JP2001113158A - 乾燥マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents
乾燥マイクロカプセルの製造方法Info
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Abstract
クロカプセルの乾燥時におけるカプセル皮膜破壊を簡便
な方法により防止した乾燥マイクロカプセルの製造法を
提供することを課題とするものである。 【解決手段】 コアセルベーション法により調製された
マイクロカプセルを、2価または3価の脂肪族アルコー
ルまたは糖アルコールからなる被覆剤で被覆した後乾燥
することからなる乾燥マイクロカプセルの製造方法。
Description
セルの製造方法に関する。さらに詳しくは本発明は、コ
アセルベーション法により調製されたマイクロカプセル
を被覆剤で被覆した後乾燥する乾燥マイクロカプセルの
製造方法に関する。
て、ゼラチン−アラビアガム系等を用いたコアセルベー
ション法が知られている。コアセルベーション法は油性
液体を効率よく簡便にカプセル化することができるの
で、粘性のある油性液体をマイクロカプセル化して粉末
化するのに適している。また、コアセルベーション法で
製造したマイクロカプセルは水等に溶け易い特長を有す
るので、食品や香料の分野のマイクロカプセル化法とし
て特に好適に用いられる。しかしながら、コアセルベー
ション法においては、マイクロカプセルを乾燥する工程
を必要とし、その際にカプセル壁の破壊や芯物質の滲み
により、油性液体がカプセル外に漏出し易い欠点があ
る。この乾燥時のマイクロカプセルの破壊を防止するた
めに、マイクロカプセルを形成後、低濃度のエタノール
溶液に浸漬し、順次段階的に高濃度のエタタノールに浸
漬した後乾燥する方法が提案されている(特開平10−
211425号公報)。この方法によれば、乾燥時のカ
プセル皮膜の破壊は防止できるが、多くの工程を有する
のでさらに簡便な乾燥方法が求められている。
ーション法により調製されたマイクロカプセルの乾燥時
におけるカプセル皮膜破壊を簡便な方法により防止した
乾燥マイクロカプセルを製造する方法を提供することを
目的とする。
アセルベーション法により調製されたマイクロカプセル
を、2価または3価の脂肪族アルコールまたは糖アルコ
ールからなる被覆剤で被覆した後乾燥することを特徴と
する乾燥マイクロカプセルの製造方法によって解決され
る。
セルはそれ自体公知のコアセルベーション法によって調
製される。例えば、油性芯物質をゼラチンのような皮膜
形成材料の水溶液中に50〜60℃で加え、撹拌下に可
食塩水溶液のようなコアセルベーション化剤を加え、徐
々に冷却して油粒子の周りにコアセルベートを吸着さ
せ、皮膜を形成硬化させる。この混合物中から濾過など
により分離することによってマイクロカプセルが調製さ
れる。
はないが、常温で液体の粘液性の油性液体や温度変化に
よって相転移の生じやすい固形脂を用いる場合に特にカ
プセル壁の破壊が生じるので、このような芯物質を用い
る場合に本発明の利点が発揮される。芯物質には特に限
定はなく、例えばコーン油、大豆油、菜種油、魚油、ラ
ード、ヘット等の動植物油、α−リノレン酸、エイコサ
ペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の脂肪酸、脂溶性
ビタミン類、油性香料などが例示され、好ましくは脂溶
性ビタミン類、油性香料、更に好ましくは油性香料が用
いられる。
のではないが、好ましくはゼラチンが用いられる。ゼラ
チンとしては、未精製ゼラチン、精製ゼラチン、酸分解
ゼラチン、酵素分解ゼラチンなどが例示され、特に限定
されるものではないが、好ましくは精製ゼラチンが用い
られる。芯物質とゼラチンとの重量比は特に限定される
ものではないが、好ましくは100:1〜100:10
0、より好ましくは100:10〜100:60の範囲
で用いられる。この比が100:1未満であればマイク
ロカプセルの皮膜が薄く、強度に問題が生じることがあ
り、100:100を超えると、マイクロカプセルの皮
膜が厚く、芯物質の発現に悪影響を与える可能性があ
る。
セルベート化に使用されるものを特に制限なく用いるこ
とができる。特にアラビアガム、カラギーナン、CMC
類、有機または無機の塩からなる電解質物質、たとえ
ば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウ
ム、塩化アンモニウムのような陽イオンを有する塩、硫
酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩のような陰イオンを有
する塩が使用される。さらに水溶解性の液体であって、
その中の皮膜形成材料が水よりも少なく溶解するような
液体物質、たとえば、エタノール、プロパノールのよう
なアルコール類を用いることができる。
ば濾過によりマイクロカプセルを溶液中から分離し、分
離されたマイクロカプセルを2価または3価の脂肪族ア
ルコールまたは糖アルコールからなる被覆剤で被覆す
る。被覆は常法により、例えば、噴霧により行う。用い
られる2価または3価の脂肪族アルコールには、特に限
定されることはないが、食品に使用することが認められ
ているプロピレングリコール、ブタンジオール、グリセ
リンなどが好ましい。糖アルコールとしては、ソルビト
ール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、還
元水あめなどが例示される。好ましくはプロピレングリ
コール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マ
ルチトール、マルトース、ラクチトース、トレハオース
が用いられ、更に好ましくはグリセリン、ソルビトー
ル、キシリトール、マルチトールが用いられ、これらの
1種または2種以上の組み合わせを用いることができ
る。
いが、好ましくはマイクロカプセル100重量部に対し
て1重量部〜15重量部、更に好ましくは、2重量部〜
11重量部で用いられる。15重量部を超えた場合、マ
イクロカプセルの流動性が損なわれ、また逆にカプセル
化率が低下する。1重量部を下回った場合、マイクロカ
プセル破壊防止剤としての効果が十分でない。
の濃度の水溶液としてマイクロカプセルに噴霧するか添
加して混合することにより行われる。好ましくは、液体
状態の場合はそのまま、固体の場合は30重量%程度の
水溶液の状態で、乾燥工程中に噴霧する。マイクロカプ
セルを被覆した後、噴霧乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥、流
動層乾燥等の常法に従ってマイクロカプセルを乾燥させ
る。必要により水に溶けにくい澱粉、セルロース微粉、
2酸化珪素などの乾燥助剤が用いられる。大量生産する
にあたっては被覆剤と共にまたは被覆した後に乾燥助剤
を使用して流動層乾燥法で乾燥するのが好ましい。次
に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
溶液60mlに加えて攪拌し、油滴を形成させた。このも
のに水70mlを添加し、ついで炭酸ナトリウム9gを水
36mlに溶解させた塩溶液を滴下し、滴下終了後、ゼラ
チン溶液を徐々に冷却し、コアセルベートを形成させ
た。得られたコアセルベートを濾別し、グリセリン3g
を噴霧した。デンプンを乾燥助剤として、流動層で乾燥
することにより乾燥マイクロカプセル89gを得た。乾
燥中にマイクロカプセルの皮膜が壊れて漏出した油の量
を溶剤抽出により測定した。乾燥によっても皮膜が破壊
されず、カプセル中に保持されたコーン油(カプセルの
コーン油保持率)は99%以上であった。仕込みコーン
油の最終カプセル化率(カプセル化収率)は92%であ
った。
溶液60mlに加えて攪拌し、油滴を形成させた。このも
のに水70mlを添加し、ついで炭酸ナトリウム9gを水
36mlに溶解させた塩溶液を滴下し、滴下終了後、ゼラ
チン溶液を徐々に冷却し、コアセルベートを形成させ
た。得られたコアセルベートを濾別し、デンプンを乾燥
助剤として、流動層で乾燥することにより乾燥マイクロ
カプセル82gを得た。皮膜が壊れて漏出した油の量を
溶剤抽出により測定した。カプセルのなたね油保持率は
92%であり、カプセル化収率は78%であった。
ン水溶液60mlに加えて攪拌し、油滴を形成させた。こ
のものに水70mlを添加し、ついで炭酸ナトリウム9g
を水36mlに溶解させた塩溶液を滴下し、滴下終了後、
ゼラチン溶液を徐々に冷却し、コアセルベートを形成さ
せた。得られたコアセルベートを濾別し、グリセリン3
gを噴霧した。デンプンを乾燥助剤として、流動層で乾
燥することにより乾燥マイクロカプセル89gを得た。
皮膜が壊れて漏出した油の量を溶剤抽出により測定し
た。カプセルのなたね硬化油保持率は99%以上であ
り、カプセル化収率は92%であった。
ン水溶液60mlに加えて攪拌し、油滴を形成させた。水
70mlを添加し、ついで炭酸ナトリウム9gを水36ml
に溶解させた塩溶液を滴下し、滴下終了後、ゼラチン溶
液を徐々に冷却し、コアセルベートを形成させた。得ら
