JP2001113606A - 繊維強化樹脂成形品の製造方法及び製造装置 - Google Patents
繊維強化樹脂成形品の製造方法及び製造装置Info
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Abstract
法に関するものであり、比重のばらつきが少ない製品を
製造することができる繊維強化樹脂成形品の製造方法の
開発を課題とする。 【解決手段】 長尺繊維束にウレタン樹脂液を振りかけ
た後、揉み装置20に送り、発泡性樹脂液と長尺繊維束
1を下部揉み板21上で揉み、両者を馴染ませ、これを
成形用通路内に導き、発泡硬化させて製造する。揉み装
置20は、一基の下部揉み板21と3枚の上部揉み板2
2a,b,cによって構成されるものであり、最も成形
用通路30に近接した位置に設けられた上部揉み板22
cに凹部40が設けられている。上部揉み板22cの往
復横運動に応じて、長尺繊維束1がしだいに中央に向か
って寄せられる。こうして成形用通路に至る前に、長尺
繊維束1が均等に配されるので、成形された繊維強化樹
脂成形品は、長尺繊維束1が均等に分散されており、均
質である。
Description
れた繊維強化樹脂成形品を連続的に製造する方法及びそ
の装置に関するものであり、特に長繊維補強ポリウレタ
ン発泡成形品の製造方法及び製造装置として好適であ
る。
し得る機械的強度に優れた素材として、長繊維補強ポリ
ウレタン発泡成形品に代表される繊維強化樹脂成形品が
知られている(特開昭48−30137号)。長繊維補
強ポリウレタン発泡成形品(以下、単に発泡成形品)
は、ポリウレタンの発泡性樹脂液を長尺繊維束(長尺繊
維群、例えばガラスロービングの束)等の連続繊維に連
続的に含浸させ、これを金属ベルトの表面で4面が囲ま
れる成形用通路内に導き、発泡硬化させて製造される。
ついて説明する。図1は、長繊維補強ポリウレタン発泡
成形品を製造する製造装置のレイアウト図である。図2
は、長繊維補強ポリウレタン発泡成形品の製造装置の成
形用通路の断面図である。図8は、従来技術の長繊維補
強ポリウレタン発泡成形品の製造装置における揉み装置
周辺の概略図である。発泡成形品は、図1の様に長尺繊
維束1に発泡性樹脂液を含浸する工程A、前記の発泡性
樹脂液を発泡させて成形前駆体2を成形する工程B、前
記の成形前駆体2を引取機3によって引き取る工程C、
前記の引き取られた成形前駆体2の表面を仕上げる工程
D、そして最後に、表面が仕上げられた成形前駆体2を
所定の寸法に切断して発泡成形品5を得る工程Eから製
造される。
程Aでは、繊維束供給部10から供給される長尺ガラス
繊維(ガラスロービング)11に所定の張力を与えて張
り、これを幅方向に配列して一方向に引き揃えられた長
尺繊維束1が形成される。そして長尺繊維束1は、張力
を付与され、引き揃えながら図面左側から右側に向かっ
て一方向に進行される。続いてこの多数の長尺繊維から
なる繊維群(長尺繊維束1)に原料吐出装置12から発
泡ウレタン等の発泡性樹脂液が吐出される。すなわちポ
リオールタンク15からポリオール液がポンプ16によ
って原料吐出装置12に移送され、同じくポリイソシア
ネートタンク17からポリイソシアネート液がポンプ1
8により原料吐出装置12に移送され、原料吐出装置1
2で混合されて長尺繊維束1に散布される。そしてその
後、発泡性樹脂液が揉み装置100によって長尺繊維束
1に揉み込まれ、均等に分散させる。
は、下部揉み板101と上部揉み板102によって構成
されるものである。揉み装置100の下部揉み板101
は、含浸台とも称される部材であり、比較的大きな面積
を持つ台である。下部揉み板101は多くの場合、固定
台であり、動かない。また従来技術においては、下部揉
み板101の表面は平面的であって凹凸はない。
尺繊維束1の進行方向の長さが短い板である。上部揉み
板102は、例えば3枚が互いに平行且つ長尺繊維束1
の進行方向に対して垂直に配されており、いずれも下部
揉み板101の上にある。より平易に説明すると、上部
揉み板102は、下部揉み板101よりも前後方向に短
