JP2001113568A - 筒状成形品の射出成形用金型 - Google Patents

筒状成形品の射出成形用金型

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JP2001113568A
JP2001113568A JP36738499A JP36738499A JP2001113568A JP 2001113568 A JP2001113568 A JP 2001113568A JP 36738499 A JP36738499 A JP 36738499A JP 36738499 A JP36738499 A JP 36738499A JP 2001113568 A JP2001113568 A JP 2001113568A
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molded product
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English (en)
Inventor
Atsushi Wada
敦 和田
Giichi Ito
義一 伊藤
Takeshi Niide
毅 新出
Kazutaka Shirahase
和孝 白波瀬
Shigeru Tougasaki
滋 東ヶ崎
Yoshifumi Matsumoto
好史 松本
Hiroaki Matsui
宏彰 松井
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】均一な密度を持ち、そりや変形、残留ひずみ等
が少なく、収縮ムラのない高精度の寸法を備え、外観の
優れた筒状成形品を得ることができる筒状成形品の射出
成形用金型を提供する。 【解決手段】駆動手段を介して可動型本体内で回転可能
に設けられた回転ケースと、この回転ケースの回転に伴
って回転するとともに回転ケース内で固定型方向に進退
し、固定型側にアンギュラピンが突出するように設けら
れたアンギュラピン固定ブロックと、前記アンギュラピ
ンが摺動自在に挿入されるアンギュラピン摺動穴を有
し、アンギュラピンのアンギュラピン摺動穴への進退に
伴って回転ケース内を成形品の中心軸に直交する方向に
移動するスライドブロックと、このスライドブロックの
動きをコア型に伝達する伝達部材とを備えているコア型
偏芯機構を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は筒状成形品の射出成
形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形用金型内に射出された溶
融樹脂が金型内で冷却固化する際に、成形品各部の温度
および密度分布が不均一になり、その結果、冷却後の成
形品収縮率が不均一になること、また、特に1点ゲート
によって溶融樹脂をキャビティに射出成形する場合、保
圧効果が成形品全体に均一に行き渡らないことなどによ
り、成形品の形状不良が生じていた。
【0003】そこで、このような問題を解決するため
に、多点ゲートもしくはディスクゲートにより樹脂を注
入する金型及び射出圧縮成形金型が知られている。
【0004】また、特開昭63−27226号公報に開
示されているように、成形品内側から圧縮する方法とし
て、圧力流体構造を利用した金型や、特開平5−154
896号公報に開示されているような射出ブロー金型が
提案されている。
【0005】すなわち、前者の特開昭63−27226
号公報記載の金型においては、作動液体の作用によって
固定型(キャビティ側面)をキャビティ内に膨出させ、
樹脂を径方向に圧縮し、軸方向に延伸させて管状または
筒状成形品を成形するようになっている。
【0006】一方、後者の特開平5−154896号公
報記載の金型においては、射出成形用金型によって貫通
孔を持つパリソンを成形し、次いで別の中空型にこのパ
リソンを装着して加熱ブローによって管状または筒状成
形品を成形するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな金型を使用する場合、それぞれ以下のような問題が
ある。
【0008】〔多点ゲート及びディスクゲートを使用し
た金型の場合〕 (1)収縮率のバランスをとることは、ある程度金型設
計内でできるが、収縮そのものを低減させることができ
ない。 (2)成形された成形品のゲートカットに手間取る(特
にディスクゲート)。
【0009】〔射出圧縮成形金型の場合〕 (1)円筒形状の成形品を成形しようとした場合、円周
全体を圧縮する機構が複雑となって困難であり、部分圧
縮構造にならざるを得ない。 (2)円筒端面を圧縮する場合は、型内離型(剥離)、
座屈の発生が懸念される。
【0010】〔特開昭63−27226号公報記載の金
型の場合〕 (1)金型内で油等の作動液体を使用するため、成形時
の金型自体の変形により液体漏れが発生しやすい。 (2)金型内の作動液体回路が複雑になり、故障の原因
となり易い。 (3)充填樹脂に対し、コア部はすべり接触となり、接
触する部分に傷などが発生し、成形品に外観不良を生じ
易い。 (4)すべり接触のため充填樹脂との間で接触抵抗等に
よる発熱で、充填樹脂の温度分布が不均一になり易い。 (5)特に厚みの大きい筒状成形品を成形する場合、大
きな力が必要となり不向きである。
【0011】〔特開平5−154896号公報記載の金
型の場合〕 (1)二段階成形となるため製造設備への投資が大き
く、また、製造スペースも大きくなる。 (2)二段階成形であるため、転写性に劣る。 (3)加熱ブローのため、成形品内面側の寸法精度が劣
る。 (4)パリソンを成形した後、ブロー成形するため、長
手方向の寸法が定まらず、ブロ−成形後に再度長手方向
の寸法を決める装置が必要となる。 (5)特に厚みの大きい筒状成形品を成形する場合、大
きな力が必要となり不向きである。
【0012】本発明は、従来の金型における叙上の問題
