JP2001106643A - 有機塩素化合物の脱塩素化分解方法 - Google Patents
有機塩素化合物の脱塩素化分解方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 有機塩素化合物の脱塩素化分解を行うに当た
り、処理中の反応液中に処理時間の短い液の混入によっ
て反応液濃度が再上昇し、処理の所要時間が長くなると
いうことがないような有機塩素化合物の脱塩素化分解方
法を提供する。 【解決手段】 反応槽中、有機塩素化合物を薬剤等と混
合し、脱塩素化反応により有機塩素化合物を分解する脱
塩素化分解法において、攪拌強度を一時的に高めること
により反応槽中の反応液液面位を壁面寄りで一時的に高
くし、それによって液面位の反応槽壁面の付着物の影響
を抑える
り、処理中の反応液中に処理時間の短い液の混入によっ
て反応液濃度が再上昇し、処理の所要時間が長くなると
いうことがないような有機塩素化合物の脱塩素化分解方
法を提供する。 【解決手段】 反応槽中、有機塩素化合物を薬剤等と混
合し、脱塩素化反応により有機塩素化合物を分解する脱
塩素化分解法において、攪拌強度を一時的に高めること
により反応槽中の反応液液面位を壁面寄りで一時的に高
くし、それによって液面位の反応槽壁面の付着物の影響
を抑える
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害化合物の無害
化方法及びポリ塩化ビフェニールの脱塩素化分解法に関
する。
化方法及びポリ塩化ビフェニールの脱塩素化分解法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビフェニール(以下、「PC
B」という)類はかって有用な物質として熱媒体、トラ
ンス・コンデンサ等の電気機器用の絶縁油、ノーカーボ
ン紙の他、潤滑油、各種可塑剤、塗料、シーラント剤等
に生産・使用されていた。PCB類とは、PCB及びそ
の誘導体を言う。PCB類は、カネミ油症事件等をきっ
かけに生体・環境への影響が明らかになり、昭和47年
までに生産が中止され、昭和49年度までに製造・輸
入、開放系用途での使用、新規使用が禁じられた。閉鎖
系用途については、その後熱媒体用のPCB類は大部分
が回収されたが、電気機器用のPCB類は現在も継続し
て使用されているか、使用事業者で保管されている。し
かし、使用済PCB電気機器等の保管が長期化する中
で、機器の紛失・行方不明、PCB類の漏出、事故によ
る漏洩等の恐れが大きくなってきている。既に、平成5
年の厚生省の調査によれば、約7%が行方不明になって
いる。PCB類は環境中あるいは生体中で広く検出さ
れ、種々の経路を通って環境中に侵入している可能性が
示唆されている。PCB類に関するリスクとして世界的
に最も懸念されているものの一つが、使用中及び保管中
の火災に伴うPCB類の飛散や、そのダイオキシン類等
の燃焼副生成物の生成と飛散である。国際的には処理を
早急に進めるべきであるとの認識があり、EUでは20
10年までに、北海条約署名国(ベルギー、デンマー
ク、フランス、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェ
ーデン、イギリス)では、更に早い1999年末までの
処分が求められている。しかし日本では、1987年1
1月から約2年間にわたる鐘淵化学工業(株)高砂事業
所における液状廃PCB類の高温熱分解処理を唯一の例
外として、「PCB廃棄物の処理」が認められた例はな
く、全国各地で多数計画された他の処理施設は、立地の
問題で実現していない。廃PCB等の処理方法として、
従来高温焼却のみが規定されていたが、平成9年の「廃
棄物の処理と清掃に関する法律(廃掃法)施行令」の改
正(平成10年6月17日実施)によって「PCBを分
解する方法として厚生大臣が定める方法」が新たに規定
され、平成10年の厚生省告示により「脱塩素化分解