く、下部揉み板101に対して横方向にかけ渡されてい
る。上部揉み板102は、矢印の様に横方向(長尺繊維
束1の進行方向に対して垂直方向)に往復移動する。ま
た従来技術においては、下部揉み板101の表面は平面
的であって凹凸はない。
上において上部揉み板102に挟まれ、下部揉み板10
1側に押しつけられると共に、横方向に往復移動され
る。その結果、長尺繊維束1と発泡性樹脂液は揉まれ、
発泡性樹脂液は長尺繊維束1と馴染む。
含浸された長尺繊維束1は後の工程Bに送られる。
長尺繊維束1を成形用通路30内に導入し、成形用通路
30内で発泡性樹脂液を発泡させると共に該液を硬化
し、発泡成形品の成形前駆体2が帯状に連続して製造さ
れる。成形用通路30は図2の様に、上下一対のエンド
レスベルト31,31と左右一対のエンドレスベルト3
3,33とによって4面が囲繞される密閉された空間に
よって形成される。
機32から送られる熱風によって加熱される。この熱に
よって、成形用通路30内で長尺繊維束1に含浸してい
る発泡性樹脂液の反応が進行し、発泡が促進されると共
に樹脂がキュアされ、成形用通路30内に成形前駆体2
が充満する。成形用通路30内で、発泡性樹脂液と繊維
11とが均一に充満して、硬化すると、規定寸法の成形
前駆体2が連続的に製造される。
ると、規定寸法の発泡成形品が連続的に製造される。し
かしながら、従来技術の方法によると、製造された繊維
補強ポリウレタン発泡成形品の比重が部分的に相違する
場合があった。すなわち発泡成形品を長尺繊維に対して
垂直の平面で切断したとき、中央部分と側方部分の比重
が相違する場合があった。
は、主として次の通りである。すなわち従来技術の繊維
強化樹脂成形品の製造方法では、発泡性樹脂液を振りか
けた後、長尺繊維束1の進行方向に対して垂直方向に往
復運動をする上部揉み板102と、固定状態の下部揉み
板101の間で長尺繊維束1を挟んで発泡性樹脂液を含
浸させる。ここで従来技術においては、相対的に横方向
に移動する下部揉み板101と上部揉み板102は、い
ずれも長尺繊維束1と接する面が平面であるから、この
工程の際には、長尺繊維束1は横方向に広がろうとす
る。そして続いて長尺繊維束1は成形用通路30に導か
れるが、成形用通路30は、横幅が決まっている。その
ため上下の揉み板101,102によって幅方向に大き
く広げられた長尺繊維束1を小さい幅の成形用通路30
に導くために、長尺繊維束1を幅方向から規制して、全
体の幅を縮める必要がある。従来技術の製造方法では、
この様に長尺繊維束1を幅方向から規制して成形用通路
30に導入する際に、幅方向の端部の方が幅方向の中央
部より繊維11の密度が高くなってしまう。そのため長
尺の繊維11は、周辺部分に偏重して配され、最終的に
製品の比重分布が不均一となる。そして、そのまま成形
用通路30内で発泡性樹脂液を発泡硬化させると発泡成
形品の幅方向の比重にばらつきが生じ、端部の比重が中
央部に比べて大きい製品となる。この様に製造された発
泡成形品に比重分布が生じると、製品の物性が部分的に
ばらつき、信頼性を欠き、好ましくない。そこで本発明
は、従来技術の上記した問題点に注目し、比重のばらつ
きが少ない製品を製造することができる繊維強化樹脂成
形品の製造方法及び製造装置の開発を課題とするもので
ある。
ための請求項1に記載の発明は、多数の長尺繊維を所定
間隔に引き揃えながら一方向に進行させ、引き揃えられ
た上記多数の長尺繊維からなる繊維群に発泡性樹脂液を
加え、更に繊維群の進行方向に対して垂直方向の成分を
有して相対運動する上部揉み板と下部揉み板によって繊
維群と発泡性樹脂液を揉んで発泡性樹脂液を繊維群に含
浸させた後、成形用通路に導き、上記発泡性樹脂液を発
泡硬化させてなる繊維強化樹脂成形品の製造方法におい
て、上部揉み板又は下部揉み板の少なくとも一方には、
繊維群と接する面に繊維群の進行方向に沿った凹部が設
けられ、当該揉み板によって繊維群と発泡性樹脂液を揉
むことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の製造方法であ
