JP2001107258A - 無電解銅めっき方法とめっき装置および多層配線基板 - Google Patents
無電解銅めっき方法とめっき装置および多層配線基板Info
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Abstract
イオン、銅イオン還元剤の酸化体イオンと云っためっき
妨害イオンを除去し、無電解銅めっき液中の塩濃度を一
定値以下に保ってめっきする無電解銅めっき方法とその
装置および用途を提供。 【解決手段】銅イオン源としての硫酸銅、銅イオンの錯
化剤、銅イオン還元剤としてグリオキシル酸を用い、p
H調整剤を含むめっき液を用いた無電解銅めっき方法に
おいて、無電解銅めっき液中に蓄積する硫酸イオンおよ
び蓚酸イオンを、アルカリ土類金属塩として沈殿,除去
し、めっき液中の硫酸イオンおよび蓚酸イオンの少なく
とも一方の濃度を所望の値に保ちながら、無電解銅めっ
きすることを特徴とする無電解銅めっき方法とその装置
および用途。
Description
おけるめっき液中の副生成物イオン低濃度化とその蓄積
を抑制してめっきする無電解銅めっき方法とその装置お
よび用途に関する。
イオンの錯化剤、銅イオンの還元剤、および、pH調整
剤を含んでおり、無電解銅めっきを連続して行うために
は、これらを補給する必要がある。しかしこの補給に伴
い銅イオンの対陰イオン、銅イオン還元剤の酸化体イオ
ン、pH調整剤の陽イオンがめっき液中に蓄積する。
性、特に、めっき膜の伸び率が低下し、信頼性が低下す
ると云う問題が生じる。また、めっき液の安定性も低下
し、異常析出や自己分解の原因となる。
い使用期間でめっき液を更新したり、劣化しためっき液
に新しいめっき液を連続的に加え、めっき液中の塩濃度
を一定値以下に保つ方法がとられてきた。しかし、こう
した方法では、高価な銅めっき液を大量に必要とし、か
つ、廃液の処理に膨大な労力と費用を要し問題となって
いる。
的に除去する方法が特開昭56−136967号公報に
記載されているが、電気透析法では透析の最適pHに合
わせるため、煩雑な操作が必要となる。また、めっき妨
害イオンのみを選択透過させるイオン選択膜は機械的強
度が弱いため保守管理が困難で、かつ、高価であると云
う問題がある。
は、無電解めっき液を構成する成分で、金属イオン還元
剤とpH調整剤の組み合わせを、金属イオン還元剤の酸
化体イオンとpH調整剤の陽イオンとが難溶性塩を生じ
るように組み合わせることで、金属イオン還元剤の酸化
体イオンが、該めっき液中に蓄積するのを防止すると云
うめっき方法を開示している。
オンの蓄積防止にはならず、金属イオンの対陰イオンの
蓄積によりめっき特性が劣化してしまう。金属イオンの
対陰イオンについては、銅めっきの場合、酸化銅あるい
は水酸化銅を用いると対陰イオンの蓄積が起こらず、め
っき液の特性劣化を回避できると記されている。しか
し、この場合、酸化銅あるいは水酸化銅の溶解性が問題
となる。
が、この酸化銅粒子や水酸化銅粒子がめっき液中に溶解
しきれないと、その粒子を核にめっきが析出し、異常析
出や自己分解の原因となる。さらに、酸化銅や水酸化銅
は、通常使用している硫酸銅に比べ高価であると云う問
題もあり、実用に至っていないのが現状である。
は、無電解めっき液中に発生する過剰な硫酸根を、水酸
化バリウムを添加して硫酸バリウムとして除去する方法
を開示している。しかし、この方法では、銅イオン還元
剤としてホルマリン(35%ホルムアルデヒド水溶液)
を使用しているため、銅イオン還元剤の酸化体イオンの
蓄積は防止できない。ホルマリンを使用した場合の銅イ
オン還元剤の酸化体イオンとはぎ酸イオンであり、ぎ酸
バリウムの溶解度は大きいため、沈殿を生成せず、回収
することができないのである。
する際に、めっき液中への空気吹き込みを行っていな
い。水酸化バリウムはアルカリ性を示し、これをめっき
液中に添加した場合、めっき液のpHは高くなる。無電
解銅めっきではpHが高くなりすぎるとめっき液が不安
定となり、所望の場所以外に銅が析出する異常析出が生
じる。この異常析出はプリント配線板等においてはショ
ートの原因となり、製品の歩留まりを低下させたり、め
っき槽の壁面に析出し、作業性を著しく悪化させると云
う問題がある。
に伴い消費される銅イオン、銅イオンの還元剤、pH調
整剤は、めっき槽に直接加えるように設計されているの
が通常である。しかし、難溶性塩の固体粒子がめっき液
中に浮遊することになり、この固体粒子が基板に付着す
ると異常析出の原因となり問題となっていた。
ーホール内に付着した場合には、スルーホールの一部に
めっきが析出せず、導通不良の原因となるスルーホール
ボイドが発生し、問題となっていた。
的に行うと、銅イオンの対陰イオンおよび銅イオン還元
剤の酸化体イオンと云う副生成物イオンが蓄積する。こ
の副生成物イオンの蓄積は正常なめっき膜を形成する無
電解銅めっき反応を妨害し、めっき膜の品質低下をもた
らす。これはめっき膜の機械的物性の低下のみではな
く、同時に不必要部に金属が析出する異常析出現象を伴
う。しかし、現在までのところ、これらめっき妨害イオ
ンの蓄積を防止する無電解銅めっき方法、あるいは、蓄
積しためっき妨害イオンを除去し、めっき液を再生する
有効な方法は知られていない。
解銅めっき液中に蓄積する銅イオンの対陰イオン、銅イ
オン還元剤の酸化体イオンと云っためっき妨害イオンを
除去し、無電解銅めっき液中の塩濃度を一定値以下に保
ってめっきする方法、並びに、それを実現するためのめ
っき装置および用途を提供することにある。
明の要旨は次のとおりである。
オンの錯化剤、銅イオン還元剤またはその還元剤として
グリオキシル酸、および、pH調整剤を含むめっき液を
用いた無電解銅めっき方法において、アルカリ土類金属
の水酸化物を前記pH調整剤として用い、無電解銅めっ
き液中に蓄積する硫酸イオンを、前記アルカリ土類金属
