JP2015514322A - 再現可能なステップエッジ型ジョセフソン接合 - Google Patents

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Abstract

提案されるのは、ジョセフソン接合を含む電子素子、ならびに製造法である。この素子は、その表面に少なくとも一つのステップエッジを有する基板(1.1)、およびその上に配置された、高温超伝導材料からなる層(1.4)を含み、ただし、この層は、ステップエッジにおいて、ジョセフソン接合の一つまたは二つの弱結合を形成する結晶粒界(1.5)を有する。本発明によると、ステップエッジの両側において、高温超伝導層の平面内のaおよび/またはb結晶軸が、基板の集合組織化、および/または少なくとも一つの、基板と高温超伝導層との間に配置されたバッファ層の集合組織化により、最大偏差10?で、結晶粒界に対して垂直に配向されている。このことは、例えば、HTSL層を、グラフォエピタキシャルに成長させることにより技術的に実現できる。ステップエッジの両側において、同じ結晶軸をそれぞれステップエッジに対して垂直に配向させることにより、ステップエッジにより誘導される結晶粒界、それゆえジョセフソン接合を通して最大限の超伝導電流が流れ得る。

Description

本発明は、ジョセフソン接合を含む電子素子、ならびに製造法に関する。
高温超伝導(High−T、HTSL)電極間のジョセフソン接合は、超伝導エレクトロニクスの基本構成要素である。ジョセフソン接合は、中でも、高感度磁界測定用の超伝導量子干渉計(SQUIDs)に関して、およびTHz(テラヘルツ)波の検出器において使用される。
ジョセフソン接合の本質的なパラメータは、超伝導状態の臨界電流密度Jおよび常伝導状態での抵抗Rである。これらの値、特にその積JxR(ないしは臨界電流Iとの積IxR)が、前記の目的でのジョセフソン接合の適用性の尺度として(E. Mitchell、C. P. Foley、「YBCO step−edge junctions with high IcRn」、Superconductor Science and Technology 23、065007(2010)、doi:10.1088/0953−2048/23/6/065007(非特許文献1))から公知である。この文書は、YBCO−HTSL層の結晶粒界でのJもRも、YBaCu7−X(YBCO)中の両方の粒子の結晶配向間の角度θに強く依存することを開示する。それゆえ、その表面がステップエッジを含有する基板上に層を成長させることが提案される。ジョセフソン接合は、エッジにおいてYBCOの結晶構造に、角度θ度の鋭利な屈曲を導入することにより、基板表面の滑り台形状ステップの上部エッジに生じる。その際、YBCO中では、ステップエッジにおいて結晶粒界が形成され、ただし、角度θは、ステップエッジの屈曲角度によって設定されている。屈曲は、YBCO中の結晶粒界において局所ひずみ、それゆえ局所酸素欠乏をもたらす。それにより、屈曲領域は、配向性の異なる二つのD波超伝導体間のトンネル接合障壁のように作用し、その結果、ジョセフソン接合の弱結合を形成する。
このようにして製造されたジョセフソン接合のいくつかは、実際に、期待された高い積IxRを有する。不利なことには、再現性がこれまでのところ原理的な実現可能性の検証(proof−of−concept(概念実証))にしか足りず、ラージスケールでの製作には足りないが、その理由は非常に多数の粗悪品が生み出されるからである。
ドイツ特許出願102009025716.0
E. Mitchell、C. P. Foley、「YBCO step−edge junctions with high IcRn」、Superconductor Science and Technology 23、065007(2010)、doi:10.1088/0953−2048/23/6/065007 Hao等、「Microstructure and magnesium diffusion in YBa2Cu3O7−δd films on bicrystal MgO substrates」、Journal of Applied Physics 91(11)、9251〜9254ページ(2002)
したがって、高温超伝導体から、高い積IxRを有すると同時に従来技術に基づくよりも再現可能に製造され得るジョセフソン接合を提供することが本発明の課題である。
この課題は、本発明によると、主要請求項に記載の、ジョセフソン接合を含む素子を介して、ならびに並列請求項(Nebenanspruch)に記載の製造法を介して解決される。さらなる有利な形態は、それらの請求項に関連する従属請求項から明らかになる。さらに、本発明の対象は、本発明による素子が使用される、THz波の検出器およびSQUIDである。
本発明の枠内では、ジョセフソン接合を含む素子が開発された。この素子は、その表面に少なくとも一つのステップエッジを有する基板、およびその上に配置された、高温超伝導材料からなる層を含み、ただし、この層は、ステップエッジにおいて、ジョセフソン接合のWeak−Link(弱結合)を形成する結晶粒界を有する。この層を、以下では、機能層と呼ぶ。
ステップエッジとは、そこで基板が、それゆえその上に存在するHTSL層も終了する、基板の外縁とは理解されない。本発明の趣旨でのステップエッジとは、むしろ、基板の表面領域内に存在するエッジであるため、基板上に存在するHTSL層は、このステップエッジの両側へと延在する。
本発明によると、ステップエッジの両側において、高温超伝導層(機能層)の平面内のaおよび/またはb結晶軸が、基板の集合組織化(Texturierung)、および/または少なくとも一つの、基板と高温超伝導層(機能層)との間に配置されたバッファ層の集合組織化により、最大偏差10°で、結晶粒界に対して垂直に配向されている。このことは、例えば、HTSL層(機能層)を、集合組織化させた表面上でグラフォエピタキシャルに成長させることにより技術的に実現できる。
したがって、本発明による素子は、別法として、高温超伝導機能層が、集合組織化された基板上、および/または基板と高温超伝導機能層との間に配置された集合組織化されたバッファ層上にグラフォエピタキシャルに成長したということにより特徴付けることができる。集合組織化により、ステップエッジの両側において、高温超伝導機能層の平面内のaおよび/またはb結晶軸が、最大偏差10°で、結晶粒界に対して垂直に配向されている。
HTSL層のa軸ないしはb軸の配向とは、HTSL層を構成している粒子の90%超の軸が配向されていると理解される。通常は、配向の誤った個々の粒子が常に存在するが、それらは、その場合、電流輸送にとってもはや重要ではない。
