JP2001102102A - 光変換素子および光電池 - Google Patents

光変換素子および光電池

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JP2001102102A
JP2001102102A JP27701899A JP27701899A JP2001102102A JP 2001102102 A JP2001102102 A JP 2001102102A JP 27701899 A JP27701899 A JP 27701899A JP 27701899 A JP27701899 A JP 27701899A JP 2001102102 A JP2001102102 A JP 2001102102A
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semiconductor
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Okimasa Kagawa
興勝 香川
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    • H01G9/20Light-sensitive devices
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い光電変換効率を有する色素増感光電変換
素子および光電池を提供する。 【解決手段】 導電性支持体、この導電性支持体上に塗
設された色素を吸着した半導体含有層、電荷移動層、対
極を有する色素増感された光電変換素子において、該対
極がCu管球を用いたX線回折測定による(220)面/
(111)面の強度比が0.35以上の白金であること
を特徴とする光電変換素子およびこれにより構成された
光電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体を用いた光電
変換素子およびこれを用いた光電池に関する。特に、色
素により増感された光電変換素子および光電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、太陽光発電は単結晶シリコン光電
池、多結晶シリコン光電池、アモルファスシリコン光電
池、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化
合物光電池の改良が、実用化の主力技術となっており、
太陽光エネルギー変換効率として10%近い発電効率が
得られている。しかし、将来に向けてこれらを普及させ
る上では、素材製造にかかるエネルギーコストが高く製
品化への環境負荷が大きいこと、ユーザーにとってエネ
ルギーペイバックタイムが長い等の問題点を克服する必
要がある。このため、低価格化を目指し、大面積化も容
易な有機材料をシリコンに替わる感光材料として用いた
光電池がこれまでに多く提案されてきたが、エネルギー
変換効率が1%以下と低く、耐久性も悪いという問題が
あった。こうした状況の中で、Nature(第353巻、第737
〜740頁、1991年)および米国特許4927721号等に、色素
によって増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子
および光電池、ならびにこの作製に必要な材料および製
造技術が開示された。提案された電池は、ルテニウム錯
体によって分光増感された二酸化チタン多孔質薄膜を作
用電極とする湿式太陽電池である。この方式の第一の利
点は二酸化チタン等の安価な酸化物半導体を高純度まで
精製する必要なしに用いることができるため、安価な光
電変換素子として提供できる点であり、第二には用いら
れる色素の吸収がブロードであり、広い可視光の波長域
にわたって太陽光を電気に変換できることである。しか
し、実用化するにはさらなる光電変換効率の向上が必要
であり、変換効率をあげるためには、半導体膜での光電
流増加とともに、対極において電荷輸送剤であるレドッ
クス化合物を効率よく再生することが必要であるが、従
来の対極では性能不十分であり、電荷輸送剤を効率よく
再生できる対極を開発することが望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光電
変換効率が優れた光電変換素子を提供することである。
さらには、光電変換効率の優れた光電池を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は本発明を
特定する下記の事項およびその好ましい態様により達成
された。 (1)少なくとも半導体含有層、電荷移動層および対極
を有する光電変換素子において、対極がX線回折測定に
よる(220)/(111)の強度比が0.35以上の白金を含む
ことを特徴とする光電変換素子。 (2)少なくとも半導体層、電荷移動層および対極を有
する光電変換素子において、対極が275℃以上575
℃以下で熱処理された白金を含むことを特徴とする光電
変換素子。 (3)前記白金がスパッタリング法によって作製された
ものであることを特徴とする上記(1)または(2)の
光電変換素子。 (4)前記対極が前記白金と導電性の基板とから構成さ
れていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに
記載の光電変換素子。 (5)前記半導体含有層が金属酸化物半導体を含むこと
を特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の光電変
換素子。 (6)前記半導体含有層が二酸化チタンを含むことを特
徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の光電変換素
子。 (7)前記半導体含有層が色素で増感された半導体を含
むことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の
光電変換素子。 (8)前記電荷移動層が溶融塩を含有することを特徴と
する(1)〜(7)のいずれかに記載の光電変換素子。 (9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の光電変換
素子を用いた光電池。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。まず、本発明の光電変換素子および光電池の構成
と材料について詳述する。本発明において光電変換素子
は、導電性支持体上に設置された半導体膜(感光層)か
らなる光電極、対極、そして光電極と対極に電気的に接
触しこれらを接合する電荷移動層からなる積層構成をと
る。半導体膜を設置した導電性支持体は光電変換素子に
おける作用電極であり、光アノードとして機能する。こ
の光電変換素子は作用電極の光照射下で外部回路に電流
と起電力を発生する光電池となり、電荷移動層がイオン
伝導性電解質の場合は電気化学光電池と呼ばれる。感光
層である半導体層は目的に応じて色素により増感され、
また、単層構成でも多層構成でもよい。色素増感型の光
電変換素子の場合、感光層に入射した光は色素によって
吸収され色素分子を励起する。励起状態の色素分子は、
エネルギーの高い励起電子を半導体微粒子の伝導帯に注
入し、注入された伝導体電子は半導体バルクを拡散して
導電性支持体に到達する。電子注入した色素分子は電子
の欠損した酸化体となり、色素と接する電荷輸送材料中
の電子供与体によって電子的に還元され再生される。す
なわち、導電性支持体上が受け取った励起電子は外部回
路で電気的仕事をして対極に伝達され、電荷移動層を経
て色素酸化体に戻り、色素が再生する。なお、本発明で
は層構成をとるものの、それぞれの層の接触部(たとえ
ば、導電性支持体の導電層と感光層の境界、感光層と電
荷移動層の境界、電荷移動層と対極の境界など)におい
ては、層を構成する材料もしくは化合物、イオンは、相
互に拡散して混合した状態であってもよい。
【0006】本発明の素子で用いる対極は、半導体層を
担持する光電極が光アノードとしてはたらくとき、カソ
ードとして電荷移動層への電子移動をおこなう。光電変
換効率を改善するひとつの要因として、対極から電荷移
動層への電子移動を効率よく行うことが挙げられる。対
極として基板上に白金対極を作製し、熱処理条件を変え
て鋭意検討したところ、Cu管球を用いたX線回折測定
による白金の(220)面/(111)面の強度比が光電変
換素子の変換効率に大きく影響することが明らかになっ
た。この理由は不明であるが、(220)面/(111)面
の強度比が0.30以上で効果が出始める。この強度比
は0.35以上であることが好ましく、さらに好ましく
は0.5以上であり、最も好ましくは1.0以上であ
る。なお、測定に使用したX線回折装置はRINT20
00(理学電機工業(株)製)で、Cu回転対陰極、広角ゴ
ニオメーター、グラファイトモノクロメータを使用し、
測定条件は管電圧55kV、管電流280mA、走査軸2
θ/θ、ゴニオメーターステップ0.02°、FixedT
ime法、計数時間0.5秒、スリット系は発散スリット
1/2°散乱スリット1/2°、受光スリット0.15
mmで行った。白金の(220)面と(111)面の回折ピ
ークの半値幅の積分強度を測定し、その比を(220)面
/(111)面の強度比とした。なお、(111)面の強度
は全試料について100,000Counts/Second以下
であった。
【0007】上述の条件を有する白金は、対極のうちの
一部分であっても全体であっても構わないが、できるだ
け広い面積で上述の条件の白金と電荷移動層が接してい
ることが好ましい。本発明の白金が薄膜状となっている
のも好ましい。この場合、白金の膜厚は1nm以上2μ
m以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.0
5μm以上1.5μm以下であり、最も好ましくは0.
