JP2000296527A - 複合材料の連続的製造方法 - Google Patents

複合材料の連続的製造方法

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JP2000296527A
JP2000296527A JP11109713A JP10971399A JP2000296527A JP 2000296527 A JP2000296527 A JP 2000296527A JP 11109713 A JP11109713 A JP 11109713A JP 10971399 A JP10971399 A JP 10971399A JP 2000296527 A JP2000296527 A JP 2000296527A
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molding die
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Takeshi Muranaka
健 村中
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表層及び芯材層からなる複合材料において、
芯材層を所定の中央位置に正確に位置せしめることがで
きる複合材料の連続的製造方法を提供する。 【解決手段】 長繊維束41に発泡性熱硬化性樹脂組成
物22を含浸させた含浸体42を、成形金型5の一端か
ら成形金型の上面及び両側面の内面に沿わせて導入し、
上記含浸体42により形成された空間部に、充填材と熱
硬化性樹脂組成物からなる予め賦形された芯材15を挿
入し、上記含浸体42と芯材15とを上記成形金型5内
を進行させつつ上記熱硬化性樹脂の発泡と硬化を行い、
次いで、上記成形金型の下面から該下面の内面に沿わせ
て上記含浸体42を導入し、さらに上記成形金型内を進
行させつつ下面から導入した含浸体の発泡性熱硬化性樹
脂組成物の発泡と硬化を行い、上記成形金型5の一端か
ら導入した含浸体42及び芯材15と一体的に成形させ
る複合材料100の連続的製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表層及び芯材層か
らなる複合材料の連続的製造方法に関する。特に、枕
木、トラック荷台材、土木建築資材等に好適に使用され
る複合材料の連続的製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、土木建築資材として木材やコ
ンクリートが広く用いられているが、木材は腐食や損傷
を生じやすく、吸水により物性が低下する等の耐久性に
問題があった。一方、コンクリートは耐久性や強度は優
れているが、重量が非常に重い、振動でひび割れを生じ
やすい等の問題があった。
【0003】これらの問題に対処して、樹脂発泡体を一
方向連続長繊維で強化した合成木材が開発され、枕木、
トラック荷台材、土木建築資材等に使用されている。し
かし、枕木等の強い曲げ荷重が加わる用途では、曲げ荷
重による応力は専ら表層部にかかり、内層部には余りか
からないのであるが、合成木材は内層部も高価な連続長
繊維と発泡性熱硬化性樹脂により形成されており、性能
の割りに価格が高いという問題がある。
【0004】上記問題を解決するものとして、特開平5
−138797号公報には、充填材を含有した熱硬化性
樹脂発泡体からなる芯材層の少なくとも一面側と反対面
側とに長手方向に沿う長繊維によって強化した熱硬化性
樹脂発泡体からなる表層を積層した複合材料が提案され
ている。しかし、本提案の方法は、製造がバッチ式であ
り、生産性が低く、量産には適さない。
【0005】また、特公昭59−47977号公報に
は、表層及び芯材層からなる複合材料の連続的製造方法
が提案されている。しかしながら、この提案の製造方法
では、角材や板材を成形する場合に、角材や板材の下面
の表層を形成すべく配された長繊維束に発泡性熱硬化性
樹脂組成物を含浸させた含浸体が、発泡硬化する前に、
芯材の重量により、薄肉化したり偏肉化する現象が生じ
やすく、芯材層を得ようとする成形体の製品設計通りの
