JP2022135061A - 強磁性ジョセフソン接合体およびその製造方法 - Google Patents

強磁性ジョセフソン接合体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高特性な超伝導デバイスの実現を可能とする強磁性ジョセフソン接合体を提供する。【解決手段】本発明は、基板の単結晶面上に形成された多層膜からなる強磁性ジョセフソン接合体であって、多層膜は、基板側から順に、バッファ層、第1超伝導層、強磁性層および第2超伝導層を少なくとも有し、バッファ層から第2超伝導層に至る各層がc面配向している強磁性ジョセフソン接合体である。バッファ層は、例えば、Mo層、W層、V層等である。本発明の強磁性ジョセフソン接合体は、各層の結晶が基板の単結晶面に対して垂直な方向(c軸方向)に配向した状態となり、優れた電気特性(IcRn積の向上、臨界電流密度のばらつき抑制等)を安定して発現し得る。【選択図】図2C

Description

本発明は、強磁性層(体)を介して二つの超伝導層(体)が結合(接合)されてなる強磁性ジョセフソン接合を有する積層体(単に「強磁性ジョセフソン接合体」という。)等に関する。
低消費電力で高速処理できるSFQ(Single Flux Quantum:超伝導単一磁束量子)論理回路、極微小な磁化(磁気)の検出が可能なSQUID(superconducting quantum interference device: 超伝導量子干渉計)等の超伝導デバイスに、ジョセフソン接合(Josephson Junction)素子が用いられる。ジョセフソン接合は、二つの超伝導体が薄い絶縁体を介して結合されてなり、超伝導電子対(クーパー対)が絶縁体を量子トンネルする現象(ジョセフソン効果)を発現する。
また最近では、量子ビット(量子計算の基本素子)の有力候補として、従来の絶縁体を強磁性体で置換した強磁性ジョセフソン接合(Ferromagnetic Josephson Junction)が注目されている。強磁性ジョセフソン接合は、超伝導電流(ジョセフソン電流)の位相がπずれた状態(π状態)となる。このような強磁性ジョセフソン接合に関連する記載が、例えば下記の文献にある。
特開平5-251768号公報 特開2018-174015号公報
V.V. Ryazanov et al., Phys. Rev. Lett. 86, 2427, (2001). T. Kontos et al., Phys. Rev. Lett. 89, 137007, (2002). T.I. Larkin et al., Appl. Phys. Lett.100, 222601, (2012). M. A. E. Qader et al., Appl. Phys. Lett. 104, 022602, (2014). S. Piano et al., Eur. Phys. J. B. 58, 123, (2007). A. A. Bannykh et al., Phys. Rev. B. 79, 054501, (2009). J. A. Glick et al., Appl. Phys. Lett.122, 133906, (2017). D. Sprungumann et al., Phys. Rev. B. 82, 060505(R), (2010). J. W. A. Robinson et al., Phys. Rev. Lett. 104, 207001, (2010). H. Ito et al., Appl. Phys. Express.10, 033101, (2017). M. A. Khasawneh et al., Phys. Rev. B. 80, 020506, (2009). I. Petkovic et al., Phys Rev. B. 80, 220502, (2009). T. Yamashita et al., Phys. Rev. Appl. 8, 054028 (2017).
