JP2001107567A - 建物用コンクリートパネル及びその敷き込み方法並びに吊り上げ用アンカー金具及び吊り上げ具 - Google Patents

建物用コンクリートパネル及びその敷き込み方法並びに吊り上げ用アンカー金具及び吊り上げ具

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JP2001107567A
JP2001107567A JP29069199A JP29069199A JP2001107567A JP 2001107567 A JP2001107567 A JP 2001107567A JP 29069199 A JP29069199 A JP 29069199A JP 29069199 A JP29069199 A JP 29069199A JP 2001107567 A JP2001107567 A JP 2001107567A
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panel
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concrete panel
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Kazuo Fukui
和夫 福井
Yasutoshi Ishihara
康利 石原
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Clion Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物用コンクリートパネルの敷き込みを、パ
ネルを損傷させたり作業者が手や指を挟んだりすること
なく、楽な作業により安全、確実かつ効率的に行えるよ
うにする。 【解決手段】 吊り上げ用アンカー金具10が吊り上げ
具20をパネル上面から係合可能に埋設されているAL
Cパネル1を使用し、吊り上げ用アンカー金具10に吊
り上げ具20を着脱可能に係合させるとともに該吊り上
げ具20にクレーン30を結合し、クレーン30により
ALCパネル1を略水平姿勢で吊り上げて躯体としての
鉄骨梁40に略真上から降ろすという作業を複数枚のA
LCパネル1について繰り返すことにより、複数枚のA
LCパネル1を略水平姿勢で且つ相対峙する小口面同志
を近接させて鉄骨梁40に敷き込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物用コンクリー
トパネル及び同パネルを躯体に敷き込む方法、並びに同
方法に使用する吊り上げ用アンカー金具及び吊り上げ具
に関するものである。コンクリートパネルは、プレキャ
ストコンクリートパネル及び軽量気泡コンクリートパネ
ル(以下、ALCパネルという)を含む。
【0002】
【従来の技術】従来、建物用の特に床用又は屋根用のA
LCパネルを躯体に敷き込むには、敷き込み場所付近に
搬入された床用又は屋根用ALCパネル91を、図10
に示すように、二人の作業者99が一枚ずつパネル長手
方向両端部を手で掴んで水平姿勢で持ち上げ、躯体95
の据付位置に略真上から降ろし、該パネル長手方向両端
部を躯体95に載せている。隣り合うALCパネル91
の相対峙する小口面93同志は、目地分の僅かな間隔を
残して近接させる必要がある。そこで、ALCパネル9
1を降ろすときには手や指を挟まないようにその間隔を
大き目にして降ろし、続いてバール等でALCパネル9
1をずらすことにより前記間隔を狭めて所期の間隔に調
整する(目地調整)。その後、ALCパネル91をスク
リュドライバ等で躯体95の取付金物(図示略)に固定
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記床用又は屋根用A
LCパネルの敷き込み作業には、次のような問題があっ
た 重量の大きいALCパネル91を二人の作業者99
が手で掴んで持ち上げるのは重労働であり、また、高所
での危険作業であるから足下に細心の注意を払う必要が
あった。 ALCパネル91を降ろすときに、隣り合うALC
パネル91との小口面93同志の間隔を大き目にする必
要があるため、その後にバール(図示略)等でALCパ
ネル91を無理矢理ずらさなければならず、手間がかか
るとともにパネル角部にクラック、欠け、粉落ち塔の損
