JP2001249121A - アルカリ性過マンガン酸塩浴中の水酸化物イオン濃度管理方法及び水酸化物イオンの濃度分析装置 - Google Patents
アルカリ性過マンガン酸塩浴中の水酸化物イオン濃度管理方法及び水酸化物イオンの濃度分析装置Info
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- JP2001249121A JP2001249121A JP2000065701A JP2000065701A JP2001249121A JP 2001249121 A JP2001249121 A JP 2001249121A JP 2000065701 A JP2000065701 A JP 2000065701A JP 2000065701 A JP2000065701 A JP 2000065701A JP 2001249121 A JP2001249121 A JP 2001249121A
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- concentration
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- hydroxide
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Abstract
(57)【要約】
【課題】アルカリ性過マンガン酸塩浴を用いた樹脂のエ
ッチングにおいて、エッチング能力を左右する浴中の水
酸化物イオン濃度を炭酸イオン濃度の影響を受けずに、
正確に一定の濃度範囲に管理する簡易な方法を提供す
る。 【解決手段】アルカリ性過マンガン酸塩の浴槽から採取
したサンプリング液に酸を滴下することにより作成した
pH滴定曲線を、ある各種炭酸イオン濃度含有過マンガ
ン酸浴のpH滴定曲線と曲線形状比較を行い、浴中に求
めた炭酸イオン濃度に対応したpH終点値を設定し、p
H終点値における酸滴下量から水酸化物イオン濃度を求
めた測定結果に基づき、過マンガン酸塩浴中の水酸化物
イオン濃度を一定に管理する。
ッチングにおいて、エッチング能力を左右する浴中の水
酸化物イオン濃度を炭酸イオン濃度の影響を受けずに、
正確に一定の濃度範囲に管理する簡易な方法を提供す
る。 【解決手段】アルカリ性過マンガン酸塩の浴槽から採取
したサンプリング液に酸を滴下することにより作成した
pH滴定曲線を、ある各種炭酸イオン濃度含有過マンガ
ン酸浴のpH滴定曲線と曲線形状比較を行い、浴中に求
めた炭酸イオン濃度に対応したpH終点値を設定し、p
H終点値における酸滴下量から水酸化物イオン濃度を求
めた測定結果に基づき、過マンガン酸塩浴中の水酸化物
イオン濃度を一定に管理する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリ性過マンガ
ン酸塩浴におけるエッチング能力を一定に保つためのア
ルカリ濃度の管理方法に関する。
ン酸塩浴におけるエッチング能力を一定に保つためのア
ルカリ濃度の管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ性過マンガン酸塩浴は、多層プ
リント配線基板の製造プロセスにおける貫通スルーホー
ル穴明け後の樹脂残渣物を除去するためのデスミア処理
液として数多く用いられている。また、近年特に注目を
浴びているビルドアップ方式による多層プリント配線基
板の製造プロセスにおいても、絶縁樹脂と銅配線との密
着性向上を目的とした樹脂表面の粗化処理液として、あ
るいはレーザによるビアホール穴明け後のビア底樹脂残
渣物の除去液として実績が積まれてきている。