a軸同様にb軸の配向とは、粒子の一部がそのa軸により、そして粒子の一部がそのb軸によりステップエッジに対して垂直に配向されていると理解される。
HTSL層の超伝導特性は、層平面内においてきわめて異方性であることが認識された。超伝導電流を運ぶクーパー対の波動関数は、層平面内の結晶軸aおよびbに沿って、大きな振幅を有し、ただし、その振幅は、結晶軸bに沿っては、結晶軸aに比べて180°だけずれた相を有する。HTSL層の両結晶軸aおよびbに対して45°の方向では、クーパー対の波動関数の振幅はゼロに等しい。したがって、高い超伝導電流は、本質的には結晶軸aおよびbに沿ってのみ輸送され得る。超伝導電流が、ステップエッジを越えても輸送され得るためには、ステップエッジの両側において、HTSL層の結晶軸aまたはbが、ステップエッジに向かって配向していることが欠かせない。それに対して、ステップエッジの少なくとも片側で、結晶構造が、aおよびb軸に対して45°の角度で配向していると、ジョセフソン接合を介して超伝導電流は流れない(I=0)。その上、この場合、ジョセフソン接合の常伝導抵抗Rを(それゆえ積IxRも)劇的に下げるゼロエネルギー状態が生じる。
それゆえ、ステップエッジの両側でaおよび/またはb結晶軸がそれぞれステップエッジに対して垂直に配向することにより、ステップエッジにより誘導される結晶粒界、それゆえジョセフソン接合を越えて、最大限の超伝導電流が流れ得る。従来技術に基づくと、層平面内のa軸およびb軸の面内配向は制御されるのではなく、偶然に形成された。それゆえ、製造された層は、そのa軸および/またはb軸がステップエッジと45°の角度を形成した多数の粒子も含有していたため、それらの粒子による電流輸送は、まさに興味のある方向においては最小限であった。
本発明の特に有利な一形態では、高温超伝導層(機能層)と基板との間に、アンチエピタキシャル(antiepitaktisch)バッファ層が配置されており、このアンチエピタキシャルバッファ層は、非晶質であるか、または基板および/もしくは高温超伝導層に対してエピタキシー適合性(epitaxiekompatible)でない結晶構造を有するため、高温超伝導層(機能層)のc軸が、エネルギー的に最も好都合な固有の成長方向に配向し、その結果、最大偏差10°で、層平面に対して垂直に立っている。その際、層平面は、基板表面内の屈曲に従う。アンチエピタキシーに関しては、層固有の相図に基づく、例えば、YBCO層の積層構造に基づく層配向が、基板との連関に相応する配向と比べてエネルギー的に好ましいことが重要である。高温超伝導機能層、特にYBCO層は、層平面に対して垂直なc方向に向かうよりも迅速に層平面内で成長するという、その自然の傾向に従うべきである。このことは、薄い非晶質層を用いるか、またはHTSL層との界面上で非常に多くのひずみが形成されるほどに強力にエピタキシー非適合性の層を用いることで達成され得る。第三の可能性は、非常に薄い(およそ1nm、好ましくは0.3〜1nm)、基板の結晶構造パラメータとは大きく異なる結晶構造パラメータを有する材料からなるアンチエピタキシャル層である。この場合、両結晶構造ともが、HTSL層の配向に影響を及ぼし、その際、その、HTSL層に対する効果を相互に弱める。
例えば、MgO基板上には、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)からなる、第一のエピタキシャル層が配置されていてもよく、この層は、CeOからなる本来のアンチエピタキシャル層の仲介層として利用される。その上に、超伝導YBCO層を配置することが可能である。
本発明に基づくアンチエピタキシャルバッファ層は、基板がHTSL層に対して適合性の結晶構造および格子定数を有する場合でさえも、HTSL層のc軸が、層平面に対して垂直に配向するように作用する。その結果、ステップエッジにおいては原則的に、HTSL層内で結晶粒界が形成されることが保証されている。滑り台形状ステップのエッジでは、基板表面内の屈曲が、HTSL層の結晶構造内における鋭利な屈曲をもたらすため、ジョセフソン接合が生じる。それに対して、基板に基づくエピタキシャル成長の場合、ステップ角度θ<45、好ましくは<19°では、ステップエッジにおいて結晶粒界が生じないため、そこではジョセフソン接合が形成されない。好ましくは薄い、アンチエピタキシャル中間層を用いると、その上、a軸もb軸も層平面内に位置し、層を通る二次元での電流輸送が容易になることが確保される。a軸およびb軸の制御は、面内集合組織化により可能である。
アンチエピタキシャルバッファ層が10nm以下、好ましくは1nm以下、特に好ましくは0.5nm以下の厚さを有すると有利である。基板内、またはアンチエピタキシャルバッファ層と基板との間のもう一つの層内に集合組織化が存在する限り、このわずかな層厚によって、集合組織化が、層平面内におけるHTSL層の結晶配向に対して、なおも決定的な作用を有し得ることが保証されている。
層平面内におけるアンチエピタキシャルバッファ層のそれぞれの格子定数が、高温超伝導層(機能層)の格子定数cのそれぞれの整数倍数または約数よりも、高温超伝導層(機能層)の平面内の格子定数aおよびbに近いと有利である。それにより、HTSL層のc軸がアンチエピタキシャルバッファ層の平面へと配向することが回避される。
特に有利な一形態では、アンチエピタキシャルバッファ層が集合組織化されている。その場合、この集合組織化が、HTSL層と直に接触しており、平面内でのその結晶配向に最大限に作用する。
別法として、またはこれと組み合わせて、本発明のさらなる特に有利な一形態においては、基板とアンチエピタキシャルバッファ層との間に、またはアンチエピタキシャルバッファ層と高温超伝導層(機能層)との間に、もう一つの集合組織化されたバッファ層が配置されている。その場合、両方のバッファ層の機能は互いに分離されており、互いに独立に最適化可能である。集合組織化されたバッファ層の、層平面内におけるHTSL層の結晶構造に及ぼす影響が、アンチエピタキシャルバッファ層の影響を上回るように、集合組織化されたバッファ層は、少なくとも20%、好ましくは少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも100%だけ、アンチエピタキシャルバッファ層よりも厚いと有利である。しかしながら、アンチエピタキシャルバッファ層がc軸の配向に及ぼす影響を完全には背景に押しやらないためには、集合組織化されたバッファ層が、同時に10nm以下、好ましくは1nm以下、特に好ましくは0.5nm以下の厚さを有すると有利である。