1μm以上1μm以下である。
【0008】本発明の白金は、上記条件を有するものな
らどのような方法で作製してもよい。たとえば、スパッ
タリング、蒸着、メッキ、圧延による箔形成など種々の
方法が考えられるが、この中でもスパッタリング法によ
る作製が好ましい。また、好ましい上記物性値は、形成
された白金対極を加熱処理することにより得ることがで
きるが、その熱処理温度としては275℃以上であるこ
とが好ましい。温度の上限は特にはないが、基板の変形
や製造コストの点から575℃以下、特に550℃以下
であることが好ましい。熱処理時間は、熱処理温度にも
よるが、通常10分〜5時間、好ましくは15分〜3時
間、特に好ましくは20分〜1時間である。
【0009】本発明に用いられる白金対極は、白金単独
で用いてもよいが、基板の上に形成してもよい。基板と
しては導電性のある基板、導電層を有する支持体あるい
は導電性のない支持体のいずれを用いることもできる
が、導電性の基板(導電性基板または導電層を有する支
持体)上に本発明の白金対極を形成するのが好ましい。
具体的に対極に用いることのできる導電性基板または導
電層の材料としては、金属(例えば、本発明の物性値を
有さない白金のほか、金、銀、銅、アルミニウム、ロジ
ウム、インジウム等)、炭素、または導電性の金属酸化
物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素を
ドープしたもの等)が挙げられる。支持体としては、ガ
ラスやポリマーフィルムなど後述の半導体電極用の支持
体と同様のものを用いることができる。対極の面積抵抗
は低い程よい。好ましい面積抵抗の範囲としては10Ω
/□以下であり、さらに好ましくは5Ω/□以下であ
り、最も好ましくは0.5Ω/□以下である。
【0010】次に、光電変換素子の光電極について説明
する。本発明において光電極に用いる半導体材料は光エ
ネルギーの吸収などで励起された状態で伝導性を生じる
材料であり、エネルギー準位として価電子バンドと伝導
バンドを有し、バンドギャップに相当する波長の光で励
起すると伝導帯電子と価電子帯正孔を生じる。このとき
n型半導体では伝導帯電子がキャリアー、p−型半導体
では正孔がキャリアーとなり伝導性を生じる。本発明で
色素増感するのに用いる半導体は、光励起下で伝導帯電
子がキャリアーとなりアノード電流を与えるn型半導体
であることが好ましい。n型半導体は電極をアノード分
極(正に分極)の状態で伝導帯励起電子を発生したと
き、アノーディックに整流された電流を生じる。また、
伝導に関わるキャリアーの濃度として1014〜1020
/cm3の範囲の半導体が好ましい。本発明の色素増感
された半導体では、光吸収およびこれによる励起電子と
正孔の発生は主として色素の分子において起こり、半導
体はこの励起電子を伝導帯で受け取り、支持体の電極に
伝達する役割を担う。本発明に関わるこのような半導体
電極の色素増感の機構は、本多健一、藤嶋昭、化学総説
No7、p77(1976)、渡辺正、滝澤卓朗、本多
健一、触媒、20、p370(1978)に詳解されて
いる。
【0011】半導体としては、シリコン、ゲルマニウム
のような単体半導体、III-V系化合物半導体、金属のカ
ルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)、
又はペロブスカイト構造を有する化合物(例えばチタン
酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナト
リウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等)等を
使用することができる。
【0012】好ましい金属のカルコゲニドとして、チタ
ン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハ
フニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イ
ットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、又はタン
タルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン
又はビスマスの硫化物、カドミウム又は鉛のセレン化
物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の化合
物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミ
ウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素又は銅−インジウム
のセレン化物、銅−インジウムの硫化物等が挙げられ
る。
【0013】本発明に用いられる半導体としてより好ま
しくは、具体的にはSi、TiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、Zn
O、Nb2O5、CdS、ZnS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、GaP、I
nP、GaAs、CuInS2、CuInSe2が挙げられる。さらに好ま
しくはTiO2、ZnO、SnO2、Fe2O3、WO3、Nb2O5、CdS、Pb
S、CdSe、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2であり、特に好
ましくは、TiO2またはNb2O5であり、最も好ましくはTiO
2である。
【0014】本発明に用いられる半導体は、単結晶で
も、多結晶でもよい。変換効率としては単結晶が好まし
いが、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバック
タイム等の点では多結晶が好ましく、特にナノメートル
からマイクロメートルサイズの微粒子半導体が好まし
い。
【0015】これらの半導体微粒子の粒径は、投影面積
を円に換算したときの直径を用いた平均粒径で一次粒子
として5〜200nmであることが好ましく、特に8〜1
00nmであることが好ましい。また、分散物中の半導体
微粒子(二次粒子)の平均粒径としては0.01〜10
0μmであることが好ましい。
【0016】また、2種類以上の粒子サイズ分布の異な
る微粒子を混合して用いてもよく、この場合、小さい粒
子の平均サイズは5nm以下であることが好ましい。ま
た、入射光を散乱させて光捕獲率を向上させる目的で、
粒子サイズの大きな、例えば300nm程度の半導体粒子
を混合してもよい。
【0017】半導体微粒子の作製法は、作花済夫の「ゾ
ルーゲル法の科学」アグネ承風社(1988年)、技術
情報協会の「ゾルーゲル法による薄膜コーティング技
術」(1995)等に記載のゾルーゲル法、杉本忠夫の
「新合成法ゲルーゾル法による単分散粒子の合成とサイ
ズ形態制御」 まてりあ、第35巻、第9号 1012
頁から1018頁(1996)記載のゲルーゾル法が好
ましい。
【0018】またDegussa社が開発した塩化物を
酸水素炎中で高温加水分解により酸化物を作製する方法
も好ましい。
【0019】また酸化チタンの場合は上記のゾルーゲル
法、ゲルーゾル法、塩化物を酸水素炎中で高温加水分解
法がいずれも好ましいが、さらに清野学の「酸化チタン
物性と応用技術」技報堂出版(1997)に記載の硫
酸法、塩素法を用いることもできる。
【0020】酸化チタンの場合は上記のゾルーゲル法の
うち特にバーブ等の「ジャーナル・オブ・アメリカン・
セラミック・ソサエティー 第80巻、第12号、31
57ページから3171ページ(1997)」記載のも
のと、バーンサイド等の「ケミカル・マテリアルズ 第
10巻 第9号、2419ページから2425ページ」
記載の方法が好ましい。
【0021】酸化チタンは主としてアナターゼ型とルチ
ル型の2種類の結晶型があり、その製法や熱履歴によ
り、いずれの型もとりうるし、しばしば両者の混合物と
して得られる。本発明の酸化チタンは、アナターゼ含率
が高い方が好ましく、80%以上であることがさらに好
ましい。アナターゼはルチルよりも光吸収の長波端波長
が短く、紫外線による光電変換素子の損傷が少ない。な
お、アナターゼ含率は、X線回折法により求めることが
でき、アナターゼおよびルチルに由来する回折ピーク強
度の比率から求めることができる。
【0022】半導体層の基板となる導電性支持体は、金
属のように支持体そのものに導電性があるものか、また
は表面に導電剤を含む導電層(導電剤層)を有するガラ
スもしくはプラスチックの支持体を使用することができ
る。後者の場合好ましい導電剤としては金属(例えば白
金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム
等)、炭素、もしくは導電性の金属酸化物(インジウム
−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの
等)が挙げられる。上記導電剤層の厚さは、0.02〜
10μm程度であることが好ましい。
【0023】感光層に光が到達するためには、半導体層
を担持する導電性支持体と対極の少なくとも一方が実質
的に透明でなければならない。本発明の光電池において
は、半導体層を担持する導電性支持体が透明であって太
陽光をその支持体の側から入射させるのが好ましい。こ
の場合対極は光を反射する性質を有することがさらに好
ましい。
【0024】導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好
ましい表面抵抗の範囲としては100Ω/□以下であ
り、さらに好ましくは40Ω/□以下である。この下限
には特に制限はないが、通常0.1Ω/□程度である。
【0025】導電性支持体は実質的に透明であることが
好ましい。実質的に透明であるとは光(400〜900
nmの可視光域)の透過率が10%以上であることを意
味し、50%以上であることが好ましく、70%以上が
特に好ましい。透明導電性支持体としてはガラスもしく
はプラスチックに導電性の金属酸化物を塗設したものが
好ましい。この中でもフッ素をドーピングした二酸化ス
ズからなる導電層を低コストのソーダ石灰フロートガラ
スでできた透明基板上に堆積した導電性ガラスが特に好
ましい。また、低コストでフレキシブルな光電変換素子
または光電池には、透明ポリマーフィルムに上記導電層
を設けたものを用いるのがよい。透明ポリマーフィルム
には、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチ
レンテレフタレート(PET),ポリエチレンナフタレ
ート(PEN)、シンジオクタチックポリステレン(S
PS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカ
ーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリ
スルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PE
S)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフ
ィン、ブロム化フェノキシ等がある。透明導電性支持体
を用いる場合、光はその支持体側から入射させることが
好ましい。この場合、導電性金属酸化物の塗布量はガラ
スもしくはプラスチックの支持体1m2当たり0.01〜
100gが好ましい。
【0026】透明導電性基板の抵抗を下げる目的で金属
リードを用いることが好ましい。金属リードの材質はア
ルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が好
ましく、特にアルミニウム、銀が好ましい。金属リード
は透明基板に蒸着、スッパタリング等で設置し、その上
にフッ素をドープした酸化スズ、またはITO膜からな
る透明導電層を設けることが好ましい。また上記の透明
導電層を透明基板に設けたあと、透明導電層上に金属リ
ードを設置することも好ましい。金属リード設置による