リント配線基板の製造プロセスにおける貫通スルーホー
ル穴明け後の樹脂残渣物を除去するためのデスミア処理
液として数多く用いられている。また、近年特に注目を
浴びているビルドアップ方式による多層プリント配線基
板の製造プロセスにおいても、絶縁樹脂と銅配線との密
着性向上を目的とした樹脂表面の粗化処理液として、あ
るいはレーザによるビアホール穴明け後のビア底樹脂残
渣物の除去液として実績が積まれてきている。
【0003】アルカリ性過マンガン酸塩浴は、基本的に
過マンガン酸イオンと水酸化物イオンとから構成されて
おり、樹脂のエッチング反応の進行と共に反応式1に従
って過マンガン酸イオン、水酸化物イオンが消費されて
それぞれのイオン濃度が低下し、一方マンガン酸イオン
濃度が増加し、炭酸ガスが発生する。
過マンガン酸イオンと水酸化物イオンとから構成されて
おり、樹脂のエッチング反応の進行と共に反応式1に従
って過マンガン酸イオン、水酸化物イオンが消費されて
それぞれのイオン濃度が低下し、一方マンガン酸イオン
濃度が増加し、炭酸ガスが発生する。
【0004】
【化1】 4MnO4 -+C(樹脂)+4OH-⇒4MnO4 2-+CO2+2H2O(反応式1) 炭酸ガスは、そもそも酸性物質であるため、発生すると
同時に浴の水酸化物イオンとの間で反応式2に示す中和
反応を起こして炭酸イオンとして溶解する。
同時に浴の水酸化物イオンとの間で反応式2に示す中和
反応を起こして炭酸イオンとして溶解する。
【0005】
【化2】 CO2+2OH-⇒CO3 -+H2O (反応式2) また、過マンガン酸塩は、反応式3のように浴中の水酸
化ナトリウムとの接触反応でも濃度が低下する。
化ナトリウムとの接触反応でも濃度が低下する。
【0006】
【化3】 4MnO4 -+4OH-⇒4MnO4 2-+O2+2H2O (反応式3) 過マンガン酸イオン、水酸化物イオンの濃度はエッチン
グ速度の支配要因なのでこれらが消費されると共に樹脂
のエッチング速度が低下するため、濃度を一定に維持す
る必要がある。すなわち、アルカリ性過マンガン酸浴に
よるエッチング方法では、各成分、特に過マンガン酸イ
オンおよび水酸化物イオンの濃度管理が最重要項目とな
る。
グ速度の支配要因なのでこれらが消費されると共に樹脂
のエッチング速度が低下するため、濃度を一定に維持す
る必要がある。すなわち、アルカリ性過マンガン酸浴に
よるエッチング方法では、各成分、特に過マンガン酸イ
オンおよび水酸化物イオンの濃度管理が最重要項目とな
る。
【0007】過マンガン酸塩の濃度管理は、吸光光度法
あるいは滴定法による分析結果に基づいておこなう方法
が知られているが、一般的には吸光度分析法が用いられ
る。これは、滴定法では過マンガン酸イオン濃度とマン
ガン酸イオン濃度とを1度の操作で分析できないのに対
して、吸光光度法では過マンガン酸塩の吸収波長526
nmとマンガン酸塩の吸収波長603nmとに現れるピ
ークの大きさから一度の分析操作により各々の濃度が演
算できるからである。
あるいは滴定法による分析結果に基づいておこなう方法
が知られているが、一般的には吸光度分析法が用いられ
る。これは、滴定法では過マンガン酸イオン濃度とマン
ガン酸イオン濃度とを1度の操作で分析できないのに対
して、吸光光度法では過マンガン酸塩の吸収波長526
nmとマンガン酸塩の吸収波長603nmとに現れるピ
ークの大きさから一度の分析操作により各々の濃度が演
算できるからである。
【0008】樹脂のエッチング或いは接触反応で低下し
た過マンガン酸塩濃度は、反応生成物であるマンガン酸
塩を酸化することによって元の過マンガン酸塩に戻すこ
とが可能である。この手法として例えば、特開昭59−