集合組織化されたバッファ層は、特に、HTSL層のc軸が、アンチエピタキシャルバッファ層がなくても層平面に対して垂直に配向する場合には、唯一のバッファ層として、基板とHTSL層との間に直接的に配置されていることも可能である。しかしながら、この場合も、集合組織化されたバッファ層は、10nmよりも厚くないことが有利である。より厚くなると、鋭利なステップエッジが丸くなるため、HTSL層内のトンネル障壁はより低く、その代わり、より幅広くなる。その結果、トンネル障壁は、もはやジョセフソン接合の弱結合として作用しない。
バッファ層の通常の結晶構造がすでに、集合組織化として十分である可能性がある。そのためには、バッファ層がその平面内で、HTSL層の配向されるべき軸(aおよび/またはb)に沿った格子定数の90%から100%の間である格子定数を有すると有利である。これを果たすバッファ層の一例は、CeOである。CeOは、イットリウム安定化ジルコニアYSZ上でエピタキシャル成長し、他方、YSZは、MgO上でエピタキシャル成長する。その結果、層平面内でのCeOの結晶配向は、ステップエッジに向かって垂直に配向し、この配向がYBCOのa軸に写し取られる。バッファ層が、付加的な集合組織化をせずにこのようにして作用できるように、HTSL層の格子定数cは、配向されるべき軸(aおよび/またはb)に沿った格子定数の整数倍であってはならない。さもないと、a軸および/またはb軸の代わりに、c軸がバッファ層に沿って配向する可能性がある。
集合組織化が、平均高度ないしは平均深度が1nmから10nmの間にある、好ましくは1nmから5nmの間にある隆起部および/または陥凹部を含むと有利である。集合組織化の、小さすぎるフィーチャは、平面内でのHTSL層の配向に対してもはや再現性には作用しない。フィーチャが大きすぎると、HTSL層のa軸配向性粒子が、成長する可能性がある。
ステップエッジにおける基板の曲率半径が、10nm以下、好ましくは5nm以下、特に好ましくは1nm以下であると有利である。その場合、基板表面内の屈曲は、HTSL層と基板との間に一つまたは複数のバッファ層が配置されている場合にもなおその場所で、HTSL層にとっては、結晶粒界、それゆえジョセフソン接合の弱結合を形成するために十分に強い興味を起こさせるものである。この屈曲は、理想的には、HTSL層内において、それらのc軸方向の配向が互いに異なる二つの粒子間で線状の界面が形成されるほどに鋭利である。
本発明のさらなる有利な一形態では、ステップエッジが、平坦表面領域を曲線状表面領域から分離する。その場合、曲線状領域の曲率半径が、10nm以上、好ましくは100nm以上、特に好ましくは1μm以上であると有利である。その場合、HTSL層は、ステップエッジを越えて滑り台形状で延在する。それにより、HTSL層がステップエッジによってたった一つの結晶粒界を、それゆえたった一つの弱結合を形成することが確保されている。HTSL層が、二つ以上の直列接続された弱結合を形成するのであれば、この素子はジョセフソン接合としては使用できないであろう。それは、両方の粒子の結晶配向間の角度θが、複数の直列接続された弱結合の場合、通常は異なっているであろうことに起因する。それに対して、この角度θを、複数の直列接続された弱結合に関して同じにすることに成功すれば、これらの弱結合からなる直列接続は、効果的なジョセフソン接合として使用できるかもしれない。
このことは、さらなる有利な一形態において、ステップが、第一の配向を有する、基板の二つの平坦領域を分離し、これらの平坦領域に対して、その上の高温超伝導機能層が、異なっているか、ステップの領域にある一定の、基板の結晶配向をとるように傾くことによって、実施可能である。さらに、本形態では、機能層のc軸の配向が、ほかならぬ基板によって制御可能であるように、アンチエピタキシャルバッファ層を省略する必要がある。
基板の表面が、ステップエッジにおいて、20°から60°の間、好ましくは30°から50°の間、特に好ましくは35°から45°の間の角度だけ屈曲していると有利である。特に、40°の屈曲角が、結晶粒界において合流する、HTSL層の両方の粒子のc軸間の最適な角度θをもたらす。
集合組織化が長方形状または線状であると有利である。線状の集合組織化は、すべての粒子においてa軸またはb軸を配向させることが可能で、長方形状の集合組織化はすべての粒子において両軸を配向させることができる。
HTSL層の材料としては、その材料中ではクーパー対の波動関数が、記載したように、異方性に広がる上に、結晶粒界がこの波動関数の広がりの局所障壁である、あらゆる材料が適している。それゆえ、YBCOと並び、別のすべての酸化物高温超伝導体も適している。
所与の厚さを有するHTSL層の所与の臨界電流密度Jにおいては、ある特定の幅を有する横方向構造を通って流れ得る臨界電流I、I=Jx幅x厚さ、がもたらされる。したがって、定められたIを有する素子においては、HTSL層は横方向に構造化されており、例えば、定められた幅を有する、ステップエッジを越えて延在するブリッジの形状で構造化されている。このようなブリッジを用いて、THz波の検出器および発生器、またはRF−SQUIDが実現可能であり、二つのブリッジを用いるとDC−SQUIDも実現可能である。それゆえ、本発明は、THz波の検出器および発生器、ならびに本発明による素子を備えたSQUIDにも関する。SQUIDは、例えば、ドイツ特許出願102009025716.0(特許文献1)の趣旨でのフラックストランスフォーマを用いて、高感度磁力計および/またはグラジオメータに拡張可能である。
ここで記載される、ステップエッジにおいて結晶粒界を生み出し、ステップエッジの両側において、層の結晶配向をその結晶粒界との関連で調整するという基本原理は、まったく一般的に適用することができる。例を挙げると、結晶質酸化物層間のトンネル障壁の強磁性、強誘電性、およびマルチフェロイック特性を新規電子素子用に実用化することができる。
本発明のさらなる特に有利な一形態では、基板が集合組織化されており、基板と高温超伝導機能層との間には、機能層の材料からなるもう一つのシード層が配置されている。集合組織化により、ステップエッジの両側において、シード層の平面内のaおよび/またはb結晶軸が、最大偏差10°で、結晶粒界に対して垂直に配向されている。同時に、シード層と高温超伝導機能層との間には、基板の少なくとも一つの金属元素または半導体元素に対して不透過性であるバリア層が配置されている。集合組織化に関しては、集合組織化に関してすでに述べたすべてのことが引き続き当てはまる。
本形態の趣旨での不透過性とは、基板の当該元素が、バリア層の材料中では、シード層ないしは機能層の材料中よりも少なくとも一桁は遅く拡散すると理解される。