所定位置に位置せしめることが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この問題を
解決するものであり、その目的は、表層及び芯材層から
なる複合材料において、芯材層を所定位置に正確に位置
せしめることができる複合材料の連続的製造方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の複合材料
の連続的製造方法(以下、本発明1という)は、連続的
に進行する長繊維束に発泡性熱硬化性樹脂組成物を含浸
させた含浸体を、成形金型の一端から成形金型の上面及
び両側面の内面に沿わせて導入し、この成形金型内面に
沿わせた上記含浸体により形成された空間部に、充填材
と熱硬化性樹脂組成物からなる予め賦形された芯材を挿
入し、上記含浸体と芯材とを上記成形金型内を進行させ
つつ上記発泡性熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組
成物の発泡と硬化を行い、次いで、上記成形金型の下面
から該下面の内面に沿わせて上記含浸体を導入し、さら
に上記成形金型内を進行させつつ下面から導入した含浸
体の発泡性熱硬化性樹脂組成物の発泡と硬化を行い、上
記成形金型の一端から導入した含浸体及び芯材と一体的
に成形させることを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明(以下、本発明2とい
う)は、上記発泡性熱硬化性樹脂組成物の熱硬化性樹脂
が、ポリウレタンであることを特徴とする本発明1の複
合材料の連続的製造方法である。
【0009】請求項3記載の発明(以下、本発明3とい
う)は、上記熱硬化性樹脂組成物の熱硬化性樹脂が、ポ
リウレタンであることを特徴とする本発明1又は2複合
材料の連続的製造方法である。
【0010】本発明で用いられる長繊維束を構成する長
繊維は、短繊維を絡ませて、糸状としたものであっても
良く、またモノフィラメントであってもよい。要するに
長繊維は連続した長い繊維であればよい。長繊維束を構
成する繊維の材質は、特に限定されず、ガラス繊維、天
然繊維、炭素繊維、合成繊維等が用いられる。なかで
も、ガラス繊維や炭素繊維が強化効果が大きく好まし
い。合成繊維としては、例えば、ビニロン、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリオレフィン等を用いることがで
きる。またレイヨンであっても良い。
【0011】本発明で用いられる発泡性熱硬化性樹脂組
成物の熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例
えば、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ
る。中でもポリウレタン樹脂が耐久性及び機械的強度の
点からより好ましい。
【0012】上記樹脂組成物に含まれる発泡剤として
は、熱分解型の発泡剤であっても、フロン等の溶剤型発
泡剤であってもよい。また、熱硬化性樹脂としてポリウ
レタン樹脂を用いる場合には、水であってもよい。
【0013】上記樹脂組成物には、必要に応じて、触
媒、整泡剤、着色剤、架橋剤、充填材着色剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、難燃剤等の配合剤が配合される。
【0014】本発明における長繊維束への樹脂組成物の
含浸量(重量比率)としては、特に限定されず、目的と
する複合材料の強度、目的とする製品の表層と芯材層と
の体積比率、用いる発泡性熱硬化性樹脂組成物の発泡
力、等により適宜調整される。
【0015】本発明における上記長繊維束への上記樹脂
組成物の含浸方法としては、例えば、張力をかけて所定
間隔に略平行に引き揃えられ連続的に進行する長繊維束
の上部から、吐出機のノズルから吐出された樹脂組成物
を振り掛け、この樹脂組成物が付着した長繊維束を含浸
台と揉み板を備えた含浸機へ進行させ、揉み板を長繊維
束の進行方向に垂直な往復動させて長繊維束を揉むよう
にし、長繊維束に樹脂組成物を均一に含浸させて含浸体
を得る方法が好ましい。含浸方法としては、この他、例
えば、長繊維束へ樹脂組成物を高圧スプレー等により圧
入含浸させる方法、超音波を利用する方法、バキューム