14052号公報,特開昭61−279688号公報,
特開平3−80827号公報等に記載のように、過マン
ガン酸塩以外の強力な酸化剤を浴中に添加することで増
加したマンガン酸塩を過マンガン酸塩に戻す方法があ
る。一方、特開平5−25662号公報に記載のよう
に、浴中のアノード電極とカソード電極間に所定量の電
流をかけることによっても電気的に酸化を行うことがで
きる。従って、過マンガン酸塩の濃度は、持ち出しによ
る不足分を補給すれば一定に維持できる。
た過マンガン酸塩濃度は、反応生成物であるマンガン酸
塩を酸化することによって元の過マンガン酸塩に戻すこ
とが可能である。この手法として例えば、特開昭59−
14052号公報,特開昭61−279688号公報,
特開平3−80827号公報等に記載のように、過マン
ガン酸塩以外の強力な酸化剤を浴中に添加することで増
加したマンガン酸塩を過マンガン酸塩に戻す方法があ
る。一方、特開平5−25662号公報に記載のよう
に、浴中のアノード電極とカソード電極間に所定量の電
流をかけることによっても電気的に酸化を行うことがで
きる。従って、過マンガン酸塩の濃度は、持ち出しによ
る不足分を補給すれば一定に維持できる。
【0009】一方、水酸化物イオン濃度は、希釈したア
ルカリ性過マンガン酸塩溶液にpHをモニターしながら
希塩酸を滴下してゆき、pH7になった時の希塩酸滴下
量から計算によって求めるという、いわゆるpH滴定法
によって分析される。一般には、その分析結果から演算
した濃度不足分の水酸化ナトリウムを補給することでア
ルカリ性過マンガン酸塩浴の水酸化物イオン濃度を一定
に維持し、それによって、エッチング能力を保持してい
る。
ルカリ性過マンガン酸塩溶液にpHをモニターしながら
希塩酸を滴下してゆき、pH7になった時の希塩酸滴下
量から計算によって求めるという、いわゆるpH滴定法
によって分析される。一般には、その分析結果から演算
した濃度不足分の水酸化ナトリウムを補給することでア
ルカリ性過マンガン酸塩浴の水酸化物イオン濃度を一定
に維持し、それによって、エッチング能力を保持してい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のpH滴
定法によって測定した水酸化物イオン濃度を用いて濃度
管理する方法では、樹脂のエッチング量増大に伴い浴中
の水酸化物イオン濃度が急激に低下する恐れがある。す
なわち、従来技術では、真の水酸化物イオン濃度の測定
法に関しては、全く配慮されておらず、樹脂の処理量増
加と共にエッチング速度が低下することによってエッチ
ング液として使用できなくなるために、処理可能な樹脂
量に限界があった。この理由について、下記反応式を用
いて説明する。
定法によって測定した水酸化物イオン濃度を用いて濃度
管理する方法では、樹脂のエッチング量増大に伴い浴中
の水酸化物イオン濃度が急激に低下する恐れがある。す
なわち、従来技術では、真の水酸化物イオン濃度の測定
法に関しては、全く配慮されておらず、樹脂の処理量増
加と共にエッチング速度が低下することによってエッチ
ング液として使用できなくなるために、処理可能な樹脂
量に限界があった。この理由について、下記反応式を用
いて説明する。
【0011】
【化4】4MnO4 -+C(樹脂)+4OH-⇒4MnO4 2-
+CO2+2H2O(反応式4)
+CO2+2H2O(反応式4)
【0012】
【化5】 CO2+2NaOH ⇒Na2CO3+H2O (反応式5)
【0013】
【化6】 4MnO4 -+4OH-⇒4MnO4 2-+O2+2H2O (反応式6)
【0014】
【化7】 NaOH+HCl⇒NaCl+H2O (反応式7)
【0015】
【化8】 Na2CO3+HCl⇒NaHCO3+NaCl (反応式8)
