JP2001105434A - コグ付きvベルトの製造方法およびその製造装置 - Google Patents

コグ付きvベルトの製造方法およびその製造装置

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JP2001105434A JP29042999A JP29042999A JP2001105434A JP 2001105434 A JP2001105434 A JP 2001105434A JP 29042999 A JP29042999 A JP 29042999A JP 29042999 A JP29042999 A JP 29042999A JP 2001105434 A JP2001105434 A JP 2001105434A
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 V型ベルト成形体1を加硫プレス機により順
送りにより加硫する際に、加硫済み部分のベルトコグ山
部20と金型コグ谷部22との嵌合不良による歪み、傷
を生じることを防止する。 【解決手段】 V型ベルト成形体1の一部を加硫した
後、所定の移動長さを移動し、位置決め部材2をV型ベ
ルト成形体1のベルトコグ谷部21に当接させて、位置
決め部材2の位置を検出してV型ベルト成形体1を位置
決めする。つづけて、コグ金型44をV型ベルト成形体
1に当接させ、平板状加圧盤8の長さ方向端面近傍に設
けられたベルト押さえロール3をV型ベルト成形体1の
背面に押し付けて、ベルトコグ山部20を金型コグ谷部
22にはめ込み、コグ金型44と平板状加圧盤8とを閉
止し、加圧・加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、長尺のコグ付き
Vベルトの製造方法およびその製造装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、コグ付きVベルトは、無端Vベ
ルトのクッション層にコグを形成してプーリへの巻き付
け時に屈曲を容易とするVベルトであり、例えば、図7
に部分斜視図を示すように、並列された多数本の心体コ
ード30の外周面に接着ゴム層を挟んでカバー層33を
設け、心体コード30の内周側に長さ方向をベルトの幅
方向に向けた短繊維32を混入して断面が逆台形である
クッション層31が設けられて、そのクッション層31
にベルトコグ山部34が形成されている。
【0003】従来のコグ付きVベルト製造装置は、図8
にその概要を側面図で示すように、加熱可能な上段加圧
盤7’と、上段加圧盤7’の下方にあって加熱可能かつ
昇降可能な下段加圧盤6’とを水平に設け、この上段加
圧盤7’と下段加圧盤6’との間に、上下面にそれぞれ
上金型5’と下金型4’とを取り付けた昇降可能かつ加
熱可能で水平に設けられた中段加圧盤8’を備え、この
中段加圧盤8’と同じ高さにあって中段加圧盤8’と同
時に昇降する対をなした駆動プーリ12’と伸張プーリ
13’とを備える。
【0004】この装置を使用してコグ付きVベルトを加
硫成形する手順は、まず、下段加圧盤6’を下降させて
上段加圧盤7’、中段加圧盤8’、下段加圧盤6’とを
離間し、未加硫のV型ベルト成形体1’を駆動プーリ1
2’と伸張プーリ13’との間に懸回した後、上段加圧
盤7’及び下段加圧盤6’をV型ベルト成形体1’の背
面に当接し加圧した状態で加熱することによりV型ベル
ト成形体1’の一部(コグ金型4’、5’に当接した部
分)にコグ山部を形成するとともに加硫する。この一部
を加硫した後、上記上段加圧盤7’と下段加圧盤6’を
離間してV型ベルト成形体1’の加硫済み部分をコグ金
型より剥離し、このV型ベルト成形体1’を加硫済み部
分に相当する長さだけ移動して次の未加硫部分を引き込
み加硫する。このようにV型ベルト成形体1’を順送り
しながら全長を加硫する。
【0005】なお、このV型ベルト成形体1’の加硫済
み部分に相当する長さを移動する場合には、コグ金型の
コグ山数を基準として予め算定した長さを機械的に移動
する方法、又は、目視により加硫済みのベルトコグ山部
とコグ金型の金型コグ谷部との位置を確認しながら移動
する方法などが採られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のコグ付きVベルトの製造方法によれば、次
のような問題がある。V型ベルト成形体を予め算定され
た所定の距離を移動すると、上記の加硫済み部分末端部
のベルトコグ山部とコグ金型先端部の金型コグ谷部と
は、ほぼ上下に重なる位置に位置するが、正確に一致し
ないことがある。未加硫のV型ベルト成形体の保存期間
や成型時の資材巻き付け張力にバラツキが有る場合に、
V型ベルト成形体の長さにバラツキを生じ、また、移動
時の停止精度がバラツクことがあるからである。この状
態で加圧盤を閉止すると、加硫済み部分のベルトコグ山
部はコグ金型の金型コグ谷部とずれた位置にはめ込ま
れ、ベルトコグ山部が変形し傷つくことがある。目視移
動においても、作業者の技能のバラツキにより同様な問
題を生じる。
【0007】この発明は、順送りによりV型ベルト成形
体を加硫する際にベルトコグ山部に変形や傷つきが生じ
ることを防止したコグ付きVベルトの製造方法および製
造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために請求項1に記載の本発明のコグ付きVベルトの製
造方法は、平板状加圧盤と、金型加圧盤に支持されたコ
グ金型との間に、未加硫のV型ベルト成形体を展張し、
加圧・加熱して加硫するコグ付きVベルトの製造方法で
あって、前記未加硫のV型ベルト成形体の一部を前記コ
グ金型を用いて加硫した後、前記V型ベルト成形体がコ
グ成形され加硫された加硫済み部分を前記コグ金型より
引き離して、位置決め部材を前記加硫済み部分のベルト
コグ谷部に押し当てて一緒に移動し、該位置決め部材の
先端と前記コグ金型の金型コグ山部の頂点との間隔がコ
グピッチの整数倍となる位置で、前記V型ベルト成形体
の移動を停止し、つづけて、前記加硫済み部分のベルト
コグ山部を前記コグ金型の金型コグ谷部にはめ込み、更
に、前記V型ベルト成形体の未加硫部分を前記コグ金型
に押し込み、加圧、加熱して加硫し、この手順を繰り返
して前記V型ベルト成形体の全体を加硫するものであ
る。
【0009】このコグ付きVベルトの製造方法は、ま
ず、V型ベルト成形体の一部をコグ金型を用いて加硫し
た後、加硫済み部分(成形済み部分を含む)をコグ金型
より引き離して所定の移動長さだけ移動させ、次に加硫
するV型ベルト成形体の未加硫部分をコグ金型と平板状
加圧盤との間に引き込む。この所定の移動長さは、コグ
金型の長さと無端状コグ付きVベルトの長さにより定ま
り、一回の加硫工程で加硫を終了する範囲に相当する長
さである。即ち、コグ付きVベルトを予め計算された所
定の移動長さを移動させると、加硫済み部分の送り方向
末端のベルトコグ山部が、コグ金型の送り方向先端部の
金型コグ谷部にほぼ一致する。しかし、このまま平板状
加圧盤とコグ金型とを閉止すると、上記の問題(ベルト
コグ山部の変形)が発生することがある。
【0010】そこで、例えばV型ベルト成形体が移動を
停止する直前に、位置決め部材の先端をベルトコグ谷部
に押し当ててV型ベルト成形体と一緒に移動するように
し、位置決め部材が所定の位置に達したことを検出し
て、前記V型ベルト成形体の移動を停止させる。前記所
定の位置は、位置決め部材を押し当てたベルトコグ谷部
の底部と金型コグ山部の頂点との間隔がコグピッチ(設
計されたベルトコグ山部の頂点と隣り合うベルトコグ山
部の頂点との間隔をいう)の整数倍の間隔を有する位置
である。この位置にV型ベルト成形体を停止することに
より、加硫済み部分のベルトコグ山部は、変形したり、