点に鑑みてなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、従来の金型における問題点を解消し、均一な密度
を持ち、そりや変形、残留ひずみ等が少なく、収縮ムラ
のない高精度の寸法を備え、外観の優れた筒状成形品を
得ることができる筒状成形品の射出成形用金型を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の請求項1に記載の発明にかかる筒状
成形品の射出成形用金型(以下、「請求項1の金型」と
記す)は、可動型本体およびこの可動型本体に一体に設
けられたコア型を有する可動型と、この可動型と閉合さ
れてコア型との間に筒状成形品に対応するキャビティが
形成される固定型とを備える筒状成形品の射出成形用金
型であって、前記可動型は、前記コア型が固定型内でコ
ア型の中心軸がキャビティ内で成形される成形品の中心
軸に対して平行状態を保ちながら偏芯可能に可動型本体
に支持されていて、前記可動型本体が、固定型方向に進
退自在な進退部材を有し、この進退部材の固定型方向へ
の動きを、コア型の中心軸に垂直方向の力に変えて伝達
してコア型を偏芯方向に移動させるコア型偏芯機構と、
固定型内で、コア型が偏芯した状態で、前記偏芯した状
態を保ちながら前記キャビティの中心軸周りにコア型を
公転させる駆動機構とを備えている構成とした。
【0014】本発明の請求項2に記載の発明にかかる筒
状成形品の射出成形用金型(以下、「請求項2の金型」
と記す)は、請求項1の金型において、コア型偏芯機構
として、駆動手段を介して可動型本体内で回転可能に設
けられた回転ケ−スと、この回転ケースの回転に伴って
回転するとともに回転ケース内で固定型方向に進退し、
固定型側にアンギュラピンが突出するように設けられた
アンギュラピン固定ブロックと、前記アンギュラピンが
摺動自在に挿入されるアンギュラピン摺動穴を有し、ア
ンギュラピンのアンギュラピン摺動穴への進退に伴って
回転ケース内を成形品の中心軸に直交する方向に移動す
るスライドブロックと、このスライドブロックの動きを
コア型に伝達する伝達部材とを備えたものを用いた。
【0015】本発明の請求項3に記載の発明にかかる筒
状成形品の射出成形用金型(以下、「請求項3の金型」
と記す)は、請求項1の金型において、コア型偏芯機構
として、駆動手段を介して可動型本体内で回転可能に設
けられた回転ケースと、この回転ケースの回転に伴って
回転するとともに回転ケース内で固定型方向に進退し、
固定型側の面に少なくとも1本の長軸と少なくとも1本
の短軸を有する断面形状のアンギュラピン挿入穴が設け
られた進退部材と、前記アンギュラピン挿入穴に摺動自
在に挿入されるアンギュラピンを有し、アンギュラピン
のアンギュラピン摺動穴への進退に伴って可動型本体内
を成形品の中心軸に直交する方向に移動するスライド部
材と、このスライド部材にコア型をその中心軸周りに回
転自在に支持する軸受け部とを備えたものを用いた。
【0016】本発明の請求項4に記載の発明にかかる筒
状成形品の射出成形用金型(以下、「請求項4の金型」
と記す)は、請求項1の金型において、コア型偏芯機構
として、駆動手段を介して可動型本体内で回転可能に設
けられた回転ケースと、この回転ケースの回転に伴って
回転するとともに回転ケース内で固定型方向に進退し、
固定型側の進退方向に対して交差する傾斜面を有し、こ
の傾斜面の傾斜方向に沿って嵌合突条または嵌合溝が設
けられた進退部材と、この進退部材の傾斜面に沿ってス
ライド自在に当接するとともに、前記進退部材の嵌合突
条または嵌合溝にスライド自在に嵌合する嵌合溝または
嵌合突条が設けられた傾斜面を有し、進退部材の進退に
伴って可動型本体内を成形品の中心軸に直交する方向に
移動するスライド部材と、このスライド部材にコア型を
その中心軸周りに回転自在に支持する軸受け部とを備え
たものを用いた。
【0017】本発明において、進退部材の進退には、特
に限定されないが、たとえば、油圧シリンダや突き出し
ピン、あるいは、可動型の型閉じ力等を利用する方法が
上げられる。
【0018】本発明の射出成形用金型を使用して成形す
る成形品の材質としては、高密度ポリエチレン等の結晶
化度が高く、収縮性の大きい樹脂が好適であるが、塩化
ビニル樹脂、ポリスチレン等の非結晶性樹脂も使用可能
である。
【0019】コア型の材質としては、特に限定されない
が、少なくともコア型の型面を形成する部分が、熱伝導
率が高いアルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛合金、
銅合金等で形成されていることが好ましく、軽量化の観
点からこれらのうち、アルミニウムあるいはアルミニウ
ム合金がより好ましい。
【0020】固定型の材質としては、特に限定されない
が、例えば、炭素鋼やステンレス鋼が挙げられる。ま
た、転写性をよくするために、充填樹脂に接する部分は
鏡面仕上げされていることが好ましい。
【0021】コア型の形状(径寸法)を適宜変える事に
より、使用する樹脂種類それぞれの収縮量に見合った圧
縮を行うようにしてもよい。
【0022】コア型の偏芯量は、筒状成形品のサイズ、
形状あるいは使用樹脂の種類によって成形条件および収
縮量が異なり、特に限定されないが、例えば、高密度ポ
リエチレンを用いて呼び径50の筒状成形品を成形する
場合、0.5〜6mm程度が好ましく、2mm前後がよ
り好ましい。コア型による圧縮時のコア型と充填樹脂と
の接触は、延伸および圧延を助長させることから点接触
とすることが好ましい。
【0023】請求項2〜請求項4の金型において、回転
ケースの回転に用いる駆動手段としては、特に限定され
ないが、電動モータ−等が挙げられる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図によ
り説明する。図1〜図5は本発明に係る請求項2の金型
の一例を示す断面図である。
【0025】図1〜図5に示すように、この金型Aは、
横置き型で、固定型1と、可動型2とを備え、固定型1
と可動型2のコア型21との間に筒状成形品に対応する