基板に由来するある特定の金属元素または半導体元素が、機能層の材料と反応する、および/または機能層中に欠陥を導入することにより、そのような基板上で成長させた機能層の品質を悪化させ得ることは公知である(Hao等、「Microstructure and magnesium diffusion in YBaCu7−δd films on bicrystal MgO substrates」、Journal of Applied Physics 91(11)、9251〜9254ページ(2002)(非特許文献2))。そのような妨げとなる元素の例としては、特に、マグネシウム、アルミニウム、およびケイ素を挙げることができる。しかしながら、ほかならぬマグネシウム酸化物、アルミニウム酸化物、およびケイ素酸化物は、その適した格子定数、小さな比誘電率、および低価格ゆえに、例えば、高温超伝導体としてのYBCOを成長させるための好ましい基板である。バリア層により、そのような基板が機能層を汚染するという不利点が克服できる。
Hao等(非特許文献2)が提案したように、バリア層を基板上に直接付着させると、その結晶構造は、基板の集合組織化にではなく、その結晶構造に従うであろうため、グラフォエピタキシーは起こらないであろう。それゆえ、機能層内での結晶方位に関する本発明による配向は、ステップエッジの両側で失われるであろう。この理由から、基板上に直接付着されているか、またはアンチエピタキシャルバッファ層により仲介されて基板上に付着されていてもよいシード層が配置されている。本発明による、バリア層およびシード層を伴わない素子中の機能層と完全に類似して、シード層の配向は、グラフォエピタキシーによって、ステップエッジの両側で調整されているため、ステップエッジにおいて結晶粒界が生じる。このように定められた配向が、バリア層により受け継がれ、機能層に転送される。その結果、最終的には、機能層は、依然として、基板の集合組織化により間接的に配向されている。しかしながら同時に、機能層は、バリア層によって、基板に由来する金属汚染物(Kontaminant)または半導体汚染物の侵入から保護されている。
シード層は、常伝導性に形成されていると有利である。常伝導性とは、本形態の趣旨では、その超伝導特性が機能層の超伝導特性よりも少なくとも一桁だけ低いと理解される。シード層は、機能層と同じ材料からなるため、原理的には同じく高温超伝導性になり得る。しかしながら、本形態では、シード層が、機能層と競合する超伝導電流経路を形成しないように、シード層内での高温超伝導は意識的に抑制されている。そのような競合経路は、ノイズを引き起こし、素子の機能を妨害する恐れがある。超伝導は、例えば、シード層を非常に薄く形成することにより抑制され得る。その場合、シード層は、基板に由来する金属ないしは半導体で完全に汚染されるため、シード層中には、その経路に沿ってなおも超伝導電流が流れ得る、汚染のない経路はもはや存在しない。それゆえ、シード層は、最大限50nm、好ましくは5から20nmの間、および/または機能層の厚さの最大限1/3の厚さを有すると有利である。本発明者の実験では、10nmという厚さが最適であると判明した。
バリア層が、1nmから1μmの間、好ましくは10nmから100nmの間、特に好ましくは20nmから40nmの間の厚さを有すると有利である。1nmという下限は、1nmが、YBCOのような高温超伝導材料からなるシード層の典型的なステップ高度であって、基板からの、シード層を介した機能層への、金属汚染物または半導体汚染物の拡散を阻止可能にするためには、すべてのステップを完全に覆うことが欠かせないことに由来する。1μmという上限は、バリア層が、機能層および/または基板とは異なる熱膨張率を有することに由来する。層は、それぞれ、高温で成長させる必要がある。バリア層が厚ければ厚いほど、バリア層とその他の層との間の機械的応力が層スタックの引き裂きをもたらすリスクは大きい。さらに、バリア層と共にできるだけ数少ない欠陥が層スタックに導入され、バリア層の製造が極端に多くの時間は要さないことが望ましい。バリア層は、典型的には、一時間当たりおよそ30nmでしか成長しない。30nm厚というバリア層は、その下に位置する、シード層の結晶粒界を確かに覆い、それにより、その結晶粒界に沿っては、その経路に沿って金属汚染物または半導体汚染物が基板から機能層に拡散し得る経路が形成されないことを確保する。
バリア層が、ぺロブスカイト構造を有すると有利である。たいていの高温超伝導機能層、特にYBCOは、同じくぺロブスカイト構造を有するということによって、その場合、シード層からグラフォエピタキシャルに受け継がれた結晶方位の、機能層への最適な写し取りが保証されている。バリア層の材料としては、特に、SrTiO、LaAlOおよびNdGaOが適している。
本発明の枠内では、その表面に少なくとも一つのステップエッジを有する基板から、ジョセフソン接合を含む素子を製造する方法も開発された。その際、高温超伝導層(機能層)が、その表面上に付着される結果、高温超伝導層は、ステップエッジの両側へと延在することになる。この方法は、特に、本発明による素子を製造するために適している。それゆえ、本発明による素子に関して与えられた開示は、適した変更により、明確に本方法にも当てはまる。
本発明によると、基板は集合組織化される、および/または集合組織化されたバッファ層が基板上に付着される。続いて、高温超伝導層(機能層)が、グラフォエピタキシーの過程で付着されるため、その高温超伝導層は、ステップエッジにおいて結晶粒界を形成し、そのa軸および/またはb軸は、集合組織化により、最大偏差10°で、結晶粒界に対して垂直に配向される。
まさにグラフォエピタキシーにより、a軸および/またはb軸が、結晶粒界に対して均質に垂直に配向されている層成長が達成され得ることが認識された。グラフォエピタキシーは、まずは、その配向が基板の結晶構造からはしばしば独立している島が、集合組織化の縁部と角において形成されることで始まる。集合組織化は、これらの島が、どこでどの順序で形成されるかには依存せずに統一的に配向されるように作用する。島が、一層に完全化されると、個々の島の短範囲規則性から、層の長範囲規則性が形成される。この集団長範囲規則性は、はじめは誤って成長した島も、さらには配向されずに成長した島も含む。
YBCO、および層状の結晶構造を有する別の酸化物高温超伝導体(HTSL)の成長時には、成長動力学、および表面でのエネルギー状態が、(100)、(010)および(001)配向された表面を有する島(小板)の形成を促進する。これらの島の[100]軸および[010]軸は、HTSLが付着される表面の縁部、隆起部、または陥凹部に合わせて配向する。ステップエッジに対して垂直に配向されたそのようなフィーチャを含む集合組織化が、基板に、または基板とHTSLとの間に付着されたバッファ層に導入されると、まずは島が、そして後には層全体のa軸および/またはb軸が、ステップエッジに向かって、それゆえ結晶粒界に向かって配向され得る。