上記のように、強磁性ジョセフソン接合に関する報告等が多数なされている。しかし、現状、強磁性ジョセフソン接合によるπ状態の発現や数接合したビットの動作等の確認がなされている程度の初期段階に留まっている。
これまでの強磁性ジョセフソン接合では、臨界電流密度(Jc、Ic)や接合特性パラメータであるIcRn積(Ic:最大ジョセフソン電流値、Rn:接合抵抗)が低く、臨界電流密度のバラツキも大きい。本発明者が調査研究したところ、その主要因は、積層体の表面荒れ(凹凸の増大)や結晶方位のバラツキ、接合界面の格子不整合等であることがわかった。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、高特性が望める強磁性ジョセフソン接合体等を提供することを目的とする。
本発明者がその課題を解決すべく鋭意研究した結果、エピタキシャル成長により、結晶方位を特定方向にそろえた平坦な多層膜からなる強磁性ジョセフソン接合体を得ることに成功した。この成果を発展させることにより、以降に述べるような本発明を完成するに至った。
《強磁性ジョセフソン接合体》
(1)本発明の強磁性ジョセフソン接合体は、基板の単結晶面上に形成された多層膜からなる強磁性ジョセフソン接合体であって、該多層膜は、該基板側から順に、バッファ層、第1超伝導層、強磁性層および第2超伝導層を少なくとも有し、該バッファ層から該第2超伝導層に至る各層がc面配向している強磁性ジョセフソン接合体である。
(2)本発明の強磁性ジョセフソン接合体(単に「接合体」または「積層体」ともいう。)は、各層の結晶方位が特定方向に揃った(つまりc面配向した)状態となっており、各層は略平坦な状態となっている。このため本発明の接合体によれば、第1超伝導層、強磁性層および第2超伝導層からなる強磁性ジョセフソン接合部分(単に「接合」ともいう。)において、優れた電気特性の安定した発現が望める。例えば、ショート欠陥の低減、接合の品質パラメータであるIcRn積の向上、臨界電流密度のばらつき抑制等が期待される。一例として、本発明の接合体を集積回路へ応用すれば、その安定動作が期待される。
《強磁性ジョセフソン接合体の製造方法》
本発明は、接合体としてのみならず、その製造方法としても把握される。例えば、本発明は、基板の単結晶面上に、少なくともバッファ層、第1超伝導層、強磁性層および第2超伝導層を順に積層して多層膜を形成する積層工程を備え、上述した強磁性ジョセフソン接合体が得られる製造方法でもよい。
《その他》
(1)本明細書では、特に断らない限り、一般的な格子定数(a軸、b軸、c軸等)やミラー指数を用いて結晶構造や配向性等を示す。また便宜上、代表的なミラー指数を用いて表記しているが、特に断らない限り、それらは等価な面または方向も含む。
本明細書でいう「平坦」とは、幾何学的な平面度に優れることではなく、表面の凹凸が少ないこと、または層の厚さ変化が少ないことを意味する。このため、本発明に係る各層は、全体的に観て、平面に限らず、湾曲面等でもよい。
(2)特に断らない限り本明細書でいう「x~y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を、新たな下限値または上限値として「a~b」のような範囲を新設し得る。また、本明細書でいう「x~ynm」はxnm~ynmを意味する。他の単位系についても同様である。
実施例1で製作した積層体(試料)の模式図である。 その各試料のX線回折スペクトル(XRD)である。 実施例2で製作した試料21の模式図とXRDである。 実施例2で製作した試料22の模式図とXRDである。 実施例2で製作した試料23の模式図とXRDである。 その試料23の面内配向性を示すXRDである。 実施例3で製作した各試料のXRDである。 実施例4で製作した各試料のXRDである。 実施例5で製作した各試料のXRDである。 試料23と試料C20の断面を観察したTEM像である(実施例6)。
本明細書で説明する内容は、接合体のみならずその製造方法にも該当し得る。本明細書中から任意に選択した一以上の構成要素を本発明の構成要素として付加し得る。製造方法に関する構成要素は、物の構成要素ともなり得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《経緯と機序》