【0016】
【化9】 NaHCO3+HCl⇒NaCl+CO2+H2O (反応式9) アルカリ性過マンガン酸塩の処理液中で水酸化物イオン
は反応式4〜6に従って消費される。反応式4は、樹脂
のエッチング反応である。この反応では過マンガン酸イ
オンと水酸化物イオンとを消費して二酸化炭素とマンガ
ン酸イオンを副生する。こうして生成した二酸化炭素
は、アルカリ性の雰囲気中へ炭酸ナトリウムとして溶解
することによって水酸化物イオンを消費する(反応式
5)。また過マンガン酸イオンのマンガン酸イオンへの
自己分解反応の際にも水酸化物イオンは消費される(反
応式6)。また、反応としては反応式5と同じである
が、エッチング液周囲の大気中からの炭酸ガスの溶け込
みによっても水酸化物イオン濃度は低下する。
は反応式4〜6に従って消費される。反応式4は、樹脂
のエッチング反応である。この反応では過マンガン酸イ
オンと水酸化物イオンとを消費して二酸化炭素とマンガ
ン酸イオンを副生する。こうして生成した二酸化炭素
は、アルカリ性の雰囲気中へ炭酸ナトリウムとして溶解
することによって水酸化物イオンを消費する(反応式
5)。また過マンガン酸イオンのマンガン酸イオンへの
自己分解反応の際にも水酸化物イオンは消費される(反
応式6)。また、反応としては反応式5と同じである
が、エッチング液周囲の大気中からの炭酸ガスの溶け込
みによっても水酸化物イオン濃度は低下する。
【0017】一方、pH滴定法によって水酸化物イオン
濃度を測定する際には、測定対象である水酸化物イオン
の中和反応(反応式7)の他に炭酸イオンの中和反応
(反応式8,9)も平行して起こる。従って、ここで塩
酸の滴下量として測定されるアルカリ規定度の値は、炭
酸イオンと水酸化物イオン含有量の和となり、実際の水
酸化物イオン含有量よりも見掛け上大きな分析値が得ら
れる。この分析値を基にして水酸化ナトリウムの補給量
を計算すると、実際の浴中水酸化ナトリウム濃度は減少
することになる。この結果、樹脂のエッチング速度が低
下して、エッチング液としての性能・能力が速やかに低
下するという事態に陥り、デスミアプロセスにおけるエ
ッチング不足による内層接続不良発生やビルドアッププ
ロセスにおける樹脂とめっき膜との接着性が低くなると
いう問題が生ずる。
濃度を測定する際には、測定対象である水酸化物イオン
の中和反応(反応式7)の他に炭酸イオンの中和反応
(反応式8,9)も平行して起こる。従って、ここで塩
酸の滴下量として測定されるアルカリ規定度の値は、炭
酸イオンと水酸化物イオン含有量の和となり、実際の水
酸化物イオン含有量よりも見掛け上大きな分析値が得ら
れる。この分析値を基にして水酸化ナトリウムの補給量
を計算すると、実際の浴中水酸化ナトリウム濃度は減少
することになる。この結果、樹脂のエッチング速度が低
下して、エッチング液としての性能・能力が速やかに低
下するという事態に陥り、デスミアプロセスにおけるエ
ッチング不足による内層接続不良発生やビルドアッププ
ロセスにおける樹脂とめっき膜との接着性が低くなると
いう問題が生ずる。
【0018】本発明の目的は、従来技術のような樹脂処
理量の増大や経時変化に伴う見かけの水酸化物イオン濃
度と真の水酸化物イオン濃度の乖離を極力排除し、アル
カリ性過マンガン酸塩浴のアルカリ濃度を一定の濃度範
囲で正確に管理できる濃度管理法を提供することにあ
り、エッチング能力の変動を抑えた高信頼性のアルカリ
性過マンガン酸浴による樹脂のエッチング方法を提供す
ることにある。
理量の増大や経時変化に伴う見かけの水酸化物イオン濃
度と真の水酸化物イオン濃度の乖離を極力排除し、アル
カリ性過マンガン酸塩浴のアルカリ濃度を一定の濃度範