る。
は、上部揉み板又は下部揉み板の少なくとも一方に凹部
が設けられており、この凹部は、繊維群と接する面に繊
維群の進行方向に沿って延びる。そして本発明では、こ
の揉み板によって繊維群と発泡性樹脂液を揉む。そのた
め繊維群は、揉み板の運動によって序々に中央方向に寄
せられる。その結果、本発明の繊維強化樹脂成形品の製
造方法では、繊維群が均等に分散された状態で、成形用
通路に導かれる。
上の上部揉み板と下部揉み板を有し、成形用通路に至る
直前の位置の上部揉み板又は下部揉み板の少なくとも一
方に凹部が設けられ、当該揉み板によって繊維群と発泡
性樹脂液を揉むことを特徴とする請求項1に記載の繊維
強化樹脂成形品の製造方法である。
は、成形用通路に至る直前の位置の上部揉み板又は下部
揉み板の少なくとも一方に、凹部が設けられ、この揉み
板によって繊維群と発泡性樹脂液を揉む。そのため成形
用通路に導入される直前において繊維群は序々に中央方
向に寄せられるので、繊維群は均等に分散された状態
で、成形用通路に導かれる。
に記載の発明は、多数の長尺繊維からなる繊維群に対し
て発泡性樹脂液を吐出する原料吐出装置と、繊維群を押
さえかつ横方向の力を加える揉み装置と、発泡性樹脂液
を発泡硬化させる成形用通路を有し、繊維群をその長手
方向に連続的に進行させて発泡性樹脂液を繊維群に付着
させると共に繊維群を前記成形用通路内に導入して発泡
性樹脂液を発泡硬化させる繊維強化樹脂成形品の製造装
置において、前記揉み装置は、繊維群の進行方向に対し
て垂直方向の成分を有して相対運動する上部揉み板と下
部揉み板を有し、上部揉み板又は下部揉み板の少なくと
も一方には、繊維群と接する面に繊維群の進行方向に沿
った凹部が設けられていることを特徴とする繊維強化樹
脂成形品の製造装置である。
採用する揉み装置は、繊維群の進行方向に対して垂直方
向の成分を有して相対運動する上部揉み板と下部揉み板
を有し、上部揉み板又は下部揉み板の少なくとも一方に
は、繊維群と接する面に繊維群の進行方向に沿った凹部
が設けられている。そのため本発明では、揉み板の運動
によって繊維群は序々に中央方向に寄せられる。そのた
め本発明の繊維強化樹脂成形品の製造装置によると、繊
維群が均等に分散された状態で、成形用通路に導かれ
る。
繊維補強発泡成形品の方法及び製造装置について説明す
る。なお本実施形態の長繊維補強発泡成形品の製造方法
及び製造装置は、揉み装置の構造と作用に特徴があり、
他の構成装置や工程については従来技術と同一である。
そのため実施形態の説明は、揉み装置に重点を置き、他
の構成や工程については、詳細な説明を省略する。
発泡成形品の製造装置における揉み装置周辺の概略図で
ある。図4は、本発明の実施形態で採用する揉み装置の
動作を説明する説明図である。図5は、揉み装置の上部
揉み板の変形例を示す上部揉み板の正面図である。図6
は、揉み装置の上部揉み板の他の変形例を示す上部揉み
板の斜視図である。図7は、揉み装置の下部揉み板の変
形例を示す下部揉み板の斜視図である。図3に示す揉み
装置20は、従来技術と同様に、一基の下部揉み板21
と3枚の上部揉み板22a,b,cによって構成される
ものである。揉み装置20の下部揉み板21は、従来技
術と全く同一であり、含浸台とも称される部材であって
比較的大きな面積を持つ台である。本実施形態で採用す
る揉み装置20では、下部揉み板21は固定式であり、
縦方向にも横方向にも動かない。下部揉み板21の表面
は平面的であって凹凸はない。なお下部揉み板21は縦
方向に動いても構わず、具体的には下部揉み板21(含
浸台)上に付着した樹脂を効率的に掃除するために繊維
群の進行方向に対して逆方向に動かすことがある。
長尺繊維束1の進行方向に対する長さが短い板である。
上部揉み板22a,b,cは、3枚が互いに平行且つ長
尺繊維束1の進行方向に対して垂直に配されており、い
ずれも下部揉み板21の上にある。言い換えると下部揉
み板21の上に、3枚の上部揉み板22a,b,cがか
け渡されている。そして上部揉み板22a,b,cは、
図示しない揺動装置によって、横方向に揺動移動する。