塩として沈殿,除去し、前者の還元剤のときめっき液中
の硫酸イオン濃度または後者の還元剤のとき蓚酸イオン
濃度の少なくとも一方の濃度を測定し、所望の濃度、好
ましくは硫酸イオン濃度を0.1mol/l以下、およ
び、蓚酸イオン濃度を0.2mol/l以下に保ちなが
ら、無電解銅めっきすることを特徴とする。
オンの錯化剤、銅イオン還元剤または還元剤としてグリ
オキシル酸、および、pH調整剤を含むめっき液を用い
た無電解銅めっき方法において、アルカリ土類金属,ア
ルカリ土類金属の酸化物,アルカリ土類金属の水酸化
物,アルカリ土類金属塩(但し、硫酸塩を除く)の少な
くとも1つをめっき液中に添加し、硫酸イオンをアルカ
リ土類金属塩として沈殿,除去し、前者の還元剤を用い
たときめっき液中の硫酸イオン濃度、または、後者の還
元剤を用いたとき蓚酸イオン濃度の少なくとも一方を測
定し、所望の濃度、好ましくは硫酸イオン濃度を0.1
mol/l以下、および、蓚酸イオン濃度を0.2mo
l/l以下に保ちながら無電解銅めっきすることを特徴
とする。
オンの錯化剤、銅イオン還元剤またはその還元剤として
グリオキシル酸、および、pH調整剤を含むめっき液を
用いて無電解銅めっきを行うめっき装置において、無電
解銅めっき槽と、前記めっき液にアルカリ土類金属,ア
ルカリ土類金属の水酸化物,アルカリ土類金属の酸化
物,アルカリ土類金属塩(但し、硫酸塩を除く)の少な
くとも1種を添加し、前記めっき液中の硫酸イオンまた
は後者の還元剤を用いた場合更に蓚酸イオンをアルカリ
土類金属塩として沈殿させる反応槽と、沈殿した前記金
属塩をろ過するろ過装置と、前者の還元剤を用いた場合
硫酸イオン濃度、または、後者の還元剤を用いた場合蓚
酸イオン濃度の少なくとも一方を測定する硫酸イオンお
よび蓚酸イオンの濃度測定手段と、該測定された硫酸イ
オンまたは蓚酸イオンとの少なくとも一方の濃度を基準
値と比較した値に応じて前記アルカリ土類金属,アルカ
リ土類金属の水酸化物,アルカリ土類金属の酸化物,ア
ルカリ土類金属塩(但し、硫酸塩を除く)の添加量を調
整する調整手段を備えたことを特徴とする。
剤およびpH調整剤を含むめっき液を用いて無電解めっ
きを行なうめっき装置において、無電解めっき槽と、前
記めっき液に金属または金属を含む化合物を添加し、前
記無電解めっきによって形成される金属の生成を抑制す
るイオンを金属塩として前記めっき液中に沈殿させる反
応槽と、沈殿した前記金属塩をろ過する限外ろ過装置と
を備えたことを特徴とする。
式の限外ろ過装置、または、フィルタープレス方式の限
外ろ過装置が好ましい。
接着され、前記絶縁層を介した導体配線層間を前記絶縁
層に形成されたスルーホール内、または、片側閉塞型の
ビアホール内に無電解銅めっきにより充填された銅によ
り電気的に接続した多層配線基板において、前記無電解
銅めっきを前記の無電解銅めっき方法によるり形成され
たものであることを特徴とする。
子が1つ以上搭載されていることを特徴とするモジュー
ルにある。
っき温度以下の温度で飽和させて沈澱を生じさせ、該沈
澱物を除去することにより行うことができる。また、沈
澱の生成はめっき液を濃縮することにより行ってもよ
い。
っき液中に所定量の硫酸イオンおよび銅イオン還元剤の
酸化体イオンが蓄積した後に、めっき処理を停止して行
うか、あるいは、めっき処理と並行してめっき液を循環
させて行ってもよい。
としてグリオキシル酸を用いた場合について簡単に述べ
る。
オンが蓄積する。銅イオンの還元剤としてグリオキシル
酸を用いた場合、グリオキシル酸はめっき液中ではグリ
オキサレートイオンの形で存在し、下式の反応により酸
化体イオンである蓚酸イオンを生じる。
~+2H2O+H2 これらの副生成物イオン濃度としては、硫酸イオンは
0.1mol/l、蓚酸イオンは0.2mol/lを超え
るとめっき液の特性は劣化してくる。これは、めっき浴
負荷1dm2/lでめっきした場合、めっき膜厚30〜
60μmでその濃度を超えてくる。
れば、硫酸カルシウムの溶解度は60℃で水100gに
対し約0.15gと非常に小さいため、硫酸イオン濃度
は約0.01mol/l以下の低濃度になる。
で、水100gに対し0.001gと非常に小さいた
め、蓚酸濃度は約7×10~6mol/l以下の低濃度に
なる。硫酸イオン濃度が0.01mol/l以下であ
り、蓚酸イオン濃度が7×10~6mol/l以下である
場合には、めっき特性は良好であり、延性に富んだめっ
き膜が得られる。
生せず、めっき液の安定性も良好である。カルシウムの
めっき液中への導入方法としては、pH調整剤として使
用する他に、カルシウム粉末、酢酸カルシウム、炭酸カ
ルシウム、塩化カルシウム、酸化カルシウム等を用いる
ことができる。
合も同様である。硫酸バリウムの溶解度は50℃で水1
00gに対し、0.0036gであり、硫酸バリウムの
沈殿を生じさせることで、めっき液中の硫酸イオン濃度
は約1.5×10~4mol/l以下に抑制できる。ま
た、蓚酸バリウムの溶解度は60℃で水100gに対し
0.00175gであるので、めっき液中の蓚酸イオン
濃度は7.9×10~5mol/l以下にできる。
オンを除去するに際しては、めっき液中に空気を吹き込
みながら行うことが必要である。特に、これらの物質の
中で、カルシウムの水酸化物、バリウムの水酸化物、カ
ルシウム粉末、バリウム粉末等、水溶液にしたときアル
カリ性を示し、めっき液のpHを上昇させる物質を添加
する場合には、これら物質を添加する槽中に空気を吹き
込みながら行う必要がある。
置は無電解銅めっき液(以下、銅めっき液と云う)の錯
形成剤を選ばない。即ち、銅イオンと安定な錯体を形成
できれば何れでもよく、エチレンジアミン四酢酸(ED
TA)、ロッシェル塩、ニトリロ三酢酸(NTA)、ニ
トリロ三プロピオン酸(NTP)、エチレンジアミン二
酢酸(EDDA)、エチレンジアミンプロピオン酸二塩
酸塩(EDDP)、イミノ二酢酸(IDA)、trans−