囲で正確に管理できる濃度管理法を提供することにあ
り、エッチング能力の変動を抑えた高信頼性のアルカリ
性過マンガン酸浴による樹脂のエッチング方法を提供す
ることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る水酸化物イ
オン濃度の管理方法は、過マンガン酸塩浴から一定量の
液をサンプリングする工程と、前記サンプリング液に酸
を滴下して滴定曲線を求める工程と、前記滴定曲線形状
と標準滴定曲線形状を照合して、浴中の炭酸イオン濃度
を求める工程と、前記炭酸イオン濃度を考慮して浴中の
水酸化物イオン濃度を求める工程を有する分析方法によ
り求めた水酸化物イオン濃度が、一定の濃度範囲に入る
ようにアルカリ成分の補給を行うことを特徴とするもの
である。以下に詳しく説明する。
オン濃度の管理方法は、過マンガン酸塩浴から一定量の
液をサンプリングする工程と、前記サンプリング液に酸
を滴下して滴定曲線を求める工程と、前記滴定曲線形状
と標準滴定曲線形状を照合して、浴中の炭酸イオン濃度
を求める工程と、前記炭酸イオン濃度を考慮して浴中の
水酸化物イオン濃度を求める工程を有する分析方法によ
り求めた水酸化物イオン濃度が、一定の濃度範囲に入る
ようにアルカリ成分の補給を行うことを特徴とするもの
である。以下に詳しく説明する。
【0020】過マンガン酸塩浴中の水酸化物イオンを酸
で滴定していったときの滴定曲線の形状は、浴中に含有
される炭酸イオン濃度により変化する。そしてこの形状
は、炭酸イオン濃度が一定であれば浴中の水酸化物イオ
ン濃度には影響を受けない。したがって、予め各種濃度
で炭酸イオンが含有される過マンガン酸浴の標準滴定曲
線を数種類作成しておけば、サンプル液の滴定曲線形状
と標準滴定曲線形状を比較・照合することにより簡単に
サンプル浴中の炭酸イオン濃度が求められる。しかも滴
定曲線の作成は、数点の測定点があれば足りるので手間
もかからずに済む。
で滴定していったときの滴定曲線の形状は、浴中に含有
される炭酸イオン濃度により変化する。そしてこの形状
は、炭酸イオン濃度が一定であれば浴中の水酸化物イオ
ン濃度には影響を受けない。したがって、予め各種濃度
で炭酸イオンが含有される過マンガン酸浴の標準滴定曲
線を数種類作成しておけば、サンプル液の滴定曲線形状
と標準滴定曲線形状を比較・照合することにより簡単に
サンプル浴中の炭酸イオン濃度が求められる。しかも滴
定曲線の作成は、数点の測定点があれば足りるので手間
もかからずに済む。
【0021】また、このときの滴定曲線から次のように
して水酸化物イオン濃度を求めることが可能である。通
常水酸化物イオンを酸で滴定していったときには、pH
=7.0になったときの酸の滴加量を終点とみなすこと
により、当量点との一致を見るが、浴中に炭酸イオンが
存在する場合には、終点pH値をアルカリ性側にずらし
て設定しないと正確な浴中の水酸化物イオン濃度が求ま
らない。しかしながら、各炭酸イオン濃度に対して終点
pH値をそれぞれ設定してやれば、そのpH値での酸滴
定量から水酸化物イオン濃度は求まる。したがって、滴
定曲線形状を比較・照合することにより炭酸イオン濃度
が求められれば、その濃度に対応したpH終点値の酸滴
下量を滴定曲線から求めることにより簡単かつ迅速に水
酸化物イオン濃度を求めることが可能になる。
して水酸化物イオン濃度を求めることが可能である。通
常水酸化物イオンを酸で滴定していったときには、pH
=7.0になったときの酸の滴加量を終点とみなすこと
により、当量点との一致を見るが、浴中に炭酸イオンが
存在する場合には、終点pH値をアルカリ性側にずらし
て設定しないと正確な浴中の水酸化物イオン濃度が求ま