法」と「超臨界水酸化法」が定められた。また、PCB
類関連廃棄物の判定基準として処理済の廃油について
は、EU等やバーゼル条約国内法の基準である50mg
/kgの1/100である0.5mg/kg(mg−P
CB/kg)が定められた。
B」という)類はかって有用な物質として熱媒体、トラ
ンス・コンデンサ等の電気機器用の絶縁油、ノーカーボ
ン紙の他、潤滑油、各種可塑剤、塗料、シーラント剤等
に生産・使用されていた。PCB類とは、PCB及びそ
の誘導体を言う。PCB類は、カネミ油症事件等をきっ
かけに生体・環境への影響が明らかになり、昭和47年
までに生産が中止され、昭和49年度までに製造・輸
入、開放系用途での使用、新規使用が禁じられた。閉鎖
系用途については、その後熱媒体用のPCB類は大部分
が回収されたが、電気機器用のPCB類は現在も継続し
て使用されているか、使用事業者で保管されている。し
かし、使用済PCB電気機器等の保管が長期化する中
で、機器の紛失・行方不明、PCB類の漏出、事故によ
る漏洩等の恐れが大きくなってきている。既に、平成5
年の厚生省の調査によれば、約7%が行方不明になって
いる。PCB類は環境中あるいは生体中で広く検出さ
れ、種々の経路を通って環境中に侵入している可能性が
示唆されている。PCB類に関するリスクとして世界的
に最も懸念されているものの一つが、使用中及び保管中
の火災に伴うPCB類の飛散や、そのダイオキシン類等
の燃焼副生成物の生成と飛散である。国際的には処理を
早急に進めるべきであるとの認識があり、EUでは20
10年までに、北海条約署名国(ベルギー、デンマー
ク、フランス、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェ
ーデン、イギリス)では、更に早い1999年末までの
処分が求められている。しかし日本では、1987年1
1月から約2年間にわたる鐘淵化学工業(株)高砂事業
所における液状廃PCB類の高温熱分解処理を唯一の例
外として、「PCB廃棄物の処理」が認められた例はな
く、全国各地で多数計画された他の処理施設は、立地の
問題で実現していない。廃PCB等の処理方法として、
従来高温焼却のみが規定されていたが、平成9年の「廃
棄物の処理と清掃に関する法律(廃掃法)施行令」の改
正(平成10年6月17日実施)によって「PCBを分
解する方法として厚生大臣が定める方法」が新たに規定
され、平成10年の厚生省告示により「脱塩素化分解
法」と「超臨界水酸化法」が定められた。また、PCB
類関連廃棄物の判定基準として処理済の廃油について
は、EU等やバーゼル条約国内法の基準である50mg
/kgの1/100である0.5mg/kg(mg−P
CB/kg)が定められた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】「PCBを分解する方
法として厚生大臣が定める方法」として新たに認められ
た脱塩素化分解方法は、「脱塩素化分解方式の反応設備
を用いて薬剤等と十分に混合し、脱塩素化反応によりP
CBを十分に分解する方法」であり、一般的にアルカリ
等の薬剤をPCB類を含む油に添加し、PCBから塩素
を除去する方法である。高濃度PCB類を脱塩素化分解
法で処理する場合、回分式で処理することが多く、最終
処理済油のPCB類濃度は、最終的に原液の数万分の1
以下にしなければならない。つまり、原液に近いPCB
類濃度の油が処理中の油にごく僅かに混入しても、処理
油中のPCB類の濃度が増加し、処理時間が長くなる。
原液に近い濃度のPCB類含有油が処理油中に混入する
原因として、例えば、反応槽中に処理対象のPCB類含
有油を供給する際に槽内上部に偶発的に付着した飛抹、
あるいは撹拌や沸騰に伴って槽壁面に付着した油分が、
反応処理中に混入することが考えられる。反応槽内の液
面位の高さは、反応液の量、撹拌強度、温度等によって
変化する。また、反応槽からの発生ガスを凝縮還流させ