傷が生じることがあった。 一方、ALCパネル91を降ろすときに、隣り合う
ALCパネル91との小口面93同志の間隔が大きくな
りすぎないようにする必要もあるため、作業者99が手
や指を挟む可能性があった。特に、外壁周辺部との取り
合い部分に設置される最端のALCパネルを降ろすとき
に、この問題が起こりやすい。 仮にALCパネル91を水平姿勢ではなく斜め姿勢
で躯体95の据付位置に降ろすと、パネル長手方向の一
端部だけが躯体95に載って他端部が載らず、不測の事
態を招く可能性がある。そこで、必ずALCパネル91
を略水平姿勢で降ろすように、二人の作業者99の呼吸
を合わせる必要があった。
【0004】そこで、本発明者は上記課題を解決するべ
く、まず、既存のALCパネルのなかにクレーンにより
水平姿勢で吊り上げられるものがないかを検討したが、
見当たらなかった。
【0005】例えば、特開平6−10512号公報で
は、ALCパネルの小口面に吊金具を挿入するので、A
LCパネルを垂直姿勢で吊り上げることはできても、水
平姿勢で吊り上げることはできない。さらに、ALCパ
ネルに吊金具やアンカー鋼棒やOボルトを挿入するため
の穴を開ける必要があり、面倒である。また、吊金具に
はアイボルトを螺合させるため、一カ所吊りの場合、A
LCパネルやロープが回転して螺合が外れるおそれがあ
った。
【0006】また、実開平6−22461号公報では、
ALCパネルの小口面に吊上げ用埋込金具を開口させて
いるので、ALCパネルを垂直姿勢で吊り上げることは
できても、水平姿勢で吊り上げることはできない。さら
に、吊上げ用埋込金具はナット(雌ネジ)を使用したも
ので、この雌ネジに吊り上げ具としてのメガネボルト
(雄ネジ)を螺合するタイプなので、その螺合作業に手
間と時間がかかるとか、雌ネジにコンクリート粉が入っ
てメガネボルトを螺合しにくいことがあるとか、雌ネジ
にグリースを塗る必要が生じることもあるとかという問
題があった。
【0007】また、本願出願人による先の特開平10−
72873号公報及び特開平10−227098号公報
では、ALCパネルにアンカー金具を埋設しているが、
このアンカー金具は、吊り上げ用ではなく、ALCパネ
ルを躯体に取り付けるためのものであってパネル裏面に
開口するように埋設されるため、仮に吊り上げ用として
使用したとしても、ALCパネルを裏返しに吊り上げる
ことになって実用にならない。さらに、このアンカー金
具はナット(雌ネジ)を使用したものなので、上記実開
平6−22461号公報の吊上げ用埋込金具と同様の問
題がある。
【0008】本発明の目的は、上記課題を解決し、建物
用コンクリートパネルの敷き込みを、パネルを損傷させ
たり作業者が手や指を挟んだりすることなく、楽な作業
により安全、確実かつ効率的に行えるようにすることに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
手段は、次の、建物用コンクリートパネルの敷き込み方
法(1)、建物用コンクリートパネル(2−1)(2−
2)、建物用コンクリートパネルの吊り上げ用アンカー
金具(3)、建物用コンクリートパネルの吊り上げ具
(4)である。
【0010】(1)吊り上げ用アンカー金具が吊り上げ
具をパネル上面から係合可能に埋設されている床用又は
屋根用のコンクリートパネルを使用し、前記吊り上げ用
アンカー金具に吊り上げ具を着脱可能に係合させるとと
もに該吊り上げ具にクレーンを結合し、前記クレーンに
より前記コンクリートパネルを略水平姿勢で吊り上げて
躯体に略真上から降ろすという作業を複数枚のコンクリ
ートパネルについて繰り返すことにより、前記複数枚の
コンクリートパネルを略水平姿勢で且つ相対峙する小口
面同志を近接させて躯体に敷き込むことを特徴とする建
物用コンクリートパネルの敷き込み方法。
【0011】同方法において、吊り上げ用アンカー金具
と吊り上げ具とは、両具に相対的に設けられた引掛部と
被掛止部との掛止によりワンタッチで係合させることが
好ましい。
【0012】(2−1)床用又は屋根用のコンクリート
パネルであって、少なくとも2箇所に吊り上げ用アンカ
ー金具がパネル上面から係合可能に埋設されている建物
用コンクリートパネル。「少なくとも2箇所」は、パネ
ル幅方向中央部に相離間して配されていることが好まし
い。
【0013】(2−2)吊り上げ具の引掛部が挿入され