らない。しかしながら、各炭酸イオン濃度に対して終点
pH値をそれぞれ設定してやれば、そのpH値での酸滴
定量から水酸化物イオン濃度は求まる。したがって、滴
定曲線形状を比較・照合することにより炭酸イオン濃度
が求められれば、その濃度に対応したpH終点値の酸滴
下量を滴定曲線から求めることにより簡単かつ迅速に水
酸化物イオン濃度を求めることが可能になる。
【0022】本発明における水酸化物イオン濃度は、
0.5乃至2.0規定の範囲が良く、特に好ましくは、
0.8から1.3の範囲が良い。また、他の成分濃度と
しては、過マンガン酸塩濃度40乃至70g/L,マン
ガン酸塩濃度30g/L以下が好ましい。係る濃度の上
限値及び下限値は、樹脂とめっきとの接着力及び内層接
続性とから求めたものである。
0.5乃至2.0規定の範囲が良く、特に好ましくは、
0.8から1.3の範囲が良い。また、他の成分濃度と
しては、過マンガン酸塩濃度40乃至70g/L,マン
ガン酸塩濃度30g/L以下が好ましい。係る濃度の上
限値及び下限値は、樹脂とめっきとの接着力及び内層接
続性とから求めたものである。
【0023】本願発明によれば、アルカリ性過マンガン
酸塩浴のアルカリ濃度を一定の濃度範囲で正確に管理す
ることが可能となる。その結果、長期間に渡って安定し
たエッチング速度を得ると共に、デスミア工程の信頼性
向上と樹脂とめっきとの接着力の安定化が図れる。ま
た、このような濃度管理方法を採ることにより、長期間
にわたって安定したエッチング能力を維持できるので、
従来のように頻繁に浴を更新する必要がなくなり、省資
源と低コスト化にも貢献できる。
酸塩浴のアルカリ濃度を一定の濃度範囲で正確に管理す
ることが可能となる。その結果、長期間に渡って安定し
たエッチング速度を得ると共に、デスミア工程の信頼性
向上と樹脂とめっきとの接着力の安定化が図れる。ま
た、このような濃度管理方法を採ることにより、長期間
にわたって安定したエッチング能力を維持できるので、
従来のように頻繁に浴を更新する必要がなくなり、省資
源と低コスト化にも貢献できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下実施例を基に具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0025】(実施例1)水酸化物イオン濃度が1.2
規定の過マンガン酸カリウム溶液(初期過マンガン酸塩
濃度=60g/L,初期マンガン酸塩濃度=3g/L)
を3L建浴し、エポキシ系感光性樹脂を210dm2処
理した溶液を試料液とした。このとき、過マンガン酸塩
濃度とマンガン酸塩濃度は、エポキシ系感光性樹脂を2
0dm2処理するごとに電解酸化によって初期値に戻し
た。試料液1.0mLをサンプリングして純水にて10
0mLに希釈した後、0.1規定塩酸にて中和滴定し
た。このときの滴定曲線形状から炭酸イオン濃度を求め
ると0.5mol/Lであった。炭酸イオン濃度が0.
5mol/Lの時のpH終点値を10.7とし、このp
H値を与える塩酸滴下量から水酸化物イオン濃度を求め
ると0.53規定であった。
規定の過マンガン酸カリウム溶液(初期過マンガン酸塩
濃度=60g/L,初期マンガン酸塩濃度=3g/L)
を3L建浴し、エポキシ系感光性樹脂を210dm2処
理した溶液を試料液とした。このとき、過マンガン酸塩
濃度とマンガン酸塩濃度は、エポキシ系感光性樹脂を2
0dm2処理するごとに電解酸化によって初期値に戻し
た。試料液1.0mLをサンプリングして純水にて10
0mLに希釈した後、0.1規定塩酸にて中和滴定し
た。このときの滴定曲線形状から炭酸イオン濃度を求め
ると0.5mol/Lであった。炭酸イオン濃度が0.