1,2−Diaminocyclohexane−N,N,N'N'−tetraace
tic acid(CyDTA)、ジアミノプロパノール四酢酸
(DPTA−OH)、エチレンジアミン二酢酸(EDD
A)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、D
iethylenetriamine−N,N,N',N'',N''−pentaaceti
c acid(DTPA)、ジヒドロキシエチルグリシン(D
HEG)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(EDT
A−OH)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GE
DTA)、ニトリロ三プロピオン酸(NTP)、ジアミ
ノプロパン四酢酸(Methyl−EDTA)、ヒドロ
キシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、エチレンジアミ
ンテトラキス(メチレンスルホン酸)(EDTPO)等
いずれでも適用である。以上のように、硫酸イオンおよ
び蓚酸イオンは、難溶性塩を生じさせることで、銅めっ
き液中への蓄積を防止でき、長期間にわたって良好なめ
っき特性を維持できるようになる。このような効果を発
揮させるめっき装置のフローシートを図1に示した。
処理はめっき槽1で行う。銅めっき液は循環されてお
り、循環経路2は、ろ過塔3(ゴミ等の浮遊異物、ある
いは、めっき中に生じた固体の硫酸バリウム,蓚酸バリ
ウム等を除く)を経由する。また、銅めっき液の一部は
反応槽(4)に移送され、ここで、めっき反応により消
費された銅イオン、銅イオン還元剤、pH調整剤を銅め
っき液中に補給する。
っき槽へ再び戻された時、めっき槽中の銅めっき液の成
分濃度が所望の濃度になるように調整するため、必然的
に反応槽中の銅めっき液の銅イオン、銅イオン還元剤、
pH調整剤の濃度は、めっき槽中にある銅めっき液のそ
れらの濃度よりも高くなる。従って、pH調整剤として
水酸化カルシウムや水酸化バリウムを用いた場合には、
除去しようとしている硫酸イオンおよび蓚酸イオンの難
溶性塩は、めっき槽中よりも反応槽中で先に飽和に達
し、沈殿が生じてくる。また、反応槽中では成分濃度が
高くなるため、銅めっき液が不安定になる場合がある。
ため、ガス供給ライン5より反応槽中に空気等の酸素含
有ガスを吹き込む必要がある。また、液温度を下げるこ
とにより、硫酸塩や蓚酸塩の溶解度が低下する組み合わ
せでは、沈殿生成の効率を向上させるため、反応槽中の
銅めっき液を冷却するとよい。
た銅めっき液を反応槽中に移送してもよいし、反応槽そ
のものを冷却してもよい。この場合、めっき槽に戻す銅
めっき液は、所望の銅めっき液温度に上昇さた後、めっ
き槽中に戻した方がよいため反応槽から出た銅めっき液
は、加熱用の熱交換器7を経由し、めっき槽に戻す。
度、pHは濃度分析装置8により測定する。測定値が、
所望の濃度になるように各補給薬品の補給量を補給ポン
プ9,10,11を用いて制御する。硫酸イオン、蓚酸
イオンの測定はクロマトグラフにより測定することがで
きる。なお、測定はめっき槽からめっき液を汲み出して
行なう。クロマトグラフ以外では、キャピラリー電気泳
動分析装置でも測定は可能である。
H調整剤を補給した銅めっき液は、限外ろ過装置12に
送液する。限外ろ過装置12では、限外ろ過膜を介し、
反応槽から送られた銅めっき液の外側を、めっき槽から
送られた銅めっき液が流れている。これはクロスフロー
方式の限外ろ過装置であり、その原理概略図を図2に示
した。
ろ過装置の特徴である微粒子は透過させないが、イオン
や低分子の有機物は透過させる性質を利用して系外に分
離,排出することができる。即ち、限外ろ過膜を透過し
たイオン成分のみめっき槽に戻すことで、連続的に固形
分を除去できる。
っき液が平行方向に流れているので、微粒子は膜表面を
滑るように流れ、膜に詰まりにくい。膜を透過したろ過
液のみをめっき槽に戻すことで、銅めっき液中に晶析し
た微粒子が銅めっき液中へ混入することを回避できる。
なお、ろ過膜のポアーサイズとしては0.5μm以下、
好ましくは0.1μm以下がよい。
塩、蓚酸塩の結晶成分が、めっき槽中に混入するのを防
止できればよく、特にフィルタープレス方式や、クロス
フロー方式等が好適である。
ンおよび蓚酸イオンの濃度を低く保ったまま、長時間に
わたり無電解銅めっき(以下、銅めっきと云う)処理が
可能になる。
等、難溶性塩を生じない化合物を用いた場合でも、反応
槽中にカルシウムおよび/またはバリウムの単体、カル
シウムおよび/またはバリウムの炭酸塩,酢酸塩,酸化
物,塩化物等を混入させても同様な方法と装置を用いて
目的は達成できる。
酸バリウムを用いた場合には、銅めっき液中に炭酸イオ
ンが蓄積する。酢酸カルシウムおよび/または酢酸バリ
ウムを用いた場合には酢酸イオンが蓄積する。同様に塩
化カルシウムおよび/または塩化バリウムを用いた場合
には塩化物イオンが銅めっき液中に蓄積する。
はバリウム塩を用いる場合には、それら蓄積塩がめっき
特性に悪影響を及ぼさない範囲で使用する必要があり、
蓄積塩の影響は予め評価しておく必要がある。
ム,カルシウム,バリウム,酸化カルシウム,酸化バリ
ウムを用いる場合には、銅めっき液中への蓄積イオンが
無いため、めっき特性は最も長期にわたり安定となり好
ましい。
カルシウムおよび/または水酸化バリウムを用いる場合
でも、pH調整剤として水酸化カリウムを用いることは
可能であり、このような使い分けを行った場合でも、本
発明の目的は達成可能である。
自身の溶解度が小さい化合物を用いる場合には、水溶液
ではなくスラリー状で用いた方がよい場合がある。スラ
リーを使用する場合の反応槽への補給方法としては、ス
ラリーポンプを用いるのが一般的な方法である。
硫酸銅、銅イオン還元剤としてグリオキシル酸を用い、