る被掛止穴とその挿入された引掛部が掛止する該被掛止
穴の下側周囲の被掛止面とを備えた吊り上げ用アンカー
金具が埋設されている建物用コンクリートパネル。被掛
止穴の穴長は0.8〜10mmが好ましく、1〜5mm
がさらに好ましい。引掛部を雌ネジに引掛けないでスム
ースに挿入するため、被掛止穴の内周には雌ネジの無い
ことが好ましい。
【0014】これらのパネルにおいて、吊り上げ用アン
カー金具は、コンクリートパネルに埋設された埋設鉄筋
に結合されていることが好ましい。また、吊り上げ用ア
ンカー金具は、その一つが、コンクリートパネルの重量
の3倍以上のアンカー耐力を有していることが好まし
い。
【0015】(3)建物用コンクリートパネルに埋設さ
れるとともに吊り上げ具を着脱可能に係合させる吊り上
げ用アンカー金具であって、前記吊り上げ具の引掛部が
挿入される被掛止穴とその挿入された引掛部が掛止する
該被掛止穴の下側周囲の被掛止面とを備えている建物用
コンクリートパネルの吊り上げ用アンカー金具。被掛止
穴の穴長は0.8〜10mmが好ましく、1〜5mmが
さらに好ましい。引掛部を雌ネジに引掛けないでスムー
スに挿入するため、被掛止穴の内周には雌ネジの無いこ
とが好ましい。
【0016】(4)建物用コンクリートパネルに埋設さ
れた吊り上げ用アンカー金具に着脱可能に係合させると
ともにクレーンを結合する吊り上げ具であって、前記ク
レーンを結合するクレーン結合部と、互いに反対向きで
側方へ突出する二つの引掛部とを備え、前記両引掛部
は、互いに重合及び離間可能であるとともに、互いに離
間して両引掛部の突出幅が大きくなったときに前記吊り
上げ用アンカー金具に掛止するように構成された建物用
コンクリートパネルの吊り上げ具。
【0017】同吊り上げ具の態様としては、下端に引掛
部を有し上部にクレーン結合部を有する作用片の二つが
両引掛部を互いに反対向きにして合わせられてなり、両
クレーン結合部が重なったときに両引掛部が互いに離間
するように構成されたものを例示できる。この例によれ
ば、重なった両クレーン結合部にクレーンのフック等を
通して結合すれば、両作用片の動きが止まり、離間した
両引掛部が吊り上げ用アンカー金具に係合した状態に保
持することができる。
【0018】上記二つの作用片は、別体のものを単に合
わせるだけでもよいし、合わせてから引掛部より上部に
おいて互いに回動可能に軸着してもよい。回動可能に軸
着した場合は、二つの作用片に、両引掛部が適度に重な
ったときに前記回動を制止する回動制限機構が設けられ
ていることが好ましい。適度に重なった両引掛部を吊り
上げ用アンカー金具に係合させやすいからである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を床用又は屋根用A
LCパネルの敷き込み方法に具体化した実施形態例につ
いて、図1〜図9を参照して説明する。まず、同敷き込
み方法の概略を述べると(詳細は後述する)、吊り上げ
用アンカー金具10が吊り上げ具20をパネル上面から
係合可能に埋設されているALCパネル1を使用し、吊
り上げ用アンカー金具10に吊り上げ具20を着脱可能
に係合させるとともに該吊り上げ具20にクレーン30
を結合し、クレーン30によりALCパネル1を略水平
姿勢で吊り上げて躯体としての鉄骨梁40に略真上から
降ろすという作業を複数枚のALCパネル1について繰
り返すことにより、複数枚のALCパネル1を略水平姿
勢で且つ相対峙する小口面同志を近接させて鉄骨梁40
に敷き込む、というものである。
【0020】ALCパネル1は、型枠(図示略)に籠状
に作成した複数の補強鉄筋マット2を互いに間隔をおい
てセットしてからALC原料スラリーを注入して補強鉄
筋を埋設し、該スラリーが発泡及び半硬化してできたケ
ーキを補強鉄筋間で切断することにより複数枚のパネル
を形成した後、該パネルを養生する、という通常の製法
により製造されたものであるが、パネルの特定箇所に特
定構造のアンカー金具10を補強鉄筋マット2と共に埋
設する点においてこれまでのALCパネル1と相違して
いる。すなわち、ALCパネル1のパネル幅方向中央部
における3箇所には、吊り上げ用アンカー金具10がパ
ネル上面から係合可能に埋設されている。1箇所はパネ
ル重心にあり、他の2箇所はこのパネル重心を挟む略対
称位置に相離間して配されている。