傷ついたりすることなく、金型コグ谷部に無理なくはめ
込まれる。なお、前記位置決め部材は、位置精度を向上
するために前記金型加圧盤の長さ方向端面近傍に設けら
れることが望ましい。
【0011】つづけて、コグ金型を平板状加圧盤の方向
に移動して、位置決めされたV型ベルト成形体のコグが
成形される側に当接させる。この状態で位置決めされた
加硫済み部分のベルトコグ山部は、金型コグ谷部にはめ
込むことができる位置にあるので、ベルト押さえ部材
(例えば、昇降可能なロール)を、V型ベルト成形体の
加硫済み部分の背面に押し付けると、加硫済み部分のベ
ルトコグ山部は前記金型コグ谷部に無理なく嵌合する。
このときV型ベルト成形体の張力を少し弛めると、この
嵌合が容易となる。これによってV型ベルト成形体の加
硫済み部分とコグ金型との位置関係が決定される。
【0012】更にコグ金型を平板状加圧盤に接近させる
と、V型ベルト成形体の未加硫部分はコグ金型に押し込
まれ、ベルトコグ山部が成形される。このとき加硫済み
部分のベルトコグ山部と金型コグ谷部とはすでにはめ込
まれているので、加硫済みの部分に連続してベルトコグ
山部が成形される。この平板状加圧盤とコグ金型との間
に挟持されたV型ベルト成形体の未加硫部分は、加圧、
加熱されて加硫される。
【0013】請求項2に記載のコグ付きVベルトの製造
方法は、前記平板状加圧盤と前記コグ金型との間に展張
された前記未加硫のV型ベルト成形体が複数本であっ
て、前記複数本のV型ベルト成形体それぞれのベルトコ
グ山部をそれぞれの金型コグ谷部に同時にはめ込むもの
である。
【0014】加硫するV型ベルト成形体が複数本である
場合にも、各V型ベルト成形体のベルトコグ山部をそれ
ぞれの金型コグ谷部に同時にはめ込むことにより、一本
一本のV型ベルト成形体を位置決めする必要が無くな
る。
【0015】請求項3に記載のコグ付きVベルトの製造
装置は、水平に設けられた平板状加圧盤と、金型加圧盤
に支持され前記平板状加圧盤に向かい合って設けられた
コグ金型とを接近・離間可能に設け、それらの間に未加
硫のV型ベルト成形体を展張し、加圧・加熱して加硫す
るコグ付きVベルトの製造装置であって、前記金型加圧
盤の前記V型ベルト成形体の長さ方向端面近傍に設けら
れ、前記V型ベルト成形体の長さ方向に移動可能であっ
て、前記V型ベルト成形体のベルトコグ谷部に当接・離
間可能な位置決め部材と、この位置決め部材の位置を検
出する位置決め部材検出手段と、前記平板状加圧盤の長
さ方向端面近傍に設けられ、前記V型ベルト成形体の加
硫済み部分の背面に押し付け可能なベルト押さえ部材と
を備えるものである。
【0016】例えば平板状加圧盤とこの平板状加圧盤に
向かい合うコグ金型を有する金型加圧盤とを水平に設け
て、平板状加圧盤とコグ金型との間にV型ベルト成形体
を挟持して加圧・加熱して加硫する。前記平板状加圧盤
とコグ金型との間において展張されたV型ベルト成形体
は、加硫作業ごとに所定の移動長さずつ移動される。
【0017】位置決め部材は、金型加圧盤の長さ方向端
面(ベルト移動方向下流側)近傍に昇降可能に設けら
れ、V型ベルト成形体の加硫済み部分のベルトコグ谷部
に当接して、このV型ベルト成形体と一緒にベルト長さ
方向に移動される。移動する位置決め部材が所定の位置
になると、位置決め部材検出手段は、それを検出して信
号を発し、V型ベルト成形体の移動を停止させる。位置
決めの後、位置決め部材はV型ベルト成形体より離間し
て平板状加圧盤とコグ金型とを閉止可能にする。
【0018】また、ベルト押さえ部材は、平板状加圧盤
の長さ方向端面(ベルト移動方向下流側)に昇降可能に
設けられ、V型ベルト成形体の加硫済み部分の背面を押
さえ付けて、位置決めされたV型ベルト成形体のベルト
コグ山部を、コグ金型の金型コグ谷部にはめ込む。これ
によって、ベルトコグ山部と金型コグ谷部がずれること
なく嵌合されることとなり、平板状加圧盤とコグ金型と
を閉止しても加硫済み部分のベルトコグ山部が潰れるこ
とがない。
【0019】請求項4に記載のコグ付きVベルトの製造
装置は、前記位置決め部材が、位置決め部材支持手段に
V型ベルト成形体の長さ方向に移動可能に支持され、前
記位置決め部材検出手段が、前記位置決め部材を、その
先端と前記コグ金型の金型コグ山部の頂点との間隔がコ
グピッチの整数倍となる位置で検出するように設けられ
ている。
【0020】位置決め部材が、位置決め部材支持手段に
V型ベルト成形体の長さ方向に移動可能に支持されてい
るので、先端部をベルトコグ谷部に当接させて一緒に移
動することができる。位置決め部材検出手段は、前記位
置決め部材の先端と前記コグ金型の金型コグ山部の頂点
との間隔がコグピッチの整数倍となる位置で前記位置決
め部材を検出する。この検出手段の信号によりV型ベル
ト成形体の移動を停止すると、移動方向上流方向のベル
トコグ山部は、はめ込み不良を生ずることなく、金型コ
グ谷部にうまくはめ込まれる。
【0021】請求項5に記載のコグ付きVベルトの製造
装置は、ベルト押さえ部材が、前記コグ金型の幅を超え
る長さを有する。ベルト押さえ部材は例えばロールまた
は棒状体であって、コグ金型の幅を超える長さを有して
いるので、コグ付きVベルトを複数本同時に加硫する場
合であっても、これらすべてのV型ベルト成形体の背面
を同時に押さえてベルトコグ山部を金型コグ谷部にはめ
込むことができる。
【0022】請求項6に記載のコグ付きVベルトの製造
装置は、前記位置決め部材の先端より高い先端部を有
し、この先端部に前記位置決め部材と向かい合う傾斜面
を形成した補助ガイドを、この補助ガイドの先端と前記
位置決め部材の先端との間にコグピッチに相当する間隔
をおいて設けられている。
【0023】V型ベルト成形体の移動中に前記位置決め
部材をベルトコグ谷部に接近させると、まず、高さの高
い補助ガイドの先端部が加硫済み部分のベルトコグ山部
側面に接触し位置決め部材の位置を微移動し、つづいて
位置決め部材の先端をベルトコグ谷部に押し当てて両者
を一体として移動して所定の位置で停止する。なお、補
助ガイドを位置決め部材からコグピッチに相当する間隔
を隔てて備えることにより、補助ガイドは、位置決め部
材が当接するベルトコグ谷部に隣接するベルトコグ谷部
に当接し、湾曲して位置決め部材のベルトコグ谷部への
当接を妨げな。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るコグ付きVベ
ルトの製造装置および製造方法について各実施の形態を
図面に基づいて説明する。
【0025】図1は本発明に係る製造装置の概要を示す
側面図であり、図2は位置決め部材2、V型ベルト成形
体1とコグ金型44との関係を説明する側面図である。
図3はベルト押さえロール3,V型ベルト成形体1と下
段コグ金型44との関係を説明する図であり、図3
(a)は側面図を示し、図3(b)は正面図を示す。
【0026】本発明のコグ付きVベルトの製造装置は、
図1に示すように、下面に上段コグ金型45を取付けて
加熱可能な上段加圧盤47(上段の金型加圧盤をいう)
と、上段加圧盤47の下方にあって上面に下段コグ金型
44を取り付けて昇降可能かつ加熱可能な下段加圧盤4
6(下段の金型加圧盤をいう)と、上段コグ金型45と
下段コグ金型44との間に昇降可能かつ加熱可能で水平
に設けられた平板状加圧盤8と、この平板状加圧盤8と
同じ高さにあって平板状加圧盤8と同時に対をなして昇
降する駆動プーリ12および伸張プーリ13とを備え
る。更に、下段加圧盤46(上段加圧盤47でもよい)
の長さ方向端面(ベルト移動方向xの下流側)に設けら
れた位置決め部材支持手段48に支持されて、昇降手段
11により昇降してベルトコグ谷部21に当接・離間可
能な位置決め部材2(図5参照、詳細後述)と、平板状
加圧盤8の長さ方向端面に、駆動プーリ12と伸張プー
