親水層については、綿、麻、羊毛等の天然繊維、レーヨン、アセテート 等のセルロース系繊維等の親水性繊維を使用することができる。これらの親水性 繊維と、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等の撥水 性繊維とを混合使用することもできる。この場合、親水性繊維の混合率は5%以 上が好ましく、10%以上がより好ましい。また、親水層には、これら撥水性繊 維をアルキルホスフェート金属塩、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス 等のワックス系化合物、シリコーン系化合物、アクリル酸系化合物、フッ素系化 合物、又はこれらのこれらの混合物等の界面活性剤で親水化処理したものも使用 することができる。
【0024】 これらの繊維の太さに関しては、直径数μm〜50μm程度のものを好ましく 使用することができるが、シート状パックを構成する化粧料の裏抜け性及び風合 いの点から30μm以下が好ましい。また、5μm〜20μm程度の細い繊維を 撚ったフィラメント糸や紡績糸を使用することもできる。
【0025】 このような繊維からなる布は、織物、編み物、不織布のいずれの形態であって もよく、これらの組み合わせであってもよい。特に、コスト、生産性、風合いの 点からは不織布が好ましい。
【0026】 本考案において、不織布を多層型透湿性保持体の親水層に使用する場合に、親 水層側からの耐水圧が0.2g/cm2 以上とすることが好ましく、2g/cm 2 以上とすることより好ましい。これにより、親水層から撥水層への化粧料の裏 抜けを防止することができる。ここで、耐水圧は次のように測定した値をいう。
【0027】 即ち、図9に示したように、断面積が9.6cm2 の円筒管20に、ゴムパッ キング21を介して不織布22を挟み、円筒管20の上部に設けた注入口からイ オン交換水23を、1分間に4gの注入速度で注入し、そのイオン交換水が不織 布22を通って下に漏れるまでの時間を測定し、次式にしたがって耐水圧を求め る。
【0028】
【数1】 耐水圧(g/cm2 )=測定時間(秒)×(4g/60秒)/9.6cm2
【0029】 また、多層型透湿性保持体として布を使用する場合に、その透湿性の程度は空 隙率に応じて定まるが、この空隙率が低すぎると化粧料の乾燥速度が遅くなる傾 向がある。また、シート状パックの製造時、特に、化粧料中に布を含浸させる時 に空気が混入する恐れも生じる。反対に空隙率が高すぎると、膜強度の向上作用 が低下する傾向がある。また、シート状パックを皮膚から剥がすときに化粧料が 皮膚に残りやすくなる。従って、空隙率を次式で表す場合に、空隙率は70〜9 9%とすることが好ましく、85〜99%がより好ましい。
【0030】
【数2】空隙率(%)= (ρ−ρ´) ×100 ρ (式中、ρ :多層型透湿性保持体の比重 ρ´:多層型透湿性保持体の見かけの比重 )
【0031】 布の厚さに関し、親水層については、薄すぎると化粧料の保持力が低下し、膜 強度の向上作用も低下し、シート状パックを皮膚から剥がすときに化粧料が皮膚 に残りやすくなる。また、厚すぎると化粧料の塗工量が多くなり、乾燥あるいは 被膜形成が完了するまでの放置時間が長くなる。一方、撥水層については、薄す ぎると、皮膚にシート状パックを適用するときに、撥水層上に化粧料がしみ出し てべたつく。また、全体の厚さが厚すぎると、シート状パックが、当該シート状 パックの適用部位の外形になじみにくくなる。したがって、親水層及び撥水層が 布からなる場合に、それらの厚さは、各々20〜2000μmが好ましく、30 〜1500μがより好ましい。また、多層型透湿性保持体の全体の厚さは40〜 2000μmが好ましく、50〜1500μmがより好ましい。
【0032】 さらに、多層型透湿性保持体に使用する布としては、シート状パックを皮膚へ 貼付するときに、シート状パックが当該貼着部位の外形状になじむように、ある 程度の伸縮性を有するものが好ましい。ただし、伸縮性が大きすぎると膜強度の 向上作用が低下し、剥離性が低下するので、伸縮率100%以下のものが好まし い。