ている場合はその還流状況によっても変動する。反応槽
の内壁面には液面位とほぼ同じ高さまで処理中の油が付
着するため、液面位が低下後再上昇した場合には、液面
位上に付着していた処理時間の短い液すなわち濃度がま
だ高い液が溶解することになり、処理油の濃度が再上昇
する。反応液の一部が揮発蒸気となって反応槽内の上部
で凝縮している場合、時間的に遅れて滴下してくれば、
同様に高濃度の液の再溶解となり、処理油濃度が再上昇
する。
法として厚生大臣が定める方法」として新たに認められ
た脱塩素化分解方法は、「脱塩素化分解方式の反応設備
を用いて薬剤等と十分に混合し、脱塩素化反応によりP
CBを十分に分解する方法」であり、一般的にアルカリ
等の薬剤をPCB類を含む油に添加し、PCBから塩素
を除去する方法である。高濃度PCB類を脱塩素化分解
法で処理する場合、回分式で処理することが多く、最終
処理済油のPCB類濃度は、最終的に原液の数万分の1
以下にしなければならない。つまり、原液に近いPCB
類濃度の油が処理中の油にごく僅かに混入しても、処理
油中のPCB類の濃度が増加し、処理時間が長くなる。
原液に近い濃度のPCB類含有油が処理油中に混入する
原因として、例えば、反応槽中に処理対象のPCB類含
有油を供給する際に槽内上部に偶発的に付着した飛抹、
あるいは撹拌や沸騰に伴って槽壁面に付着した油分が、
反応処理中に混入することが考えられる。反応槽内の液
面位の高さは、反応液の量、撹拌強度、温度等によって
変化する。また、反応槽からの発生ガスを凝縮還流させ
ている場合はその還流状況によっても変動する。反応槽
の内壁面には液面位とほぼ同じ高さまで処理中の油が付
着するため、液面位が低下後再上昇した場合には、液面
位上に付着していた処理時間の短い液すなわち濃度がま
だ高い液が溶解することになり、処理油の濃度が再上昇
する。反応液の一部が揮発蒸気となって反応槽内の上部
で凝縮している場合、時間的に遅れて滴下してくれば、
同様に高濃度の液の再溶解となり、処理油濃度が再上昇
する。
【0004】反応槽上部を冷却すれば反応蒸気は容易に
凝縮し、それが絶えず滴下して反応槽内壁面が洗浄さ
れ、付着凝縮液が遅れて反応液中に流入する事態が防止
できるということも考えられる。しかし、脱塩素化反応
中に発生する蒸気は必ずしも十分な洗浄効果のある量と
は限らない。逆に反応槽上部を保温して、反応液の蒸気
を凝縮しにくくするという方法も考えられる。しかしこ
の場合、程度の差はあるものの、槽壁面の温度は蒸気温
度より低いため、蒸気の多少の凝縮は避けられず、保温
手段だけでは保温しなかった場合とほぼ同様の問題があ
る。そこで本発明は、例えばPCB類のような有機塩素
化合物の脱塩素化分解反応を行うに当たり、処理中の反
応液中に処理時間の短い液の混入によって反応液濃度が
再上昇し、処理の所要時間が長くなるということがない
ような有機塩素化合物の脱塩素化分解方法を提供するこ
とを目的とする。
凝縮し、それが絶えず滴下して反応槽内壁面が洗浄さ
れ、付着凝縮液が遅れて反応液中に流入する事態が防止
できるということも考えられる。しかし、脱塩素化反応
中に発生する蒸気は必ずしも十分な洗浄効果のある量と
は限らない。逆に反応槽上部を保温して、反応液の蒸気
を凝縮しにくくするという方法も考えられる。しかしこ
の場合、程度の差はあるものの、槽壁面の温度は蒸気温
度より低いため、蒸気の多少の凝縮は避けられず、保温
手段だけでは保温しなかった場合とほぼ同様の問題があ
る。そこで本発明は、例えばPCB類のような有機塩素
化合物の脱塩素化分解反応を行うに当たり、処理中の反
応液中に処理時間の短い液の混入によって反応液濃度が
再上昇し、処理の所要時間が長くなるということがない
ような有機塩素化合物の脱塩素化分解方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を以
下の手段で解決した。 (1) 有機塩素化合物を反応槽中で薬剤と混合して脱