リ13とに懸回されたV型ベルト成形体1の背面(コグ
が成形されていない面をいい、この例では懸回されたV
型ベルト成形体1の内側面をいう)を押圧して、離間可
能なベルト押さえロール3、3’(ベルト押さえ部材)
とを備える。
【0027】図5に示すように、位置決め部材2は、位
置決め部材支持手段48に支持され、昇降手段11によ
り昇降されるようになっている。また、位置決め部材2
と位置決め部材支持手段48との間には、リニアガイド
10が設けられ、位置決め部材2がV型ベルト成形体1
の移動方向に移動可能となるように構成されている。即
ち、位置決め部材2を取り付けたリニアガイド10のス
ライダ部に、案内板49を取り付け、この案内板49の
先端部は鉛直方向に折り曲げられている。位置決め部材
支持手段48の上部に取り付けられ水平に突出させ支持
軸50は、先端にバネ係止部を有し、上記案内板49の
鉛直部分を貫通している。この支持軸50が貫通された
案内板49の両側にコイルバネ51を装着しているの
で、V型ベルト成形体1と一緒に位置決め部材2が移動
し、停止するまでの間に、コイルバネ51の弾性によ
り、位置決め部材2の先端がコグ谷部21の中心に移動
する。また、位置決め部材2をV型ベルト成形体1より
離間すると、位置決め部材2はコイルバネ51により中
央に押し戻される。
【0028】図示しない位置決め部材検出手段は、この
位置決め部材2の近傍であって位置決め部材2が所定の
位置に移動したとき、この位置決め部材2(案内板49
など一体として移動する部分を含む)を検出して、信号
を発する。この信号により、図示しない制御手段が駆動
プーリ12を停止させ、V型ベルト成形体1の移動を停
止する。この所定の位置は、位置決め部材2を押し当て
たベルトコグ谷部21の中心と金型コグ山部20に頂点
との間隔nがコグピッチmの整数倍の間隔を有する位置
である(図2参照)。
【0029】ベルト押さえロール3、3’は、平板状加
圧盤8のV型ベルト成形体1の長さ方向端面に、昇降可
能に取り付けられている。ベルト押さえロール3は、図
3(b)に示すように、コグ金型44の幅を超える長さ
を有し、展張されたV型ベルト成形体1の上方にそれの
長さ方向を横断して設けられているので、複数本のV型
ベルト成形体1を同時に加硫する場合であっても、これ
ら複数本のV型ベルト成形体1の背面を同時に押さえる
ことができ、ベルトコグ山部を金型コグ谷部に同時には
め込むことが可能となる。なお、この図3(b)はベル
ト押さえロール3が下降し、下段コグ金型44にV型ベ
ルト成形体1を嵌合した状態を示す。ベルト押さえロー
ル3,3’は、図3(a)に示すように、平板状加圧盤
8のV型ベルト成形体1の長さ方向端部に取り付けられ
た昇降手段14により昇降され、そして下降する際にV
型ベルト成形体1の背面を押圧して下段コグ金型44の
金型コグ谷部22にベルトコグ山部20をはめ込むよう
になっている。
【0030】続いて、この製造装置を用いたコグ付きV
ベルトの製造方法を図1〜4により説明する。
【0031】先ず、図1に示すように駆動ロール12と
伸張ロール13との間に、平板状加圧盤8を囲んで、未
加硫のV型ベルト成形体1を懸回し、伸張ロール13を
移動して所定の長さに伸張して、下段加圧盤46を上昇
させる。下段加圧盤46に支持される下段コグ金型44
は上昇して平板状加圧盤8に押し当てられ、更に上昇し
て平板状加圧盤8を上段加圧盤47に押し当てる。この
状態で加熱することにより、これら加圧盤の間に挟持さ
れたV型ベルト成形体1は加硫される。
【0032】それから、V型ベルト成形体1の一部の加
硫を終了すると、図2に示すように、下段加圧盤46を
下降させて加硫済みのV型ベルト成形体1を解放し、駆
動プーリ12(図1参照)を回転させて矢印xの方向に
所定の移動長さを移動させ、V型ベルト成形体1の加硫
済み部分23(斜線表示部分)の最後のコグ山部24が
所定の金型コグ谷部22と嵌合できる位置まで移動す
る。この移動終了直前(たとえば、約1コグピッチを残
す位置)に、昇降手段11(図5参照)により位置決め
部材2を上昇させて、V型ベルト成形体1の加硫済み部
分23のベルトコグ谷部21に当接させる。
【0033】ベルトコグ谷部21に当接させた位置決め
部材2は、V型ベルト成形体1と一緒にリニアガイド1
0に案内されて所定の移動長さを移動し、予め設定され
た所定の位置に達すると、位置決め部材検出手段(図示
せず)により検出されると、V型ベルト成形体1の移動
を停止し、V型ベルト成形体1を所定の位置に位置決め
する。
【0034】この予め設定された所定の位置は、前述し
たように位置決め部材2の先端と下段コグ金型44のベ
ルト移動方向(矢印x)下流端の金型コグ山部26の頂
点との間隔nが、コグピッチmの整数倍となる距離に設
定されているので、平板状加圧盤8と下段加圧盤46と
を閉止したときに、加硫済み(コグ成形済みを含む)の
ベルトコグ山部24が金型コグ谷部22に正確に嵌合す
ることとなり、ベルトコグ山部24を傷つけることがな
い。
【0035】このようにして、位置決め部材2により位
置決めされたV型ベルト成形体1の背面27にベルト押
さえロール3が、昇降手段14により上昇されること
で、押し当てられ、図3(a)に示すように、V型ベル
ト成形体1を下段コグ金型44にはめ込むようになって
いる。これにより加硫済み部分23のベルトコグ山部2
0は金型コグ谷部22に押し込まれて嵌合するので、安
定した状態となるが、未加硫部分25(点々で図示)は
コグ成形されていないので、下段コグ金型44には嵌合
せず、下段コグ金型44の上部に支持された状態とな
る。
【0036】この状態で、下段加圧盤46を上昇して平
板状加圧盤8に近づけると、図4に示すように、V型ベ
ルト成形体1の背面に平板状加圧盤8が当接され、V型
ベルト成形体1の未加硫部分25は加圧されて金型コグ
谷部22に押し込まれてコグ形状に成形される。
【0037】更に、下段加圧盤46を平板状加圧盤8に
近づけると、図4に示すように、V型ベルト成形体1の
背面に平板状加圧盤8が当接され、V型ベルト成形体1
の未加硫部分25は、下段コグ金型44に押し込まれて
コグ形状に成形される。
【0038】つづけて、下段加圧盤46を押し上げる
と、平板状加圧盤8も押し上げられてその上面に掛け渡
されたV型ベルト成形体1の上側部分を挟んで上段コグ
金型45に押し当てて、コグ形状に成形される。そし
て、加圧・加熱されて加硫される。なお、上側に掛け渡
されているV型ベルト成形体1も、下側の部分と同様
に、上側のベルト押さえロール3’により上段コグ金型
45にはめ込まれ、コグ成形される。
【0039】この加硫操作を繰り返してV型ベルト成形
体1の全体を加硫する。加硫済み部分のベルトコグ山部
を金型コグ谷部に同時にはめ込むことができる。
【0040】ところで、前記所定の移動長さは、下段コ
グ金型44と平板状加圧盤8により一度に加硫する長さ
(加硫可能長さ)であって、V型ベルト成形体1が下段
コグ金型44から引き離された位置(図示せず)から、
V型ベルト成形体1の加硫済み部分23の最後のコグ山
部24が所定の金型コグ谷部22(いわゆる焼き境の金
型コグ谷部)と嵌合できる位置までの長さである。
【0041】この所定の移動長さMはV型ベルト成形体
1の全長Lと下段コグ金型44の加硫可能長さNとの関
係で予め算定される。計算の手順は、プレス回数PをP
=(L−N×2)÷2の式で計算し、このプレス回数P
が整数となるように逆算してNを定める。Nを2倍し、
2で除するのは、加硫プレス機が上下2段で同時に加硫
されることによる。例えば、V型ベルト成形体1の全長
Lが3500mm、金型の加硫可能長さNが500mmで有
るとき、所定の移動長さMは次のように計算される。
【0042】(3500−500×2)÷500=2.