pH調整剤として水酸化バリウムを用いて銅めっきを行
った。この場合、水酸化バリウムの溶解度はあまり大き
くないため錯形成剤のEDTAは4Na塩を用いた。
示す。
に適宜調整する。
ン形成を行い、銅の異常析出の有無からめっき液の安定
性、および、めっき膜品質を評価した。試験基板の作成
法は以下に示す。また、めっき膜の物性も同時に評価し
た。
ス布入りポリイミド樹脂積層板の両面に、アクリロニト
リルブタジエンゴム変性フェノール樹脂を主成分とする
接着剤を塗布した後、160℃で10分間加熱して硬化
し、厚さ約30μmの接着剤層付きの積層板を得た。次
いで、必要箇所にドリルにより孔を穿けた後、無水クロ
ム酸および塩酸を含む粗化液に浸漬して接着剤表面を粗
化した。
ジウムコロイド触媒溶液〔日立化成工業(株)製、増感
剤HS101Bを含む酸性水溶液〕に10分間浸漬し、
水洗を行った後、希塩酸を主成分とする促進処理液で5
分間処理し、水洗後、120℃で20分間乾燥した。
フィルムフォトレジストSR−3000(日立化成工業
製)をラミネートし、幅60μmの配線を有する試験パ
ターンのマスクを用いて露光,現像を行い、基板表面の
パターン部以外をレジストによって被覆した。
ステンレス板をめっき液中に浸漬し、液温70℃、負荷
1dm2/lで銅めっきを施した。
2分間浸漬し、次いで上記のパラジウムコロイド溶液に
10分間浸漬した後、水洗して用いた。めっき中は、常
時、空気を吹き込んでめっき液を撹拌した。めっき中、
銅イオン濃度、グリオキシル酸(銅イオン還元剤)濃度
およびpHが一定になるように随時、補給液を補給し
た。該補給液を以下に示す。
の厚さにめっきすることを、めっき1回とした。各回が
終了する毎に、ステンレス板よりめっき皮膜を剥離し
て、1.25cm×10cmの大きさに切断し、めっき
皮膜の機械的強度を通常の引っ張り試験機で測定した。
蓚酸バリウム等の沈殿は、めっき液を循環ろ過し、除去
しながらめっきを行った。また、めっき液は各回のめっ
き終了後、一旦室温(25℃)に戻し、硫酸バリウムお
よび蓚酸バリウムの沈殿を濾過した後、次回のめっきを
行った。濾過した後のめっき液中の硫酸イオン濃度およ
び蓚酸イオン濃度はクロマトグラフにより定量した。測
定結果を表1に示す。
オン濃度は、各回のめっき終了後、濾過を行った後の測
定結果である。
濃度は1.5×10~4mol/l以下、蓚酸イオン濃度
は7.9×10~5mol/l以下の低濃度に抑制できて
いた。また、めっき膜の伸び率は6%以上であり、めっ
き回数の増加による著しい伸び率の低下は認められなか
った。さらに、目視観察の結果、試験基板上やめっき
槽、配管経路等への異常析出は認められず、7回の繰り
返しめっき後もめっき液の安定性は極めて良好であっ
た。
および蓚酸イオンの蓄積が抑制できることを確認した。
これは、水酸化バリウムをpH調整剤として用いること
で、硫酸イオンおよび蓚酸イオンは硫酸バリウム,蓚酸
バリウムとして沈殿してくる。この沈殿をろ過し除去す
ることで上記イオンの蓄積を防止できる。
0.1mol/l以下、蓚酸イオン濃度を0.2mol/
l以下に保ってめっきすることで、長期間良好なめっき
特性を維持することができた。
ったが、pH調整剤として水酸化バリウムの代わりに水
酸化カルシウムを用いた。水酸化カルシウムの溶解度は
約1.7g/lと小さいため、水溶液として用いるのは
困難である。そこで、結晶状態の水酸化カルシウムを微
細化し、純水を加えスラリーとして用いた。
面積が増え、溶解度が小さくても硫酸イオン、蓚酸イオ
ンの回収が可能となる。しかしこの場合、回収効率が水
酸化カルシウム粉末の微細化の程度や、反応させるめっ
き液の攪拌の程度により異なってくるので、予め、最適
化しておく必要がある。
め、めっき液中に多量の結晶が浮遊することになるの
で、ここではめっき槽中に直接スラリーを混入せず、め
っき槽とは別に設けた反応槽中でスラリーとめっき液を
混合し、限外ろ過により結晶成分を除去した後、めっき
槽にめっき液を戻すろ過方式を適用した。
回のめっきを行った後でも、硫酸イオン濃度は0.01
mol/l以下、蓚酸イオン濃度は7×10~6mol/
l以下の低濃度に抑制することができた。
り、めっき回数の増加による著しい伸び率の低下は認め
られなかった。さらに、目視観察の結果、試験基板上や
めっき槽、配管経路等への異常析出は認められず、7回
の繰り返しめっき後もめっき液の安定性は良好であっ
た。
銅イオン還元剤としてホルムアルデヒドを用い、pH調
整剤として水酸化バリウムを用いて銅めっきを行った。
この場合、ホルムアルデヒドの酸化体イオンはぎ酸であ
り、ぎ酸イオンは沈殿として除去できない条件である。
めっき液の組成およびめっき条件を以下に示す。
に適宜調整する。
用いてめっき膜の物性、異常析出、めっき液中の塩濃度
を測定した。但し、銅イオン還元剤の補給には、37%
ホルムアルデヒド水溶液を用いた。
中の硫酸イオン濃度は、各回のめっき終了後の濾過を行
った後の測定結果である。7回のめっきを行った後で
も、硫酸イオン濃度は1.5×10~4mol/l以下の
低濃度に抑制できた。
き1回目の半分以下に低下したが、全く信頼性が確保で
きないような脆弱なめっき膜にはならなかった。さら
に、目視観察の結果、5回の繰り返しめっきまでは試験
基板上やめっき槽、配管経路等への異常析出は認められ
ず、めっき液の安定性は良好であった。6回目、7回目
のめっきでは試験基板上およびめっき槽に若干の異常析
出が見受けられたが、基板配線のショートに至るような
不良は発生しなかった。
および、補給に用いたpH調整剤を水酸化カルシウムと
した以外は全て実施例3と同様な銅めっき液を用いて検
討を行った。但し、水酸化カルシウムの溶解度が小さい
ため、めっき液への補給は水溶液ではなく、実施例2と
同様にスラリーで行った。
った後でも、硫酸イオン濃度は0.01mol/l以下
の低濃度に抑制できた。また、めっき膜の伸び率は約3
