JP2001107849A - 可変容量型圧縮機 - Google Patents

可変容量型圧縮機

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JP2001107849A
JP2001107849A JP28812499A JP28812499A JP2001107849A JP 2001107849 A JP2001107849 A JP 2001107849A JP 28812499 A JP28812499 A JP 28812499A JP 28812499 A JP28812499 A JP 28812499A JP 2001107849 A JP2001107849 A JP 2001107849A
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swash plate
guided
guide
inclination
variable displacement
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JP28812499A
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English (en)
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Hiroshi Ataya
拓 安谷屋
Akira Matsubara
亮 松原
Tomoji Taruya
知二 樽谷
Masaki Ota
太田  雅樹
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/10Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis having stationary cylinders
    • F04B27/1036Component parts, details, e.g. sealings, lubrication
    • F04B27/1054Actuating elements
    • F04B27/1072Pivot mechanisms

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】摩耗による斜板の最大傾角の変化をもたらすこ
となく前記最大傾角を容易に規定できるようにする。 【解決手段】アルミニウム系の材質製の斜板20は、鉄
系の材質製の支持アーム25に形成されたガイド孔25
1と、鉄系の材質製の被ガイドピン23の頭部231と
の連係により回転軸18の軸方向へ傾動可能かつ回転軸
18と一体的に回転可能である。斜板20の傾動は、ガ
イド孔251と被ガイドピン23とのスライドガイド関
係、及び回転軸18のスライド支持作用により案内され
る。鉄系の材質製の回転支持体19に一体形成された傾
角規制突部191と被ガイドピン23とは当接可能であ
る。傾角規制突部191と被ガイドピン23とが当接し
た状態は、斜板20の傾角が最大となったときである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸と一体的に
回転するように、かつ前記回転軸に対して傾角可変に制
御圧室に収容された斜板、前記回転軸の周りに配列され
ると共に、前記斜板の傾角に応じた往復動作を行なう複
数のピストン、及び前記斜板の傾動を案内する斜板傾動
案内手段を備え、前記制御圧室内の圧力を制御して前記
斜板の傾角を制御する可変容量型圧縮機に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】特開平10−246181号公報、特開
平11−201032号公報に開示されるこの種の可変
容量型圧縮機では、クランク室(本願でいう制御圧室)
内の圧力が高くなると斜板の傾角が小さくなって吐出容
量が減り、クランク室内の圧力が低くなると斜板の傾角
が大きくなって吐出容量が増える。クランク室内の圧力
調整に基づいて容量制御を行なう可変容量型圧縮機で
は、斜板の最大傾角は、回転軸と一体的に回転すると共
に、ヒンジ機構を介して斜板を支持する回転支持体によ
って斜板の傾動を受け止めることによって規定される。
【0003】斜板は軽量化のためにアルミニウム製にし
てあるが、鉄製の回転支持体とアルミニウム製の斜板と
の直接の当接は斜板側の当接部の摩耗をもたらす。斜板
側の当接部が摩耗すれば斜板の最大傾角が変わってしま