5の式よりプレス回数Pは2.5回となり、端数回数は
実施不能であるので、これを2.5を超える最小の整数
3(プレス回数)として逆算すると、(3500−50
0×2)÷3=400となり、所定の移動長さMは40
0mmとする。
【0043】このように算定した所定の移動長さを移動
させると、上記の加硫済み部分23の最後のコグ山部2
4が所定の金型コグ谷部22(所定の移動長さMにより
変化することがある)と嵌合できる位置となる。なお、
移動速度は移動開始時は制限されないが、停止直前に低
速(例えば、2〜3mm/sec)で移動することにより、
停止位置の精度を向上することができる。
【0044】また、図6に位置決め部材2の他の実施例
を示す。この位置決め部材2’は、位置決め部材2’の
昇降方向に平行であって、位置決め部材2’より長さq
だけ高く、かつ、その先端部17の位置決め部材2’と
向かい合う面が傾斜面とされている補助ガイド16を備
えている。なお、補助ガイド16は位置決め部材2’よ
り上記コグピッチmに相当する間隔pを隔てて位置決め
部材2’と同じスライダに並立されている。この補助ガ
イド16は、位置決め部材2’を上昇させるとき、移動
しているV型ベルト成形体1にまず接触して、位置決め
部材2’の位置を修正しながらこの位置決め部材2’を
ベルトコグ谷部に誘導する。なお、この補助ガイド16
はプラスチックスなどで作られベルトコグ谷部に当接し
た後湾曲して位置決め部材2’の当接を阻害しない。
【0045】なお、本実施例では、上段加圧盤47を固
定した場合について説明したが、平板状加圧盤8を固定
し、上段加圧盤47及び下段加圧盤46を昇降させる構
成とすることもできる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明のコグ付きVベルトの製造方法および製造装置に
は、次のような効果がある。
【0047】請求項1に記載のコグ付きVベルトの製造
方法によれば、V型ベルト成形体の一部を加硫した後V
型ベルト成形体を移動して、つぎの未加硫部分を加硫す
るために平板状加圧盤とコグ金型とを閉止する前に、V
型ベルト成形体を位置決め部材により位置決めすること
により、V型ベルト成形体の加硫済み部分(コグ成形さ
れた部分)が、金型コグ谷部に正確に嵌合されることと
なり、嵌合不良による変形や傷入りとなることがない。
【0048】請求項2に記載の製造方法によれば、複数
本のV型ベルト成形体を同時に加硫する場合であって
も、複数本のV型ベルト成形体を同時にコグ金型に嵌合
することができる。
【0049】請求項3に記載のコグ付きVベルトの製造
装置は、請求項1に記載の製造方法を効果的に実施する
製造装置である。即ち、位置決め部材によりV型ベルト
成形体の移動時に所定の位置に停止して、平板状加圧盤
とコグ金型とを閉止したときベルトコグ山部と金型コグ
谷部にずれなく嵌合することができ、ベルト押さえ部材
により、予め位置決めされたV型ベルト成形体のベルト
コグ山部を金型コグ谷部にはめ込むことにより、V型ベ
ルト成形体の位置決め(嵌合不良防止)を更に確実にす
ることが可能となる。
【0050】請求項4に記載の製造装置は、位置決め部
材がベルト移動方向に移動可能であり、V型ベルト成形
体と一体として移動し、この位置決め部材の位置を検出
することにより、V型ベルト成形体を所定の位置に停止
するようにしているので、平板状加圧盤とコグ金型とを
閉止することでV型ベルト成形体のベルトコグ山部と金
型コグ谷部とを正確に嵌合することができる。
【0051】請求項5に記載の製造装置は、請求項2に
記載のコグ付きVベルトの製造方法を効果的に実施する
装置であって、複数本のコグ付きVベルトを同時に加硫
する場合に、この複数本のV型ベルト成形体を同時に位
置決めをすることができる。
【0052】請求項6に記載の製造装置は、位置決め部
材に補助ガイドを付加することにより、V型ベルト成形
体のベルトコグ谷部に位置決め部材を当接する際に、補
助ガイドにより予め位置決め部材の位置を補正すること
により、位置決め部材をベルトコグ谷部の中央部に当接
し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコグ付きVベルト1の製造装置の概要
を説明する側面図を示す。
【図2】位置決め部材2によりコグ付きVベルト1を位
置決めした状態を説明する部分側面図を示す。
【図3】位置決めされたコグ付きVベルト1をベルト押
さえロール3により押さえて、ベルトコグ山部20を金
型コグ谷部22に嵌合した状態を説明する図であり、図
3(a)は部分側面図を示し、図3(b)はその正面図
を示す。
【図4】ベルト押さえロール3によりベルトコグ山部2
0を金型コグ谷部22に嵌合させた後、平板状加圧盤8
とコグ金型44とを閉止した状態を表す部分側面図を示
す。
【図5】位置決め部材2の側面図を示す。
【図6】補助ガイド16を取り付けた位置決め部材2’
の部分側面図を示す。
【図7】コグ付きVベルトの構造、外観を説明するコグ
付きVベルトの一部断面斜視図を示す。
【図8】従来のコグ付きVベルト1’の製造装置の概要
を説明する側面図を示す。
【符号の説明】
1:コグ付きVベルト 2:位置決め部材 3:ベルト押さえロール 8:平板状加圧盤 12:駆動プーリ 13:伸張プーリ 16:補助ガイド 20:ベルトコグ山部 21:ベルトコグ谷部 22:金型コグ谷部 44:下段コグ金型 46:下段加圧盤
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月13日(2000.10.
13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月16日(2000.10.
