JP2001111123A - Squid素子 - Google Patents

Squid素子

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JP2001111123A
JP2001111123A JP28975199A JP28975199A JP2001111123A JP 2001111123 A JP2001111123 A JP 2001111123A JP 28975199 A JP28975199 A JP 28975199A JP 28975199 A JP28975199 A JP 28975199A JP 2001111123 A JP2001111123 A JP 2001111123A
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JP
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thin film
squid
sapphire substrate
superconducting thin
film pattern
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JP28975199A
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English (en)
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Yuichi Hisagai
裕一 久貝
Yasuyuki Matsui
康之 松井
Tatsuoki Nagaishi
竜起 永石
Hideo Itozaki
秀夫 糸▲崎▼
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/02Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux
    • G01R33/035Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux using superconductive devices
    • G01R33/0354SQUIDS
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N60/00Superconducting devices
    • H10N60/10Junction-based devices
    • H10N60/12Josephson-effect devices
    • H10N60/124Josephson-effect devices comprising high-Tc ceramic materials

Abstract

(57)【要約】 【課題】 段差型ジョセフソン接合を有するSQUID
素子について、素子の低価格化が可能であるとともに、
大面積の基板を用いることができるSQUID素子を提
供する。 【解決手段】 段差部11を有するサファイア基板10
上にCeO2バッファ層を介して酸化物超電導薄膜から
なる超電導薄膜パターン20を形成し、中心部分に開口
部23を有する正方形状の薄膜パターン22の所定の部
位を段差部11が横断するように段差部11及び薄膜パ
ターン20を構成する。このとき、段差部11が横断し
ている部位において段差型ジョセフソン接合部26、2
7が形成されて、SQUIDが得られる。サファイア基
板は比較的低価格であり、大面積の基板を用いることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SQUID(Supe
rconducting QUantum Interference Device、超電導量
子干渉素子)を備えるSQUID素子に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】SQUIDは、超電導ループ中に1個以
上のジョセフソン接合を形成したものであり、非常に高
い精度で磁場を測定することができる磁気センサ等に利
用される。
【0003】超電導ループ中のジョセフソン接合につい
ては、いくつかの形成方法によるものが用いられている
が、その1つとして段差型のジョセフソン接合がある。
段差型ジョセフソン接合では、超電導薄膜パターンによ
って超電導ループが作製される基板上に所定の段差を形
成する。そして、その段差部分が超電導薄膜による超電
導ループの所定位置を横断するように基板上の超電導薄
膜パターンを形成し、段差部分上の超電導薄膜パターン
部分に形成される弱結合を利用してジョセフソン接合を
得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】酸化物超電導薄膜によ
る薄膜パターンを用いて上記した段差型ジョセフソン接
合を形成する場合、その基板としては良好な酸化物超電
導薄膜を形成可能であるなどの理由からSrTiO3
板が一般的に用いられている(Jpn. J. Appl. Phys. Vo
l.32 (1993) pp.662-664)。しかしながら、SrTiO
3基板は高価格である上、基板サイズの大きいSrTi
3基板を入手することができない。このとき、単一ウ