う。特開平10−246181号公報、特開平11−2
01032号公報の圧縮機では、鉄製のウエイトが斜板
に取り付けてあり、鉄製のウエイトと回転支持体とが接
触する。鉄製同士を当接させる構成は摩耗防止をもたら
し、斜板の最大傾角が変わってしまうことはない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記ウェイトは安定し
た容量制御を達成するために採用されるが、安定した容
量制御を行なうためのウェイトの重量分布は、その形状
に左右される。安定した容量制御に大きな影響を与える
ウェイトの適正な形状を考慮しつつ前記斜板の最大傾角
を規定するためのウェイトの形状を設定することは難し
い。
【0005】本発明は、摩耗による斜板の最大傾角の変
化をもたらすことなく前記最大傾角を容易に規定できる
ようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、回
転軸と一体的に回転するように、かつ前記回転軸に対し
て傾角可変に制御圧室に収容された斜板、前記回転軸の
周りに配列されると共に、前記斜板の傾角に応じた往復
動作を行なう複数のピストン、及び前記斜板の傾動を案
内する斜板傾動案内手段を備え、前記制御圧室内の圧力
を制御して前記斜板の傾角を制御する可変容量型圧縮機
を対象とし、請求項1の発明では、経路規制カムを備え
たガイド体と、前記経路規制カムに摺接して案内される
被ガイド体とを備えた前記斜板傾動案内手段を構成し、
前記ガイド体を前記回転軸と一体化すると共に、前記被
ガイド体を前記斜板と一体化し、前記ガイド体と前記被
ガイド体との当接によって前記斜板の傾角を最大とする
位置に前記斜板を規定する最大傾角規定手段を設けた。
【0007】斜板傾動案内手段を構成するガイド体と被
ガイド体との当接によって斜板の最大傾角を規定する構
成は、ガイド体及び被ガイド体を耐摩耗材である例えば
鉄系の材質製として摩耗による斜板の最大傾角の変化を
もたらすことのないようにして前記最大傾角を容易に規
定し得る。
【0008】請求項2の発明では、請求項1において、
前記被ガイド体は、前記斜板に形成された支持孔に圧入
して止着した。斜板に被ガイド体を圧入する構成は簡便
である。
【0009】請求項3の発明では、請求項2において、
前記被ガイド体の圧入位置は、前記被ガイド体と前記経
路規制カムとの当接位置と、前記斜板の最大傾角を規定
する位置との間に設定した。
【0010】圧縮反力が大きい最大傾角時に、被ガイド
体の圧入部分に作用する荷重を低減することができる。
請求項4の発明では、請求項2及び請求項3のいずれか
1項において、前記支持孔の側部に連なる開放部を設
け、前記被ガイド体は前記開放部から露出させ、前記開
放部から露出する前記被ガイド体の露出部が前記ガイド
体に当接して斜板の最大傾角を規定するようにした。
【0011】被ガイド体を開放部から露出させる構成
は、前記支持孔に圧入される被ガイド体の長大化の抑制
に寄与する。請求項5の発明では、請求項1乃至請求項
4のいずれか1項において、前記被ガイド体は、前記回
転軸を挟んで対称に、かつ平行になるように一対配置し
た。
【0012】回転軸を挟んで対称に、かつ平行になるよ
うに配置された一対の被ガイド体は、斜板の傾動の円滑
化に有利である。請求項6の発明では、請求項5におい
て、前記一対の被ガイド体のうちの一方のみと前記ガイ
ド体との当接によって前記斜板の傾角を最大とする位置
に前記斜板を規定する前記最大傾角規定手段を構成し
た。
【0013】一対の被ガイド体とガイド体側の経路規制
カムとの間の2か所のガイド作用位置、及び前記一方の
被ガイド体とガイド体との間の1か所の当接位置という
合計3か所での係合は、斜板の最大傾角を精度良く規定
する上で好適である。
【0014】請求項7の発明では、請求項6において、
前記ガイド体と当接する前記一方の被ガイド体は、前記
回転軸の軸方向に見て、前記回転軸の周りにおける前記
斜板上の吐出行程領域にあるようにした。
【0015】斜板の傾角が増大してガイド体と被ガイド
体とが当接するときにも圧縮反力が作用する。圧縮反力
は前記吐出行程領域側に直接作用するため、回転軸の軸
方向に見て吐出行程領域に含まれるように前記一方の被
ガイド体を配置した構成は、ガイド体にて圧縮反力を効
果的に受け止める上で有効である。
【0016】請求項8の発明では、請求項4乃至請求項
7のいずれか1項において、前記露出部と前記ガイド体
とは面接触するようにした。面接触は、ガイド体と被ガ
イド体との間の当接部位の摩耗を抑制する上で有効であ