塩素化反応により分解する脱塩素化分解法において、攪
拌強度を一時的に高めることにより反応槽中の反応液液
面位を壁面寄りで一時的に高くし、それによって液面位
の反応槽壁面の付着物の影響を抑えることを特徴とする
有機塩素化合物の脱塩素化分解方法。 (2) 反応終結前に反応液の一部を抜出して反応液の
液面位を下げ、その状態で終結時まで反応を進行させる
ことにより液面位の反応槽壁面の付着物の影響を抑える
ことを特徴とする(1)に記載の有機塩素化合物の脱塩
素化分解方法。 (3) 反応槽の上部壁面を凝縮点以上の温度で加熱す
ることで反応槽壁面への処理油ガスの凝縮を防止する上
記(1)又は(2)のいずれかに記載の有機塩素化合物
の脱塩素化分解方法。 (4) 有機塩素化合物がポリ塩化ビフェニール(PC
B)類である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の有
機塩素化合物の脱塩素化分解方法。
下の手段で解決した。 (1) 有機塩素化合物を反応槽中で薬剤と混合して脱
塩素化反応により分解する脱塩素化分解法において、攪
拌強度を一時的に高めることにより反応槽中の反応液液
面位を壁面寄りで一時的に高くし、それによって液面位
の反応槽壁面の付着物の影響を抑えることを特徴とする
有機塩素化合物の脱塩素化分解方法。 (2) 反応終結前に反応液の一部を抜出して反応液の
液面位を下げ、その状態で終結時まで反応を進行させる
ことにより液面位の反応槽壁面の付着物の影響を抑える
ことを特徴とする(1)に記載の有機塩素化合物の脱塩
素化分解方法。 (3) 反応槽の上部壁面を凝縮点以上の温度で加熱す
ることで反応槽壁面への処理油ガスの凝縮を防止する上
記(1)又は(2)のいずれかに記載の有機塩素化合物
の脱塩素化分解方法。 (4) 有機塩素化合物がポリ塩化ビフェニール(PC
B)類である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の有
機塩素化合物の脱塩素化分解方法。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。PCB類の脱塩素化分解では、例えば有機塩素化
合物にアルカリ等の薬剤を添加し、窒素雰囲気・常圧下
で加熱して有機塩素化合物中の塩素原子を脱離させる。
PCB類を脱塩素分解した場合の主生成物は、ビフェニ
ール類及び無機塩類である。
する。PCB類の脱塩素化分解では、例えば有機塩素化
合物にアルカリ等の薬剤を添加し、窒素雰囲気・常圧下
で加熱して有機塩素化合物中の塩素原子を脱離させる。
PCB類を脱塩素分解した場合の主生成物は、ビフェニ
ール類及び無機塩類である。
【0007】上記のプロセスでは、例えば次のような装
置で実施する。すなわち、脱塩素化分解反応を進行させ
る反応槽を設け、その中にトランス油等で濃度15%以
下に調整したPCB類含有油を入れ、アルカリ剤と添加
剤を添加する。反応槽から発生するガスを冷却凝縮する
凝縮器を設け、凝縮液を反応槽に還流する。反応槽上部
壁面を例えば好ましくは加熱する。具体的な加熱方法は
特に問題にならない。反応槽上部の壁面温度を、好まし
くは反応液温度より高く維持できる方法であれば特に限
定されない。反応槽上部壁面を加熱すると、反応液から
出るガスが、反応槽上部壁面で凝縮せず、反応時間が短
く濃度の高い凝縮液が滴下して反応液の濃度が増加する
おそれが少なくなる。本形態では、反応処理中、一時的
に撹拌強度を高め、反応槽壁面寄りの液面位を一時的に
高くする。一時的とは、付着物を溶解させるに十分な時
間を言う。これにより、脱塩素化分解処理対象の有機塩
素化合物を高濃度状態で含む例えば液滴を、反応槽内で
液面近くから一掃する。強度を高める攪拌は、少なくと
も1回とし、好ましくは反応初期から中期にかけて行
い、反応終結期に近づくにしたがって回数を減らしてい
くとよい。
置で実施する。すなわち、脱塩素化分解反応を進行させ
る反応槽を設け、その中にトランス油等で濃度15%以