(1)経緯
本発明は次のような事情の下で完成された。従来の強磁性ジョセフソン接合は、一般的に、単結晶基板上に、第1超伝導層(下部超伝導層)、強磁性層および第2超伝導層(上部超伝導層)を積層して製作される。しかし、超伝導物質として代表的なNbは結晶構造が体心立方格子(BCC)からなり、強磁性物質として代表的なCoの結晶構造は最密六方格子(hcp)でNiの結晶構造は面心立方格子(FCC)からなる。このため、超伝導層と強磁性層は、構成する物質の結晶構造や格子定数が相違して、接合(結合、接触)界面で格子不整合が生じ得る。その結果、積層される各層は、それぞれ異なった配向を示して成長(膜生成)し、上層になるほど(基板から離れるほど)、多結晶化、表面荒れ(凹凸)、厚さのばらつき等を生じ易くなる。
このような事情により、これまで、エピタキシャル成長により成膜しても、多層膜全体が面配向した強磁性ジョセフソン接合は得られていなかった。エピタキシャル成長の実現は、精々、第1超伝導層(下部電極層)の一部までであった。
本発明者は、その原因を探求して鋭意研究したところ、単結晶面(例えばMgO(100))上にバッファ層(例えばMo層等)を形成した後、その上に、第1超伝導層(例えばNb層)、強磁性層(例えばFe層)および第2超伝導層(例えばNb層)を順次積層することにより、全体がエピタキシャル成長(フルエピタキシャル成長)した積層体、つまり全体が特定方向(例えばc軸方向)に配向した積層体を得ることに成功した。
(2)機序
こうして得られた積層体(本発明の接合体)は、表面の平坦性に優れ、超伝導デバイスの基本素子に必要な高特性(品質)な強磁性ジョセフソン接合の提供を可能とする。積層体の表面が平坦となる(凸凹または厚さのバラツキが小さい)理由は、各層がc面配向しているためと考えられる。例えば、Nb層は、本来、その優先配向面(110)に沿って配向した結晶となる。しかし、本発明の接合体では、(002)配向(つまりc面配向)させたことにより、Nb層等からなる超伝導層の表面粗さ(凹凸)が1/2以下となっている。
ちなみに、本発明に係る各層は、単にc面配向しているだけではなく、少なくとも擬単結晶状態になっていると考えられる。擬単結晶は、c軸方向(基板表面に垂直な方向)のみならず、面内のa軸方向およびb軸方向(基板表面に平行な方向)にも各結晶方位が揃った状態である。単結晶と擬単結晶の相違は結晶粒界の有無である。例えば、擬単結晶な層(膜)は、単結晶からなる連続した層(膜)ではなく、サイズ(最大長)が数百nm程度である結晶粒が集合した層(膜)となっている。強磁性ジョセフソン接合を構成する各層は、必ずしも単結晶でなくても、そのような擬単結晶であれば、十分に高特性を発現し得る。
このような本発明の接合体は、各層が平坦(または平滑)で各界面も急峻(明確)な積層体からなり、強磁性層の厚さが数nm程度でも、ピンホール形成、磁気特性の空間的不均一などを生じ難く、基本素子に要求される所望の電気特性や再現性が確保され得る。
《接合体》
(1)多層膜
多層膜は、基板の単結晶面上に順に形成されたバッファ層、第1超伝導層、強磁性層、第2超伝導層を少なくとも有する。なお、それらの層間の少なくとも一つに介在する別な層(インサート層)があってもよい。一つの強磁性ジョセフソン接合は、強磁性層とその両側にある超伝導層を備えるが、本発明の接合体は、そのような接合が直列または並列に複数配置(配列)されていてもよい。
(2)基板(単結晶面)
基板は、少なくとも多層膜が形成される表面が単結晶面であれば足る。その単結晶面は、基板に別途形成された層(膜)状でもよい。すなわち、単結晶面は、基板自体と結晶構造、配向、材質等が異なっていてもよい。勿論、基板自体が単結晶面を兼ねる単結晶体であってもよい。
このような単結晶面(または基板自体)として、MgO(100)、Si、サファイア、SiC等がある。
(3)超伝導層