【0021】吊り上げ用アンカー金具10は、図5
(a)(b)に示すように、被掛止板11と、その被掛
止板11を筒端に溶接固定している筒状部12と、その
筒状部12の下部に逆U字形に形成された鉄筋結合部1
3と、筒状部12の底部が開口して筒状部12と鉄筋結
合部13と連通する連通孔14とから成っている。被掛
止板11の中心には、後述する吊り上げ具20の引掛部
21が挿入される穴径6〜9mm・穴長2〜3mmで雌
ネジの無い被掛止穴11aが貫設され、該被掛止穴11
aの下側周囲は挿入された引掛部21が掛止する被掛止
面11bとなっている。筒状部12の内径は被掛止穴1
1aの穴径より大きい。
【0022】吊り上げ用アンカー金具10は、その鉄筋
結合部13が図4に示すように、補強鉄筋マット2の1
本の補強鉄筋2a(横鉄筋)に結合されている。すなわ
ち、補強鉄筋2aは鉄筋結合部13の開口部13aから
嵌め込まれて把持または狭持された状態で係止されてい
るとともに、鉄筋結合部13に対して溶接固定されてい
る。そして、吊り上げ用アンカー金具10は、一つで、
ALCパネル1の重量の3倍以上のアンカー耐力を有し
ている。
【0023】上記吊り上げ用アンカー金具10付きの補
強鉄筋マット2は、前述の通り型枠にセットされてAL
C原料スラリーが注入されるため、ALC原料スラリー
が被掛止穴11aから金具内に入らないように、図5
(b)に示すように、被掛止穴11aにはスポンジ材等
よりなる蓋15が接着される。そして、パネル製造後
に、図6に示すように、吊り上げ用アンカー金具10直
上のALCパネル1上面に凹部5が切削されて、蓋15
が除去される。
【0024】なお、鉄筋結合部13の形状は、前記逆U
字形に限定されず、例えば、図5(c)に示すような略
C字形、図5(d)に示すような開口部13aの両端部
が中側奥に折り曲げられたハの字形、又は図5(e)に
示すような2つに分離されるとともに開口向きの異なる
一対の略C字形等にしてもよく、これらの形状にした場
合、補強鉄筋2aへの溶接を省略することもできる。
【0025】前記筒状部12、鉄筋結合部13及び連通
孔14などは、中央部から下部に渡って連続して凹部が
形成されている同形の一対の鋼板16が相対して溶接に
よって接合されて形成されているので、製作コストを低
減できる。また、一対の鋼板16の所定位置にピンホー
ル18や小切欠き部(図示略)などを形成しておくと、
一対の鋼板16を正確に一致させることが容易になる。
さらに、鋼板16の横側端部を折り曲げて鋼板16同士
の接合面を塞ぐことにより、接合状態が不完全な場合で
もALC原料スラリーの侵入を防止できる。
【0026】また、連通孔14が設けられていると、ア
ンカー金具にメッキ処理する場合に、内側まで均一なメ
ッキ処理が可能となる。さらに、連通孔14が設けられ
ている場合、鉄筋結合部13の両端上部の鋼板16の外
側面にプレス部17をプレス加工すると、鉄筋結合部1
3が丸くなり補強鉄筋2aを隙間無く嵌合できる。
【0027】また、筒状部12の上部に外側へ凸部の段
差19が設けられているが、この段差19は、鋼板16
を特開平10−227098号公報のようなパネル取付
用のアンカー金具においても使用できるようにする(共
通部品にする)ためのもの、すなわちナットなどの雌ネ
ジ部材を落とし込んで固定できるようにするためのもの
であって、鋼板16を吊り上げ用アンカー金具としての
み使用する場合には不要である。
【0028】なお、筒状部12は、上記一対の鋼板16
によるものに限定されず、円管などの既成の筒状体を適
用しても良い。また、補強鉄筋2aに係止・固定する手
段は手動による係止・固定でも、自動固定でもよく、補
強鉄筋マット2の形成後でも前でもよい。固定は通常は
溶接によるが、かしめる方法でも良く、さらには鉄筋結
合部の構造によっては溶接固定を省いてもよい。また、
アンカー金具10の材質は、特に限定されないが、市販
の鋼板がコスト面で好適である。
【0029】吊り上げ具20は、下端に側方へ突出して
吊り上げ用アンカー金具10に掛止するフック状の引掛
部21を有し、上部にクレーン30のフック31を結合
する穴状のクレーン結合部22を有する作用片23の二
つが、両引掛部21を互いに反対向きにして合わせられ
るとともに、両引掛部21より上部の軸着部24におい
て回動可能に軸着されてなる。そして、両作用片23の
回動により両クレーン結合部22が両側方へ離れたとき