5mol/Lの時のpH終点値を10.7とし、このp
H値を与える塩酸滴下量から水酸化物イオン濃度を求め
ると0.53規定であった。
【0026】次に、上記結果を基にして試料液に水酸化
ナトリウムを添加することにより水酸化物イオン濃度を
1.2Nに調整した。この液にエポキシ系感光性樹脂層
を表層に形成したプリント配線板用銅張積層板を80℃
で12分浸漬し、粗化を行った。この後、銅めっき膜を
形成し、銅めっき膜とエポキシ系感光性樹脂との間の引
き剥がし強度を測定したところ1.1kg/cmであっ
た。
ナトリウムを添加することにより水酸化物イオン濃度を
1.2Nに調整した。この液にエポキシ系感光性樹脂層
を表層に形成したプリント配線板用銅張積層板を80℃
で12分浸漬し、粗化を行った。この後、銅めっき膜を
形成し、銅めっき膜とエポキシ系感光性樹脂との間の引
き剥がし強度を測定したところ1.1kg/cmであっ
た。
【0027】(比較例1)実施例1で用いた試料液1.
0mLをサンプリングして純水にて100mLに希釈し
た後、0.1規定塩酸にて中和滴定した。pH=7.0
のときの塩酸滴下量から水酸化物イオン濃度を求めると
1.13規定であった。この液にエポキシ系感光性樹脂
層を表層に形成したプリント配線板用銅張積層板を80
℃で12分浸漬し、粗化を行った。この後、銅めっき膜
を形成し、銅めっき膜とエポキシ系感光性樹脂との間の
引き剥がし強度を測定したところ0.53kg/cmで
あった。
0mLをサンプリングして純水にて100mLに希釈し
た後、0.1規定塩酸にて中和滴定した。pH=7.0
のときの塩酸滴下量から水酸化物イオン濃度を求めると
1.13規定であった。この液にエポキシ系感光性樹脂
層を表層に形成したプリント配線板用銅張積層板を80
℃で12分浸漬し、粗化を行った。この後、銅めっき膜
を形成し、銅めっき膜とエポキシ系感光性樹脂との間の
引き剥がし強度を測定したところ0.53kg/cmで
あった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、アルカリ性過マンガン
酸塩浴のアルカリ濃度を一定の濃度範囲で正確に管理す
ることができ、長期間にわたって安定したエッチング能
力を維持することができる。これにより、高信頼性、高
品質のプリント配線板の提供が可能になり、また、浴の
長寿命化に伴い省資源、低コスト化に貢献することがで
きる。
酸塩浴のアルカリ濃度を一定の濃度範囲で正確に管理す
ることができ、長期間にわたって安定したエッチング能
力を維持することができる。これにより、高信頼性、高
品質のプリント配線板の提供が可能になり、また、浴の
長寿命化に伴い省資源、低コスト化に貢献することがで
きる。
【図1】図1は本発明に係る過マンガン酸塩浴中の水酸
化物イオン濃度決定までの流れ図である。
化物イオン濃度決定までの流れ図である。
【図2】図2は実施例1に於いて終点pH値から塩酸滴
下量を求める過程を示した特性図である。
下量を求める過程を示した特性図である。
【図3】図3は比較例1に於いて終点pH値から塩酸滴
下量を求める過程を示した特性図である。
下量を求める過程を示した特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡部 真貴雄 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所通信システム事業本部内 Fターム(参考) 2G042 AA01 BB05 BB20 CA10 CB03 DA02 FB03 GA05 5E317 AA24 BB02 BB12 CC31 CD01 CD11 CD29 GG17
Claims (8)
- 【請求項1】アルカリ性過マンガン酸塩浴の使用による
樹脂のエッチングにおいて、(a)過マンガン酸塩浴から
一定量の液をサンプリングする工程、(b)前記サンプリ
ング液に酸を滴下して滴定曲線を求める工程、(c)前記
滴定曲線形状と標準滴定曲線形状を照合して、浴中の炭
酸イオン濃度を求める工程、(d) 前記炭酸イオン濃度を
考慮したpH終点値から浴中の水酸化物イオン濃度を求め
る工程、(e)前記水酸化物イオン濃度が一定の濃度範囲
に入るようにアルカリ成分を補給する工程とを備えるこ
とによってエッチング能力をほぼ一定に保つことを特徴