【0033】 布の伸縮性は繊維素材にもよるが、好ましい伸縮性を有する布としては、スチ レン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(S BS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)、スチレン− エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)等のスチレン系熱可塑性エラスト マー(TPE)、エチレン−プロピレンコポリマー(EPM)、エチレン−プロ ピレン−架橋用ジエンモノマー(エチリデンノルボルネン等)の三元共重合体( EPDM)等のオレフィン系TPE、塩ビ系TPE、ウレタン系TPE、エステ ル系TPE、アミド系TPE及びその他のTPEなどを溶融紡糸、又は湿式紡糸 した繊維をそのまま、又は撚り合わせて、織物、編み物等にした物、他の繊維素 材と混合した織物、編み物等をあげることができる。
【0034】 また、不織布の場合には、上述のTPE樹脂を公知のスパンボンド法、メルト ブロー法等の直接法による繊維、オレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系 樹脂から選ばれる鞘/芯型の偏心した複合繊維、又はサイドバイサイド型の複合 繊維を、公知のニードルパンチ法やスパンレース法等により交絡させるか又はエ ンボスによる接着を行い、熱風処理により熱収縮(ミクロクリンプ)させ、構造 伸縮を発現させたもの等をあげることができる。
【0035】 なお、布の伸縮性や変形性は、布の全方向に等方的でもよく、特定の方向に異 方的であってもよい。
【0036】 多層型透湿性保持体の構成素材としては、上述のような布以外にも種々の素材 を使用することができる。例えば、布のみでは強度が不十分である場合、また透 湿性を制御したい場合には、布とフィルムとをラミネート又は貼り合せにより積 層したものを使用することができる。
【0037】 ここで、フィルム素材としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム 等のジエン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン、ナイロ ン66、ナイロン6、ナイロン12等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化 ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリメチ ルメタクリレート等のビニル又はビニリデン系のポリマー、ポリエチレンテレフ タレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、エチレン酢酸ビニル 、エチレンアクリル酸、エチレンアクリル酸エステル等のエチレン共重合体、ポ リアセテート、ウレタン、及びこれらの変性物を使用することができる。またこ れらのブレンドも使用することができる。さらに、伸縮性を付与する場合、SB S、SEBS、SEPS等のスチレン系熱可塑性TPE、EPM、EPDM等の オレフィン系TPE、塩ビ系TPE、ウレタン系TPE、エステル系TPE、ア ミド系TPE及びその他のTPE等を使用することができる。
【0038】 また、これらのフィルム素材から透湿性フィルムを得る方法としては、上述の フィルム素材となる樹脂に無機あるいは有機のフィラーを溶融状態で混練し、シ ート状に成型し、延伸する方法、このような方法においてフィラーに代えて非相 溶な樹脂を溶融状態で分散し、シート状に成型し、延伸する方法、あるいはフィ ラーに代えてオイル成分を溶融混練し、シート状に成型し、延伸する方法、また 、上述のフィルム素材となる樹脂とオイルもしくはワックス成分等を混練してシ ート状に成型し、オイルもしくはワックス成分等を抽出除去する方法、フィルム 素材となる樹脂を焼結させる方法、フィルム素材となる樹脂をシート状に成型し た後、放電加工等により開孔する方法等がある。また、フィルム素材となる樹脂 から得られる発泡体シート、熱可塑性エラストマーに水溶性物質、塩、ポリビニ ルアルコールなどを混ぜてシート状に成型し、それら水溶性物質等を抽出したも のも透湿性フィルムとして使用することができる。この他、公知の透湿性樹脂シ ート、例えば、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、ポリビニル アルコール、セロハン等からなるシートを使用することができる。さらに非透湿 性シートに対しては、そのシートに微細な穿孔を多数穿設し、透湿性を付与して もよい。