キャビティ3が形成されるようになっている。可動型2
は、可動型本体2aと、コア型21とを備えている。
【0026】可動型本体2aは、ケーシング23と、回
転ケース22と、進退部材としてのアンギュラピン固定
ブロック24、スライドブロック25および伝達ピン2
11からなるコア型偏芯機構とを備えている。回転ケー
ス22は、軸受け221により軸受けされ、ケーシング
23内で回転可能とされている。回転ケース22は、そ
の周面にスプロケットホイール222が設けられ、図示
しないモータの回転がスプロケットホイール222に伝
達されることによりケーシング23内で回転するように
なっている。
【0027】回転ケース22内には進退部材であるアン
ギュラピン固定ブロック24及び伝達機構の一部を構成
するスライドブロック25が挿入されている。アンギュ
ラピン固定ブロック24は、その前面(固定型1側の
面)からアンギュラピン241が突設され、アンギュラ
ピン241の先端がスライドブロック25の摺動穴25
1内に挿入されている。また、このアンギュラピン固定
ブロック24は、回転ケース22内に設けられ、回転ケ
ース22の回転に伴って回転すると共に、アンギュラピ
ン固定ブロック24の後端にアンギュラピン固定ブロッ
ク24を回転自在に支持する突出ロッド242が取付け
られ、この突出ロッド242に取り付けられた突出ロッ
ド支持プレート243が油圧シリンダ244の作動によ
り前進後退されることによって回転ケース22内で進退
可能になっている。
【0028】一方、スライドブロック25は、回転ケー
ス22内に設けられ回転ケース22の回転に伴って回転
するようになっていると共に、回転ケース22内に設け
られた空間内をキャビティ3内で成形される成形品の中
心軸に直交する方向に回転ケース22内でスライドする
ようになっている。
【0029】すなわち、油圧シリンダ244の作動によ
り突出ロッド支持プレート243が前進後退されること
によりアンギュラピン固定ブロック24が前進後退し、
アンギュラピン固定ブロック24の進退によりアンギュ
ラピン241の先端がスライドブロック25の摺動穴2
51内に進退する。しかも、アンギュラピン241がア
ンギュラピン固定ブロック24の進退方向に対して傾斜
して設けられているので、スライドブロック25の摺動
穴251内への進退によってスライドブロック25がそ
の中心軸がキャビティ3内で成形される成形品の中心軸
に直交する方向に回転ケース22内でスライドするよう
になっている。
【0030】スライドブロック25とコア型21とは伝
達機構の残部を構成する伝達ピン211により連結され
ている。
【0031】すなわち、コア型21にはスライドブロッ
ク25の回転及び偏芯が伝達され、スライドブロック2
5の偏芯と共にキャビティ3内で偏芯状態になるととも
に、この偏芯状態を保ちつつ成形品の中心軸周りに公転
するようになっている。26は可動型2に設けられた回
転抑制ピンであり、回転抑制ピン26の先端がコア型2
1のフランジ211と接触してコア型21の自転による
回転を抑制し、コア型21を転動動作に変える作用を備
えている。さらに、コア型21による圧縮動作中に充填
樹脂の内部圧力を検知して油圧シリンダ244を制御し
て偏芯量を最適に制御するようになっている。
【0032】次に、上記金型Aの作動状態を順を追って
説明する。図2はアンギュラピン固定ブロック24、ス
ライドブロック25及びコア型21が図1に示す状態か
ら180°回転した状態を示している。
【0033】また、図3〜図5にはアンギュラピン24
1の移動によりコア型21が偏芯移動する過程を示して
いる。
【0034】先ず、図1および図2に示すように、固定
型1と可動型2とを閉合したのち、図示しない射出成形
機の射出スクリューによりスプル、ランナ及びゲートを
経由して図3に示すように、溶融状態の例えば高密度ポ
リエチレンのような樹脂が充填樹脂Pとしてキャビティ
3内に射出充填される。この射出充填はキャビティ3の
容積に見合う量及び時間内で行われる。
【0035】なお、この回転を始める直前時には、コア
型21は位置決めも兼ねるアンギュラピン241によっ
てキャビティ3の中心に位置している。すなわち、図1
に示すように、油圧シリンダ244のロッドを突出した
状態で突出ロッド支持プレート243及び突出ロッド2
42に連結されたアンギュラピン固定ブロック24が、
回転ケース22内の後端部にあり、この状態でコア型2
1の中心軸がキャビティ3の中心軸と一致した状態にな
っている。
【0036】そして、このようにコア型21がキャビテ
ィ3内の中心位置にある状態で溶融樹脂がキャビティ3
内に充填された後、図示しないモータが回転を開始し、
その動力が図示しないチェーンによりスプロケットホイ
ール222へ伝達されて回転ケース22が回転を開始す
る。また、この回転ケース22の回転と共にアンギュラ
ピン固定ブロック24及びスライドブロック25も同調
して回転し、それに伴って伝達ピン211が回転する。
この時、伝達ピン211の回転に伴ってコア型21が回
転しようとするが、回転抑制ピン26によってコア型2
1の回転動作が抑制される。
【0037】つぎに、キャビティ3内の充填樹脂が固化
するまで、あるいは可動型2が移動するまでの間は、充
填樹脂の圧縮が次のように行われる。油圧シリンダ24
4の作動により、それに連結された突出ロッド支持プレ
ート243が突出ロッド242を押し、それによりアン
ギュラピン固定ブロック24が固定型1方向へ前進す
る。
【0038】このアンギュラピン固定ブロック24の前
進に伴って、アンギュラピン241がアンギュラピン摺
動穴251内に前進し、図4に示すように、スライドブ
ロック25が、回転ケース22内の空間を徐々に成形品
の中心軸に直交する方向に滑らかにスライドする。しか
も、コア型21は、この時、アンギュラピン固定ブロッ
ク24、スライドブロック25および伝達ピン211が
回転しつづけているので、コア型21が成形品の中心軸
に対して平行状態を保ちながら偏芯し、成形品の中心軸