エハ基板から製造できるSQUIDの数が減少して製造
効率が低下してしまうという問題を生じる。
【0005】また、SQUID磁気センサにおいては、
磁場の検出感度を高めるためにSQUIDの寸法を大き
くして磁束捕獲面積を増加させるなど、SQUID素子
を大面積化することが求められる場合があるが、上記し
たSQUID素子によってはこのような大面積化に対応
することが難しい。
【0006】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされた
ものであり、段差型ジョセフソン接合を有するSQUI
D素子について、素子の低価格化が可能であるととも
に、大面積の基板を用いることができるSQUID素子
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明によるSQUID素子は、サファイア
基板と、サファイア基板上にCeO2バッファ層を介し
て形成された酸化物超電導薄膜からなり、SQUIDを
含む超電導薄膜パターンと、を有し、SQUIDのジョ
セフソン接合部は、サファイア基板上に形成された段差
部の上に形成される段差型ジョセフソン接合であること
を特徴とする。
【0008】上記したSQUID素子に用いられている
サファイア基板は、比較的低価格で入手でき、基板サイ
ズを大きくすることが可能な基板である。しかしなが
ら、サファイア基板を用いて超電導薄膜パターンを形成
する場合に、段差型ジョセフソン接合を形成してSQU
IDを作製する技術は確立されていなかった。
【0009】これに対して、本願発明者は鋭意検討を重
ねた結果、サファイア基板上にCeO2バッファ層を介
して酸化物超電導薄膜による超電導薄膜パターンを形成
するとともに、サファイア基板に設けられた段差が薄膜
パターンの所定の部位を横断するように構成することに
よって、素子をSQUID動作させることができる段差
型ジョセフソン接合を得ることが可能であることを見出
し、本発明を完成するに至った。これにより、段差型ジ
ョセフソン接合を有するSQUID素子の低価格化が可
能になる。また、大面積のサファイア基板を使用するこ
とができるので、SQUIDの大面積化や、製造効率の
向上を実現することができる。
【0010】また、酸化物超電導薄膜は、HoBaCu
O系の酸化物超電導体からなることを特徴とする。これ
によって、特に結晶状態及び特性が良好な超電導薄膜パ
ターンを得ることができる。
【0011】また、上記したSQUID及びその段差型
ジョセフソン接合について充分な特性を得るための構成
条件としては、サファイア基板上に形成された段差部
は、その角度が15度以上45度未満であることを特徴
とすることが好ましい。
【0012】さらに、CeO2バッファ層は、その厚さ
が10nm以上60nm未満であることを特徴とするこ
とが好ましい。
【0013】さらに、酸化物超電導薄膜は、その厚さが
100nm以上300nm以下であることを特徴とする
ことが好ましい。
【0014】さらに、サファイア基板上に形成された段
差部は、その高さが100nm以上600nm以下であ
ることを特徴とすることが好ましい。
【0015】上記した各構成条件、あるいはそれらを組
み合わせた構成条件を用いることによって、形成される
超電導薄膜パターンの結晶状態及び超電導特性を特に向
上させるとともに、素子を良好にSQUID動作させる
ことが可能な段差型ジョセフソン接合を得ることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明によるS
QUID素子の好適な実施形態について詳細に説明す
る。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号
を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比
率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0017】図1は、本発明によるSQUID素子の一
実施形態を示す平面図である。なお、図1においては、
SQUID素子のうちSQUIDが形成されているパタ
ーン部分を拡大して図示し、それ以外のパターン部分に
ついては図示していない。
【0018】SQUID素子1は、サファイア基板10
と、サファイア基板10上に形成された超電導薄膜パタ
ーン20とを有して構成されている。サファイア基板1
0には図中に破線で示した線に沿って、所定の角度及び
高さを有して形成された段差からなる段差部11が設け
られている。
【0019】図1に示した超電導薄膜パターン20にお
いては、図中の縦方向に伸びる薄膜パターン21の所定
の位置に、外形寸法が5mm×5mmである正方形状の
薄膜パターン22が形成されている。また、薄膜パター
ン22の中心部分には、薄膜パターン21の伸びる方向
を長手方向とする幅5μm、長さ100μmの開口部2
3が形成されている。
【0020】また、正方形状の薄膜パターン22の下辺
側には、薄膜パターン21を挟む左右の所定の位置に、
それぞれ凹状パターン部24及び25が設けられてい
る。これらの凹状パターン部24、25は、それぞれの
内側の辺、すなわち縦方向に伸びる薄膜パターン21の
中心線側の辺のうち、パターン部先端にある一部分が開