【0039】 これらフィルムの透湿性の程度は、JIS Z0208による測定法において 、100〜10000g/m2 /24hが好ましい。
【0040】 フィルムの厚さに関しては、フィルムが薄すぎると膜強度の向上作用が低下し 、シート状パックを皮膚から剥がすときに被膜が破れ、化粧料が皮膚に残ること を防止することができず、反対に厚すぎると当該貼付部位の外形状へなじみにく くなり、コスト的にも不利となる。したがって、通常は20〜50μm程度が好 ましい。
【0041】 上述のような布とフィルムとを貼り合わせる方法としては、フィルム素材とす る樹脂を溶媒等に溶解するかあるいは熱溶融させて布とラミネートする方法、布 とフィルムとをホットメルト接着剤で貼り合わせるホットメルト法、超音波、ヒ ートエンボス等で貼り合わせる方法等をあげることができる。
【0042】 一方、本考案において、化粧料そのものとしては、従来よりピールオフタイプ のパックに使用されている種々の被膜形成性化粧料や、パップ剤に使用されるよ うな含水ゲル状となる化粧料等を使用することができる。またその形態は、既に 十分な水分を含んだペースト状でもよく、あるいは当初は乾燥状態であって使用 時に水分を供給して使用するようなものでもよい。
【0043】 化粧料として被膜形成性化粧料を使用する場合に、そこに含有させることがで きる被膜形成剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド ン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、カルボキシメチルセルロース等をあげること ができる。また、増粘剤としては、ペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、カラ ギーナン、アルギン酸ナトリウム、プルラン、メチルセルロース、ヒドロキシエ チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー等 をあげることができる。
【0044】 また、被膜形成性化粧料は、保湿用化粧料、皮脂吸収用化粧料、角栓除去用化 粧料等のいずれの用途の化粧料として構成してもよく、各用途に応じた成分を含 有することができる。
【0045】 例えば、保湿用化粧料とする場合には、被膜形成性化粧料中に保湿剤として、 エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、その他 ポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、 その他ポリプロピレングリコール類、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブ チレングリコール等のブチレングリコール類、グリセリン、ジグリセリン、その 他ポリグリセリン類、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトー ル等の糖アルコール類、ガラクトース、グルコース、フルクトース等の単糖類、 マルトース、ラクトース等の多糖類等を含有させることができる。また、油分( エモリエント成分)として、流動パラフィン、スクワラン、固形パラフィン等の 炭化水素、オリーブ油、ホホバ油、月見草油、ヤシ油、牛油等の天然油、イソプ ロピルミリステート、セチルイソオクタノエート、ジカプリン酸ネオペンチルグ リコール等のエステル類、メチルポリシロキサン、メチルポリシクロシロキサン 、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、イソステアリン酸、オレイ ン酸等の高級脂肪酸等を含有させることができる。
