JP2000013000A - 樹脂のエッチング方法、エッチング装置およびプリント基板 - Google Patents

樹脂のエッチング方法、エッチング装置およびプリント基板

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JP2000013000A JP17557998A JP17557998A JP2000013000A JP 2000013000 A JP2000013000 A JP 2000013000A JP 17557998 A JP17557998 A JP 17557998A JP 17557998 A JP17557998 A JP 17557998A JP 2000013000 A JP2000013000 A JP 2000013000A
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泰 井手口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高密度プリント配線板に必要不可欠な樹脂のエ
ッチング方法において、従来法では、液中の炭酸イオン
除去について配慮されておらず、液中の水酸化物イオン
が低下し、その結果、基板の不良原因を招く恐れがあっ
た。従って、本発明の目的は、液中の反応生成物として
蓄積される炭酸イオンを特定の処理液で沈澱除去し、エ
ッチング液の安定化及び長寿命化を図った。その結果、
不良が低減し、高信頼性のプリント配線基板製造が可能
となる。 【構成】エッチング槽1中のアルカリ性過マンガン過マ
ンガン酸液をポンプ2で循環る際、配管の途中に特定の
液3を注入し、反応生成物の炭酸塩を沈澱させフィルタ
ー4により濾過して除去し、自動分析装置5によりアル
カリ規定度測定し、所定の規定度に調整し、この液によ
り樹脂のエッチングを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリント配線板製造
において、めっき前に行うアルカリ性過マンガン酸浴に
よる樹脂のエッチング方法、エッチング装置およびプリ
ント基板に関し、特に樹脂とめっき膜との接着力安定化
及びアルカリ性過マンガン酸浴の長寿命化に適した樹脂
のエッチング方法、エッチング装置およびそれを用いた
プリント基板に関する。
【0002】
【従来の技術】めっき膜と樹脂との接着性の向上を目的
として種々処理方法が考案されてきた。プリント配線板
製造においては、ドリリングする際に発生するスミアが
内層接続不良をもたらすため樹脂のエッチング工程であ
るデスミアプロセスが必須である。また近年、各社で盛
んに開発されているビルドアップ配線基板においても、
絶縁樹脂と銅配線との密着性向上を目的に樹脂表面の粗
化処理プロセスが行われている。これは、樹脂表面をエ
ッチングして凹凸を形成し、アンカー効果により接着力
を向上させるものである。
【0003】ウェット処理による樹脂のエッチング方法
としては、濃硫酸処理、濃硫酸とクロム酸との混合液処
理、アルカリ性の過マンガン酸処理等が用いられてき
た。
【0004】濃硫酸処理と、濃硫酸とクロム酸との混合
液処理とは、強酸性処理液であるため銅配線を溶解して
しまうため使い勝手が非常に悪い。さらに、濃硫酸とク
ロム酸との混合液処理は、6価クロムを使用するため公
害規制等で使用不可能な状態となっている。以上の状況
から現在は、アルカリ性過マンガン酸処理液が殆ど樹脂
のエッチングに使用されている。
【0005】アルカリ性過マンガン酸のよる樹脂のエッ
チング液は、基本的に過マンガン酸カリウムと水酸化ナ
トリウムとから構成されており、樹脂のエッチング反応
の進行と共に(化1)に従って過マンガン酸イオン、水
酸化物イオンが消費され、それぞれのイオン濃度が低下
する。一方マンガン酸イオン濃度が増加し、炭酸ガスが
発生する。
【0006】
【化1】
【0007】炭酸ガスは、そもそも酸性物質であるた
め、発生すると同時に浴のアルカリ成分(水酸化物イオ
ン)との間で(化2)に示す中和反応を起こして炭酸イ
オンとして溶解する。
【0008】
【化2】
【0009】また、過マンガン酸塩は、(化3)のよう
に浴中の水酸化ナトリウムとの接触反応でも濃度が低下
する。
【0010】
【化3】
【0011】過マンガン酸イオン、水酸化物イオンの濃
度は、エッチング速度の支配要因なので、これらが消費
されると共に樹脂のエッチング速度が低下するため、濃