口部23に面する形状とされている。
【0021】ここで、サファイア基板10の段差部11
は、凹状パターン部24、25内の超電導薄膜パターン
20が形成されていない領域を通り、かつ、開口部23
内の位置を通過するように凹状パターン部24及び25
の間の薄膜パターン22を横断する線に沿って形成され
ている。
【0022】このとき、この段差部11は、凹状パター
ン部24と開口部23とによって挟まれた薄膜パターン
部分、及び凹状パターン部25と開口部23とによって
挟まれた薄膜パターン部分を横断している。これによっ
て、段差部11が横断しているこれら2つの部位にそれ
ぞれ段差型ジョセフソン接合部26及び27が形成され
る。本実施形態におけるSQUID2は、以上に述べた
正方形状の薄膜パターン22、開口部23、及び段差型
ジョセフソン接合部26、27を有して構成されてい
る。
【0023】図2は、図1に示したSQUID素子1の
I−I矢印断面図であり、段差型ジョセフソン接合部2
6近傍を拡大して、その断面構造を示している。
【0024】本実施形態における超電導薄膜パターン2
0は、サファイア基板10上に、CeO2(酸化セリウ
ム)薄膜からなるバッファ層12及び酸化物超電導薄膜
13を順次成膜することによって形成されている。さら
に、サファイア基板10には、図2に示すように所定の
段差角度θ及び段差高さhを有する段差部11が設けら
れている。
【0025】そして、この段差部11が超電導薄膜パタ
ーン20の所定の部位を横断するように超電導薄膜パタ
ーン20をサファイア基板10上に形成することによっ
て、上述したように段差型ジョセフソン接合部26が得
られる。すなわち、段差部11が、CeO2バッファ層
12を介して形成された酸化物超電導薄膜13からなる
超電導薄膜パターン20を横断することによって、段差
部11を覆っている超電導薄膜部分において弱結合が形
成され、これによって段差型ジョセフソン接合が得られ
る。なお、段差部11の段差角度θ及び段差高さhは、
段差型ジョセフソン接合26及び27に対して同一とさ
れている。
【0026】上記した実施形態によるSQUID素子の
効果、及びその好適な構成条件について説明する。
【0027】本実施形態においては、酸化物超電導体の
薄膜パターンを用いた段差型ジョセフソン接合を有する
SQUIDにおいて、一般的に用いられているSrTi
3基板ではなく、サファイア基板10を用いている。
サファイア基板は比較的低価格であり、また、基板サイ
ズの大きいものを利用することが可能である。
【0028】さらに、このサファイア基板10上に、C
eO2バッファ層12及び酸化物超電導薄膜13を順次
成膜し、これらから超電導薄膜パターン20を形成して
いる。これによって、サファイア基板10の段差部11
が超電導薄膜パターン20を横断する部位に、素子をS
QUID動作させることが可能な段差型ジョセフソン接
合が形成されたSQUIDを得ることが可能となる。な
お、通常のサファイア基板上にCeO2バッファ層を介
して酸化物超電導薄膜を形成することについては、例え
ば文献 J. Appl. Phys. 70 (1991) pp.3986-3988 に記
載されている。
【0029】このようにCeO2薄膜をバッファ層とし
て用いることによって、サファイア基板上に良好な結晶
状態を有する酸化物超電導薄膜を成膜することができ
る。しかしながら、この構成において段差型ジョセフソ
ン接合を形成してSQUIDを得る作製技術は確立され
ていなかった。これに対して、本願発明者が検討及び実
験を重ねた結果、上記した構成を用いてサファイア基板
上でSQUID動作可能な段差型ジョセフソン接合を形
成することが可能であるとの知見を得て、本発明による
SQUID素子に到達したものである。
【0030】サファイア基板を用いたSQUIDの作製
については、基板上に急峻な段差を形成するとともにM
gOバッファ層を介して酸化物超電導薄膜を形成するこ
とが文献 Appl. Phys. Lett. 60 (1992) pp.2552-2554
に記載されている。また、MgO基板上に酸化物超電導
薄膜を形成して、段差角度が30度程度のSQUIDを
作製することが文献 Appl. Phys. Lett. 60 (1992) pp.
2433-2435 に記載されている。しかしながら、MgOバ
ッファ層またはMgO基板では、得られる酸化物超電導
薄膜の結晶状態や特性を充分に向上させることができな
い。
【0031】これに対して、上記した実施形態のSQU
ID素子では、サファイア基板上にCeO2バッファ層
を介して酸化物超電導薄膜を成膜した構成を用いて段差
型ジョセフソン接合を形成することによって、SQUI
D素子を低価格化し、また、大面積のサファイア基板を
使用可能として、SQUIDの大面積化や製造効率の向
上を実現している。さらに、CeO2薄膜をバッファ層
に用いることによって、超伝導薄膜パターンを構成する
酸化物超電導薄膜の結晶状態及び特性を向上させて、良
好な超電導特性及びSQUID動作が得られるSQUI
D素子としている。
【0032】このとき、酸化物超電導薄膜としては、H
1Ba2Cu37-x薄膜などHoBaCuO系の酸化物
超電導体を用いることが好ましい。これによって、特に
結晶状態及び特性が良好な超電導薄膜パターンを形成す
ることができる。
【0033】また、本願発明者による実験の結果によれ