【0046】 また、角栓除去用化粧料とする場合には、特に膜強度の高い被膜を形成し、皮 膚中の角栓を被膜に取り込み、剥離除去できるように、被膜剤として、特開平5 −97627号公報の特許請求の範囲に記載されているような、アニオン性、カ チオン性あるいは両イオン性の塩生成基、より具体的にはカルボキシル基、スル ホン酸残基、硫酸残基、リン酸残基、硝酸残基、アミノ基、アンモニウム基等の 塩生成基を有する高分子化合物を使用することが好ましい。なかでも、ポリ塩化 メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムを含有するものが好ましい 。
【0047】 この他、いずれの用途においても、本考案において化粧料には、化粧料に通常 配合される成分、例えば、ビタミンC、プラセンタエキス等の美白成分、グリチ ルリチン酸塩等の消炎成分、色素、顔料、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤等を含有 させることができる。
【0048】 本考案のシート状パックにおいて、使用時に剥離除去する剥離シートは、化粧 料側の表面に積層しておくことができる。このような剥離シートとしては、例え ば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等を使用すること ができる。
【0049】 また、本考案のシート状パックは、外形状について特に制限はなく、所定の幅 のシート状とし、皮膚への貼付時に適宜カットして使用することができる。また 、予め、顔全体を覆う全顔パックに適した形状にカットしておいてもよく、ある いはまた、額、頬、鼻等の部分パックに適する形状にカットしておいてもよい。 例えば、図6(a)に示すような略三角形状に形成しておくことにより、同図( b)に示すように、鼻の部分パックを簡便に行えるようになる。また、図7(a )に示すような略T型にすることにより、同図(b)に示すように顔のTゾーン に適合させることができ、図8(a)に示すように略U型にすることにより顔の Uゾーンに適合させることができる。
【0050】 本考案のシート状パックの製造方法としては、例えば、まず化粧料の構成成分 を均一に撹拌し、水を加え、粘度を調整し、化粧料の液状物を得る。この場合、 水の比率は10〜95重量%となるようにすることが好ましい。次にこの液状物 を、アプリケータを用いて、剥離シート上に均一に展延塗布し、その上に多層型 透湿性保持体を重ね、多層型透湿性保持体の親水層に化粧料を含浸させる。この 場合、化粧料の粘度が低い場合には自然含浸されるが、粘度が高い場合には、十 分に含浸時間をとるか、あるいは剥離シート上に化粧料を塗工し、その上に多層 型透湿性保持体に重ね、この多層型透湿性保持体を剥離シート側に押しつけるよ うにローラーで加圧してもよい。
【0051】 また、本考案のシート状パックを、化粧料がペースト状態のペーストタイプと する場合には、水分量を調整した後、所定形状に切断する。そして、使用時まで 水分が揮発しないように、水分透過性のない容器に密封保存する。一方、シート 状パックを化粧料が乾燥状態のドライタイプとする場合には、乾燥させた後、所 定形状に切断する。乾燥は、室温あるいは加温下で数時間放置することにより行 うことができる。
【0052】 このようにして得られるシート状パックは、ペーストタイプの場合、通常、含 水量30〜80重量%、シート厚50〜2000μmとなる。また。ドライタイ プの場合、通常、含水量0.1〜30重量%、シート厚10〜1000μmとな る。
【0053】 本考案のシート状パックの使用方法としては、剥離シートを剥がし、化粧料が ペースト状態のものは、そのまま化粧料の面を皮膚に貼着し、乾燥あるいは被膜 形成後に皮膚から引き剥がせばよい。また、化粧料が乾燥状態のものは、まずシ ート状パックの化粧料の面あるいは貼付部位の皮膚に水、化粧水等を供給し、そ の後ペースト状態のものと同様に皮膚に貼付し、乾燥あるいは被膜形成後に皮膚 から引き剥がせばよい。
【0054】 特に好ましい使用方法としては、化粧料がペースト状の場合でも乾燥状態の場 合でも、貼付部位の皮膚に予め、水、化粧水等を供給し、その後、剥離シートを 剥がしたシート状パックを皮膚に貼付する。これにより水分中に化粧料が溶解し 、その低粘度の溶液が皮膚の肌目、毛穴等の細部に浸透し、このシート状パック と皮膚との密着性が高くなり、パック効果を向上させることが可能となる。