度を一定に維持する必要がある。すなわち、アルカリ性
過マンガン酸浴によるエッチング方法では、各成分、特
に過マンガン酸イオン及び水酸化物イオン(水酸化ナト
リウム)の濃度管理が最重要項目となる。
【0012】過マンガン酸塩の濃度管理は、吸光度法或
いは滴定法による分析結果に基づいて行う方法が知られ
ているが、一般的に吸光度法が用いらる。滴定法では、
過マンガン酸イオン濃度とマンガン酸イオン濃度とを1
度の操作で分析できないが、吸光度法では、過マンガン
酸塩の吸収波長526nmとマンガン酸塩の吸収波長6
03nmとに現れるピーク大きさにから1度の分析操作
により各々の濃度が演算できるからである。
【0013】樹脂のエッチング或いは接触反応で低下し
た過マンガン酸塩は、反応生成物であるマンガン酸塩を
酸化することにより、またもとの過マンガン酸塩に戻す
ことが可能である。
【0014】この手法として例えば、特開昭59−14
052号公報,特開昭61−279688号公報,特開
平3−80827号公報等に記載のように、過マンガン
酸塩以外の強力な酸化剤を浴中に添加することで増加し
たマンガン酸塩を過マンガン酸塩に戻している。一方、
特開平5−25662号公報に記載のように、浴中のア
ノード電極とカソード電極間に所定量の電解を加えるこ
とによっても電気的に酸化を行うことができる。従っ
て、過マンガン酸塩の濃度は、持ち出しによる不足分を
補給すれば一定に維持できる。
【0015】一方、水酸化物イオン濃度(水酸化ナトリ
ウム)は、希釈したアルカリ性過マンガン酸に希塩酸を
滴定し、その滴定量で濃度を管理するという、いわゆ
る、中和滴定法によって分析される。一般的は、その分
析結果から演算した濃度不足分の水酸化ナトリウムを補
給することでアルカリ性過マンガン酸エッチング浴のア
ルカリ規定度を一定に維持し、それによって水酸化物イ
オン濃度が一定範囲に入るようにコントロールしてい
た。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のアルカ
リ規定度を測定する水酸化物濃度の管理方法では、樹脂
のエッチング量増大に伴い浴中の水酸化物イオン濃度が
急激に低下するおそれがある。すなわち、従来技術で
は、真の水酸化ナトリウム濃度の測定法に関しては、全
く配慮されておらず、樹脂の処理量増加と共にエッチン
グ速度が低下することによってエッチング液として使用
できなくなるため、処理可能な樹脂量が多くなかった。
この理由について、下記反応式を用いて説明する。
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】アルカリ性過マンガン酸処理液中で水酸化
物イオンは(化4)ないし(化6)に従って消費され
る。(化4)は、樹脂のエッチング反応である。この反
応では過マンガン酸イオンと水酸化物イオンとを消費し
て二酸化炭素とマンガン酸イオンを副生する。こうして
生成した二酸化炭素は、アルカリ性の雰囲気中へ炭酸ナ
トリウムとして溶解することによって水酸化イオンを消
費する(化5)。また、過マンガン酸イオンのマンガン
酸イオンへの自己分解反応の際にも水酸化イオンは消費
される。更に、エッチング液周囲の大気中からの炭酸ガ
スの溶け込みによっても水酸化物イオン濃度は低下す
る。
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】一方、中和滴定によってアルカリ規定度を
測定する際には、測定対象である水酸化イオンの中和反
応(化7)の他に炭酸イオンの中和反応(化8)も平行
して起こる。従って、ここで塩酸の滴定により測定され
るアルカリ規定度の値は、炭酸イオンと水酸化物イオン
含有量の和となり、実際の水酸化イオン含有量よりも見
かけ上大きな分析値が得られる。この分析値を基にして
水酸化ナトリウムの補給量を計算すると、実際の浴中の
水酸化ナトリウム濃度は減少することになる。この結
果、樹脂量の増大や経時変化により、樹脂のエッチング
速度が低下して、エッチング液としての性能・能力が速
やかに低下するという事態に陥り、デスミアプロセスに
おけるエッチング不足起因の内層接続不良発生やヒビル
ドアッププロセスのおける樹脂とめっき膜との接着性が
低くなるという問題が生ずる。
【0024】本発明の目的は、従来技術の課題である樹
脂処理量の増大や経時変化によるエッチング能力の変動
を抑えた、アルカリ性過マンガン酸浴による樹脂のエッ
チング方法、エッチング装置およびそれを用いたプリン