すなわち上部揉み板22a,b,cは、長尺繊維束1の
進行方向に対して垂直方向に往復運動をする。
形態で採用する揉み装置20では、3枚の上部揉み板2
2a,b,cの内、最も成形用通路30に近接した位置
に設けられた上部揉み板22cに凹部40が設けられて
いる点である。凹部40は、本実施形態では山形であ
り、長尺繊維束1と接する面の中央部分が上方にくぼん
でいる凹部40の位置は、成形用通路30の中央部に対
応する位置であることが望ましい。またその凹部40の
大きさは、長尺繊維束1の進行方向から見た断面積が、
発泡樹脂液に含浸された長尺繊維束1が占める断面積の
10%以上60%以下であることが望ましい。すなわち
凹部40の面積が、発泡樹脂液に含浸された長尺繊維束
1が占める断面積の10%未満であると、凹部40によ
って長尺繊維束1を中央に寄せる作用が弱く、中央部の
比重を高める効果が低いためであり、逆に凹部40の面
積が長尺繊維束1が占める断面積の60%を超えると、
長尺繊維束1と上部揉み板22cの接触機会が減少し、
長尺繊維束1に発泡樹脂液を含浸する能力が低下するた
めである。
向の高さHは、最終製品たる発泡成形品の厚みの15%
以上75%以下が望ましい。すなわち上部揉み板22c
の凹部40の厚さ方向の高さHが最終製品の厚みの15
%未満である場合は、発泡成形品の幅方向の中央部に集
められる長尺繊維束1の量が少なすぎて、比重を均一化
する効果が小さくなるためであり、逆に高さHが最終製
品の厚みの75%を越えると、長尺繊維束1と上部揉み
板22cの接触機会が減少し、長尺繊維束1に発泡樹脂
液を含浸する能力が低下するためである。上部揉み板2
2cの凹部40の幅Wについては、制約が少なく、上記
した大きさの制約と高さの制約を満たす範囲で任意に選
定される。
た断面の形状は、一定である必要はなく、例えば入り口
側の幅が大きくて、出口側の幅が小さくても構わない。
ただし、任意の断面において、上記の凹みの大きさ及び
高さの条件を満たすことが望ましい。本発明の繊維強化
樹脂成形品の製造方法で使用する長尺繊維は、連続した
長い繊維状物であれば足り、天然繊維の他、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリオレフィン等の合成繊維であっ
てもよいが、本発明に対してはガラスを素材とした長尺
ガラス繊維が最も好適である。長尺ガラス繊維は、フィ
ラメントを集めてロービングとしたものを用いることが
望ましい。長尺ガラス繊維のフィラメント径は、5μm
以上100μm以下が望ましい。すなわちフィラメント
径が5μm未満であると、樹脂を含浸する際に多くの樹
脂が必要となり、強化材としての長尺ガラス繊維の割合
が少なくて曲げ弾性率等が弱くなる。逆にフィラメント
径が100μmを越えると、ガラス繊維に接触する作業
の際に、痛みを感じるなどの環境上の問題があり好まし
くない。
手以上50000番手以下が望ましい。すなわちロービ
ングが1000番手未満である場合は、長尺ガラス繊維
の巻物の置き場が多くなりすぎて作業性が悪い。逆に5
0000番手を越えるとロービングを構成しているフィ
ラメントに樹脂を含浸することが困難となる。
発泡性樹脂液を含浸させる直前において8MPa以上6
0MPa以下であることが望ましい。この理由は、長尺
繊維の張力が8MPa未満であると樹脂の発泡圧力によ
って、繊維の位置が移動してしまい、比重のバラツキが
大きくなるためである。一方、長尺繊維の張力が60M
Paを越えると、含浸部での繊維の張力が大きすぎて、
ロービングを構成しているフィラメントに樹脂を含浸す
る事が困難となる。すなわち、前記した様に長尺繊維に
樹脂を含浸する時、繊維方向を横断する位置に配した上
部揉み板22a,b,cを繊維方向と垂直方向に往復運
動させて長尺繊維に樹脂を揉み混むが、この際に、長尺
繊維束1の張力が強すぎると、長尺繊維が上部揉み板2
2a,b,cの往復運動と同調しにくい。その結果、長
尺繊維束1の張力が60MPaを越えると、樹脂の含浸
があまり進行しないという弊害が生じる。
泡性樹脂液は、ポリウレタン系の他、フェノール樹脂系