に、両引掛部21が互いに重合して両引掛部21の突出
幅(両突出端間の幅)が小さくなる一方、両クレーン結
合部22が重なったときに、両引掛部21が互いに離間
して両引掛部21の突出幅が大きくなり、吊り上げ用ア
ンカー金具10に掛止するように構成されている。
【0030】両作用片23における軸着部24とクレー
ン結合部22との間には、円弧状のガイド穴25が貫設
されると共に、両ガイド穴25に規制ピン26が挿通さ
れている。規制ピン26としてはボルトの頭部と該ボル
トに螺合したナットとで挟まれたボルトの軸部を例示す
ることができる。そして、図6(a)に示すように、両
クレーン結合部22が両側方へ離れて両引掛部21が適
度に重合したときに、規制ピン26が両ガイド穴25の
一方端に当たって作用片23の回動を制止し、図6
(b)に示すように、両クレーン結合部22が重なって
両引掛部21が適度に離間して両側方へ突出したとき
に、規制ピン26が両ガイド穴25の他方端に当たって
作用片23の回動を制止するようになっている。すなわ
ち、両ガイド穴25と規制ピン26とで回動制限機構が
構成されている。
【0031】なお、吊り上げ具20は、上記構成に限定
されず、例えばクレーン結合部22をC字状に形成して
もよい。また、両引掛部21が両側方へ適度に突出した
ときに両作用片23の回動を止める回動静止機構を設け
て、一方の作用片23のみにクレーン結合部22を設け
てもよい。また、二つの作用片23は、軸着部24で軸
着せずに、別体のものを両引掛部21を互いに反対向き
にして単に合わせただけでもよい。回動制限機構は省略
できる。このように単に合わせたものでも、重なった両
クレーン結合部22にクレーン30のフック31やロー
プ32等を通して結合すれば、両作用片23の動きが止
まる。
【0032】躯体としての鉄骨梁40の据付位置には取
付金物41が取着される。この取付金物41は断面伏せ
コ字状の鋼材からなり、その両側壁の上端部にはスリッ
ト42が切欠形成されている。このスリット42を鉄骨
梁40に嵌合すると、取付金物41はその天板43を鉄
骨梁40の上面に食い込ませて取着される。
【0033】なお、ALCパネル1のパネル長方向両端
部の上面には、前記取付穴44の真上に合致する目印3
が形成されているとともに、下面には、前記鉄骨梁40
の上面に食い込んだ天板43を逃がすための凹所4が形
成されている。
【0034】さて、以上のように構成された吊り上げ用
アンカー金具10埋設の床用又は屋根用ALCパネル1
と吊り上げ具20を使用して、該ALCパネル1を敷き
込む方法の詳細を工程順に説明する。
【0035】(1)鉄骨梁40の据付位置の近くに仮置
きステージ(図示略)を設置し、この仮置きステージに
複数枚(例えばロット単位)のALCパネル1をクレー
ン等で搬入し、水平姿勢で積み上げて仮置きする。
【0036】(2)ALCパネル1に埋設されたパネル
の吊り上げ用アンカー金具10に、パネル上面から吊り
上げ具20を着脱可能に係合させる。具体的には、図6
(a)に示すように、両引掛部21を重合させて先をつ
ぼませた状態で被掛止穴11aに挿入した後、図6
(b)に示すように、両引掛部21を離間させて両側方
へ突出させて被掛止面11bに掛止させる。このよう
に、吊り上げ用アンカー金具10と吊り上げ具20と
は、引掛部21と被掛止面11bとの掛止によりワンタ
ッチで係合させることができる。また、両ガイド穴25
と規制ピン26の回動制限機構により、両引掛部21の
適度な重合及び離間を容易に行うことができる。図1
は、パネル重心の1箇所の吊り上げ用アンカー金具10
に吊り上げ具20を係合させた例を示しており、重なっ
た両クレーン結合部22にクレーン30のフック31を
通して結合する。また、図2及び図3はパネル重心を挟
む2箇所の吊り上げ用アンカー金具10に吊り上げ具2
0を係合させた例を示しており、重なった両クレーン結
合部22にロープ32を通し、該ロープ32にクレーン
30のフック31を引掛けて結合する。
【0037】(3)図1及び図7に示すように、クレー
ン30によりALCパネル1を略水平姿勢で吊り上げて
鉄骨梁40の据付位置に略真上から降ろす。なお、鉄骨
梁40には取付金物41を下階から取着するが、その取
着時点は、ALCパネル1を鉄骨梁40に降ろす前でも
降ろした後でもよい。いずれの場合も、ALCパネル1