ト基板を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係るアルカリ性過マンガン酸浴による樹脂
のエッチング方法を種々検討し、以下の結果を得た。
【0026】その一手段としては、アルカリ成分補給量
算出の基になるアルカリ規定度測定の前に、炭酸イオン
を除去する工程を設けるという簡単な操作を追加するこ
とによって、上記のようなアルカリ規定度の値と水酸化
物イオン濃度とを一致させることが可能であることを見
出して本出願に至った。炭酸イオンを除去する方法とし
ては、公知慣用の方法であれば特段の問題はなく、例え
ば、イオン交換や吸着によるもの、或いは、炭酸イオン
と結合して難溶性或いは不溶性物質を形成し、後に濾過
しても良い。
【0027】本発明では、炭酸イオンと結合して難溶性
物質を形成するような成分を含有する処理液と混合する
ことが好適である。生成した難溶性物質は簡単な工学処
理、例えば、濾別や重力沈降、遠心分離等の手段を用い
て容易に分離可能だからである。
【0028】尚、本発明では、炭酸イオンと結合して難
溶性或いは不溶性物質であるかどうかは、室温での純水
に対する溶解度が3wt%以下であるか、或いは、室温
での0.1規定水酸化ナトリウム水溶液への溶解度が1
wt%以下であるかどうかで簡便に判定できる。
【0029】炭酸イオンと結合して難溶性或いは不溶性
物質を生成するような成分として、本願発明に好適な物
質はIA族,IB族,IIA族,IIIB族元素から選ばれ
る1種類以上ものが好適である。例えば、Li,Ba,
Ca,Ag等の元素を含むものが挙げられる。これらの
元素と水酸化物イオン、塩素イオン、硝酸イオン、燐酸
イオン等とからなるアルカリ可溶性の無機塩類が特に好
適であり、LiOH,BaCl2等がよい。中でもバリ
ウムイオンは、炭酸イオンと迅速且つ定量的に結合する
ため、水酸化バリウム塩類が良く、最も好適なバリウム
塩の一例としては、水溶性の高い塩化バリウムなどが挙
げられる。また、炭酸イオンは、バリウム塩と反応し白
色の沈殿物を生ずる特徴がある。この反応を(化9)に
示す。
【0030】
【化9】
【0031】この反応生成物である炭酸バリウムは、解
離定数が低く難溶性の特性を示す。従って、炭酸バリウ
ムの沈殿物は、フィルターで濾過し除去可能となる。炭
酸ナトリウムを除去後塩酸で中和滴定を行えば真の水酸
化ナトリウム濃度が測定できる。その結果、長期間に渡
って安定したエッチング速度を得ると共に、樹脂とめっ
きとの接着力の安定化が図れる。
【0032】すなわち、本発明は、マンガン酸イオン濃
度を過マンガン酸イオンに酸化する工程と、過マンガン
酸イオンとマンガン酸イオン濃度を吸光度により管理し
不足分を補給する工程と、浴中にバリウム塩等の水溶液
を添加して炭酸ナトリウムを除去する工程と、次いで水
酸化ナトリウム濃度を中和滴定により管理し不足分を補
給する工程とから構成される樹脂のエッチング方法であ
る。このような、エッチング方法によれば、長期に渡っ
て安定したエッチング能力が維持できるにで、従来のよ
うに頻繁に浴を更新する必要が無くなり、省資源と低コ
ストにも貢献できる。
【0033】本発明における各成分濃度としては、過マ
ンガン酸塩濃度が40ないし70g/L,マンガン酸塩
濃度が30g/L以下,水酸化ナトリウム濃度が20な
いし80g/Lが好ましい。係る濃度の上限値及び下限
値は、樹脂とめっきとの接着力及び内層接続性とから求
めたものである。また、バリウム塩の添加量としては、
樹脂の処理量によって決定されるものであり、規定する
ものではない。添加方法としては、アルカリ性過マンガ
ン酸浴の循環系配管途中で行い、バリウム塩水溶液の添
加,フィルター濾過,水酸化ナトリウム濃度測定の順に
行うことが好ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図表を参照して説明する。
【0035】(実施例1)以下、図1を参照しながら本
発明の実施の形態であるエッチング装置の実施例を説明
する。図1は、本発明の実施例であるエッチング装置の
構成を説明するブロック図である。図1において、符号
1は本槽の樹脂エッチング浴槽、符号2はエッチング液
成分を均一にするための循環ポンプ、符号3はエッチン
グ液中の炭酸ナトリウムを沈澱するために必要な塩化バ
リウム水溶液補給タンクである。液濃度は、今回の検討
では、0.5mol/L水溶液を用いている。添加量と