16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 コグ付きVベルトの製造方法およびそ
の製造装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、長尺のコグ付き
Vベルトの製造方法およびその製造装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、コグ付きVベルトは、無端Vベ
ルトのクッション層にコグを形成してプーリへの巻き付
け時に屈曲を容易とするVベルトであり、例えば、図7
に部分斜視図を示すように、並列された多数本の心体コ
ード30の外周面に接着ゴム層を挟んでカバー層33を
設け、心体コード30の内周側に長さ方向をベルトの幅
方向に向けた短繊維32を混入して断面が逆台形である
クッション層31が設けられて、そのクッション層31
にベルトコグ山部34が形成されている。
【0003】従来のコグ付きVベルト製造装置は、図8
にその概要を側面図で示すように、加熱可能な上段加圧
盤7’と、上段加圧盤7’の下方にあって加熱可能かつ
昇降可能な下段加圧盤6’とを水平に設け、この上段加
圧盤7’と下段加圧盤6’との間に、上下面にそれぞれ
上金型5’と下金型4’とを取り付けた昇降可能かつ加
熱可能で水平に設けられた中段加圧盤8’を備え、この
中段加圧盤8’と同じ高さにあって中段加圧盤8’と同
時に昇降する対をなした駆動プーリ(ドライブプーリと
もいう)12’と伸張プーリ(テンションプーリともい
う)13’とを備える。
【0004】この装置を使用してコグ付きVベルトを加
硫成形する手順は、まず、下段加圧盤6’を下降させて
上段加圧盤7’、中段加圧盤8’、下段加圧盤6’とを
離間し、未加硫のV型ベルト成形体1’を駆動プーリ1
2’と伸張プーリ13’との間に懸回した後、上段加圧
盤7’及び下段加圧盤6’をV型ベルト成形体1’の背
面に当接し加圧した状態で加熱することによりV型ベル
ト成形体1’の一部(コグ金型4’、5’に当接した部
分)にコグ山部を形成するとともに加硫する。この一部
を加硫した後、上記上段加圧盤7’と下段加圧盤6’を
離間してV型ベルト成形体1’の加硫済み部分をコグ金
型より剥離し、このV型ベルト成形体1’を加硫済み部
分に相当する長さだけ移動して次の未加硫部分を引き込
み加硫する。このようにV型ベルト成形体1’を順送り
しながら全長を加硫する。
【0005】なお、このV型ベルト成形体1’の加硫済
み部分に相当する長さを移動する場合には、コグ金型の
コグ山数を基準として予め算定した長さを機械的に移動
する方法、または、目視により加硫済みのベルトコグ山
部とコグ金型の金型コグ谷部との位置を確認しながら移
動する方法などが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のコグ付きVベルトの製造方法によれば、次
のような問題がある。V型ベルト成形体を予め算定され
た所定の距離を移動すると、上記の加硫済み部分末端部
のベルトコグ山部とコグ金型先端部の金型コグ谷部と
は、ほぼ上下に重なる位置に位置するが、正確に一致し
ないことがある。未加硫のV型ベルト成形体の保存期間
や成型時の資材巻き付け張力にバラツキがある場合に、
V型ベルト成形体の長さにバラツキを生じ、また、移動
時の停止精度がバラツクことがあるからである。この状
態で加圧盤を閉じると、加硫済み部分のベルトコグ山部
はコグ金型の金型コグ谷部とずれた位置に嵌め込まれ、
ベルトコグ山部が変形し傷つくことがある。とくに作業
者が目視にて移動させる場合においても、作業者の技能
のバラツキにより同様な問題を生じる。
【0007】この発明は上記の点に鑑みなされたもの
で、順送りによりV型ベルト成形体を加硫する際にベル
トコグ山部に変形や傷が付くのを防止したコグ付きVベ
ルトの製造方法および製造装置を提供することを目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために請求項1に記載の本発明のコグ付きVベルトの製
造方法は、平板状加圧盤と、金型加圧盤に支持されたコ
グ金型との間に、未加硫のV型ベルト成形体を挟んで、
加圧・加熱して加硫するコグ付きVベルトの製造方法で
あって、コグが成形された加硫済み部分のベルトコグ谷
部に、位置決め部材を押し当てて、前記位置決め部材の
先端と前記コグ金型の金型コグ山部の頂点との間隔がコ
グピッチの整数倍となる位置まで、前記V型ベルト成形
体と位置決め部材とを一緒に前記V型ベルト成形体の長
(走行)方向に移動させ、それから、前記加硫済み部
分のベルトコグ山部を前記コグ金型の金型コグ谷部には
め込んだ状態で、前記平板状加圧盤と前記金型加圧盤に
支持されたコグ金型との間に前記V型ベルト成形体を伸
長した状態で挟み込むことにより、前記V型ベルト成形
体の未加硫部分を前記コグ金型に押し込んで、加圧・加
熱して加硫し、上記の一連の手順を繰り返し行なうこと
によって前記V型ベルト成形体を全長にわたり加硫する
ものである。
【0009】このコグ付きVベルトの製造方法は、ま
ず、V型ベルト成形体の一部をコグ金型を用いて加硫し
た後、加硫済み部分(成形済み部分を含む)をコグ金型
より引き離して所定の移動距離だけ移動させ、次に加硫
するV型ベルト成形体の未加硫部分をコグ金型と平板状
加圧盤との間に引き込む。この所定の移動距離は、コグ
金型の長さと無端状コグ付きVベルトの長さにより定ま
り、一回の加硫工程で加硫を終了する範囲に相当する長
さである。すなわち、コグ付きVベルトを予め計算され
た所定の移動距離を移動させると、加硫済み部分の送り
方向末端のベルトコグ山部が、コグ金型の送り方向先端
部の金型コグ谷部にほぼ一致する。しかし、このまま平
板状加圧盤とコグ金型とを閉じようとすると、上記の問
題(ベルトコグ山部の変形)が発生することがある。
【0010】そこで、例えばV型ベルト成形体が移動を
停止する直前に、位置決め部材の先端をベルトコグ谷部
に押し当ててV型ベルト成形体と一緒に移動するように
し、位置決め部材が所定の位置に達したことを検出し
て、前記V型ベルト成形体の移動を停止させる。前記所
定の位置は、位置決め部材を押し当てたベルトコグ谷部
の底部と金型コグ山部の頂点との間隔がコグピッチ(設
計されたベルトコグ山部の頂点と隣り合うベルトコグ山
部の頂点との間隔をいう)の整数倍の間隔を有する位置
である。この位置にV型ベルト成形体を停止することに
より、加硫済み部分のベルトコグ山部は、変形したり、
傷ついたりすることなく、金型コグ谷部に無理なくはめ
込まれる。なお、前記位置決め部材は、位置精度を向上
するために前記金型加圧盤の長さ方向端面近傍に設けら
れることが望ましい。
【0011】続けて、コグ金型を平板状加圧盤の方向に
移動して、位置決めされたV型ベルト成形体のコグが成
形される側に当接させる。この状態で位置決めされた加
硫済み部分のベルトコグ山部は、金型コグ谷部にはめ込
むことができる位置にあるので、ベルト押さえ部材(例
えば、昇降可能なロール)を、V型ベルト成形体の加硫
済み部分の背面に押し付けると、加硫済み部分のベルト
コグ山部は前記金型コグ谷部に無理なく嵌合する。この
ときV型ベルト成形体の張力を少し弛めると、この嵌合
が容易となる。これによってV型ベルト成形体の加硫済
み部分とコグ金型との位置関係が決定される。
【0012】さらにコグ金型を平板状加圧盤に接近させ
ると、V型ベルト成形体の未加硫部分はコグ金型に押し
込まれ、ベルトコグ山部が成形される。このとき加硫済
み部分のベルトコグ山部と金型コグ谷部とはすでにはめ
込まれているので、加硫済みの部分に連続してベルトコ
グ山部が成形される。この平板状加圧盤とコグ金型との