各超伝導層は、超伝導を発現し得る超伝導物質からなる。一例として、結晶構造が体心立方格子である超伝導物質が選択されるとよい。このような超伝導物質として、Nbの単体、化合物(NbN、NbTi、NbZr、NbSn、NbAl、NbGe、NbGa等)または合金(MgB、TiN等)がある。
強磁性層の各側にある第1超伝導層と第2超伝導層は、材質や厚さ等が異なっていてもよい。勿論、両層が同材質および/または同厚さでもよい。超伝導層の厚さは、例えば、3~300nm、10~100nm、25~75nm程度である。なお、本明細書でいう各層の厚さは、断面を電子顕微鏡(TEM等)で観察した画像(写真)に基づいて、厚さが安定的な領域において測定した最大厚さと最小厚さとの算術平均値とする。
(4)強磁性層
強磁性層は、強磁性を示す元素(例えば、鉄族元素/8族、9族、10族)の単体、化合物、合金等からなる。例えば、Fe、CoおよびNiの一種以上を基材とする物質からなるとよい。なお、本明細書でいう「基材」は、主たる成分元素(50at%以上含まれる元素)を意味する。例えば、Feを基材とする物質なら、Fe単体、Fe化合物(例えばFe)、Fe合金(例えばFeNi系合金)等を意味する。本明細書でいう化合物には金属間化合物も含まれる。
強磁性層は、通常、超伝導層よりもかなり薄い。その厚さは、例えば、0.5~50nm、1~10nm、1.5~5nm程度である。
(5)バッファ層
バッファ層は、第1超伝導層の下地層となり、通常、単結晶面と第1超伝導層の間に設けられる。バッファ層は、例えば、第1超伝導層と結晶構造が同じ物質からなるとよい。また、その物質は、例えば、単結晶面と第1超伝導層の格子不整合を緩和する格子定数を備えるとよい。
具体的にいうと、バッファ層は、例えば、Mo、WおよびVの一種以上を基材とする単体、合金または化合物等からなるとよい。バッファ層の厚さは、例えば、1~50nm、5~40nm、10~30nm程度である。
(6)インサート層
インサート層は、必須ではないが、それより上層側のc面配向性を高め得る。インサート層は、一層だけでも、二以上の異なる層間にそれぞれ設けられてもよい。例えば、強磁性層と第2超伝導層との間にインサート層を設けるとよい。インサート層により、第2超伝導層は、強磁性層の影響が緩和されて、c面配向性や平坦性が向上し得る。
インサート層は、配置(介在させる層間)により、材質や厚さ等が適宜選択されるとよい。例えば、インサート層もバッファ層と同様に、例えば、Mo、WおよびVの一種以上を基材とする単体、合金または化合物等からなってもよい。インサート層の厚さは、例えば、0.1~50nm、0.3~30nm、0.8~15nm、1.5~5nm程度である。なお、Vを基材とする物質からなるインサート層の場合、その厚さの下限値は、例えば、0.8nmさらには1.2nmとしてもよい。
(7)配向性
多層膜(特に超伝導層/例えばNb層)の配向性は、例えば、X線回折から得られるピーク強度を比較することにより判断される。具体的にいうと、X線回折から得られる(002)面のピーク強度(I)に対する(110)面のピーク強度(I)の比率(I/I)が2以下、1.5以下、1以下さらには0.5以下であるよい。
(8)平坦性
多層膜全体または各層の平坦性は、例えば、断面を電子顕微鏡で観察して測定される厚さの変化により判断される。具体的にいうと、各層の厚さの変化が、その最大厚さ(t)に対して10%以内、8%以内さらには5%以内であるとよい。特に、接合を構成する各超伝導層と強磁性層(さらにいうと、他層よりも薄い強磁性層)は、その厚さが略一定であると好ましい。なお、厚さの変化は、厚さが極端に変化している端部や局部等を除いて測定した最大厚さ(t)と最小厚さ(t)との差(Δt=t-t)として求まる。
《製造方法》
(1)積層工程
積層工程は、基板の単結晶面上に、少なくともバッファ層、第1超伝導層、強磁性層および第2超伝導層を順に積層する。各層は、例えば、物理気相蒸着法(PVD)、化学気相蒸着法(CVD)等の公知な薄膜法によりなされる。なかでも、PVDの一種である各種の真空蒸着法(スパッタリング、真空加熱蒸着、パルスレーザ蒸着等)を利用すれば、成分組成(ターゲット材質)の異なる各層の成膜が容易となる。但し、いずれの方法でも、上述した積層工程によれば、多層膜(ひいては接合体)の作製プロセスの安定性や再現性の向上等が図られる。