や尿素樹脂系等が活用可能であるが、本発明に対しては
ウレタン樹脂液が最も適する。ウレタン樹脂液は、ポリ
イソシアネート液とポリオール液の混合物であるが、こ
こでポリイソシアネート液は、ウレタン成形に一般的に
用いられるジフェニルメタンジイソシアネート(通称ポ
リメリックMDI)が好適であり、その粘度は、50m
Pa・s/25℃以上1500mPa・s/25℃以下
が望ましい。すなわちポリイソシアネート液の粘度が、
50mPa・s/25℃未満であると、樹脂の剛性が低
くなりすぎ、逆に1500mPa・s/25℃を越える
と、ウレタン樹脂液の長尺ガラス繊維に対する含浸性が
低下するためである。
一般的に用いられるものなら特に制限はなく、例えば、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポ
リマーポリオールが利用できる。ポリオールの粘度は、
700mPa・s/25℃以上5000mPa・s/2
5℃以下が望ましい。すなわちポリオール液の粘度が7
00mPa・s/25℃未満であると、樹脂の剛性が低
くなりすぎ、粘度が、5000mPa・s/25℃以下
を越えると含浸性が低下するためである。なおポリイソ
シアネート液とポリオール液の混合直後の粘度は、ポリ
オール液と同等の粘度であることが望ましい。
れており、さらに難燃剤、可塑剤、着色剤、架橋剤、安
定剤、ガラス短繊維、無機充填材が含まれても良い。樹
脂と長尺繊維の重量比率は、樹脂100重量部に対し
て、長尺繊維50重量部以上300重量部以下が望まし
い。すなわち長尺繊維の量が樹脂100重量部に対し
て、50重量部未満である場合は、成形品の曲げ弾性率
等の物性が低くなることと、製造過程で、長尺繊維が樹
脂を保持できないなどの不具合が発生する。逆に長尺繊
維の量が樹脂100重量部に対して、300重量部を越
えると、ガラス繊維に樹脂が十分に含浸しないという不
具合が発生する。
0以下が望ましい。すなわち成形品の最終的な比重が
0.2未満であると曲げ弾性率等の物性が低すぎ、逆に
2.0を越えると、軽量が一つの特長である本成形品の
効果がなくなる。成形用通路は、前記した様なベルト式
の製品と連動して動く構成が望ましいが、固定式の金型
でも構わない。また、成形用通路の断面形状は、四角形
を始め何でも構わないが、通路を通して同じ形状で同じ
大きさである必要がある。
製造装置の作用及び発泡成形品の具体的な製造工程につ
いて説明する。本実施形態の長繊維補強発泡成形品の製
造装置では、従来と同様に繊維束供給部10から供給さ
れる長尺ガラス繊維11を幅方向に配列して一方向に引
き揃えられた長尺繊維束1が形成される(図1参照)。
装置(ミキシング装置)12から発泡ウレタン等の発泡
性樹脂液が吐出される。そして長尺繊維束1は、図3の
様に揉み装置20の下部揉み板21の上部と上部揉み板
22a,b,cとの間に挟まれ、成形用通路30に向か
って進行する。この時に上部揉み板22a,b,cは、
長尺繊維束1を下部揉み板21に押しつけると共に、長
尺繊維束1の進行方向に対して垂直方向(矢印)に往復
移動し、長尺繊維束1に横方向の力を加え、発泡性樹脂
液と長尺繊維束1を下部揉み板21上で揉み、両者を馴
染ませて発泡性樹脂液を長尺繊維束1に揉み込む。
製造方法では、3枚の上部揉み板22a,b,cの内、
最も成形用通路30に近接した位置に設けられた上部揉
み板22cに凹部40が設けられているので、上部揉み
板22cの往復横運動に応じて、長尺繊維束1がしだい
に中央に向かって寄せられる。この状態を模式的に表現
すると図4の通りである。
の製造方法で使用する揉み装置20は、3枚の上部揉み
板22a,b,cを持ち、その内の先の二枚の上部揉み
板22a,bは、平板状である。そのため先の二枚の上
部揉み板22a,bによって長尺繊維束1は、広がり方
向に力を受け、発泡性樹脂液が長尺繊維束1に揉み込ま
れる。そして続く上部揉み板22cには、凹部40が設
けられているので、図4(a)の状態から(b)の状態
に上部揉み板22cが左側に移動するとき、凹部40の