を利用する方法等が挙げられる。
【0016】上記含浸体を、成形金型の一端から成形金
型の上面及び両側面の内面に沿わせて導入する方法、及
び、成形金型の下面から該下面の内面に沿わせて導入す
る方法としては、特に限定されるものでないが、上記成
形金型として複数の移動するエンドレスベルトにより形
成された筒状空腔を用いる場合には、コンベアベルトに
接触させ沿わせて上記含浸体を導入する方法が好適であ
る。この含浸体の導入には、ガイド等の位置規制具を成
形金型の端部の前方に設け、含浸体のコンベアベルトへ
の接触を助けてもよい。
【0017】本発明の芯材に用いられる充填材として
は、無機質粉粒体、有機質粉粒体、汚泥乾燥粉粒体、繊
維強化樹脂粉粒体等が挙げられる。これらの充填材は単
独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0018】上記無機質粉粒体としては、例えば、岩石
粉粒体、ガラス粉粒、珪酸カルシウム、セメントコンク
リート粉砕物、珪砂等の無定形粒体、セリサイト、ウォ
ラスナイト等の無機短繊維粉体、バーミキュライト、パ
ーライト、膨張頁岩、フライアッシュの中空粉等の気泡
を有する無機粉粒体、炭酸カルシウム、フライアッシュ
等の粒径の比較的小さい無機粉粒体等が挙げられる。
【0019】上記有機質粉粒体としては、例えば、塩化
ビニル樹脂等の合成樹脂の成形品を粉砕したもの等が挙
げられる。
【0020】上記汚泥乾燥粉粒体としては、汚泥処理場
から発生する乾燥固形分等が挙げられる。上記繊維強化
樹脂粉粒体としては、FRP粉砕物、繊維強化硬質ポリ
ウレタン発泡体粉砕物等が挙げられる。
【0021】本発明の芯材に用いられる熱硬化性樹脂組
成物の熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹
脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂等が挙げられる。なかでもポリウレタン樹脂が充
填材との結合性や機械的強度が優れ好ましい。熱硬化性
樹脂組成物には、必要に応じ、補強繊維等が混合されて
もよいし、着色剤らの添加剤が添加されてもよい。この
熱硬化性樹脂組成物は、上記長繊維束の含浸に用いる発
泡性熱硬化性樹脂組成物と同一物であっても構わない。
【0022】上記充填材と上記熱硬化性樹脂組成物との
混合は、特に限定されるものではなく、例えば、熱硬化
性樹脂として可使時間の短いポリウレタン樹脂を用いる
場合には、ポリオールとイソシヤネートを従来公知のミ
キシングヘッド等を利用して混合したウレタン原液と充
填材を高速回転する攪拌羽根を有する混合機内で連続的
に高速遠心攪拌して排出する方法、上記ウレタン原液と
充填材を高速で衝突させることにより混合含浸する方
法、充填材にウレタン原液を高圧で噴霧又は滴下含浸体
する方法等が挙げられる。
【0023】また、熱硬化性樹脂として可使時間の長い
不飽和ポリエステル樹脂等を用いる場合の充填材との混
合方法としては、例えば、通常のミキサー、ニーダー等
のバッチ式混練機を用いる方法や、押出機等の連続的混
練機を用いる方法等が挙げられる。勿論、上記したポリ
ウレタン樹脂の場合の混合方法を用いることも可能であ
る。
【0024】かくして混合された充填材と熱硬化性樹脂
組成物との混合物は賦形されて芯材となされるが、賦形
する方法としては、特に限定されるものではなく、例え
ば、上記混合物を圧縮空気、プランジャー、送りプレス
等を用いて賦形金型に押し込む方法等が挙げられる。ま
た、予め角樋状や丸樋状等の凹部を有する形状となされ
た長尺帯状の搬送基材を用い、その凹部に上記混合物を
充満させ、この搬送基材とともに芯材としてもよい。
【0025】上記搬送基材としては、予め賦形された形
状で上記充填材と熱硬化性樹脂組成物との混合物を材を
保持しうる性能があればよく、このような性能を有する
材質としては、例えば、ガラスクロス、ガラスマット、
不織布、紙、金網、多孔を有するプラスチックフィルム
や金属箔等の多孔性シートが挙げられる。中でも抗張力
の大きい網目状の多孔性シートが好ましい。
【0026】芯材の一部として上記搬送基材を用いる場
合には、得られる複合材料の表層と芯材との間に搬送基