入射光量の低下は1〜10%、より好ましくは1〜5%
である。
【0027】半導体微粒子を導電性支持体上に塗設する
方法としては、半導体微粒子の分散液またはコロイド溶
液を導電性支持体上に塗布する方法、前述のゾル−ゲル
法などが挙げられる。光電変換素子の量産化、液物性や
支持体の融通性を考えた場合、湿式の膜付与方式が比較
的有利である。湿式の膜付与方式としては、塗布法、印
刷法が代表的である。
【0028】半導体微粒子の分散液を作成する方法とし
ては前述のゾル-ゲル法の他、乳鉢ですり潰す方法、ミ
ルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは半導体
を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま
使用する方法等が挙げられる。分散媒としては水または
各種の有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、ジクロロメタン、アセトン、アセ
トニトリル、酢酸エチル等)が挙げられる。分散の際、
必要に応じてポリマー、界面活性剤、酸、もしくはキレ
ート剤などを分散助剤として用いてもよい。
【0029】塗布方法としては、アプリケーション系と
してローラ法、ディップ法、メータリング系としてエア
ーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションとメ
ータリングを同一部分でできるものとして、特公昭58
−4589号公報に開示されているワイヤーバー法、米
国特許2681294号、同2761419号、同27
61791号等に記載のスライドホッパ法、エクストル
ージョン法、カーテン法等が好ましい。また汎用機とし
てスピン法やスプレー法も好ましく用いられる。
【0030】湿式印刷方法としては、従来から凸版、オ
フセット、グラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム
版、スクリーン印刷等が好ましい。
【0031】前記方法の中から、液粘度やウェット厚み
により好ましい膜付与方式を選択する。
【0032】液粘度は半導体微粒子の種類や分散性、使
用溶媒種、界面活性剤やバインダー等の添加剤により大
きく左右される。高粘度液(例えば0.01〜500Po
ise)ではエクストルージョン法やキャスト法が好まし
く、低粘度液(例えば0.1Poise以下)ではスライド
ホッパー法もしくはワイヤーバー法もしくはスピン法が
好ましく、均一な膜にすることが可能である。
【0033】なお、エクストルージョン法による低粘度
液の塗布の場合でも塗布量がある程度の量あれば塗布は
可能である。
【0034】また半導体微粒子の高粘度ペーストの塗設
にはしばしばスクリーン印刷が用いられており、この手
法を使うこともできる。
【0035】このように塗布液の液粘度、塗布量、支持
体、塗布速度等のパラメータに対応して、適宜ウェット
膜の付与方式を選択すればよい。
【0036】さらに、半導体微粒子含有層は単層と限定
する必要はない。微粒子の粒径の違った分散液を多層塗
布することも可能であり、また半導体の種類が異なる、
あるいはバインダー、添加剤の組成が異なる塗布層を多
層塗布することもでき、また一度の塗布で膜厚が不足の
場合にも多層塗布は有効である。多層塗布には、エクス
トルージョン法またはスライドホッパー法が適してい
る。また多層塗布をする場合は同時に多層を塗布しても
良く、数回から十数回順次重ね塗りしてもよい。さらに
順次重ね塗りであればスクリーン印刷法も好ましく使用
できる。
【0037】一般に、半導体微粒子含有層の厚みが増大
するほど単位投影面積当たりの担持色素量が増えるため
光の捕獲率が高くなるが、生成した電子の拡散距離が増
すため電荷再結合によるロスも大きくなる。したがっ
て、半導体微粒子含有層には好ましい厚さが存在する
が、典型的には0.1〜100μmである。光電池とし
て用いる場合は1〜30μmであることが好ましく、2
〜25μmであることがより好ましい。半導体微粒子の
支持体1m2当たりの塗布量は0.5〜400g、さらに
は5〜100gが好ましい。
【0038】半導体微粒子は導電性支持体に塗布した後
に粒子同士を電子的にコンタクトさせるため、および塗
膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるために加
熱処理することが好ましい。好ましい加熱処理温度の範
囲は40℃以上700℃未満であり、より好ましくは1
00℃以上600℃以下である。また加熱処理時間は1
0分〜10時間程度である。ポリマーフィルムなど融点
や軟化点の低い支持体を用いる場合は、高温処理は支持
体の劣化を招くため、好ましくない。また、コストの観
点からもできる限り低温であることが好ましい。低温化
は、先に述べた5nm以下の小さい半導体微粒子の併用や
鉱酸の存在下での加熱処理等により可能である。
【0039】また、加熱処理後、半導体粒子の表面積を
増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高め、色素から
半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四
塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水
溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
【0040】半導体微粒子は多くの色素を吸着すること
ができるように表面積の大きいものが好ましい。このた
め半導体微粒子層を支持体上に塗設した状態での表面積
は、投影面積に対して10倍以上であることが好まし
く、さらに100倍以上であることが好ましい。この上
限には特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0041】本発明に使用する色素は金属錯体色素また
はメチン色素が好ましい。本発明では、光電変換の波長
域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二
種類以上の色素を混合することができる。そして、目的
とする光源の波長域と強度分布に合わせるように混合す
る色素とその割合を選ぶことができる。こうした色素は
半導体微粒子の表面に対する適当な結合基(interlocki
ng group)を有していることが好ましい。好ましい結合
基としては、OH基、COOH基、SO3H基、シアノ基、-P(O)
(OH)2基、-OP(O)(OH)2基、または、オキシム、ジオキシ
ム、ヒドロキシキノリン、サリチレートおよびα−ケト
エノレートのようなπ伝導性を有するキレート化基が挙
げられる。この中でもCOOH基、-P(O)(OH)2基、-OP(O)(O
H)2基が特に好ましい。これらの基はアルカリ金属等と
塩を形成していてもよく、また分子内塩を形成していて
もよい。また、ポリメチン色素の場合、メチン鎖がスク
アリリウム環やクロコニウム環を形成する場合のように
酸性基を含有するなら、この部分を結合基としてもよ
い。
【0042】以下に本発明で好ましく用いられる色素を
具体的に説明する。本発明に使用する色素が金属錯体色
素の場合、ルテニウム錯体色素が好ましく、さらに下記
式(I)で表される色素が好ましい。 式(I) (A1)pRuBabc 式(I)中、pは0〜2であり、好ましくは2である。
Ruはルテニウムを表す。A1はCl、SCN、H2O、
Br、I、CN、NCO、およびSeCNから選択され
る配位子である。Ba、Bb、Bcはそれぞれ独立に以下
のB-1〜B-8から選択される有機配位子である。
【0043】
【化1】
【0044】ここで、Raは水素原子、ハロゲン原子、
炭素原子数(以下C数という)1〜12個で置換もしく
は無置換のアルキル基、C数7〜12個で置換もしくは
無置換のアラルキル基、またはC数6〜12個で置換も
しくは無置換のアリール基を表す。上記のアルキル基、
アラルキル基のアルキル部分は直鎖状であっても分岐状
であってもよく、アリール基、アラルキル基のアリール
部分は単環であっても多環(縮合環、環集合)であって
もよい。
【0045】本発明に用いられる具体的ルテニウム錯体
色素としては、例えば、米国特許4927721号、同4684537
号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、同55254
40号、特開平7-249790号、特表平10-504521号およびWO9
8/50393号の各明細書に記載の錯体色素が挙げられる。
【0046】以下に本発明に使用する金属錯体色素の好
ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0047】
【化2】
【0048】
【化3】
【0049】
【化4】
【0050】本発明に使用する色素がメチン色素である
場合、以下で説明する式(II)、式(III)、式(IV)
または式(V)で表される色素が好ましい。
【0051】
【化5】
【0052】式中、RbおよびRfは各々水素原子、アル
キル基、アリール基、または複素環基を表し、Rc〜Re
は各々水素原子または置換基を表す。Rb〜Rfは互いに
結合して環を形成してもよい。X11およびX12は各々窒
素、酸素、硫黄、セレン、テルルを表す。n11およびn
13は各々0〜2の整数を表し、n12は1〜6の整数を表
す。式(II)で表される化合物は分子全体の電荷に応じ
て対イオンを有してもよい。
【0053】上記におけるアルキル基、アリール基、複
素環基は、置換基を有していてもよい。アルキル基は直
鎖であっても分岐鎖であってもよく、アリール基、複素
環基は、単環でも、多環(縮合環、環集合)であっても
よい。またRb〜Rfによって形成される環は、置換基を
有していてもよく、単環であっても縮合環であってもよ
い。
【0054】
【化6】
【0055】式中、Zaは含窒素複素環を形成するに必
要な非金属原子群を表す。Rgはアルキル基またはアリ
ール基である。Qaは式(III)で表される化合物がメチ
ン色素を形成するのに必要なメチン基またはポリメチン
基を表す。X13は電荷均衡対イオンを表し、n14は分子
の電荷を中和するのに必要な0以上10以下の数を表
す。
【0056】上記のZaで形成される含窒素複素環は置
換基を有していてもよく、単環であっても縮合環であっ
てもよい。また、アルキル基、アリール基は置換基を有
していてもよく、アルキル基は直鎖であっても分岐鎖で
あってもよく、アリール基は単環であっても多環(縮合
環、環集合)であってもよい。
【0057】式(III)で表される色素は、下記式(III
−a)〜(III−d)で表される色素であることが好ま
しい。
【0058】
【化7】
【0059】式(III−a)〜(III−d)中、R11〜R
15、R21〜R24、R31〜R33、およびR41〜R43はそれ
ぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、または
複素環基を表し、Y11、Y12、Y21、Y22、Y31
35、およびY41〜Y46はそれぞれ独立に酸素、硫黄、
セレン、テルル、−CR1617−、または−NR18−を
表す。R16〜R18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基、アリール基、または複素環基を表す。Y23はO-
-、Se-、Te-、または−NR18 -を表す。
【0060】V11、V12、V21、V22、V31、およびV
41はそれぞれ独立に置換基を表し、n15、n31およびn
41はそれぞれ独立に1〜6の整数を表す。式(III−
a)〜(III−d)で表される化合物は、分子全体の電
荷に応じて対イオンを有していてもよい。
【0061】上記におけるアルキル基、アリール基、複
素環基は置換基を有していてもよく、アルキル基は直鎖
であっても分岐鎖であってもよく、アリール基、複素環
基は単環であっても多環(縮合環、環集合)であっても
よい。
【0062】以上のようなポリメチン色素の具体例はM.