【0055】 また、化粧料が乾燥状態のものを使用した場合には、上述の方法に従うと必要 最小限の水分でシート状パックを皮膚に貼付することができ、したがって、乾燥 あるいは被膜形成完了までの放置時間を短縮することができるので好ましい。
【0056】
【実施例】
以下、本考案を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0057】 実施例1 (i) シート状パックの製造 多層型透湿性保持体として、ヒートエンボス法で製造した100%ポリプロピ レン繊維からなる撥水性不織布(撥水層)(15g/m2 )と、ポリプロピレン 繊維とレーヨン繊維(混合率40%/60%)とからなる親水性不織布(親水層 )(10g/m2 )との2層構造不織布(25g/m2 )を作製した。この不織 布の親水層側からの耐水圧は、2〜3g/cm2 であった。
【0058】 一方、ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム25.0 重量%、ポリビニルアルコール5.0重量%、グリセリン5.0重量%、エタノ ール10.0重量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油0.2重量%、メチルパ ラベン0.1重量%、香料 微量、精製水54.7重量%混合し、撹拌機を用い て常温にて溶解させ、減圧脱気して角栓除去用被膜形成性化粧料溶液を調製した 。
【0059】 この被膜形成性化粧料溶液をポリプロピレンフィルムからなる剥離シート上に 、厚さ約300μmになるように均一に流延し、直後に上述の多層型透湿性保持 体を親水層側から積層した。そして、80℃の熱風乾燥炉を通し、水分を蒸発さ せた。これにより、剥離シートを剥離除去した後のパックとして、図2に示した ように、多層型透湿性保持体1の親水層2のみが被膜形成性化粧料4を含浸して 保持し、撥水層3が表面層となっているシート状パック10を得た。この被膜形 成性化粧料4の水分含量は17〜19重量%であった。
【0060】 (ii) シート状パックの評価 得られたシート状パックをパネラーによる使用テストに供した。
【0061】 この場合、シート状パックの使用方法としては、予めシート状パックを図6( a)のように鼻の形にカットした。次に、シート状パックの貼付部位となる皮膚 に、まず水を適量塗布し、そこに、鼻の形にカットし、剥離シートを剥離除去し たシート状パックを押さえて図6(b)のように貼付し、乾燥後パックを剥離し た。そして、表面のべたつき、密着性、乾燥性、剥がし易さ、剥がれ残りのなさ 、角栓除去効果、肌のつるつる感について、各項目を◎、○、△、×の4段階に 評価した。この結果を表1に示す。
【0062】 実施例2 多層型透湿性保持体として、ヒートエンボス法で作製した100%ポリエステ ル/ポリエチレン芯/鞘構造繊維からなる不織布(12g/m2 )を撥水油剤処 理したもの(撥水層)と、同繊維からなる不織布(13g/m2 )を親水油剤処 理したもの(親水層)とを超音波法で貼り合わせた二重構造不織布(親水側から の耐水圧0.15g/cm2 )を使用する以外は実施例1と同様にしてシート状 パック(水分含量:17〜19重量%)を得、これを評価した。この結果を表1 に示す。
【0063】 実施例3 実施例1と同様にシート状パックを作製し、これを評価した。ただし、シート 状パックの貼付方法としては、皮膚の貼付部位ではなく、パックの貼付面に水を 適量塗布し、これを鼻に押さえて貼付し、乾燥後パックを剥離した。
【0064】 比較例1 透湿性保持体として、スパンボンド法で作製した100%ポリエステル/ポリ エチレン芯/鞘構造繊維からなる撥水性の単層構造不織布(22g/m2 、耐水 圧4.1g/cm2 )を使用する以外は実施例1と同様にしてシート状パック( 水分含量:17〜19重量%)を得、これを評価した。この結果を表1に示す。