例えば、YBCOを、MgOまたはYSZに付着させることができる。YBCOの、MgOないしはYSZに対する格子不整合は、9%ないしは4%である。格子不整合が大きくなれば大きくなるほど、成長するHTSL層の表面エネルギーは大きくなる。その結果、エネルギー最小値には相応しない表面形状が、その最小値と比べて有する位置エネルギーも上昇する。この位置エネルギーは、他方、再配向の推進力である。その結果、格子不整合がより大きい場合には、単結晶成長を達成することは難しくなるが、グラフォエピタキシーを利用して成長することは容易になる。
シード層およびバリア層を含む形態に相応する、本発明による素子を製造するためには、工程段階の、異なる順序を特徴とする別法が開発された。この方法のはじめには、基板を集合組織化する。続いて、機能層の材料からなるシード層を、グラフォエピタキシーの過程で付着させるため、このシード層は、ステップエッジにおいて結晶粒界を形成し、そのa軸および/またはb軸は、集合組織化により、最大偏差10°で、結晶粒界に対して垂直に配向される。その結果、シード層は、ほかならぬ、機能層が最後に獲得するべきである結晶方位をすでに獲得する。
続いて、基板の少なくとも一つの金属元素または半導体元素に対して不透過性であるバリア層を、シード層にエピタキシャルに付着させることにより、シード層の結晶方位がバリア層に写し取られる。続いて、高温超伝導機能層もまた、バリア層にエピタキシャルに付着させることにより、同じ結晶方位が、最終的な機能層に写し取られる。
したがって、結果的には機能層も、ステップエッジにおいて結晶粒界を形成し、そのa軸および/またはb軸は、最大偏差10°で、結晶粒界に対して垂直に配向されている。この配向の起源は、結局のところ、基板の集合組織化であるが、その配向は、シード層およびバリア層によって仲介される。
本発明の特に有利な一形態では、高温超伝導層(機能層)またはシード層を付着させる前に、非晶質であるか、または基板および/もしくは高温超伝導層(機能層)ないしはシード層に対してエピタキシー適合性でない結晶構造を有するアンチエピタキシャルバッファ層を付着させることにより、高温超伝導層(機能層)またはシード層のc軸の配向が、基板の配向から切り離される。その際、アンチエピタキシャルバッファ層自身は、集合組織化されてもよい。しかしながら、アンチエピタキシャルバッファ層は、基板と集合組織化されたバッファ層との間、または集合組織化されたバッファ層とHTSL層(機能層)ないしはシード層との間に付着されてもよい。HTSL層(機能層)ないしはシード層のc軸が、基板の配向から切り離されると、その配向は、HTSL層ないしはシード層自身のエネルギー状態にのみ従う。それに応じて、層平面に対して垂直な、c軸の配向が好ましい。
別法は、アンチエピタキシャルバッファ層は省略するが、集合組織化ないしは集合組織化層、および場合によってはバリア層を引き続き使用することである。アンチエピタキシャルバッファ層がないと、HTSL層(機能層)ないしはシード層のc軸は、基板の結晶構造に基づく。HTSL層(機能層)ないしはシード層としてのYBCOを伴うMgO基板の例では、c軸の、二つの好ましい配向、すなわち0度(「cube−on−cube」)および45度、が存在する。ステップが、基板の平坦領域に対して19度よりも急な角度で推移すると、ステップの領域では45度配向が、そして平坦領域では0度配向が形成される。それに応じて、平坦領域間のステップの移行部ではそれぞれ、そこでは機能層の結晶配向がそれぞれ角度θ=45度だけ変わる結晶粒界が形成される。HTSL層(機能層)の汚染を軽減ないしは回避するためには、シード層上のバリア層が、この場合も引き続き望ましい。本形態で生じる、それぞれθ=45度の、結晶配向の角度変化を伴う二つの結晶粒界(弱結合)を有するジョセフソン接合は、より少ない機械的応力および小角度の結晶粒界を有すため、有利なことには、たった一つの結晶限界から形成されたジョセフソン接合と比べてわずかな内部雑音を提供できる。そのためには、ステップは、有利なことには、曲線状(滑り台形状)に推移するのではなく、基板の平坦領域に向かう、その上方および下方移行部において、それぞれ一つのエッジを有することが望ましい。このことは、THz波の検出器および発生器の製造、ならびにそのようなジョセフソン接合に基づくSQUIDsの製造にも該当する。
エッジの製造には二つの異なる方法がある。それぞれの場合にドライエッチングし、基板の部分領域に付着させたフォトレジスト層をマスクとして使用する。
第一の方法では、基板とフォトレジスト層のエッジとの間に閉じ込められた角に、ドライエッチング用のイオンビームを照射する。次いで、ステップエッジの角度は、エッチング時間により定められる。この方法は、鋭利なエッジがステップの上縁部に生じ、ステップがそのほかは滑り台形状に滑らかに推移するべきである場合に、特に有利である。
第二の方法では、フォトレジスト層の上部エッジを越えて基板表面に、ドライエッチング用のイオンビームを照射する。その場合、ステップエッジの角度は、イオンビームが基板表面と取り囲む角度によって定められる。その結果、角度はより良好に制御可能である。この方法は、結晶配向間の角度θが同じである二つの結晶粒界が生み出されるべきである場合に有利である。
以下では、本発明の対象を、図面を手がかりに説明するが、それによって本発明の対象を制限することはない。
二層のバッファ層を有する本発明による素子の例示的実施形態を示す。 一層のみのバッファ層を有する本発明による素子の例示的実施形態を示す。 集合組織化された基板のAFM(原子間力顕微鏡)画像を示す。 集合組織化されたMgO基板上に付着された、MgCOからなるアンチエピタキシャルバッファ層上のYBCO層のAFM画像を示す。 厚すぎるアンチエピタキシャルバッファ層上で成長させたYBCO層の電子顕微鏡写真を示す。 図5と比べて薄いアンチエピタキシャルバッファ層上で成長させたYBCO層の電子顕微鏡写真を示す。 バリア層およびシード層を有する本発明による素子の例示的実施形態を図解で示す。 図7でスケッチされた例示的実施形態の電子顕微鏡による横断面写真を示す。 本発明による二つの素子、(a)バリア層とシード層とを含まない素子および(b)バリア層とシード層とを含む素子、の機能層の電子顕微鏡による上面図を示す。 集合組織化およびYBCOシード層およびSrTiOバリア層を有するが、アンチエピタキシャルバッファ層は伴わずに、MgO基板の45度ステップ上で成長させたYBCO層の電子顕微鏡写真を示す。