間に挟持されたV型ベルト成形体の未加硫部分は、加
圧、加熱されて加硫される。
【0013】請求項2に記載のように、前前記平板状加
圧盤と前記コグ金型との間に挟まれる前記V型ベルト成
形体は、複数本であって、前記複数本のV型ベルト成形
体それぞれのベルトコグ山部をそれぞれの金型コグ谷部
に同時にはめ込むことができる。
【0014】請求項2に記載のコグ付きVベルトの製造
方法によれば、加硫するV型ベルト成形体が複数本であ
る場合にも、各V型ベルト成形体のベルトコグ山部をそ
れぞれの金型コグ谷部に同時にはめ込むことにより、一
本一本のV型ベルト成形体を位置決めする必要がなく
る。
【0015】上記の製造方法を実施するための本発明に
係るコグ付きVベルトの製造装置(請求項3に記載)
は、水平に設けられた平板状加圧盤と、金型加圧盤に支
持され前記平板状加圧盤に向かい合って設けられたコグ
金型とを接近・離間可能に設け、それらの間に未加硫の
V型ベルト成形体を伸長した状態で挟み込む(閉じる)
ことにより、加圧・加熱して加硫するコグ付きVベルト
の製造装置であって、前記金型加圧盤の前記V型ベルト
成形体の長手方向端面近傍に、前記V型ベルト成形体の
ベルトコグ谷部に当接・離間可能に設けられ、前記V型
ベルト成形体の長手方向に移動可能である位置決め部材
と、この位置決め部材の位置を検出する位置決め部材検
出手段と、前記平板状加圧盤の長さ方向の端面近傍に設
けられ、前記V型ベルト成形体の加硫済み部分の背面に
押し付け可能なベルト押さえ部材とを備えたこと特徴と
している。
【0016】上記の構成を有する本発明に係る製造装置
によれば、例えば平板状加圧盤とこの平板状加圧盤に向
かい合うコグ金型を有する金型加圧盤とを水平に設け
て、平板状加圧盤とコグ金型との間にV型ベルト成形体
を挟持して加圧・加熱して加硫する。前記平板状加圧盤
とコグ金型との間において伸長されたV型ベルト成形体
は、一回の加硫作業ごとに所定の移動距離ずつ移動され
る。
【0017】位置決め部材は、金型加圧盤の長さ方向端
面(ベルト移動方向下流側)近傍に昇降可能に設けら
れ、V型ベルト成形体の加硫済み部分のベルトコグ谷部
に当接して、このV型ベルト成形体と一緒にベルト長さ
方向に移動される。移動する位置決め部材が所定の位置
になると、位置決め部材検出手段は、それを検出して信
号を発し、V型ベルト成形体の移動を停止させる。位置
決めの後、位置決め部材はV型ベルト成形体より離間し
て平板状加圧盤と前記コグ金型とによるV型ベルト成形
体の挟持を可能にする。
【0018】また、ベルト押さえ部材は、平板状加圧盤
の長さ方向端面(ベルト移動方向下流側)に昇降可能に
設けられ、V型ベルト成形体の加硫済み部分の背面を押
さえ付けて、位置決めされたV型ベルト成形体のベルト
コグ山部を、コグ金型の金型コグ谷部にはめ込む。これ
によって、ベルトコグ山部と金型コグ谷部がずれること
なく嵌合されることとなり、平板状加圧盤とコグ金型と
閉じても加硫済み部分のベルトコグ山部が潰れること
がない。
【0019】請求項4に記載のように、前記位置決め部
材が、位置決め部材支持手段にV型ベルト成形体の長さ
方向に移動可能に支持され、前記位置決め部材検出手段
が、前記位置決め部材を、その先端と前記コグ金型の金
型コグ山部の頂点との間隔がコグピッチの整数倍となる
位置で検出するように設けられているのが好ましい。
【0020】請求項4に記載のコグ付きVベルトの製造
装置によれば、位置決め部材が、位置決め部材支持手段
にV型ベルト成形体の長手方向に移動可能に支持されて
いるので、先端部をベルトコグ谷部に当接させて一緒に
移動させることができる。位置決め部材検出手段は、前
記位置決め部材の先端と前記コグ金型の金型コグ山部の
頂点との間隔がコグピッチの整数倍となる位置で前記位
置決め部材を検出する。この検出手段の信号によりV型
ベルト成形体の移動を停止すると、移動方向上流方向の
ベルトコグ山部は、はめ込み不良を生ずることなく、金
型コグ谷部にうまくはめ込まれる。
【0021】請求項5に記載のように、ベルト押さえ部
材が、前記コグ金型の幅を超える長さを有すると良い
請求項5記載のコグ付きVベルトの製造装置のベルト押
さえ部材は、例えばロールまたは棒状体であって、コグ
金型の幅を超える長さを有しているので、コグ付きVベ
ルトを複数本同時に加硫する場合であっても、これらす
べてのV型ベルト成形体の背面を同時に押さえてベルト
コグ山部を金型コグ谷部にはめ込むことができる。
【0022】請求項6に記載のように、さらに、前記位
置決め部材と向かい合う傾斜面を形成した先端部が前記
位置決め部材の先端より高い補助ガイドを備え、この補
助ガイドの先端と前記位置決め部材の先端との間隔を、
コグピッチに相当する距離にすることができる。
【0023】請求項6に記載のコグ付きVベルトの製造
装置によれば、V型ベルト成形体の移動中に前記位置決
め部材をベルトコグ谷部に接近させると、まず、高さの
高い補助ガイドの先端部が加硫済み部分のベルトコグ山
部側面に接触し位置決め部材の位置を微移動し、つづい
て位置決め部材の先端をベルトコグ谷部に押し当てて両
者を一体として移動して所定の位置で停止させることが
できる。なお、補助ガイドを位置決め部材からコグピッ
チに相当する間隔を隔てて備えることにより、補助ガイ
ドは、位置決め部材が当接するベルトコグ谷部に隣接す
るベルトコグ谷部に当接し、湾曲して位置決め部材のベ
ルトコグ谷部への当接を妨げない
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るコグ付きVベ
ルトの製造装置および製造方法について各実施の形態を
図面に基づいて説明する。
【0025】図1は本発明の実施例に係る製造装置の概
要を示す側面図であり、図2は位置決め部材2、V型ベ
ルト成形体1とコグ金型44との関係を示す側面図であ
る。図3はベルト押さえロール3,V型ベルト成形体1
と下段コグ金型44との関係を示すための図面で、図3
(a)は側面図、図3(b)は正面図である
【0026】本実施例のコグ付きVベルトの製造装置
は、図1に示すように、下面に上段コグ金型45を取付
けて加熱可能な上段加圧盤47(上段の金型加圧盤をい
う)と、上段加圧盤47の下方にあって上面に下段コグ
金型44を取り付けて昇降可能かつ加熱可能な下段加圧
盤46(下段の金型加圧盤をいう)と、上段コグ金型4
5と下段コグ金型44との間に昇降可能かつ加熱可能で
水平に設けられた平板状加圧盤8と、この平板状加圧盤
8と同じ高さにあって平板状加圧盤8に連動して一緒に
昇降するとともに、対をなすドライブプーリ12および
テンションプーリ13とを備える。さらに、位置決め部
材2(図5参照、詳細後述)は、下段加圧盤46の端面
(ベルト走行方向xの反対側)に配置された位置決め部
材支持手段48に支持されており、昇降手段11により
昇降されてベルトコグ谷部21に対し当接・離間可能に
構成されている。平板状加圧盤8の上下両面に、ドライ
ブプーリ12とテンションプーリ13とに懸回されたV
型ベルト成形体1の背面(コグが成形されていない面を
いい、この例では懸回されたV型ベルト成形体1の内側
面をいう)を押圧可能かつ離間可能なベルト押さえロー
ル3、3’(ベルト押さえ部材)を、平板状加圧盤8の
上下両側に回動自在に配備している。なお、位置決め部
材支持手段48は、上段加圧盤47に設けることもでき
る。
【0027】図5に示すように、位置決め部材2は、位
置決め部材支持手段48に支持され、昇降手段11によ
り昇降され。また、位置決め部材2と位置決め部材支
持手段48との間には、リニアガイド10が設けられ、
位置決め部材2がV型ベルト成形体1の走行(長手)
向に移動可能となるように構成されている。すなわち、