角の部位によって長尺繊維束1がかき集められ、長尺繊
維束1は左側に移動する。
復運動をするので、次の段階では、上部揉み板22c
は、右方向に移動する。そのため長尺繊維束1は、この
度は、凹部40の角の部位によって右側にかき集められ
る。こうして長尺繊維束1は、右への移動と左への移動
を繰り返し、次第に中央部分に集められる。中央に集め
られた長尺繊維束1は、成形用通路30に送られてゆ
く。以下の工程は、従来技術と全く同一であり、発泡性
樹脂液を含浸した長尺繊維束1を成形用通路30内に導
入して成形用通路30内で発泡性樹脂液を発泡させると
共に該液を硬化させるが、本実施形態によると成形用通
路に至る前に、長尺繊維束1が均等に配されるので、成
形された発泡成形品は、長尺繊維束1が均等に分散され
ており、均質である。
部揉み板22の最も成形用通路に近いものに凹部40を
設けたが、もちろん他の上部揉み板22に凹部を設けて
もよい。また凹部の形状は、本実施形態で示した山形に
限らず、図5(a)の様な台形形状や、図5(b)の様
な多角形、あるいは図5(c)の様な円弧形状であって
もよい。また図5(d)の様に複数の凹部を有するもの
であってもよい。図5(d)では、凹部を3か所に設け
たが、2箇所に設けてよく、4か所以上に設けたもので
あってもよい。また先の実施形態では、上部揉み板22
の凹部40は、長尺繊維1の進行方向に対して平行溝状
に延びるものを例示したが、例えば図6に示す凹部45
の様に、テーパ状に先が狭くなったものであってもよ
い。
み板22に凹部40を設けたが、逆に下部揉み板21に
凹部を設けてもよい。もちろん下部揉み板21に凹部を
設ける場合は、凹部は上側に開くものとなる。図7は、
下部揉み板21に設ける凹部の例を示すものであり、図
7(a)は山形形状を示し、図7(b)は台形形状を示
し、図7(c)は多角形を示し、図7(d)は円弧形状
の凹部を示す。また図7(e)は、下部揉み板21の2
か所に凹部を設けた例である。
1は固定されたものを採用したが、下部揉み板21が前
後や左右に移動する機能を持つものであってもよい。ま
た下部揉み板21にコンベアベルトを採用してもよい。
具体的には、ドラム状のプーリにコンベアベルトを懸架
してベルトコンベアを構成し、このベルトを下部揉み板
とし、その上部に上部揉み板を配置する。コンベアベル
トによって構成される下部揉み板21は、前記した様
に、付着した樹脂を効率的に掃除するために繊維群の進
行方向に対して逆方向に動かされる。
験について説明する。実験に使用した発泡性樹脂液は、
発泡ウレタン樹脂液を採用した。実験に使用した発泡ウ
レタン樹脂液の配合は次の通りである。
フィラメントを多数引き揃えてガラスロービングとした
もので13800番手のものを使用した。ウレタン樹脂
と長尺ガラス繊維の比率は、1:1であり、ウレタン樹
脂100重量部に対して長尺ガラス繊維100重量部の
割合である。成形した発泡成形品の大きさは、実施例、
比較例の双方とも高さ100mm、幅240mmであ
る。また発泡成形品の比重は、いずれも0.74であ
る。
揉み板を4枚有するものであり、その大きさは、いずれ
も長尺繊維束の進行方向の長さが300mmであり、幅
が1500mmであって、いずれも往復運動を行う。
に最も近い上部揉み板22に凹部を設けたものを使用し
て成形を行った。凹部の大きさは、幅Wが150mmで
あり、高さHは、50mmである。また実施例1で採用
した凹部は、平行溝状であり、どの部位も同じ大きさで
ある。
形状が先の実施例とは異なる上部揉み板22を使用して
発泡成形品の成形を行った。実施例2で採用した凹部
は、成形用通路に最も近い上部揉み板22に設けられて
おり、入口側と出口側の大きさが異なる。具体的には、
凹部の入口側の幅Wは250mmであり、高さHが30
mmである。また出口側の幅Wは150mmであり、高
さHは50mmである。すなわち本実施例では、凹部は
テーパ状である。
に凹部を設けたものを使用して成形を行った。実施例3
で採用した凹部の大きさは、幅Wが250mmで高さH
は、30mmである。実施例3で採用した凹部は、平行