まわりに公転するとともに、回転抑制ピン26によって
コア型21の回転動作が抑制されているので、充填樹脂
の内壁面に沿って転動する。すなわち、コア型21は、
公転しつつ、転動によって充填樹脂Pをコア型21の外
壁面と固定型1の内壁面との間で圧縮しつづける。
【0039】コア型21による圧縮動作が終了すると油
圧シリンダ244が後退を始める。この作用により突出
ロッド支持プレート243、突出ロッド242、アンギ
ュラピン固定ブロック24が後退を開始し、アンギュラ
ピン241がスライドブロック25のアンギュラピン摺
動穴251内を後退する。この動作に合わせスライドブ
ロック25が元の位置へ戻る。
【0040】同時に、コア型21は転動回転しながら素
早くキャビティ3の中心に移動する。このようにしてコ
ア型21がキャビティ3の中心位置への復帰が完了した
時点で回転動力である図示しないモータを停止し圧縮工
程を終える。
【0041】上記金型Aは、叙上の構造を備えているの
で、以下のような優れた効果を備えている。 (1)キャビティ3に溶融樹脂を充填し、溶融樹脂が固
化する前にコア型21を回転させると共に偏芯させるこ
とにより充填樹脂を内部から圧縮しその形状を矯正する
と共に密度を高めることができる。すなわち、均一な密
度を持ち、そりや変形、残留ひずみ等が少なく、収縮ム
ラのない高精度の寸法を備え、外観の優れた筒状成形品
を得ることができる。
【0042】(2)アンギュラピン固定ブロック24を
固定型1方向へ進退させるだけでコア型21を偏芯でき
るようにしたので、金型A全体の構造をシンプルなもの
とすることができるとともに、固定型1や可動型2の側
面部分にコア型21の偏芯用の機構が突出することがな
く、設置スペースも小さなものですむ。 (3)アンギュラピン固定ブロック24を進退させる油
圧シリンダ244と、コア型21部分等の圧縮構造部分
とが完全に隔絶されているので、油漏れなどによる成形
品への影響がないとともに、メンテナンスが容易であ
る。
【0043】(4)油圧シリンダ244でアンギュラピ
ン固定ブロック24を制御するようにしたので、コア型
21の偏芯量の調整が容易かつ正確にできるとともに、
圧縮動作中に充填樹脂の内部圧力を検知して偏芯量を最
適に制御できるので、コア型21への付加を炯々でき
る。また、コア型21へ大きな負荷がかかった場合でも
油圧回路の切替えにより、コア型21の戻しで速い対応
が取れる。 (5)電動モータによって回転数が制御できるととも
に、油圧シリンダ244によって偏芯量(すなわち、圧
縮度合い)を制御できるので、真円度の矯正ができる。
【0044】なお、機械的に初期や最終のコア型21の
位置を制御することにより樹脂の種類に関係なくコア型
21による圧縮条件を決めてもよい。
【0045】図6は本発明の請求項2の金型の他の一例
を示す断面図である。図6に示すように、この金型B
は、アンギュラピン固定ブロック24を前進後退させる
手段として、図1〜図5に示すように油圧シリンダ24
4を使用する代わりに突き出しピン249を使用するよ
うにした以外は、上記金型Aと同様になっている。
【0046】すなわち、図6に示す金型Bは、突き出し
ピン249によって突出ロッド242、アンギュラピン
固定ブロック24を前進後退させるようにしたものであ
る。なお、245は可動側ダイプレート、246はタイ
バーである。その他の構成については、図1〜図5に示
す金型Aと同様であるので説明を省略する。
【0047】図7は、本発明の請求項2の金型の更に異
なる他の一例を示す断面図である。図7に示すように、
この金型Cは、アンギュラピン固定ブロック24を前進
後退させる手段として、図1〜図5に示すように油圧シ
リンダ244を使用する代わりにダイプレート245に
よる矢印aで示すような型締め力を利用するようにした
以外は、上記金型Aと同様になっている。
【0048】図7中、17は固定側ダイプレートであ
る。その他の構成については、図1〜図5に示す金型A
と同様であるので説明を省略する。
【0049】以上、本発明の請求項2の実施の形態を図
により説明したが、本発明の具体的な構成は図示の実施
の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱
しない範囲の設計変更は本発明に含まれる。例えば、上
記の金型Aは、図示の実施の形態のように横置き型であ
ったが、縦置き型としても構わない。
【0050】図8〜図11は、本発明の請求項3の金型
の一例を示す断面図である。図8〜図11に示すよう
に、この金型Dは、コア型偏芯機構が進退部材(押し引
きアンギュラ)41と、スライド部材(角形偏芯アンギ
ュラ)42とから構成されている。
【0051】すなわち、進退部材41は、回転ケース4
3内に設けられ、図13に示すように、断面略小判形を
していて、その固定型1側の面に、後述するスライド部
材42のアンギュラピン44の断面正方形の摺動穴41
1が成形品の中心軸に対して傾斜した状態で穿設されて
いるとともに、回転ケース43の回転に伴って回転する
ようになっている。
【0052】一方、スライド部材42は、図12に示す
ように、スライド部材本体46と、軸受け部47とを備
えている。スライド部材本体46は、円柱部461と、
この円柱部の周囲に突出するよう設けられた鍔部462
と、円柱部461から進退部材41側に突出するように
設けられた断面正方形のアンギュラピン44とを備えて
いて、鍔部462がケーシング40内に設けられた保持
板401の溝に遊嵌されてケーシング40内で回転自在
になっているとともに、成形品の中心軸に対して直交す
る方向にスライド可能になっている。
【0053】アンギュラピン44は、進退部材41の摺
動穴411に摺動自在に挿入されているいるとともに、
成形品の中心軸に対して摺動穴411と略同じ角度で傾
斜している。軸受け部47は、スライド部材本体46の
円柱部461に外嵌されるベアリング471と、このベ
アリング471に回転自在に支持される軸受部本体47
2とを備え、軸受部本体472にコア型5がその中心軸