る。
【0017】請求項9の発明では、請求項1乃至請求項
8のいずれか1項において、前記斜板をアルミニウム系
の材質製とし、前記ガイド体を鉄系の材質製とし、前記
被ガイド体を鉄系の材質製とした。
【0018】アルミニウム系の材質製の斜板は圧縮機の
軽量化に最適であり、鉄系の材質製のガイド体及び鉄系
の材質製の被ガイド体は、回転軸の回転力を斜板に伝え
る上で有利である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した第1の
実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0020】図1に示すように、シリンダブロック11
の前端にはフロントハウジング12が接合されている。
シリンダブロック11の後端にはリヤハウジング13が
バルブプレート14、弁形成プレート15,16及びリ
テーナ形成プレート17を介して接合固定されている。
制御圧室121を形成するフロントハウジング12とシ
リンダブロック11とには回転軸18が回転可能に支持
されている。制御圧室121から外部へ突出する回転軸
18は、プーリ(図示略)及びベルト(図示略)を介し
て外部駆動源、例えば車両エンジン(図示略)から駆動
力を得る。
【0021】回転軸18には鉄系の材質からなる回転支
持体19が止着されている。又、回転軸18にはシリコ
ン含有のアルミニウム系の材質からなる斜板20が回転
軸18の軸方向へスライド可能かつ傾動可能に支持され
ている。図3に示すように、斜板20には筒形状の連結
片21,22が一体形成されており、各連結片21,2
2の支持孔211,221には鉄系の材質からなる被ガ
イドピン23,24が圧入して止着されている。被ガイ
ドピン23,24は、回転軸18の軸方向に見て平行、
かつ回転軸18を含む平面に関して対称である。回転支
持体19には支持アーム25が一体形成されており、支
持アーム25には一対のガイド孔251,252が形成
されている。
【0022】図2に示すように、ガイド孔251,25
2は、回転軸18の軸方向に見て互いに平行である。
又、ガイド孔251,252は、回転軸18の軸方向に
見て回転軸18の1つの半径線R1に対して平行、かつ
半径線R1の左右で対称である。被ガイドピン23,2
4の球状の頭部231,241はガイド孔251,25
2にスライド可能に嵌入されている。斜板20は、ガイ
ド孔251,252と一対の頭部231,241との連
係により回転軸18の軸方向へ傾動可能かつ回転軸18
と一体的に回転可能である。斜板20の傾動は、ガイド
孔251,252と被ガイドピン23,24とのスライ
ドガイド関係、及び回転軸18のスライド支持作用によ
り案内される。回転支持体19、経路規制カムとなる支
持アーム25、ガイド孔251,252及び被ガイドピ
ン23,24は、斜板20を傾動させるためのヒンジ機
構を構成する。ヒンジ機構は斜板傾動案内手段である。
【0023】斜板20の半径中心部が回転支持体19側
へ移動すると、斜板20の傾角が増大する。斜板20の
半径中心部がシリンダブロック11側へ移動すると、斜
板20の傾角が減少する。斜板20の最小傾角は、回転
軸18に取り付けられたサークリップ34と斜板20と
の当接によって規定される。図1の斜板20の鎖線位置
は斜板20の最小傾角位置を示す。
【0024】図2及び図5に示すように、シリンダブロ
ック11には複数のシリンダボア111(本実施の形態
では5つ)が貫設されている。複数のシリンダボア11
1は回転軸18の周囲に等間隔に配列されており、各シ
リンダボア111内にはピストン26が収容されてい
る。斜板20の回転運動はシュー27を介してピストン
26の前後往復運動に変換され、ピストン26がシリン
ダボア111内を前後動する。
【0025】図1及び図5に示すように、リヤハウジン
グ13内には吸入室131及び吐出室132が区画形成
されている。バルブプレート14、弁形成プレート16
及びリテ─ナ形成プレ─ト17上には吸入ポート141
が形成されており、バルブプレート14及び弁形成プレ
ート15上には吐出ポート142が形成されている。弁
形成プレート15上には吸入弁151が形成されてお
り、弁形成プレート16上には吐出弁161が形成され
ている。吸入室131内の冷媒ガスはピストン26の復
動動作により吸入ポート141から吸入弁151を押し
退けてシリンダボア111内へ流入する。シリンダボア
111内へ流入した冷媒ガスはピストン26の往動動作
により吐出ポート142から吐出弁161を押し退けて