位置決め部材2を取り付けたリニアガイド10のスライ
ダ部に、案内板49が取り付けられ、この案内板49の
先端部は鉛直方向にL状に折り曲げられている。位置決
め部材支持手段48の上部に支持軸50が、案内板49
の先端の鉛直部を貫通して水平方向に突出させて取り付
けられ、この支持軸50の先端にバネ係止部50aが固
定されている。この支持軸50の周囲には、コイルバネ
51が巻装され、案内板49はコイルバネ51の中間位
置にコイルバネ51の一部に係止されているので、V型
ベルト成形体1と一緒に位置決め部材2が移動し、V型
ベルト成形体1が停止するまでの間に、コイルバネ51
の付勢力に抗して位置決め部材2の先端がコグ谷部21
の中心に移動する。また、位置決め部材2がV型ベルト
成形体1より離間されると、位置決め部材2はコイルバ
ネ51の付勢力により中央に押し戻される。
【0028】図示を省略した位置決め部材検出手段は、
位置決め部材2の近傍であって位置決め部材2が所定の
位置に移動したとき、この位置決め部材2(案内板49
など一体として移動する部分を含む)を検出して、信号
発信する。この信号により、図示しない制御手段がド
ライブプーリ12の回転を停止させ、V型ベルト成形体
1の走行が停止する。この所定の位置とは、位置決め部
材2の先端が押し当てられたベルトコグ谷部21の中心
と金型コグ山部26の頂点(中心)との間隔nがコグピ
ッチ(隣接するベルトコグ谷部21の中心間の寸法)m
の整数倍になる位置である(図2参照)。
【0029】ベルト押さえロール3、3’は、平板状加
圧盤8のV型ベルト成形体1の上下両側に昇降可能に取
り付けられている。ベルト押さえロール3の長さは、
3(b)に示すように、コグ金型44の幅よりも長くし
て、張られたV型ベルト成形体1の上方にその走行方向
に対し直交する方向に横断して設けられているので、複
数本のV型ベルト成形体1を同時に加硫する場合であっ
ても、これら複数本のV型ベルト成形体1の背面を同時
に押さえることができ、ベルトコグ山部を金型コグ谷部
に同時にはめ込むことが可能となる。なお、この図3
(b)はベルト押さえロール3が下降し、下段コグ金型
44にV型ベルト成形体1を嵌合した状態を示す。ベル
ト押さえロール3,3’は、図3(a)に示すように、
平板状加圧盤8のV型ベルト成形体1の幅方向の両端部
取り付けられた昇降手段14により昇降され、そして
下降する際にV型ベルト成形体1の背面を押圧して下段
コグ金型44の金型コグ谷部22にベルトコグ山部20
をはめ込むようになっている。
【0030】続いて、この製造装置を用いたコグ付きV
ベルトの製造方法を図1〜図4を参照して説明する。
【0031】先ず、図1に示すようにドライブロール1
2とテンションロール13との間に、平板状加圧盤8を
取り囲むように、未加硫のV型ベルト成形体1を懸回し
たのち、テンションロール13をドライブロール12か
ら離間する方向に移動してV型ベルト成形体1を所定の
長さに伸張し、下段加圧盤46を上昇させる。これによ
り、下段加圧盤46に支持される下段コグ金型44は上
昇して平板状加圧盤8に押し当てられる。ここで、さら
上昇して平板状加圧盤8を上段加圧盤47に押し当て
る。この状態で加熱することにより、これら加圧盤46
・8・45の間に挟持されたV型ベルト成形体1の部分
が加硫される。
【0032】それから、V型ベルト成形体1の一部の加
硫を終了すると、図2に示すように、下段加圧盤46を
下降させて加硫済みのV型ベルト成形体1を解放し、
ライブプーリ12(図1参照)を回転させて矢印xの方
向に所定の移動距離Mを走行させ、V型ベルト成形体1
の加硫済み部分23(斜線表示部分)の最後のコグ山部
24が所定の金型コグ谷部22と嵌合できる位置まで移
動する。この移動の終了直前(たとえば、約1コグピッ
チを残す位置)に、昇降手段11(図5参照)により位
置決め部材2を上昇させて、V型ベルト成形体1の加硫
済み部分23のベルトコグ谷部21の中心に位置決め部
材2の先端を当接させる。
【0033】ベルトコグ谷部21の中心に当接させられ
た位置決め部材2は、V型ベルト成形体1と一緒にリニ
アガイド10に案内され、コイルバネ51の付勢力に抗
して所定の移動距離Mを移動し、予め設定された所定の
位置に達すると、位置決め部材検出手段(図示せず)に
より検出される。ここで、V型ベルト成形体1の走行が
停止し、V型ベルト成形体1が所定の位置に位置決めさ
れる。
【0034】この予め設定された所定の位置は、前述し
たように位置決め部材2の先端と下段コグ金型44のベ
ルト移動方向(矢印x)下流端の金型コグ山部26の頂
点との距離nが、コグピッチmの整数倍となるように設
定されているので、平板状加圧盤8と下段加圧盤46と
を閉じたときに、加硫済み(コグ成形済みを含む)のベ
ルトコグ山部24が金型コグ谷部22に正確に嵌合する
ことになり、ベルトコグ山部24を傷つけることがな
い。
【0035】このようにして、位置決め部材2により位
置決めされたV型ベルト成形体1の背面27にベルト押
さえロール3が、昇降手段14により上昇されること
で、押し当てられ、図3(a)に示すように、V型ベル
ト成形体1を下段コグ金型44にはめ込む。これにより
加硫済み部分23のベルトコグ山部20は金型コグ谷部
22に押し込まれて嵌合するので、安定した状態となる
が、未加硫部分25(点々で現した部分)はコグ成形さ
れていないので、下段コグ金型44には嵌合せず、下段
コグ金型44の上部に支持された状態となる。
【0036】この状態で、下段加圧盤46を上昇して平
板状加圧盤8に近づけると、図4に示すように、V型ベ
ルト成形体1の背面に平板状加圧盤8が当接され、V型
ベルト成形体1の未加硫部分25は加圧されて金型コグ
谷部22に押し込まれてコグ形状に成形される。
【0037】さらに、下段加圧盤46を平板状加圧盤8
に近づけると、図4に示すように、V型ベルト成形体1
の背面に平板状加圧盤8が当接され、V型ベルト成形体
1の未加硫部分25は、下段コグ金型44に押し込まれ
てコグ形状に成形される。
【0038】けて、下段加圧盤46を押し上げると、
平板状加圧盤8も押し上げられてその上面に掛け渡され
たV型ベルト成形体1の上側部分を挟んで上段コグ金型
45(図1)に押し当てて、コグ形状に成形される。そ
して、加圧・加熱されて加硫される。なお、上側に掛け
渡されているV型ベルト成形体1も、下側の部分と同様
に、上側のベルト押さえロール3’により上段コグ金型
45にはめ込まれ、コグ成形される。
【0039】上記した一連の加硫操作を繰り返してV型
ベルト成形体1の全長にわたり加硫することにより、最
終工程で加硫済み部分のベルトコグ山部を金型コグ谷部
にはめ込むことができる。
【0040】ところで、V型ベルト成形体1の前記所定
の移動距離Mとは、下段コグ金型44と平板状加圧盤8
とにより一回当たりに加硫する長さ(加硫可能長さ)で
あって、V型ベルト成形体1が下段コグ金型44から引
き離された位置(図示せず)から、V型ベルト成形体1
の加硫済み部分23の最後のコグ山部24が所定の金型
コグ谷部22(いわゆる焼き境の金型コグ谷部)と嵌合
できる位置までの長さである。
【0041】この所定の移動距離MはV型ベルト成形体
1の全長Lと下段コグ金型44の加硫可能長さNとの関
係で予め算定される。計算の手順は、プレス回数PをP
=(L−N×2)÷2の式で計算し、このプレス回数P
が整数となるように逆算してNを定める。Nを2倍し、
(L−N×2)を2で除するのは、加硫プレス機が上下
2段で同時に加硫されることによる。例えば、V型ベル
ト成形体1の全長Lが3500mm、金型の加硫可能長さ
Nが500mmの場合、所定の移動距離Mは次のように計
算される。すなわち、
【0042】(3500−500×2)÷500=2.