を一致させるように固定されている。
【0054】コア型5は、軸受部本体472に一体に設
けられた円柱状の芯部51と、表面が成形面となり、芯
部51に着脱自在な円筒部材52とを備えている。な
お、図8〜図11中、402は、断熱板である。その他
の構成については、図1〜図5に示す金型Aと同様であ
るので説明を省略する。
【0055】なお、進退部材41やスライド部材42の
材質としては、特に限定されないが、少なくとも進退部
材41やスライド部材42の接触部を形成する部分が耐
衝撃性や耐じん性などを持つ材料で形成されていること
が好ましく、強度の関係からクロム−モリブデン鋼(S
MC鋼)や工具鋼(SKD鋼)がより好ましい。また、
耐磨耗性や低摩擦化などを考慮すれば、真空焼入れやタ
フトライドなどの表面熱処理を施すことが更に好まし
い。
【0056】次に、上記金型Dの作動状態を順を追って
説明する。図9は、進退部材41およびスライド部材4
2が図8に示す状態から180°回転して樹脂を充填し
た状態を示している。また、図9〜図11には、コア型
5が偏芯移動する過程を示している。
【0057】先ず、図8および図9に示すように、固定
型1と可動型4とを閉合したのち、図示しない射出成形
機の射出スクリューによりスプル、ランナ及びゲートを
経由して図9に示すように、溶融状態の例えば高密度ポ
リエチレンのような樹脂が充填樹脂Pとしてキャビティ
3に射出充填される。この射出充填はキャビティ3の容
積に見合う量及び時間内で行われる。
【0058】なお、この回転を始める直前時には、コア
型5は位置決めも兼ねるアンギュラピン44によってキ
ャビティ3の中心に位置している。すなわち、図9に示
すように、油圧シリンダ244のロッドを突出した状態
で突出ロッド支持プレート243及び突出ロッド242
に連結された進退部材41が、回転ケース43内の後端
部にあり、この状態でコア型5の中心軸がキャビティ3
の中心軸と一致した状態になっている。
【0059】そして、このようにコア型5がキャビティ
3内の中心位置にある状態で溶融樹脂がキャビティ3内
に充填された後、図示しないモータが回転を開始し、そ
の動力が図示しないチェーンによりスプロケットホイー
ル222へ伝達されて回転ケース22が回転を開始す
る。また、この回転ケース43の回転と共に進退部材4
1も同調して回転する。しかも、アンギュラピン44お
よび摺動穴411が断面正方形であるので、進退部材4
1の回転力がアンギュラピン44を介してスライド部材
42に伝達されてスライド部材42も回転する。
【0060】つぎに、キャビティ3内の充填樹脂が固化
するまで、あるいは可動型4が移動するまでの間は、充
填樹脂の圧縮が次のように行われる。図10に示すよう
に、油圧シリンダ244の作動により、それに連結され
た突出ロッド支持プレート243が突出ロッド242を
押し、それにより進退部材41が固定型1方向へ前進す
る。
【0061】この進退部材41の前進に伴って、アンギ
ュラピン44が摺動穴411内に入り込み、スライド部
材42が、回転ケース22内の空間を徐々に成形品の中
心軸に直交する方向に滑らかにスライドする。しかも、
この時、進退部材41が回転しつづけているので、スラ
イド部材42は、偏芯状態を保ちながら、成形品の中心
軸周りに公転する。したがって、コア型5も成形品の中
心軸から平行状態を保ちながら偏芯し、成形品の中心軸
周りに公転する。また、軸受部本体472がベアリング
471を介してスライド部材本体46に対して回転自在
になっているので、コア型5は、成形品の中心軸周りに
公転するとともに、充填樹脂の内壁面に沿って転動す
る。すなわち、コア型5は、公転しつつ、転動によって
充填樹脂Pをコア型5の外壁面と固定型1の内壁面との
間で圧縮しつづける。
【0062】コア型5による圧縮動作が終了すると油圧
シリンダ244が後退を始める。この作用により突出ロ
ッド支持プレート243、突出ロッド242、進退部材
41が後退を開始し、アンギュラピン44が進退部材4
1の摺動穴411内から後退する。この動作に合わせ図
11に示すように、スライド部材42が元の位置へ戻
る。同時に、コア型5は転動回転しながら素早くキャビ
ティ3の中心に移動する。
【0063】このようにしてコア型5がキャビティ3の
中心位置への復帰が完了した時点で回転動力である図示
しないモータを停止し圧縮工程を終える。
【0064】上記金型Dは、叙上の構造を備えているの
で、上記金型Aと同様の効果を備えているとともに、ア
ンギュラピン44および摺動穴411が断面四角形であ
るので、回転トルクを大きくできる。また、コア型5
が、芯部51と円筒部材52とを備え、円筒部材52が
芯部51に着脱自在になっているので、外径の異なる複
数の円筒部材52を用意しておけば、円筒部材52を交
換するだけで、得られる成形品の肉厚を容易に変更する
ことができる。
【0065】さらに、金型Aに比べ、コア型偏芯機構の
部品点数が少なく、よりメンテナンスや製造コストを低
減することができる。
【0066】図14は、本発明の請求項3の金型の他の
一例を示す断面図である。図14に示すように、この金
型Eは、進退部材41を前進後退させる手段として、油
圧シリンダ244を使用する代わりに上記金型Bと同様
に突き出しピン249を使用するようにした以外は、上
記金型Dと同様になっている。
【0067】図15は、本発明の請求項3の金型の更に
他の一例を示す断面図である。図15に示すように、こ
の金型Fは、進退部材41を前進後退させる手段とし
て、油圧シリンダ244を使用する代わりに上記金型C
と同様にダイプレート245による矢印aで示すような
型締め力を利用するようにした以外は、上記金型Dと同
様になっている。
【0068】請求項3の金型は、上記の実施の形態に限
定されない。たとえば、上記の実施の形態では、アンギ
ュラピンおよび摺動穴が断面正方形であったが、図16
(a)に示すように断面略小判形、図16(b)に示す
ように、スプライン状、図16(c)に示すように、断