【0065】 比較例2 透湿性保持体として、スパンボンド法で作製した100%ポリエステル/ポリ エチレン芯/鞘構造繊維からなる不織布(22g/m2 )を親水油剤処理した親 水性の単層構造不織布(22g/m2 、耐水圧0.007g/cm2 )を使用す る以外は実施例1と同様にしてシート状パック(水分含量:17〜19重量%) を得、これを評価した。この結果を表1に示す。
【0066】 比較例3 透湿性保持体として、ヒートエンボス法で作製したポリプロピレン繊維/レー ヨン繊維(混合率:40%/60%)からなる親水性の単層不織布(25g/m 2 、耐水圧0.03g/cm2 )を使用する以外は実施例1と同様にしてシート 状パック(水分含量:17〜19重量%)を得、これを評価した。この結果を表 1に示す。
【0067】 比較例4 透湿性保持体として、スパンボンド法で作製した100%ポリエステル/ポリ エチレンの芯/鞘構造繊維からなる撥水性の単層不織布(22g/m2 、耐水圧 4.1g/cm2 )を使用し、これを被膜形成性化粧料の塗工層上に積層し、ロ ーラーを通して積層物を引っ張ることにより、被膜形成性化粧料を不織布に含浸 させた以外は実施例1と同様にしてシート状パック(水分含量:17〜19重量 %)を得、これを評価した。この結果を表1に示す。
【0068】
【表1】 被膜形成性 実施例 実施例 実施例 比較例 比較例 比較例 比較例化粧料 (wt%) 1 2 3 1 2 3 4 ホ゜リヒ゛ニルアルコール 5.0 ← ← ← ← ← ← ホ゜リ 塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム 25.0 ← ← ← ← ← ← ホ゜リオキシエチレン 硬化ヒマシ油 0.2 ← ← ← ← ← ← ク゛リセリン 5.0 ← ← ← ← ← ← エタノール 10.0 ← ← ← ← ← ← メチルハ゜ラヘ゛ン 0.1 ← ← ← ← ← ← 香料 微量 ← ← ← ← ← ← 精製水 54.7 ← ← ← ← ← ← 保持体の種類 不織布 ← ← ← ← ← ← 構造 図2 ← ← 図3 図4 図4 図5 撥水/親水 ← ← 撥水 親水 親水 撥水水の供給部位 皮膚 皮膚 パック 皮膚 ← ← ← 評価 表面のべたつき ◎ ◎ ○ ◎ × × △ 密着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 乾燥性 ◎ ◎ △ ◎ ◎ ◎ ◎ 剥がし易さ ◎ ◎ ○ × △ △ × 剥がれ残りのなさ◎ ○ ◎ × ◎ ◎ × 角栓除去効果、 ◎ ◎ ◎ △ ◎ ◎ △ 肌のつるつる感 ◎ ◎ ◎ △ ◎ ◎ △
【0069】 実施例4 被膜形成性化粧料として、ポリビニルアルコール8.0重量%、スクワラン5 .0重量%、ジプロピレングリコール5.0重量%、グリセリン5.0重量%、 エタノール10.0重量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油0.2重量%、メ チルパラベン0.1重量%、精製水66.7重量%とし、保湿用被膜形成性化粧 料を調製する以外は実施例1と同様にシート状パックを作製した。
【0070】 得られたシート状パックを評価するためにパネラーによる使用テストに供した 。この場合、シート状パックは、予め図7(a)、図8(a)に示すように、顔 のTゾーン及びUゾーンの形状にカットした。一方、皮膚のパック貼付部位に水 をつけ、カットしたシート状パックを皮膚に押さえて図7(b)、図8(b)に 示すように貼付し、乾燥後パックを剥離した。そして、表面のべたつき、密着性 、乾燥性、剥がし易さ、剥がれ残りのなさ、肌のしっとり感、肌のなめらかさに ついて、各項目を◎、○、△、×の4段階に評価した。この結果を表2に示す。
【0071】 実施例5 被膜形成性化粧料として、実施例4と同様の化粧料を使用し、多層型透湿性保 持体として実施例2と同様の二層構造不織布を使用する以外は実施例1と同様に シート状パックを作製し、これを実施例4と同様に評価した。この結果を表2に 示す。
【0072】 実施例6 実施例4と同様にシート状パックを作製し、これを評価した。ただし、シート 状パックの貼付方法としては、皮膚の貼付部位ではなく、パックの貼付面に水を 適量塗布し、これを皮膚に押さえて貼付し、乾燥後パックを剥離した。この結果 を表2に示す。