れたコアセルベートを濾別し、デンプンを乾燥助剤とし
て、流動層で乾燥することにより乾燥マイクロカプセル
76gを得た。皮膜が壊れて漏出した油の量を溶剤抽出
により測定した。カプセルのなたね硬化油保持率は82
%であり、カプセル化収率は65%であった。
0℃に加温した10%ゼラチン水溶液60mlに加え、エ
マルション滴を形成させた。水70mlを添加し、ついで
メタリン酸ナトリウム0.6gを水60mlに溶解させた
塩溶液を滴下し、滴下終了後、ゼラチン溶液を徐々に冷
却し、コアセルベートを形成させた。得られたコアセル
ベートを濾別し、ソルビトール3gの水溶液10gを噴
霧した。デンプンを乾燥助剤として、自然乾燥すること
により乾燥マイクロカプセル87gを得た。皮膜が壊れ
て漏出した油の量を溶剤抽出により測定した。カプセル
のチキンオイル保持率は99%であり、カプセル化収率
は93%であった。
0℃に加温した10%ゼラチン水溶液60mlに加え、エ
マルション滴を形成させた。水70mlを添加し、ついで
メタリン酸ナトリウム0.6gを水60mlに溶解させた
塩溶液を滴下し、滴下終了後、ゼラチン溶液を徐々に冷
却し、コアセルベートを形成させた。得られたコアセル
ベートを濾別し、デンプンを乾燥助剤として、自然乾燥
することにより乾燥マイクロカプセル68gを得た。カ
プセルのチキンオイル保持率は93%であり、カプセル
化収率は53%であった。
により調製されたマイクロカプセルの乾燥時のカプセル
皮膜破壊を防止する方法が提供される。コアセルベーシ
ョン法は粘性のある油性液体を効率よくマイクロカプセ
ル化し、生成したマイクロカプセルが容易に水等に溶解
するので、食品や香料の分野におけるマイクロカプセル
化法として優れている。しかしながら、形成されたマイ
クロカプセルを乾燥する際にカプセル壁が破壊され、芯
物質である油性液体が漏出し易い問題を有する。この問
題は、コアセルベーション法により調製されたマイクロ
カプセルを、2価または3価の脂肪族アルコールまたは
糖アルコールからなる被覆剤で被覆した後乾燥する本発
明の乾燥マイクロカプセルの製造方法により解決され
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 コアセルベーション法により調製された
マイクロカプセルを、2価または3価の脂肪族アルコー
ルまたは糖アルコールからなる被覆剤で被覆した後乾燥
することを特徴とする乾燥マイクロカプセルの製造方
法。 - 【請求項2】 脂肪族アルコールがプロピレングリコー
ル、ブタンジオールまたはグリセリンである請求項1記
載の方法。 - 【請求項3】 糖アルコールがソルビトール、キシリト
ール、マンニトール、マルチトールまたは還元水あめで
ある請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 マイクロカプセル100重量部に対して
被覆剤1〜15重量部である請求項1乃至3のいずれか
の項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29838399A JP4473380B2 (ja) | 1999-10-20 | 1999-10-20 | 乾燥マイクロカプセルの製造方法 |
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JP2001113158A true JP2001113158A (ja) | 2001-04-24 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002326030A (ja) * | 2001-05-02 | 2002-11-12 | Ogawa & Co Ltd | 非架橋ゼラチンカプセルの皮膜架橋防止方法 |
JP2006026550A (ja) * | 2004-07-16 | 2006-02-02 | Ehime Prefecture | マイクロカプセルの製造方法、この製造方法により製造されたマイクロカプセル、このマイクロカプセルで情報を記録した記録紙及びこのマイクロカプセルを含む記録液 |
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1999
- 1999-10-20 JP JP29838399A patent/JP4473380B2/ja not_active Expired - Lifetime
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