ば、サファイア基板10の段差部11や、CeO2バッ
ファ層12及び酸化物超電導薄膜13などの構成条件と
して、段差部11については、段差角度θを15度以上
45度未満とすることが好ましく、また、段差高さhを
100nm以上600nm以下とすることが好ましい。
【0034】さらに、CeO2バッファ層12について
は、厚さを10nm以上60nm未満とすることが好ま
しく、一方、酸化物超電導薄膜13については、厚さを
100nm以上300nm以下とすることが好ましい。
【0035】これらの条件を適用することによって、特
にSQUID素子の特性を向上させることができる。
【0036】以下に、上記した実施形態によるSQUI
D素子1の特性、及びその好適な構成条件について、実
施例及び比較例を示してさらに具体的に説明する。な
お、各実施例及び比較例での超電導薄膜パターン20、
及びそれによって形成されるSQUID2の構成等につ
いては、いずれも図1及び図2に示したものを用いてい
る。
【0037】(実施例1)まず、サファイア基板10上
に、フォトリソグラフィ及びイオンミリングエッチング
によって段差部11を形成した。このとき、段差部11
の段差高さはh=250nm、段差角度はθ=30度と
した。この基板10上に、レーザ蒸着法によって、Ce
2バッファ層12、及びHo1Ba2Cu37-xからな
る酸化物超電導薄膜13を図2に示したように順次成膜
した。CeO2バッファ層12の厚さは30nm、Ho1
Ba2Cu37-x薄膜13の厚さは120nmに形成し
た。その後、フォトリソグラフィによるパターニングに
よって、SQUID2を含む図1に示した超電導薄膜パ
ターン20を形成した。段差型ジョセフソン接合部2
6、27の幅はそれぞれ3μmとした。SQUIDイン
ダクタンスは30pHであった。
【0038】このようにして作製されたSQUID素子
を液体窒素中に浸し、その特性についての計測を行った
ところ、良好なSQUID動作が得られた。また、SQ
UIDの変調電圧はVpp=10μVであった。
【0039】(実施例2)実施例1と同様にしてSQU
IDを作製した。ただし、段差角度をθ=15度とし
た。作製されたSQUID素子を液体窒素中に浸し、そ
の特性についての計測を行ったところ、良好なSQUI
D動作が得られた。また、SQUIDの変調電圧はVp
p=1μVであった。
【0040】(実施例3)実施例1と同様にしてSQU
IDを作製した。ただし、段差角度をθ=40度とし
た。作製されたSQUID素子を液体窒素中に浸し、そ
の特性についての計測を行ったところ、良好なSQUI
D動作が得られた。また、SQUIDの変調電圧はVp
p=5μVであった。
【0041】(実施例4)実施例1と同様にしてSQU
IDを作製した。ただし、CeO2バッファ層の厚さを
10nmとした。作製されたSQUID素子を液体窒素
中に浸し、その特性についての計測を行ったところ、良
好なSQUID動作が得られた。また、SQUIDの変
調電圧はVpp=2μVであった。
【0042】(実施例5)実施例1と同様にしてSQU
IDを作製した。ただし、CeO2バッファ層の厚さを
55nmとした。作製されたSQUID素子を液体窒素
中に浸し、その特性についての計測を行ったところ、良
好なSQUID動作が得られた。また、SQUIDの変
調電圧はVpp=4μVであった。
【0043】(比較例1)実施例1と同様にしてSQU
IDを作製した。ただし、段差角度をθ=10度とし
た。作製されたSQUID素子を液体窒素中に浸し、そ
の特性についての計測を行ったが、臨界電流値が1mA
を超えて、SQUID動作しなかった。
【0044】(比較例2)実施例1と同様にしてSQU
IDを作製した。ただし、段差角度をθ=45度とし
た。作製されたSQUID素子を液体窒素中に浸し、そ
の特性についての計測を行ったが、臨界電流値が0で超
電導特性を示さず、SQUID動作しなかった。
【0045】(比較例3)実施例1と同様にしてSQU
IDを作製した。ただし、CeO2バッファ層の厚さを
9nmとした。このとき、段差部上においてHo1Ba2
Cu37-x薄膜が良好に成長していなかった。作製され
たSQUID素子を液体窒素中に浸し、その特性につい
ての計測を行ったが、超電導特性を示さず、SQUID
動作しなかった。
【0046】(比較例4)実施例1と同様にしてSQU
IDを作製した。ただし、CeO2バッファ層の厚さを
60nmとした。このとき、CeO2バッファ層表面の
平滑性が悪化し、全体的にHo1Ba2Cu37-x薄膜が
良好に成長していなかった。作製されたSQUID素子
を液体窒素中に浸し、その特性についての計測を行った
が、超電導特性を示さず、SQUID動作しなかった。
【0047】(実施例及び比較例について)上記した実
施例1〜5においては、いずれも良好な特性によるSQ
UID動作が得られ、本発明によるSQUID素子の構
成において、良好に機能する段差型ジョセフソン接合を
有するSQUIDが得られていることがわかる。
【0048】一方、段差部の段差角度θ、またはCeO
2バッファ層の膜厚をさらに変化させた比較例1〜4に
おいては、超電導特性またはSQUID動作が得られて
いない。また、上記した実施例及び比較例においては示
していないが、段差高さh及び酸化物超電導薄膜13の
膜厚についても同様である。このように、サファイア基