%と、めっき1回目の半分以下に低下したが、全く信頼
性が確保できないような脆弱なめっき膜にはならなかっ
た。
めっきまでは試験基板上やめっき槽、配管経路等への異
常析出は認められず、めっき液の安定性は良好であっ
た。6回目、7回目のめっきでは試験基板上、めっき槽
に若干の異常析出が見受けられたが、基板の配線がショ
ートに至るような不良は発生しなかった。
銅イオン還元剤としてグリオキシル酸を用い、めっき液
建浴時のpH調整剤として、水酸化カリウムを用いて銅
めっき液を調製した。
に適宜調整する。
キシル酸濃度、pHが低下するが、銅イオン濃度、グリ
オキシル酸(銅イオン還元剤)濃度およびpHが一定に
なるように以下に示す補給液を随時補給した。
ウムを用いたが、pHを一定に保つ補給液としては水酸
化バリウム水溶液を用いた。
硫酸イオン濃度は1.5×10~4mol/l以下、蓚酸
イオン濃度は7.9×10~5mol/l以下の低濃度に
抑制できていた。また、めっき膜の伸び率は6%以上で
あり、めっき回数の増加による著しい伸び率の低下は認
められなかった。さらに、目視観察の結果、試験基板上
やめっき槽、配管経路等への異常析出は認められず、7
回の繰り返しめっき後もめっき液の安定性は良好であっ
た。
銅イオン還元剤としてグリオキシル酸を用い、pH調整
剤として水酸化カリウムを用いて銅めっきを行った。め
っき液の組成およびめっき条件を以下に示す。
に適宜調整する。
図によりめっきを行った。即ち、銅めっき処理はめっき
槽1で行った。めっき液は循環されており、循環経路2
はろ過塔3を経由させた。また、めっき液の一部を反応
槽4に移送し、ここで、めっき反応により消費された銅
イオン、銅イオン還元剤、pH調整剤をめっき液中に補
給した。これら補給液の組成を以下に示す。
溶性塩を生じるカルシウムをカルシウム粉末で加えた。
この時、カルシウム粉末の添加によりめっき液のpHは
増加するので、それを加味してpH調整剤を加えた。ま
た、溶解時に多量の熱を発生するので、溶解作業には注
意する必要がある。
が発熱するので、蓚酸塩の沈殿を効率よく生じさせて回
収除去するために、反応槽は冷却した。
ウム、蓚酸カルシウム、および、カルシウム粉末の未溶
解分の固形物が発生した。これらの固形分を限外ろ過装
置5により除去した後、所定の銅イオン濃度、グリオキ
シル酸濃度、pHに調整しためっき液をめっき槽1に移
送した。
酸イオン濃度、蓚酸イオン濃度、めっき膜伸び率、異常
析出を評価した結果を表1示した。
オン濃度は、各回のめっき終了後の測定結果である。7
回のめっきを行った後でも、硫酸イオン濃度は0.01
mol/l以下、蓚酸イオン濃度は7×10~6mol/
l以下の低濃度に抑制できていた。
り、めっき回数の増加による著しい伸び率の低下は認め
られなかった。さらに、目視観察の結果、試験基板上や
めっき槽、配管経路等への異常析出は認められず、7回
の繰り返しめっき後もめっき液の安定性は極めて良好で
あった。
ルシウムを添加したが、ここではカルシウム粉末の代わ
りに酸化バリウムを添加して、硫酸塩および蓚酸塩の沈
殿を除去した。なお、試験方法は実施例6と同様して行
なった。
の硫酸イオン濃度は1.5×10~4mol/l以下、蓚
酸イオン濃度は7.9×10~5mol/l以下の低濃度
に抑制できていた。また、めっき膜の伸び率は6%以上
であり、めっき回数の増加による著しい伸び率の低下は
認められなかった。さらに、目視観察の結果、試験基板
上やめっき槽、配管経路等への異常析出は認められず、
7回の繰り返しめっき後もめっき液の安定性は良好であ
った。
ルシウムを添加したが、ここではカルシウム粉末の代わ
りに炭酸バリウムを添加して、硫酸塩および蓚酸塩の沈
殿を除去した。なお、試験方法は実施例6と同様にして
行なった。
の硫酸イオン濃度は1.5×10 ̄4mol/l以下、
蓚酸イオン濃度は7.9×10~5mol/l以下の低濃
度に抑制できていた。また、めっき膜の伸び率は6%以
上であり、めっき回数の増加による著しい伸び率の低下
は認められなかった。
り、めっき速度の低下が見られた。さらに、目視観察の
結果、7回の繰り返しめっき後もめっき液の安定性は良
好であったが、試験基板上に若干の異常析出が認められ
た。
オンと難溶性塩を生じさせるために、めっき液中に添加
するバリウム化合物は、それ自身めっき液中にイオンを
蓄積させない酸化物、水酸化物、あるいはバリウム単体
で添加する方法が最も優れていることが分かった。
場合には、めっき液中への硫酸イオンおよび蓚酸イオン
の蓄積は抑制できたが、炭酸イオン蓄積による若干の弊
害が認められた。しかし、その時のめっき特性は本実施
例を使用しない場合に比べれば良好であり、めっき液中
の硫酸イオン濃度を0.1mol/l以下、蓚酸イオン
濃度を0.2mol/l以下に保ってめっきすること
で、長期間良好なめっき特性を維持することができると
いう、本実施例の効果が確認できた。
ルシウムを添加したが、ここではカルシウム粉末の代わ
りに酢酸バリウムを添加して、硫酸塩および蓚酸塩の沈
殿を除去した。なお、試験方法は実施例6と同様にして
行なった。
の硫酸イオン濃度は1.5×10~4mol/l以下、蓚
酸イオン濃度は7.9×10~5mol/l以下の低濃度
に抑制できていた。めっき膜の伸び率は3%以上であっ
たが、水酸化バリウムを用いた場合に比べ若干劣ってい
た。また、目視観察の結果、7回の繰り返しめっき後も
めっき液の安定性は良好であったが、試験基板上に若干
の異常析出が認められた。これらはめっき液中に酢酸イ
オンが蓄積したためであると考えられる。
場合には、めっき液中への硫酸イオンおよび蓚酸イオン
の蓄積は抑制できたが、酢酸イオン蓄積による若干の弊
害が認められた。しかし、その時のめっき特性は本実施
例を使用しない場合に比べれば良好であり、めっき液中
の硫酸イオン濃度を0.1mol/l以下、蓚酸イオン
濃度を0.2mol/l以下に保ってめっきすること