下に調整したPCB類含有油を入れ、アルカリ剤と添加
剤を添加する。反応槽から発生するガスを冷却凝縮する
凝縮器を設け、凝縮液を反応槽に還流する。反応槽上部
壁面を例えば好ましくは加熱する。具体的な加熱方法は
特に問題にならない。反応槽上部の壁面温度を、好まし
くは反応液温度より高く維持できる方法であれば特に限
定されない。反応槽上部壁面を加熱すると、反応液から
出るガスが、反応槽上部壁面で凝縮せず、反応時間が短
く濃度の高い凝縮液が滴下して反応液の濃度が増加する
おそれが少なくなる。本形態では、反応処理中、一時的
に撹拌強度を高め、反応槽壁面寄りの液面位を一時的に
高くする。一時的とは、付着物を溶解させるに十分な時
間を言う。これにより、脱塩素化分解処理対象の有機塩
素化合物を高濃度状態で含む例えば液滴を、反応槽内で
液面近くから一掃する。強度を高める攪拌は、少なくと
も1回とし、好ましくは反応初期から中期にかけて行
い、反応終結期に近づくにしたがって回数を減らしてい
くとよい。
【0008】形態としては、反応槽内の液の一部を抜出
して液面を下げることでも同様の効果が得られる。この
ようにすると、反応初期の有機塩素化合物を高濃度で含
み、例えば液滴状態で付着している反応液の付着箇所
と、反応液液面位との間に十分な隔たりをとることがで
きるようになる。液面を下げる操作は、反応中期から、
反応終結期に近づくにつれて行なうとよい。液面を下げ
る方法は特に問題はない。例えば、脱塩素化反応をしば
らく継続させた後、反応液の一部を抜き出せばよい。抜
き出し分は隔離することで、残り全体の反応液の液面位
を下げ、更に反応させる。なお、液面位を下げる前に撹
拌操作などで壁寄りの液面を中心側より高くし、いった
ん液面位を洗浄し、次いで反応液の一部を抜き出して液
面位を下げるという手順を採ると更に好ましい。抜き出
した反応液はまだ処理が完了していないため、再度脱塩
素化処理をおこなう必要がある。これは新たに別のPC
B類含有油と混合して処理しても、抜出した液だけで別
途処理してもよい。
して液面を下げることでも同様の効果が得られる。この
ようにすると、反応初期の有機塩素化合物を高濃度で含
み、例えば液滴状態で付着している反応液の付着箇所
と、反応液液面位との間に十分な隔たりをとることがで
きるようになる。液面を下げる操作は、反応中期から、
反応終結期に近づくにつれて行なうとよい。液面を下げ
る方法は特に問題はない。例えば、脱塩素化反応をしば
らく継続させた後、反応液の一部を抜き出せばよい。抜
き出し分は隔離することで、残り全体の反応液の液面位
を下げ、更に反応させる。なお、液面位を下げる前に撹
拌操作などで壁寄りの液面を中心側より高くし、いった
ん液面位を洗浄し、次いで反応液の一部を抜き出して液
面位を下げるという手順を採ると更に好ましい。抜き出
した反応液はまだ処理が完了していないため、再度脱塩
素化処理をおこなう必要がある。これは新たに別のPC
B類含有油と混合して処理しても、抜出した液だけで別
途処理してもよい。
【0009】本形態によると、液面を撹拌によって意図
的に一時的に高くするから、液面近くであって液面より
高い位置に付着している高濃度のPCB類混合液を一掃
し、高濃度のPCB類の不測の混入を防止することがで
きる。反応液の一部を抜出して液面を下げた場合にも、
処理のはじめの頃に反応槽壁面に付着した高濃度PCB
類含有液に、反応処理終了近くの反応液が接触する可能
性を少なくさせる。液面を下げる操作の前には凝縮液の
還流を停止させる。液面位が操作の意図を超えて不測の
動きを起こすことが防止でき、脱塩処理終了間際に高濃
度PCB類が混入する可能性を更に一層無くすことがで
きる。反応槽上部壁面を加熱して蒸気の凝縮温度より高
く維持すれば、壁面での凝縮が起きず、高濃度の凝縮液
が滴下することもない。また反応槽への供給時に槽内に
飛散した飛抹も蒸発するため、反応液に滴下混入するこ
とが少なくなる。