面六角形など、少なくとも1つの長軸と少なくとも1つ
の単軸を備えた断面形状であればどのような形状にして
も構わない。
【0069】図17〜図20は、本発明の請求項4の金
型の一例を示す断面図である。図17〜図20に示すよ
うに、この金型Gは、コア型偏芯機構が進退部材71
と、スライド部材72とから構成されている。
【0070】すなわち、進退部材71は、回転ケース7
3内に設けられ、図21および図22に示すように、断
面略小判形をした本体部711と、この本体部711の
固定型側の面に設けられた傾斜面712と、この傾斜面
712の傾斜方向に沿って穿設された断面略台形の嵌合
突条713とを備えており、回転ケース73の回転に伴
って回転するようになっている。なお、嵌合突条713
の両側面のなす角度θは、特に限定されないが、15°
程度が好ましい。
【0071】一方、スライド部材72は、スライド部材
本体721と、軸受け部722とを備えている。スライ
ド部材本体721は、図21および図22進退部材71
側に進退部材71の傾斜面712に当接する傾斜面72
3を有し、この傾斜面723に嵌合突条713がスライ
ド自在に嵌合する断面略台形の嵌合溝(あり溝)724
が凹設されているとともに、固定型1側に円柱状の軸ピ
ン725が突設している。
【0072】軸受け部722は、スライド部材本体72
1の軸ピン725に外嵌されるベアリング726と、こ
のベアリング726に回転自在に支持される軸受け部本
体727とを備え、軸受け部本体727にコア型8がそ
の中心軸を一致させるように固定されている。コア型8
は、軸受け部本体727に一体に設けられた円柱状の芯
部81と、表面が成形面となり、芯部81に着脱自在な
円筒部材82とを備えている。
【0073】その他の構成については、図1〜図5に示
す金型Aと同様であるので説明を省略する。なお、進退
部材71やスライド部材72の材質としては、特に限定
されないが、少なくとも進退部材71やスライド部材7
2の接触部を形成する部分が耐衝撃性や耐じん性などを
持つ材料で形成されていることが好ましく、強度の関係
からクロム−モリブデン鋼(SMC鋼)や工具鋼(SK
D鋼)がより好ましい。また、耐磨耗性や低摩擦化など
を考慮すれば、真空焼入れやタフトライドなどの表面熱
処理を施すことが更に好ましい。
【0074】次に、上記金型Gの作動状態を順を追って
説明する。図18は、進退部材71およびスライド部材
72が図17に示す状態から180°回転してキャビテ
ィ3内に樹脂が充填された状態を示している。また、図
18〜図20には、コア型8が偏芯移動する過程を示し
ている。
【0075】先ず、図18および図19に示すように、
固定型1と可動型7とを閉合したのち、図示しない射出
成形機の射出スクリューによりスプル、ランナ及びゲー
トを経由して図19に示すように、溶融状態の例えば高
密度ポリエチレンのような樹脂が充填樹脂Pとしてキャ
ビティ3に射出充填される。この射出充填はキャビティ
3の容積に見合う量及び時間内で行われる。
【0076】なお、この回転を始める直前時には、コア
型8はキャビティ3の中心に位置している。すなわち、
図19に示すように、油圧シリンダ244のロッドを突
出した状態で突出ロッド支持プレート243及び突出ロ
ッド242に連結された進退部材71が、回転ケース2
2内の後端部にあり、この状態でコア型8の中心軸がキ
ャビティ3の中心軸と一致した状態になっている。
【0077】そして、このようにコア型8がキャビティ
3内の中心位置にある状態で溶融樹脂がキャビティ3内
に充填された後、図示しないモータが回転を開始し、そ
の動力が図示しないチェーンによりスプロケットホイー
ル222へ伝達されて回転ケース22が回転を開始す
る。また、この回転ケース22の回転と共に進退部材7
1およびスライド部材72も同調して回転する。
【0078】つぎに、キャビティ3内の充填樹脂が固化
するまで、あるいは可動型2が移動するまでの間は、充
填樹脂の圧縮が次のように行われる。図19に示すよう
に、油圧シリンダ244の作動により、それに連結され
た突出ロッド支持プレート243が突出ロッド242を
押し、それにより進退部材71が固定型1方向へ前進す
る。
【0079】この進退部材71の前進に伴って、進退部
材71の傾斜面712がスライド部材72の傾斜面72
3に沿って摺動しつつスライド部材72を回転ケース7
3内の空間で徐々に成形品の中心軸に直交する方向に滑
らかにスライドさせる。しかも、この時、進退部材71
が回転しつづけているので、スライド部材72は、偏芯
状態を保ちながら、成形品の中心軸周りに公転する。し
たがって、コア型8も成形品の中心軸から平行状態を保
ちながら偏芯し、成形品の中心軸周りに公転する。ま
た、軸受け部本体727がベアリング726を介してス
ライド部材本体721に対して回転自在になっているの
で、コア型8は、成形品の中心軸周りに公転するととも
に、充填樹脂の内壁面に沿って転動する。すなわち、コ
ア型8は、公転しつつ、転動によって充填樹脂Pをコア
型21の外壁面と固定型1の内壁面との間で圧縮しつづ
ける。
【0080】図20に示すように、コア型8による圧縮
動作が終了すると油圧シリンダ244が後退を始める。
この作用により突出ロッド支持プレート243、突出ロ
ッド242、進退部材71が後退を開始し、この動作に
合わせスライド部材72が元の位置へ戻る。
【0081】同時に、コア型8は転動回転しながら素早
くキャビティ3の中心に移動する。このようにしてコア
型8がキャビティ3の中心位置への復帰が完了した時点
で回転動力である図示しないモータを停止し圧縮工程を
終える。
【0082】上記金型Gは、叙上の構造を備えているの
で、上記金型Dと同様の効果を備えている。しかも、進
退部材71の傾斜面712とスライド部材72の傾斜面
723とが幅方向全幅に亙って当接する構造であるの
で、スライド部材72をよりスムーズにスライドさせる
ことができ、より精密な制御が可能になる。
【0083】図23は、本発明の請求項4の金型の他の