で、長期間良好なめっき特性を維持することができるこ
とを確認した。
カルシウムを添加したが、ここではカルシウム粉末の代
わりに塩化バリウムを添加して、硫酸塩および蓚酸塩の
沈殿を除去した。なお、試験方法は実施例6と同様に検
討した。
の硫酸イオン濃度は1.5×10~4mol/l以下、蓚
酸イオン濃度は7.9×10~5mol/l以下の低濃度
に抑制できていた。めっき膜の伸び率は3%以上であっ
たが、水酸化バリウムを用いた場合に比べ若干劣ってい
た。また、目視観察の結果、7回の繰り返しめっき後も
めっき液の安定性は良好であったが、試験基板上に若干
の異常析出が認められた。これらはめっき液中に塩化物
イオンが蓄積したためと考える。
難溶性塩を生じさせるために、めっき液中に添加するバ
リウム化合物は、それ自身めっき液中にイオンを蓄積さ
せない水酸化物,酸化物、あるいは、バリウム単体で添
加する方法が最も優れていることが分かった。
場合には、めっき液中への硫酸イオンおよび蓚酸イオン
の蓄積は抑制できたが、塩化物イオン蓄積による若干の
弊害が認められた。しかし、その時のめっき特性は本実
施例を使用しない場合に比べて良好であり、めっき液中
の硫酸イオン濃度を0.1mol/l以下、蓚酸イオン
濃度を0.2mol/l以下に保ってめっきすること
で、長期間良好なめっき特性を維持することができるこ
とを確認した。
シウムを、バリウムとした以外は全て実施例6と同様に
行なった。
中の硫酸イオン濃度は1.5×10~4mol/l以下、
蓚酸イオン濃度は7.9×10~5mol/l以下の低濃
度に抑制できていた。また、めっき膜の伸び率は6%以
上であり、めっき回数の増加による著しい伸び率の低下
は認められなかった。さらに、目視観察の結果、試験基
板上やめっき槽、配管経路等への異常析出は認められ
ず、7回の繰り返しめっき後も銅めっき液の安定性は良
好であった。
銅、銅イオン還元剤としてホルムアルデヒドを用い、p
H調整剤として水酸化カリウムを用いて無電解銅めっき
を行った。この場合、ホルムアルデヒドの酸化体イオン
はぎ酸であり、ぎ酸イオンは沈殿として除去できない条
件である。銅めっき液の組成およびめっき条件を以下に
示す。
に適宜調整する。
方法を用い、図1に示しためっきのフローにより銅めっ
きを行った。すなわち、銅めっき処理はめっき槽1で行
った。銅めっき液は循環されており、循環経路2はろ過
塔3を経由させた。
し、ここで、めっき反応により消費された銅イオン、銅
イオン還元剤、pH調整剤を銅めっき液中に補給した。
これら補給液の組成を以下に示す。
ルシウムをカルシウム粉末で加えた。この時、カルシウ
ム粉末の添加により銅めっき液のpHは増加するので、
それを加味してpH調整剤を加える。また、溶解時に多
量の熱を発生するので、溶解作業には注意を要する。カ
ルシウム溶解により反応槽中の銅めっき液が発熱するの
で、蓚酸塩の沈殿を効率よく生じさせ回収除去するため
に反応槽は冷却した。
ウムおよびカルシウム粉末の未溶解分の固形物が発生し
た。これらの固形分を限外ろ過装置5により除去した
後、所定の銅イオン濃度、ホルムアルデヒド濃度、pH
に調整した銅めっき液をめっき槽1に移送した。
濃度は1.5×10~4mol/l以下の低濃度に抑制で
きた。また、めっき膜の伸び率は約3%と、めっき1回
目の半分以下に低下したが、全く信頼性が確保できない
ような脆弱なめっき膜にはならなかった。
めっきまでは試験基板上やめっき槽、配管経路等への異
常析出は認められず、銅めっき液の安定性は良好であっ
た。6回目、7回目のめっきでは試験基板上およびめっ
き槽に若干の異常析出が発生したが、基板の配線のショ
ートに至るような不良は発生しなかった。
ムアルデヒドを用い、pH調整剤として水酸化ナトリウ
ムを用いる従来の銅めっき液により銅めっきを行った。
℃とした。この場合、還元剤のホルムアルデヒドの酸化
体イオンはぎ酸イオンであり、ぎ酸ナトリウムの溶解度
は水100g中に99.6g(25℃)と極めて大き
い。また、硫酸ナトリウムの溶解度も25℃で水100
gに対し21.9gと大きいため、銅めっき液の冷却後
においても、ぎ酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムの沈
殿は生ずることがなく、従って、副生成物イオンを除去
することはできなかった。
イオン濃度、ぎ酸イオン濃度、およびめっき膜品質の変
化を表1に示した。
き液中で、硫酸イオンおよびぎ酸イオン濃度が増加し、
めっき膜の伸び率が低下していることが分かる。また、
銅めっき液の安定性も低下し、5回目のめっき途中で銅
めっき液は自己分解を起こし、めっき不能となった。
液で、pH調整剤として水酸化カルシウムの代わりに水
酸化カリウムを用いて銅めっきを行った。銅めっき液の
pHは12.5、液温は70℃とした。
で、水100gに対し10.8gと大きいため硫酸塩の
沈殿は生ずることがなく、従って、硫酸イオンを除去す
ることはできなかった。
中に35.9g(25℃)と大きいため、銅めっき液の
冷却後においても蓚酸カリウムの沈殿は発生せず、蓚酸
イオンを除去することはできなかった。
イオンと蓚酸イオンの濃度、および、めっき膜品質の変
化を表1に示した。
に硫酸イオンおよび蓚酸イオンが蓄積し、めっき膜の伸
び率が低下していることが分かる。また、銅めっき液の
安定性も低下し、5回目のめっき途中で銅めっき液は自
己分解を起こし、めっき不能となった。
銅めっき液中に妨害イオンが蓄積し、めっきの特性を劣
化させることがわかった。このことから、本発明の優位
性が明確となった。
実施例を示す。図3は本発明のめっき装置の構成を示す
フロー図である。
き液は循環されており、循環経路2はろ過塔3を経由
し、銅めっき液中に浮遊する異物を除去する。さらに、
別の循環経路を有し、その循環経路では熱交換器13を
経由し、銅めっき液を所定の温度に加熱調節している。