【0073】 実施例7 被膜形成性化粧料として実施例4と同様の化粧料を使用し、多層型透湿性保持 体として、100%直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、炭酸カルシウ ム及び添加剤からなるフィルム(35g/m2 )(撥水層)と、ポリプロピレン 繊維とレーヨン繊維(混合率 40%/60%)からなる不織布(10g/m2 )(親水層)をヒートエンボス法で貼り合せた二層構造保持体(45g/m2 ) を使用する以外は実施例1を繰り返し、シート状パックを作製した。なお、この 二層構造保持体の親水層側からの耐水圧は10g/cm2 以上であり、透湿性は 3600〜4800g/m2 /24hであった。得られたシート状パックを実施例 4と同様に評価した。この結果を表2に示す。
【0074】 比較例5 被膜形成性化粧料として実施例3と同様の化粧料を使用し、多層型透湿性保持 体として比較例1と同様の単層不織布を使用する以外は実施例1と同様にしてシ ート状パックを作製し、これを実施例4と同様に評価した。この結果を表2に示 す。
【0075】 比較例6 被膜形成性化粧料として実施例3と同様の化粧料を使用し、多層型透湿性保持 体として比較例2と同様の単層不織布を使用する以外は実施例1と同様にしてシ ート状パックを作製し、これを実施例4と同様に評価した。この結果を表2に示 す。
【0076】 比較例7 被膜形成性化粧料として実施例3と同様の化粧料を使用し、多層型透湿性保持 体として比較例3と同様の単層不織布を使用する以外は実施例1と同様にしてシ ート状パックを作製し、これを実施例4と同様に評価した。この結果を表2に示 す。
【0077】
【表2】 被膜形成性 実施例 実施例 実施例 実施例 比較例 比較例 比較例化粧料 (wt%) 4 5 6 7 5 6 7 ホ゜リヒ゛ニルアルコール 8.0 ← ← ← ← ← ← スクワラン 5.0 ← ← ← ← ← ← ホ゜リオキシエチレン 硬化ヒマシ油 0.2 ← ← ← ← ← ← ク゛リセリン 5.0 ← ← ← ← ← ← エタノール 10.0 ← ← ← ← ← ← シ゛フ゜ロヒ゜レンク゛リコール 5.0 ← ← ← ← ← ← メチルハ゜ラヘ゛ン 0.1 ← ← ← ← ← ← 香料 微量 ← ← ← ← ← ← 精製水 66.7 ← ← ← ← ← ← 保持体の種類 不織布 ← ← [フィルム/不織布] ← ← ← 構造 図2 ← ← ← 図3 図4 図4 撥水/親水 ← ← ← 撥水 親水 親水 水の供給部位 皮膚 皮膚 パック 皮膚 皮膚 ← ← 評価 表面のべたつき ◎ ◎ ○ ◎ ◎ × × 密着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 乾燥性 ◎ ◎ △ △ ◎ ◎ ◎ 剥がし易さ ◎ ◎ ◎ ◎ × △ △ 剥がれ残りのなさ◎ ○ ◎ ◎ × ○ ◎ 肌のしっとり感 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 肌のなめらかさ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
【0078】 表1、表2の結果から、保持体が撥水層と親水層の2層構造となっている実施 例のシート状パックを使用すると、表面のべたつき、密着性、乾燥性、剥がし易 さ、剥がれ残りのなさ、パック効果(角栓除去効果、肌のつるつる感、肌のしっ とり感、肌のなめらかさ)の全ての評価項目について良好な結果が得られること 、特に、パックの皮膚への貼付方法として、予め皮膚に水を供給しておくとパッ クに供給した場合に比して表面のべたつきがなく乾燥が速いことがわかる。
【0079】 これに対して、透湿性保持体として、撥水層と親水層の2層構造のものを使用 することなく、撥水性の単層不織布を使用した比較例1、比較例4及び比較例5 においては、剥がしにくく、剥がれ残りも多くなること、親水性の単層不織布を 使用した比較例2、比較例3、比較例6及び比較例7ではパック表面のべたつき が強く、取扱性が劣ることがわかる。
【0080】
【考案の効果】
本考案のシート状パックによれば、パックの使用時に表面がべたつくことを防 止でき、乾燥あるいは被膜形成完了までの放置時間を短縮でき、剥離時にちぎれ ず、かつ剥がれ残りが生じないピールオフタイプのパックを得ることができる。