材が組み込まれることになるが、組み込まれた搬送基材
は表層の厚さの均一化に役立ち、連続長繊維の長手方向
とは異なる方向の強化にも有用となる。
【0027】本発明で用いられる成形金型としては、例
えば、複数のエンドレスベルト又はスラットコンベア等
で形成された筒状空腔からなる移動式であってもよい
し、FRPの引き抜き成形等で公知の固定式の筒状体で
あってもよい。上記エンドレスベルトの材質としては、
スチール、ゴム、樹脂等が挙げられる。発泡性熱硬化性
樹脂組成物として、ポリウレタン樹脂を用いる場合に
は、金型内面への付着力の点から、エンドレスベルトを
用いた移動式が好ましい。
【0028】成形金型が移動式であっても固定式であっ
ても、成形金型の長手方向の略中央部下面から、前記含
浸体が導入可能な構造である必要がある。成形金型がエ
ンドレスベルト方式の場合には、筒状空腔の下面を形成
するエンドレスベルトが、前段と後段の2式のエンドレ
スベルトに別れた構造を有し、後段のエンドレスベルト
に沿って含浸体の導入が可能となされた構造が好まし
い。この場合、得ようとする複合材料の下面の表層の厚
さに相当する寸法分だけ後段のエンドレスベルトの水平
位置は前段のエンドレスベルトの水平位置より下げられ
ている。
【0029】また、成形金型が固定式筒状体である場合
には、金型の長手方向の略中央部下面に含浸体導入口が
設けられていて、この含浸体導入口から含浸体が導入可
能となされた構造が好ましい。この場合も、上記移動式
と同様に含浸体導入口以降の筒状体の断面は、得ようと
する複合材料の下面の表層の厚さに相当する寸法分だ
け、高さ方向の寸法が拡大された形状となされている。
【0030】成形金型に導入された上記含浸体及び芯材
は、該成形金型を進行するに従い、発泡、硬化が生じる
が、これらの反応等を助けるため、上記成形金型は温度
調節可能になされているのが好ましい。エンドレスベル
ト方式の場合には、所定の位置にベルトに接するセグメ
ントを設け、このセグメントを温度調節し、ベルトを介
して内部に温度を与える方法が好ましい。また、固定式
成形金型の場合には、金型内に配管を設け、蒸気、油、
水等の熱媒を通す方法や電熱ヒーターによる方法等が挙
げられる。
【0031】成形金型の含浸体等が導入される一端と反
対の他端には、必要に応じ堰板の嵌め込みが可能となさ
れている。該堰板は、製造のスタート時に、導入した含
浸体や芯材に含有される熱硬化性樹脂組成物等がが漏れ
出てしまわないように保持するためのものであり、製造
が開始された段階では除去される。
【0032】成形金型を進行し、発泡、硬化して得られ
た繊維強化樹脂積層体(以下、製品と言う)は、成形金
型の他端を出たところで冷却されるのが好ましい。この
製品の冷却は、冷却ロールを製品に接して回転させてな
されてもよく、また製品の表面に冷却水を直接噴霧して
もよい。
【0033】得られた製品は、成形金型の進行方向前方
に備えられた引取機で引取られる。引取力は、製品の形
状、大きさ等により適宜選択される。また、引取速度
は、製品の構成、用いた熱硬化性樹脂組成物の反応速
度、成形金型の温度により適宜選択される。
【0034】
【作用】本発明1の複合材料の連続的製造方法は、連続
的に進行する長繊維束に発泡性熱硬化性樹脂組成物を含
浸させた含浸体を、成形金型の一端から成形金型の上面
及び両側面の内面に沿わせて導入し、この成形金型内面
に沿わせた上記含浸体により形成された空間部に、充填
材と熱硬化性樹脂組成物からなる予め賦形された芯材を
挿入し、上記含浸体と芯材とを上記成形金型内を進行さ
せつつ上記発泡性熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂
組成物の発泡と硬化を行い、次いで、上記成形金型の下
面から該下面の内面に沿わせて上記含浸体を導入し、さ
らに上記成形金型内を進行させつつ下面から導入した含
浸体の発泡性熱硬化性樹脂組成物の発泡と硬化を行い、
上記成形金型の一端から導入した含浸体及び芯材と一体
的に成形させる方法であるので、芯材層を所定位置に正
確に位置せしめることができる製造方法である。
【0035】本発明2の複合材料の連続的製造方法は、
上記発泡性熱硬化性樹脂組成物の熱硬化性樹脂が、ポリ