溝状であり、どの部位も同じ大きさである。一方、実施
例4では、入口側の幅Wが350mmであり、高さHが
20mmであり、出口側の幅Wが250mmであり、高
さHが30mmの凹部を有するものを使用した。
1,22に凹部を設けたものを使用して成形を行った。
実施例5で採用した揉み装置では、成形用通路に最も近
い上部揉み板22に凹部が設けられ、当該凹部の大きさ
は、いずれの部位についても、幅Wが250mmであ
り、高さHは、30mmである。下部揉み板21の凹部
の大きさは、いずれの部位についても、幅Wが350m
mであり、高さHは20mmである。
及び下部揉み板を使用して発泡成形品の成形をおこなっ
た。これらの凹部の形状をまとめると、表1の通りであ
る。
に厚み100mm、幅20mmの形状に製品をカット
し、その比重を測定することにより行った。試験片は発
泡成形品の幅方向の端部及び中央部のものを比較する形
で実施した。その結果は、次の表2の通りであった。
維強化樹脂成形品の製造方法によると、中央と端部の比
重差が小さいものとなることが理解できる。
品の製造方法及び製造装置では、揉み板の運動によって
繊維群は序々に中央方向に寄せられる。そのため本発明
によると、繊維群が均等に分散された状態で、成形用通
路に導かれる。そのため本発明の繊維強化樹脂成形品の
製造方法及び製造装置は、比重のばらつきが少なく、均
質な繊維強化樹脂成形品を製造することができる効果が
ある。
製造装置のレイアウト図である。
の成形用通路の断面図である。
製造装置における揉み装置周辺の概略図である。
説明する説明図である。
板の正面図である。
揉み板の斜視図である。
板の斜視図である。
の製造装置における揉み装置周辺の概略図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 多数の長尺繊維を所定間隔に引き揃えな
がら一方向に進行させ、引き揃えられた上記多数の長尺
繊維からなる繊維群に発泡性樹脂液を加え、更に繊維群
の進行方向に対して垂直方向の成分を有して相対運動す
る上部揉み板と下部揉み板によって繊維群と発泡性樹脂
液を揉んで発泡性樹脂液を繊維群に含浸させた後、成形
用通路に導き、上記発泡性樹脂液を発泡硬化させてなる
繊維強化樹脂成形品の製造方法において、上部揉み板又
は下部揉み板の少なくとも一方には、繊維群と接する面
に繊維群の進行方向に沿った凹部が設けられ、当該揉み
板によって繊維群と発泡性樹脂液を揉むことを特徴とす
る繊維強化樹脂成形品の製造方法。 - 【請求項2】 1又は2以上の上部揉み板と下部揉み板
を有し、成形用通路に至る直前の位置の上部揉み板又は
下部揉み板の少なくとも一方に凹部が設けられ、当該揉
み板によって繊維群と発泡性樹脂液を揉むことを特徴と
する請求項1に記載の繊維強化樹脂成形品の製造方法。 - 【請求項3】 多数の長尺繊維からなる繊維群に対して
発泡性樹脂液を吐出する原料吐出装置と、繊維群を押さ
えかつ横方向の力を加える揉み装置と、発泡性樹脂液を
発泡硬化させる成形用通路を有し、繊維群をその長手方
向に連続的に進行させて発泡性樹脂液を繊維群に付着さ
せると共に繊維群を前記成形用通路内に導入して発泡性
樹脂液を発泡硬化させる繊維強化樹脂成形品の製造装置
において、前記揉み装置は、繊維群の進行方向に対して
垂直方向の成分を有して相対運動する上部揉み板と下部
揉み板を有し、上部揉み板又は下部揉み板の少なくとも
一方には、繊維群と接する面に繊維群の進行方向に沿っ
た凹部が設けられていることを特徴とする繊維強化樹脂
成形品の製造装置。
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JP29546499A JP3670906B2 (ja) | 1999-10-18 | 1999-10-18 | 繊維強化樹脂成形品の製造方法及び製造装置 |
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-
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