Okawara,T. Kitao,T.Hirasima, M.Matuoka著Organic Co
lorants(Elsevier)等に詳しく記載されている。
【0063】
【化8】
【0064】式(IV)中、Qbは5員または6員の含窒
素ヘテロ環を完成するために必要な原子団を表し、Qb
は縮環していてもよく、また置換基を有していてもよ
い。Qbで完成されるヘテロ環の好ましい例としては、
ベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、ベンゾセ
レナゾール核、ベンゾテルラゾール核、2−キノリン
核、4−キノリン核、ベンゾイミダゾール核、チアゾリ
ン核、インドレニン核、オキサジアゾール核、チアゾー
ル核、イミダゾール核が挙げられるが、さらに好ましく
はベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、ベンズ
イミダゾール核、ベンゾセレナゾール核、2−キノリン
核、4-キノリン核、インドレニン核であり、特に好まし
くはベンゾチアゾール核、ベンゾオキサゾール核、2−
キノリン核、4-キノリン核、インドレニン核である。環
上の置換基としては、カルボン酸基、ホスホン酸基、ス
ルホン酸基、ハロゲン原子(F,Cl,Br,I)、シ
アノ基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、メトキシ
エトキシなど)、アリーロキシ基(フェノキシなど)、
アルキル基(メチル、エチル、シクロプロピル、シクロ
へキシル、トリフルオロメチル、メトキシエチル、アリ
ル、ベンジルなど)、アルキルチオ基(メチルチオ、エ
チルチオなど)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニ
ルなど)、アリール基ないし複素環基(フェニル、チエ
ニル、トルイル、クロロフェニルなど)などが挙げられ
る。
【0065】Zbは炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫
黄原子および水素原子から選ばれる原子により構成され
た、3ないし9員環を完成するために必要な原子団を表
す。Zbによって完成される環として好ましくは4ない
し6個の炭素によって骨格が形成される環であり、より
好ましくは以下の(ア)〜(オ)で表されるものであ
り、最も好ましくは(ア)である。
【0066】
【化9】
【0067】L1、L2、L3、L4およびL5はそれぞれ
独立に置換基を有していてもよいメチン基を表す。置換
基としては、置換または無置換のアルキル基(好ましく
は炭素原子数1ないし12、さらに好ましくは1ないし
7のものであり、例えばメチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、シクロプロピル、ブチル、2−カルボキシ
エチル、ベンジルなど)、置換または無置換のアリール
基(好ましくは炭素原子数6ないし10、さらに好まし
くは6ないし8のものであり、例えば、フェニル、トル
イル、クロロフェニル、o−カルボキシフェニル)、複
素環基(例えば、ピリジル、チエニル、フラニル、ピリ
ジル、バルビツール酸)、ハロゲン原子(例えば、塩
素、臭素)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ)、アミノ基(好ましくは炭素原子数1ないし12、
さらに好ましくは6ないし12のものであり、例えば、
ジフェニルアミノ、メチルフェニルアミノ、4−アセチ
ルピペラジン−1−イル)、オキソ基などが挙げられ
る。これらのメチン基上の置換基は互いに連結してシク
ロペンテン環、シクロヘキセン環、スクアリリウム環な
どの環を形成してもよく、あるいは助色団と環を形成す
ることもできる。
【0068】n51は0から4までの整数を表し、好まし
くは0から3である。n52は0または1である。
【0069】R5は置換基を表す。置換基として好まし
くは置換基を有してもよい芳香族基または置換基を有し
ていてもよい脂肪族基であり、芳香族基の炭素原子数は
好ましくは1ないし16、さらに好ましくは5ないし6
である。脂肪族基の炭素原子数は好ましくは1ないし1
0、さらに好ましくは1ないし6である。無置換の脂肪
族基および芳香族基としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、n−ブチル基、フェニル基、ナフチル基
等が挙げられる。
【0070】W1は電荷を中和させるのに対イオンが必
要な場合の対イオンを表す。ある色素が陽イオン、陰イ
オンであるか、あるいは正味のイオン電荷を持つかどう
かは、その助色団および置換基に依存する。置換基が解
離性基を有する場合、解離して負電荷を持っても良く、
この場合にも分子全体の電荷はW1によって中和され
る。典型的な陽イオンは無機または有機のアンモニウム
イオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピ
リジニウムイオン)およびアルカリ金属イオンであり、
一方、陰イオンは具体的に無機陰イオンあるいは有機陰
イオンのいずれであってもよく、例えば、ハロゲン陰イ
オン、(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化
物イオン、ヨウ化物イオン)、置換アリールスルホン酸
イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−
クロロベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホ
ン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホン酸イ
オン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6
−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオ
ン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシ
アン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸
イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ
メタンスルホン酸イオンが挙げられる。
【0071】さらに電荷均衡対イオンとしてイオン性ポ
リマーあるいは、色素と逆電荷を有する他の色素を用い
てもよいし、金属錯イオン(例えば、ビスベンゼン−
1,2−ジチオラトニッケル(III))も可能である。
【0072】
【化10】
【0073】式(V)においてDは少なくとも4官能以
上の芳香族基を示し、X1、X2はそれぞれ独立に硫黄原
子、セレン原子、CR6364またはCR65=CR66を表
す。ここでR63〜R66はそれぞれ水素原子またはアルキ
ル基である。R61、R62はそれぞれアルキル基または芳
香族基であり、P1、P2はそれぞれ独立にポリメチン色
素を形成するのに必要な非金属原子群を表す。W2は電
荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを
示す。
【0074】式(V)について更に詳しく説明する。式
(V)中、Dは少なくとも四官能以上の芳香族基を示
す。このような芳香族基の例としては、これらの基が誘
導される芳香族炭化水素としてベンゼン、ナフタレン、
アントラセン、フェナントレンなどが挙げられ、芳香族
へテロ環としてはアントラキノン、カルバゾール、ピリ
ジン、キノリン、チオフェン、フラン、キサンテン、チ
アントレンなどが挙げられ、これらは連結部分以外に置
換基を有していても良い。Dで表される芳香族基として
好ましくは芳香族炭化水素の誘導基であり、さらに好ま
しくはベンゼンまたはナフタレンの誘導基である。
【0075】X1、X2は、好ましくは硫黄原子またはC
6364であり、最も好ましくはCR6364である。
【0076】P1、P2はそれぞれ独立にポリメチン色素
を形成するのに必要な非金属原子群を表す。P1、P2
より、いかなるメチン色素を形成することも可能である
が、好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、ロダ
シアニン色素、3核メロシアニン色素、アロポーラー色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素などが挙げられ
る。この際、シアニン色素には色素を形成するメチン鎖
上の置換基がスクアリウム環やクロコニウム環を形成し
たものも含んでいる。これらの色素の詳細については、
エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリ
ック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リレィ
ティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanin
e Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィリー
・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨー
ク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー
(D.M.Sturme r)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ
ースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック
・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Special topi
cs in heterocyclic chemistry)」、第18章、第14
節、第482から515貢などに記載されている。 シ
アニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素の式
は、米国特許第5、340、694号第21、22貢の
(XI)、(XII)、(XIII)に示されているも
のが好ましい。また、P1およびP2によって形成される
ポリメチン色素の少なくともいずれか一方のメチン鎖部
分にスクアリリウム環を有するものが好ましく、両方に
有するものがさらに好ましい。
【0077】R61、R62は芳香族基または脂肪族基であ
り、これらは置換基を有していてもよい。芳香族基の炭
素原子数は好ましくは5ないし16、さらに好ましくは
5ないし6である。脂肪族基の炭素原子数は好ましくは
1ないし10、さらに好ましくは1ないし6である。無
置換の脂肪族基、芳香族基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、フェニル基、ナフ
チル基等が挙げられる。
【0078】式(V)はR61、R62、P1、P2のうち少
なくともひとつに酸性基を有することが好ましい。ここ
で酸性基とは、解離性のプロトンを有する置換基であ
り、例としてはカルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、
ホウ酸などが挙げられ、好ましくはカルボン酸である。
またこのような酸性基はプロトンを放出して解離した形
を採っていても良い。W2は式(IV)のW1と同義であ
る。
【0079】本発明で好ましく用いられるメチン色素
は、特開平11−35836号、特開平11−1583
95号、特開平11−163378号、特開平11−2
14730号、特開平11−214731号、欧州特許
892411号および同911841号の各明細書に記
載の色素である。
【0080】式(II)および式(III)で表される化合
物は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサ
イクリック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・
リレィティド・コンパウンズ( Heterocyclic Compounds
-Cyanine Dyes and RelatedCompounds)」、ジョン・ウ
ィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニュ
ーヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スタ
ーマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパ
ウンズースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイク
リック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Specia
l topics in heterocyclic chemistry)」、第18章、
第14節、第482から515項、ジョン・ウィリー・
アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨー
ク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー
・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry of
Carbon Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977
刊、第15章、第369から422項、エルセビア・サ
イエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier
Science Publishing Company Inc.)社刊、ニューヨー
ク、英国特許第1,077,611号などに記載の方法に基づい
て合成することができる。
【0081】本発明に用いられる式(IV)で表される化
合物の合成は、Dyes and Pigments第21巻227〜23
4頁などの文献の記載を参考にして行える。また、式
(V)で表される化合物の合成は、Ukrainskii Khimich
eskii Zhurnal 第40巻3号253〜258頁、Dyes and
Pigments 第21巻227〜234頁およびこれらの文
献中に引用された文献の記載等を参考にして行える。
【0082】半導体微粒子に色素を吸着させる方法は色
素溶液中によく乾燥した半導体微粒子を含有する作用電
極を浸漬するか、もしくは色素溶液を半導体微粒子層に
塗布して吸着させる方法を用いることができる。前者の
場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法
などが使える。浸漬法の場合、色素の吸着は室温で行っ
てもよいし、特開平7-249790号に記載されているように
加熱還流して行ってもよい。後者の塗布方法としては、
ワイヤーバー法、スライドホッパ法、エクストルージョ
ン法、カーテン法、スピン法、スプレー法があり、印刷
方法としては、凸版、オフセット、グラビア、スクリー
ン印刷等がある。
【0083】溶媒は、色素の溶解性に応じて適宜選択で
きる。例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノ
ール、t−ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニト
リル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、3−メト
キシプロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化
炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホ
ルム、クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシ
ド、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセタミド等)、N−メチルピロリドン、
1,3−ジメチルイミダゾリジノン、3−メチルオキサ
ゾリジノン、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル
等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチル、炭酸エチレン、
炭酸プロピレン等)、ケトン類(アセトン、2−ブタノ
ン、シクロヘキサノン等)、炭化水素(ヘキサン、石油
エーテル、ベンゼン、トルエン等)やこれらの混合溶媒
が挙げられる。
【0084】液粘度も半導体微粒子層の形成時と同様
に、高粘度液(例えば0.01〜500Poise)ではエ
クストルージョン法の他、各種印刷法が、低粘度液(例
えば0.1Poise以下)ではスライドホッパー法もしく
はワイヤーバー法もしくはスピン法が適していて、均一
な膜にすることが可能である。
【0085】このように色素塗布液の液粘度、塗布量、
支持体、塗布速度等のパラメータに対応して、適宜付与
方式を選択すればよい。塗布後の色素吸着に要する時間
は、量産化を考えた場合、なるべく短い方がよい。
【0086】色素の使用量は、全体で、支持体1m2当た
り0.01〜100mモルが好ましい。また、色素の半
導体微粒子に対する吸着量は半導体微粒子1gに対して
0.01〜1mモルが好ましい。このような色素量とす
ることによって、半導体における増感効果が十分に得ら
れる。これに対し、色素量が少ないと増感効果が不十分
となり、色素量が多すぎると、半導体に付着していない
色素が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
【0087】未吸着の色素の存在は素子性能の外乱にな
るため、吸着後速やかに洗浄によって除去することが好
ましい。湿式洗浄槽を使い、アセトニトリル等の極性溶
剤、アルコール系溶剤のような有機溶媒で洗浄を行うの
がよい。また、吸着色素量を増大させるため、加熱処理
を吸着前に行うことが好ましい。加熱処理後、半導体微
粒子表面に水が吸着するのを避けるため、常温に戻さず
40〜80℃の間で素早く色素を吸着させることも好ま
しい。
【0088】会合など色素同士の相互作用を低減する目
的で無色の化合物を共吸着させてもよい。共吸着させる
疎水性化合物としてはカルボキシル基を有するステロイ
ド化合物(例えばケノデオキシコール酸)等が挙げられ
る。また、余分な色素の除去を促進する目的で、色素を
吸着した後にアミン類を用いて半導体微粒子の表面を処
理してもよい。好ましいアミン類としてはピリジン、4
−tert−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げ
られる。これらが液体の場合はそのまま用いてもよいし
有機溶媒に溶解して用いてもよい。また、紫外線による
光劣化を防止する目的で紫外線吸収剤を共吸着させるこ
ともできる。
【0089】以下、電荷移動層について詳しく説明す
る。電荷移動層は色素の酸化体に電子を補充する機能を
有する電荷輸送材料を含有する層である。本発明で用い
ることのできる代表的な電荷輸送材料の例としては、
イオン輸送材料として、酸化還元対のイオンが溶解した
溶液(電解液)、酸化還元対の溶液をポリマーマトリク
スのゲルに含浸したいわゆるゲル電解質、酸化還元対イ
オンを含有する溶融塩電解質、さらには固体電解質が挙
げられる。また、イオンがかかわる電荷輸送材料のほか
に、固体中のキャリアー移動が電気伝導にかかわる材
料として、電子輸送材料や正孔(ホール)輸送材料、を
用いることもできる。
【0090】溶融塩電解質は、光電変換効率と耐久性の
両立という観点から好ましい。本発明の光電変換素子に
溶融塩電解質を用いる場合は、例えばWO95/18456号、特
開平8-259543号、電気化学,第65巻,11号,923頁(199
7年)等に記載されているピリジニウム塩、イミダゾリ
ウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩を用いる
ことができる。
【0091】好ましく用いることのできる溶融塩として
は、下記一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)のいずれ
かにより表されるものが挙げられる。
【0092】
【化11】
【0093】一般式(Y-a)中、Qy1は窒素原子と共に5
又は6員環の芳香族カチオンを形成しうる原子団を表
す。Qy1は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及
び硫黄原子からなる群から選ばれる1種以上の原子によ
り構成されるのが好ましい。
【0094】Qy1により形成される5員環は、オキサゾ
ール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール
環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジ
アゾール環又はトリアゾール環であるのが好ましく、オ
キサゾール環、チアゾール環又はイミダゾール環である
のがより好ましく、オキサゾール環又はイミダゾール環
であるのが特に好ましい。Qy1により形成される6員環
は、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジ
ン環又はトリアジン環であるのが好ましく、ピリジン環
であるのがより好ましい。
【0095】一般式(Y-b)中、Ay1は窒素原子又はリン
原子を表す。
【0096】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のR
y1〜Ry6はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基
(好ましくは炭素原子数1〜24、直鎖状であっても分岐
状であっても、また環式であってもよく、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、t-
オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、
2-ヘキシルデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル
基、シクロペンチル基等)、或いは置換又は無置換のア
ルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜24、直鎖状であ
っても分岐状であってもよく、例えばビニル基、アリル
基等)を表し、より好ましくは炭素原子数2〜18のアル
キル基又は炭素原子数2〜18のアルケニル基であり、特
に好ましくは炭素原子数2〜6のアルキル基である。
【0097】また、一般式(Y-b)中のRy1〜Ry4のうち
2つ以上が互いに連結してAy1を含む非芳香族環を形成
してもよく、一般式(Y-c)中のRy1〜Ry6のうち2つ以
上が互いに連結して環構造を形成してもよい。
【0098】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のQ
y1及びRy1〜Ry6は置換基を有していてもよく、好ましい
置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I
等)、シアノ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ
基等)、アリーロキシ基(フェノキシ基等)、アルキル
チオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、アルコキシ
カルボニル基(エトキシカルボニル基等)、炭酸エステ
ル基(エトキシカルボニルオキシ基等)、アシル基(ア
セチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、スルホ
ニル基(メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基
等)、アシルオキシ基(アセトキシ基、ベンゾイルオキ
シ基等)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキ
シ基、トルエンスルホニルオキシ基等)、ホスホニル基
(ジエチルホスホニル基等)、アミド基(アセチルアミ
ノ基、ベンゾイルアミノ基等)、カルバモイル基(N,N-
ジメチルカルバモイル基等)、アルキル基(メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピ
ル基、ブチル基、2-カルボキシエチル基、ベンジル基
等)、アリール基(フェニル基、トルイル基等)、複素
環基(ピリジル基、イミダゾリル基、フラニル基等)、
アルケニル基(ビニル基、1-プロペニル基等)等が挙げ
られる。
【0099】一般式(Y-a)、(Y-b)又は(Y-c)によ
り表される化合物は、Qy1又はRy1〜R y6を介して多量体
を形成してもよい。
【0100】これらの溶融塩は、単独で使用しても、2
種以上混合して使用してもよく、また、ヨウ素アニオン
を他のアニオンで置き換えた溶融塩と併用することもで
きる。ヨウ素アニオンと置き換えるアニオンとしては、
ハロゲン化物イオン(Cl-、Br-等)、NSC-、BF4 -、P
F6 -、ClO4 -、(CF3SO2)2N-、(CF3CF2SO2)2N-、CF3SO3 -
CF3COO-、Ph4B-、(CF3SO2)3C-等が好ましい例として挙
げられ、(CF3SO2)2N-又はBF4 -であるのがより好まし
い。また、LiIなど他のヨウ素塩を添加することもで
きる。
【0101】本発明で好ましく用いられる溶融塩の具体
例を以下に挙げるが、これらに限定されるわけではな
い。
【0102】
【化12】
【0103】
【化13】
【0104】
【化14】
【0105】
【化15】
【0106】
【化16】
【0107】
【化17】
【0108】
【化18】
【0109】上記溶融塩は、溶媒を用いなくても使用で
きる。後述する溶媒を添加しても構わないが、溶融塩の
含有量は電解質組成物全体に対して50重量%以上である
のが好ましい。また、塩のうち、50重量%以上がヨウ素
塩であることが好ましい。
【0110】電解質組成物にヨウ素を添加するのが好ま
しく、この場合、ヨウ素の含有量は、電解質組成物全体
に対して0.1〜20重量%であるのが好ましく、0.5〜5重
量%であるのがより好ましい。
【0111】電荷移動層に電解液を使用する場合、電解
液は電解質、溶媒、および添加物から構成されることが
好ましい。本発明の電解質はI2とヨウ化物の組み合わ
せ(ヨウ化物としてはLiI、NaI、KI、CsI、
CaI2 などの金属ヨウ化物、あるいはテトラアルキル
アンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イ
ミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物の
ヨウ素塩など)、Br 2と臭化物の組み合わせ(臭化物
としてはLiBr、NaBr、KBr、CsBr、Ca
Br2 などの金属臭化物、あるいはテトラアルキルアン
モニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイドなど4級
アンモニウム化合物の臭素塩など)のほか、フェロシア
ン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウ
ムイオンなどの金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキ
ルチオール−アルキルジスルフィドなどのイオウ化合
物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノンなどを用い
ることができる。この中でもI2とLiIやピリジニウム
ヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモ
ニウム化合物のヨウ素塩を組み合わせた電解質が本発明
では好ましい。上述した電解質は混合して用いてもよ
い。
【0112】好ましい電解質濃度は0.1M以上15M以
下であり、さらに好ましくは0.2M以上10M以下であ
る。また、電解質にヨウ素を添加する場合の好ましいヨ
ウ素の添加濃度は0.01M以上0.5M以下である。
【0113】本発明で電解質に使用する溶媒は、粘度が
低くイオン易動度を向上したり、もしくは誘電率が高く
有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝
導性を発現できる化合物であることが望ましい。このよ
うな溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−
2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサ
ン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレン
グリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコール
ジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエー
テルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、
エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレン
グリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコ
ールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール
モノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多
価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリ
ル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベン
ゾニトリルなどのニトリル化合物、ジメチルスルフォキ
シド(DMSO)、スルフォランなど非プロトン極性物
質、水などを用いることができる。
【0114】また、本発明では、J. Am. Ceram. Soc .,
80 (12)3157-3171(1997)に記載されているようなter-ブ
チルピリジンや、2−ピコリン、2,6−ルチジン等の
塩基性化合物を添加することもできる。塩基性化合物を
添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05M以上2M以下で
ある。
【0115】本発明では、電解質はポリマー添加、オイ
ルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマ
ーの架橋反応等の手法によりゲル化(固体化)させて使
用することもできる。ポリマー添加によりゲル化させる
場合は、¨Polymer Electrolyte Revi ews-1および2¨
(J.R.MacCallumとC.A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLI
ED SCIENCE)に記載された化合物を使用することができ
るが、特にポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデ
ンを好ましく使用することができる。オイルゲル化剤添
加によりゲル化させる場合はJ. Chem Soc. Japan, Ind.