図1は、本発明による素子の一例示的実施形態を示す。イオンビームエッチングにより精製した表面を有する、MgOからなる基板1.1上には集合組織化された、およそ10nm厚の、ホモエピタキシャルMgOバッファ層1.2が存在する。基板の精製により、その表面から非晶質層を除去した。これによりホモエピタキシャル成長が可能になる。バッファ層1.2の粗い島構造により、自動的に集合組織化が与えられている。ホモエピタキシャルバッファ層1.2上には、MgCOからなるおよそ0.5nm厚のアンチエピタキシャルバッファ層1.3が存在する。この層が、その上に付着されたおよそ150nm厚のYBCO層(機能層)1.4のc軸の配向を、基板1.1の作用から切り離す。それゆえ、c軸は、YBCO層1.4の表面上においてどこでも垂直である。同時に、a軸およびb軸は、ホモエピタキシャルMgO層の長方形の島構造(集合組織化)に配向している。非晶質のMgCOバッファ層は、様々な蒸着法を用いて製造することが可能である。例えば、MgCOは、COプラズマ中、または例えばアセトンのような有機液体中で、MgOを短時間、化学反応させることにより形成され得る。しかしながら、自然の過程によって、MgO表面を空気に曝露することにより成長させることも可能である。MgCOの代わりに、0.5nm〜1nm厚のCeO層もアンチエピタキシャルバッファ層として使用できる。
基板1.1は、鋭利なステップエッジを有する。このステップエッジが、YBCO層1.4に結晶粒界1.5を形成させる。この結晶粒界が、ジョセフソン接合の弱結合を形成する。ステップエッジは、基板1.1の平坦表面領域を、曲線状延在領域から分離し、他方でこの曲線状延在領域は、もう一つの平坦領域へと移行する。その際、曲率半径はそれぞれ十分に大きいため、YBCO層(機能層)1.4がさらなる結晶粒界を形成することはない。
バッファ層1.2の集合組織化は、基板1.1のステップエッジに対して垂直な優先方向を有する。それに応じて、YBCO層1.4のa軸および/またはb軸は、ステップエッジの両側において、それぞれ、結晶粒界1.5に対して垂直に配向している。その結果、常伝導状態での最大抵抗Rを有する最大超伝導電流Iが、結晶粒界1.5を通って輸送され得る。
層から具体的な素子を形成する、YBCO層1.4の層平面内での横方向構造化は、図1中には表示されていない。
図2は、本発明による素子のさらなる一例示的実施形態を示す。基板2.1上には、同時に集合組織化されているアンチエピタキシャル層2.2が付着されている。したがって、このアンチエピタキシャル層が、その上に付着されたYBCO層(機能層)2.3のc軸の配向を、基板2.1の作用から切り離す一方で、その集合組織化は、同時に、YBCO層2.3のa軸を結晶粒界2.4の方向に配向させる。結晶粒界2.4が生じる原因は、基板2.1中のステップエッジである。層から具体的な素子を形成する、YBCO層(機能層)2.3の層平面内での横方向構造化は、図2中には表示されていない。
図3は、集合組織化された基板のAFM画像を示す。部分図aは、凹凸像であり、部分図bは、それによると凹凸フィーチャが高度に忠実ではないがその代わりに明確に際立つ相信号を示す。部分図cは、ステップエッジのすぐ近くで、凹凸像から読み取られたラインスキャンである。
図3cのラインスキャン中では、点1〜4が標識されている。以下の表は、対角線の上方では、ある点から別の点までの横方向の距離を示し、対角線の下方では、ある点から別の点までの高度差を示す。
Figure 2015514322
図4は、集合組織化されたMgO基板上で成長させた、MgCOからなるアンチエピタキシャルバッファ層上で成長させたYBCO層(機能層)のAFM画像を示す。このYBCO層から、定められた寸法、それゆえ定められたIも有するジョセフソン接合を生み出す、適した横方向構造化により、ジョセフソン接合を含む素子を製作することができる。部分図aは、凹凸像を示し、部分図bは、相信号を示す。部分図cは、凹凸像から読み取られたラインスキャンである。ステップエッジは、部分図aおよびbにおいて、対角線状に左上から右下に延在する。
相画像bは、YBCOの結晶構造がステップエッジにおいて激しく変化することを明確に示す。図中左下側、ステップエッジの上方平坦部では、YBCOは、およそ長方形状に境界をなす螺旋構造内で成長し、ただし、長方形の一辺はそれぞれ、ステップエッジに対して垂直に、それゆえ両方の異なる結晶配向間の結晶粒界に向かって配向している。ステップエッジの向こう側、図中右上側では、YBCOは、長方形状に境界をなす島からなるより粗い構造内で成長し、その島においては、再び、一辺がステップエッジに対して直角に配向している。
図4cのラインスキャン中では、点1〜4が標識されている。以下の表は、対角線の上方では、ある点から別の点までの横方向の距離を示し、対角線の下方では、ある点から別の点までの高度差を示す。
Figure 2015514322
図5は、本発明による素子を製造するための、失敗に終わった実験の走査型電子顕微鏡写真である。この写真は、およそ10nm厚の、MgCOからなるアンチエピタキシャルバッファ層上に成長させ、まだ横方向構造化されていなかったYBCO層の表面を示す。他方、このアンチエピタキシャルバッファ層は、集合組織化された、ステップエッジを有するMgO基板上に成長させた。ステップエッジは、図の中央において、上から下に向かって垂直に延在する。
YBCOは、およそ長方形状の底面を有する、テラス状の粒子の形態で成長した。粒子は、YBCOのc軸に沿って上向きに成長している。この軸は、図平面に対して明らかに垂直に立っているため、アンチエピタキシャルバッファ層は、層平面へとc軸の向きを変えようと努めている基板の作用から、c軸の配向を切り離すことに成功した。それぞれの粒子の底面の辺は、YBCOのa結晶軸およびb結晶軸である。ほぼすべての視認可能な粒子では、a結晶軸およびb結晶軸が、ステップエッジと45°の角度を形成している。これは、まさに、ステップエッジの両側にあるジョセフソン接合の両電極間で最小超伝導電流しか輸送され得ない角度である。本発明者は、これを、アンチエピタキシャルバッファ層が厚すぎたということに起因するものとする。このアンチエピタキシャルバッファ層は、YBCO層のc軸の配向を基板から切り離したのみならず、YBCO層を、基板に導入された集合組織化からあまりに著しく遮蔽したため、この集合組織化は、もはやYBCOのa軸およびb軸を配向させることができなかった。
図6は、製造に成功した、具体的な素子へと横方向構造化する前の、本発明によるYBCO層(機能層)からなる同等の部分図を示す。図5に比べて、アンチエピタキシャルバッファ層の厚さを、0.5nmに低下させた。このことは、ほぼ大部分の粒子のa軸が、図の中央で上から下に向かって延在するステップエッジに対して垂直であることをもたらした。その結果、ステップエッジを介して、それゆえさらにはジョセフソン接合を介して、最大超伝導電流が輸送され得る。同時に、アンチエピタキシャルバッファ層は、相変わらずc軸の配向を、基板の作用から切り離した。c軸の配向は、図5と比べて変化していない。