一例を示す断面図である。図23に示すように、この金
型Hは、アンギュラピン固定ブロック24を前進後退さ
せる手段として、油圧シリンダ244を使用する代わり
に上記金型Bと同様に突き出しピン4を使用するように
した以外は、上記金型Gと同様になっている。
【0084】図24は、本発明の請求項4の金型の更に
他の一例を示す断面図である。図24に示すように、こ
の金型Iは、アンギュラピン固定ブロック24を前進後
退させる手段として、油圧シリンダ244を使用する代
わりに上記金型Cと同様にダイプレート245による矢
印aで示すような型締め力を利用するようにした以外
は、上記金型Gと同様になっている。
【0085】請求項4の金型は、上記の実施の形態に限
定されない。たとえば、上記の実施の形態では、嵌合溝
△および嵌合突条が断面略台形であったが、図25
(a)に示すように、キー溝状、図25(b)に示すよ
うに、T溝状、図25(c)に示すように、変形T溝状
をしていても構わないし、嵌合突条がスライド部材側に
設けられ、嵌合溝が進退部材側に設けられていても構わ
ない。
【0086】図26は本発明に係る射出成形用金型によ
り成形される筒状成形品の例を示す斜視図である。
【0087】即ち、本発明金型により成形される筒状成
形品の形状としては、特に限定されないが、例えば、図
26(a)に示すように、D1=D2と内周の真円度が
高く、D3≦D4と外周が円または楕円形の筒状成形品
や、図26(b)に示すように、D1=D2、D3=D
4と内周および外周とも真円度が高い成形品や、図26
(c)に示すように、D1=D2と内周の真円度が高
く、外周面に板状の突起を有する成形品や、図26
(d)に示すように、D1=D2と内周の真円度が高
く、外周面に筒状の突起を有する筒状成形品等が挙げら
れる。
【0088】即ち、本発明において、筒状とは、断面形
状が真円状の筒形だけでなく、卵形や楕円状をしている
のものであっても構わないものであり、表面に各種形状
の凸部が突設されていてもよい。
【0089】
【実施例】以下に、本発明の実施例を詳しく説明する。
【0090】〔実施例1〕アルミニウム合金製のコア型
21及び炭素鋼製の固定型1を備えた図1〜図5に示す
金型Aを使用し、筒状成形品として呼び径50mm(規
格値としては60.5±0.2mm)のソケット(継
手)を成形した。尚、キャビティ3の形状は、内径6
0.2mm、外径79.5mm、肉厚19.3mm、長
さ107mmであった。
【0091】その結果、筒状成形品内径の最大値と最小
値の差で求めた真円度が従来の1.2mmから0.24
mmに向上した。又、偏芯量を変更して成形した結果、
偏芯量に対して±0.05mmの精度の内径を備えた筒
状成形品が得られた。
【0092】〔実施例2〕アルミニウム合金製のコア型
5及び炭素鋼製の固定型1を備えた図 〜図 に示す金
型Dを使用し、筒状成形品として呼び径50mm(規格
値としては60.5±0.2mm)のソケット(継手)
を成形した。尚、キャビティ3の形状は、内径60.2
mm、外径79.5mm、肉厚19.3mm、長さ10
7mmであった。
【0093】その結果、筒状成形品内径の最大値と最小
値の差で求めた真円度が従来の1.2mmから0.24
mmに向上した。又、偏芯量を変更して成形した結果、
偏芯量に対して±0.05mmの精度の内径を備えた筒
状成形品が得られた。
【0094】〔実施例3〕アルミニウム合金製のコア型
8及び炭素鋼製の固定型1を備えた図 〜図 に示す金
型Gを使用し、筒状成形品として呼び径50mm(規格
値としては60.5±0.2mm)のソケット(継手)
を成形した。尚、キャビティ3の形状は、内径60.2
mm、外径79.5mm、肉厚19.3mm、長さ10
7mmであった。
【0095】その結果、筒状成形品内径の最大値と最小
値の差で求めた真円度が従来の1.2mmから0.24
mmに向上した。又、偏芯量を変更して成形した結果、
偏芯量に対して±0.05mmの精度の内径を備えた筒
状成形品が得られた。
【0096】
【発明の効果】本発明にかかる射出成形用金型において
は、以上のように構成されているので、シンプルな機構
でメンテナンスにも優れ、機械的に正確に作動する均一
な密度を持ち、そりや変形、残留ひずみなど少なく、収
縮ムラのない高精度の寸法、優れた外観を備えた成形品
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2の金型の一例を示す断面図。
【図2】図1に示す金型のスライドブロック等が回転し
た状態を示す断面図。
【図3】図1に示す金型のアンギュラピン固定ブロック
が後退位置にある状態を示す断面図。
【図4】図3に示す状態からアンギュラピン固定ブロッ
クが前進を開始した状態を示す断面図。
【図5】図4に示す状態からアンギュラピン固定ブロッ
クが後退し、成形終了状態を示す断面図。
【図6】請求項2の金型の他の一例を示す断面図。
【図7】請求項2の金型の更に異なる他の一例を示す断
面図。
【図8】請求項3の金型の一例であって進退部材が後退
位置にある状態を示す断面図。
【図9】図8に示す金型のキャビティ内に樹脂が充填さ
れた状態を示す断面図。
【図10】図9に示す状態からアンギュラピン固定ブロ
ックが前進を開始した状態を示す断面図。
【図11】図10に示す状態からアンギュラピン固定ブ
ロックが後退し、成形終了状態を示す断面図。
【図12】図8のA−A線断面図である。
【図13】図8のB−B線断面図である。
【図14】請求項3の金型の他の一例を示す断面図。
【図15】請求項3の金型の更に異なる他の一例を示す
断面図。
【図16】請求項3の金型のアンギュラピンの断面形状
の他の例を示す断面図。
【図17】請求項4の金型の一例であって進退部材が後
退位置にある状態を示す断面図。
【図18】図17に示す金型のキャビティ内に樹脂が充
填された状態を示す断面図。
【図19】図18に示す状態からアンギュラピン固定ブ
ロックが前進を開始した状態を示す断面図。
【図20】図19に示す状態からアンギュラピン固定ブ