Chem.Sec., 46,779(1943), J. Am. Chem. Soc., 111,5
542(1989), J. Chem. Soc., Chem. Com mun., 1993, 39
0, Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 35,1949(1996), Che
m. Lett.,1996, 885, J. Chm. Soc., Chem. Commun., 1
997,545に記載されている化合物を使用することができ
るが、好ましい化合物は分子構造中にアミド構造を有す
る化合物である。
【0116】ゲル電解質を多官能モノマー類の重合によ
って形成する場合、多官能モノマー類、重合開始剤、電
解質、溶媒から溶液を調製し、キャスト法,塗布法,浸
漬法、含浸法などの方法により色素を担持した電極上に
ゾル状の電解質層を形成し、その後ラジカル重合するこ
とによってゲル化させる方法が好ましい。多官能性モノ
マーはエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物であ
ることが好ましく、例えばジビニルベンゼン、エチレン
グリコールジメタクリレート、エチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレートが好ましい例として挙げら
れる。ゲル電解質を構成するモノマー類はこの他に単官
能モノマーを含んでいてもよく、アクリル酸またはα−
アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸など)類から
誘導されるエステル類もしくはアミド類(例えばN−is
o−プロピルアクリルアミド、アクリルアミド、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリ
ルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、
メチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、
n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
2−メトキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレートなど)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニ
ル)、マレイン酸またはフマル酸から誘導されるエステ
ル類(例えばマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチ
ル、フマル酸ジエチルなど)、マレイン酸、フマル酸、
p−スチレンスルホン酸のナトリウム塩、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、ジエン類(例えばブタジエ
ン、シクロペンタジエン、イソプレン)、芳香族ビニル
化合物(例えばスチレン、p−クロルスチレン、スチレ
ンスルホン酸ナトリウム)、含窒素複素環を有するビニ
ル化合物、4級アンモニウム塩を有するビニル化合物、
N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホル
ムアミド、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリ
ウム、ビニリデンフルオライド、ビニリデンクロライ
ド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニルエ
ーテル)、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブ
テン、N−フェニルマレイミド等を好ましく使用するこ
とができる。モノマー全量に占める多官能性モノマーの
好ましい重量組成範囲は0.5重量%以上70重量%以下であ
ることが好ましく、さらに好ましくは1.0重量%以上50
重量%以下である。
【0117】上述のモノマーは、大津隆行・木下雅悦共
著:高分子合成の実験法(化学同人)や大津隆行:講座
重合反応論1ラジカル重合(I)(化学同人)に記載さ
れた一般的な高分子合成法であるラジカル重合によって
重合することができる。本発明で使用できるゲル電解質
用モノマーは、加熱、光、電子線、また電気化学的にラ
ジカル重合することができるが、特に加熱によってラジ
カル重合させることが好ましい。架橋高分子が加熱によ
り形成される場合に好ましく使用される重合開始剤は、
例えば、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、
2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、ジメチル2,2′−アゾビス(2−メチルプロピ
オネート)などのアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキシ
ドなどの過酸化物系開始剤等である。重合開始剤の好ま
しい添加量はモノマー総量に対し0.01重量%以上2
0重量%以下であり、さらに好ましくは0.1重量%以
上10重量%以下である。
【0118】ゲル電解質に占めるモノマー類の重量組成
範囲は0.5重量%以上70重量%以下であることが好まし
く、さらに好ましくは1.0重量%以上50重量%以下であ
る。
【0119】また、ポリマーの架橋反応により電解質を
ゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリ
マーおよび架橋剤を併用することが望ましい。この場
合、好ましい架橋可能な反応性基は、含窒素複素環(例
えば、ピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オ
キサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリ
ジン環、ピペラジン環など)であり、好ましい架橋剤
は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能以上の試
薬(例えば、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキ
ル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イ
ソシアネートなど)である。
【0120】本発明では、電解質の替わりに有機または
無機あるいはこの両者を組み合わせた正孔輸送材料を使
用することができる。本発明に適用可能な有機正孔輸送
材料としては、N,N'-ジフエニル-N、N'-ビス(4-メト
キシフェニル)-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジアミン
(J.Hagen et al.,Synthetic Metal 89(1997)215-22
0)、2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニ
ルアミン)9,9'-スピロビフルオレン(Nature,Vol.395,
8 Oct. 1998,p583-585およびWO97/10617)、1,1-ビス
{4-(ジ-p-トリルアミノ)フェニル}シクロヘキサン
の3級芳香族アミンユニットを連結した芳香族ジアミン
化合物(特開昭59−194393号公報)、4,4,‐ビス
[(N-1-ナフチル)‐N-フェニルアミノ]ビフェニルで
代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合
芳香族環が窒素原子に置換した芳香族アミン(特開平5
−234681号公報)、トリフェニルベンゼンの誘導体でス
ターバースト構造を有する芳香族トリアミン(米国特許
第4,923,774号、特開平4−308688号公報)、N,N'-ジ
フエニル-N、N'-ビス(3-メチルフェニル)-(1,1'-ビ
フェニル)-4,4'-ジアミン等の芳香族ジアミン(米国
特許第4,764,625号)、α,α,α',α'-テトラメチ
ル-α,α'-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)-p-
キシレン(特開平3−269084号公報)、p-フェニレンジ
アミン誘導体、分子全体として立体的に非対称なトリフ
ェニルアミン誘導体(特開平4−129271号公報)、ピレ
ニル基に芳香族ジアミノ基が複数個置換した化合物(特
開平4−175395号公報)、エチレン基で3級芳香族アミン
ユニツトを連結した芳香族ジアミン(特開平4−264189
号公報)、スチリル構造を有する芳香族ジアミン(特開
平4−290851号公報)、ベンジルフェニル化合物(特開
平4−364153号公報)、フルオレン基で3級アミンを連結
したもの(特開平5−25473号公報)、トリアミン化合物
(特開平5−239455号公報)、ピスジピリジルアミノビ
フェニル(特開平5−320634号公報)、N,N,N−トリフ
ェニルアミン誘導体(特開平6−1972号公報)、フェノ
キザジン構造を有する芳香族ジアミン(特開平7-138562
号)、ジアミノフエニルフエナントリジン誘導体(特開
平7-252474号)等に示される芳香族アミン類、α-オク
チルチオフェンおよびα,ω-ジヘキシル-α-オクチルチ
オフェン(Adv.Mater. 1997,9,N0.7,p557)、ヘキサドデ
シルドデシチオフェン(Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1
995, 34, No.3,p303-307)、2,8-ジヘキシルアンスラ[2,
3-b:6,7-b']ジチオフェン(JACS,Vol120, N0.4,1998,p66
4-672)等のオリゴチオフェン化合物、ポリピロール(K.
Murakoshi et al.,;Chem. Lett. 1997, p471)、¨ Ha
ndbook of Organic Conductive Molecules and Polymer
s Vol.1,2,3,4¨(NALWA著、WILEY出版)に記載されて
いるポリアセチレンおよびその誘導体、ポリ(p-フェニ
レン) およびその誘導体、ポリ( p-フェニレンビニレ
ン) およびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよび
その誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリア
ニリンおよびその誘導体、ポリトルイジンおよびその誘
導体等の導電性高分子を好ましく使用することができ
る。また、有機正孔(ホール)輸送材料にはNature,Vo
l.395, 8 Oct. 1998,p583-585に記載されているように
ドーパントレベルをコントロールするためにトリス(4
-ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネ
ートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を添加
したり、酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電
荷層の補償)を行うためにLi[(CF 3SO2)2N]のような塩を
添加しても構わない。
【0121】有機正孔輸送材料は真空蒸着法,キャスト
法,塗布法,スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光
電解重合法等の手法により電極内部に導入することがで
きる。また、正孔輸送材料を電解液の替わりに使用する
ときは、短絡防止のためElectorochim. Acta 40, 643-6
52(1995)に記載されているスプレーパイロリシス等の手
法を用いて、導電性支持体と半導体含有層の間に二酸化
チタン薄層を下塗り層として塗設することが好ましい。
【0122】無機固体化合物を電解質の替わりに使用す
る場合、ヨウ化銅(p-CuI)(J. Phys. D:Appl. Phys. 31
(1998)1492-1496)、チオシアン化銅(Thin Solid Film
s 261(1995)307-310、J. Appl. Phys. 80(8),15 Octobe
r 1996, p4749-4754、Chem.Mater. 1998, 10, 1501-150
9、Semicond. Sci. Technol. 10, 1689-1693)等をキャ
スト法,塗布法,スピンコート法、浸漬法、電解メッキ
法等の手法により電極内部に導入することができる。
【0123】電荷移動層の形成方法に関しては2通りの
方法が考えられる。1つは増感色素を担持させた半導体
微粒子含有層の上に先に対極を貼り合わせておき、その
間隙に液状の電荷移動層を挟み込む方法である。もう1
つは半導体微粒子含有層上に直接電荷移動層を付与する
方法で、対極はその後付与することになる。
【0124】前者の場合の電荷移動層の挟み込み方法と
して、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセスと
常圧より低い圧力にして気相を液相に置換する真空プロ
セスが利用できる。
【0125】後者の場合、湿式の電荷移動層においては
未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置
も施すことになる。またゲル電解質の場合には湿式で塗
布して重合等の方法により固体化する方法もあり、その
場合には乾燥、固定化した後に対極を付与することもで
きる。電解液のほか湿式有機正孔輸送材料やゲル電解質
を付与する方法としては、半導体微粒子含有層や色素の
付与と同様に、浸漬法、ローラ法、ディップ法、エアー
ナイフ法、エクストルージョン法、スライドホッパー
法、ワーヤーバー法、スピン法、スプレー法、キャスト
法、各種印刷法等が考えられる。固体電解質や固体の正
孔(ホール)輸送材料の場合には真空蒸着法やCVD法
等のドライ成膜処理で電荷移動層を形成し、その後対極
を付与することもできる。
【0126】量産化を考える場合、固体化できない電解
液や湿式の正孔輸送材料の場合には、塗設後速やかにエ
ッジ部分を封止することで対応も可能であるが、固体化
可能な正孔輸送材料の場合は湿式付与により正孔輸送層
を膜形成した後、例えば光重合や熱ラジカル重合等の方
法により固体化することがより好ましい。このように膜