なお、真空蒸着は、例えば、10-5~10-9Paさらには10-6~10-8Pa程度の高真空下でなされる。このときの基板温度は、例えば、室温付近(60℃以下さらには40℃以下)である。
(2)熱処理工程
積層工程中に、少なくとも特定の一層が積層された後に熱処理工程がなされてもよい。加熱により、積層された層(膜)の平坦性が向上し得る。加熱温度は、例えば、450~750℃さらには500~700℃である。加熱時間は、例えば、1~120分間、10~60分間さらには15~45分間である。
熱処理工程は、例えば、強磁性層の形成前または強磁性層の形成後に熱処理を行うとよい。強磁性層の配向性や平坦性の向上により、第2超伝導層の配向性や平坦性も向上させ得る。加熱源は、電熱、放射熱、レーザ等である。加熱雰囲気は、例えば、上述した高真空下でなされるとよい。但し、熱処理工程後に次層を積層するとき、上述した温度域まで積層面(基板)を冷却させてから行うとよい。
《用途》
本発明の接合体は、各種の超伝導デバイス(素子)に用いることができる。例えば、SFQ、SQUID、メモリ、量子センサ、量子コンピュータの量子ビット等である。
薄膜法で成膜した試料(接合体、積層体)を種々製作し、それらの特性を評価した。これらに基づいて本発明をより具体的に説明する。
《薄膜法》
MgO単結晶からなる基板を用意した。この基板を加工(研磨)して、その(100)面を成膜面(単に「単結晶面」ともいう。)とした。以下、特に断らない限り、その単結晶面上に成膜した。
成膜は、超高真空多元スパッタ装置(MPS-2000-C8 株式会社アルバック製)を用いて、真空下で加熱クリーニング(600℃)した後に50℃以下まで冷却した単結晶面に行った。成膜前の到達真空度は1×10-7Paとした。ターゲット(原料)には、各層に応じた純金属を用いた。
各超伝導層は純Nbをターゲットとして成膜した。説明の便宜上、基板側にある第1超伝導層を「第1Nb層」を、強磁性層を挟んで反対側にある第2超伝導層を「第2Nb層」といい、適宜、両者を併せて単に「Nb層」ともいう。なお、本実施例では、説明の便宜上、図1Aに矢印で示すような方向を上下方向または左右方向とする。その上下は鉛直方向とは関係なく、実際のデバイスの配置とも関係ない。ちなみに、第1超伝導層(第1Nb層)は下部電極、第2超伝導層(第2Nb層)は上部電極ともいわれる。
成膜後に熱処理(アニール)を行うときは、真空下で600℃×30分間加熱した。熱処理後に積層するときは、成膜面を50℃以下に冷却してから行った。但し、後述の試料23(実施例2、実施例6)を除いて、各層の成膜後に熱処理は行わなかった。
以下で説明する各層の厚さ(目標値)は、特に断らない限り、バッファ層:20nm、各超伝導層:50nm、強磁性層:2~10nm、インサート層:1nmとした。各厚さは、成膜速度と成膜時間の積から算出した。なお、成膜速度は0.1nm/sec以下とした。
《実施例1:第1超伝導層の結晶配向制御》
図1Aおよび表1に示すような試料(積層体)を製作して、MgOの単結晶面(100)上に設けたバッファ層が、第1超伝導層(第1Nb層)の結晶配向性へ及ぼす影響を評価した。
(1)試料
表1に示す純金属元素(V、Mo、W、Cr、Fe)のいずれかからなるバッファ層上に、第1Nb層を成膜した試料11~13、C11、C12と、バッファ層を設けずにMgO上に第1Nb層を直接成膜した試料C10とを製作した。
(2)測定・解析
各試料の結晶構造をX線回折装置(株式会社リガク製RINT-TTR II /使用X線:Cu-Kα線、2θ:30~90℃)を用いて上面側から解析した。なお、他の実施例でも、特に断らない限り、同装置を用いて同条件下で解析した。