ウレタン樹脂であることを特徴とする本発明の方法であ
るので、物性値が優れ、芯材層が所定位置に正確に位置
している複合材料を製造することができる。
【0036】本発明3の複合材料の連続的製造方法は、
上記熱硬化性樹脂組成物の熱硬化性樹脂が、ポリウレタ
ン樹脂である本発明1又は2の方法であるので、さらに
物性値が優れ、芯材層が所定位置に正確に位置している
複合材料を製造することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態につ
いて、図面を参照しつつ説明する。図1は、実施例及び
比較例で用いた製造装置を示す模式的説明図である。図
2は、実施例の工程を説明する模式的説明図である。ま
た、図3及び図4は、実施例及び比較例により得られる
製品を示す模式的斜視図である。
【0038】(実施例)本実施例では、図1に示す製造
装置1を用いた。本実施例で得られた製品100は、図
3に示すように、断面が方形で、中心部に芯材層100
bがあり、その4周縁に長繊維で強化された表層100
aを有するものである。
【0039】図1に示すように、製造装置1は、芯材供
給装置10、搬送装置6、吐出機21、含浸機3、成形
金型5、冷却機7、引取機8及び切断機9を備えてい
る。吐出機21は、タンク(図示せず)から供給された
各成分を混合して発泡性熱硬化性樹脂組成物22とした
のち、4か所の整流板(図示せず)から引き揃えて張力
をかけて連続的に供給される長繊維束41(図には1方
向しか示さず)の上に、長繊維束41の進行方向に対し
て垂直方向に往復運動しながら発泡性熱硬化性樹脂組成
物22を吐出して振りかけるようになっている。
【0040】本実施例において、上記組成物22として
は、プロピレンオキサイド付加ポリエーテル(水酸基値
410、官能基4)100重量部と、ジフェニメタンジ
イソシヤネート120重量部、整泡用シリコンオイル1
重量部、水1重量部、ジブチル錫ラウレート0.05重
量部を混合した組成物(以下、組成物Aという)を用い
た。また、長繊維束41としては、繊維径が9μmのE
ガラス製モノフィラメント200本を1ストランドとし
たロービングを多本数用いた。
【0041】含浸機3は、含浸台31と揉み板32とを
備え、揉み板32を長繊維束41の進行方向に垂直な方
向に往復動させ、含浸台31との間で組成物A22を振
りかけられた長繊維束41を揉み、長繊維束41中に組
成物A22を含浸させて含浸体42にするようにした。
製造装置1には、上記含浸機3が4台備えられており
(図では1台のみ示す)各含浸機3で得られる4ツの含
浸体42が、下記する成形金型5の4周縁の内面に沿わ
せて成形金型5へ導入される。本実施例では、長繊維束
41と組成物A22との重量比率は1:1とした。
【0042】芯材供給装置10は、ホッパー11、ミキ
シングヘッド12、ケーシング13、吐出口14からな
る。充填剤がホッパー11からケーシング13に定量供
給され、同時にケーシング13にはミキシングヘッド1
2から熱硬化性樹脂組成物が供給される。充填剤と熱硬
化性樹脂組成物はケーシング13内で高速遠心攪拌混合
され、芯材15とされて吐出口14から吐出される。
【0043】搬送装置6の搬送ロール61により搬送基
材繰り出し装置63から繰り出された搬送基材45は、
図示しない規制治具により上部に開口部を持つ角樋状の
形状となされ、搬送ベルト62に載せられ該ベルト62
上を進行しつつ、角樋状の凹状部に、上方の吐出口14
から吐出された芯材15が充満され、次いで、芯材15
の上面に、搬送基材繰り出し装置64から繰り出された
帯状の搬送基材47が載置され、搬送ベルト62により
スラットコンベア65内へ送られる。該コンベア65に
よって芯材15は連続的に押圧賦形され、さらに搬送ベ
ルト62により成形金型5に送りこまれる。図では省略
されているが、スラットコンベア65の両側面に搬送ベ
ルト62と同様の搬送ベルトが縦方向に囲繞するように
設けられていて、芯材15を充満した搬送基材45が該
コンベア65による押圧力で横方向にはみ出すことなく
所定の角樋状の形状を保つように規制されている。
【0044】本実施例では、上記搬送基材45及び47
としてガラスマットを用い、充填材として平均粒径2.