の凹所4が取付金物41の天板43を逃がす。
【0038】(4)図8に示すように、パネル上面の目
印3からALCパネル1にセルフドリリングスクリュー
6をねじ込み、さらに取付金物41に雌ネジ穴を切りな
がら螺合することにより、ALCパネル1を固定する。
【0039】(5)上記作業(1)〜(4)を複数枚の
ALCパネル1について繰り返すことにより、複数枚の
ALCパネル1を略水平姿勢で且つ相対峙する小口面
7,8同志を近接させて鉄骨梁40に敷き込む。
【0040】(6)隣り合うALCパネル1の短辺小口
面7同志のクリアランス及び長辺小口面8同志の目地部
に、バックアップ材35及び充填材36を充填する。
【0041】上記床用(又は屋根用)ALCパネル1の
敷き込み方法によれば、次の作用効果が得られる。 重量の大きいALCパネル1をクレーン30で吊り
上げるので、作業が楽になるとともに、高所での危険作
業ではあるが作業者が重いパネルを持たなくて済む分危
険性が減る。 ALCパネル1を降ろすときに、隣り合うALCパ
ネル1との小口面7,8同志の間隔を大き目にする必要
がないため、その後にバール等でALCパネル1をずら
す作業を省略又は減少させることができ、手間がかから
ないとともにパネル角部にクラック、欠け、粉落ち塔の
損傷が生じない。 上記小口面7,8同志間に作業者が手や指を挟む心
配が無く、たとえ外壁周辺部との取り合い部分に最端の
ALCパネルを降ろすときであっても問題は無い。 ALCパネル1を水平姿勢で鉄骨梁40の据付位置
に降ろすことができ、必ずパネル長手方向両端部が鉄骨
梁40に載るので、不測の事態を招くことがない。 吊り上げ用アンカー金具10と吊り上げ具20と
は、引掛部21と被掛止面11bとの掛止によりワンタ
ッチで係合させることができるので、効率的である。螺
合の場合のように、雌ネジにコンクリート粉が入って螺
合しにくいとか、雌ネジにグリースを塗る必要がある等
の問題は無い。
【0042】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸
脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
【0043】(1)取付金物41を断面Z字状のものに
変更し、鉄骨梁40の上面より低い取付金物41の受け
部位でALCパネル1を受け、鉄骨梁40の上面とAL
Cパネル1の上面とのレベル差を少なくする、いわゆる
「落とし込み工法」に本発明を適用すること。
【0044】(2)図9に示すように、吊り上げ用アン
カー金具10は壁用ALCパネル1に埋設することもで
き、この場合、吊り上げ用アンカー金具10は吊り上げ
具20をパネル小口面7(又は8)から係合可能に埋設
され、ALCパネル1は垂直姿勢で吊り上げられる。
【0045】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、建
物用コンクリートパネルの敷き込みを、パネルを損傷さ
せたり作業者が手や指を挟んだりすることなく、楽な作
業により安全、確実かつ効率的に行うことができる、と
いう優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る床用ALCパネルの敷
き込み方法を示す斜視図である。
【図2】同床用ALCパネルを吊り上げ具を使って吊り
上げたときの斜視図である。
【図3】図2の拡大斜視図である。
【図4】同床用ALCパネルの吊り上げ用アンカー金具
と埋設鉄筋の斜視図である。
【図5】(a)は同吊り上げ用アンカー金具の斜視図、
(b)は(a)の金具を中央で破断した斜視図、(c)
〜(e)はそれぞれ同金具の変更例の部分斜視図であ
る。
【図6】同床用ALCパネルの吊り上げ具を示し、
(a)は開いたときの正面図、(b)は閉じたときの正
面図、(c)は(b)の側面図である。
【図7】躯体に対する同床用ALCパネルの取付構造を
示す斜視図である。
【図8】(a)は躯体に同床用ALCパネルを取り付け
たときの平面図、(b)は(a)の側面図である。
【図9】変更例に係る壁用ALCパネルを吊り上げ具を
使って吊り上げたときの斜視図である。