吐出室132へ吐出される。吐出弁161はリテーナ形
成プレート17上のリテーナ171に当接して開度規制
される。吐出室132に吐出された冷媒は、圧縮機外部
の図示しない外部冷媒回路を経由して吸入室131に還
流する。
【0026】吐出室132と制御圧室121とは圧力供
給通路35で接続されており、制御圧室121と吸入室
131とは絞り作用を有する放圧通路36で接続されて
いる。圧力供給通路35上には電磁式容量制御弁37が
介在されている。圧力供給通路35は吐出室132の冷
媒を制御圧室121へ供給する。容量制御弁37のソレ
ノイド38はコントロ─ラ(図示略)の励消磁制御を受
け、前記コントロ─ラは車両の室内の温度を検出する室
温検出器(図示略)によって得られる検出室温及び室温
設定器(図示略)によって設定された目標室温に基づい
て容量制御弁37の励消磁を制御する。
【0027】容量制御弁37内の感圧手段39を構成す
るベロ─ズ391には吸入室131内の圧力(吸入圧)
が感圧室393を介して作用している。吸入室131内
の吸入圧は熱負荷を反映している。ベロ─ズ391には
弁体40が接続されており、弁体40は弁孔41を開閉
する。ベロ─ズ391内の大気圧及び感圧手段39を構
成する感圧ばね392のばね力は、弁孔41を開く方向
へ弁体40に作用する。ソレノイド38の電磁駆動力
は、弁孔41を閉じる方向へ弁体40を付勢する。容量
制御弁37は、ソレノイド38に供給される電流値に応
じた吸入圧をもたらす制御を行なう。
【0028】吐出室132内の冷媒は、弁孔41及び圧
力供給通路35を経由して制御圧室121へ送られる。
ソレノイド38に対する供給電流値が高められると弁開
度が減少し、吐出室132から制御圧室121への冷媒
供給量が減る。制御圧室121内の冷媒は、放圧通路3
6を介して吸入室131へ流出しているため、制御圧室
121内の圧力が下がる。従って、斜板20の傾角が増
大して吐出容量が増える。吐出容量の増大は吸入圧の低
下をもたらす。供給電流値が下げられると弁開度が増大
し、吐出室132から制御圧室121への冷媒供給量が
増える。従って、制御圧室121内の圧力が上がり、斜
板20の傾角が減少して吐出容量が減る。吐出容量の低
減は吸入圧の上昇をもたらす。
【0029】斜板20に対する回転支持体19の対向面
には一対の傾角規制突部191,192が一体形成され
ている。回転支持体19に対する斜板20の対向面には
U字形状のウエイト部201が一体形成されている。ウ
エイト部201は、斜板20の回転に伴う遠心力によっ
て斜板20の傾角を低減する方向へ斜板20を付勢す
る。
【0030】連結片21,22の支持孔211,221
の側部には開放部212,222が設けられている。開
放部212,222は連結片21,22の下部側かつ回
転支持体19との対向側にあり、被ガイドピン23,2
4の下端側の周面232,242が開放部212,22
2から露出している。図3及び図4に示すように、傾角
規制突部191,192の先端面には円弧面形状の位置
規制面193,194が形成されており、位置規制面1
93,194と被ガイドピン23,24の露出周面23
2,242とが面接触可能である。露出部となる露出周
面232,242が位置規制面193,194に当接し
た状態は、斜板20の傾角が最大となったときである。
図1に実線で示す斜板20の位置は最大傾角位置であ
る。傾角規制突部191,192及び被ガイドピン2
3,24の露出周面232,242は、最大傾角規定手
段を構成する。
【0031】ガイド体となる回転支持体19とフロント
ハウジング12との間にはスラストベアリング28が介
在されている。スラストベアリング28は、シリンダボ
ア111からピストン26、シュー27、斜板20、連
結片21,22及び被ガイドピン23,24を介して回
転支持体19に作用する圧縮反力を受け止める。
【0032】第1の実施の形態では以下の効果が得られ
る。 (1-1)斜板20の傾角が最大のときには、被ガイド体
である被ガイドピン23,24の露出周面232,24
2が傾角規制突部191,192の位置規制面193,
194に当接している。耐摩耗材となる鉄系製の回転支
持体19の一部である傾角規制突部191,192と、
耐摩耗材となる鉄系製の被ガイドピン23,24との当
接は、鉄系よりも耐摩耗度の低いアルミニウム系製の斜
板20の摩耗を防止する。従って、摩耗による斜板20
の最大傾角の変化という問題は生じない。
【0033】(1-2)斜板20に対する被ガイドピン2
3,24の傾き具合が決定されれば、所望の斜板20の