的に一時的に高くするから、液面近くであって液面より
高い位置に付着している高濃度のPCB類混合液を一掃
し、高濃度のPCB類の不測の混入を防止することがで
きる。反応液の一部を抜出して液面を下げた場合にも、
処理のはじめの頃に反応槽壁面に付着した高濃度PCB
類含有液に、反応処理終了近くの反応液が接触する可能
性を少なくさせる。液面を下げる操作の前には凝縮液の
還流を停止させる。液面位が操作の意図を超えて不測の
動きを起こすことが防止でき、脱塩処理終了間際に高濃
度PCB類が混入する可能性を更に一層無くすことがで
きる。反応槽上部壁面を加熱して蒸気の凝縮温度より高
く維持すれば、壁面での凝縮が起きず、高濃度の凝縮液
が滴下することもない。また反応槽への供給時に槽内に
飛散した飛抹も蒸発するため、反応液に滴下混入するこ
とが少なくなる。
【0010】
【発明の効果】本発明は上記のような構成でなるから、
反応終了近くの反応液中に処理時間が短く濃度の高い液
が混入し、反応液濃度が再上昇することのないような有
機塩素化合物の脱塩素化分解方法を提供することができ
る。液面を強制的に高くすることで、通常の液界面より
高い位置に残留付着している高濃度の有機塩素化合物を
溶解する。
反応終了近くの反応液中に処理時間が短く濃度の高い液
が混入し、反応液濃度が再上昇することのないような有
機塩素化合物の脱塩素化分解方法を提供することができ
る。液面を強制的に高くすることで、通常の液界面より
高い位置に残留付着している高濃度の有機塩素化合物を
溶解する。
Claims (3)
- 【請求項1】 有機塩素化合物を反応槽中で薬剤と混合
して脱塩素化反応により分解する脱塩素化分解法におい
て、攪拌強度を一時的に高めることにより反応槽中の反
応液液面位を壁面寄りで一時的に高くし、それによって
液面位の反応槽壁面の付着物の影響を抑えることを特徴
とする有機塩素化合物の脱塩素化分解方法。 - 【請求項2】 反応終結前に反応液の一部を抜出して反
応液の液面位を下げ、その状態で終結時まで反応を進行
させることにより液面位の反応槽壁面の付着物の影響を
抑えることを特徴とする請求項1に記載の有機塩素化合
物の脱塩素化分解方法。 - 【請求項3】 反応槽の上部壁面を凝縮点以上の温度で
加熱することで反応槽壁面への処理油ガスの凝縮を防止
する請求項1又は2に記載の有機塩素化合物の脱塩素化
分解方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28700599A JP2001106643A (ja) | 1999-10-07 | 1999-10-07 | 有機塩素化合物の脱塩素化分解方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28700599A JP2001106643A (ja) | 1999-10-07 | 1999-10-07 | 有機塩素化合物の脱塩素化分解方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001106643A true JP2001106643A (ja) | 2001-04-17 |
Family
ID=17711804
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28700599A Pending JP2001106643A (ja) | 1999-10-07 | 1999-10-07 | 有機塩素化合物の脱塩素化分解方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001106643A (ja) |
-
1999
- 1999-10-07 JP JP28700599A patent/JP2001106643A/ja active Pending
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