図7は、バリア層およびシード層を有する本発明による素子の例示的実施形態を図解で示す。集合組織化されたMgO基板7.1上には、まず10nm厚のYBCOシード層7.2が付着されており、その結晶方位は、基板7.1の集合組織化に対するグラフォエピタキシーにより、すでに、後の機能層7.4に望まれるのと同様に配向されている。シード層7.2上には、30nm厚のSrTiO(STO)バリア層7.3がエピタキシャルに成長し、この層は、シード層7.2の配向を受け継ぐ。その上に成長した機能層7.4は、これもまた、バリア層7.3の配向を、それゆえシード層7.2の配向を受け継ぐ。それゆえ、機能層7.4は、基板7.1上に直接成長させたかのように配向している。シード層7.2が、基板7.1上に成長する際に、基板の両方のステップエッジにおいてそれぞれ一つの結晶粒界を形成したことにより、バリア層7.3および最終的には機能層7.4においてもこうした位置でそれぞれ一つの結晶粒界7.5が形成された。同時に、機能層7.4は、バリア層7.3によって、基板7.1からのマグネシウムの侵入から保護されている。
図8は、図7でスケッチされた例示的実施形態の透過型電子顕微鏡による横断面写真を二つの異なる倍率で示す(部分図aおよびb)。図7で示した基板7.1中のステップエッジのうち、右側のステップエッジ周辺の領域のみを示している。図8bに表示されている角度θは、結晶粒界での結晶配向の傾きを明確にし、この結晶粒界は、基板中のステップによってもたらされ、層スタックのすべての層を通って延びている。SrTiO(STO)バリア層は、結晶粒界において局所的に狭窄を示す。それゆえ、この狭窄を、実質的にさらに細めると、必ず、結晶粒界において、マグネシウムが、STO層上に位置するYBCO機能層へと拡散し得る経路が、場合によっては生成するであろう。
図9は、本発明による二つの素子、(a)バリア層とシード層を含まない素子および(b)バリア層とシード層を含む素子、の機能層の電子顕微鏡による上面図を示す。バリア層およびシード層を含む素子の場合、少しの欠陥しか視認できない。バリア層およびシード層を含まない素子の場合、基板から拡散したマグネシウムとの化学反応が、多数の孔により機能層を侵食した。積JxRは、バリア層およびシード層を含まない素子に関しては、機能層中の多数の可能な電流経路が、孔によって中断されているにもかかわらず、77Kにおいて300μVと、従来技術に比べてすでに明らかに改善されている。バリア層およびシード層により、積JxRが、77Kにおいておよそ1mVに上昇する。類似して、バリア層およびシード層を含む素子の臨界温度Tは、バリア層およびシード層を含まない素子よりもおよそ10Kだけ高い。
図10は、集合組織化およびYBCOシード層およびSrTiOバリア層を有するが、アンチエピタキシャルバッファ層は伴わずに、基板の二つの平坦領域を分離する一つの45度ステップを有するMgO基板上で成長させたYBCO層の電子顕微鏡写真を示す。層が、ステップの右側および左側の平坦領域中では、基板の第一の配向[001]をとり、ステップの領域では第二の配向[011]をとることにより、ステップの、平坦領域に向かう両移行部ともにおいて、二つの結晶粒界が形成され、それらの結晶粒界では、YBCO機能層の結晶配向が、それぞれ同一角度θ=45°だけ変化する。バリア層およびシード層を伴わずに製造された機能層の、同様な上面図を示す図6に比べると、さらに高い割合の粒子が、そのa軸により、図の中央で上から下に向かって延在するステップエッジに対して垂直に配向しており、より少ないY2BaCuO相(緑色相(Gruenephase))が形成されている。図10は、できるだけ多数の粒子を識別可能にするために、明るさが異なる領域において、異なるコントラスト強調をした。YBCO層は、MgO基板の[001]配向に対して、二つの配向、すなわち平坦領域における0度およびステップ上での45度を有する。

Claims (28)

  1. 表面に少なくとも一つのステップエッジを有する基板、およびその上に配置された、高温超伝導材料からなる機能層を含む、ジョセフソン接合を有する素子であって、この層が、ステップエッジにおいて、ジョセフソン接合の弱結合を形成する結晶粒界を有する素子において、ステップエッジの両側において、高温超伝導機能層の平面内のaおよび/またはb結晶軸が、基板の集合組織化、および/または少なくとも一つの、基板と高温超伝導機能層との間に配置されたバッファ層の集合組織化により、最大偏差10°で、結晶粒界に対して垂直に配向されていることを特徴とする前記素子。
  2. 表面に少なくとも一つのステップエッジを有する基板、およびその上に配置された、高温超伝導材料からなる機能層を含む、ジョセフソン接合を有する素子であって、この層が、ステップエッジにおいて、ジョセフソン接合の弱結合を形成する結晶粒界を有する素子において、高温超伝導機能層が、集合組織化された基板上、および/または基板と高温超伝導機能層との間に配置された集合組織化されたバッファ層上にグラフォエピタキシャルに成長しており、かつ、集合組織化により、ステップエッジの両側において、高温超伝導機能層の平面内のaおよび/またはb結晶軸が、最大偏差10°で、結晶粒界に対して垂直に配向されていることを特徴とする前記素子。
  3. 高温超伝導機能層と基板との間に、アンチエピタキシャル(antiepitaktisch)バッファ層が配置されており、このアンチエピタキシャルバッファ層が、非晶質であるか、または基板および/もしくは高温超伝導機能層に対してエピタキシー適合性(epitaxiekompatible)でない結晶構造を有するため、高温超伝導機能層のc軸が、最大偏差10°で、この層の平面に対して垂直に立っていることを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一つに記載の素子。
  4. アンチエピタキシャルバッファ層が10nm以下、好ましくは1nm以下、特に好ましくは0.5nm以下の厚さを有することを特徴とする、請求項3に記載の素子。
  5. アンチエピタキシャルバッファ層の層平面内のそれぞれの格子定数が、高温超伝導機能層の格子定数cのそれぞれの整数倍または約数よりも、高温超伝導機能層の平面内の格子定数aおよびbに近いことを特徴とする、請求項3〜4のいずれか一つに記載の素子。
  6. アンチエピタキシャルバッファ層が集合組織化されていることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一つに記載の素子。
  7. 基板とアンチエピタキシャルバッファ層との間に、またはアンチエピタキシャルバッファ層と高温超伝導機能層との間に、もう一つの集合組織化されたバッファ層が配置されていることを特徴とする、請求項3〜6のいずれか一つに記載の素子。