各試料について得られたX線回折スペクトル(単に「XRD」という。)を図1Bに重ねて示した。また、各XRDに基づいて、Nb(002)のピーク強度(I)に対するNb(110)のピーク強度(I)の比率(I/I)をソフトウェア(株式会社ヒューリンクス製カレイダグラフ(KaleidaGraph))を用いて求めた。その強度比I(110)/I(002)(=I/I)を表1に併せて示した。なお、図1Bに示した強度(intensity)は、便宜上、対数表示としている。
また、各バッファ層と超伝導層(Nb層)との格子定数差も表1に併せて示した。格子定数差のうち各元素の格子定数は JCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)カードのデータを使用して、上記ソフトウェア(カレイダグラフ)を用いて求めた。
(3)評価
図1Bおよび表1から明らかなように、V、MoまたはWからなるバッファ層を設けた試料11~13は、Nb層の強度比I(110)/I(002)がいずれも0.1以下となった。つまり、それらバッファ層は、c面(002)に配向したNb層を形成させることがわかった。なお、その下地層である各バッファ層もc面配向していることが、図1Bからわかる。
逆に、試料C10~C12からわかるように、バッファ層を設けない場合は勿論、V、Mo、Wと同様に体心立方格子からなるFeさらにはCrからなるバッファ層を設けた場合でも、強度比I(110)/I(002)は十分には小さくならなかった。これら試料のNb層は、(110)面配向(本来的な優先配向面)が主体となり、(002)面配向(c面配向)が殆どないか、弱かった。
バッファ層を構成する金属元素によりNb層の配向性が大きく相違した理由として、上述した格子定数差の相違が考えられる。すなわち、Nbとの格子定数差が近いV、Mo、Wをバッファ層とした場合、それらの配向とその上部に成長するNb層の配向がそろったエピタキシャル成長がなされ、バッファ層の配向とNb層の配向が同じc面配向になったと推察される。
いずれにしても、c面配向させたNb層(超伝導層)を得るためには、少なくともV、MoまたはWからなるバッファ層を設けると好ましいことがわかった。
《実施例2:強磁性ジョセフソン接合体の結晶配向制御》
図2A~2Cおよび表2に示すような試料(積層体)を製作して、第1Nb層、強磁性層および第2Nb層を有する強磁性ジョセフソン接合体の結晶配向性を評価した。
(1)試料
MgO(単結晶面)上に、Moからなるバッファ層(単に「第1Mo層」ともいう。)、第1Nb層、Feからなる強磁性層(単に「Fe層」ともいう。/厚さ2nm)、第2Nb層を順に積層した試料21を製作した(図2A参照)。
また、MgO上に、第1Mo層、第1Nb層、Fe層、Moからなるインサート層(単に「第2Mo層」ともいう。)、第2Nb層を順に積層した試料22、23も製作した(図2B参照)。試料23は、バッファ層および第1Nb層の堆積後に、上述した熱処理(600℃×30分間)を行った(図2C参照)。なお、本実施例では、実施例1の結果を踏まえて、バッファ層とインサート層にはMo層を採用した。
さらに、バッファ層もインサート層を設けずに、MgO上に第1Nb層、Fe層、第2Nb層を順に、直接積層した試料C20も製作した。
(2)測定・解析
各試料の結晶構造を、実施例1の場合と同様に解析した。試料21のXRDを図2Aに、試料22のXRDを図2Bに、試料23のXRDを図2Cにそれぞれ示した。なお、図2Bには、インサート層がない試料21のXRDも重ねて示した。また、図2Cには、熱処理をしなかった試料22のXRDも重ねて示した。
また、各試料のXRDに基づいて、実施例1の場合と同様に算出した強度比I(110)/I(002)(=I/I)も表2に併せて示した。
(3)評価
図2A、図2B(両者を併せて単に「図2」という。)および表2から、次のことが明らかとなった。
先ず、本実施例に係る試料21または試料C20と、上述した実施例1に係る試料11~13または試料C10との比較から明らかなように、強磁性層(Fe層)および第2超伝導層(第2Nb層)により、第2Nb層における(110)面配向が増加し、全体的にI/Iが増加(配向性が低下)することがわかった。