しては、樹脂の処理面積にあわせ随時調整できる構造と
している。また、符号4は沈殿物を除去するフィルター
であり、孔径の大きいものから順に数段通すことが効果
的である。
【0036】符号5は自動分析装置であり、アルカリ規
定度については中和滴定で、過マンガン酸あるいはマン
ガン酸濃度については吸光度方で測定する。また、符号
6は、自動分析装置5の測定結果をもとに成分の不足分
を補給する自動液補給コントローラーである。符号7、
符号8は、それぞれ水酸化ナトリウム水溶液と過マンガ
ン酸水溶液との補給液タンク、符号9はマンガン酸を過
マンガン酸にするための電解酸化装置の直流安定化電源
である。符号10がカソード電極、符号11がアノード
電極である。
【0037】一定濃度の水酸化ナトリウム水溶液と過マ
ンガン酸水溶液とが入った樹脂エッチング浴槽1に基板
を入れ、樹脂のエッチングを行う。その際に樹脂エッチ
ング浴槽1内での液濃度均一性及び基板表面への均一接
触性を保持する目的で符号2のポンプにより循環を行
う。樹脂のエッチングに重要なことは、常に薬液の濃度
を一定に保つことである。樹脂のエッチング液は、基板
の処理枚数が嵩むに連れ液中に蓄積する炭酸ナトリウム
濃度が増加し、その反面、水酸化ナトリウム濃度は減少
する。
【0038】水酸化ナトリウム濃度測定は、一般的に塩
酸を用いた中和滴定によりアルカリ規定度を測定するこ
とで行われる。実際の動作としては、エッチング液のア
ルカリ規定度を測定し、初期の一定濃度からの不足分だ
け水酸化ナトリウムを補給するものである。その時に問
題となるのが、アルカリ規定度は、水酸化ナトリウム濃
度と炭酸ナトリウム濃度との和のであり、真の水酸化ナ
トリウム濃度でないという点である。そこで、真の水酸
化ナトリウム濃度を測定するために、予め補給タンク3
の塩化バリウム水溶液を循環配管内でエッチング液に混
合させ、炭酸バリウムとして沈澱させる。その沈殿物
は、フィルター4で除去する。その後、自動分析器5を
用いて、中和滴定を行えば水酸化ナトリウム濃度のみ測
定可能となる。そして、自動液補給コントローラー6の
指示により水酸化ナトリウム水溶液の補給タンク7のバ
ルブを開け、水酸化ナトリウム濃度を一定に保つ。
【0039】これによって、水酸化ナトリウム濃度を一
定に保持することが可能となった。
【0040】一方、過マンガン酸濃度については、樹脂
をエッチングすると7価のマンガンが6価或いは4価の
マンガンに還元される。ここでエッチングに重要なこと
は、7価のマンガン濃度を一定に保つことである。すな
わち、基板を処理すると、エッチング液は、7価のマン
ガン(過マンガン酸)が減少し、6価のマンガン(マン
ガン酸)と4価のマンガン(二酸化マンガン)が増加す
る。6価のマンガンは、エッチング液に電解を加えるこ
とで7価に酸化できる。本装置では、直流安定化電源
9、カソード電極10、アノード電極11がそれに当た
る。
【0041】しかし、二酸化マンガンは、7価に酸化す
ることができないので、自動分析装置5で過マンガン酸
濃度を測定し、自動液補給コントローラー6の指示によ
り、過マンガン酸水溶液との補給液タンク8のバルブを
開け、過マンガン酸の濃度も一定に保つ。
【0042】以上述べたように、本実施例のエッチング
装置によれば、エッチング液の濃度を一定に保つことが
でき、エッチング速度のばらつきも最低限に抑えること
ができた。また、その結果、基板品質も確保できた。
【0043】(実施例2)本発明の他の実施の形態であ
るプリント基板の実施例を表1および図2ならびに図3
を参照して説明する。ここで、図2はプリント基板の接
続不良評価の結果を示す図である。また、図3はエッチ
ング液の分析結果を示す図である。
【0044】この実施例では、実施例1の装置を用いて
プリント配線基板をデスミア処理したときの、処理面積
と内層接続不良の関係について実験を行ったものであ
る。プリント基板の作成は、周知の方法で回路形成した
銅張り積層板とプリプレグを交互に介して積層プレス
し、所望部にドリルで穴明けを行い、次いでデスミア処
理を行い、後に触媒付与、めっき前処理、化学銅めっき
を施した。また、この実験における基板の主なエッチン
グ条件は、表1に示すとおりである。
【0045】
【表1】
【0046】基板の評価は、断面観察により接続不良の
有無判定を行った。その結果を図2に示す。図2から明
らかなように、エッチング液中の炭酸ナトリウム除去し
ない実験1では、早期に不良が発生するのに対し、塩化