  8. 集合組織化されたバッファ層が、唯一のバッファ層として、基板と高温超伝導機能層との間に直接配置されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の素子。
  9. 集合組織化されたバッファ層が、少なくとも20%、好ましくは少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも100%だけ、アンチエピタキシャルバッファ層よりも厚いことを特徴とする、請求項7に記載の素子。
  10. 集合組織化されたバッファ層が、10nm以下、好ましくは1nm以下、特に好ましくは0.5nm以下の厚さを有することを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一つに記載の素子。
  11. 集合組織化されたバッファ層がその平面内に、高温超伝導機能層の層平面内の軸aまたはbの一つに沿った格子定数の90%から100%の間である、格子定数を有することを特徴とする、請求項7〜10のいずれか一つに記載の素子。
  12. 集合組織化が、平均高度ないしは平均深度が1nmから10nmの間にある、好ましくは1nmから5nmの間にある隆起部および/または陥凹部を含むことを特徴とする、請求項7〜11のいずれか一つに記載の素子。
  13. ステップエッジにおける基板の曲率半径が、10nm以下、好ましくは5nm以下、特に好ましくは1nm以下であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一つに記載の素子。
  14. ステップエッジが、平坦表面領域を曲線状表面領域から分離することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一つに記載の素子。
  15. 曲線状領域の曲率半径が、10nm以上、好ましくは100nm以上、特に好ましくは1μm以上であることを特徴とする、請求項14に記載の素子。
  16. ステップが、第一の配向を有する、基板の二つの平坦領域を分離し、これらの平坦領域に対して、その上の高温超伝導機能層が、異なっているが、ステップの領域にある一定の、基板の結晶配向をとるように傾いていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一つに記載の素子。
  17. 基板の表面が、ステップエッジにおいて、20°から60°の間、好ましくは30°から50°の間、特に好ましくは35°から45°の間の角度だけ屈曲していることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一つに記載の素子。
  18. 集合組織化が長方形状または線状であることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一つに記載の素子。
  19. 基板が集合組織化されており、基板と高温超伝導機能層との間には、機能層の材料からなるもう一つのシード層が配置されており、集合組織化により、ステップエッジの両側において、シード層の平面内のaおよび/またはb結晶軸が、最大偏差10°で、結晶粒界に対して垂直に配向されており、シード層と高温超伝導機能層との間には、基板の少なくとも一つの金属元素または半導体元素に対して不透過性であるバリア層が配置されていることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一つに記載の素子。
  20. シード層が常伝導性に形成されていることを特徴とする、請求項19に記載の素子。
  21. シード層が、最大限50nm、好ましくは5から20nmの間の厚さを有することを特徴とする、請求項19〜20のいずれか一つに記載の素子。
  22. シード層が、機能層の厚さの最大限1/3の厚さを有することを特徴とする、請求項19〜21のいずれか一つに記載の素子。
  23. バリア層が、1nmから1μmの間、好ましくは10nmから100nmの間、特に好ましくは20nmから40nmの間の厚さを有することを特徴とする、請求項19〜22のいずれか一つに記載の素子。
  24. バリア層がぺロブスカイト構造を有することを特徴とする、請求項19〜23のいずれか一つに記載の素子。
  25. 請求項1〜24のいずれか一つに記載の少なくとも一つの素子を特徴とする、THz波の検出器もしくは発生器または超伝導量子干渉計、SQUID。
  26. 表面に少なくとも一つのステップエッジを有する基板から、ジョセフソン接合を含む素子を製造する方法であって、高温超伝導機能層が、その表面上に付着される結果、高温超伝導機能層が、ステップエッジの両側に延在することになる方法において、基板が集合組織化される、および/または集合組織化されたバッファ層が基板上に付着され、続いて、高温超伝導機能層が、グラフォエピタキシーの過程で付着されるため、高温超伝導機能層が、ステップエッジにおいて結晶粒界を形成し、そのa軸および/またはb軸が、集合組織化により、最大偏差10°で、結晶粒界に対して垂直に配向されることを特徴とする方法。
  27. 表面に少なくとも一つのステップエッジを有する基板から、ジョセフソン接合を含む素子を製造する方法であって、高温超伝導機能層が、その表面上に付着される結果、高温超伝導機能層が、ステップエッジの両側に延在することになる方法において、
    以下の工程段階:
    ・基板を集合組織化する工程;
    ・続いて、機能層の材料からなるシード層を、グラフォエピタキシーの過程で付着させるため、シード層が、ステップエッジにおいて結晶粒界を形成し、そのa軸および/またはb軸は、集合組織化により、最大偏差10°で、結晶粒界に対して垂直に配向される工程;
    ・続いて、基板の少なくとも一つの金属元素または半導体元素に対して不透過性であるバリア層が、シード層に対してエピタキシャルに付着される工程;
    ・続いて、高温超伝導機能層が、バリア層に対してエピタキシャルに付着される工程
    を特徴とする方法。
  28. 高温超伝導機能層またはシード層を付着させる前に、非晶質であるか、または基板および/もしくは高温超伝導機能層ないしはシード層に対してエピタキシー適合性でない結晶構造を有するアンチエピタキシャルバッファ層を付着させることにより、高温超伝導機能層またはシード層のc軸の配向が、基板の配向から切り離されることを特徴とする、請求項26〜27のいずれか一つに記載の方法。
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