され、ここで、めっき反応により消費された銅イオン、
銅イオン還元剤、pH調整剤を銅めっき液中に補給す
る。
めっき槽1へ再び戻された時、めっき槽1中の銅めっき
液の成分濃度が所望の濃度になるように調整するため、
必然的に反応槽中の銅めっき液の銅イオン、銅イオン還
元剤、pH調整剤の濃度は、めっき槽中にある銅めっき
液のそれらの濃度よりも高くなる。
め、ガス供給ライン5より反応槽中に空気等の酸素含有
ガスを吹き込み、エアー攪拌を行う。銅イオン濃度、銅
イオン還元剤濃度およびpHは、分析装置8により分析
し、測定値が所望の濃度になるように、各補給薬品の補
給量を補給ポンプ9,10,11を用いて制御する。
ポンプ10からはグリオキシル酸水溶液が、また、補給
ポンプ11からは水酸化バリウム水溶液がそれぞれ補給
される。
pH調整剤の濃度は、めっき槽1中にある銅めっき液の
それらの濃度よりも高くなり、硫酸バリウムおよび蓚酸
バリウムは、めっき液冷却用熱交換器6により冷却後に
該反応槽4に送られるため、反応槽4中で先に飽和に達
し、結晶が生じてくる。
ろ過装置12により銅めっき液と分離される。微粒子成
分が除去された銅めっき液は、加熱用の熱交換器7を経
由し、めっき槽1に戻される。
4の上流にある沈殿槽14に送られる。沈殿槽14で
は、反応槽4との間に堰が設けられており、沈殿槽14
に送られた銅めっき液の上澄みのみが、堰をオーバーフ
ローし、反応槽4に戻される。この時、沈殿槽14に送
られた銅めっき液中に含まれている70%以上の結晶は
沈殿槽14に留まり、系外へ除去される。
めっき特性を劣化させる硫酸イオンおよび蓚酸イオンを
バリウム塩として除去でき、良好なめっき特性を長期間
に渡り維持可能であった。
してフィルタープレス方式を用いた場合のめっき装置の
フロー図を示す。なお、その他の装置は概ね実施例13
と同じものを用い、同様の作用を有するので、その説明
は省略する。
応槽4に移送した後、冷却ユニット15より送られた冷
却水によって、反応槽4全体を更に冷却するように構成
されている点にある。
pH調整剤の濃度は、めっき槽1中にある銅めっき液の
それらの濃度よりも高くなっており、かつ、反応槽4は
冷却ユニット15により冷却されるため、硫酸バリウム
および蓚酸バリウムは、めっき槽中よりも反応槽中で先
に飽和に達し、より結晶が生じ易くなる。
の限外ろ過装置16により銅めっき液と分離される。微
粒子成分が除去された銅めっき液は、加熱用の熱交換器
7を経由し、めっき槽1に戻される。
より補足された結晶成分は、フィルター表面より脱落
し、その下部に設置してある漏斗状の補修手段から回収
タンク17に集められ、系外に回収・除去される。
っき特性を劣化させる硫酸イオンおよび蓚酸イオンをバ
リウム塩として除去でき、良好なめっき特性を長期間に
渡り維持可能であった。
剤に水酸化バリウムまたは水酸化カルシウムを用いる場
合で、pH調整剤として水酸化ナトリウムや水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属水酸化物を用いた場合のめっき装
置のフロー図を図5に示す。
と沈殿を形成させるための水酸化カルシウム,水酸化バ
リウム,炭酸カルシウム,炭酸バリウム,酢酸カルシウ
ム,酢酸バリウム,酸化カルシウム,酸化バリウム,カ
ルシウム,バリウム等の少なくとも一つを含む水溶液を
補給するための補給ポンプ18を付帯している。
給量は、硫酸銅水溶液を補給する補給ポンプ9と、グリ
オキシル酸水溶液を補給するための補給ポンプ10およ
び分析装置8とが連動している。
は、補給ポンプ9の補給量から算出できる。また、蓚酸
イオン量は補給ポンプ10の補給量から、分析装置8に
より計測され、その時点でのグリオキシル酸量を差し引
いた量が蓚酸イオンとして銅めっき液中に蓄積してい
る。本装置では、それらの計算を、銅めっき液管理装置
19により行い、その結果に基づき補給ポンプ18を制
御するものである。その他の構成は実施例13、14と
同様である。
っき特性を劣化させる硫酸イオンおよび蓚酸イオンをバ
リウム塩として除去でき、良好なめっき特性を長期間に
わって維持可能であった。
き方法により形成した多層配線基板54に、半導体素子
44を搭載したモジュールの模式断面図である。
トを用いてパターン形成後、前記実施例に記載の方法で
導体配線34を形成し、所定の層数となるよう絶縁層3
7を介して積層したものである。
アホール36およびスルーホール35を介して、同様に
本発明の銅めっき方法により配線回路間を導通させる。
導体素子44をはんだボール46を用いた手法で搭載す
ることで、信頼性の高いモジュールを得ることできる。
行に伴い生成する副生成物イオンの蓄積を防ぐことがで
き、無電解めっき液の長寿命化、並びに、それに伴ない
大幅なコストダウンを図ることができる。
である。
略図である。
明するフロー図である。
を説明するフロー図である。
を説明するフロー図である。
板に半導体素子を搭載したモジュールの模式断面図であ
る。
…反応槽、5…ガス供給パイプ、6…めっき液冷却用熱
交換器、7,13…めっき液加熱用熱交換器、8…めっ
き液成分濃度分析装置、9,10,11…補給ポンプ、
12…クロスフロー式限外ろ過装置、14…沈殿槽、1
5…冷却ユニット、16…フィルタープレス式限外ろ過
装置、17…回収タンク、18…補給ポンプ、19…め
っき液管理装置、20…循環ポンプ、21…硫酸銅補給
タンク、22…pH調整剤補給タンク、23…銅イオン
還元剤補給タンク、24,25,27…循環ポンプ、2
6…送液ポンプ、28…アルカリ土類金属塩補給タン
ク、29…微小結晶、30…クロスフロー式限外ろ過装
置、31…限外ろ過フィルター、32…めっき液の流
れ、33…ろ液、34…導体配線、35…スルーホー
ル、36…ビアホール、37,45…絶縁層、44…半
導体素子、46…はんだボール、54…多層配線基板。
Claims (11)