バリウムを添加した実験2では、長期に渡っても不良が
発生しない。また、図3に示す、実験1の水酸化ナトリ
ウムの真濃度を塩化バリウム添加した後の測定測定結果
では、処理面積が増すにつれ濃度が低下している。以上
のことから、本発明のエッチング方法によれば、液寿命
の長期化が図れると共に信頼性の優れた基板が提供可能
となる。
【0047】(実施例3)次に、表2、表3を参照して
本発明の実施の形態であるプリント基板の実施例を説明
する。ここで、表2は、比較のため実施した実験であっ
て、分析前に塩化バリウムを添加していないエッチング
液で樹脂のエッチングをしたあと銅配線を形成したサン
プルのピール強度を示す。また、表3は、分析前に塩化
バリウムを添加したエッチング液で樹脂のエッチングを
したあと銅配線を形成したサンプルのピール強度を示
す。
【0048】実施例3では、実施例1の装置を用いて、
ビルドアップ基板の粗化工程を行った。これは、絶縁樹
脂と銅配線との接着力向上のために行うエッチング工程
である。ビルドアップ基板の作成方法は、両面銅張り積
層板の表面に、静電塗布機で膜厚50μm程度の絶縁樹
脂を塗布し、高圧水銀ランプ用露光機で約1000mj
/cm2照射して形成した。後にアルカリ性過マンガン酸
エッチング工程、触媒付与工程を行い、厚さ1μm程度
の化学銅めっきを施し、次いで電気硫酸銅めっきで20
μm程度厚付けめっきを行い、加熱処理を150℃,6
0分したものを評価用基板とした。基板の評価方法は、
めっき膜を10mm幅×50mm長さにカッターナイフ
で切り、片側から垂直に引き剥がすピール強度測定で判
定した。本実験の絶縁樹脂には、ビルドアップ基板の絶
縁樹脂用に開発されたBL−8300(日立化成製)を
用いた。また、表2,表3中以外の主なエッチング条件
は、実施例2と同様である。ピール強度評価結果を表
2,3に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】表2、表3から明らかなように、一般的に
行われているエッチング方法の実験3ないし実験6(塩
化バリウム無添加)では、処理面積増加と共にピール強
度が低下し、更にばらつきが大きくなっている。一方、
本発明による実験7ないし実験14(塩化バリウム添
加)では、長期間に渡って安定したピール強度を得るこ
とができた。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂と銅めっきとの接
着力が良好であり、かつ、内層接続不良が発生しない高
信頼性のプリント配線板が製造できた。更に、従来のエ
ッチング方法と比較し液の長寿命化が図ることができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるエッチング装置の構成を
説明するブロック図である。
【図2】本発明の実施例であるプリント基板の接続不良
評価の結果を示す図である。
【図3】本発明の実施例であるエッチング液の分析結果
を示す図である。
【符号の説明】
1…エッチング槽、 2…循環ポンプ、
3…塩化バリウム水溶液補給タンク、4…フィルター濾
過機、5…自動分析装置、 6…自動液
補給コントローラー、7…水酸化ナトリウム補給タン
ク、 8…過マンガン酸塩補給タンク、9…直流安定化
電源、 10…カソード電極、11…アノー
ド電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/46 H05K 3/46 B (72)発明者 加藤 輝武 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報通信事業部内 (72)発明者 西村 尚樹 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報通信事業部内 (72)発明者 井手口 泰 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報通信事業部内 (72)発明者 村松 善徳 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報通信事業部内 Fターム(参考) 4K057 WB20 WE22 WE25 WG03 WM19 WN01 5E343 AA12 ER60 GG02 5E346 CC02 CC08 FF03 GG15 GG22 HH33