最大傾角をもたらすための傾角規制突部191,192
の位置規制面193,194の位置が必然的に決定され
る。従って、鉄系製の被ガイドピン23,24と、鉄系
製の回転支持体19の一部である傾角規制突部191,
192との当接状態を斜板傾角の最大状態とする構成
は、斜板最大傾角を規定するための設計を容易にする。
【0034】(1-3)被ガイドピン23,24は、支持
孔211,221に圧入して斜板20と一体化される。
斜板20の一部である筒形状の連結片21,22に被ガ
イドピン23,24を圧入する構成は簡便である。
【0035】(1-4)連結片21,22に開放部21
2,222を設けないとすると、被ガイドピン23,2
4の下端部を連結片21,22から延出して傾角規制突
部191,192と当接させる必要がある。被ガイドピ
ン23,24の長大化は、回転及び傾動する斜板20側
の重量を増す。斜板20側の重量増は、斜板20の円滑
な傾動をもたらす上で不利である。被ガイドピン23,
24を開放部212,222から露出させる構成は、支
持孔211,221に圧入される被ガイドピン23,2
4の長大化を抑制して斜板20の傾動の円滑化に寄与す
る。
【0036】(1-5)回転軸18を挟んで対称に、かつ
平行になるように配置された一対の被ガイドピン23,
24は、平行な一対の支持孔211,221の案内作用
を受ける。一対の被ガイドピン23,24と一対の支持
孔211,221との係合による案内作用は、単一の被
ガイドピンと単一の支持孔との係合による案内作用に比
べて斜板20の傾動の円滑化に有利である。
【0037】(1-6)露出部となる露出周面232,2
42と傾角規制突部191,192の位置規制面19
3,194とは面接触する。斜板20を最大傾角位置に
規制するための面接触は、ガイド体の一部である傾角規
制突部191,192と被ガイドピン23,24との間
の当接部位の摩耗を抑制する上で有効である。
【0038】(1-7)アルミニウム系の材質製の斜板2
0は、圧縮機の軽量化及び斜板20の円滑な傾動をもた
らす上で最適である。 (1-8)回転軸18の回転力は、ガイド体である回転支
持体19及び被ガイドピン23,24を介して斜板20
に伝えられる。斜板20は、圧縮反力、及びシュー27
との間の摩擦による摩擦反力を受けている。従って、こ
れらの反力を受けながら斜板20を回転させるために必
要な回転力は大きい。この大きな回転力は回転支持体1
9の一部である支持アーム25と被ガイドピン23,2
4との係合を介して伝えられるため、回転支持体19及
び被ガイドピン23,24の材質は剛性の高いものでな
ければならない。ガイド体である回転支持体19及び被
ガイド体である被ガイドピン23,24を鉄系の材質製
とした構成は、回転軸18の回転力を斜板20に伝える
上で有利である。
【0039】(1-9)回転支持体19からの傾角規制突
部191,192の突出量を変えることで斜板20の最
大傾角を変えることができ、斜板20の形状を変えるこ
となく最大傾角の異なる圧縮機の製作が行える。
【0040】(1-10)被ガイドピン23,24は連結片
21,22に圧入して取り付けられている。圧入は斜板
20に対する被ガイドピン23,24の取り付け方とし
て簡便である。
【0041】(1-11)被ガイドピン23,24の圧入位
置は、被ガイドピン23,24とガイド体の一部である
支持ア−ム30との当接位置と、斜板20の最大傾角を
規定する位置(即ち、傾角規制突部191,192と被
ガイドピン23,24との当接位置)との間に設定され
ている。このような位置設定の構成では、前記両位置間
の前記圧入位置に作用する圧縮反力による荷重は最も小
さい。従って、前記のような位置設定の構成は、圧縮反
力が大きくなる斜板最大傾角時における被ガイドピン2
3,24の圧入部分に作用する荷重を低減する上で有効
である。
【0042】次に、図6及び図7の第2の実施の形態を
説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号
が付してある。図7に示すように、回転軸18は矢印Q
の方向に回転する。ガイド孔251,252は、回転軸
18の軸方向に見て回転軸18の1つの半径線R1に対
して平行、かつ半径線R1に関して対称であるため、被
ガイドピン23,24の頭部231,241は、回転軸
18の軸方向に見てガイド孔251,252に沿って平
行移動する。従って、図7の場合には、半径線R1,R
2よりも右側の2つのピストン26は、斜板20の回転