板10に形成する段差部11の形状や、CeO2バッフ
ァ層12及び酸化物超電導薄膜13の膜厚などを、実施
形態に関して上述した好適な数値範囲内の値に設定し
て、充分な特性が得られるように段差型ジョセフソン接
合部を形成することが好ましい。
【0049】なお、酸化物超電導薄膜13についてはH
1Ba2Cu37-x薄膜に限られず他の酸化物高温超電
導材料を用いても良い。また、角度や膜厚などの構成条
件についての好適な数値範囲は、用いる超電導材料や、
ジョセフソン接合部の幅などのパターン形状、あるいは
それぞれの構成条件の相関などによって変化する場合が
あると考えられる。したがって、それぞれのSQUID
素子の構成に基づいてSQUIDを作製する好適な構成
条件を決定することが望ましい。
【0050】
【発明の効果】本発明によるSQUID素子は、以上詳
細に説明したように、次のような効果を得る。すなわ
ち、酸化物超電導薄膜からなる超電導薄膜パターンに対
して、基板上の段差を用いて形成された段差型ジョセフ
ソン接合を有するSQUID素子において、酸化物超電
導薄膜によるパターンを形成する基板としてサファイア
基板を用いる。サファイア基板は比較的低価格で入手が
可能であり、したがって、SQUID素子を低価格化す
ることができる。
【0051】さらに、大面積のサファイア基板を入手し
て使用することが可能であるので、単一ウエハ基板から
製造できるSQUID数を増加させて製造効率を向上さ
せることができ、また、作製されるSQUIDの寸法を
大きくして、磁場検出感度が向上された磁気センサとな
るSQUID素子を得ることができる。
【0052】また、サファイア基板上での酸化物超電導
薄膜の形成について、CeO2薄膜をバッファ層として
用いている。これによって、酸化物超電導薄膜の結晶状
態及び特性が向上されるとともに、それらの構成条件を
調整して、良好な特性を有してSQUID動作する段差
型ジョセフソン接合を得ることができる。
【0053】このようなSQUID素子によれば、サフ
ァイア基板を用いることによって上記したようにSQU
IDの大面積化が可能となるなど、作製するSQUID
の構成についての自由度が大きくなるので、様々な用途
及び性能のSQUID素子を作製することができ、特に
磁気センサとしての感度などのSQUIDの諸性能を向
上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるSQUID素子の一実施形態を一
部拡大して示す平面図である。
【図2】図1に示したSQUID素子のI−I矢印断面
図である。
【符号の説明】
1…SQUID素子、10…サファイア基板、11…段
差部、12…CeO2バッファ層、13…酸化物超電導
薄膜、2…SQUID、20…超電導薄膜パターン、2
1、22…薄膜パターン、23…開口部、24、25…
凹状パターン部、26、27…段差型ジョセフソン接合
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永石 竜起 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 糸▲崎▼ 秀夫 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 2G017 AD32 AD33 AD36 4M113 AA53 AC08 AD35 AD36 AD68 BA01 BC04 CA34 CA44

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サファイア基板と、 前記サファイア基板上にCeO2バッファ層を介して形
    成された酸化物超電導薄膜からなり、SQUIDを含む
    超電導薄膜パターンと、を有し、 前記SQUIDのジョセフソン接合部は、前記サファイ
    ア基板上に形成された段差部の上に形成される段差型ジ
    ョセフソン接合であることを特徴とするSQUID素
    子。
  2. 【請求項2】 前記酸化物超電導薄膜は、HoBaCu
    O系の酸化物超電導体からなることを特徴とする請求項
    1記載のSQUID素子。
  3. 【請求項3】 前記サファイア基板上に形成された前記
    段差部は、その角度が15度以上45度未満であること
    を特徴とする請求項1または2記載のSQUID素子。
  4. 【請求項4】 前記CeO2バッファ層は、その厚さが
    10nm以上60nm未満であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか一項記載のSQUID素子。
  5. 【請求項5】 前記酸化物超電導薄膜は、その厚さが1
    00nm以上300nm以下であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか一項記載のSQUID素子。
  6. 【請求項6】 前記サファイア基板上に形成された前記
    段差部は、その高さが100nm以上600nm以下で
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載
    のSQUID素子。
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