【図10】従来の床用ALCパネルの敷き込み方法を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 ALCパネル 2 補強鉄筋マット 2a 補強鉄筋 7 短辺小口面 8 長辺小口面 10 吊り上げ用アンカー金具 11 被掛止板 11a 被掛止穴 11b 被掛止面 12 筒状部 13 鉄筋結合部 13a 開口部 20 吊り上げ具 21 引掛部 22 クレーン結合部 23 作用片 24 軸着部 25 ガイド穴 26 規制ピン 30 クレーン 31 フック 32 ロープ 40 鉄骨梁 41 取付金物

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吊り上げ用アンカー金具が吊り上げ具を
    パネル上面から係合可能に埋設されている床用又は屋根
    用のコンクリートパネルを使用し、前記吊り上げ用アン
    カー金具に吊り上げ具を着脱可能に係合させるとともに
    該吊り上げ具にクレーンを結合し、前記クレーンにより
    前記コンクリートパネルを略水平姿勢で吊り上げて躯体
    に略真上から降ろすという作業を複数枚のコンクリート
    パネルについて繰り返すことにより、前記複数枚のコン
    クリートパネルを略水平姿勢で且つ相対峙する小口面同
    志を近接させて躯体に敷き込むことを特徴とする建物用
    コンクリートパネルの敷き込み方法。
  2. 【請求項2】 前記吊り上げ用アンカー金具と吊り上げ
    具とは、両具に相対的に設けられた掛止部と被掛止部と
    の掛止によりワンタッチで係合させる請求項1記載の建
    物用コンクリートパネルの敷き込み方法。
  3. 【請求項3】 床用又は屋根用のコンクリートパネルで
    あって、少なくとも2箇所に吊り上げ用アンカー金具が
    パネル上面から係合可能に埋設された建物用コンクリー
    トパネル。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも2箇所は、パネル幅方向
    中央部に相離間して配されている請求項3記載の建物用
    コンクリートパネル。
  5. 【請求項5】 吊り上げ具の引掛部が挿入される被掛止
    穴とその挿入された引掛部が掛止する該被掛止穴の下側
    周囲の被掛止面とを備えた吊り上げ用アンカー金具が埋
    設された建物用コンクリートパネル。
  6. 【請求項6】 前記吊り上げ用アンカー金具は、コンク
    リートパネルに埋設された埋設鉄筋に結合されている請
    求項3、4又は5記載の建物用コンクリートパネル。
  7. 【請求項7】 建物用コンクリートパネルに埋設される
    とともに吊り上げ具を着脱可能に係合させる吊り上げ用
    アンカー金具であって、前記吊り上げ具の引掛部が挿入
    される被掛止穴と、挿入された引掛部が掛止する該被掛
    止穴の下側周囲の被掛止面とを備えた建物用コンクリー
    トパネルの吊り上げ用アンカー金具。
  8. 【請求項8】 建物用コンクリートパネルに埋設された
    吊り上げ用アンカー金具に着脱可能に係合させるととも
    にクレーンを結合する吊り上げ具であって、前記クレー
    ンを結合するクレーン結合部と、互いに反対向きで側方
    へ突出する二つの引掛部とを備え、前記両引掛部は、互
    いに重合及び離間可能であるとともに、互いに離間して
    両引掛部の突出幅が大きくなったときに前記吊り上げ用
    アンカー金具に掛止するように構成された建物用コンク
    リートパネルの吊り上げ具。
  9. 【請求項9】 前記吊り上げ具は、下端に前記引掛部を
    有し上部に前記クレーン結合部を有する作用片の二つが
    両引掛部を互いに反対向きにして合わせられてなり、両
    クレーン結合部が重なったときに両引掛部が互いに離間
    するように構成された請求項8記載の建物用コンクリー
    トパネルの吊り上げ具。
  10. 【請求項10】 前記二つの作用片が、前記引掛部より
    上部において互いに回動可能に軸着された請求項9記載
    の建物用コンクリートパネルの吊り上げ具。
  11. 【請求項11】 前記二つの作用片に、前記両引掛部が
    適度に重なったときに前記回動を制止する回動制限機構
    が設けられた請求項10記載の建物用コンクリートパネ
    ルの吊り上げ具。
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