によってシリンダボア111から冷媒ガスを吐出室13
2へ吐出するように下死点側から上死点側へ移動され
る。即ち、半径線R1,R2よりも右側の2つのピスト
ン26は吐出行程にある。半径線R1,R2よりも左側
の2つのピストン26は、斜板20の回転によって吸入
室131からシリンダボア111内へ冷媒ガスを吸入す
るように上死点側から下死点側へ移動される。即ち、半
径線R1,R2よりも左側の2つのピストン26は吸入
行程にある。シリンダボア111の半径中心が半径線R
1上にあれば、このシリンダボア111内のピストン2
6は上死点にある。シリンダボア111の半径中心が半
径線R2上にあれば、このシリンダボア111内のピス
トン26は下死点にある。
【0043】本発明では、回転軸18の回転方向Qに関
して半径線R1から半径線R2にわたる斜板20上の範
囲(図7にDeで示す)を吐出行程領域と言い、回転軸
18の回転方向Qに関して半径線R2から半径線R1に
わたる斜板20上の範囲(図2にSeで示す)を吸入行
程領域と言うことにする。ウエイト部201は半径線R
2に関して対称である。本実施の形態では、傾角規制突
部191の1つのみが回転支持体19に設けられてお
り、傾角規制突部191は回転軸18の軸方向に見て吐
出行程領域De内にある。傾角規制突部191の位置規
制面193が被ガイドピン23の露出周面232に当接
した状態は、斜板20の傾角が最大となったときであ
る。
【0044】第2の実施の形態では以下の効果が得られ
る。 (2-1)吐出行程領域De側にあるシリンダボア111
内のピストン26は吐出行程にあり、この圧縮反力が被
ガイドピン23と傾角規制突部191との当接を介して
回転支持体19に作用する。斜板20の傾角が増大して
被ガイドピン23が傾角規制突部191に当接するとき
にも前記圧縮反力が作用する。圧縮反力は吐出行程領域
De側に直接作用するため、回転軸18の軸方向に見て
吐出行程領域Deに含まれるように傾角規制突部191
を配置した構成は、回転支持体19にて圧縮反力を効果
的に受け止める上で有効である。
【0045】(2-2)傾角規制突部191が吸入行程領
域Se側にのみあるとすると、吸入行程領域Se側の傾
角規制突部191を中心とした圧縮反力のモーメントが
大きくなり、被ガイドピン23,24とガイド孔25
1,252との係合部位に掛かる荷重が不必要に大きく
なる。前記係合部位における荷重の不必要な増大は、被
ガイドピン23,24とガイド孔251,252との間
の円滑な相対移動を阻害し、最大傾角位置から最小傾角
側への斜板20の動き出しが悪くなるおそれがある。吐
出行程領域De側に傾角規制突部191を配置した構成
は、傾角規制突部191を中心とした圧縮反力のモーメ
ントを小さくし、吸入行程領域Se側にのみ傾角規制突
部191を配置した場合の前記した問題は生じない。
【0046】(2-3)ヒンジ機構における被ガイドピン
23,24とガイド孔251,252との係合位置は2
か所である。そのため、吐出行程領域De及び吸入行程
領域Seの両方に傾角規制突部191,192を配置し
た第1の実施の形態の場合、斜板20の最大傾角状態で
は回転支持体19は、支持アーム25側の2か所、及び
半径中心側の2か所で圧縮反力を受け止めることになる
はずであるが、このような場合には2つの傾角規制突部
191,192のいずれか一方のみが被ガイドピン2
3,24に当接することに成りがちである。吐出行程領
域De側の傾角規制突部191が被ガイドピン23に当
接すれば、吸入行程領域Se側の傾角規制突部192が
無駄となる。吸入行程領域Se側の傾角規制突部192
が被ガイドピン24に当接すれば、吐出行程領域De側
の傾角規制突部191が無駄となる上、(2-2)項で述
べた問題が生じる。従って、吐出行程領域De側にのみ
傾角規制突部191を1つだけ配置した構成は、斜板2
0の最大傾角を変える原因となる摩耗の防止及び無駄の
ない構成の構築に最適である。
【0047】次に、図8の第3の実施の形態を説明す
る。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。被ガイドピン23,24と傾角規制突部19
1,192とは、被ガイドピン23,24側の当接平面
233,243と、傾角規制突部191,192側の平
面の位置規制面195,196とを介して平面接触す
る。この実施の形態においても、第1の実施の形態と同
じ効果が得られる。
【0048】次に、図9の第4の実施の形態を説明す