次に、試料21と試料22の比較から明らかなように、インサート層を設けると、Nb層の(110)面配向が抑制され、配向性が改善されることもわかった。さらに、試料22と試料23の比較から明らかなように、積層途中で熱処理を少なくとも1回行うと、その配向性がより高まることもわかった。これは、第2Nb層のc面配向性が向上したためと考えられる。
ちなみに、インサート層は、厚さ1nmという極薄層でも、第2超伝導層(Nb層)のc面配向性を十分に向上させることもわかった。
(4)補足
試料23における面内配向をX線回折(XPERT PRO MRD スペクトリス 株式会社パナリティカル製、使用X線:Cu-Kα線)により調べた。具体的にいうと、MgO(200)面、Nb(110)面について、あおり角(ψ軸)を90°付近(87°程度)として各回折角(2θ)に合わせたX線を、各面内へ360°照射するφ-scanを行った。これにより得られたスペクトルを図2Dに示した。図2Dから明らかなように、MgO(200)面の4回対称のピークと、Nb(110)面の4回対称のピークとが重なった。このことから、第1Nb層および第2Nb層は、結晶粒界を有するものの、MgO(200)面に対してc面配向しているのみではなく、面内でも配向した擬単結晶状態となっていることがわかった。
《実施例3:インサート層(Mo層)の厚さと超伝導層の結晶配向性》
表3に示すような試料(積層体)を製作して、インサート層(Mo層)の厚さが第2超伝導層の結晶配向性に及ぼす影響を評価した。
(1)試料
便宜上、バッファ層および第1超伝導層に代えて、その構造を模擬したMgOの単結晶面(100)上に、強磁性層(Fe層:10nm)、インサート層(Mo層:0~2nm)および第2超伝導層(Nb層:20nm)を積層した試料を作成した。各試料のインサート層の厚さは表3にまとめて示した。
(2)測定・解析
各試料の結晶構造を実施例1と同様に解析した。各試料のXRDを図3に示した。また、各試料のXRDに基づいて、実施例1と同様に算出した強度比I(110)/I(002)(=I/I)も表3に併せて示した。
(3)評価
図3および表3から、厚さ0.5nm程度の非常に薄いインサート層を設けるだけでも、十分にc面配向した第2超伝導層が形成させることがわかった。なお、試料C30は、バッファ層を設けずに強磁性層および超伝導層を形成した試料C12と同様に、第2超伝導層の配向性が低下したと考えられる。
《実施例4:インサート層(W層)の厚さと超伝導層の結晶配向性》
(1)試料
実施例3に示したインサート層(Mo層)をW層に代えて、実施例3と同様に、表4に示すような試料(積層体)を製作し、そのW層の厚さが第2超伝導層の結晶配向性に及ぼす影響を評価した。なお、試料C40は、試料C30と同試料である。
(2)測定・解析
実施例3と同様に、各試料のXRDを図4に示した。また、そのXRDに基づく各試料の強度比I(110)/I(002)(=I/I)も表4に併せて示した。
(3)評価
図4および表4から、インサート層をW層としたときでも、厚さ0.5nm程度の非常に薄いインサート層を設けるだけで、十分にc面配向した第2超伝導層が形成させることがわかった。
《実施例5:インサート層(V層)の厚さと超伝導層の結晶配向性》
(1)試料
実施例3に示したインサート層(Mo層)をV層に代えて、実施例3と同様に、表5に示すような試料(積層体)を製作し、そのV層の厚さが第2超伝導層の結晶配向性に及ぼす影響を評価した。なお、試料C50は、試料C30と同試料である。
(2)測定・解析
実施例3と同様に、各試料のXRDを図5に示した。また、そのXRDに基づく各試料の強度比I(110)/I(002)(=I/I)も表5に併せて示した。
(3)評価
図5および表5から、インサート層をV層としたときは、厚さ1nm程度の非常に薄いインサート層を設けるだけで、十分にc面配向した第2超伝導層が形成させることがわかった。
但し、Mo層またはW層と異なり、厚さ0.5nmのV層では、(110)面配向した結晶が混在したNb層が形成された。このような結果が得られた理由として、MoとWに比べてVがNbとの格子定数差が大きいことが考えられる。
《実施例6:強磁性層の厚さ分布》
(1)観察