付与方式は液物性や工程条件により適宜選択すればよ
い。
【0127】なお、電荷移動層中の水分としては10,
000ppm以下が好ましく、さらに好ましくは2,0
00ppm以下であり、特に好ましくは100ppm以
下である。
【0128】対極の付与については電荷移動層の付与で
記したように、電荷移動層の上に付与する場合と先に半
導体微粒子含有層上に付与する場合の2通りある。いず
れの場合も、電荷移動層の種類により、適宜、電荷移動
層上または半導体微粒子含有層上に対極材をスパッタリ
ング、蒸着、メッキ、貼り合わせなどの方法により形成
可能である。例えば、対極を貼り合わせる場合は、本発
明の白金を基板上に形成した対極基板を上記いずれかの
層に貼り合わせることができる。電荷移動層が固体の場
合には、その上に直接、本発明の白金をスパッタリン
グ、蒸着、メッキ等の手法で対極を形成することができ
るし、もちろん、上述の貼り合わせ法を用いることもで
きる。本発明においては、半導体層または電荷移動層上
に白金対極を形成した後に加熱処理等により本発明の物
性値とすることもできるが、予め基板上に白金対極を形
成しておき、これを加熱処理等の方法で本発明の物性値
を有する状態にした上で、半導体層上または電荷移動層
上に貼り付ける方法が好ましい。
【0129】さらに、作用電極の導電性支持体または対
極に保護層、反射防止膜など、必要な他の機能の層を設
けることも可能である。このような層を多層にて機能分
離させる場合、同時多層塗布や逐次で塗布することが可
能であるが、生産性を優先させると同時多層塗布がより
好ましい。同時多層塗布では、生産性および膜付与均一
性を考えた場合、スライドホッパー法やエクストルージ
ョン法が適している。また、これらの機能層はその材料
により、蒸着や貼り付けなどの手法を用いて設けること
もできる。
【0130】本発明の光電池では構成物の劣化や内容物
の揮散を防止するために電池の側面をポリマーや接着剤
等で密封するのが好ましい。
【0131】次に本発明の光電変換素子をいわゆる太陽
電池に適用する場合のセル構造およびモジュール構造に
ついて説明する。
【0132】色素増感型太陽電池のセル内部の構造は、
基本的には上述した光電変換素子や太陽電池と同じであ
るが、図2または図3に示すように目的に合わせ様々な
形態が可能である。大きく二つに分ければ、両面から光
の入射が可能な構造[図2(a)(d)、図3(g)]
と、片面からのみ可能なタイプ[図2(b)(c)、図
3(e)(f)(h)]である。これらの構造におい
て、本発明の白金は、対極の透明導電層、金属層または
金属リードの一部または全部を構成する。
【0133】図2(a)は、透明導電層12間に、色素
吸着半導体微粒子含有層である色素吸着TiO2層10
と、電荷移動層11とを介在させた構造である。図2
(b)は、透明基板13上に一部金属リード9を設け、
さらに透明導電層12を設け、下塗り層14、色素吸着
TiO2層10、電荷移動層11および金属層8をこの
順で設け、さらに支持基板15を配置した構造である。
図2(c)は、支持基板15上にさらに金属層8を有
し、下塗り層14を介して色素吸着TiO2層10を設
け、さらに電荷移動層11と透明導電層12とを設け、
一部に金属リード9を設けた透明基板13を、金属リー
ド9側を内側にして配置した構造である。図2(d)
は、透明基板13上に一部金属リード9を設け、さらに
透明導電層12を設けたものの間に下塗り層14と色素
吸着TiO2層10と電荷移動層11とを介在させた構
造である。図3(e)は、透明基板13上に透明導電層
12を有し、下塗り層14を介して色素吸着TiO2
10を設け、さらに電荷移動層11および金属層8を設
け、この上に支持基板15を配置した構造である。図3
(f)は、支持基板15上に金属層8を有し、下塗り層
14を介して色素吸着TiO2層10を設け、さらに電
荷移動層11および透明導電層12を設け、この上に透
明基板13を配置した構造である。図3(g)は、透明
導電層12を有する透明基板13間に、透明導電性層1
2を内側にして、下塗り層14、色素吸着TiO2層1
0および電荷移動層11を介在させた構造である。図3
(h)は、支持基板15上に金属層8を設け、下塗り層
14を介して色素吸着TiO2層10を設け、さらに固
体の電荷移動層16を設け、この上に一部金属層8また
は金属リード9を有する構造である。
【0134】本発明の色素増感型太陽電池のモジュール
構造は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様の
構造をとりうる。一般的には、金属・セラミック等の支
持基板の上にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護
ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構
造とすることができるが、支持基板に強化ガラス等の透
明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支持
基板側から光を取り込むことも可能である。具体的に
は、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイ
プ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造ある
いはアモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基
板一体型などのモジュール構造が可能である。これらの
モジュール構造は使用目的や使用場所(環境)により適
宜選択できる。本発明の素子を基板一体型でモジュール
化した例を図4に示す。
【0135】図4の構造は、透明基板13の一方の面上
に透明導電層12を有し、この上にさらに色素吸着Ti
2層10、固体の電荷移動層16および金属層8を設
けたセルをモジュール化したものであり、透明基板13
の他方の面には反射防止層17が設けられている。この
場合、入射光の利用効率を高めるために、感光部である
色素吸着TiO2層10の面積比率(光の入射面である
透明基板13側から見たときの面積比率)を大きくした
方が好ましい。
【0136】スーパーストレートタイプやサブストレー
トタイプの代表的な構造は、片側または両側が透明で反
射防止処理を施された支持基板の間に、一定間隔にセル
が配置され、隣り合うセル間が金属リードまたはフレキ
シブル配線等によって接続されており、外縁部に集電電
極を配置して、発生した電力を外部に取り出す構造にな
っている。基板とセルの間には、セルの保護や集電効率
アップのため、目的に応じ、エチレンビニルアセテート
(EVA)等様々な種類のプラスチック材料をフイルム
または充填樹脂の形で用いることができる。また、外部
からの衝撃が少ないところなど表面を硬い素材で覆う必
要のない場所に使う場合には、表面保護層を透明プラス
チックフイルムで構成したり、または、上記充填・封止
材料を硬化させることによって保護機能を付与し、片側
の支持基板をなくすことも可能である。支持基板の周囲
は、内部の密封およびモジュールの剛性確保のため、金
属製のフレームでサンドイッチ状に固定し、支持基板と
フレームの間は封止材で密封シールする。
【0137】また、セルそのものや支持基板、充填材お
よび封止部材に可撓性の素材を用いれば、曲面の上に太
陽電池を構成することもできる。このように、使用目的
や使用環境に合わせて様々な形状・機能を持つ太陽電池
を製作することができる。
【0138】スーパーストレートタイプの太陽電池モジ
ュールは、例えば、基板供給装置から送り出されたフロ
ント基板をベルトコンベヤ等で搬送しながら、その上に
セルを封止材・セル間接続用リード線・背面封止材等と
共に順次積層した後、背面基板または背面カバーを乗
せ、外縁部にフレームをセットして作ることができる。
【0139】一方、サブストレートタイプの場合、基板
供給装置から送り出された支持基板をベルトコンベヤ等
で搬送しながら、その上にセルをセル間接続用リード線
・封止材等と共に順次積層した後、フロントカバーを乗
せ、周縁部にフレームをセットして作製することができ
る。
【0140】図4に示した構造のモジュールは、支持基
板上に透明電極・感光層・電荷移動層・裏面電極等が立
体的かつ一定間隔で配列されるように、選択メッキ・選
択エッチング・CVD・PVDといった半導体プロセス
技術、あるいはパターン塗布または広幅で塗布した後に
レーザースクライビングやプラズマCVM(Solar Ener
gy Materials and Solar Cells, 48, p373-381等に記
載)または研削等の機械的手法などの方法でパターニン
グすることができ、これらにより所望のモジュール構造
を得ることができる。
【0141】以下にその他の部材や工程について詳述す
る。封止材料としては、液状のEVA(エチレンビニル
アセテート)やフッ化ビニリデン共重合体とアクリル樹
脂混合物フイルム状のEVA等、耐候性付与・電気絶縁
性付与・集光効率向上・セル保護性(耐衝撃性)向上等の
目的に応じ様々な素材が使用可能である。
【0142】これらを、セル上に固定する方法として
は、封止材の物性に合わせ、フイルム状の素材ではロー
ル加圧後加熱密着や真空加圧後加熱密着、液またはペー
スト状の材料ではロールコート、バーコート、スプレー
コート、スクリーン印刷等の様々な方法がある。
【0143】また、透明フィラーを封止材に混入して強
度を上げたり、光透過率を上げることができる。
【0144】モジュール外縁と周縁を囲むフレームとの
間は、耐候性・防湿性が高い樹脂を使って封止するとよ
い。
【0145】支持基板としてPET・PEN等の可撓性
素材を用いる場合は、ロール状の支持体を繰り出してそ
の上にセルを構成した後、上記の方法で連続して封止層
を積層することができ、生産性の高い工程を造ることが
できる。
【0146】発電効率を上げるため、モジュールの光取
り込み側の基板(一般的には強化ガラス)の表面には反
射防止処理が施される。これには、反射防止膜をラミネ
ートする方法、反射防止層をコーティングする方法があ
る。
【0147】また、セルの表面をグルービングまたはテ
クスチャリング等の方法で処理することによって入射し
た光の利用効率を高めることが可能である。
【0148】発電効率を上げるためには、光を損失なく
モジュール内に取り込むことが最重要だが、光電変換層
を透過してその内側まで到達した光を反射させて光電変
換層側に効率良く戻すことも重要である。このために
は、支持基板面を鏡面研磨した後、AgやAl等を蒸着
またはメッキする方法、セルの最下層にAl−Mgまた
はAl−Tiなどの合金層を反射層として設ける方法、
あるいは、アニール処理によって最下層にテクスチャー
構造を作り反射率を高める方法等がある。
【0149】発電効率を上げるためには、セル間接続抵
抗を小さくすることが、内部電圧降下を抑える意味で重
要である。
【0150】ワイヤーボンディングや導電性のフレキシ
ブルシートで接続するのが一般的だが、導電性粘着テー
プや導電性接着剤を使ってセルの固定機能と電気的な接
続機能を兼ねる方法、導電性ホットメルトを所望の位置
にパターン塗布する方法等が有る。
【0151】ポリマーフィルムなどのフレキシブル支持
体を使った太陽電池では、ロール状の支持体を送り出し
ながら半導体の塗設の説明で示した方法によって、順
次、セルを形成・所望のサイズに切断した後、周縁部を
フレキシブルで防湿性のある素材でシールして、電池本
体を作製できる。また、Solar Energy Materials andSo
lar Cells, 48, p383-391記載の「SCAF」とよばれ
るモジュール構造とすることもできる。
【0152】フレキシブル支持体の太陽電池では、更に
これを曲面ガラス等に接着固定して使用することもでき
る。
【0153】
【実施例】以下に具体例をあげ、本発明をさらに詳しく
説明するが、発明の主旨を超えない限り、本発明は実施
例に限定されるものではない。
【0154】[実施例1] 1.本発明の白金対極の作製 フッ素ドープ型の二酸化スズをコーテイングした導電性
ガラス(日本板硝子製TCOガラス、面積抵抗10Ω/
□)をスパッタリング装置(日電アネルバ製SPF−3
13型)に入れ、導電面側にアルゴンガス雰囲気下で白
金をスパッタリングし、面積抵抗0.26Ω/□の白金
電極を得た。この白金電極を大気中に取出した後、電気
炉(ヤマト科学製マッフル炉FP−32型)に入れ、表1
に示す温度で加熱熱処理し、Cu管球を用いたX線回折測
定による(220)面/(111)面の強度比が0.35以
上の本発明の白金対極を得た(対極A〜G)。
【0155】 (表1) 対極番号 (220)/(111)強度比 加熱温度 加熱時間 −−−−− −−−−−−−−−− −−−−− −−−−− A 1.07 550℃ 30分 B 1.07 450℃ 30分 C 1.02 400℃ 30分 D 0.88 350℃ 30分 E 0.48 300℃ 30分 F 0.35 275℃ 30分 G 1.08 550℃ 60分
【0156】2.二酸化チタン粒子含有塗布液の作製 C.J.BarbeらのJ.Am.Ceramic S
oc.80巻,p3157の論文に記載の製造方法に従
い、チタン原料にチタニウムテトライソプロポキシドを
用い、オートクレーブ中での重合反応の温度を230℃
に設定して二酸化チタン濃度11重量%の二酸化チタン
分散物を合成した。得られた二酸化チタン粒子の平均サ
イズは約10nmであった。この分散物に二酸化チタンに
対し30重量%のポリエチレングリコール(分子量2
0,000、和光純薬製)を添加し、混合して塗布液を
得た。
【0157】3.色素を吸着した二酸化チタン電極の作
製 フッ素をドープした二酸化スズをコーテイングした導電
性ガラス(日本板硝子製TCOガラス、サイズ25mm
×100mm)の導電面側に2で作製した塗布液をドク
ターブレード法で100μmの厚みで塗布し、室温で1
時間風乾した後、電気炉で450℃にて30分間焼成し
た。二酸化チタンの塗布量は15g/m2であり、膜厚は8
μmであった。この二酸化チタン電極を取出し冷却した
後、本文中の色素化合物R−1で示される色素の3×1
-4モル/リットル濃度の2−プロパノール溶液に室温
で16時間浸漬した。色素の吸着した二酸化チタン電極
をエタノールで洗浄し暗所にて自然乾燥させた。
【0158】4.光電池の作製 上述のようにして作成した対極Aとこれと同じ大きさの
色増感されたTiO2電極基板(それぞれ2cm×1.