とするアルカリ性過マンガン酸塩浴中の水酸化物イオン
濃度管理方法。 - 【請求項2】請求項1において、補給されるアルカリ成
分が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのいずれかで
あることを特徴とするアルカリ性過マンガン酸塩浴中の
水酸化物イオン濃度の管理方法。 - 【請求項3】請求項1において、水酸化物イオン濃度を
0.5乃至2.0規定の範囲内に収めるようにアルカリ
成分を補給することを特徴とするアルカリ性過マンガン
酸塩浴中の水酸化物イオン濃度の管理方法。 - 【請求項4】請求項1から3のいずれか1項に記載の方
法により管理されたアルカリ性過マンガン酸浴を用いた
樹脂のエッチング方法に使用することを特徴とするアル
カリ性過マンガン酸塩浴中の水酸化物イオン濃度管理方
法。 - 【請求項5】請求項4に記載の方法により製造された回
路基板であることを特徴とするアルカリ性過マンガン酸
塩浴中の水酸化物イオン濃度管理方法。 - 【請求項6】請求項5に記載のプリント基板を使用した
電子機器であることを特徴とするアルカリ性過マンガン
酸塩浴中の水酸化物イオン濃度管理方法。 - 【請求項7】アルカリ性プロセス処理液中の水酸化物イ
オン濃度分析において、(a)前記プロセス処理液から一
定量の液をサンプリングする工程、(b)前記サンプリン
グ液に酸を滴下して滴定曲線を求める工程、(c)前記滴
定曲線形状と標準滴定曲線形状を照合して、浴中の炭酸
イオン濃度を求める工程、 (d) 前記炭酸イオン濃度を
考慮したpH終点値から浴中の水酸化物イオン濃度を求め
る工程とを備えることを特徴とする水酸化物イオンの濃
度分析装置。 - 【請求項8】請求項7において、アルカリ性プロセス処
理液が、樹脂エッチングを行うための過マンガン酸塩浴
であることを特徴とする請求項7に記載の水酸化物イオ
ンの濃度分析装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000065701A JP2001249121A (ja) | 2000-03-06 | 2000-03-06 | アルカリ性過マンガン酸塩浴中の水酸化物イオン濃度管理方法及び水酸化物イオンの濃度分析装置 |
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JP2000065701A JP2001249121A (ja) | 2000-03-06 | 2000-03-06 | アルカリ性過マンガン酸塩浴中の水酸化物イオン濃度管理方法及び水酸化物イオンの濃度分析装置 |
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JP (1) | JP2001249121A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009054774A (ja) * | 2007-08-27 | 2009-03-12 | Shinko Electric Ind Co Ltd | エッチング処理方法 |
CN112881589A (zh) * | 2021-03-12 | 2021-06-01 | 江西云威新材料有限公司 | 一种单水氢氧化锂中碳酸根离子含量的检测方法 |
-
2000
- 2000-03-06 JP JP2000065701A patent/JP2001249121A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009054774A (ja) * | 2007-08-27 | 2009-03-12 | Shinko Electric Ind Co Ltd | エッチング処理方法 |
CN112881589A (zh) * | 2021-03-12 | 2021-06-01 | 江西云威新材料有限公司 | 一种单水氢氧化锂中碳酸根离子含量的检测方法 |
CN112881589B (zh) * | 2021-03-12 | 2023-04-07 | 江西云威新材料有限公司 | 一种单水氢氧化锂中碳酸根离子含量的检测方法 |
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