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マンガン酸塩を過マンガン酸塩に酸化する
    工程と、炭酸イオンを除去する工程と、アルカリ成分を
    補給する工程とを備えることを特徴とする樹脂のエッチ
    ング方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の樹脂のエッチング方法で
    あって、 前記除去する工程が、炭酸イオンと結合して難溶性また
    は不溶性物質を形成するような成分を含有する処理液と
    の混合と、生成した難溶性または不溶性物質の濾別とか
    らなることを特徴とする樹脂のエッチング方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の樹脂のエッチング方法で
    あって、 前記難溶性または不溶性物質は、純水に対する溶解度が
    3wt%以下であることを特徴とする樹脂のエッチング
    方法。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の樹脂のエッチング方法で
    あって、 前記難溶性または不溶性物質は、0.1規定水酸化ナト
    リウム水溶液に対する溶解度が1wt%以下であること
    を特徴とする樹脂のエッチング方法。
  5. 【請求項5】請求項2に記載の樹脂のエッチング方法で
    あって、 前記難溶性あるいは不溶性物質を形成する成分が、周期
    律表のIA族、IB族、IIA族、IIIB族元素から選ば
    れる1種類以上の元素を含有することを特徴とする樹脂
    のエッチング方法。
  6. 【請求項6】請求項2に記載の樹脂のエッチング方法で
    あって、 前記難溶性あるいは不溶性物質を形成する成分が、炭素
    イオンと結合する結合方法が、イオン結合または化学結
    合によるものであることを特徴とする樹脂のエッチング
    方法。
  7. 【請求項7】請求項2ないし請求項6のいずれか一に記
    載の樹脂のエッチング方法であって、 前記難溶性あるいは不溶性物質を形成する成分が、アル
    カリ浴中で可溶な無機塩類であることを特徴とする樹脂
    のエッチング方法。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の樹脂のエッチング方法で
    あって、 アルカリ規定度が0.5ないし2.0規定範囲内に収め
    るようにアルカリ成分を補給することを特徴とする樹脂
    のエッチング方法。
  9. 【請求項9】マンガン酸塩を過マンガン酸塩に酸化する
    工程と、過マンガン酸塩とマンガン酸塩の濃度を吸光度
    により分析する工程と、分析値から演算して過マンガン
    酸塩の不足分を補給する工程と、浴中に生成した炭酸塩
    をバリウム塩類で沈殿させ濾過により除去する工程と、
    アルカリ規定度を中和滴定により分析する工程と、その
    分析値から演算して水酸化ナトリウムを補給する工程と
    を含むことを特徴とする樹脂のエッチング方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の樹脂のエッチング方法
    であって、 前記バリウム塩類が、塩化バリウム、硝酸バリウム、水
    酸化バリウム、燐酸バリウム或いはこれらの混合物の中
    から選ばれるものであることを特徴とする樹脂のエッチ
    ング方法。
  11. 【請求項11】エッチング液に生成した炭酸塩をバリウ
    ム塩類で沈殿させる手段と、前記エッチング液をろ過す
    る手段と、アルカリ規定度を測定する手段と、その測定
    値から水酸化ナトリウムを補給する手段とからなるエッ
    チング装置。
  12. 【請求項12】請求項11記載のエッチング装置であっ
    て、 前記エッチング液に生成したマンガン酸塩を過マンガン
    酸塩に酸化する手段と、前記エッチング液の過マンガン
    酸塩とマンガン酸塩との濃度を測定する手段と、その測
    定値から過マンガン酸塩を補給する手段とからなるエッ
    チング装置。
  13. 【請求項13】請求項1から請求項10のいずれか一に
    記載の方法により製造された高密度プリント配線板。
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