【0081】 特に、本考案のパックを使用するにあたり、予めパックの貼付部位の皮膚に水 分を供給した後、そこにパックを適用すると、パック効果を一層向上させ、かつ パックを皮膚に貼付後乾燥あるいは被膜形成完了までの放置時間を短縮すること ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のシート状パックの断面図である。
【図2】本考案のシート状パックの剥離シート除去後の
断面図である。
【図3】従来のシート状パックの断面図である。
【図4】従来のシート状パックの断面図である。
【図5】従来のシート状パックの断面図である。
【図6】本考案の略三角形のシート状パックの平面形状
(同図(a))及びその使用態様の説明図である(同図
(b))。
【図7】本考案のTゾーン用のシート状パックの平面形
状(同図(a))及びその使用態様の説明図である。
【図8】本考案のUゾーン用のシート状パックの平面形
状(同図(a))及びその使用態様の説明図である。
【図9】耐水圧の測定方法の説明図である。
【符号の説明】
1 多層型透湿性保持体 2 親水層 3 撥水層 4 化粧料 5 剥離シート 10 シート状パック

Claims (11)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撥水層と親水層とを有する多層型透湿性
    保持体、該多層型透湿性保持体に保持された化粧料及び
    剥離シートからなることを特徴とするシート状パック。
  2. 【請求項2】 化粧料が少なくとも親水層に保持され、
    撥水層がシート状パックの一方の表面をなし、剥離シー
    トが化粧料側の表面に配されている請求項1記載のシー
    ト状パック。
  3. 【請求項3】 化粧料が被膜形成性化粧料である請求項
    1又は2記載のシート状パック。
  4. 【請求項4】 被膜形成性化粧料が、保湿用化粧料、皮
    脂吸収用化粧料又は角栓除去用化粧料からなる請求項3
    記載のシート状パック。
  5. 【請求項5】 角栓除去用化粧料が、カルボキシル基、
    スルホン酸残基、硫酸残基、リン酸残基、硝酸残基、ア
    ミノ基及びアンモニウム基から選ばれる塩生成基を有す
    る高分子化合物を含有する請求項4記載のシート状パッ
    ク。
  6. 【請求項6】 角栓除去用化粧料が、ポリ塩化メタクリ
    ロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムを含有する
    請求項5記載のシート状パック。
  7. 【請求項7】 多層型透湿性保持体の撥水層と親水層と
    がそれぞれ不織布からなる請求項1記載のシート状パッ
    ク。
  8. 【請求項8】 多層型透湿性保持体の親水層側からの耐
    水圧が0.1g/cm2 以上である請求項7記載のシー
    ト状パック。
  9. 【請求項9】 撥水層又は親水層が界面活性剤処理され
    ている請求項1記載のシート状パック。
  10. 【請求項10】 撥水層が、ポリエチレン、ポリプロピ
    レン又はポリエステルからなり、親水層が、レーヨン又
    はコットンからなる請求項1記載のシート状パック。
  11. 【請求項11】 多層型透湿性保持体が、不織布と透湿
    性フィルムとのラミネート又は貼り合せによる積層体か
    らなる請求項1記載のシート状パック。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11116435A (ja) * 1997-10-06 1999-04-27 Nitto Denko Corp 美白化粧シートおよびその使用方法
JP3382863B2 (ja) 1998-10-21 2003-03-04 花王株式会社 シート状化粧料
KR100841654B1 (ko) * 2006-01-27 2008-06-26 마루오카 타카오 중층형 화장용 팩 시트와 그의 사용방법

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