5cmに切断)を、ポリエチレン製のフレーム型スペー
サー(厚さ20μm)を挟んで、長辺方向に端子用の末
端部である幅2mmを交互に外へ出して重ね合わせた
(図1参照)。セルを受光部であるTiO 2透明電極基
板の面を残して全体をエポキシ樹脂接着剤でシールし
た。次に、スペーサーの側面に注液用の小孔を空け、電
極間の空間に毛細管現象を利用して溶媒系電解液(1・
2−ジメチル3−ノルマルプロピルイミダゾリウムアイ
オダイド0.6モル/リットル、ヨウ化リチウム0.1
モル/リットル、ヨウ素0.05モル/リットル、t−
ブチルピリジン0.5モル/リットルのメトキシアセト
ニトリル溶液)5μlをしみこませた。このようにし
て、受光面積が約0.3cm2であり、図1に示した基
本層構成のとおり、ガラス1、透明導電層2、TiO2
電極3、色素層4、電解液5、白金層6および導電性基
板7が順に積層された光電池(電池番号1)を組み立て
た。対極をB〜Gに変更し、同様にして電池番号2〜7
を作製した。
【0159】5.光電変換効率の測定 本発明の光電池の光電変換効率は次のようにして測定し
た。500Wのキセノンランプ(ウシオ電気)に太陽光
シミュレーション用補正フィルター(Oriel社製A
M1.5)とシャープカットフイルター(KenkoL
−42)を通すことにより紫外線を含まない模擬太陽光
を発生させ、光電池に照射した。電池への入射光強度は
90mW/cm2であった。作製した光電池の二酸化チ
タン電極側導電性ガラスと対極側導電性にそれぞれワニ
ロクリップを接続し、発生した電気を電流電圧測定装置
(ケースレー製SMU238型)にて測定した。これによ
り求められた光電池の変換効率(η)を一括して表3に記
載した。
【0160】[比較例1]実施例1において、対極Aを表
2に記載の熱処理を行った白金対極H〜K(Cu管球を
用いたX線回折測定による(220)面/(111)面の強
度比が0.20〜0.25)に変えた以外は同様にして
光電池(電池番号8〜11)を作製し、光電変換効率を
求め、表3に一括記載した。
【0161】 (表2) 対極番号 (220)/(111)強度比 加熱温度 加熱時間 −−−− −−−−−−−−− −−−−− −−−−− H 0.25 250℃ 60分 I 0.25 250℃ 30分 J 0.22 200℃ 30分 K 0.20 未焼成
【0162】[比較例2]実施例1において、対極AをC
u管球を用いたX線回折測定による白金(220)面/
(111)面の強度比が0.22の対極L(白金をTCO
上に真空蒸着し、加熱処理をしないもの)に変えた以外
は同様にして光電池(電池番号12)を作製し、光電変
換効率を求め表3に一括記載した。
【0163】 (表3) 電池番号 対極番号 (220)/(111) 電解液 変換効率(%) 備考 強度比 −−−− −−−− −−−−−− −−−− −−−−−− −−− 1 A 1.07 溶媒系 7.4 本発明 2 B 1.07 溶媒系 7.5 本発明 3 C 1.02 溶媒系 7.2 本発明 4 D 0.88 溶媒系 6.9 本発明 5 E 0.48 溶媒系 6.5 本発明 6 F 0.35 溶媒系 6.2 本発明 7 G 1.08 溶媒系 7.4 本発明 8 H 0.25 溶媒系 5.5 比較例 9 I 0.24 溶媒系 5.5 比較例 10 J 0.22 溶媒系 5.4 比較例 11 K 0.20 溶媒系 5.3 比較例 12 L 0.22 溶媒系 5.2 比較例
【0164】本発明の対極A〜Gを用いた光電池1〜7
は、比較例の対極H〜Lを用いた電池8〜12にくらべ
光電変換効率が良化していることが明白である。
【0165】[実施例2]電解液と光電池の組立を下記の
ように変更したこと以外は実施例1と同様にして電池番
号13〜19の本発明の光電池を作製した。
【0166】1.溶融塩電解液 色素増感された二酸化チタン電極(サイズ2cm×1.
5cm)の電極面に熔融塩電解液(組成:1-エチル3-
メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート0.3
g、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムアイオダイド
0.7g、ヨウ素0.02)を5μl滴下し、減圧下で
1時間50℃にて加熱して電極細孔中に溶融塩電解液を
浸透させた。
【0167】2.光電池の作製と光電変換効率の測定 上記電極と同じ大きさの白金対極A〜Gを白金側が向き
合うように、それぞれ重ね合わせた。その際リード取出
しの寸法分だけ位置をずらせて重ねあわせた。次いで二
つの基板の周辺部を熱融解型の接着剤で封止し、本発明
になる光電池を作製し、実施例1と同様にして光電変換
効率を求め表4に記載した。
【0168】[比較例3]実施例2において白金対極Aを
前述の対極H〜L(Cu管球を用いたX線回折測定によ
る(220)面/(111)面の強度比が0.20〜0.2
5)に変えた以外は同様にして光電池(電池番号20〜
24)を作製し、光電変換効率を求め表4に一括記載し
た。
【0169】 (表4) 電池番号 対極番号 (220)/(111) 電解液 変換効率(%) 備考 強度比 −−−− −−−− −−−−− −−− −−−−−− −−− 13 A 1.07 溶融塩 4.5 本発明 14 B 1.07 溶融塩 4.5 本発明 15 C 1.02 溶融塩 4.3 本発明 16 D 0.88 溶融塩 4.1 本発明 17 E 0.48 溶融塩 3.9 本発明 18 F 0.35 溶融塩 3.7 本発明 19 G 1.08 溶融塩 4.4 本発明 20 H 0.25 溶融塩 3.2 比較例 21 I 0.24 溶融塩 3.2 比較例 22 J 0.22 溶融塩 3.0 比較例 23 K 0.20 溶融塩 2.8 比較例 24 L 0.22 溶融塩 3.0 比較例
【0170】本発明の対極A〜Gを用いた光電池13〜
19は、比較例の対極H〜Lを用いた電池20〜24に
くらべて、溶融塩系の電解質を用いても光電変換効率が
良化していることが明白である。
【0171】
【発明の効果】本発明によって、エネルギー変換効率に
優れた色素増感光電変換素子および光電池が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作成した光電池の構成を示す断面図で
ある。
【図2】光電池の基本的な構成例を示す断面図である。
【図3】光電池の基本的な構成例を示す断面図である。
【図4】基板一体型のモジュール構成例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ガラス 2 透明導電層 3 TiO2層 4 色素層 5 電解液 6 白金層 7 導電性基板 8 金属層 9 金属リード 10 色素吸着TiO2層 11 電荷移動層 12 透明導電層 13 透明基板 14 下塗り層 15 支持基板 16 固体の電荷移動層 17 反射防止層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも半導体含有層、電荷移動層お
    よび対極を有する光電変換素子において、対極がX線回
    折測定による(220)/(111)の強度比が0.35以上の白
    金を含むことを特徴とする光電変換素子。
  2. 【請求項2】少なくとも半導体層、電荷移動層および対
    極を有する光電変換素子において、対極が275℃以上
    575℃以下で熱処理された白金を含むことを特徴とす
    る光電変換素子。
  3. 【請求項3】 前記白金がスパッタリング法によって作
    製されたものであることを特徴とする請求項1または2
    の光電変換素子。
  4. 【請求項4】 前記対極が前記白金と導電性の基板とか
    ら構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の光電変換素子。
  5. 【請求項5】 前記半導体含有層が金属酸化物半導体を
    含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    光電変換素子。
  6. 【請求項6】 前記半導体含有層が二酸化チタンを含む
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光電
    変換素子。
  7. 【請求項7】 前記半導体含有層が色素で増感された半
    導体を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに
    記載の光電変換素子。
  8. 【請求項8】 前記電荷移動層が溶融塩を含有すること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光電変換
    素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の光電変
    換素子を用いた光電池。
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