ロックが後退し、成形終了状態を示す断面図。
【図21】図17のC−C線断面図である。
【図22】図17の金型の進退部材とスライド部材の斜
視図。
【図23】請求項4の金型の他の一例を示す断面図。
【図24】請求項3の金型の更に異なる他の一例を示す
断面図。
【図25】請求項3の金型の嵌合溝と嵌合突条の他の形
状を示す断面図。
【図26】本発明射出成形用金型により成形可能な筒状
成形品の例を示す斜視図。
【符号の説明】
A,B,C,D,E,F,G,H,1 金型 1 固定型 17 固定側ダイプレート 2,4,7 可動型 21,5,8 コア型 211 伝達ピン 22,43,73 回転ケース 221 軸受け 222 スプロケットホイール 23 可動型本体 24 アンギュラピン固定ブロック(進退部材) 241 アンギュラピン 245 可動型ダイプレート 246 タイバー 249 突き出しピン 25 スライドブロック(スライド部材) 251 摺動穴 26 回転抑制ピン 3 キャビティ 40 ケーシング 401 保持板 402 断熱板 41 進退部材 411 摺動穴 42 スライド部材 43 回転ケース 44 アンギュラピン 46 スライド部材本体 461 スライド部材本体 47 軸受け部 471 ベアリング 472 軸受部本体 51 芯部 52 円筒部材 71 進退部材 711 本体部 712 傾斜面 713 嵌合突条 72 スライド部材 721 スライド部材本体 722 軸受け部 723 傾斜面 724 嵌合溝 725 軸ピン 726 ベアリング 727 軸受け部本体 81 芯部 82 円筒部材 P 充填樹脂
フロントページの続き (72)発明者 白波瀬 和孝 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 (72)発明者 東ヶ崎 滋 大阪府枚方市野村中町62−1 株式会社積 水工機製作所内 (72)発明者 松本 好史 大阪府枚方市野村中町62−1 株式会社積 水工機製作所内 (72)発明者 松井 宏彰 大阪府枚方市野村中町62−1 株式会社積 水工機製作所内 Fターム(参考) 4F202 AG08 AM32 CA11 CB01 CK81 4F206 AG08 AM32 JA07 JL02 JM05 JN21 JN25 JQ81

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可動型本体およびこの可動型本体に一体に
    設けられたコア型を有する可動型と、この可動型と閉合
    されてコア型との間に筒状成形品に対応するキャビティ
    が形成される固定型とを備える筒状成形品の射出成形用
    金型であって、前記可動型は、前記コア型が固定型内で
    コア型の中心軸がキャビティ内で成形される成形品の中
    心軸に対して平行状態を保ちながら偏芯可能に可動型本
    体に支持されていて、前記可動型本体が、固定型方向に
    進退自在な進退部材を有し、この進退部材の固定型方向
    への動きを、コア型の中心軸に垂直方向の力に変えて伝
    達してコア型を偏芯方向に移動させるコア型偏芯機構
    と、固定型内で、コア型が偏芯した状態で、前記偏芯し
    た状態を保ちながら前記キャビティの中心軸周りにコア
    型を公転させる駆動機構とを備えていることを特徴とす
    る筒状成形品の射出成形用金型。
  2. 【請求項2】コア型偏芯機構が、駆動手段を介して可動
    型本体内で回転可能に設けられた回転ケースと、この回
    転ケースの回転に伴って回転するとともに回転ケース内
    で固定型方向に進退し、固定型側にアンギュラピンが突
    出するように設けられたアンギュラピン固定ブロック
    と、前記アンギュラピンが摺動自在に挿入されるアンギ
    ュラピン摺動穴を有し、アンギュラピンのアンギュラピ
    ン摺動穴への進退に伴って回転ケース内を成形品の中心
    軸に直交する方向に移動するスライドブロックと、この
    スライドブロックの動きをコア型に伝達する伝達部材と
    を備えている請求項1に記載の筒状成形品の射出成形用
    金型。
  3. 【請求項3】コア型偏芯機構が、駆動手段を介して可動
    型本体内で回転可能に設けられた回転ケースと、この回
    転ケースの回転に伴って回転するとともに回転ケース内
    で固定型方向に進退し、固定型側の面に少なくとも1本
    の長軸と少なくとも1本の短軸を有する断面形状のアン
    ギュラピン挿入穴が設けられた進退部材と、前記アンギ
    ュラピン挿入穴に摺動自在に挿入されるアンギュラピン
    を有し、アンギュラピンのアンギュラピン摺動穴への進
    退に伴って可動型本体内を成形品の中心軸に直交する方
    向に移動するスライド部材と、このスライド部材にコア
    型をその中心軸周りに回転自在に支持する軸受け部とを
    備えている請求項1に記載の筒状成形品の射出成形用金
    型。
  4. 【請求項4】コア型偏芯機構が、駆動手段を介して可動
    型本体内で回転可能に設けられた回転ケースと、この回
    転ケースの回転に伴って回転するとともに回転ケース内
    で固定型方向に進退し、固定型側の進退方向に対して交
    差する傾斜面を有し、この傾斜面の傾斜方向に沿って嵌
    合突条または嵌合溝が設けられた進退部材と、この進退
    部材の傾斜面に沿ってスライド自在に当接するととも
    に、前記進退部材の嵌合突条または嵌合溝にスライド自
    在に嵌合する嵌合溝または嵌合突条が設けられた傾斜面
    を有し、進退部材の進退に伴って可動型本体内を成形品
    の中心軸に直交する方向に移動するスライド部材と、こ
    のスライド部材にコア型をその中心軸周りに回転自在に
    支持する軸受け部とを備えている請求項1に記載の筒状
    成形品の射出成形用金型。
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