- 【請求項1】 銅イオン源としての硫酸銅、銅イオンの
錯化剤、銅イオン還元剤、およびpH調整剤を含むめっ
き液を用いた無電解銅めっき方法において、 アルカリ土類金属の水酸化物を前記pH調整剤として用
い、無電解銅めっき液中に蓄積する硫酸イオンを、前記
アルカリ土類金属塩として沈殿,除去し、めっき液中の
硫酸イオン濃度および蓚酸イオン濃度の少なくとも一方
を測定し、所望の濃度に保ちながら無電解銅めっきする
ことを特徴とする無電解銅めっき方法。 - 【請求項2】 銅イオン源としての硫酸銅、銅イオンの
錯化剤、銅イオン還元剤としてのグリオキシル酸または
その塩、および、pH調整剤を含むめっき液を用いた無
電解銅めっき方法において、 アルカリ土類金属の水酸化物を前記pH調整剤として用
い、無電解銅めっき液中に蓄積する硫酸イオンと蓚酸イ
オンとを、前記アルカリ土類金属塩として沈殿,除去し
ながら、無電解銅めっきすることを特徴とする無電解銅
めっき方法。 - 【請求項3】 銅イオン源としての硫酸銅、銅イオンの
錯化剤、銅イオン還元剤、および、pH調整剤を含むめ
っき液を用いた無電解銅めっき方法において、 アルカリ土類金属,アルカリ土類金属の酸化物,アルカ
リ土類金属の水酸化物,アルカリ土類金属塩(但し、硫
酸塩を除く)の少なくとも1つをめっき液中に添加し、
硫酸イオンをアルカリ土類金属塩として沈殿,除去し、
めっき液中の硫酸イオン濃度を測定し、所望の濃度に保
ちながら無電解銅めっきすることを特徴とする無電解銅
めっき方法。 - 【請求項4】 銅イオン源としての硫酸銅、銅イオンの
錯化剤、銅イオン還元剤としてのグリオキシル酸または
その塩、および、pH調整剤を含むめっき液を用いた無
電解銅めっき方法において、 アルカリ土類金属,アルカリ土類金属の酸化物,アルカ
リ土類金属の水酸化物,アルカリ土類金属塩(但し、硫
酸塩を除く)の少なくとも1つをめっき液中に添加し、
硫酸イオンおよび蓚酸イオンをアルカリ土類金属塩とし
て沈殿,除去しながら無電解銅めっきすることを特徴と
する無電解銅めっき方法。 - 【請求項5】 銅イオン源としての硫酸銅、銅イオンの
錯化剤、銅イオン還元剤としてのグリオキシル酸または
その塩、および、pH調整剤を含むめっき液を用いて無
電解銅めっきを行うめっき装置において、 無電解銅めっき槽と、前記めっき液にアルカリ土類金
属,アルカリ土類金属の水酸化物,アルカリ土類金属の
酸化物,アルカリ土類金属塩(但し、硫酸塩を除く)の
少なくとも1種を添加し、前記めっき液中の硫酸イオン
および蓚酸イオンをアルカリ土類金属塩として沈殿させ
る反応槽と、沈殿した前記金属塩をろ過するろ過装置と
を備えたことを特徴とするめっき装置。 - 【請求項6】 銅イオン源としての硫酸銅、銅イオンの
錯化剤、銅イオン還元剤、および、pH調整剤を含むめ
っき液を用いて無電解銅めっきを行うめっき装置におい
て、 無電解銅めっき槽と、前記めっき液にアルカリ土類金
属,アルカリ土類金属の水酸化物,アルカリ土類金属の
酸化物,アルカリ土類金属塩(但し、硫酸塩を除く)の
少なくとも1種を添加し、前記めっき液中の硫酸イオン
をアルカリ土類金属塩として沈殿させる反応槽と、沈殿
した前記金属塩をろ過するろ過装置と、硫酸イオン濃度
を測定する硫酸イオン濃度測定手段と、該測定された硫
酸イオン濃度を基準値と比較した値に応じて前記アルカ
リ土類金属,アルカリ土類金属の水酸化物,アルカリ土
類金属の酸化物,アルカリ土類金属塩(但し、硫酸塩を
除く)の添加量を調整する調整手段を備えたことを特徴
とするめっき装置。 - 【請求項7】 銅イオン源としての硫酸銅、銅イオンの
錯化剤、銅イオン還元剤としてのグリオキシル酸または
その塩、および、pH調整剤を含むめっき液を用いて無
電解銅めっきを行うめっき装置において、 無電解銅めっき槽と、前記めっき液にアルカリ土類金
属,アルカリ土類金属の水酸化物,アルカリ土類金属の
酸化物,アルカリ土類金属塩(但し、硫酸塩を除く)の
少なくとも1種を添加し、前記めっき液中の硫酸イオン
および蓚酸イオンをアルカリ土類金属塩として沈殿させ
る反応槽と、沈殿した前記アルカリ土類金属塩をろ過す
るろ過装置と、硫酸イオン濃度および蓚酸イオン濃度の
少なくとも一方を測定する硫酸イオン濃度および蓚酸イ
オン濃度の測定手段と、該測定された硫酸イオン濃度お
よび蓚酸イオン濃度の少なくとも一方を基準値と比較し
た値に応じて前記アルカリ土類金属,アルカリ土類金属
の水酸化物,アルカリ土類金属の酸化物,アルカリ土類
金属塩(但し、硫酸塩を除く)の添加量を調整する調整
手段を備えたことを特徴とするめっき装置。 - 【請求項8】 金属イオン、該金属イオンの還元剤およ
びpH調整剤を含むめっき液を用いて無電解めっきを行
なうめっき装置において、 無電解めっき槽と、前記めっき液に金属または金属を含
む化合物を添加し、前記無電解めっきによって形成され
る金属の生成を抑制するイオンを金属塩として前記めっ
き液中に沈殿させる反応槽と、沈殿した前記金属塩をろ
過する限外ろ過装置とを備えたことを特徴とするめっき
装置。 - 【請求項9】 前記ろ過装置は、クロスフロー方式の限
外ろ過装置、または、フィルタープレス方式の限外ろ過
装置である請求項5〜8のいずれかに記載のめっき装
置。 - 【請求項10】 絶縁層と導体配線層が交互に積層接着
され、前記絶縁層を介した導体配線層間を前記絶縁層に
形成されたスルーホール内、または、片側閉塞型のビア
ホール内に無電解銅めっきにより充填された銅により電
気的に接続した多層配線基板において、 前記無電解銅めっきが請求項1〜4のいずれかに記載の
無電解銅めっき方法によるり形成されたものであること
を特徴とする多層配線基板。 - 【請求項11】 請求項10に記載の多層配線基板上に
半導体素子が1つ以上搭載されていることを特徴とする
モジュール。
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