5mmの膨張頁岩と珪砂7号を、また、熱硬化性樹脂組
成物として上記組成物Aを用い、上記膨張頁岩、珪砂7
号、組成物Aの重量混合比率を、5:2:1とした。
【0045】成形金型5は、長辺200mm短辺140
mmの断面方形の筒状空腔を4枚のエンドレスベルト5
1(図には上、下しか示さず)で形成したものであり、
各ベルトは駆動ロール53、53……により移動されて
いる。そして、筒状空腔の下面を形成するベルトは、成
形金型5の長手方向の略中央部において前段と後段の2
式のエンドレスベルト(前段51d、後段51e)に別
れた構造を有している。また、各ベルト51に接触して
温度調節用セグメント52が設けられている。本実施例
では、成形金型5として長さは15mのものを用い、各
ベルト51の最高温度が85℃となるよう調節した。ま
た、温度調節用セグメント52の最下方部521ではベ
ルト51を冷却するようにした。また、上記後段エンド
レスベルト51eの水平位置は前段エンドレスベルト5
1dより20mm下げて設置した。
【0046】上記含浸体42は、成形金型5の一端にお
いて、下側ベルト51dを除く3周縁のベルト51a、
51b、51cに接触して沿わせた状態とし、かつ上記
筒状空腔の3周縁の幅方向に揃えて成形金型5に導入し
た。もう一つの含浸体42は、図に示す様に、後段エン
ドレスベルト51eに接触して沿わせた状態で成形金型
5の下方から導入した。
【0047】成形金型5に導入された含浸体42及び芯
材15は、ベルト51の移動に伴い右方に進行してゆ
き、上記温度調節用セグメント52により加熱されたベ
ルト51からの熱を受け、含浸体42及び芯材15中の
組成物Aの発泡と硬化反応が行われ、ついで、成形金型
5の下方から導入された含浸体42も、後段ベルト51
eからの熱を受け、含浸体42中の組成物Aの発泡と硬
化反応が進むと同時に成形金型5の一端から導入された
含浸体42及び芯材15と一体化され、長繊維で強化さ
れた表層と充填材含有の芯材よりなる複合材料100が
得られる。温度調節セグメント521の作用により該製
品100は予備冷却されて成形金型5から抜け出る。
【0048】上記成形工程を図2を用いてさらに詳しく
説明する。成形金型5のの箇所では、筒状空腔を形成
する4枚のベルトのうち、上面51a、両側面51b、
51cにはベルト面に接する形で含浸体42が導入さ
れ、下面51dには搬送基材45で包まれた形で角材状
に賦形された芯材15が載っている。 へ進むと、含
浸体42及び芯材15中の組成物Aの発泡と硬化反応に
よって3周縁には長繊維で強化された表層100aが、
下部には充填材含有の芯材層100bが硬化不十分の状
態ながら出現した半製品200となる。は下面ベルト
の前段と後段の狭間位置である。この位置で半製品20
0は、図に示す様に、組成物Aの発泡力とベルトへの付
着力により3枚のベルトで抱き込まれて保持されてい
る。で下面後段ベルト51e面に接する形で含浸体4
2が導入さる。では下方から導入された含浸体42中
の組成物Aの発泡と硬化反応も完了し、半製品200と
一体化され、長繊維で強化された表層100aと充填材
含有の芯材層100bよりなる複合材料100が得られ
る。
【0049】次いで、製品100は、冷却機7に送ら
れ、冷却機7に設けらた複数の冷却水噴霧装置72によ
り製品100に直接冷却水が噴霧され、十分冷却がなさ
れる。冷却された製品100は、引取機8(引取速度
1.2m/分)を通過後、切断機9により所定の長さに
切断される。
【0050】かくして得られた製品100は、断面が2
00mm×140mmの方形状で、図3に示すように4
周縁の長繊維で強化された表層100aと充填材含有の
芯材層100b(芯材層の大きさ180mm×100m
m)を有する構成であり、上面の表層100a、下面の
表層100aの厚さが共に20mmであり、芯材層10
0bが断面の中央位置に正確に位置していた。なお、図
3において、表層100aと芯材層100bの界面には
ガラスマットにポリウレタン樹脂が含浸したシート10
0cが存在している。
【0051】(比較例)実施例同様に製造装置1を用い
た。下面のエンドレスベルトを分割することなく、下面