る。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。この実施の形態では、ガイド孔252(ガイド
孔251は図示略)に底253があり、被ガイドピン2
4の頭部241(被ガイドピン23は図示略)が底25
3に当接した状態では斜板20が最大傾角位置に規制さ
れる。鉄系の材質製の支持アーム25と鉄系の材質製の
被ガイドピン24との当接は、当接部位の摩耗抑制とな
る。
【0049】次に、図10の第5の実施の形態を説明す
る。第2の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。この実施の形態では、鉄系製の材質の傾角規制
体29がアルミニウム系の材質製の回転支持体19に圧
入して止着されている。傾角規制体29は回転軸18の
軸方向に見て前記した吐出行程領域にある。傾角規制体
29の先端の位置規制面291の形状は第1の実施の形
態における傾角規制突部191の位置規制面193と同
じであり、被ガイドピン23の露出周面232と位置規
制面291とは面接触する。
【0050】この実施の形態では、第1及び第2の実施
の形態と同様の効果が得られる上に、回転支持体19の
軽量化という効果も得られる。回転支持体19の軽量化
は圧縮機の軽量化をもたらす。
【0051】次に、図11の第6の実施の形態を説明す
る。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。この実施の形態におけるヒンジ機構は、特開平
10−246181号公報、特開平11−201032
号公報に開示されるヒンジ機構と同じである。鉄系の材
質製の回転支持体19には一対の支持アーム30(一方
のみ図示)が一体形成されており、支持アーム30には
ガイド溝301が形成されている。アルミニウム系の材
質製の斜板20に一体形成された一対の連結片31(一
方のみ図示)には被ガイドピン32が支持されている。
被ガイドピン32は一対の支持アーム30のガイド溝3
01にスライド可能に嵌入されている。斜板20は、一
対のガイド溝301と被ガイドピン32との連係により
回転軸18の軸方向へ傾動可能かつ回転軸18と一体的
に回転可能である。斜板20の傾動は、ガイド溝301
と被ガイドピン32とのスライドガイド関係、及び回転
軸18のスライド支持作用により案内される。回転支持
体19、経路規制カムとなる支持アーム30、ガイド溝
301及び被ガイドピン32は、斜板20を傾動させる
ためのヒンジ機構を構成する。
【0052】図示では被ガイドピン32がガイド溝30
1の上端302に当接しており、支持アーム30と被ガ
イドピン32との上端302における当接状態が斜板2
0を最大傾角位置に規制する。鉄系の材質製の支持アー
ム30と鉄系の材質製の被ガイドピン32との当接は、
当接部位の摩耗抑制となる。
【0053】斜板20の最大傾角を規定するためにガイ
ド溝301の上端302の特定は容易である。即ち、鉄
系製の被ガイドピン32と、鉄系製の回転支持体19の
一部である支持アーム30のガイド溝301の上端30
2との当接状態を斜板傾角の最大状態とする構成は、斜
板20の最大傾角を規定するための設計を容易にする。
【0054】次に、図12の第7の実施の形態を説明す
る。第6の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。この実施の形態では、ガイド溝301が鉄系の
材質製の経路規制カム33によって形成されている。回
転支持体19はアルミニウム系の材質製である。この実
施の形態では、第5の実施の形態と同様の効果が得られ
る上に、回転支持体19の軽量化という効果も得られ
る。
【0055】本発明では以下のような実施の形態も可能
である。 (1)被ガイドピン23,24と同様のガイドピンを回
転支持体19側に止着し、ガイド孔251,252を斜
板20側に設けるようにした実施の形態も可能である。 (2)吸入行程領域側にのみ傾角規制突部を設けるこ
と。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように本発明では、回転軸
と一体化したガイド体と、斜板と一体化した被ガイド体
との当接によって前記斜板の傾角を最大とする位置に前
記斜板を規定するようにしたので、摩耗による斜板の最
大傾角の変化をもたらすことなく前記最大傾角を容易に
規定できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示し、要部拡大断面図を組