5の式よりプレス回数Pは2.5回となり、端数回数は
実施不能であるので、これを2.5を超える最小の整数
3(プレス回数)として逆算すると、(3500−50
0×2)÷3=400となり、所定の移動距離Mは40
0mmになる。
【0043】このように算定した所定の移動距離Mずつ
V型ベルト成形体1を移動させると、上記の加硫済み部
分23の最後のコグ山部24が所定の金型コグ谷部22
(所定の移動距離Mにより変化することがある)と嵌合
できる位置となる。なお、移動速度は移動開始時は制限
されないが、停止直前に低速(例えば、2〜3mm/se
c)で移動させることにより、停止位置の精度を向上す
ることができる。
【0044】また、図6は位置決め部材2の他の実施例
を示す側面図で、本例の位置決め部材2’は補助ガイド
16を備えており、この補助ガイド16は、位置決め部
材2’の昇降方向に平行であって、位置決め部材2’よ
り長さqだけ高く、かつ、その先端部17の位置決め部
材2’と向かい合う面が傾斜面に形成されている。な
お、補助ガイド16は位置決め部材2’より上記コグピ
ッチmに相当する間隔pを隔てて位置決め部材2’と
通のリニアガイドのスライダ10’に並立されている。
この補助ガイド16は、位置決め部材2’を上昇させる
とき、移動しているV型ベルト成形体1にまず接触し
て、位置決め部材2’の位置を修正しながらこの位置決
め部材2’をベルトコグ谷部に誘導する。なお、この補
助ガイド16は可撓性を有するプラスチックスなどで作
られベルトコグ谷部に当接した後に湾曲して位置決め
部材2’の当接を阻害しない。
【0045】なお、上記の各実施例では、上段加圧盤4
7を固定した場合について説明したが、平板状加圧盤8
を固定し、上段加圧盤47及び下段加圧盤46を昇降さ
せる構成とすることもできる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明のコグ付きVベルトの製造方法および製造装置に
は、次のような効果がある。
【0047】 請求項1に記載のコグ付きVベルトの
製造方法によれば、V型ベルト成形体の一部を加硫した
後V型ベルト成形体を移動して、つぎの未加硫部分を加
硫するために平板状加圧盤とコグ金型とを閉じる前に、
V型ベルト成形体を位置決め部材により位置決めするこ
とにより、V型ベルト成形体の加硫済み部分(コグ成形
された部分)が、金型コグ谷部に正確に嵌合されること
となり、嵌合不良による変形や傷入りとなることがな
い。
【0048】 請求項2に記載の製造方法によれば、
複数本のV型ベルト成形体を同時に加硫する場合であっ
ても、複数本のV型ベルト成形体を同時にコグ金型に嵌
合することができる。
【0049】 請求項3に記載のコグ付きVベルトの
製造装置は、請求項1に記載の製造方法を効果的に実施
する製造装置である。すなわち、位置決め部材によりV
型ベルト成形体の移動時に所定の位置に停止して、平板
状加圧盤とコグ金型とを閉じたときベルトコグ山部と金
型コグ谷部にずれなく嵌合することができ、ベルト押さ
え部材により、予め位置決めされたV型ベルト成形体の
ベルトコグ山部を金型コグ谷部にはめ込むことにより、
V型ベルト成形体の位置決め(嵌合不良防止)をさら
確実にすることが可能となる。
【0050】 請求項4に記載の製造装置は、位置決
め部材がベルト移動方向に移動可能であり、V型ベルト
成形体と一体として移動し、この位置決め部材の位置を
検出することにより、V型ベルト成形体を所定の位置に
停止するようにしているので、平板状加圧盤とコグ金型
とを閉じることでV型ベルト成形体のベルトコグ山部と
金型コグ谷部とを正確に嵌合することができる。
【0051】 請求項5に記載の製造装置は、請求項
2に記載のコグ付きVベルトの製造方法を効果的に実施
する装置であって、複数本のコグ付きVベルトを同時に
加硫する場合に、この複数本のV型ベルト成形体を同時
に位置決めをすることができる。
【0052】 請求項6に記載の製造装置は、位置決
め部材に補助ガイドを付加することにより、V型ベルト
成形体のベルトコグ谷部に位置決め部材を当接する際
に、補助ガイドにより予め位置決め部材の位置を補正す
ることにより、位置決め部材をベルトコグ谷部の中央部
に当接し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るコグ付きVベルト1の製
造装置の概要を示す側面図である
【図2】位置決め部材2によりコグ付きVベルト1を位
置決めした状態を示す、部分側面図である
【図3】位置決めされたコグ付きVベルト1をベルト押
さえロール3により押さえて、ベルトコグ山部20を金
型コグ谷部22に嵌合した状態を説明するための図面
、図3(a)は部分側面図、図3(b)は正面図であ
【図4】ベルト押さえロール3によりベルトコグ山部2
0を金型コグ谷部22に嵌合させた後、平板状加圧盤8
とコグ金型44とを閉じた状態を示す部分側面図であ
【図5】位置決め部材2を示す側面図である
【図6】補助ガイド16を取り付けた位置決め部材2’
を示す部分側面図である
【図7】コグ付きVベルトの構造、外観を説明するため
のコグ付きVベルトを示す一部断面斜視図である
【図8】従来の一般的なコグ付きVベルト1’の製造装
置の概要を示す側面図である
【符号の説明】 1:コグ付きVベルト 2:位置決め部材 3:ベルト押さえロール 8:平板状加圧盤 12:ドライブプーリ 13:テンションプーリ 16:補助ガイド 20:ベルトコグ山部 21:ベルトコグ谷部 22:金型コグ谷部 44:下段コグ金型 46:下段加圧盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AA45 AG05 AG16 AG26 AG28 AH12 AH66 AP06 CA09 CB01 CK11 CK89 CN01 CR06 4F203 AA45 AG05 AG16 AG26 AG28 AH12 AH66 AP06 DA03 DA11 DB01 DC01 DK01 DL10 4F213 AA45 AG05 AG16 AG26 AG28 AH12 AH66 AP06 WA04 WA72 WA83 WA87 WB01 WC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状加圧盤と、金型加圧盤に支持され
    たコグ金型との間に、未加硫のV型ベルト成形体を展張
    し、加圧・加熱して加硫するコグ付きVベルトの製造方
    法であって、 前記未加硫のV型ベルト成形体の一部を前記コグ金型を
    用いて加硫した後、前記V型ベルト成形体がコグ成形さ
    れ加硫された加硫済み部分を前記コグ金型より引き離し
    て、位置決め部材を前記加硫済み部分のベルトコグ谷部
    に押し当てて一緒に移動し、該位置決め部材の先端と前
    記コグ金型の金型コグ山部の頂点との間隔がコグピッチ
    の整数倍となる位置で、前記V型ベルト成形体の移動を
    停止し、 つづけて、前記加硫済み部分のベルトコグ山部を前記コ
    グ金型の金型コグ谷部にはめ込み、更に、前記V型ベル
    ト成形体の未加硫部分を前記コグ金型に押し込み、加
    圧、加熱して加硫し、この手順を繰り返して前記V型ベ
    ルト成形体の全体を加硫することを特徴とするコグ付き
    Vベルトの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記平板状加圧盤と前記コグ金型との間
    に展張された前記未加硫のV型ベルト成形体が複数本で
    あって、前記複数本のV型ベルト成形体それぞれのベル
    トコグ山部をそれぞれの金型コグ谷部に同時にはめ込む
    請求項1に記載のコグ付きVベルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 水平に設けられた平板状加圧盤と、金型
    加圧盤に支持され前記平板状加圧盤に向かい合って設け
    られたコグ金型とを接近・離間可能に設け、それらの間
    に未加硫のV型ベルト成形体を展張し、加圧・加熱して
    加硫するコグ付きVベルトの製造装置であって、 前記金型加圧盤の前記V型ベルト成形体の長さ方向端面
    近傍に設けられ、前記V型ベルト成形体の長さ方向に移
    動可能であって、前記V型ベルト成形体のベルトコグ谷
    部に当接・離間可能な位置決め部材と、この位置決め部
    材の位置を検出する位置決め部材検出手段と、前記平板
    状加圧盤の長さ方向端面近傍に設けられ、前記V型ベル
    ト成形体の加硫済み部分の背面に押し付け可能なベルト
    押さえ部材とを備えることを特徴とするコグ付きVベル
    トの製造装置。
  4. 【請求項4】 前記位置決め部材が、位置決め部材支持
    手段にV型ベルト成形体の長さ方向に移動可能に支持さ
    れ、前記位置決め部材検出手段が、前記位置決め部材
    を、その先端と前記コグ金型の金型コグ山部の頂点との
    間隔がコグピッチの整数倍となる位置で検出するように
    設けられている請求項2または3に記載のコグ付きVベ
    ルトの製造装置。
  5. 【請求項5】 前記ベルト押さえ部材が、前記コグ金型
    の幅を超える長さを有する請求項3または4に記載のコ
    グ付きVベルトの製造装置。
  6. 【請求項6】 前記位置決め部材の先端より高い先端部
    を有し、この先端部に前記位置決め部材と向かい合う傾
    斜面を形成した補助ガイドを、この補助ガイドの先端と
    前記位置決め部材の先端との間にコグピッチに相当する
    間隔をおいて設けられている請求項2〜5の何れかに記
    載のコグ付きVベルトの製造装置。
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