に導入する含浸体42も、他の含浸体42と同様に成形
金型5の一端から導入した他は、実施例と全く同様にし
て複合材料200を得た。複合材料200は、実施例同
様断面が200mm×140mmの方形状で、芯材層の
大きさも180mm×100mmであったが、図4に示
す様に、芯材層が下方に偏って存在するものであった。
【0052】
【発明の効果】本発明1の複合材料の連続的製造方法
は、上述の構成であり、本発明によると、図2を参照し
て説明した通り、成形工程の途中の半製品の状態におい
て、導入された表層及び芯材が3枚のベルト間で抱き込
まれて保持されているため、下面の表層を形成すべく配
された含浸体が、発泡硬化する前に、表層及び芯材の重
量により薄肉化したり偏肉化する現象が生じることがな
く、従って、芯材層を複合材料の所定位置に位置せしめ
ることが可能となる。
【0053】本発明2の複合材料の連続的製造方法は、
上述の構成であり、本発明によると、より物性値が優
れ、芯材層が所定位置に正確に位置している複合材料を
製造することができる。
【0054】本発明3の複合材料の連続的製造方法は、
上述の構成であり、本発明によると、さらに物性値が優
れ、芯材層が所定位置に正確に位置している複合材料を
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる製造装置の一例を示す模式
的説明図。
【図2】本発明に用いられる製造工程の他の一部を説明
する模式的説明図。
【図3】本発明により得られる製品の一例を示す模式的
斜視図。
【図4】従来の製造方法により得られる製品の一例を示
す模式的斜視図。
【符号の説明】
1 製造装置 10 芯材供給装置 15 芯材 21 吐出機 22 発泡性熱硬化性樹脂組成物 3 含浸機 41 長繊維束 42 含浸体 45、47 搬送基材 5 成形金型 51 エンドレスベルト 52 温度調節セグメント 6 搬送装置 61 搬送ロール 65 スラットコンベア 7 冷却機 72 冷却水噴霧装置 8 引取機 9 切断機 100、300 製品 100a、300a 表層 100b、300b 芯材層 100c シート 200 半製品

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続的に進行する長繊維束に発泡性熱硬
    化性樹脂組成物を含浸させた含浸体を、成形金型の一端
    から成形金型の上面及び両側面の内面に沿わせて導入
    し、この成形金型内面に沿わせた上記含浸体により形成
    された空間部に、充填材と熱硬化性樹脂組成物からなる
    予め賦形された芯材を挿入し、上記含浸体と芯材とを上
    記成形金型内を進行させつつ上記発泡性熱硬化性樹脂組
    成物及び熱硬化性樹脂組成物の発泡と硬化を行い、次い
    で、上記成形金型の下面から該下面の内面に沿わせて上
    記含浸体を導入し、さらに上記成形金型内を進行させつ
    つ下面から導入した含浸体の発泡性熱硬化性樹脂組成物
    の発泡と硬化を行い、上記成形金型の一端から導入した
    含浸体及び芯材と一体的に成形させることを特徴とする
    複合材料の連続的製造方法。
  2. 【請求項2】 上記発泡性熱硬化性樹脂組成物の熱硬化
    性樹脂が、ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請
    求項1記載の複合材料の連続的製造方法。
  3. 【請求項3】 上記熱硬化性樹脂の熱硬化性樹脂が、ポ
    リウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1又は2
    記載の複合材料の連続的製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015155590A (ja) * 2015-04-21 2015-08-27 株式会社シーエンジ 立体網状構造体製造方法及び立体網状構造体製造装置

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