み込んだ圧縮機全体の側断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】図3のD−D線断面図。
【図5】図1のC−C線断面図。
【図6】第2の実施の形態を示す縦断面図。
【図7】縦断面図。
【図8】第3の実施の形態を示す要部側断面図。
【図9】第4の実施の形態を示す要部側断面図。
【図10】第5の実施の形態を示す要部側断面図。
【図11】第6の実施の形態を示す要部側断面図。
【図12】第7の実施の形態を示す要部側断面図。
【符号の説明】
121…制御圧室。18…回転軸。19…斜板傾動案内
手段を構成するガイド体となる回転支持体。191,1
92…ガイド体の一部であって最大傾角規定手段を構成
する傾角規制突部。193,194,195,196…
位置規制面。20…斜板。211,221…支持孔。2
12,222…開放部。23,24…斜板傾動案内手段
を構成する被ガイド体となる被ガイドピン。232,2
42…最大傾角規定手段を構成する露出部となる露出周
面。25…経路規制カムとなる支持アーム。251,2
52…ガイド孔。26…ピストン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樽谷 知二 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 太田 雅樹 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3H076 AA06 BB00 BB26 BB32 CC20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸と一体的に回転するように、かつ前
    記回転軸に対して傾角可変に制御圧室に収容された斜
    板、前記回転軸の周りに配列されると共に、前記斜板の
    傾角に応じた往復動作を行なう複数のピストン、及び前
    記斜板の傾動を案内する斜板傾動案内手段を備え、前記
    制御圧室内の圧力を制御して前記斜板の傾角を制御する
    可変容量型圧縮機において、 前記斜板傾動案内手段は、経路規制カムを備えたガイド
    体と、前記経路規制カムに摺接して案内される被ガイド
    体とを備え、前記ガイド体を前記回転軸と一体化すると
    共に、前記被ガイド体を前記斜板と一体化し、前記ガイ
    ド体と前記被ガイド体との当接によって前記斜板の傾角
    を最大とする位置に前記斜板を規定する最大傾角規定手
    段を設けた可変容量型圧縮機。
  2. 【請求項2】前記被ガイド体は、前記斜板に形成された
    支持孔に圧入して止着されている請求項1に記載の可変
    容量型圧縮機。
  3. 【請求項3】前記被ガイド体の圧入位置は、前記被ガイ
    ド体と前記経路規制カムとの当接位置と、前記斜板の最
    大傾角を規定する位置との間に設定される請求項2に記
    載の可変客量型圧縮機。
  4. 【請求項4】前記支持孔の側部に連なる開放部を設け、
    前記被ガイド体は前記開放部から露出しており、前記開
    放部から露出する前記被ガイド体の露出部が前記ガイド
    体に当接して斜板の最大傾角を規定する請求項2及び請
    求項3のいずれか1項に記載の可変容量型圧縮機。
  5. 【請求項5】前記被ガイド体は、前記回転軸を挟んで対
    称に、かつ平行になるように一対配置されている請求項
    1乃至請求項4に記載の可変容量型圧縮機。
  6. 【請求項6】前記一対の被ガイド体のうちの一方のみと
    前記ガイド体との当接によって前記斜板の傾角を最大と
    する位置に前記斜板を規定する前記最大傾角規定手段を
    構成した請求項5に記載の可変容量型圧縮機。
  7. 【請求項7】前記ガイド体と当接する前記一方の被ガイ
    ド体は、前記回転軸の軸方向に見て、前記回転軸の周り
    における前記斜板上の吐出行程領域にある請求項6に記
    載の可変容量型圧縮機。
  8. 【請求項8】前記露出部と前記ガイド体とは面接触する
    請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載の可変容量
    型圧縮機。
  9. 【請求項9】前記斜板をアルミニウム系の材質製とし、
    前記ガイド体を鉄系の材質製とし、前記被ガイド体を鉄
    系の材質製とした請求項1乃至請求項8のいずれか1項
    に記載の可変容量型圧縮機。
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