実施例2で製作した試料23と試料C20の断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。各試料のTEM像を図6に示した。
また、各TEM像から求めた強磁性層の厚さのばらつき(%)を表6に示した。厚さのばらつきは、最大厚さ:t、最小厚さ:tとして、100×(t-t)/tとして算出した。
(2)評価
図6および表6から明らかなように、バッファ層を設けない試料C20では、強磁性層の厚さのばらつきが約40%程度と非常に大きくなった。一方、バッファ層を設けた試料23では、強磁性層の厚さのばらつきが4%程度(5%以内)と非常に小さくなることがわかった。このような強磁性層の厚さのばらつきが、第2超伝導層の表面起伏(表面粗さ)に反映されることも、図6から明らかとなった。つまり、試料C20の第2Nb層の表面には大きくな凹凸が認められたが、試料23の第2Nb層の表面は平坦的または平滑的な状態となることが確認された。
このような強磁性層の表面粗さ(厚さ分布、平坦性または平滑性)が、その上層である第2超伝導層の配向性に影響していることは、表6(さらには表2)に示した試料23と試料C20の比較から明らかである。
以上から、本発明のように、基板の単結晶面上にバッファ層を形成した後、第1超伝導層、強磁性層および第2超伝導層を形成すると、各層の結晶が基板の単結晶面に対して垂直な方向(c軸方向)に配向した高品質な強磁性ジョセフソン接合体が得られることが明らかとなった。
Figure 2022135061000002
Figure 2022135061000003
Figure 2022135061000004
Figure 2022135061000005
Figure 2022135061000006
Figure 2022135061000007

Claims (12)

  1. 基板の単結晶面上に形成された多層膜からなる強磁性ジョセフソン接合体であって、
    該多層膜は、該基板側から順に、バッファ層、第1超伝導層、強磁性層および第2超伝導層を少なくとも有し、
    該バッファ層から該第2超伝導層に至る各層がc面配向している強磁性ジョセフソン接合体。
  2. 前記第1超伝導層と前記第2超伝導層は、結晶構造が体心立方格子となる超伝導物質からなる請求項1に係る強磁性ジョセフソン接合体。
  3. 前記超伝導物質は、Nbの単体、化合物または合金のいずれかである請求項2に記載の強磁性ジョセフソン接合体。
  4. 前記強磁性層は、Fe、CoおよびNiの一種以上を基材とする請求項1~3のいずれかに記載の強磁性ジョセフソン接合体。
  5. 前記バッファ層は、Mo、WおよびVの一種以上を基材とする請求項1~4のいずれかに記載の強磁性ジョセフソン接合体。
  6. 前記多層膜は、さらに、少なくとも前記強磁性層と前記第2超伝導層との間に、インサート層を有する請求項1~5のいずれかに記載の強磁性ジョセフソン接合体。
  7. 前記インサート層は、Mo、WおよびVの一種以上を基材とする請求項6に記載の強磁性ジョセフソン接合体。
  8. 前記単結晶面は、MgOの(100)面である請求項1~7のいずれかに記載の強磁性ジョセフソン接合体。
  9. X線回折から得られる(002)面のピーク強度(I)に対する(110)面のピーク強度(I)の比率(I/I)が2以下である請求項1~8のいずれかに記載の強磁性ジョセフソン接合体。
  10. 前記強磁性層は、厚さの変化が最大厚さ(t)に対して10%以内である請求項1~9のいずれかに記載の強磁性ジョセフソン接合体。
  11. 基板の単結晶面上に、少なくともバッファ層、第1超伝導層、強磁性層および第2超伝導層を順に積層して多層膜を形成する積層工程を備え、
    請求項1~10のいずれかに記載した強磁性ジョセフソン接合体が得られる製造方法。
  12. 前記積層工程は、少なくとも前記強磁性層の形成前または該強磁性層の形成後に、熱処理を行う請求項11に記載の強磁性ジョセフソン接合体の製造方法。
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